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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F24F
管理番号 1216083
審判番号 不服2007-21190  
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-08-01 
確定日 2010-05-06 
事件の表示 特願2006-144609号「空気調和機用回転ロータと空気調和機」拒絶査定不服審判事件〔平成19年12月6日出願公開、特開2007-315653号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成18年5月24日の出願であって、平成19年6月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月1日に拒絶査定不服審判が請求されたものであって、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、同年8月30日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「空気調和機に取着されたエアフィルターに堆積した塵埃を除去し、全長が少なくとも300mmのロータを有する空気調和機用回転ロータであって、前記ロータは、軽合金材料で形成されると共に外周の長手方向に複数条の支持溝が前記ロータの長手方向の軸の周りに螺旋状に形成されており、該支持溝に一端が挿入され、他端が前記支持溝の開口より突出して前記エアフィルター上の塵埃を掻き取る清掃体を備え、前記ロータの隣り合う2つの前記支持溝間に位置する全ての外周部における最も突出した先端部分の回転軌跡を同一にしたことを特徴とする空気調和機用回転ロータ。」

2.引用刊行物
(1)引用刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された実願昭61-47324号(実開昭62-160221号)のマイクロフィルム(以下「引用刊行物1」という。)には、第1?5図とともに次のような記載がある。
ア.「この考案は、空気調和機の集塵フィルタに係り、特にフィルタに付着したほこりを除去する清掃装置に関するものである。」(明細書第2頁第9?11行)
イ.「この考案における空気調和機のフィルタ清掃装置は、空気調和機の運転によってフィルタにより室内循環空気のほこりを除去し、更にフィルタをターン駆動させながら回転ブラシを用いて払い落とすことによってフィルタが捕集したほこりを常に除去することから、長時間にわたって運転を続けてもフィルタに目詰りが生じなくなる。」(同第5頁第14?20行)
ウ.「14はフィルタ清掃装置、15は環状に形成されたフィルタネットであって、吸込部7の内側全面を遮るように設置されている。また、吸込部7の左右両側部には一対の回転支持軸16,17が設けられており、この一対の回転支持軸16,17に上記フィルタネット15がターン駆動可能に掛けられている。18は回転ブラシであって、円柱軸19の外周面にブラシ20が植え立てられ、ブラシ20の先端部がフィルタネット15の表面に接するように一方の回転支持軸17に並設されている。21はモータであって、回転ブラシ18に連結されて回転ブラシ18を回転駆動するとともに、低速回転にダウンする駆動伝達ローラー22を介して一方の回転支持軸17を回転駆動させる。」(同第6頁第7行?第7頁第1行)
エ.「回転ブラシ18は第3図(a),(b)に示されるように、ブラシ20が円柱軸19の外周面にスパイラル状に設けられ、しかも回転方向が右廻りの場合はブラシ20のスパイラル方向を逆の左巻きすることによって、ほこりを常に掻き落すように作用させている。そして、このスパイラルの条数は、第3図(a)のように1条であっても、第3図(b)のように複数条であっても良い。」(同第7頁第8?15行)
オ.「この送風が行なわれると、吸込部7に対向して設置されたフィルタネット15に空気中のほこりが捕集される。・・・(中略)・・・フィルタネット15に付着したほこりが回転ブラシ18によって払い落される。」(同第7頁第19行?第8頁第6行)
カ.「集塵ファン27を回転ブラシ18の下端軸28に装着し、回転ブラシ18と共に回転させることにより、スパイラルにしたブラシ20でほこりを下方に移動させるとともに、集塵ファン27によって集塵パック24にほこりを強制的に送り込むことにより、フィルタネット15のほこり除去を更に効率化したものである。」(同第9頁第10?16行)
キ.第1及び4図には、一方の回転支持軸17に並設された回転ブラシ18の長さがフィルタネット15の幅とほぼ同じである様子が図示される。
上記ア.?カ.の記載事項、上記キ.の図示内容及び第1?5図を総合すると、引用刊行物1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「空気調和機に設置されたフィルタネット15に付着したほこりを除去する、円柱軸19を有する回転ブラシ18であって、
円柱軸19は外周面にスパイラル状に複数条植え立てられ先端部がフィルタネット15の表面に接し、ほこりを掻き落す円柱軸19とを備え、
一方の回転支持軸17に並設された回転ブラシ18の長さがフィルタネット15の幅とほぼ同じであり、
さらに、回転ブラシ18の下端軸28に装着された集塵ファン27によってフィルタネット15のほこりを集塵パック24に強制的に送り込んで除去を更に効率化する、
空気調和機に設置する回転ブラシ18。」

