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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G01M
管理番号 1216834
審判番号 不服2006-20027  
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-09-07 
確定日 2010-05-06 
事件の表示 特願2002-110735「不釣合い修正方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成15年10月24日出願公開,特開2003-302305〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件特願2002-110735号「不釣合い修正方法および装置」は,平成14年4月12日を出願日とする出願であって,平成18年2月2日付けで拒絶理由通知書が出され,これに対して同年3月22日付けで手続補正がされ,同年7月31日付けで拒絶査定がなされ,同年9月7日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされ,当審が平成20年10月30日にした,請求は成り立たない旨の審決に対して,知的財産高等裁判所において,前記審決を取り消す旨の判決(平成20年(行ケ)第10468号,平成21年9月30日判決言渡し)があったので,あらためて審理し,当審において平成21年11月19日に拒絶理由通知を出したところ,平成22年1月8日付けで手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1及び請求項2に係る発明は,平成22年1月8日付け手続補正書で補正された明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された事項により特定されたとおりのものと認める。
そして,その請求項2に係る発明は,次のとおりである。(以下,「本願発明」という。)
「【請求項2】不釣合いを修正すべき被試験体の初期不釣合いの角度および量を測定する手段と,
測定された初期不釣合いの角度および量を修正するように,上記被試験体に1回目の修正を行う手段と,
測定された初期不釣合いが修正された上記被試験体の残留不釣合いの角度および量を測定する手段と,
上記測定された初期不釣合いおよび残留不釣合いに基づいて,残留不釣合いの角度および量を修正すべき修正量を演算し,補正残留不釣合いの角度および量を求める手段と,
上記求められた補正残留不釣合いの角度および量を修正するように,上記被試験体に2回目の修正を行う手段と,
を有することを特徴とする高速回転機器のための不釣合い修正装置。」

第3 刊行物記載の事項
当審の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開平6-325693号公報(以下,「刊行物1」という。),特開平3-123834号公報(以下,「刊行物2」という。)明石和彦及び浅羽正三,「動つりあい試験」,発行兼印刷社藤田末治,発行所株式会社コロナ社,昭和37年4月20日再版発行,第9?10頁及び第24?30頁(以下,「刊行物3」という。)には,次の事項が記載されている。(なお,下線は,当審で付記したものである。)

1.刊行物1記載の事項
(1-ア)【0002】
「【0002】
【従来の技術】通常,回転陽極型X線菅のターゲットは真空容器内で高速回転するため,高精度に釣合をとる必要がある。又,このターゲットは電子ビ-ムの照射により高温となるため,マイナス(削り取り)修正法が一般に行なわれている。」

(1-イ)【0010】?【0012】
「【0010】
【実施例】以下,図面を参照して,この発明の一実施例を詳細に説明する。この発明による回転陽極型X線管の製造方法及び製造装置,つまり回転陽極型X線菅(当審注:「回転陽極型X線菅」とあるが「回転陽極型X線管」の明らかな誤記であると認められる。)のターゲットの回転不釣合修正方法及びその装置は図1および図2に示すように構成され,図1はこの発明で用いる回転不釣合修正装置を示すブロック線図,図2は補正データ演算器の動作を示すフローチャートである。図4および図5をも参照して述べると,図1中の符号10はターゲット21を高速で回転させ不釣合量を計測する不釣合測定器,11は不釣合測定器10からの計測データを入力し修正データを演算する修正データ演算器,12は修正データ演算器11からの修正データを入力し修正データを補正する補正データ演算器,l3は補正データ演算器12からの補正データに基づき切削工具例えばロータリバー35を用いてターゲット21の不釣合を修正する不釣合修正機である。
【0011】このような回転不釣合修正装置を使用して,ターゲット21を不釣合測定器10にセットし高速で回転させ,不釣合量を基準位置からの回転角度と不釣合重量として計測する。この計測データは,修正データ演算器11において不釣合修正機13で用いる切削工具例えばロータリバー35の切込み深さと切込み長さの修正データに変換される。この修正データは補正データ演算器12に入力され,図2に示す演算を行なう。即ち,ターゲット21の第1回目の修正データD1であれば,処理S2で判断され処理S3で修正データを不釣合修正機13に出力する。ターゲット21の第2回目の修正データD2であれば,処理S2で判断され処理S4で次の演算を行なう。第1回目の修正の不足分量を演算処理して,それを2回目の修正データD2に加味して補正する。【0012】[D1/(D1-D2)]D2この演算結果は,処理S5で補正データとして不釣合修正機13に出力される。不釣合修正機13は,この補正データに基づきターゲット21の第2回目の不釣合修正を行う。この結果,ターゲット21の不釣合は正しく修正され,第3回目の不釣合修正を不用とするものである。この後,再度,不釣合測定器10で不釣合の確認を行なっても良い。」

