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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R
管理番号 1216010
審判番号 不服2009-9611  
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-05-07 
確定日 2010-05-31 
事件の表示 特願2005-278874「プローブカード・アセンブリ及びキット、及びそれらを用いる方法」拒絶査定不服審判事件〔平成18年3月30日出願公開、特開2006-84475、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 【本願の出願に関する経緯概略】
本願は、特許協力条約に基づく国際特許出願(PCT/US95/14844)に対応する日本国特許出願(特願平8-516308号)を、特許法第44条第1項の規定により特許出願(特願平11-229866号)したものを、さらに特許法第44条第1項の規定により特許出願(特願2005-278874)したものである。

【本願の出願日についての当審の判断】
特願平8-516308号から特願平11-229866号へは適法に分割出願され、また特願平11-229866号から特願2005-278874へも適法に分割出願されている。
よって、本願の出願日は、国際特許出願日である平成7年11月13日(1995年11月13日)まで遡及する。

【本願発明の認定】
本願の請求項1、2に係る両発明は、審判請求に伴う補正後の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定されたとおりの次のものと認める(以下、各々、本願補正発明1、2という)。

【請求項1】
半導体ウェハ上のダイを試験するため使用するプローブカード・アセンブリであって、
複数の電気接点を含むプローブカードと、
複数の第1端子が配設された第1面及び該複数の第1端子のピッチと異なるピッチで複数の第2端子が配設された第2面を有する立体の多層セラミック基板であって、前記複数の第1端子が該基板内に配設されたトレースによって前記複数の第2端子に電気的に接続され、前記複数の第1端子のそれぞれに実装された複数の細長く弾性的なプローブ要素を有し、前記半導体ウェハ上の前記ダイに対向するように配置される、プローブ基板と、
前記プローブカードと前記プローブ基板との間に配置され、加えられる力に応答して主に弾性的な挙動を呈示し、前記プローブ基板を介して前記複数の第1端子の1つに電気的に接続された前記複数の第2端子の1つに接続することで、前記プローブ要素の1つと前記電気接点の1つを電気的に接続する相互接続構造と、
前記プローブ要素の先端に対して前記半導体ウェハが押圧される前に該先端が前記半導体ウェハと共平面になるように、前記プローブカードに対する前記プローブ基板の傾きを調整し、前記試験の間、所定の位置で維持、固定する調整機構と、を備え、
前記プローブ基板は間隔変換器であり、前記複数のプローブ要素のパターンは前記ダイのパターンに対応するように配置され、
前記調整機構は、前記プローブカードの穴を介して延伸し、前記プローブ基板の前記第2面に押圧可能に構成された、プローブカード・アセンブリ。
【請求項2】
試験下の半導体素子に対向するように配置され、内部に導通路を有する立体の多層セラミックからなるプローブ基板手段であって、前記半導体素子に対する細長く弾性的なプローブ要素を設けるためのプローブ基板手段と、
テスターと前記プローブ基板手段との間に配置され、前記テスターと電気的に接続されるプローブカード手段と、
加えられる力に応答して主に弾性的な挙動を呈示し、前記テスターと前記半導体素子との間の電気的接続をもたらすように、前記プローブカード手段と前記プローブ基板手段とを電気的に接続するための相互接続手段と、
前記プローブ要素の先端に対して前記半導体素子が押圧される前に該先端が前記半導体素子と共平面になるように、前記プローブカード手段に対する前記プローブ基板手段の傾きを変化させ、前記試験の間、該傾きを所定の位置で維持、固定する調整手段と、からなるプローブカード・アセンブリであって、
前記調整機構は、前記プローブカード手段の穴を介して延伸し、前記プローブカード手段に対向するプローブ基板手段の面に押圧可能に構成された、
プローブカードアセンブリ。

【注:請求項1の限定事項の解釈】
ただし、上記請求項1で限定された事項「前記プローブ基板は間隔変換器であり」の意味は、例えば、本願当初明細書の段落【0092】の記載「・・・あるピッチから別のピッチへと相互接続をなす相互接続アセンブリは、通常、「間隔変換器」と呼ばれる。」や、同じく段落【0129】の記載「「間隔変換」(時折、「ピッチ拡張」と呼ばれる)は、本発明に適用可能な重要な概念である。簡単に言えば、復元性のある接触構造の先端が、それらの基底部への接続よりも、互いに近接して間隔を開けられる(比較的微細なピッチ)ことが重要である。・・・」や、同じく段落【0132】の記載「複数(図示では多くのうち2つ)の端子406a及び406bが、比較的微細なピッチで(互いに比較的近接して)間隔変換器基板402の上部表面402aに配設される。複数(図示では多くのうち2つ)の端子408a及び408bが、比較的粗いピッチで(端子406a及び406bに対して、更に互いから離れて)間隔変換器基板402の下部表面402bに配設される。例えば、下部端子408a及び408bは、50-100ミルのピッチ(印刷回路基板の制約に匹敵)で配設し、上部端子406a及び406bは、5-10ミルのピッチ(半導体ダイの接着パッドの中心間間隔に匹敵)で配設することができ、結果として10:1ピッチ変換となる。・・・」や、同じく段落【0137】の記載「間隔変換器506には、適切に回路化された基板518(上記の402に匹敵)が含まれ、これは例えば、多層セラミック基板であり、その下側(図で見て)表面に配設された複数(図示では多くのうち2つ)の端子(接触領域、パッド)520と、その上側(図で見て)表面に配設された複数(図示では多くのうち2つ)の端子(接触領域、パッド)522を有する。この例の場合、下側の複数の接触パッド520は、相互接続要素516の先端のピッチ(例えば、100ミル)で配設され、上側の複数の接触パッド522は、より微細な(近接した)ピッチ(例えば、50ミル)で配設される。・・・」等から観て、「プローブ基板」が「複数の第1端子が配設された第1面及び該複数の第1端子のピッチと異なるピッチで複数の第2端子が配設された第2面を有する」ことを、簡略に、言い換えたものと解釈される。
即ち、上記限定事項は、「プローブ基板」と「プローブカード」との間隔が「調整機構」によって変換されることを意図するものではない。