(2)引用刊行物2
同じく引用され、本願出願前に頒布された国際公開第2005/072589号(以下「引用刊行物2」という。)には、図1?15とともに以下の事項が記載されている。
ア.「本発明は、電気掃除機で使用される吸い込み口の金属製回転ロータに関するものである。」(段落[0001])
イ.「請求項1の発明は、電気掃除機用吸い込み口の近傍に設けた回転ブラシを構成する金属製回転ロータにおいて、該金属製回転ロータの長手方向の軸に対して垂直な断面が前記長手方向の軸の周りに所定のひねり角度を有して前記断面形状を所定の形状で保持すると共に連続的かつ螺旋状に形成されていることに特徴を有する。したがって、断面形状が所定の形状に保持されていない場合と比べて回転時に回転がスムースとなり、芯ぶれがほとんどない。また、清掃体として使用するブラシ或いはブレード等の溝部等に対する挿入性を損なうことが無く、正確且つ迅速に挿入できる。さらに、清掃体の溝部等に対する挿入性を損なうことが無い為、清掃体の組み付け時間を短縮でき、回転ブラシのコストを低減させることができる。」(段落[0017])
ウ.「図1乃至図3に示すように金属製回転ロータ1は、その外周に螺旋状の溝2が形成されており、この溝2に図4に示すようにブラシ3やブレード4の清掃体が挿入される。また、図示していないが、金属製回転ロータ1の両端には回転自在に吸込口本体に取り付けるため、回転軸と一体となったブラケット及び軸受けが取り付けられるものである。
上記第1の実施形態では、金属製回転ロータ1の長手方向に対して垂直な断面が長手方向の軸の周りに所定の捻り角度を有しつつ、断面形状は常に所定の形状で保持されている。また、この断面形状は長手方向に連続的かつ螺旋状に形成されているものである。」(段落[0030]及び[0031])
エ.「芯部13の外周に形成された歯切形状の突起15が押出し用金型に対して噛合う為、金属製回転ロータ1gを捻り押出し成形又は押出し成形する場合に、押出し時のずれを低減することができ、極めて高い精度で長手方向に対して垂直な方向の断面形状を保持すると共に連続的かつ螺旋状に形成することができるのである。
また、図14は本発明に係る金属製回転ロータの第9の実施形態を示す断面図である。この実施形態における、形状は上述した第1の実施形態から第8の実施形態のいずれでもよく、金属製回転ロータ1hの材質の一部又は全部にアルミニウム合金、発泡アルミニウム合金、或いはマグネシウム合金16を使用している点を特徴とするものである。これは、各々の合金のもつ特性を金属製回転ロータ1hに取り入れることによって、軽量化を図ることや、強靱さをそなえることができるのである。」(段落[0037]及び[0038])
オ.図4には、清掃体であるブラシ3やブレード4の一端が溝2に挿入され、他端が外方に突出する様子が図示される。
また、図1及び2には、金属製回転ロータ1の外周に螺旋状の溝2が複数条形成されている様子が図示され、さらに、特に、図1,3,4,14には、金属製回転ロータ1の断面が、ほぼ90度毎にほぼ同形状の4つの溝2を有し、溝2間においても同じく、ほぼ90度毎にほぼ同形状のきのこ状の壁部分を有することが図示されている。
上記ア.?エ.の記載事項、上記オ.の図示内容及び図1?15を総合すると、引用刊行物2には、以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「金属製回転ロータ1を有する電気掃除機用吸い込み口近傍に設ける回転ブラシであって、
金属製回転ロータ1は、アルミニウム合金、マグネシウム合金で形成されると共に長手方向の軸に対して垂直な断面が前記長手方向の軸の周りに所定のひねり角度を有して前記断面形状を所定の形状で保持すると共に連続的かつ螺旋状に形成されて、外周に複数条の螺旋状の溝2が形成されており、芯ぶれがほとんどなく、
螺旋状の溝2に一端が挿入され、他端が外方に突出するブラシ3やブレード4の清掃体を備え、
金属製回転ロータ1の断面は、ほぼ90度毎にほぼ同形状の4つの溝2を有し、溝2間においても同じく、ほぼ90度毎にほぼ同形状のきのこ状の壁部分を有する、
電気掃除機用吸い込み口近傍に設ける回転ブラシ。」

