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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1216657
審判番号 不服2008-25069  
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-09-30 
確定日 2010-05-12 
事件の表示 特願2002-208690「パチンコ機の施錠装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 2月19日出願公開、特開2004- 49399〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第一.手続きの経緯
本願は、平成14年7月17日の出願であって、平成19年12月28日付けで拒絶理由通知がなされ、これに対し、平成20年3月7日付けで手続補正がなされ、その後、同年8月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月30日に拒絶査定不服の審判請求がなされるとともに、同年10月20日付け手続補正書によって明細書の一部が補正され、その後、当審において平成21年11月9日付けで、前記平成20年10月20日付けの手続補正が却下されるとともに拒絶理由が通知され、これに対し、平成22年1月15日付けで手続補正がなされたものであり、その請求項に係る発明は、上記平成22年1月15日付けで補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】 取付板と支持板を有する縦長の基枠体と、該基枠体の取付板に固定され、該基枠体内に位置する錠軸にカム板を取り付けてなるシリンダ錠と、本体枠側に固定された受け金具に係止されて前面枠を施錠する鉤部材を有し、該シリンダ錠による該カム板の一方向への回動に係合して該鉤部材を解錠方向に動かす前面枠施錠機構と、ガラス枠側の係止片に係止されて該ガラス枠を施錠する鉤部材を有し、該シリンダ錠による該カム板の他方向への回動に係合して該鉤部材を解錠方向に動かすガラス枠施錠機構と、を備え、該前面枠の内側に縦に取り付けられ、該本体枠に対し該前面枠を施錠し、該前面枠に対し該ガラス枠を施錠すると共に、該前面枠内の下部に開閉可能に取り付けられた前パネルを施錠するパチンコ機の施錠装置において、
前記前面枠施錠機構は、基枠体の支持板に前面枠施錠用の鉤部材が枢支ピンにより傾動可能に枢支され、該鉤部材に設けた係合凸部には、施錠方向に付勢するコイルばねが掛止され、該鉤部材を解錠方向にのみ動かすための前面枠施錠用の作動杆が該支持板に沿って摺動可能に配設され、該作動杆には枢支ピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、該作動杆の一部に前記カム板が係合可能な係合孔が設けられ、該鉤部材の該係合凸部に係合する係合部が該作動杆に設けられ、該前面枠の解錠時、該作動杆を解錠方向に移動させたとき、該係合部と該係合凸部を介して該鉤部材が回動力を受け、解錠側に傾動するように構成され、
前記ガラス枠施錠機構は、基枠体の支持板にガラス枠用鉤部材が枢支ピンにより傾動可能に枢支され、該ガラス枠用鉤部材に設けた係合凸部には、施錠方向に付勢するコイルばねが掛止され、該ガラス枠用鉤部材を解錠方向にのみ動かすためのガラス枠用作動杆が該支持板に沿って摺動可能に配設され、該ガラス枠用作動杆には枢支ピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、該ガラス枠用作動杆の一部に前記カム板が係合可能な係合孔が設けられ、該ガラス枠用鉤部材の該係合凸部に係合する係合部が該ガラス枠用作動杆に設けられ、該ガラス枠の解錠時、該ガラス枠用作動杆を解錠方向に移動させたとき、該係合部と該係合凸部を介して該ガラス枠用鉤部材が回動力を受け、解錠側に傾動するように構成され、
前記前パネルを施錠するための2本の前パネル用鉤部材が、該基枠体の該取付板に設けたスリット孔から前方に突き出して、該基枠体の該支持板の下部内側に、枢支ピンにより独立して傾動可能に枢支され、該基枠体内に前パネル用鉤部材を解錠方向にのみ動かすための前パネル用作動杆が摺動可能に配設され、該前パネル用鉤部材には施錠側に付勢するコイルばねが掛止され、該前パネル用作動杆の一部に操作部が設けられ、該前面枠内の下部に開閉可能に取付けられた前パネル側に係止片が設けられ、該前パネル用鉤部材が該係止片に係止されて該前パネルが施錠されることを特徴とするパチンコ機の施錠装置。」(以下「本願発明」という。)

第二.当審の拒絶理由
当審は、上記平成21年11月9日付けの拒絶理由通知書で、本願の請求項1乃至3に係る発明は、下記の刊行物1乃至5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない旨を通知した。

第三.刊行物に記載された発明
刊行物1:特開2002-177586号公報
(平成14年6月25日公開)
刊行物2:特開平10-151254号公報
刊行物3:実願昭54-5776号(実開昭55-104478号)の
マイクロフィルム
刊行物4:実公昭57-57752号公報
刊行物5:特開2000-288214号公報
(以下、各々を「引用刊行物1」乃至「引用刊行物5」という。)

