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審決分類 |
審判 査定不服 (訂正、訂正請求) 取り消して特許、登録 C07D |
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管理番号 | 1218064 |
審判番号 | 不服2010-4858 |
総通号数 | 127 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-07-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-03-05 |
確定日 | 2010-06-29 |
事件の表示 | 特願2007-700001「2-(2-ピリジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール化合物の製造法」拒絶査定不服審判事件〔請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願については、特許権の存続期間の延長登録をすべきものとする。 特許番号 特許第1959606号 延長の期間05年00月00日 特許法第67条第2項の政令で定める処分の内容 願書に記載のとおり |
理由 |
本件延長登録出願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 なお、本件処分の対象となった物について特定された用途は、「経口投与不可能な下記の疾患 出血を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性ストレス形容及び急性胃粘膜病変」というものであり、先の処分(経口医薬品;平成4年10月)の対象となった物について特定された用途とは、一見すると、「胃潰瘍、十二指腸潰瘍」という点で共通するようにもみえる。 しかし、病態をみると、本件処分の用途である、「経口投与不可能な」「出血を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍」とは、出血症状を伴うものであって、「胃潰瘍、十二指腸潰瘍」の合併症に該当するものであり、慢性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍とは区別されるものである。 また、両者の治療態様の面でも異なるものである。すなわち、出血性胃潰瘍、十二指腸潰瘍に罹患した患者は通常重篤な症状を呈していることが多く、即効性のある治療が求められるところであるが、出血性ゆえに治療薬を投与する前の数日間は絶食・絶飲が求められ、薬剤のみならず水分補給を経口的に摂取することも困難であり、患者に先の処分に係る経口医薬品を投与することはできなかった。しかし、本件処分に係る注射剤により、非経口的に投与する(経静脈投与する)ことが可能となり、先の処分に係る経口医薬品によっては処置することができなかった「経口投与不可能な」「出血を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍」に罹患した患者に対しても適切な処置を施すことが可能となったのである。このように、本件処分の用途である「経口投与不可能な」「出血を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍」は、先の処分の用途である慢性の「胃潰瘍、十二指腸潰瘍」とは治療態様の面でも区別されるものである。 なお、本件処分についての添付文書における「【用法・用量】」の「<用法・用量に関連する使用上の注意>」に、「(1)本剤は投与開始から3日間までの成績で高い止血効果が認められるので、内服可能となった後は経口投与に切りかえ、漫然と投与しないこと。」と記載されていることも、両処分の用途は重複するものでなく明確に区別されることを示すものである。 よって、本件処分の用途と先の処分の用途は重複するものではなく、本件処分を受けることは本件特許発明の実施に必要であったものと認められる。 |
審決日 | 2010-06-16 |
出願番号 | 特願2007-700001(P2007-700001) |
審決分類 |
P
1
8・
71-
WY
(C07D)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小堀 麻子 |
特許庁審判長 |
内田 淳子 |
特許庁審判官 |
伊藤 幸司 星野 紹英 |
発明の名称 | 2-(2-ピリジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール化合物の製造法 |
代理人 | 片山 英二 |
代理人 | 小林 純子 |
代理人 | 小林 浩 |