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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F21V
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21V
管理番号 1218055
審判番号 不服2009-12786  
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-14 
確定日 2010-06-10 
事件の表示 特願2000-119437号「面発光表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 8月24日出願公開、特開2001-229723号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願は、平成12年4月20日(優先権主張平成11年12月9日)の出願であって、平成21年4月10日付けで拒絶査定がされ、この査定に対し、同年7月14日に本件審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正(前置補正)がなされたものである。

第2 平成21年7月14日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年7月14日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正後の請求項1に記載された発明
本件補正により、特許請求の範囲の【請求項1】は、
「【請求項1】 指向性のある光を発する複数のLED光源と、
このLED光源の前記光が入射する入射面と、この入射面の一側端から前記光の指向方向と略平行に設けられ、前記光が伝搬されて出射する出射面と、この出射面又は前記出射面と対向する面の少なくとも一方に前記光を散乱する粗面と、この粗面の側端から前記入射面の方向に延出し、前記光を反射する平滑面と、を有する導光板と、
この導光板の前記入射面と前記出射面以外の少なくとも1つ以上の面を覆うように設けられた反射部材と、
前記導光板の前記出射面の前面に設けられ、前記出射面の出射光が透過して、任意のパターンを表示する表示板と、
LED光源からの光を特定の方向に導くとともに、背面側が導光板を保持するように延設するリフレクタを有し、少なくとも表が開口する枠状のケースと、
を備えたことを特徴とする面発光表示装置。」
と補正された。
上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「LED光源」について、「指向性のある光を発する複数のLED光源」と限定するとともに、「導光板」の「出射面」について「この入射面の一側端から前記光の指向方向と略平行に設けられ、前記光が伝搬されて出射する出射面」と限定し、さらに、「導光板」について「出射面又は前記出射面と対向する面の少なくとも一方に前記光を散乱する粗面と、この粗面の側端から前記入射面の方向に延出し、前記光を反射する平滑面と、を有する」と限定するものであって、当該補正箇所は平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

2.引用刊行物とその記載事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願優先日前に頒布された刊行物である特開平8-315621号公報(以下「刊行物1」という。)には、エッジライト方式の面照明装置に関して図面とともに、次の技術的事項が記載されている。
(ア)「【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の面照明装置における光の入射に関して考えてみると、拡散タイプのLEDランプ7を使用すると、LEDランプ7から出た光が直接導光板1の光入射面1aを照射する割合が非常に低く、入射効率がよくない。また、透明タイプのLEDランプ7では、LEDチップ12から出た光は、光軸よりおよそθ=35°以上の角度であれば半球レンズ15で集光されずに筐体14の側面より横方向に出たり、あるいは筐体14の側面で全反射して横方向に出る光が多く、導光板1の光入射面1aを直接照射して入射する光の効率はあまり高くない。」
(イ)「【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の面照明装置における光の入射に関する課題解決手段として、平板状の透光性材料からなる導光板50の少なくとも一側の光入射面端部に配された光源51は透明樹脂60でLEDチップ57をモールドするとともに半球レンズ61を形成したレンズ型LEDランプ53からなり、LEDランプ53は、半球レンズ61の先端部とLEDチップ57との距離Zが半球レンズ61の曲率半径rの1.8倍以下に設定され、半球レンズ61の先端部とLEDチップ57との距離Zが半球レンズ61の曲率半径rの1.8倍となる位置にLEDチップ57を配置したときのLEDランプ53から導光板50への入射効率を越える範囲内になるように半球レンズ61の先端部とLEDチップ57との距離の下限が設定される。」
(ウ)「【0087】(第四実施例)次に、上記実施例の面照明装置を用いた表示器について説明する。まず、表示器の一実施例として、図35,36に示すように、光源51および平面部52に光取出体110を有する導光板50を備えた面照明装置Xと、導光板50の平面部52の表面側に密着して配された図柄表示板111と、平面部52の裏面側に密着して配された反射板112とから構成され、これらを保持固定するためのホルダー113が設けられ、ホルダー113は内部が空洞になった長尺状の凸形に成形され、上部に長溝114が形成されている。・・・
【0088】面照明装置Xでは、導光板50の下側の光入射面50a端部にレンズ型LEDランプ53をアレイ状に配置した光源51が近接して配置されている。・・・光取出体110は、図37,38の如く、V状の溝110Aを前記光入射面50aと平行な方向に直線状に並べられたもので、光源51から離れるにつれて密になるように配されている。」
(エ)「【0099】次に、表示器の組み立て手順を説明する。図柄表示板111、導光板50、反射板112は縦横が同サイズとされ、それぞれの板の四隅近傍には位置を合わせてスルーホール125が形成されている。また、ホルダー113の上部にも、前記スルーホール125のうち下側の2カ所のスルーホール125に対応するスルーホール126が形成されている。ホルダー113の内部では、LEDランプ53の基板54および光源反射板116が所定の位置に固定されており、ホルダー113の長溝114に、図柄表示板111、導光板50、反射板112を重ね合わせた状態で挿入するだけで、導光板50がLEDランプ53に近接あるいは接触するような位置関係にて配置される。この状態で各スルーホール125,126の位置が合致され、ホルダー113のスルーホール126および図柄表示板111、導光板50、反射板112のスルーホール125にバインディングボルト127を貫通させ、ナット128により固定することで、ホルダー113に挿入されている図柄表示板111、導光板50、反射板112は極めて容易に所定の位置へ固定される。」
(オ)「【0101】次に、本実施例の表示動作について、図45,46に基づいて説明する。・・・LEDランプ53から前方へ発せられる光の多くは、その前方に配置される導光板50の光入射面50aを透過して導光板50の内部へ入射され、またLEDランプ53より側面方向に発せられた光の多くは、側方に配置された光源反射板116によって前方の導光板50方向へ反射され、光入射面50aより導光板50内部へ入射される。・・・
【0102】この導光板50内部を伝播する光のうち、裏面52bに設けられているV状の溝110Aである光取出体110に当たった光は、その粗面となった表面において吸収されることなしに散乱透過および乱反射される(図中S_(1))。裏面52bにて乱反射された光の大部分は表面52aへ到達し、そのうち表面52aへの入射角度θ_(4)が臨界角θr以下の光は導光板50から外部へ射出される。一方、光取出体110を散乱透過して導光板50の裏側へ射出された光は、裏面52bに密着して設置されている反射板112の反射面112aに当たり、70%程度の高反射率で乱反射され、再び導光板50へその裏面52bを通して入射する。これら再入射光の大部分は表面52aに達し、そのうち臨界角θr以上の入射角の光は上記の全反射の挙動を繰り返し、臨界角θr以下の入射角の光は導光板50の表面52aから外部へ射出する。
【0103】導光板50の表側へ射出された光は、表面52aに密着した図柄表示板111に当たる。」