当審の拒絶理由通知に引用され、本願出願前に頒布された引用刊行物1(特開2002-177586号公報)には、以下の記載がある。
(1a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一の扉に取付けられた錠によりその扉に装着された可動錠板を解錠方向にスライドさせてその可動錠板と連動するロック爪を他の扉に設けられた受け金具から外し、前記一の扉の解錠を行うパチンコ機の錠装置に関する。」、
(1b)「【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1から図5に基づいて、本発明の実施形態1に係るパチンコ機の錠装置の説明を行う。・・・
【0012】パチンコ機1は、図2、図3に示すように、略方形枠状に組付け成形された機台枠2を備えている。機台枠2の前面側にはヒンジ(図示されていない)を介して表枠3が片開き状に取付けられている。また、表枠3の前面にヒンジを介してガラス枠5が片開き状に取付けられており、そのガラス枠5の下側にヒンジを介して前枠6が片開き状に取付けられている。
【0013】表枠3の自由端側の裏面には、図3に示すように、その表枠3の施錠及びガラス枠5の施錠を行う施錠ユニット15が取付けられている。施錠ユニット15は角筒形の錠板ケース12を備えており、この錠板ケース12内に施錠ユニット15の構成部品が組み込まれている。施錠ユニット15は錠板ケース12内に固定基枠16を備えている。固定基枠16は、図4、図5に示すように、取付片17とスライド保持片18とにより断面L字形に形成されている。なお、錠板ケース12の一部と固定基枠16の一部とを兼用することも可能であるが、本実施形態では錠板ケース12と固定基枠16とが別体であるものとして以下の説明を行う。
【0014】固定基枠16の取付片17の中央上部寄りにはシリンダ錠22が取付けられている(図5参照)。シリンダ錠22は表枠3の解錠及びガラス枠5の解錠を行うための錠であり、そのシリンダ錠22の回転軸(図示されていない)に第一解錠片23a及び第二解錠片23bによってブーメラン状に形成された解錠レバー23が連結されている。・・・固定基枠16のスライド保持片18には、図5に示すように、ガラス枠5の施錠用として使用される第一可動錠板50が上下のガイド穴57a,57bと上下のガイドピン30とによってスライド可能に装着されている。
【0015】第一可動錠板50は上部と下部とに第一ロック爪56a,56bを備えており、それらの第一ロック爪56a,56bの上側に係合凹部56cが形成されている。第一ロック爪56a,56bは固定基枠16の挿通長穴27a,27bに通されて固定基枠16の裏側(パチンコ機1の前面側)に突出しており、さらに錠板ケース12の前面に形成された第一挿通長穴12a,12bに通されてその錠板ケース12の外側(前側)に突出している(図1参照)。・・・第一可動錠板50は第一バネ38b(図4参照)によって常に引き上げ方向の力を受けることで施錠位置(上限位置)に保持されている。
【0016】第一可動錠板50と固定基枠16のスライド保持片18との間にはハネ出しプレート40がスライド可能に装着されている。ハネ出しプレート40はシリンダ錠22の第一解錠片23aの押下げ力を受けて下動することで、第一可動錠板50を第一バネ38bの力に抗して解錠位置まで下動させる部材であり、図5に示すように、そのハネ出しプレート40の上部には第一作動穴43が貫設されている。第一作動穴43にはシリンダ錠22の第一解錠片23aが掛けられる係合段部43aが形成されている。」、
(1c)「【0019】固定基枠16の取付片17には、図5に示すように、上部と下部とにガイド金具19,19が取付けられており、それらのガイド金具19,19に表枠3の施錠用として使用される第二可動錠板65がガイド穴71a,71bとガイドピン20とによって第一可動錠板50に重ねられた状態でスライド可能に装着されている。第二可動錠板65は上部と下部とに第二ロック爪70a,70bを備えており、それらの第二ロック爪70a,70bの下側に係合部70cが形成されている。第二ロック爪70a,70bは、図1(B)に示すように、錠板ケース12の後面に形成された第二挿通長穴12x,12yに通されてその錠板ケース12の外側(後側)に突出している。・・・
【0020】第二可動錠板65のほぼ中央には第二作動穴73が貫設されており、その第二作動穴73にシリンダ錠22の第二解錠片23bが掛けられる係合段部73aが形成されている。第二可動錠板65は第二バネ38c(図4参照)によって常に引き下げ方向の力を受けることで施錠位置(下限位置)に保持されている。しかし、第二可動錠板65はシリンダ錠22の第二解錠片23bから押上げ力を受けることで第二バネ38cの力に抗して解錠位置まで上動できるようになっている。
【0021】固定基枠16の下部には、図4(A)(B)に示すように、前枠6の施錠に使用される第三可動錠板75がガイド穴77a,77bとガイドピン36a,36bとによってスライド可能に装着されている。第三可動錠板75は上部と下部とに第三ロック爪76a,76bを備えており、それらの第三ロック爪76a,76bの上側に係合部76cが形成されている。第三ロック爪76a,76bは、図1(A)に示すように、錠板ケース12の前面に形成された第三挿通長穴12m,12nに通されてその錠板ケース12の外側(前側)に突出している。第三可動錠板75は第三バネ38dによって常に引き上げ方向の力を受けることで施錠位置(上限位置)に保持されている。
【0022】前枠6の解錠はガラス枠5を開いた状態で、第三可動錠板75を手動により第三バネ38dの力に抗して押し下げることにより行う。このため、錠板ケース12の側面には第三可動錠板75を操作するためのレバーを通す長穴(図示されていない)が形成されている。なお、第三可動錠板75は錠板ケース12の外側に配置することも可能である。」、
(1d)「【0024】上記したように構成された施錠ユニット15は、前述のように、表枠3の自由端側の裏面に縦に取付けられる。表枠3の自由端側には、図2に示すように、施錠ユニット15の錠板ケース12から突出した第一ロック爪56a,56bを通す長穴3b,3bが貫設されており、・・・さらに、表枠3の自由端側の下部には、第三ロック爪76a,76bを通す長穴3e,3eが貫設されている。・・・
【0025】ガラス枠5の回動自由端側の裏面には上下所定位置に施錠ユニット15の第一ロック爪56a,56bがそれぞれ下方から係合する受け金具8,8が固定されている。また、前枠6の回動自由端側の裏面には上下所定位置に施錠ユニット15の第三ロック爪76a,76bが下方から係合する受け金具9,9が固定されている。
【0026】前述のように、第一可動錠板50は第一バネ38bによって常に引き上げ方向の力を受けることで施錠位置(上限位置)に保持されているため、ガラス枠5を閉じることでその第一可動錠板50の第一ロック爪56a,56bとガラス枠5の受け金具8,8とが係合され、自動的にガラス枠5の施錠が行われる。同様に、第三可動錠板75は第三バネ38dによって常に引き上げ方向の力を受けることで施錠位置(上限位置)に保持されているため、前枠6を閉じることでその第三可動錠板75の第三ロック爪76a,76bと前枠6の受け金具9とが係合され、自動的に前枠6の施錠が行われる。
【0027】図3に示すように、機台枠2の一方の縦枠2aの内側面には上下所定位置に施錠ユニット15の錠板ケース12から後方に突出した第二ロック爪70a,70bが上方から係合する受け金具7a,7aが固定されている。受け金具7a,7aは金具ケース7に収納されており、第二ロック爪70a,70bと係合する部位(図示されていない)が金具ケース7の外に配置されている。前述のように、第二可動錠板65は第二バネ38cによって常に引き下げ方向の力を受けることで施錠位置(下限位置)に保持されているため、表枠3を閉じることでその第二可動錠板65の第二ロック爪70a,70bと機台枠2の受け金具7a,7aとが係合され、自動的に表枠3の施錠が行われる。このように、表枠3が本発明の一の扉に相当し、機台枠2及びガラス枠5、前枠6が本発明の他の扉に相当する。
【0028】次に、このパチンコ機1の解錠操作について説明する。先ず、表枠3を開くには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキー(図示されていない)により図5において左回転させる。解錠レバー23が左回転すると、その解錠レバー23の第二解錠片23bが第二可動錠板65の係合段部73aに掛けられてその第二可動錠板65を押上げる。これによって、第二可動錠板65は第二バネ38cの力に抗して解錠位置まで上動し、第二可動錠板65の第二ロック爪70a,70bが機台枠2の受け金具7a,7aから外されて、表枠3の解錠が行われる。」、
(1e)「【0030】また、表枠3が閉じられた状態でガラス枠5の解錠を行うには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキー(図示されていない)により図5において右回転させる。解錠レバー23が右回転すると、その解錠レバー23の第一解錠片23aがハネ出しプレート40の係合段部43aに掛けられてそのハネ出しプレート40を押下げる。ハネ出しプレート40が下動すると、第一可動錠板50がそのハネ出しプレート40によって押下げられ、第一可動錠板50は第一バネ38bの力に抗して解錠位置まで下動する。これによって、第一可動錠板50の第一ロック爪56a,56bがガラス枠5の受け金具8,8から外されて、ガラス枠5の解錠が行われる。」、
(1f)「【0032】上記したように、本実施形態に係るパチンコ機の錠装置によると、施錠ユニット15の構成部品、即ち、第一可動錠板50、第二可動錠板65等は表枠3に固定された錠板ケース12に収納されているため、・・・」。

したがって、これらの記載事項をまとめると、引用刊行物1には、
「 略方形枠状に組付け成形された機台枠2の前面側には表枠3が、表枠3の前面にはガラス枠5が、そのガラス枠5の下側には前枠6が、各々片開き状に取付けられている、パチンコ機1に取付けられている錠装置において、
(1)表枠3の自由端側の裏面には、その表枠3の施錠及びガラス枠5の施錠を行う施錠ユニット15が縦に取付けられ、該施錠ユニット15は角筒形の錠板ケース12内に、取付片17とスライド保持片18とにより断面L字形に形成されている固定基枠16を備え、該角筒形の錠板ケース12の一部と固定基枠16の一部とを兼用することも可能であり、
(1-1)固定基枠16の取付片17の中央上部寄りには、表枠3の解錠及びガラス枠5の解錠を行うためのシリンダ錠22が取付けられ、そのシリンダ錠22の回転軸には第一解錠片23a及び第二解錠片23bによってブーメラン状に形成された解錠レバー23が連結され、
(1-2)固定基枠16のスライド保持片18には、ガラス枠5の施錠用として使用される第一可動錠板50が上下のガイド穴57a,57bと上下のガイドピン30とによってスライド可能に装着され、該第一可動錠板50は上部と下部とに第一ロック爪56a,56bを備えており、第一ロック爪56a,56bは固定基枠16の挿通長穴27a,27bに通されてパチンコ機1の前面側に突出しており、さらに錠板ケース12の前面に形成された第一挿通長穴12a,12bに通されてその錠板ケース12の前側に突出し、
(1-3)固定基枠16の取付片17には、上部と下部とにガイド金具19,19が取付けられており、それらのガイド金具19,19に表枠3の施錠用として使用される第二可動錠板65がガイド穴71a,71bとガイドピン20とによって第一可動錠板50に重ねられた状態でスライド可能に装着され、該第二可動錠板65は上部と下部とに第二ロック爪70a,70bを備えており、第二ロック爪70a,70bは、錠板ケース12の後面に形成された第二挿通長穴12x,12yに通されてその錠板ケース12の後側に突出し、第二可動錠板65のほぼ中央には第二作動穴73が貫設され、その第二作動穴73にシリンダ錠22の第二解錠片23bが掛けられる係合段部73aが形成され、第二可動錠板65は第二バネ38cによって常に引き下げ方向の力を受けることで施錠位置に保持され、
(1-4)固定基枠16の下部には、前枠6の施錠に使用される第三可動錠板75がガイド穴77a,77bとガイドピン36a,36bとによってスライド可能に装着され、該第三可動錠板75は上部と下部とに第三ロック爪76a,76bを備えており、第三ロック爪76a,76bは、錠板ケース12の前面に形成された第三挿通長穴12m,12nに通されてその錠板ケース12の前側に突出し、第三可動錠板75は第三バネ38dによって常に引き上げ方向の力を受けることで施錠位置に保持され、
(2)ガラス枠5の回動自由端側の裏面には上下所定位置に施錠ユニット15の第一ロック爪56a,56bがそれぞれ下方から係合する受け金具8,8が固定され、ガラス枠5を閉じることで、第一バネ38bによって常に引き上げ方向の力を受けている第一可動錠板50の第一ロック爪56a,56bとガラス枠5の受け金具8,8とが係合され、自動的にガラス枠5の施錠が行われ、
(3)前枠6の回動自由端側の裏面には上下所定位置に施錠ユニット15の第三ロック爪76a,76bが下方から係合する受け金具9,9が固定され、前枠6を閉じることで、第三バネ38dによって常に引き上げ方向の力を受けている第三可動錠板75の第三ロック爪76a,76bと前枠6の受け金具9とが係合され、自動的に前枠6の施錠が行われ、
(4)機台枠2の一方の縦枠2aの内側面には上下所定位置に施錠ユニット15の錠板ケース12から後方に突出した第二ロック爪70a,70bが上方から係合する受け金具7a,7aが固定され、表枠3を閉じることで、第二バネ38cによって常に引き下げ方向の力を受けている第二可動錠板65の第二ロック爪70a,70bと機台枠2の受け金具7a,7aとが係合され、自動的に表枠3の施錠が行われ、
(5)表枠3を開くには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキーにより左回転させ、その解錠レバー23の第二解錠片23bが第二可動錠板65のほぼ中央に貫設された第二作動穴73に形成された係合段部73aに掛けられてその第二可動錠板65を押上げ、第二可動錠板65は第二バネ38cの力に抗して解錠位置まで上動し、第二可動錠板65の第二ロック爪70a,70bが機台枠2の受け金具7a,7aから外されて、表枠3の解錠が行われ、
(6)ガラス枠5の解錠を行うには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキーにより右回転させ、その解錠レバー23の第一解錠片23aがハネ出しプレート40の上部に貫設された第一作動穴43に形成された係合段部43aに掛けられてそのハネ出しプレート40を押下げ、第一可動錠板50がそのハネ出しプレート40によって押下げられ、第一可動錠板50は第一バネ38bの力に抗して解錠位置まで下動し、第一可動錠板50の第一ロック爪56a,56bがガラス枠5の受け金具8,8から外されて、ガラス枠5の解錠が行われ、
(7)前枠6の解錠はガラス枠5を開いた状態で、第三可動錠板75を手動により第三バネ38dの力に抗して押し下げることにより行う、
パチンコ機1の錠装置。」の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

