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審決分類 |
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 取り消して特許、登録(定型) C23C 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録(定型) C23C |
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管理番号 | 1216153 |
審判番号 | 不服2007-16504 |
総通号数 | 126 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-06-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-06-13 |
確定日 | 2010-05-25 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第137044号「極薄絶縁膜形成方法」拒絶査定不服審判事件〔平成10年12月 8日出願公開、特開平10-324969、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成9年5月27日の出願であって、平成19年1月30日付けの拒絶理由の通知がされ、その願書に添付した明細書について同年4月4日付けの手続補正書が提出されたものの、同年5月8日付けで拒絶の査定がされたものである。 そして、本件審判は、この査定を不服として、同年6月13日に請求がされたものであって、前記明細書について同年7月13日付けの手続補正書が提出されている。 2.補正の却下の決定 2-1.結論 平成19年7月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 2-2.理由 2-2-1.補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲を、以下に示す(補正前)から(補正後)とする補正事項1を含む。 (補正前) 【請求項1】 真空室内に、直流電源に接続されたメタルターゲットとその背後の磁石及び該ターゲットの前方のイオン化率を高めるRFコイルを備えたマグネトロンカソードを設け、プラズマ発生のための該ターゲット及びRFコイルへの投入電力と、該真空室内へ導入するスパッタ用不活性ガス及び反応性ガスの流量とを制御し、該ターゲットに対向して設けたSi基板上又はメタル下地膜が形成された基板上にメタル膜の成膜とRFコイルのみのプラズマによる該メタル膜の絶縁化合物化をその順に交互に行うことを特徴とする極薄絶縁膜形成方法。 【請求項2】 上記メタルターゲット及びRFコイルをアルミニウムとし、上記真空室内にアルゴンガスを制御して導入すると共に圧力を調整し、該メタルターゲット及びRFコイルに上記直流電源とRF電源から夫々電力を投入してプラズマを発生させ、Si基板上又はメタル下地膜が形成された基板に30Å程度以下のアルミニウム膜を成膜したのち、該ターゲットへの電力供給を停止し該真空室内にアルゴンガスの他にO_(2)ガス又はN_(2)ガスを導入してRFコイルのみによるプラズマで該アルミニウム膜を酸化又は窒化させ、その後この成膜と酸化又は窒化を繰り返して該基板上に約100Åの極薄絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の極薄絶縁膜形成方法。 【請求項3】 真空室内に、直流電源に接続されたメタルターゲットとその背後の磁石及び該ターゲットの前方のイオン化率を高めるRFコイルを備えたマグネトロンカソードを設け、プラズマ発生のための該ターゲット及びRFコイルへの投入電力と、該真空室内へ導入するスパッタ用不活性ガス及び反応性ガスの流量とを制御し、該ターゲットに対向して設けたSi基板上又はメタル下地膜が形成された基板にメタル膜の成膜とRFコイルのみのプラズマによる該メタル膜の絶縁化合物化を行って第1層の化合物層を形成し、該第1層の化合物層上にメタルのスパッタと反応性ガスによる絶縁化合物化を同時に行う反応性スパッタにより該化合物の成膜を行うことを特徴とする極薄絶縁膜形成方法。 (補正後) 【請求項1】 真空室内に、直流電源に接続されたメタルターゲットとその背後の磁石及び該ターゲットの前方のイオン化率を高めるRFコイルを備えたマグネトロンカソードを設け、スパッタ用不活性ガスを真空室内に導入して圧力調整した後、前記メタルターゲットに直流電力を供給すると共に前記不活性ガスのプラズマを発生させて基板にメタル膜を成膜する工程と、前記メタル膜を成膜した後、前記メタルターゲットへの電力供給を停止して、前記メタル膜の絶縁化合物化を行う工程を有し、前記メタル膜を成膜する工程と前記メタル膜の絶縁化合物化を行う工程を交互に繰り返すことを特徴とする極薄絶縁膜形成方法。 【請求項2】 前記メタルターゲットがアルミニウムターゲットで、前記絶縁化合物化を行う工程が、前記アルミニウムターゲットへの電力供給を停止して、前記真空室内に不活性ガスを導入した状態で、O_(2)ガス又はN_(2)ガスを導入し、前記O_(2)ガス又はN_(2)ガスのプラズマを発生させてアルミニウム膜を酸化又は窒化させる工程であることを特徴とする請求項1に記載の極薄絶縁膜形成方法。 2-2-2.補正の適否 上記補正事項1は、請求項3を削除することと共に、請求項1において、発明特定事項とされていた制御対象の「プラズマ発生のためのRFコイルへの投入電力と真空室内へ導入する反応性ガスの流量」、基板材質の「Si又はメタル下地膜」、工程限定の「RFコイルのみのプラズマによる(メタル膜の絶縁化合物化)」を削除することを含む。 してみると、請求項1についてなされた補正事項1は、請求項の削除、特許請求の範囲の減縮、明りょうでない記載の釈明または誤記の訂正のいずれを目的とするものでもない。 したがって、上記補正事項1を含む本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.本願発明の認定と原査定についての判断 本件補正は却下されたので、本願の請求項1?3に係る発明は、平成19年4月4日付けで手続補正がなされた明細書の特許請求の範囲において、請求項1?3に記載されている事項により特定されるとおりのもの(上記「補正の内容」の欄(補正前)参照)と認める。 そして、本願については、原査定の拒絶の理由を検討しても、その理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2010-05-12 |
出願番号 | 特願平9-137044 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WYF
(C23C)
P 1 8・ 57- WYF (C23C) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 富永 泰規 |
特許庁審判長 |
山田 靖 |
特許庁審判官 |
植前 充司 大橋 賢一 |
発明の名称 | 極薄絶縁膜形成方法 |
代理人 | 清水 善廣 |
代理人 | 辻田 幸史 |
代理人 | 阿部 伸一 |