すると、記載事項(ウ)?(オ)の第4実施例に着目して、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が開示されているものということができる。
「レンズ型LEDランプ53をアレイ状に配置した光源51と、
この光源51の光が入射する光入射面50aと、表面52aと、光取出体110と、を有する導光板50と、
平面部52の裏面52b側に密着して配された反射板112と、
導光板50の平面部52の表面52a側に密着して配された図柄表示板111と、
光源反射板116が所定の位置に固定されているホルダー113と、
を備えた面照明装置を用いた表示器。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用された、本願優先日前に頒布された刊行物である特開平9-105817号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに、次の技術的事項が記載されている。
(カ)「【0010】・・・光源2には、蛍光灯や冷陰極放電管(冷陰極管)等の線光源が使用されるが、ランプ、又は、LED等の点光源を並べて使用することもある。」
(キ)「【0032】図14及び図15は、本発明の第3比較例を示し、図25に示す第2比較例の改良品であって、導光板31の出光面31B及び/又は反射板36における、入光端面31A側の端部に、1?10mmの幅の正反射部(鏡面反射部)41が形成されている。正反射部41は光の吸収が殆どなくて、正反射するものがよく、その形成方法としては、銀やアルミニウムの蒸着や、これらのテープの貼付けにより、行われるが、銀を使用するのが好ましい。又、正反射部41の幅は、導光板31の厚さ等の仕様により変化する。尚、出光面31に正反射部41を形成する場合には、遮光カバーの貼付け部に正反射部41を形成した後、この正反射部41に両面テープを介して遮光カバーを貼付ける。又、拡散反射部37は、有効発光領域に影響しないように、入光端面1A側の端部から3mm以上の間隔を取ることが好ましい。
【0033】上記第3比較例によれば、反射板36の入光端面31A側の端部で、光が拡散しないので、導光板31の出光面31Bにおける、入光端面31Aの端部での光の出射量が、他の部分に比較して、大となり過ぎない。従って、出光面31Bの上記端部に、明るい帯状のむらが生じず、輝度を均一化できて、均斉度を向上できる。又、導光板31において、入光端面31A側の端部で拡散して、出射していた光を、上記端部とは反対側の端部に導くことができるので、全体の輝度も向上できる。」

