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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1216950
審判番号 不服2008-9854  
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-04-18 
確定日 2010-05-17 
事件の表示 平成10年特許願第516685号「サンプル収集デバイス及びマーカーを用いたサンプル収集方法、及びサンプル確認、ラボの評価及び/又は認定の際の比較試料としてのマーカーの使用」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 4月 9日国際公開、WO98/14275、平成13年 7月31日国内公表、特表2001-510557〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、1997年10月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1996年10月4日 米国)を国際出願日とする出願であって、平成20年1月16日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年4月18日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに、同年5月2日付けで手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。


第2 本件補正の補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年5月2日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1 補正後の本願発明
本件補正は、特許請求の範囲の補正を含み、平成19年11月26日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1を以下のとおり補正するものである。(下線部は補正箇所を示す。)
「1. 収集サンプルをマークするのに適切なデバイスであって、
サンプル収集のためのチューブと針とからなる収集手段で、前記針により人または動物の体液をサンプルとして収集するものと、
少なくとも一つの検出可能な非核酸マーカーとを備え、かつ前記少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーは、収集手段のチューブの内面に存在し、ここで少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーが存在する収集手段のチューブの内面とサンプルとの接触に基づき、収集サンプルをマークするために、サンプルの収集によって、サンプルと少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーとの接触が可能で、かつ少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーはサンプル中に既存の成分以外のものであり、かつサンプルに存在する成分に対して無活性であるもの。」(以下、「本願補正発明」という。)
本件補正は、収集手段について「チューブと針とからなる収集手段で、前記針により人または動物の体液をサンプルとして収集するもの」という限定を付加し、非核酸マーカーについて「収集手段の少なくとも一部と関連」するとされていたものを「収集手段のチューブの内面に存在」すると限定し、「非核酸マーカーと関連した収集手段の少なくとも一部とサンプルとの接触」を「非核酸マーカーが存在する収集手段のチューブの内面とサンプルとの接触」と限定する事項を含んでいる。上記補正事項は、いずれも、発明特定事項を限定するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本願補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に適合するか)について以下に検討する。