(1-ウ)図1
不釣合測定器10で不釣合いが測定され,修正データ演算器11で修正データが演算され,その後,補正データ演算器12で補正データが演算され,その後,不釣合修正機13で不釣合いが修正され,再び,不釣合測定器10で不釣合いが測定されるループが図示されている。

(1-エ)図2
S1修正データ入力の後,S2で2回目の入力か否かが判断され,NOであれば,S3で修正データが出力がなされ,S2で2回目の入力がYESであれば,S4で補正データ演算がなされ,S5で補正データ出力されるチャートが図示されている。

(1-オ)【0005】
「【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが,上記のような従来の自動修正方法においては,不釣合修正機3に用いられる切削工具はロータリバー35が一般的であるが,刃先の摩耗で切削不良となる前に研磨等で工具の再生を図っている。この研磨によりロータリバー35の外径が減少するため,修正データ演算器2からの修正データに基づきターゲット21を切削しても,ロータリバー35の外径減少分が修正不足となる。又,刃先の摩耗で切削不良も修正不足の原因となる。このため,1回の修正では高精度の修正が困難であり,数回の計測と修正を繰返すこととなっていた。」

以上の事項から,刊行物1には,次の発明(以下,「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。
「回転陽極型X線管のターゲットの第1回目の不釣合量を基準位置からの回転角度と不釣合重量として測定する不釣合測定器10と,
測定された第1回目の不釣合量を修正するように,前記回転陽極型X線管のターゲットの修正を行う不釣合修正機13と,
測定された第1回目の不釣合量が修正された前記回転陽極型X線管のターゲットの第2回目の不釣合量を測定する不釣合測定器10と,
第1回目の測定で測定された修正データをD1,第2回目の測定で測定された修正データをD2とすると,
[D1/(D1-D2)]D2とする補正データを求める演算処理と,
前記求められた補正データに基づき修正をするように,前記回転陽極型X線管のターゲットの第2回目の修正を不釣合修正機13で行うことを特徴とする高速回転する回転陽極型X線管のターゲットのため不釣合修正機」

2.刊行物2記載の事項
(2-ア) 第1頁右下欄第10?15行
「【 産業上の利用分野 】
本発明は,動バランスの要求される回転体の不釣合を測定して修正する方法と装置に関し,特には,測定装置や修正装置の特性の偏りによる誤差を補正してより正確な測定と修正を行う不釣合測定方法と装置に関するものである。」

(2-イ)第1頁右下欄第16行?第2頁左上欄第2行
「【 従来の技術 】
従来は,被測定物の不釣合測定を行って得られた不釣合測定結果をそのまま修正データとして不釣合修正を行っており,確認のために再測定して,再測定結果が未だに基準を超えるときは,その再測定結果を修正データとして,再修正を行うようにしていた。」

(2-ウ)第2頁左上欄第14行?同頁左下欄第2行
「【 課題を解決するための手段 】
上記課題を解決するために,本発明にかかる不釣合修正方法においては,被測定物を回転させて不釣合測定を行い,得られた不釣合測定結果に基づいて所定の修正特性で上記被測定物に不釣合修正を施し,上記被測定物を回転させて再び不釣合測定を行い,この再測定の結果に基づいて上記修正特性を補正し,以後の不釣合修正は上記補正された修正特性によって行うようにした。
ここで,修正特性とは,不釣合振動と修正面分離して得られた左右の不釣合信号との関係,測定された不釣合量と不釣合修正の実際の量との関係,測定された不釣合位相と被測定物を位置決めする実際の角度との関係等を総合したものを指す。そして,修正特性を補正するとは,これらの関係を修正することを指す。そして本発明にかかる不釣合修正装置においては,被測定物を回転させて不釣合測定を行う不釣合測定装置と,得られた不釣合測定結果に基づいて所定の修正特性によって修正データを演算出力する修正データ演算回路と,修正データに基づいて上記被測定物を不釣合修正する不釣合修正装置と,一旦不釣合測定と不釣合修正のなされた上記被測定物を再び不釣合測定を行うように上記不釣合測定装置を制御する制御回路と,再測定の結果によって基準を越えているときはその不釣合測定結果に基づいて上記修正特性を補正する修正特性補正回路とを備えるという手段を講じた。」