当審の拒絶理由通知に引用され、本願出願前に頒布された引用刊行物2(特開平10-151254号公報)には、以下の記載がある。
(2a)「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機の施錠装置に関するものである。」、
(2b)「【0015】図3は本発明の一実施の形態の施錠装置の斜視図、図4はその分解斜視図である。この施錠装置11は、本体枠14と作動板15とシリンダ錠16とによって大略構成される。本体枠14は、取付板17と支持板18とにより断面L字形に形成され、その取付板17が前面枠2の開放側裏面に複数のねじで固着される。前記支持板18の上下両端部分は幅広に形成されており、その幅広部分に側枠1の内側に設けられた係止金具19,19に係脱する鉤部材20,20が軸ピン21,21によって上下方向へ回動自在に枢着されている。
【0016】前記作動板15は、本体枠14の支持板18とほぼ等しい長さに形成され、かつ該支持板18に沿って上下摺動可能に配設される。この作動板15の上下両端には縦長孔22,22が穿設されており、該縦長孔22,22に挿通したピン23,23を鉤部材20,20にカシメ着することによって両鉤部材20,20と作動板15とを連結させている。そして、鉤部材20,20に設けた突起24,24と取付板17及び支持板18に突設した掛止部25,25とにスプリング26,26の両端を係止して両鉤部材20,20を図6実線で示すように上向き(反時計廻り方向)に回動付勢し、これによって両鉤部材20,20が側枠1の係止金具19,19に係合して前面枠2を施錠するようになっている。・・・
【0017】・・・30は作動板15に設けられた突起片31と取付板17に突設された掛止部32とに両端を係止させたスプリングで、作動板15を常に前記スプリング26,26より弱い作用力で下方へ付勢している。33は作動板15を手で下動操作するための把手片である。」、
(2c)「【0022】本発明は上記のように構成されており、図6においてシリンダ錠16の鍵孔35に鍵34を挿入して錠軸38を矢印A方向(図5参照)へ回動すると、連結片47を介して作動板15が図6鎖線のようにスプリング26,26の付勢に抗して上動し、これの縦長孔22,22の下端でピン23,23を上方へ押し上げる。これによって、鉤部材20,20がスプリング26,26の付勢に抗して軸ピン21,21を支点に下向回動し、側枠1の係止金具19,19との係合が解かれて前面枠2が開放可能な状態となる。」。
(2d)また、【図3】及び【図4】並びに【図6】には「把手片33が設けられた作動板15」が示されている。

したがって、これらの記載事項をまとめると、引用刊行物2には、
「 本体枠14と作動板15とシリンダ錠16とによって大略構成される、パチンコ機の施錠装置11であって、
本体枠14は、取付板17と支持板18とにより断面L字形に形成され、その取付板17が前面枠2の開放側裏面に複数のねじで固着され、前記支持板18の上下両端部分の幅広部分に側枠1の内側に設けられた係止金具19,19に係脱する鉤部材20,20が軸ピン21,21によって上下方向へ回動自在に枢着され、
前記作動板15は、本体枠14の支持板18に沿って上下摺動可能に配設され、この作動板15の上下両端には縦長孔22,22が穿設されており、該縦長孔22,22に挿通したピン23,23を鉤部材20,20にカシメ着することによって両鉤部材20,20と作動板15とを連結させ、鉤部材20,20に設けた突起24,24と取付板17及び支持板18に突設した掛止部25,25とにスプリング26,26の両端を係止して両鉤部材20,20を上向き(反時計廻り方向)に回動付勢し、これによって両鉤部材20,20が側枠1の係止金具19,19に係合して前面枠2を施錠するようになっており、
該作動板15には手で下動操作するための把手片33が設けられ、
シリンダ錠16の鍵孔35に鍵34を挿入して錠軸38を所定の方向へ回動すると、連結片47を介して作動板15がスプリング26,26の付勢に抗して上動し、これの縦長孔22,22の下端でピン23,23を上方へ押し上げ、鉤部材20,20がスプリング26,26の付勢に抗して軸ピン21,21を支点に下向回動し、側枠1の係止金具19,19との係合が解かれて前面枠2が開放可能な状態となる、
パチンコ機の施錠装置11。」の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

当審の拒絶理由通知に引用され、本願出願前に頒布された引用刊行物3(実願昭54-5776号(実開昭55-104478号)のマイクロフィルム)において、
(3a)明細書第1頁第16行乃至第2頁第1行には、「 この考案は、パチンコ機の前面に扉状に開閉可能に取付けた前面枠に取付けられ、シリンダ錠の回動により揺動する鉤部材を備え、パチンコ機の本体外枠に取付けた係止受部に鉤部材を掛け止めて前面枠に施錠を行なうパチンコ機の施錠装置において、・・・」と、
(3b)同第2頁第14行乃至第17行には、「 第1図は施錠装置をパチンコ機の前面枠1に取付け、本体外枠2に取付けた鉤部材用の係止受部3、4に上下の鉤部材5、6を係止させた状態を示している。」と、
(3c)同第3頁第14行乃至第4頁第2行には、「15はパチンコ機の内部から開錠するために第1連結杆に設けた取手である。第1連結杆11の上下先端はそれぞれ鉤部材5、6に連結され、鉤部材16、17に軸支され、第1図において、第1連結杆11を上方へ摺動させると鉤部材5、6はそれぞれ軸16a、17aを中心に半時計方向に回動し、係止受部3、4との係合を解除して開錠するように動作する。」と、
(3d)同第4頁第12行乃至第5頁第6行には、「 次に、この施錠装置の動作を説明する。
前面枠1に取付けられた施錠装置は、前面枠1が本体外枠に押込まれることにより鉤部材5、6がばね16b、17bの力で係止受部3、4にそれぞれキヤツチされ、自動的に施錠を行なう。・・・
開錠を行なう場合、シリンダ錠8に鍵を挿入し、前面枠1の開錠の際は鍵を左方向に回して第3図のように、カム板10を時計方向へ回動することにより行なう。すなわち、時計方向へ回動したカム板10の左側先端は第1連結杆11の切欠部11aに係合して第1連結杆11を上方へ摺動させる。すると、上下の鉤部材5、6はばね16b、17bに抗して第1図の半時計方向に回動して係止受部3、4との係合を解除し開錠される。・・・」と、それぞれ記載されている。
(3e)また、パチンコ機の施錠装置の側面図である【第1図】には「鉤部材5近傍に配置されたばね16b、鉤部材6近傍に配置されたばね17b」が示されている。

したがって、これらの記載事項をまとめると、引用刊行物3には、
「 本体外枠2に係止受部3、4を取付け、シリンダ錠の回動により揺動する鉤部材5、6を前面枠1の上下に取付け、鉤部材5近傍にばね16bを配置し、鉤部材6近傍にばね17bを配置し、
前面枠1が本体外枠2に押込まれることにより鉤部材5、6がばね16b、17bの力で係止受部3、4にそれぞれキヤツチされ、自動的に施錠を行なう、パチンコ機の施錠装置において、
前面枠1の開錠を行なう場合、シリンダ錠8に鍵を挿入し、左方向に回して、カム板10を時計方向へ回動すると、回動したカム板10の左側先端は第1連結杆11の切欠部11aに係合して第1連結杆11を上方へ摺動させ、第1連結杆11の上下先端にそれぞれ連結された上下の鉤部材5、6はばね16b、17bに抗してそれぞれ軸16a、17aを中心に回動して係止受部3、4との係合を解除し開錠され、
また、パチンコ機の内部から開錠するために第1連結杆に取手15を設けた、
パチンコ機の施錠装置。」の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。