【前置報告の概要:独立特許要件欠如】
原審審査官は、次の五つの文献を挙げ、上記本願両発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない旨、前置報告した。
(引用文献等一覧)
A.特開平6-265577号公報
B.特開平1-304372号公報
C.特開昭61-80067号公報
D.特開昭62-266475号公報
E.特開平6-58956号公報

原審審査官は、上記引用文献Aに記載された発明(以下、引用発明Aという)と本願補正発明1とを対比し、相違点を四つ挙げ、特に、第4相違点として、次のもの認定した。

「相違点4」
引用発明Aは、本願補正発明1が有する「前記プローブ要素の先端に対して前記半導体ウェハが押圧される前に該先端が前記半導体ウェハと共平面になるように、前記プローブカードに対する前記プローブ基板の傾きを調整し、前記試験の間、所定の位置で維持、固定する調整機構であって、前記プローブカードの穴を介して延伸し、前記プローブ基板の前記第2面に押圧可能に構成された調整機構」を備えていない点。

上記相違点4について、原審審査官は、次のように指摘し、当業者が容易成し得ることであると判断した。
「半導体装置を検査・測定するにあたり、接触圧を均一化するために、当該半導体装置と測定電極とを共平面となるように調整して、維持する調整機構を備えることは、本願出願前に当業者にとって周知の技術(例えば、引用文献E(特に、段落【0029】及び図6?7)を参照)である。」

【当審の判断】
(前置報告について)
そもそも、本願補正発明1は、プローブカードと試験下の半導体素子との間にプローブ基板(間隔変換器)を介在させるという技術的思想を前提にしており、プローブカードに設けられた穴を介してプローブ基板まで延伸した調整機構により、プローブ基板の傾きを調整することを第1の特徴とし、さらに、この調整機構は、プローブ要素の先端に対して半導体ウェハが押圧される前にプローブ基板の傾きの調整を行うものであることを第2の特徴としている。

上記二つの特徴により、本願補正発明1は、特異なパッド配列に対応するプローブカードをその都度用意する必要をなくすという要求に応えつつ、プローブカードに代えて、プローブ基板の傾きを調整することで、試験下の半導体装置に対して信頼性ある圧力接触を保証することができるという効果を奏するものである(本願明細書段落【0143】参照)。
さらに、上記二つの特徴により、本願補正発明1は、プローブカードの配向を変更することなく、プローブの先端の全てが、「代用」ウェーハ、又は「仮想」ウェーハとして機能する平坦な金属プレート等と実質的に同時に接触するように、事前に調整された後は、プローブの先端を、続いて、試験しようとする半導体ウェーハ上の接着パッドと、実質的に同時に接触することが可能であるという効果が期待されるものである(本願明細書段落【0180】【0184】参照)。

引用文献Eの図6を参照するに、ネジ9bは、下部固定案内部材3’に設けられた穴を介して加圧バー9にまで延伸しているものの、下部固定案内部材3’及び加圧バー9は、本願補正発明1のプローブカード及びプローブ基板とは全く異なるものであり、それぞれ対応付けることはできない。
一応、引用文献Eの上記被引用箇所において、本願補正発明1の解決すべき課題と作用・効果に関し、回路端子に対する探針の接触圧を均一化するという類似のものは把握できるものの、その具体的解決手段については、やはり両者には有意の差異が認められる。

以上を鑑みれば、引用文献Eには、本願補正発明1の有する前記第1及び第2の特徴、即ち、引用発明Aとの上記相違点4が記載も示唆もされていないと判断せざるを得ない。
結局、本願補正発明1に関し、上記五文献に記載された発明に基いて当業者が容易に発明できたものとすることは、妥当ではない。

また、本願補正発明2も、本願補正発明1と同様の上記特徴1、2を有しているから、前置報告に記載された発明の容易想到性を肯定することはできない。

(その他の拒絶理由について)
本件審判請求前に原審で指摘された拒絶理由も、審判請求に伴う補正により、全て解消している。
また、本願出願人の特許である特許第3386077号、特許第4160693号特許第4160809号、及び特許第4163922号の各特許の各発明と、本願補正発明1、2とは相違しており、特許法第39条に規定された同一性違反の拒絶理由も見出せない。
そして、他に、本願を拒絶すべき理由を発見しない。

(結論)
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2010-05-19 
出願番号 特願2005-278874(P2005-278874)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉田 久  
特許庁審判長 江塚 政弘
特許庁審判官 濱本 禎広
森 雅之
発明の名称 プローブカード・アセンブリ及びキット、及びそれらを用いる方法  
代理人 田中 克郎  
代理人 稲葉 良幸  
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