(2-エ)第3頁左上欄第1行?同頁左下欄第10行
「 まず,制御回路14によってモータ駆動回路13を介してモータ2を回転させ,被測定物1を回転させて不釣合による振動を発生させる。 この振動を,左右の不釣合振動検出器3A,3Bによって検出し,修正面分離回路4にて右面の不釣合信号と左面の不釣合信号とに分離させる。それを左右の分析回路5A,5Bによって分析して不釣合の量と位相を得て,記憶回路8に記憶させておく。
得られた不釣合位相に基づいて位置決め回路12は被測定物lを所定の回転角に位置決めする。 得られた不釣合量に基づいて左右の修正制御回路6A,6Bは左右の不釣合修正器7A,7Bを制御して所定の不釣合修正を行う。
しかるのち,制御回路14からの指令によりモータ2を再度高速回転させて再度不釣合の量と位相を得る。この再測定の結果と記憶回路8に記憶させておいた前回の測定結果を比較し,再測定結果を打ち消すような補正データを演算出力する。
即ち,修正面分離補正演算回路9からは修正面分離補正データを,修正量補正演算回路10からは修正量補正データを,位置決め補正演算回路11からは位置決め補正データを出力する。
ここで,別の被測定物を回転させて不釣合測定するとき,
修正面分離回路4においては修正面分離補正データによって測定値を補正しつつ修正面分離する。左右の修正制御回路6A,6Bにおいては修正量補正データによって測定値を補正して左右の修正器7A,7Bをコントロールして最適な修正を行う。また,位置決めにおいても,位置決め補正データによって測定値を補正して位置決めするので,最適な位置決めが可能となる。
このことを,第2図に基づいて説明する。 最初の不釣合測定で,第2図(a)に示すように,α°の位相でM1gの不釣合が測定され,修正後の不釣合測定で,第2図(b)に示すように,β°の位相にM2gに不釣合が測定されたとすると,ベクトル演算すれば,第2図(c)に示すように,γ°の位相にM3gの修正が行われたことになる。 修正位相が(α°-γ°)だけずれているが,これは位置決めにおいて誤差を生じたためであるので,位置決め回路12に(α°-γ°)の位置決め補正データをセットすることにより次回からはこのような誤差を無くすことができる。 また,修正量は(M3-M1)gだけ多く修正しているが,修正制御回路6A,6Bに(M3-M1)gの不釣合量補正データをセットすることにより次回からこのような誤差を無くすことが可能となる。」

(2-オ)第2頁右下欄第6?7行
「第2図は不釣合量の補正と不釣合位相の補正を示す図」

(2-カ)第2図

第2図には,0°,90°,180°,270°という角度が表記された円が描かれている。そして,不釣合量と不釣合位相が「(M1g,α°)」,「(M2g,β°)」等の表記とともに,「←」からなるベクトルが図示されている。また,(M3g,γ°)は,(M1g,α°)及び(M2g,β°)のベクトル演算から導かれていることが図示されている。

(2-キ)第2頁左上欄第15?17行
「しかるのち,制御回路14からの指令によりモータ2を再度高速回転させて再度不釣合の量と位相を得る。」

[刊行物2記載の発明]
刊行物2記載の摘記事項(2-ア)及び(2-イ)から,刊行物2には,従来技術として次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「不釣合修正を行う回転体である被測定物の不釣合測定を行い,
該不釣合測定を行って得られた不釣合測定結果をそのまま修正データとして上記被測定物の不釣合修正を行い,
確認のために再測定して,不釣合測定方法や装置並びに不釣合修正方法や装置の特性の偏りによって,修正結果に規定以上の誤差が残存する場合は,
その再測定結果を修正データとして,再修正を行う,
動バランスの要求される回転体の不釣合修正装置。」

また,刊行物2記載の摘記事項(2-ウ)?(2-キ)には,従来技術の課題を解決した次の発明(以下,「刊行物2発明」という。)が記載されていると認められる。
「被測定物を回転させて不釣合による振動を発生させ,
最初の不釣合測定によって位相と不釣合量(α°,M1g)が測定され,
最初の不釣合測定によって得られた測定ベクトルを用いて修正し,
修正後の不釣合測定で,その不釣合量の位相と量が(β°,M2g)なるベクトルが測定され,
最初の不釣合測定で得られた測定ベクトル(α°,M1g)と修正後の不釣合測定で得られた測定ベクトル(β°,M2g)を演算すると,修正位相について(α°-γ°)だけずれるという誤差,及び,修正量について(M3-M1)gだけ多く修正しているという誤差が得られ,
ここで,被測定物とは別の回転体を修正するときに,
位置決め回路に(α°-γ°)の位置決め補正データをセットすることにより,
修正制御回路に(M3-M1)gの不釣合量補正データをセットすることにより,次回からこのような誤差を無くすことが可能となる不釣合修正方法」