当審の拒絶理由通知に引用され、本願出願前に頒布された引用刊行物4(実公昭57-57752号公報)において、
(4a)明細書第1頁第1欄第13行乃至第24行には「実用新案登録請求の範囲
パチンコ機の窓枠開放側内面に並着された基片の下部には掛止突片を突設する一方、前記窓枠下部に対し開閉可能に蝶着された前面盤の開放側端部裏面に固着される案内片には上挾持片をピン着し、さらに、同案内片には操作片を上下動可能に弾性並設するとともに、前記操作片の上動時には前記上挾持片が前記掛止突片に対し下傾状に係合され、逆に前記操作片の下動時には前記上挾持片が前記掛止突片に対し上傾状に解放されるように前記操作片と前記上挾持片を連係したことを特徴とするパチンコ機における前面盤施錠装置。」と、
(4b)同第1頁第1欄第36行乃至第2欄第4行には「 7はガラス窓枠5の下方にて窓枠4に対し開閉可能に蝶着された前面盤である。
8は窓枠4の開放側内面に並着された基片であつて、その上部および中央部付近には逃げ穴8a,8aが開口され、さらに、その下端部付近には掛止突片9が内方に対し垂直状に突設されている。」と、
(4c)同第1頁第2欄第33行乃至第2頁第3欄第11行には「 続いて、前面盤施錠装置について説明すると、17は前面盤7の開放側端部裏面に対し垂直状に固着された案内片であつて、断面L型状に形成され、その水平部17aが前面盤7にリベツト18,18着される一方、垂直部17bの上下部にはガイドピン19,20が植設され、さらに、垂直部17bの後端下部には山型状の支承片21が突設され、この支承片21の上縁には支承縁21aが斜状に形成されている。
22は案内片17の内面側に対し上下動可能に並設された操作片であつて、その上下部に貫設された長孔状のガイド孔22a,22aを介して案内片17のガイドピン19,20にて案内され、その上端には逆L型状の操作つまみ22bが突出され、かつ、この操作つまみ22bの下端縁には上案内縁22cが斜状に形成されている。」と、
(4d)同第2頁第3欄第20行乃至第35行には「 26は操作片22の上部前方に植設されたガイドピンである。
27は案内片17上方のガイドピン19に対し操作片22を挾んで回動可能にピン着された上挾持片であつて、・・・
そして、この上挾持片の前端部には回動溝30が操作片22のガイドピン26に対し連係可能に凹設されていて、このガイドピン26と回動溝30を介して上挾持片27が操作片22の上下動に同調して回動されるとともに、掛止突片9の上端部9bに対し係脱される。」と、
(4e)同第2頁第3欄第42行乃至第4欄第9行には「 まず、閉止された前面盤7を開放する場合には、操作つまみ22bを介して操作片22を押下げると、下挾持片23と上挾持片27に挾持された基片8の掛止突片9は、下挾持片23の下動にて下掛止凹部25より下端部9aが脱離される一方、上挾持片27の回動にて同片27が上傾状に開放されて上掛止凹部29との係合から上端部9bが脱離され、・・・前面盤7が前方に対し円滑に押出されて開放される。」と、それぞれ記載されている。

したがって、これらの記載事項をまとめると、引用刊行物4には、
「 パチンコ機の窓枠4開放側内面に並着された基片8の下部には掛止突片9を突設する一方、前記窓枠4下部に対し開閉可能に蝶着された前面盤7の開放側端部裏面に垂直状に固着される案内片17には上挾持片27をピン着し、さらに、同案内片17には操作片22を上下動可能に弾性並設するとともに、前記操作片22の上動時には前記上挾持片27が前記掛止突片9に対し下傾状に係合され、逆に前記操作片22の下動時には前記上挾持片27が前記掛止突片9に対し上傾状に解放されるように前記操作片22と前記上挾持片27を連係した、パチンコ機における前面盤施錠装置において、
断面L型状に形成される案内片17の垂直部17bの上下部にはガイドピン19,20が植設され、
上端に逆L型状の操作つまみ22bが突出される操作片22は、その上下部に貫設された長孔状のガイド孔22a,22aを介して案内片17のガイドピン19,20にて案内され、上部前方にはガイドピン26が植設され、
前端部に回動溝30が前記ガイドピン26に対し連係可能に凹設されている上挾持片27は、案内片17上方のガイドピン19に対し回動可能にピン着され、
閉止された前面盤7を開放する場合には、操作つまみ22bを介して操作片22を押下げると、ガイドピン26と回動溝30を介して上挾持片27が回動される、パチンコ機における前面盤施錠装置。」の発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。

当審の拒絶理由通知に引用され、本願出願前に頒布された引用刊行物5(特開2000-288214号公報)には、以下の記載がある。
(5a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前枠を外枠に開閉可能に支持したパチンコ遊技機、パチスロ遊技機等の遊技機において、前枠が閉じられたときにその前枠を外枠に係止するために用いられる施錠装置に関するものである。」、
(5b)「【0008】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明をパチンコ遊技機の施錠装置に具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機1は、外枠2と、軸9により外枠2に開閉可能に支持された前枠(内枠と呼ばれることもある)3と、前枠3に組付けられた遊技盤4と、軸10により前枠3に開閉可能に支持されたガラス枠5とを備えている。外枠2内の右側部には被係止部が固定されている。被係止部は、剛性の高い材料、例えば金属板によって形成されている。ここでは、被係止部として、金属板を曲げ形成したもの(以下「受け金具」という)が用いられ、これが木ねじ等によって外枠2に固定されている。受け金具の数は複数(2つ以上)であり、ここでは2個の受け金具(第1受け金具6及び第2受け金具7)が用いられている。第1受け金具6は外枠2の下部に固定され、第2受け金具7は外枠2の上部に固定されている。前枠3の裏面の右側部には、縦長の施錠装置8が組付けられている。施錠装置8は、前枠3が閉じられたときにその前枠3を外枠2に係止するための機構と、ガラス枠5が閉じられたときにそのガラス枠5を前枠3に係止するための機構とを備えている。・・・
【0009】施錠装置8は、図3(a),(b)に示すように上下に細長い枠体13を備えており、この枠体13において前枠3に固定されている。ここでは、金属板を略直角に曲げてアングル状としたものが枠体13として用いられているが、これに限らない。枠体13において互いに略直交する2つの板状部分を区別するために、一方を「取付け部11」といい、他方を「支持部12」ということにする。取付け部11は木ねじ等の締結具によって前枠3の裏面に固定されており、支持部12は同裏面に対し略直交している。・・・
【0010】取付け部11には、図4(b)に示すように、解錠のために専用の鍵(以下「専用キー」という)14によって解錠操作される錠が組付けられている。ここでは、錠としてシリンダ錠15が用いられているが、これ以外のタイプの錠が用いられてもよい。シリンダ錠15においては、解錠のために専用キー14が差込まれて回転されるが、ここでは、パチンコ遊技機1の正面から見て時計回り方向(図4(b)において矢印で示す方向)を、前枠3を開放する際に専用キー14を回す方向とし、反時計回り方向を、ガラス枠5を開放する際に専用キー14を回す方向としている。・・・図3(a),(b)に示すように、シリンダ錠15は専用キー14の操作にともない回動する錠軸16を備えている。錠軸16には、第1突起17及び第2突起18を有するカム板19が取付けられている。
【0011】・・・同様に、支持部12の上部において、第2受け金具7と対応する箇所には、第2鉤部材23が軸24により上下方向への傾動可能に支持されている。第2鉤部材23は略水平状態となったときに第2受け金具7に係止し、下方へ傾いたときに同受け金具7から離脱する(外れる)。・・・
【0012】支持部12の側方(図3(a)では左方)近傍には、連結杆20が上下方向への往復動可能に配置されている。枠体13には、連結杆20の前後方向の動き及び左右方向の動きを規制するための機構が設けられている。・・・なお、連結杆20の上下方向への往復動のうち、上方への移動は解錠に関連する。後述するように、連結杆20の上方への移動により、全鉤部材21,23が受け金具6,7から外れて、解錠が行われる。このことから、連結杆20の往復動方向である上下方向のうち、「上方」を「解錠方向」というものとする。
【0013】連結杆20は第1連結杆25と、その上側に配置された第2連結杆26とに分割されている。・・・
【0014】第2連結杆26は上下に細長い形状をなし、その一部には、前記カム板19の回転にともない第1突起17が当接される回転伝達部32が形成されている。これらのカム板19及び回転伝達部32は、錠軸16の回転運動を直線運動に変換して第2連結杆26に伝達するものである。そして、前枠3の開放のために専用キー14が時計回り方向へ回されると、第1突起17が回転伝達部32に下側から当接し、第2連結杆26を押上げる。このようにして、第2連結杆26は専用キー14の解錠操作にともない解錠方向へ移動する。これとは逆に、ガラス枠5の開放のために専用キー14が反時計回り方向へ回されると、第2突起18が補助枠35を押し下げる。
【0015】第2連結杆26の上端部は第2鉤部材23に動力伝達可能に連結されている。しかし、同上端部は、前述した第1連結杆25の下端部とは異なり、第2鉤部材23に対し連結ピンによって連結されてはいない。連結ピンによる連結に代えて、第2連結杆26の上端部には押圧部33が設けられ、第2鉤部材23には受圧部34が設けられている。ここでは、第2連結杆26の上端縁が押圧部33として利用されている。第2鉤部材23の一部は第2連結杆26側へ曲げ形成されており、この折曲げ部分が受圧部34とされている。これらの押圧部33及び受圧部34は一例にすぎず、専用キー14の操作により第2連結杆26が上方(解錠方向)へ移動したときには受圧部34が押圧部33に当接し、かつ第1鉤部材21が不正に押下げられたときには受圧部34が押圧部33から離間するという条件を満たす限りにおいて、適宜変更可能である。この変更に際しては、押圧部33は第2連結杆26と一体で形成されてもよいし、別部材によって形成され、接着、溶接等の手段によって第2連結杆26に固定されてもよい。受圧部34に関しても同様である。
【0016】さらに、受圧部34を押圧部33に当接させる方向へ第2鉤部材23を付勢する第2弾性部材が用いられている。ここでは、第2弾性部材として第2コイルばね36が用いられ、これが引張られた状態で補助枠35及び受圧部34間に掛渡されている。第2コイルばね36は、補助枠35に代えて枠体13に掛止されてもよい。第2弾性部材としては、圧縮コイルばね、ねじりコイルばね、板ばね、棒ばね等のばねが用いられたり、ばね以外のもの、例えばゴム(ゴム紐等)が用いられたりしてもよい。」、
(5c)「【0022】次に、前記のように構成された本実施形態の作用及び効果について説明する。図4(a)は、施錠装置8の施錠時の状態を示している。この状態では、第2コイルばね36によって下方へ引張られた第2鉤部材23が第2受け金具7に下側から係止している。・・・」。