3.本願補正発明と引用発明との対比
(1)両発明の対応関係
・引用発明の「光入射面50a」は、本願補正発明の「入射面」に相当し、以下同様に「平面部52の裏面52b側に密着して配された反射板112」は「導光板の前記入射面と前記出射面以外の少なくとも1つ以上の面を覆うように設けられた反射部材」に、「導光板50の平面部52の表面52a側に密着して配された図柄表示板111」は「導光板の前記出射面の前面に設けられ、前記出射面の出射光が透過して、任意のパターンを表示する表示板」に、「面照明装置を用いた表示器」は「面発光表示装置」にそれぞれ相当するものである。
・引用発明の「レンズ型LEDランプ53をアレイ状に配置した光源51」は、記載事項(イ)の「透明樹脂60でLEDチップ57をモールドするとともに半球レンズ61を形成したレンズ型LEDランプ53」であり、その様なレンズ型LEDランプ53が光入射面50aに向かう指向性のある光を発することが技術常識であるので、本願補正発明の「指向性のある光を発する複数のLED光源」に相当するものである。
・引用発明の「表面52a」は、上記レンズ型LEDランプ53が光入射面50aに向かう方向と略平行に設けられたものであり、かつ、記載事項(オ)の「LEDランプ53より側面方向に発せられた光の多くは、・・・光入射面50aより導光板50内部へ入射され・・・臨界角θr以下の入射角の光は導光板50の表面52aから外部へ射出する」ものであるので、本願補正発明の「入射面の一側端から前記光の指向方向と略平行に設けられ、前記光が伝搬されて出射する出射面」に相当するものである。
・引用発明の「光取出体110」は、記載事項(ウ)の「V状の溝110Aを前記光入射面50aと平行な方向に直線状に並べられたもの」であり、記載事項(オ)の「裏面52bに設けられているV状の溝110Aである光取出体110に当たった光は・・・散乱透過および乱反射され・・・表面52aへの入射角度θ_(4)が臨界角θr以下の光は導光板50から外部へ射出される」ものであるので、本願補正発明の「光を散乱する粗面」に相当する。
そして、引用発明の「この光源51の光が入射する光入射面50aと、表面52aと、光取出体110と、を有する導光板50」と、本願補正発明の「このLED光源の前記光が入射する入射面と、この入射面の一側端から前記光の指向方向と略平行に設けられ、前記光が伝搬されて出射する出射面と、この出射面又は前記出射面と対向する面の少なくとも一方に前記光を散乱する粗面と、この粗面の側端から前記入射面の方向に延出し、前記光を反射する平滑面と、を有する導光板」とは、「このLED光源の前記光が入射する入射面と、この入射面の一側端から前記光の指向方向と略平行に設けられ、前記光が伝搬されて出射する出射面と、この出射面又は前記出射面と対向する面の少なくとも一方に前記光を散乱する粗面と、を有する導光板」である点で共通するものである。
・引用発明の「光源反射板116」と、本願補正発明の「LED光源からの光を特定の方向に導くとともに、背面側が導光板を保持するように延設するリフレクタ」とは、「LED光源からの光を特定の方向に導くリフレクタ」である点で共通する。
そして、引用発明の「光源反射板116が所定の位置に固定されているホルダー113」と、本願補正発明の「LED光源からの光を特定の方向に導くとともに、背面側が導光板を保持するように延設するリフレクタを有し、少なくとも表が開口する枠状のケース」とは、「LED光源からの光を特定の方向に導くリフレクタを内装するケース」である点で共通するものである。

(2)両発明の一致点
「指向性のある光を発する複数のLED光源と、
このLED光源の前記光が入射する入射面と、この入射面の一側端から前記光の指向方向と略平行に設けられ、前記光が伝搬されて出射する出射面と、この出射面又は前記出射面と対向する面の少なくとも一方に前記光を散乱する粗面と、を有する導光板と、
この導光板の前記入射面と前記出射面以外の少なくとも1つ以上の面を覆うように設けられた反射部材と、
前記導光板の前記出射面の前面に設けられ、前記出射面の出射光が透過して、任意のパターンを表示する表示板と、
LED光源からの光を特定の方向に導くリフレクタを内装するケースと、
を備えた面発光表示装置。」

(3)両発明の相違点
(ア)本願補正発明は、導光板が「粗面の側端から前記入射面の方向に延出し、前記光を反射する平滑面」を有するのに対して、引用発明はそうではない点。
(イ)本願補正発明は、ケースが「LED光源からの光を特定の方向に導くとともに、背面側が導光板を保持するように延設するリフレクタを有し、少なくとも表が開口する枠状のケース」を有するものであるのに対して、引用発明のホルダー113は、LED光源からの光を特定の方向に導くリフレクタを内装するものであるものの、リフレクタが「背面側が導光板を保持するように延設」されたものではなく、また、ケースが「リフレクタを有し、少なくとも表が開口する枠状」のものでもない点。