2 引用刊行物記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である国際公開第96/19586号(以下、「引用例」という。)には、以下の記載がある。
[a]「 In a preferred embodiment of the invention, a plurality of specially constructed identification oligonucleotides is used.」(第2頁第19行?20行)
「 発明の好ましい実施例では、複数の特別に構築された識別オリゴヌクレオチドが使用される。」(訳文)
[b]「 Once the identification oligonucleotides for the sample have been selected, they are added to the sample. Preferably, the identification oligonucleotides are added at the time the sample is collected or immediately upon receiving the sample in the testing laboratory to minimize the opportunities for misidentification of the sample.」(第8頁第25?29行)
「 試料に対する識別オリゴヌクレオチドが選択されたら、それらを試料に加える。望ましくは、識別オリゴヌクレオチドは、試料を誤認する機会を最小にするために、試料を収集した時、または、試験する研究室が試料を受領した直後に試料に添加する。」(訳文)
[c]「 The amount of identification oligonucleotides added to the sample should be comparable to the amount of DNA of the type to be analyzed in the sample. In general, this will mean that from 100 to 200 femtomoles of each identification oligonucleotide will be added to each 1ml of a blood sample, or approximately 1-2 finol for each 1 μg of patient DNA. Larger amounts may be appropriate in cases where a sample of solid tissue is being analyzed.」(第9頁第1?6行)
「 試料に添加される識別オリゴヌクレオチドの量は、試料中の分析される型のDNAの量に匹敵する。一般に、1mlの血液試料の各々に100から200フェトモルの識別オリゴヌクレオチドを添加すること、または、患者DNAの1μg毎に1?2フェトモルを、意味するであろう。固形組織を分析する際には、より多い量が適切である。」(訳文)
[d]「 After addition of the identification oligonucleotides, the sample is treated to sequence both the sample DNA and the identification oligonucleotides. This may be performed in parallel reactions, or may involve co- amplification in a single vessel when the amplification conditions for the sample DNA and the identification oligonucleotides are compatible. In either case, the identification oligonucleotides of all of the sets may be advantageously amplified using a single pair of primers derived from regions of the starting oligonucleotide remote from the identification region. These same primers or nested primers are then labeled, for example with fluorescein, and used in the sequencing reaction. The sequencing reaction is preferably performed in an automatic sequencer, for example a Pharmacia A.L.F. Automatic Sequencer. In particular, the same primers used in the original characterization of the oligonucleotides may be used in the amplification and sequencing processes.」(第9頁第7?20行)
「 識別オリゴヌクレオチドを添加した後、試料は試料DNAと識別オリゴヌクレオチドの両方の配列決定のために処理される。これは、並行して反応を行うかもしれないし、試料DNAと識別オリゴヌクレオチドの増幅条件が適合する場合には1つの容器において同時に増幅することも含む。いずれの場合も、セットのすべての識別オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの識別領域から離れた開始領域に由来するプライマーの一対を用いて、都合よく増幅される。これらの同じプライマーまたはネスト化されたプライマーは、例えばフルオレセインによりラベル化され、配列決定反応に利用される。望ましくは、配列決定反応は、例えば Pharmacia A.L.F. Automatic Sequencer のような自動シーケンサーにより実行される。特に、オリゴヌクレオチドの特定に使用されるものと同じプライマーが、増幅および配列決定の過程において使用される。」(訳文)
[e]「 The present invention lends itself to the advance preparation of sample collection vessels, i.e, tubes, bottles, slides, etc., containing pre-selected combinations of identification nucleic acids. For example, as shown in Fig. 6, a sample collection tube 1 might be coated on the inside surface with a mixture 2 of identification oligonucleotides. A label 3 on the outside of the tube would provide an indication of nature of the identification oligonucleotides, for example an identification code as shown in Fig. 6. Preferably, the label is perforated, as shown, with one part being removable. This part of the label is removed and placed on the patient's chart at the time the sample is collected. The identification code which is returned based on the sequenced identification oligonucleotides is compared with the number on the removed label to confirm the identification of the sample.」(第10頁7?18行)
「 本発明は、例えばチューブ、ボトル、スライドなどの試料収集容器において、前もって選択された識別核酸の組み合わせを内蔵させることにより、前進的な前処理に役立つ。例えば、第6図に示すように、試料収集チューブ1は、内表面を識別オリゴヌクレオチドの混合物2で覆っていてもよい。チューブの外側のラベル3は、識別オリゴヌクレオチドの性質を例えば第6図に示す識別コードのような表示で提供する。望ましくは、ラベルには図示される様にミシン目を入れられ、1部分を切り離すことができる。ラベルのこの部分は試料を収集した時に切り離され、患者のカルテに貼付される。配列決定された識別オリゴヌクレオチドに基づいて返される識別コードは、試料の同一性を確認するために、切り離されたラベルの番号と比較される。」(訳文)
[f]「19. A vessel for collecting samples for analysis by nucleic acid sequencing, said vessel containing a plurality of species of purified identification oligonucleotides, wherein each of said species of identification oligonucleotides includes a unique identification region of known sequence and is selected from one of a plurality of distinct sets of oligonucleotides having no common members among the sets.」(第16頁第3?8行)
「19.核酸配列を分析するための容器であって、容器は、精製された複数種の識別オリゴヌクレオチドを内蔵し、ここで、それぞれの識別オリゴヌクレオチドは、既知で特有の配列領域を有し、セット中において同じものがなく区別することができるオリゴヌクレオチドの複数のセットの中から選択されたもの。」(訳文)
上記[a]?[f]の記載によれば、引用例には、
「核酸配列を分析するための容器であって、容器は、試料収集チューブからなり、精製された複数種の識別オリゴヌクレオチドを内蔵し、試料収集チューブの内表面を識別オリゴヌクレオチドの混合物で覆っており、望ましくは、識別オリゴヌクレオチドは、試料を誤認する機会を最小にするために、試料を収集した時に、1mlの血液試料の各々に100から200フェトモルの識別オリゴヌクレオチドが添加され、ここで、それぞれの識別オリゴヌクレオチドは、複数の特別に構築された識別オリゴヌクレオチドであり、既知で特有の配列領域を有し、セット中において同じものがなく区別することができるオリゴヌクレオチドの複数のセットの中から選択されたものであり、識別オリゴヌクレオチドに基づいて試料の同一性を確認できるもの。」の発明(以下、「引用例発明」という。)が記載されていると認められる。