したがって、これらの記載事項をまとめると、引用刊行物5には、
「 外枠2内の右側部には第1受け金具6及び第2受け金具7が固定され、前枠3の裏面に固定される取付け部11と同裏面に対し略直交している支持部12とが互いに略直交している枠体13が前枠3に固定され、前枠3が閉じられたときにその前枠3を外枠2に係止するための機構を備えている、パチンコ遊技機1の施錠装置8であって、
枠体13の支持部12の上部において、第2受け金具7と対応する箇所には、略水平状態となったときに第2受け金具7に係止し、下方へ傾いたときに同受け金具7から離脱する(外れる)第2鉤部材23が軸24により上下方向への傾動可能に支持され、
支持部12の側方近傍には、第1連結杆25と、その上側に配置された第2連結杆26とに分割されている連結杆20が上下方向への往復動可能に配置され、
第2連結杆26の上端部には押圧部33が設けられ、第2鉤部材23には受圧部34が設けられ、
枠体13及び受圧部34間に第2コイルばね36が掛渡され、
施錠時の状態では、第2コイルばね36によって下方へ引張られた第2鉤部材23が第2受け金具7に下側から係止し、
専用キー14の操作により第2連結杆26が上方(解錠方向)へ移動したときには受圧部34が押圧部33に当接し、全鉤部材21,23が受け金具6,7から外れて解錠が行われる、パチンコ遊技機1の施錠装置8。」の発明(以下、「引用発明5」という。)が記載されていると認められる。