4.容易推考性の検討
(1)相違点(ア)に関して
まず、引用発明の導光板において、光取出体110(本願補正発明の「粗面」に相当するもの)は導光板から光を取り出すための部位であり、それ以外の部位は記載事項(オ)記載の様に光が「全反射を繰り返すことによって導光板50内部に閉じ込められ、反射損失なしに高効率でその内部を伝播する」ために基本的に平滑面として形成されているものといえる。
一方、刊行物2には、液晶用バックライト、広告等の看板用バックライト、照明器具等に使用される導光板装置に関して、記載事項(キ)に「導光板31の出光面31B及び/又は反射板36における、入光端面31A側の端部に、1?10mmの幅の正反射部(鏡面反射部)41が形成されている。」ことが、「入光端面31A側の端部で拡散して、出射していた光を、上記端部とは反対側の端部に導くことができるので、全体の輝度も向上できる。」という効果と共に記載されている。
そして、引用発明の表示器においても、輝度の向上は、望ましい要求事項といえるものであるので、引用発明の導光板の表面または裏面の入光端面側に、刊行物2記載の正反射部(鏡面反射部)を平滑面として配して、相違点(ア)に係る構成とすることは、当業者にとって容易想到の範囲というべきである。
なお、刊行物2の「正反射部(鏡面反射部)41」は第3比較例として示されたものであり、その光源32の種別は直接的に明記されておらず、光源の種別の直接的な記載は、発明の実施例に係る記載である記載事項(カ)に「光源2には、蛍光灯や冷陰極放電管(冷陰極管)等の線光源が使用されるが、ランプ、又は、LED等の点光源を並べて使用することもある」との記載が存在するにすぎず、図面において光源2と光源32が同形態で記載されていることから、図14に図示された光源32は実質的に、先に例示された蛍光灯や冷陰極放電管(冷陰極管)等の線光源というべきものであり、「指向性のある光を発する複数のLED光源」といえるものではない。
しかし、上記記載においても、「蛍光灯や冷陰極放電管(冷陰極管)等の線光源」と「ランプ、又は、LED等の点光源を並べ」たものが並記されているように、両者は一般的に互換性のある構成として認識されているものであり、該図示されている光源の種別の違いが、上記引用発明の導光板の表面または裏面の入光端面側に、刊行物2記載の正反射部(鏡面反射部)を配することを困難とするものとは認められない。

(2)相違点(イ)に関して
面発光表示装置のケース構造として、光源からの光を特定の方向に導くとともに、背面側が導光板を保持するように延設するリフレクタを有し、少なくとも表が開口する枠状のケースは、例えば、特開平9-330048号公報の段落【0002】,【0015】,第1図や、特開平11-305226号公報の段落【0124】,図32や、特開平10-172323号公報の第4図に記載されている様に周知慣用のものにすぎず、引用発明のリフレクタを内装するケースとして、該周知慣用のものを用いることは、当業者が適宜選択し得た設計上の選択事項と認められる。

(3)総合判断
そして、本願補正発明の作用効果は、引用発明、刊行物2に記載された事項及び周知慣用技術から、当業者であれば予測できた範囲のものである。
したがって、本願補正発明は、引用発明、刊行物2に記載された事項及び周知慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
平成21年7月14日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?3に係る発明は、平成20年11月14日付けで補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項によって特定されるものと認められるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】 LED光源と、
このLED光源の光が入射する入射面及び入射された光が伝搬されて出射する出射面を有する導光板と、
この導光板の前記入射面と前記出射面以外の少なくとも1つ以上の面を覆うように設けられた反射部材と、
前記導光板の前記出射面の前面に設けられ、前記出射面の出射光が透過して、任意のパターンを表示する表示板と、
LED光源からの光を特定の方向に導くとともに、背面側が導光板を保持するように延設するリフレクタを有し、少なくとも表が開口する枠状のケースと、
を備えたことを特徴とする面発光表示装置。」

2.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1?2とその記載事項は、前記の「第2 2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明の発明特定事項を全て含む本願補正発明が、前記「第2 3.」以下に記載したとおり、引用発明、刊行物2に記載された事項及び周知慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願補正発明と同じ本願発明も本願補正発明と同様の理由により、引用発明、刊行物2に記載された事項及び周知慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。

4.むすび
したがって、本願発明については、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、このような特許を受けることができない発明を包含する本願は、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-03-31 
結審通知日 2010-04-06 
審決日 2010-04-20 
出願番号 特願2000-119437(P2000-119437)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F21V)
P 1 8・ 575- Z (F21V)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土屋 正志  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 横溝 顕範
中川 真一
発明の名称 面発光表示装置  
代理人 大村 昇  
代理人 小林 久夫  
代理人 大村 昇  
代理人 木村 三朗  
代理人 小林 久夫  
代理人 木村 三朗  
代理人 佐々木 宗治  
代理人 佐々木 宗治  

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