3.刊行物3記載の事項
(3-ア)第9頁第3?14行
「回転体をある軸のまわりに回転させると,軸線上以外のあらゆる構成部分には遠心力が働く.この遠心力が回転軸に対して対称に分布していれば,逆方向に働く遠心力が互いに打ち消しあって回転軸にはなんらの力をおよぼさないが,これが対称でなくて一方が大きいとすると,その差に相当する力が回転軸に加わることになって,もしその軸受部分がばねで自由につられているとすれば軸受はこの力によって振動を生ずる.回転体が全体として,遠心力の作用を受けないでその幾何学的な,または構造上きめられた回転軸のまわりを回転するとき,この回転体は「つりあい」の状態にあるといい,軸受は振動しない.これに反して「つりあいが悪い」とは回転軸に遠心力が働くような回転体の状態をいい,この遠心力を起こさせるもととなる回転体構成部分の質量分布の不ぞろいを「不つりあい」という.すなわち不つりあいとは,つりあいの状態にある回転体上に余分に(もしくは不足に)存在する質量であると考えてよい.」

(3-イ)第10頁図面の説明を除く本文第6?18行
「 いま回転軸からrだけ離れたところに重量gのおもりがあって(第9図),
回転数Nで回転しているとすれば,このときに生ずる遠心力Pはつぎの式で表わされる.
→ →
P=(W/g)× rω^(2)
ここにωは角速度であって,ω=2πN/60であり,g=981cm/s^(2)は重力の加速度である. もしgを〔g〕,rを〔cm〕,Nを〔rpm〕で表わせば
→ →
Pは〔g〕で与えられる.またPはrと同じ向きをもったベクトル量であることを上の式は示しているから,遠心力 →
Pは円板が回転するとともに向きもそれにつれて変わることがわかる. そしてこの力

Pが軸受部分に伝わって繰返し力を与え,回転体を振動させることになる.この遠心力を打ち消すには
→ → →
rと反対の向きにw’r’=?wr なる偏心重量を加えればよい.」

(3-ウ)第27頁第17行?第28頁第1行
「2・5 修 正 誤 差
つりあい試験において測定された不つりあいの値が正確なものであっても,ロータの構造や修正方法が適当でないために,修正時に誤差を生じて1回の修正で正しいつりあわせが得られず,2回,3回と修正をくり返さなければならない例は想像以上に多い.修正誤差を生ずる原因には,上に述べたようにロー夕の構造上正しい修正を行ないにくい場合のほか,ロータの構造に不似合に大きな不つりあいがある,修正面の選び方が適当でないために正しい修正面でつりあわせができない,修正角度や修正量を誤るなどといろいろある.不注意によるものは別として,一般に見落されがちなことがらによって生ずる修正誤差について述べることにする.
修正誤差は大別してつぎの四つにわけて考えることができる.
(1)角度誤差
(2)量 誤 差
(3)半径誤差
(4)修正面誤差 」

(3-エ)第28頁本文第6行?第29頁本文第12行
「 2・5・1角度誤差
修正誤差のうちこれが最もよく起こるものであり,測定した角位置に正しく修正を行なわないときに生ずる.これはロータの構造上,修正しようとする角位置にたまたまリブか穴があったり,あるいはすでに他のある部品が取り付いていたりして,その角位置に修正を施すことができないために修正おもりを適当に二つに分割して取りつけるとき,二つにわけたおもりの合力の向きが正しい角度にないような場合〔第20図(a)〕,あるいは不つりあいが大きすぎるために修正おもりがある角度範囲にわたって広く分布して取り付けられるときに,その分布したおもりの重心が正しい角位置に一致していないような場合〔第20図(b)〕に生ずる.
角度誤差があると第21図に示すように残留不つりあいが残るため,正しいつりあいを得るには第2回,第3回の修正を行なわなければならない.極座標修正法においては第2回,第3回の修正おもりは図に示すように円周上に散ることになる.また分力修正法においては一方の分力の修正に角度誤差があれば他方の分力に対して修正量誤差を与えることになるので,正しいつりあいを得るのに手数を要する.
第22図は不つりあいを,ある角度誤差をもって修正したときに生ずる残留不つりあい量が,はじめの不つりあい量の何パーセントになるかを示したものである.これによると,残留不つりあいをはじめの不つりあいの5%以内とするためには,3°以内の正確さで修正しなければならないことがわかる.」

(3-オ)第29頁下から5行?第30頁第15行
「 2・5・2量誤差
不つりあいの測定値に対して正しい修正量を施さないときに生ずる誤差がここにいう量誤差である.角度誤差があるときは修正後の残留不つりあい量にも関係することをわれわれは前節でみたが,量誤差は残留不つりあいの角度には影響を与えない. 第22図においてθ=0であるとし

|U_(1)|≠|U_(0)|のときには,残留不つりあいU_(R)の向きは


にしたがって,
→ →
U1あるいは|U_(0)|の向きに一致する.このとき量誤差はΔU=|U_(1)-U_(0)|で定義される. 一般には角度誤差,量誤差とも単独に起こることはまれであって,両方がともに生ずることが多い.量誤差を生ずる主な原因は,修正量のはかり違いによることはむしろ少なく,第23図のように修正おもりが広い角度にまたがってつけられた場合に起こりやすい.すなわち図において,広がったおもりの重心がU_(0)の向きと一致しているとしても,つけた修正おもりの一部分uについて考えると,uは不つりあいU_(0)の向きと角度がφだけずれているから,U_(0)の向きに対してはu’=ucosφだけしか有効に働かない.この式からわかるように,一般にはu’<uであるから,修正おもり全体としてはU_(0)の向きに働く有効な値はU_(0)よりも小さくなる.このように修正おもりが広がって付けられるときには,測定した不つりあい量よりも,実際には大きな修正量を取り付けないと正しいつりあいが得られない.」