第四.本願発明と引用発明1との比較・検討
(四-1)引用発明1の「取付片17」は本願発明の「取付板」に相当し、以下同様に「スライド保持片18」は「支持板」に、「固定基枠16」は「基枠体」に、「回転軸」は「錠軸」に、「解錠レバー23」は「カム板」に、「シリンダ錠22」は「シリンダ錠」に、「機台枠2」は「本体枠」に、「機台枠2の受け金具7a,7a」は「本体枠側に固定された受け金具」に、「表枠3」は「前面枠」に、「第二ロック爪70a,70b」は「前面枠を施錠する鉤部材」及び「前面枠施錠用の鉤部材」に、「解錠レバー23をキーにより左回転」は「カム板の一方向への回動」に、「ガラス枠5」は「ガラス枠」に、「ガラス枠5の受け金具8,8」は「ガラス枠側の係止片」に、「第一ロック爪56a,56b」は「ガラス枠を施錠する鉤部材」及び「ガラス枠用鉤部材」に、「解錠レバー23をキーにより右回転」は「カム板の他方向への回動」に、「前枠6」は「前パネル」に、「パチンコ機1の錠装置」は「パチンコ機の施錠装置」に、
(a)「第二バネ38c」は、第二ロック爪70a,70bを備えた第二可動錠板65を施錠位置に保持するものであるから「施錠方向に付勢するコイルばね」に、「第二可動錠板65」は「前面枠施錠用の作動杆」に、「スライド可能に装着され、」は「摺動可能に配設され、」に、「ガイド穴71a,71b」は「ガイド孔」に、「第二可動錠板65のほぼ中央に」は「作動杆の一部に」に、「第二作動穴73」は、当該第二作動穴73に形成された係合段部73aに解錠レバー23の第二解錠片23bが掛けられるから「カム板が係合可能な係合孔」に、「表枠3を開くには、」は「前面枠の解錠時、」に、「第二可動錠板65は(第二バネ38cの力に抗して)解錠位置まで上動し、」は「作動杆を解錠方向に移動させたとき、」に、
(b)「第一バネ38b」は、ガラス枠5を閉じることで、第一バネ38bによって常に引き上げ方向の力を受けている第一可動錠板50の第一ロック爪56a,56bとガラス枠5の受け金具8,8とが係合され、自動的にガラス枠5の施錠が行われるものであるから「施錠方向に付勢するコイルばね」に、「第一可動錠板50」は「ガラス枠用作動杆」に、「スライド可能に装着され、」は「摺動可能に配設され、」に、「ガイド穴57a,57b」は「ガイド孔」に、「第一作動穴43」は、当該第一作動穴43に形成された係合段部43aに解錠レバー23の第一解錠片23aが掛けられるから「カム板が係合可能な係合孔」に、「ガラス枠5の解錠を行うには、」は「ガラス枠の解錠時、」に、「第一可動錠板50は(第一バネ38bの力に抗して)解錠位置まで下動し、」は「ガラス枠用作動杆を解錠方向に移動させたとき、」に、
(c)「第三ロック爪76a,76b」は、前枠6の施錠に使用される第三可動錠板75の上部と下部とに備えられているから「前パネルを施錠するための2本の前パネル用鉤部材」に、「第三挿通長穴12m,12nに通されてその錠板ケース12の前側に突出し、」は「スリット孔から前方に突き出して、」に、「第三可動錠板75」は「前パネル用作動杆」に、「スライド可能に装着され、」は「摺動可能に配設され、」に、「第三バネ38d」は、第三ロック爪76a,76bを備えた第三可動錠板75を施錠位置に保持するものであるから「施錠側に付勢するコイルばね」に、「前枠6の受け金具9」は「(前パネル側に設けられる)係止片」に、「第三可動錠板75の第三ロック爪76a,76bと前枠6の受け金具9とが係合され、自動的に前枠6の施錠が行われ、」は「前パネル用鉤部材が(該)係止片に係止されて(該)前パネルが施錠される」に、それぞれ相当する。
(四-2)引用発明1は「表枠3の施錠及びガラス枠5の施錠を行う施錠ユニット15が縦に取付けられ、該施錠ユニット15は角筒形の錠板ケース12内に、取付片17とスライド保持片18とにより断面L字形に形成されている固定基枠16を備え、」、「固定基枠16の取付片17の中央上部寄りには、表枠3の解錠及びガラス枠5の解錠を行うためのシリンダ錠22が取付けられ、そのシリンダ錠22の回転軸には第一解錠片23a及び第二解錠片23bによってブーメラン状に形成された解錠レバー23が連結され、」「固定基枠16のスライド保持片18には、ガラス枠5の施錠用として使用される第一可動錠板50がスライド可能に装着され、」、「第二可動錠板65が第一可動錠板50に重ねられた状態でスライド可能に装着され、」るものであり、前記解錠レバー23が掛かる第二可動錠板65に備えられた第二ロック爪70a,70bは(角筒形の)錠板ケース12の後側に突出し、また当該解錠レバー23が掛かるハネ出しプレート40によって押下げられる第一可動錠板50に備えられた第一ロック爪56a,56bが固定基枠16の挿通長穴27a,27bに通されてパチンコ機1の前面側に突出し、さらに(角筒形の)錠板ケース12の前側に突出していることを併せて考慮すれば、引用発明1が本願発明の「取付板と支持板を有する縦長の基枠体と、該基枠体の取付板に固定され、該基枠体内に位置する錠軸にカム板を取り付けてなるシリンダ錠と、を備えるパチンコ機の施錠装置」に相当する事項を備えていることは明らかである。
(四-3)引用発明1は「表枠3を開くには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキーにより左回転させ、その解錠レバー23の第二解錠片23bが第二可動錠板65を押上げ、第二可動錠板65は解錠位置まで上動し、第二可動錠板65の第二ロック爪70a,70bが機台枠2の受け金具7a,7aから外されて、表枠3の解錠が行われ」、「ガラス枠5の解錠を行うには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキーにより右回転させ、その解錠レバー23の第一解錠片23aがハネ出しプレート40を押下げ、第一可動錠板50がそのハネ出しプレート40によって押下げられ、第一可動錠板50は解錠位置まで下動し、第一可動錠板50の第一ロック爪56a,56bがガラス枠5の受け金具8,8から外されて、ガラス枠5の解錠が行われ」るものであるから、引用発明1が本願発明の「本体枠側に固定された受け金具に係止されて前面枠を施錠する鉤部材を有し、(該)シリンダ錠による(該)カム板の一方向への回動に係合して該鉤部材を解錠方向に動かす前面枠施錠機構と、ガラス枠側の係止片に係止されて該ガラス枠を施錠する鉤部材を有し、該シリンダ錠による該カム板の他方向への回動に係合して該鉤部材を解錠方向に動かすガラス枠施錠機構と、を備えるパチンコ機の施錠装置」に相当する事項を備えていることは明らかである。
(四-4)引用発明1は、「機台枠2の前面側には表枠3が、表枠3の前面にはガラス枠5が、そのガラス枠5の下側には前枠6が、各々片開き状に取付けられている、パチンコ機1において」、「表枠3の自由端側の裏面には、その表枠3の施錠及びガラス枠5の施錠を行う施錠ユニット15が縦に取付けられ」、「施錠ユニット15の第一ロック爪56a,56bとガラス枠5の受け金具8,8とが係合され、自動的にガラス枠5の施錠が行われ」、「施錠ユニット15の第三ロック爪76a,76bと前枠6の受け金具9とが係合され、自動的に前枠6の施錠が行われ」、「施錠ユニット15の錠板ケース12から後方に突出した第二ロック爪70a,70bと機台枠2の受け金具7a,7aとが係合され、自動的に表枠3の施錠が行われ」るものであるから、引用発明1は本願発明の「前面枠施錠機構と、ガラス枠施錠機構と、を備え、(該)前面枠の内側に縦に取り付けられ、(該)本体枠に対し該前面枠を施錠し、該前面枠に対し(該)ガラス枠を施錠すると共に、該前面枠内の下部に開閉可能に取り付けられた前パネルを施錠するパチンコ機の施錠装置」に相当する事項を備えていることは明らかである。
(四-5)引用発明1における、「表枠3の施錠・解錠機構」について検討すると、
(a)「固定基枠16の取付片17には、上部と下部とにガイド金具19,19が取付けられており、それらのガイド金具19,19に表枠3の施錠用として使用される第二可動錠板65がガイド穴71a,71bとガイドピン20とによって第一可動錠板50に重ねられた状態でスライド可能に装着され、該第二可動錠板65は上部と下部とに第二ロック爪70a,70bを備えており、第二可動錠板65のほぼ中央には第二作動穴73が貫設され、その第二作動穴73にシリンダ錠22の第二解錠片23bが掛けられる係合段部73aが形成され、第二可動錠板65は第二バネ38cによって常に引き下げ方向の力を受けることで施錠位置に保持され」、即ち「固定基枠16の取付片17に取付けられたガイド金具19,19に、第二ロック爪70a,70bを備えた第二可動錠板65がガイド穴71a,71bとガイドピン20とによって第一可動錠板50に重ねられた状態でスライド可能に装着され、第二可動錠板65のほぼ中央にはシリンダ錠22の第二解錠片23bが掛けられる第二作動穴73が貫設され、第二可動錠板65は第二バネ38cによって常に引き下げ方向の力を受けることで施錠位置に保持され」るもので、
(b)「表枠3を開くには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキーにより左回転させ、その解錠レバー23の第二解錠片23bが第二可動錠板65のほぼ中央に貫設された第二作動穴73に形成された係合段部73aに掛けられてその第二可動錠板65を押上げ、第二可動錠板65は第二バネ38cの力に抗して解錠位置まで上動し、第二可動錠板65の第二ロック爪70a,70bが機台枠2の受け金具7a,7aから外されて、表枠3の解錠が行われ」るものである。
(c)そして、「第二可動錠板65が重ねられる第一可動錠板50」は「固定基枠16のスライド保持片18に、スライド可能に装着され」るものであるから、「第二可動錠板65はスライド保持片18に沿ってスライド可能に装着され」るものであるといえる。そうすると、引用発明1は本願発明の「(前記)前面枠施錠機構は、基枠体の支持板に前面枠施錠用の鉤部材が枢支ピンにより傾動可能に枢支され、該鉤部材に設けた係合凸部には、施錠方向に付勢するコイルばねが掛止され、該鉤部材を解錠方向にのみ動かすための前面枠施錠用の作動杆が該支持板に沿って摺動可能に配設され、該作動杆には枢支ピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、該作動杆の一部に(前記)カム板が係合可能な係合孔が設けられ、該鉤部材の該係合凸部に係合する係合部が該作動杆に設けられ、該前面枠の解錠時、該作動杆を解錠方向に移動させたとき、該係合部と該係合凸部を介して該鉤部材が回動力を受け、解錠側に傾動するように構成され、」と比較して、「(前記)前面枠施錠機構は、基枠体に前面枠施錠用の鉤部材が設けられ、該鉤部材を解錠方向に動かすための前面枠施錠用の作動杆が(該)支持板に沿って摺動可能に配設され、該作動杆にはピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、該作動杆の一部に(前記)カム板が係合可能な係合孔が設けられ、該前面枠の解錠時、該作動杆を解錠方向に移動させたとき、該鉤部材が解錠側に移動するように構成され、」において一致する。
(四-6)引用発明1における、「ガラス枠5の施錠・解錠機構」について検討すると、
(a)「固定基枠16のスライド保持片18には、ガラス枠5の施錠用として使用される第一可動錠板50が上下のガイド穴57a,57bと上下のガイドピン30とによってスライド可能に装着され、該第一可動錠板50は上部と下部とに第一ロック爪56a,56bを備えており」、
(b)第一可動錠板50は「第一バネ38bによって常に引き上げ方向の力を受けている」もので、
(c)「ガラス枠5の解錠を行うには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキーにより右回転させ、その解錠レバー23の第一解錠片23aがハネ出しプレート40の上部に貫設された第一作動穴43に形成された係合段部43aに掛けられてそのハネ出しプレート40を押下げ、第一可動錠板50がそのハネ出しプレート40によって押下げられ、第一可動錠板50は第一バネ38bの力に抗して解錠位置まで下動し、第一可動錠板50の第一ロック爪56a,56bがガラス枠5の受け金具8,8から外されて、ガラス枠5の解錠が行われ」、即ち「ガラス枠5の解錠を行うには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキーにより右回転させ、その解錠レバー23の第一解錠片23aがハネ出しプレート40を押下げ、第一可動錠板50がそのハネ出しプレート40によって押下げられ、第一可動錠板50は第一バネ38bの力に抗して解錠位置まで下動し、第一可動錠板50の第一ロック爪56a,56bがガラス枠5の受け金具8,8から外されて、ガラス枠5の解錠が行われ」るものである。
(d)そうすると、引用発明1は本願発明の「(前記)ガラス枠施錠機構は、基枠体の支持板にガラス枠用鉤部材が枢支ピンにより傾動可能に枢支され、該ガラス枠用鉤部材に設けた係合凸部には、施錠方向に付勢するコイルばねが掛止され、該ガラス枠用鉤部材を解錠方向にのみ動かすためのガラス枠用作動杆が該支持板に沿って摺動可能に配設され、該ガラス枠用作動杆には枢支ピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、該ガラス枠用作動杆の一部に(前記)カム板が係合可能な係合孔が設けられ、該ガラス枠用鉤部材の該係合凸部に係合する係合部が該ガラス枠用作動杆に設けられ、該ガラス枠の解錠時、該ガラス枠用作動杆を解錠方向に移動させたとき、該係合部と該係合凸部を介して該ガラス枠用鉤部材が回動力を受け、解錠側に傾動するように構成され、」と比較して、「(前記)ガラス枠施錠機構は、基枠体の支持板にガラス枠用鉤部材が設けられ、該ガラス枠用鉤部材を解錠方向に動かすためのガラス枠用作動杆が該支持板に沿って摺動可能に配設され、該ガラス枠用作動杆にはピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、該ガラス枠の解錠時、該ガラス枠用作動杆を解錠方向に移動させたとき、該ガラス枠用鉤部材が解錠側に移動するように構成され、」において一致する。
(四-7)引用発明1における、「前枠6の施錠・解錠機構」について検討すると、
(a)「固定基枠16の下部には、前枠6の施錠に使用される第三可動錠板75がガイド穴77a,77bとガイドピン36a,36bとによってスライド可能に装着され、該第三可動錠板75は上部と下部とに第三ロック爪76a,76bを備えており、第三ロック爪76a,76bは、錠板ケース12の前面に形成された第三挿通長穴12m,12nに通されてその錠板ケース12の前側に突出し、第三可動錠板75は第三バネ38dによって常に引き上げ方向の力を受けることで施錠位置に保持され」、
(b)「前枠6の回動自由端側の裏面には上下所定位置に施錠ユニット15の第三ロック爪76a,76bが下方から係合する受け金具9,9が固定され、前枠6を閉じることで、第三バネ38dによって常に引き上げ方向の力を受けている第三可動錠板75の第三ロック爪76a,76bと前枠6の受け金具9とが係合され、自動的に前枠6の施錠が行われ」、
(c)「前枠6の解錠はガラス枠5を開いた状態で、第三可動錠板75を手動により第三バネ38dの力に抗して押し下げることにより行う」ものである。
(d)ここで、引用発明1は、「該角筒形の錠板ケース12の一部と固定基枠16の一部とを兼用することも可能であ」るから、これらを兼用する場合には、上記「第三ロック爪76a,76bは、錠板ケース12の前面に形成された第三挿通長穴12m,12nに通されてその錠板ケース12の前側に突出し、」の事項は「第三ロック爪76a,76bは、固定基枠16の前面、即ち取付片17に形成された第三挿通長穴12m,12nに通されてその固定基枠16の前側に突出し、」との事項と技術的に差異は認められない。
また、「手動により第三バネ38dの力に抗して押し下げ」られる「第三可動錠板75」が、「押し下げられる部分」即ち「操作部」を有していることは明らかである。
さらに、引用発明1が本願発明の「前面枠内の下部に開閉可能に取付けられた前パネル」に相当する事項を備えていることは上記「第四.本願発明と引用発明1との比較・検討」における「(四-4)」の欄に記載したとおりである。
(e)そうすると、引用発明1は本願発明の「(前記)前パネルを施錠するための2本の前パネル用鉤部材が、(該)基枠体の(該)取付板に設けたスリット孔から前方に突き出して、該基枠体の(該)支持板の下部内側に、枢支ピンにより独立して傾動可能に枢支され、該基枠体内に前パネル用鉤部材を解錠方向にのみ動かすための前パネル用作動杆が摺動可能に配設され、該前パネル用鉤部材には施錠側に付勢するコイルばねが掛止され、該前パネル用作動杆の一部に操作部が設けられ、(該)前面枠内の下部に開閉可能に取付けられた前パネル側に係止片が設けられ、該前パネル用鉤部材が該係止片に係止されて該前パネルが施錠される」と比較して、「(前記)前パネルを施錠するための2本の前パネル用鉤部材が、(該)基枠体の(該)取付板に設けたスリット孔から前方に突き出して、該基枠体の下部内側に設けられ、前パネル用鉤部材を解錠方向に動かすための前パネル用作動杆が摺動可能に配設され、該前パネル用作動杆の一部に操作部が設けられ、(該)前面枠内の下部に開閉可能に取付けられた前パネル側に係止片が設けられ、該前パネル用鉤部材が該係止片に係止されて該前パネルが施錠される」において一致する。