3 対比
本願補正発明と引用例発明とを対比する。
(ア)引用例発明の「容器」は、内蔵する識別オリゴヌクレオチドを試料に添加し、この識別オリゴヌクレオチドに基づいて試料の同一性を確認できるものであるから、本願補正発明の「収集サンプルをマークするのに適切なデバイス」に相当する。
(イ)引用例発明の「試料収集チューブ」は、本願補正発明の「サンプル収集のためのチューブ」に相当する。
(ウ)引用例発明の「血液試料」は、本願補正発明の「人または動物の体液」に相当する。
(エ)引用例発明の「精製された複数種の識別オリゴヌクレオチドを内蔵」することと本願補正発明の「少なくとも一つの検出可能な非核酸マーカーとを備え」ることとは、「少なくとも一つの検出可能なマーカーとを備え」る点で共通する。
(オ)引用例発明の「試料収集チューブの内表面を識別オリゴヌクレオチドの混合物で覆って」いることと本願補正発明の「前記少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーは、収集手段のチューブの内面に存在」することは、「前記少なくとも1つの検出可能なマーカーは、収集手段のチューブの内面に存在」する点で共通する。
(カ)引用例発明の「試料収集チューブの内表面を識別オリゴヌクレオチドの混合物で覆って」いる構成により「識別オリゴヌクレオチドは、試料を誤認する機会を最小にするために、試料を収集した時に、1mlの血液試料の各々に100から200フェトモルの識別オリゴヌクレオチドが添加され」ることと本願補正発明の「ここで少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーが存在する収集手段のチューブの内面とサンプルとの接触に基づき、収集サンプルをマークするために、サンプルの収集によって、サンプルと少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーとの接触が可能」であることとは、「ここで少なくとも1つの検出可能なマーカーが存在する収集手段のチューブの内面とサンプルとの接触に基づき、収集サンプルをマークするために、サンプルの収集によって、サンプルと少なくとも1つの検出可能なマーカーとの接触が可能」である点で共通する。
(キ)引用例発明において、「識別オリゴヌクレオチド」は、[d]に記載されるように、試料DNAと、「並行して反応を行うかもしれないし、試料DNAと識別オリゴヌクレオチドの増幅条件が適合する場合には1つの容器において同時に増幅することも含む」ものであるから、本願補正発明と同様に「サンプルに存在する成分に対して無活性であるもの」といえる。
そして、引用例発明の「それぞれの識別オリゴヌクレオチドは、複数の特別に構築された識別オリゴヌクレオチドであり、既知で特有の配列領域を有し、セット中において同じものがなく区別することができるオリゴヌクレオチドの複数のセットの中から選択されたものであり、識別オリゴヌクレオチドに基づいて試料の同一性を確認できるもの」と本願補正発明の「少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーはサンプル中に既存の成分以外のものであり、かつサンプルに存在する成分に対して無活性であるもの」とは、「少なくとも1つの検出可能なマーカーはサンプル中に既存の成分以外のものであり、かつサンプルに存在する成分に対して無活性であるもの」である点で共通する。
したがって、両者は、
「収集サンプルをマークするのに適切なデバイスであって、サンプル収集のためのチューブからなる収集手段で、人または動物の体液をサンプルとして収集するものと、少なくとも一つの検出可能なマーカーとを備え、かつ前記少なくとも1つの検出可能なマーカーは、収集手段のチューブの内面に存在し、ここで少なくとも1つの検出可能なマーカーが存在する収集手段のチューブの内面とサンプルとの接触に基づき、収集サンプルをマークするために、サンプルの収集によって、サンプルと少なくとも1つの検出可能なマーカーとの接触が可能で、かつ少なくとも1つの検出可能なマーカーはサンプル中に既存の成分以外のものであり、かつサンプルに存在する成分に対して無活性であるもの。」である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]収集手段が、本願補正発明は「針」を備えるのに対し、引用例発明では「針」を備えていない点。
[相違点2]マーカーが、本願補正発明は「非核酸」マーカーであるのに対し、引用例発明は識別オリゴヌクレオチドである点。

4 判断
[相違点1]について
血液試料を試料収集チューブに収集する際に、針を用いることは周知である。例えば、特開昭62-227316号公報の第3頁右上欄第1?3行には、「採血針30を用いて形成される減圧採血具31は、第2図に示すように減圧採血管32と採血ホルダー33から構成される」ことが記載されている。また、特開平7-327963号公報の段落【0016】には、「真空採血管Vの採血針接合部6に採血針(図示しない)を接合し、採血針の後端部を栓体Rに刺通し、採血針の先端部を血管に挿入することにより被採血者から採血する」ことが記載されている。
したがって、引用例発明において、試料収集チューブからなる容器に上記のとおり周知である針を備えることは、当業者が容易に想到しうることである。