第4 本願発明と引用発明との対比・判断
1)引用発明の「不釣合修正を行う回転体である被測定物」との特定事項は,本願発明の「不釣合いを修正すべき被試験体」に相当する。そして,引用発明の「不釣合修正を行う回転体である被測定物の不釣合測定を行い」は,本願発明の「不釣合いを修正すべき被試験体の初期不釣合いの角度および量を測定する手段」と「初期不釣合を測定する手段」を具備しているという点で共通する。

2)引用発明の「該不釣合測定を行って得られた不釣合測定結果をそのまま修正データとして上記被測定物の不釣合修正を行い」との特定事項について,最初に測定された不釣合測定結果に基づく最初の不釣合修正であるので,1回目の修正ということができる。そして,引用発明の「該不釣合測定を行って得られた不釣合測定結果をそのまま修正データとして上記被測定物の不釣合修正を行い」との特定事項と本願発明の「測定された初期不釣合いの角度および量を修正するように,上記被試験体に1回目の修正を行う手段」とは,「測定された初期不釣合いを修正するように上記被検体に1回目の修正を行う手段」という点で共通する。

3)引用発明の「確認のために再測定して,不釣合測定方法や装置並びに不釣合修正方法や装置の特性の偏りによって,修正結果に規定以上の誤差が残存する場合は,」という特定事項について,再測定して得られるのは,不釣合測定方法や装置並びに不釣合修正方法や装置の特性の偏りによって,修正結果に規定以上の誤差であって,最初の修正で修正できなかった不釣合いであるから,残留不釣合いということができる。
そうすると,引用発明の「確認のため再測定して,不釣合測定方法や装置並びに不釣合修正方法や装置の特性の偏りによって,修正結果に規定以上の誤差が残存する場合は」という特定事項と本願発明の「測定された初期不釣合いが修正された上記被試験体の残留不釣合いの角度および量を測定する手段」とは,「測定された初期不釣合いが修正された上記被検体の残留不釣合いを測定する手段」という点で共通する。

4)引用発明の「その再測定結果を修正データとして上記被測定物の再修正を行う,」という特定事項と本願発明の「上記測定された初期不釣合いおよび残留不釣合いに基づいて,残留不釣合いの角度および量を修正すべき修正量を演算し,補正残留不釣合いの角度および量を求める手段と,
上記求められた補正残留不釣合いの角度および量を修正するように,上記被試験体に2回目の修正を行う手段」とは,「測定された残留不釣合いに基づいて,上記被検体に2回目の修正を行う手段」という点で共通する。

5)引用発明の「動バランスの要求される回転体の不釣合修正装置」という特定事項と本願発明の「高速回転機器のための不釣合い修正装置」とは,「回転体の不釣合い修正装置」という点で共通する。

[一致点]
以上総合すると,本願発明と引用発明とは,
「不釣合いを修正すべき被試験体の初期不釣合いを測定する手段と,
測定された初期不釣合いを修正するように,上記被試験体に1回目の修正を行う手段と,
測定された初期不釣合いが修正された上記被試験体の残留不釣合いを測定する手段と,
上記測定された残留不釣合いに基づいて,上記被試験体に2回目の修正を行う手段と,
を有することを特徴とする回転体のための不釣合い修正装置。」
という点で一致し,次の相違点1乃至相違点5の点で相違する。

[相違点]
1)相違点1
初期不釣合いの測定対象について,本願発明では「角度および量」であるのに対して,引用発明では,不釣合いの測定対象が不明な点。

2)相違点2
1回目の修正を行う修正について,本願発明では「測定された初期不釣合いの角度および量を修正するように」行うのに対して,引用発明では,不釣合いの修正対象が不明な点。

3)相違点3
残留不釣合いについて,本願発明では「角度及び量」が測定されるのに対して,引用発明では,残留不釣合いの測定対象が不明な点。

4)相違点4
本願発明が「上記測定された初期不釣合いおよび残留不釣合いに基づいて,残留不釣合いの角度および量を修正すべき修正量を演算し,補正残留不釣合いの角度および量を求める手段と,
上記求められた補正残留不釣合いの角度および量を修正するように,上記被試験体に2回目の修正を行う手段」を具備するのに対して,引用発明は,かかる特定事項を具備していない点。