3.対比・判断
本願発明と引用発明1とを対比すると、後者の「フィルタネット15」は、その機能・構成からみて、前者の「エアフィルター」に相当し、以下同様に、後者の「ほこり」は前者の「塵埃」に、後者の「回転ブラシ18」は前者の「回転ロータ」に、後者の「円柱軸19」は前者の「ロータ」に、後者の「ほこりを掻き落すブラシ20」は前者の「塵埃を掻き取る清掃体」にそれぞれ相当する。
また、後者の「フィルタネット15に付着したほこり」は前者の「エアフィルターに堆積した塵埃」に相当し、後者の「回転ブラシ18」は「空気調和機に設置されたフィルタネット15に付着したほこりを除去する」ものであって「空気調和機に設置する」ものであるから前者の「空気調和機用回転ロータ」に相当する。
後者の回転ブラシ18は、「円柱軸19を有」し、「円柱軸19は外周面にスパイラル状に複数条植え立てられ先端部がフィルタネット15の表面に接し、ほこりを掻き落すブラシ20とを備え」るものであり、前者の空気調和機用回転ロータは、「ロータを有」し、「ロータは、軽合金材料で形成されると共に外周の長手方向に複数条の支持溝が前記ロータの長手方向の軸の周りに螺旋状に形成されており、該支持溝に一端が挿入され、他端が前記支持溝の開口より突出して前記エアフィルター上の塵埃を掻き取る清掃体を備え」るものであるから、両者は、ロータを有し、一端がロータの外周の長手方向に複数条であって、前記ロータの長手方向の軸の周りに螺旋状に設けられ、他端が前記エアフィルターに堆積した塵埃を掻き取る清掃体とを備える点で共通する。
さらに、後者の回転ブラシ18は、「円柱軸19の外周面にスパイラル状に植え立てられ」たブラシ20を備えるのであるから、円柱軸19とブラシ20は一体であるので、回転ブラシ18が回転するとき円柱軸19も回転するものである。
そうすると、両者は、
「空気調和機に取着されたエアフィルターに堆積した塵埃を除去し、ロータを有する空気調和機用回転ロータであって、
前記ロータは、一端がロータの外周の長手方向に複数条であって、前記ロータの長手方向の軸の周りに螺旋状に設けられ、他端が前記エアフィルターに堆積した塵埃を掻き取る清掃体とを備えた空気調和機用回転ロータ。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点A:ロータの全長について本願発明は「少なくとも300mm」であるのに対し引用発明1は不明である点。
相違点B:ロータと清掃体の構造に関し、本願発明は「軽合金材料で形成されると共に外周の長手方向に複数条の支持溝が前記ロータの長手方向の軸の周りに螺旋状に形成されており、該支持溝に一端が挿入され、他端が前記支持溝の開口より突出して前記エアフィルター上の塵埃を掻き取る清掃体を備え」るのに対し、引用発明1は、一端がロータの外周の長手方向に複数条であって、前記ロータの長手方向の軸の周りに螺旋状に設けられる点で共通するものの、「円柱軸19は外周面にスパイラル状に複数条植え立てられ先端部がフィルタネット15の表面に接し、ほこりを掻き落すブラシ20とを備え」るものである点。
相違点C:本願発明は「ロータの隣り合う2つの前記支持溝間に位置する全ての外周部における最も突出した先端部分の回転軌跡を同一にし」ているのに対し、引用発明1はブラシ20が外周面にスパイラル状に複数条植え立てられた円柱軸19というのみである点。

そこで、上記相違点について検討する。
(1)相違点Aについて
引用発明1は、一方の回転支持軸17に並設された回転ブラシ18の長さが、フィルタネット15の幅とほぼ同じであって、その動作からみて、1つの回転ブラシ18でフィルタネット15のほこりを除去するものといえる。
そうすると、回転ブラシ18の長さは、本願発明のロータの全長に対応するものといえ、かつ、フィルタネット15に応じて変更することは当業者が通常想定することといえる。
一方、空気調和器は家庭用から業務用、工場用等、各種の大きさがあることは周知であり、大型のフィルタとして300mm以上のものも当業者が通常想定し得た範囲といえるから、これに合わせて、その長さを300mm以上とすることは当業者が適宜なし得た事項といえ、よって、相違点Aに係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
なお、フィルタが縦に動くものが特開平6-74521号公報に示され、フィルタを動かさないでブラシを動かすものも実願平2-73564号(実開平4-33916号)のマイクロフイルムや実願昭61-168379号(実開昭63-73125号)のマイクロフイルムに示されるように、フィルタの何処の幅に合わせるかも当業者適宜なし得た設計上の事項にすぎない。