したがって、両者は、
「 取付板と支持板を有する縦長の基枠体と、該基枠体の取付板に固定され、該基枠体内に位置する錠軸にカム板を取り付けてなるシリンダ錠と、本体枠側に固定された受け金具に係止されて前面枠を施錠する鉤部材を有し、該シリンダ錠による該カム板の一方向への回動に係合して該鉤部材を解錠方向に動かす前面枠施錠機構と、ガラス枠側の係止片に係止されて該ガラス枠を施錠する鉤部材を有し、該シリンダ錠による該カム板の他方向への回動に係合して該鉤部材を解錠方向に動かすガラス枠施錠機構と、を備え、該前面枠の内側に縦に取り付けられ、該本体枠に対し該前面枠を施錠し、該前面枠に対し該ガラス枠を施錠すると共に、該前面枠内の下部に開閉可能に取り付けられた前パネルを施錠するパチンコ機の施錠装置において、
前記前面枠施錠機構は、基枠体に前面枠施錠用の鉤部材が設けられ、該鉤部材を解錠方向に動かすための前面枠施錠用の作動杆が該支持板に沿って摺動可能に配設され、該作動杆にはピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、該作動杆の一部に前記カム板が係合可能な係合孔が設けられ、該前面枠の解錠時、該作動杆を解錠方向に移動させたとき、該鉤部材が解錠側に移動するように構成され、
前記ガラス枠施錠機構は、基枠体の支持板にガラス枠用鉤部材が設けられ、該ガラス枠用鉤部材を解錠方向に動かすためのガラス枠用作動杆が該支持板に沿って摺動可能に配設され、該ガラス枠用作動杆にはピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、該ガラス枠の解錠時、該ガラス枠用作動杆を解錠方向に移動させたとき、該ガラス枠用鉤部材が解錠側に移動するように構成され、
前記前パネルを施錠するための2本の前パネル用鉤部材が、該基枠体の該取付板に設けたスリット孔から前方に突き出して、該基枠体の下部内側に設けられ、前パネル用鉤部材を解錠方向に動かすための前パネル用作動杆が摺動可能に配設され、該前パネル用作動杆の一部に操作部が設けられ、該前面枠内の下部に開閉可能に取付けられた前パネル側に係止片が設けられ、該前パネル用鉤部材が該係止片に係止されて該前パネルが施錠される、パチンコ機の施錠装置。」である点で一致し、次の点で相違する。

相違点1
前面枠施錠用の鉤部材が、本願発明では基枠体の支持板に枢支ピンにより傾動可能に枢支され、該鉤部材に設けた係合凸部には、施錠方向に付勢するコイルばねが掛止されるのに対し、引用発明1では前面枠施錠用の作動杆(第二可動錠板65)の上部と下部とに備えられ、該前面枠施錠用の作動杆が基枠体の取付板(固定基枠16の取付片17に取付けられたガイド金具19,19)に、ガイド孔と枢支ピンとによって摺動可能に配設され、該前面枠施錠用の作動杆はコイルばねによって施錠方向に付勢される点。
相違点2
前面枠施錠用の作動杆は、本願発明では枢支ピンに係合するガイド孔が設けられ、前面枠施錠用の鉤部材を解錠方向にのみ動かすためのものであり、該鉤部材の係合凸部に係合する係合部が設けられ、該係合部と該係合凸部を介して該鉤部材が回動力を受け、解錠側に傾動するように構成されているのに対し、引用発明1ではピンに係合するガイド孔が設けられ、上部と下部とに前面枠施錠用の鉤部材(第二ロック爪70a,70b)を備え、該前面枠施錠用の鉤部材を解錠方向に動かす(第二バネ38cの力に抗して解錠位置まで上動)とともに、施錠方向に動かす(第二バネ38cによって常に引き下げ方向の力を受けることで施錠位置に保持)点。
相違点3
ガラス枠用鉤部材が、本願発明では基枠体の支持板に枢支ピンにより傾動可能に枢支され、該鉤部材に設けた係合凸部には、施錠方向に付勢するコイルばねが掛止されるのに対し、引用発明1ではガラス枠用作動杆(第一可動錠板50)の上部と下部とに備えられ、該ガラス枠用作動杆が基枠体の支持板(固定基枠16のスライド保持片18)に、ガイド孔と枢支ピンとによって摺動可能に配設され、該ガラス枠用作動杆はコイルばねによって施錠方向に付勢される点。
相違点4
ガラス枠用作動杆は、本願発明では枢支ピンに係合するガイド孔が設けられ、ガラス枠用鉤部材を解錠方向にのみ動かすためのものであり、該ガラス枠用作動杆の一部に(前記)カム板が係合可能な係合孔が設けられ、該鉤部材の係合凸部に係合する係合部が設けられ、該係合部と該係合凸部を介して該鉤部材が回動力を受け、解錠側に傾動するように構成されているのに対し、引用発明1ではピンに係合するガイド孔が設けられ、上部と下部とにガラス枠用鉤部材(第一ロック爪56a,56b)を備え、ガラス枠用作動杆を押下げる部材の一部(ハネ出しプレート40の上部)にカム板が係合可能な係合孔が設けられ、該ガラス枠用鉤部材を解錠方向に動かす(第一バネ38bの力に抗して解錠位置まで下動)とともに、施錠方向に動かす(第一バネ38bによって常に引き上げ方向の力を受けている)点。
相違点5
前パネル用鉤部材は、本願発明では基枠体の支持板の下部内側に、枢支ピンにより独立して傾動可能に枢支され、施錠側に付勢するコイルばねが掛止されるのに対し、引用発明1では前パネル用作動杆(第三可動錠板75)の上部と下部とに備えられ、該前パネル用作動杆が基枠体(固定基枠16)の下部に、ガイド孔と枢支ピンとによって摺動可能に配設され、該前パネル用作動杆はコイルばねによって施錠方向に付勢される(常に引き上げ方向の力を受けることで施錠位置に保持)点。
相違点6
前パネル用作動杆は、本願発明では前パネル用鉤部材を解錠方向にのみ動かすためのものであり、基枠体内に摺動可能に配設されるのに対し、引用発明1では上部と下部とに前パネル用鉤部材(第三ロック爪76a,76b)を備え、該前パネル用鉤部材を解錠方向に動かす(第三バネ38dの力に抗して押し下げる)とともに、施錠方向に動かす(第三バネ38dによって常に引き上げ方向の力を受けることで施錠位置に保持)ものであり、基枠体(固定基枠16)の下部に摺動可能に配設(スライド可能に装着)される点。