5)相違点5
本願発明が「高速回転機器のための不釣合い修正装置」であるのに対して,引用発明は「動バランスの要求される回転体のための不釣合い修正装置」である点。

[相違点についての検討]
そこで,上記相違点について順に検討する。
1)相違点1乃至相違点3について
不釣合いとは,刊行物3に「この遠心力を起こさせるもととなる回転体構成部分の質量分布の不ぞろいを「不つりあい」という.すなわち不つりあいとは,つりあいの状態にある回転体上に余分に(もしくは不足に)存在する質量であると考えてよい.」(摘記事項(3-ア))と説明されている。そして,かかる不釣合いは,摘記事項(3-イ)に示すようにベクトル量であることは,技術常識である。そして,不釣合いとは,回転軸を中心とする角度方向に存在する,余分若しくは不足して存在する質量であるから,不釣合いを修正するときは,角度のみを修正するということは不可能であるし,余分若しくは不足して存在する質量のみを修正することも不可能である。不釣合い量だけが分かっても,角度が不明であれば,修正できない。また,角度のみが分かっても,不釣合い量が不明であれば,修正できない。必ず,不釣合いのベクトルと反対向き,即ち,180°反対の角度に,所定の偏心重量を加える又は削除する必要がある。
そして,刊行物3の摘記事項(3-イ)及び(3-エ)に記載されているように,角度誤差や量誤差があると,1回の修正で正しいつりあわせが得られず,2回,3回と修正をくり返さなければならないとされている。
以上のことから,不釣合いを修正する際には,不釣合いの角度及び量を測定し,測定された角度及び量に基づいて,修正を施し,1回の修正で正しいつりあわせが得られない場合,不釣合いの再度角度及び量を測定し,測定された角度及び量に基づいて,2回目の修正を施すことは,技術常識であるといえる。
そうすると,引用発明が,相違点1?相違点3に記載の本願発明の具備する特定事項を有することは,前記技術常識からみて,自明なことといえる。
よって,相違点1?相違点3は,実質的に相違点とはいえない。

2)相違点4について
(不釣合い量について)
刊行物1発明の「回転陽極型X線管のターゲット」及び「第1回目の測定で測定された修正データD1」は,本願発明の「不釣合いを修正すべき被試験体」及び「前記測定された初期不釣合い」に相当する。
また,刊行物1発明の「第2回目の測定で測定された修正データD2」は,本願発明の「残留不釣合い」に相当する。
そして,D1及びD2は,共に不釣合量である。
よって,「[D1/(D1-D2)]D2とする補正データを求める演算処理」が,本願発明の「前記測定された初期不釣合いおよび残留不釣合いに基づいて,残留不釣合いを修正すべき修正量を演算し,補正残留不釣合いの量を求める手段」に相当する。
さらに,刊行物1発明は,かかる[D1/(D1-D2)]D2とする補正データにより,2回目の修正を行うのであるから,本願発明の「不釣合いを修正すべき被試験体・・・上記求められた補正残留不釣合いの量を修正するように,上記被試験体に2回目の修正を行う手段」に相当する特定事項を具備することは明らかである。
したがって,引用発明において,不釣合いを修正すべき被試験体に対して,刊行物1記載の補正残留不釣合いの量を修正する手段を採用をすることにより,相違点4に記載の本願発明の如く不釣合い量を補正することを想到するのに困難性はない。

(不釣合い角度について)
刊行物2には,前記刊行物2発明が記載されていると共に,最初の不釣合い修正により生じる誤差の量について「最初の不釣合測定で,第2図(a)に示すように,α°の位相でM1gの不釣合が測定され,修正後の不釣合測定で,第2図(b)に示すように,β°の位相にM2gに不釣合が測定されたとすると,ベクトル演算すれば,第2図(c)に示すように,γ°の位相にM3gの修正が行われたことになる。修正位相が(α°-γ°)だけずれているが,これは位置決めにおいて誤差を生じたためである・・・ 」(摘記事項(2-エ))と記載されている。この記述は,刊行物2発明の特定事項である「ここで,被測定物1とは別の回転体を修正するときに,位置決め回路に(α°-γ°)の位置決め補正データをセットすることにより,修正制御回路に(M3-M1)gの不釣合量補正データをセットすることにより,次回からこのような誤差を無くす」という工程の前,即ち,前記刊行物2発明の従来技術の課題の解決する手段である補正データによる誤差補正を修正する前の段階の説明であるから,従来技術である引用発明においても,修正位相が(α°-γ°)だけずれていることが明らかに把握できる一般的な修正誤差に関する技術思想が,開示されているといえる。