(2)相違点Bについて
本願発明と引用発明2とを対比すると、後者の「回転ブラシ」は、回転して被清掃面を清掃するブラシという機能において、前者の「回転ロータ」に対応する。また、後者の「金属製回転ロータ1」はその機能・構成からみて、前者の「ロータ」に相当し、以下同様に、後者の「アルミニウム合金、マグネシウム合金」は前者の「軽合金材料」に、後者の「長手方向の軸に対して垂直な断面が前記長手方向の軸の周りに所定のひねり角度を有して前記断面形状を所定の形状で保持すると共に連続的かつ螺旋状に形成されて、外周に複数条の螺旋状の溝2が形成され」る態様は前者の「外周の長手方向に複数条の支持溝が前記ロータの長手方向の軸の周りに螺旋状に形成され」る態様に、後者の「ブラシ3やブレード4の清掃体」は前者の「清掃体」に、それぞれ相当する。
さらに、後者のブラシ3やブレード4の清掃体について「螺旋状の溝2に一端が挿入され、他端が外方に突出する」態様は、前者の「支持溝に一端が挿入され、他端が前記支持溝の開口より突出」する態様に対応し、後者の清掃体も外方に突出される他端が清掃することは当業者にとって自明である。
したがって、引用発明2は、電気掃除機の吸い込み口の回転ブラシではあるものの、本願発明とは「ロータを有する」「回転ロータであって、前記ロータは、軽合金材料で形成されると共に外周の長手方向に複数条の支持溝が前記ロータの長手方向の軸の周りに螺旋状に形成されており、該支持溝に一端が挿入され、他端が前記支持溝の開口より突出して前記エアフィルター上の塵埃を掻き取る清掃体を備え」た「回転ロータ。」である点で一致する。
そして、このような回転ブラシの構成は引用発明2に限らず、例えば特開平4-259429号公報、特開平7-178016号公報や特開平8-511号公報等にも示されるように掃除機の回転ブラシとして従来、周知のものであって、上記周知例にも示されるように、そのブラシはほこりを被清掃面より掻き出すものであることも周知である。
そうすると、引用発明1の螺旋状の清掃体を有する回転ブラシの構造として、同じく被清掃面よりほこりを取る回転ブラシとして周知の掃除機の回転ブラシに着目し、その構造を採用することは当業者が格別の困難性を要することなくなし得たことといえる。
また、引用発明2はその構成により芯ぶれがほとんどなく清掃体の組み付け時間の短縮や回転ブラシのコスト低減をする(3.(2)イ.参照)ものであり、上記周知例には、アルミニウム等の金属製のロータとすることで、生産性や寸法精度が向上し、回転バランスが良く、ロータの外径を小さくでき小形化できること等も示されていて、これらの目的・効果は、掃除機に限らず回転ブラシ一般に求められるものといえ、この点からも引用発明1の回転ブラシ18の構造として引用発明2を適用することに困難性はなく、相違点Bに係る本願発明の効果も格別であるとはいえない。
さらにいえば、引用発明1はブラシ20に加えて、集塵ファン27も有し、効率化するものであって、吸引とともにほこりを掻き取るという点からみても、引用発明1の回転ブラシを具体化するにあたり、引用発明2を適用することに格別の困難性を要したものとはいえない。
そうすると、相違点Bに係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

(3)相違点Cについて
引用発明1は円柱軸19に回転ブラシ18を植え立てたものであって、円柱軸19はその外周は円形であって回転軌跡は同一であるといえる。
また、引用発明2は「金属製回転ロータ1の断面は、ほぼ90度毎にほぼ同形状の4つの溝2を有し、溝2間においても同じく、ほぼ90度毎にほぼ同形状のきのこ状の壁部分を有する」ものであり、かつ芯ぶれがほとんどないものであるから、当業者が当該形状をみる時、特段の事情がなければ、通常、点対称であって、4つの溝及び4つの溝間の断面形状は同様ものと認識するものである。上記周知例の回転ブラシにおいても同様といえ、そのように構成することは当業者が通常なす設計事項であるともいえる。製造上の簡単化やブラシ等の共用の点からみても、また回転時の芯ぶれや振動の点からみても上記のように同様の形状とすることは、当業者が通常なすことといわざるを得ない。
そうすると、金属製回転ロータ1の断面における、全ての、溝間に位置する部分の外周部の最も突出した先端部分は、回転軌跡を同一となるものである。
したがって、上記(2)で述べたように引用発明2を用いるに際し、溝間に位置する部分の外周部の最も突出した先端部分の回転軌跡を同一とすることは当業者が容易になし得た設計的事項といわざるを得ない。
そしてそのように構成される時、定盤やローラで反りを矯正し得る構成であるといえる。

(4)まとめ
以上のようであるから、本願発明は、引用発明1、引用発明2及び上記周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものといえる。
そして、相違点A?Cを合わせみても、本願発明の効果が格別であるとはいえない。

4.むすび
以上のように、本願発明は、引用発明1、引用発明2及び上記周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。そうすると、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-03-08 
結審通知日 2010-03-09 
審決日 2010-03-23 
出願番号 特願2006-144609(P2006-144609)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F24F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長崎 洋一  
特許庁審判長 平上 悦司
特許庁審判官 豊島 唯
清水 富夫
発明の名称 空気調和機用回転ロータと空気調和機  
代理人 中村 繁元  

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