[相違点2]について
試料の同一性を確認するためのマーカーとして、非核酸マーカーを用いることは周知である。例えば、「同一性および出所を確認するための化学物品の標識」に関する発明である特表平3-502487号公報には、「不活性マーカー化合物は、通常は化学品もしくは組成物に存在しないものとすべき」(第2頁右上欄第19?20行)と記載され、さらに「マーカーは好適には抗体、好ましくはそのモノクローナル抗体により結合しうる分子である。」(第2頁右上欄第26行?同頁左下欄第1行)、「好ましくは、複数のマーカーを存在させる場合、これらは同一の相補的結合要素に結合して濃縮させうる共通部分を有するが、その後の分析技術によって分離可能である。すなわち或る種の具体例において、マーカー化合物の少なくとも1種は相補的結合マーカー化合物の結合に影響を及ぼさないアミノ酸、核酸、オリゴヌクレオチドもしくはオリゴペプチド置換基を有することができる。この種の置換基は、マーカー化合物をたとえばHPLCのような分析技術により互いに一層容易に識別可能にする。」(第2頁右下欄第11?19行)と記載されている。また、「真偽を立証したい物品の標識」に関する発明である特表昭63-503242号公報には、「したがって本発明は真偽を立証したい品物または物質を標識する方法を提供する。この方法は品物または物質を所定の巨大分子からなる第一の化合物によって標識することからなるがこの際この第一の化合物の同一性(種類)を暴露(公表)することはしない。」(第3頁左上欄第17行?同頁右上欄第1行)と記載されており、さらに「便宜上ここでは第一の化合物をシグナル化合物と称する。このシグナル化合物は、例えば核酸の場合は塩基の、タンパク質の場合はアミノ酸の配列からなり得、この配列には相補的な第二の化合物が結合する。ここではこの配列をシグナル配列と称する。」(第3頁右上欄第13?17行)と記載されている。さらに、特表平9-508199号公報には、「識別可能な種の適当な例としては、リガンド(例えば、抗原性リガンドあるいは非抗原性リガンド)、バインダー(例えば、抗原性リガンドのためのバインダーあるいは非抗原性リガンドのためのバインダー)、その他の適当な識別可能な種(例えば、DNAあるいはRNA等の核酸)などがある。なお、抗原性リガンドのためのバインダーは抗体であってもよい。」(第6頁第26行?第7頁第2行)と記載されている。以上のとおり、試料の同一を確認するためのマーカーは、核酸を用いることのみならず、非核酸化合物を用いることも周知である。
したがって、引用例発明において、試料の同一性を確認するためのマーカーとして、識別オリゴヌクレオチドの代わりに、上記周知である非核酸マーカーを用いることは、当業者が容易に想到しうることである。

そして、本願補正発明の効果は、引用例発明および上記周知技術から当業者が予測できる範囲のものであって、格別なものであるとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用例発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5 まとめ
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明
1 本願発明の認定
本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1?24に係る発明は、平成19年11月26日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?24に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、その請求項1に係る発明は以下のとおりである。
「1. 収集サンプルをマークするのに適切なデバイスであって、
サンプル収集のための収集手段と、
少なくとも一つの検出可能な非核酸マーカーで、収集手段の少なくとも一部と関連し、ここで少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーと関連した収集手段の少なくとも一部とサンプルとの接触に基づき、収集サンプルをマークするために、サンプルの収集によって、サンプルと少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーとの接触が可能で、かつ少なくとも1つの検出可能な非核酸マーカーはサンプル中に既存の成分以外のものであり、かつサンプルに存在する成分に対して無活性であるもの。」(以下、「本願発明」という。)

2 引用刊行物記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用例およびその記載事項は、前記「第2 2 引用刊行物記載の発明」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、本願補正発明における限定をそれぞれ省いたものに相当する。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 4 判断」に記載したとおり、引用例発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項に係る発明について言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-12-21 
結審通知日 2009-12-22 
審決日 2010-01-05 
出願番号 特願平10-516685
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G01N)
P 1 8・ 121- Z (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 郡山 順森 竜介  
特許庁審判長 後藤 時男
特許庁審判官 秋月 美紀子
宮澤 浩
発明の名称 サンプル収集デバイス及びマーカーを用いたサンプル収集方法、及びサンプル確認、ラボの評価及び/又は認定の際の比較試料としてのマーカーの使用  
代理人 塩入 明  
代理人 塩入 みか  

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