他方,刊行物1には,「このような回転不釣合修正装置を使用して,ターゲット21を不釣合測定器10にセットし高速で回転させ,不釣合量を基準位置からの回転角度と不釣合重量として計測する。」(摘記事項(1-イ))と記載されているように,不釣合い角度も測定している。これは,「1)相違点1乃至相違点3について」で検討したとおり,不釣合いは,ベクトル量であり,角度を測定しないと,不釣合いの修正ができないからである。そして,刊行物1発明においては,摘記事項(1-オ)に「この研磨によりロータリバー35の外径が減少するため,修正データ演算器2からの修正データに基づきターゲット21を切削しても,ロータリバー35の外径減少分が修正不足となる。」と記載されているように,ロータリバー35の摩耗による修正不足のみに注目して,前記したような補正残留不釣合い量を修正している。
このように刊行物1発明は,不釣合測定装置で,不釣合いの角度及び量を測定しているものではあるが,不釣合測定装置で測定される不釣合いの角度や量の測定には重大な誤差は生じず,また,不釣合修正機において,角度に重大な誤差が生じないことを前提とし,不釣合修正機のロータリバー35の摩耗によって生じる不釣合い量の誤差の補正のみに注目して,この補正を課題としている発明であるといえる。
しかしながら,誤差は不釣合いの測定及び修正過程のあらゆるところで生じ,また,誤差は不釣合いの角度及び量ともに生じることは,広く知られた技術常識である。
例えば,刊行物2に「測定装置や修正装置の特性の偏りによる誤差」(摘記事項(2-ア))と記載され,「 このことを,第2図に基づいて説明する。
最初の不釣合測定で,第2図(a)に示すように,α°の位相でM1gの不釣合が測定され,修正後の不釣合測定で,第2図(b)に示すように,β°の位相にM2gに不釣合が測定されたとすると,ベクトル演算すれば,第2図(c)に示すように,γ°の位相にM3gの修正が行われたことになる。 」(摘記事項(2-エ)) との記載事項があり,不釣合いの角度及び量に誤差が生じる過程が説明されている。
また,一般の技術文献である刊行物3に「つりあい試験において測定された不つりあいの値が正確なものであっても,ロータの構造や修正方法が適当でないために,修正時に誤差を生じて1回の修正で正しいつりあわせが得られず,2回,3回と修正をくり返さなければならない例は想像以上に多い.・・・(中略)・・・修正誤差は大別してつぎの四つにわけて考えることができる.
(1)角度誤差
(2)量 誤 差
(3)半径誤差
(4)修正面誤差」(摘記事項(3-ウ)),「修正誤差のうちこれが最もよく起こるものであり,測定した角位置に正しく修正を行なわないときに生ずる.」(摘記事項(3-エ))及び「不つりあいの測定値に対して正しい修正量を施さないときに生ずる誤差がここにいう量誤差である.」(摘記事項(3-オ))と記載されているように,つりあい試験において測定された不つりあいの値が正確であるという前提に立っても,不釣合いの角度及び量に誤差が生じ,ましてや,つりあい試験において測定された不釣合い値が不正確であれば,なおさらである。
技術常識として刊行物3に,「この遠心力を打ち消すには
→ → →
rと反対の向きにw’r’=?wr なる偏心重量を加えればよい.」(摘記事項(3-1))と記載されているように,不釣合いは,角度と量で表されるベクトル量であるということは技術常識である。
このような技術常識を考慮すると,前記「1)相違点1乃至相違点3について 」で述べたように,測定装置や修正装置の特性の偏りによる不釣合いの角度及び量に誤差が生じていることを前提とする引用発明において,不釣合いを修正すべき被試験体に対して,刊行物1記載の補正残留不釣合いの量を修正する手段を採用をすることにより,相違点4に記載の本願発明の如く不釣合い量を補正しようとすれば,この不釣合い量を補正した被試験体に対して,測定装置や修正装置の特性の偏りによる残留不釣合い角度の補正も同時に行わないと,新たな不釣合いの角度と量で表される不釣合いベクトルが生じ,不釣合いが解消しないことは,当業者にとって明らかなことである。

以上のことから,測定装置や修正装置の特性の偏りによる不釣合いの角度及び量に誤差が生じていることを前提とする引用発明において,不釣合いを修正すべき被試験体に,刊行物1記載の補正残留不釣合いの量を修正する手段を採用する際に,当業者が当然気付く事項である不釣合い角度の誤差について,刊行物2に記載の(α°-γ°)というずれを修正すべく補正を施して,相違点4に記載の本願発明の特定事項の如く不釣合いの角度及び量を同時に補正することに格別な困難性がない。