そこで、上記相違点1乃至6について検討する。
相違点1について
引用発明5は、本願発明の「基枠体(枠体13)の支持板(支持部12)に枢支ピン(軸24)により傾動可能に枢支(上下方向への傾動可能に支持)され、施錠方向に付勢するコイルばね(第2コイルばね36)が係合凸部(受圧部34)に掛止される、前面枠(前枠3)施錠用の鉤部材(第2鉤部材23)」に相当する技術を有している。そして、パチンコ機の枠体の施解錠機構において、鉤部材と鉤部材を動かすための作動杆とを一体構造とせず別部材で構成することは、例えば引用発明2に示された「鉤部材20と作動板15」及び引用発明3に示された「鉤部材5、6と第1連結杆11」のように周知・慣用の技術であるから、引用発明5に示された上記技術を引用発明1の前面枠施錠機構に適用し、相違点1に係る本願発明を特定する事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

相違点2について
引用発明4は、本願発明の「枢支ピン(ガイドピン19)に係合してガイドされるガイド孔(ガイド孔22a)が設けられる、パチンコ機枠(前面盤7)施錠用の作動杆(操作片22)」に相当する技術を有し、引用発明5は、本願発明の「前面枠施錠用の鉤部材(第2鉤部材23)の係合凸部(受圧部34)に係合する係合部(押圧部33)が設けられる前面枠(前枠3)施錠用の作動杆(第2連結杆26)を解錠方向(上方)に移動させたとき、該係合部と該係合凸部を介して(当接し)回動力を受け、解錠側に傾動(下方へ傾いたときに受け金具7から離脱)する前面枠施錠用の鉤部材(第2鉤部材23)」に相当する技術を有している。また、引用発明3の「前面枠1が本体外枠2に押込まれることにより鉤部材5、6がばね16b、17bの力で係止受部3、4にそれぞれキヤツチされ、自動的に施錠を行な」い、「シリンダ錠8に鍵を挿入し、左方向に回して、カム板10を時計方向へ回動すると、回動したカム板10は第1連結杆11を上方へ摺動させ、第1連結杆11の上下先端にそれぞれ連結された上下の鉤部材5、6はばね16b、17bに抗してそれぞれ軸16a、17aを中心に回動して係止受部3、4との係合を解除し開錠され」る技術事項は、開錠を行なう場合には第1連結杆11側から鉤部材5、6側へ移動させる力が加えられ、施錠を行なう場合には第1連結杆11側から鉤部材5、6側へ移動させる力が加えられることはないことを意味しているから、引用発明3は、本願発明の「前面枠施錠用の鉤部材(鉤部材5、6)を解錠方向にのみ動かすための前面枠施錠用の作動杆(第1連結杆11)」に相当する技術を有しているといえる。そして、引用発明1及び引用発明3乃至5は「解錠方向に摺動するパチンコ機枠施錠用の作動杆が、パチンコ機枠施錠用の鉤部材を解錠させる、パチンコ機枠用の施解錠装置」において共通しており、さらに、鉤部材と鉤部材を動かすための作動杆とを一体構造とせず別部材で構成することは、上記「相違点1について」に検討したように周知・慣用の技術であることを併せ考慮すれば、引用発明1の前面枠施錠機構に引用発明3乃至5を適用し、相違点2に係る本願発明を特定する事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

相違点3について
引用発明5は、本願発明の「基枠体(枠体13)の支持板(支持部12)に枢支ピン(軸24)により傾動可能に枢支(上下方向への傾動可能に支持)され、施錠方向に付勢するコイルばね(第2コイルばね36)が係合凸部(受圧部34)に掛止される、前面枠(前枠3)施錠用の鉤部材(第2鉤部材23)」に相当する技術を有している。そして、パチンコ機の枠体の施解錠機構において、鉤部材と鉤部材を動かすための作動杆とを一体構造とせず別部材で構成することは、上記「相違点1について」に検討したように周知・慣用の技術であり、また「前面枠用の施錠機構」と「ガラス枠の施錠機構」とが類似した機構によって構成されていることは当該技術分野においては技術常識であり、相互に適用することは当業者にとって容易であるから、引用発明5に示された上記技術を引用発明1のガラス枠用施錠機構に適用し、相違点3に係る本願発明を特定する事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

相違点4について
(a)まず、「該ガラス枠用作動杆の一部に(前記)カム板が係合可能な係合孔が設けられ、」の相違点(以下、「相違点4a」という。)について検討すると、引用発明1は「表枠3を開くには、シリンダ錠22の解錠レバー23をキーにより左回転させ、その解錠レバー23の第二解錠片23bが第二可動錠板65のほぼ中央に貫設された第二作動穴73に形成された係合段部73aに掛けられてその第二可動錠板65を押上げ、第二可動錠板65は第二バネ38cの力に抗して解錠位置まで上動し、第二可動錠板65の第二ロック爪70a,70bが機台枠2の受け金具7a,7aから外されて、表枠3の解錠が行われ」るもの、即ち「シリンダ錠22の第二解錠片23bが第二可動錠板65のほぼ中央に貫設された第二作動穴73に掛けられてその第二可動錠板65を押上げ、表枠3の解錠が行われ」るものであるから、引用発明1は本願発明の「前面枠施錠用の作動杆の一部にカム板が係合可能な係合孔が設けられ」に相当する技術を有しているといえる。そして、「前面枠用の施錠機構」と「ガラス枠の施錠機構」とが類似した機構によって構成されていることは当該技術分野においては技術常識であり、相互に適用することは当業者にとって容易であるから、引用発明1の「カム板が係合可能な係合孔が設けられる前面枠施錠用の作動杆」を「ガラス枠用作動杆」に適用し、当該相違点4aに係る本願発明を特定する事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。
(b)つぎに、『「上記相違点4a」を除く相違点4』(以下、「相違点4b」という。)について検討すると、当該相違点4bと上記相違点2との技術的な相違点は、上記相違点2が「前面枠」を施錠の対象としているのに対し、当該相違点4bは「ガラス枠」を対象としている点のみである。ここで、「前面枠用の施錠機構」と「ガラス枠の施錠機構」とが類似した機構によって構成されていることは当該技術分野においては技術常識であり、相互に適用することは当業者にとって容易であるから、上記の「本願発明2について」において記載したのと同様の理由により、引用発明1のガラス枠施錠機構に引用発明3乃至5を適用し、当該相違点4bに係る本願発明を特定する事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。
(c)そうすると、相違点4に係る本願発明を特定する事項とすることは、引用発明1及び引用発明3乃至5に基づいて当業者が容易になし得ることである。

相違点5について
引用発明2は本願発明の「基枠体(本体枠14)の支持板(支持板18)に、枢支ピン(軸ピン21,21)により独立(縦長孔22,22に挿通したピン23,23)して傾動可能(回動自在)に枢支(枢着)され、施錠側に付勢するコイルばね(スプリング26,26)が掛止される鉤部材(鉤部材20,20)」に相当する技術を有しているといえる。そして、当該鉤部材を前パネル用鉤部材に適用することは当業者が容易になし得ることであり、また前パネル用鉤部材を基枠体の支持板のどこに設けるかは当業者が適宜なし得る設計上の事項であって、前パネルがパチンコ機の下部に位置することを考慮すれば、前パネル用鉤部材を基枠体の支持板の下部に設け、相違点5に係る本願補正発明を特定する事項とすることは、引用発明2に基づいて当業者が容易になし得ることである。

相違点6について
上記「相違点2について」に記載したように、引用発明3は、本願発明の「前面枠施錠用の鉤部材を解錠方向にのみ動かすための前面枠施錠用の作動杆」に相当する技術を有しているといえる。そして、当該作動杆を前パネル用作動杆に適用することは当業者が容易になし得ることであり、また前パネル用作動杆を基枠体のどこに配設するかは当業者が適宜なし得る設計上の事項であって、引用発明1及び引用発明3は「解錠方向に摺動するパチンコ機枠施錠用の作動杆が、パチンコ機枠施錠用の鉤部材を解錠させる、パチンコ機枠用の施解錠装置」において共通しているから、引用発明1の前パネル用作動杆に引用発明3を適用し、相違点6に係る本願発明を特定する事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

そして、本願発明による効果に格別のものは認められない。

第五.むすび
以上のとおり、本願発明は、当審の拒絶理由通知に引用された刊行物に記載された上記引用発明1乃至5に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2010-02-26 
結審通知日 2010-03-09 
審決日 2010-03-25 
出願番号 特願2002-208690(P2002-208690)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 郡山 順高橋 三成  
特許庁審判長 立川 功
特許庁審判官 川島 陵司
池谷 香次郎
発明の名称 パチンコ機の施錠装置  
代理人 村松 孝哉  
代理人 上田 千織  
代理人 飯田 昭夫  
代理人 江間 路子  
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