なお,請求人は,平成18年3月22日付け意見書において,刊行物2の解決課題は,「測定装置や修正装置の特性の偏りによる誤差を補正することであり(第1頁右下欄13?15行,第2頁左上欄4?10行)であり,この課題を解決するために,
ア.被測定物の不釣合い測定を行い,不釣合い測定結果に基づいて所定の修正特性で不釣合い修正を施し,その被測定物の不釣合い測定を再度行い,再測定結果に基づいて修正特性を補正する。
イ.それ以降の被測定物に対しては,補正された修正特性に基づいて不釣合い測定を行う。
という内容が開示されています。
そして,その作用効果としては,不釣合い測定装置が持っている特性の偏りによる誤差を打ち消すことができるというものであります。(第2頁左上欄17行?左下欄17行)」と主張する。
確かに,前記刊行物2発明は,前記したとおり「・・・(α°-γ°)と(M3-M1)gの補正データを演算出力する。
ここで,別の被測定物を回転させて不釣合測定するとき,
・・・位置決め補正データ(α°-γ°)によって測定値を補正して位置決めすることを特徴とする動バランスの要求される回転体の不釣合修正装置。」とする特定事項を具備するものであって,不釣合い角度の誤差である(α°-γ°)は,別の被測定物の修正に使用されるものである。」と主張する。
しかしながら,前記したように測定装置や修正装置の特性の偏りによる不釣合いの角度及び量に誤差が生じていることを前提とする引用発明に,刊行物1記載の補正残留不釣合いの量を修正する手段を採用して,相違点4に記載の本願発明の如く不釣合い量を補正しようとすれば,この不釣合い量を補正した被試験体に対して,測定装置や修正装置の特性の偏りによる残留不釣合い角度の補正も同時に行わないと,不釣合いの誤差は解消しないことは,当業者にとって,明らかなことである。前記したように,引用発明及び刊行物2発明に接した当業者であれば,この不釣合い量を補正した被試験体に対して,不釣合い角度と不釣合い量の双方の補正を施すことは,当業者が自然に想到し得ることといえる。
そして,刊行物2には,前記したように,従来技術である引用発明においても,修正位相が(α°-γ°)だけずれていることが明らかに把握できる一般的な修正誤差に関する技術思想が,開示されているといえるから,「不釣合い角度の誤差である(α°-γ°)は,別の被測定物の修正に使用されるものである。」という請求人の主張する事項は,引用発明に刊行物2記載の事項を適用する際の妨げとはならない。
よって,請求人の主張を採用することはできない。

以上を総合すると,引用発明において,不釣合いを修正すべき被試験体に対して,刊行物1記載の補正残留不釣合いの量を修正する手段を採用をすることにより,相違点4に記載の本願発明の如く不釣合い量を補正することを想到するのに困難性はない。また,測定装置や修正装置の特性の偏りによる不釣合いの角度及び量に誤差が生じていることを前提とする引用発明において,不釣合いを修正すべき被試験体に,刊行物1記載の補正残留不釣合いの量を修正する手段を採用する際に,当業者が当然気付く事項である不釣合い角度の誤差について,刊行物2に記載の(α°-γ°)というずれを修正すべく補正を施して,相違点4に記載の本願発明の特定事項の如く不釣合い角度を補正することに格別な困難性がない。

5)相違点5について
本願明細書【0002】に「【従来の技術】ターボチャージャは,ロータの一次共振点や二次共振点を超える回転数で高速運転されるため,ロータの構成部品であるタービンホイールやコンプレッサホイールといった各部品は,それぞれ単品で高精度の釣合わせが行われている。」と記載されているように,高速回転機器に不釣合い修正を行うことは,本願の出願前周知の技術的事項であるといえる。しかも,刊行物2には「しかるのち,制御回路14からの指令によりモータ2を再度高速回転させて再度不釣合の量と位相を得る。」(摘記事項(2-キ))と記載されているように,被測定物の測定に際して,高速回転させることが記載されている。
そうすると,引用発明において,前記周知の技術的事項を採用して,相違点5に記載の本願発明の特定事項の如くすることは,当業者が特段の創作力を要することなくなし得たことといえる。

そして,本願発明の作用効果も,引用発明,刊行物1発明,刊行物2記載の事項並びに前記周知の技術的事項から,当業者が予測し得たものであって,格別顕著なものともいえない。

第5 むすび
以上のことから,本願発明は,引用発明,刊行物1発明,刊行物2に記載の技術的事項及び前記周知の技術的事項に基づき,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定に基づき特許を受けることができない。
したがって,本願は,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-03-03 
結審通知日 2008-10-16 
審決日 2008-10-30 
出願番号 特願2002-110735(P2002-110735)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G01M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小山 茂小原 博生  
特許庁審判長 郡山 順
特許庁審判官 竹中 靖典
後藤 時男
発明の名称 不釣合い修正方法および装置  
代理人 川崎 実夫  
代理人 稲岡 耕作  

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