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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2009800129 審決 特許

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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  H01L
管理番号 1218530
審判番号 無効2009-800126  
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-08-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-06-18 
確定日 2010-05-06 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3384292号発明「真空処理装置の運転方法及び真空処理装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第3384292号の請求項1,2に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1.手続きの経緯
本件無効審判事件に関する手続の経緯は、以下のとおりである。
平成 9年 8月20日 本件特許出願(特願平9-223339号)
平成14年 6月26日 拒絶査定
平成14年 8月 1日 拒絶査定不服審判請求(不服2002-14590号)
平成14年 8月30日 明細書に対する手続補正書の提出
平成14年12月27日 特許設定登録(第3384292号)
平成21年 6月18日 特許無効審判請求(無効2009-800126号)
平成21年 9月 7日 答弁書・訂正請求書の提出
平成21年 9月14日 訂正請求書の送付(弁駁指令)
平成21年10月15日 弁駁書の提出
平成21年12月18日 口頭審理
平成22年 1月22日 上申書の提出(被請求人)
平成22年 2月 5日 上申書の提出(請求人)

第2.訂正請求について

(1)訂正後の請求の範囲
本件訂正請求により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】 メンテルーム側に配置され、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、
該複数のプロセス処理装置に取り付けられ、ウェハの搬送を行う搬送処理装置と、
前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された主制御部及び前記複数のプロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤からなり前記各装置を制御する制御装置を備え、
少なくとも2つ以上のプロセス処理装置が搬送処理装置に取り付けられ、該搬送処理装置に取り付けられた2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置の運転方法において、
前記各プロセス処理装置が運転有効又は運転無効であるかの状態判断を行い、
該判断で運転無効のプロセス処理装置を切り離し、
前記搬送処理装置を用いてウェハを運転有効なプロセス処理装置に搬送し、
該運転有効なプロセス処理装置のみを使ってウェハ処理を行い、
その連続処置運転中に前記切り離された運転無効であるプロセス処理装置に関してメインテナンス作業を行うとともに、該メインテナンス作業に際して、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転有効なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲することを特徴とする真空処理装置の運転方法。
【請求項2】 メンテルーム側に配置され、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、
該複数のプロセス処理装置に取り付けられ、ウェハの搬送を行う搬送処理装置と、
前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された主制御部及び前記複数のプロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤からなり前記各装置を制御する制御装置を備え、
少なくとも2つ以上のプロセス処理装置が搬送処理装置に取り付けられ、該搬送処理装置に取り付けられた2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置において、
前記真空処理装置内でのウェハの処理順序を記憶する処理順序情報記憶手段と、各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を発生する運転情報信号発生手段と、
各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を記憶する運転情報信号記憶手段と、
処理順序情報と各運転情報信号とを整合処理し、運転無効であるプロセス処理装置を切り離し、運転有効なプロセス処理装置のみを使って運転続行する装置制御手段とを具備し、
前記運転有効であるプロセス処理装置を処理経路に組み込んで運転している連続処理運転中に、運転無効であるプロセス処理装置のメインテナンス作業を行う際に、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転有効なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲することにより装置の機側で作業が行えるように構成したことを特徴とする真空処理装置。」
と訂正された。

(2)訂正前の請求の範囲
本件訂正前の特許請求の範囲は、本件特許の設定登録時における願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」という。)に記載された以下のとおりのものであった。

「【請求項1】 メンテルーム側に配置され、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、
該プロセス処理装置に取り付けられ、ウェハの搬送を行う搬送処理装置と、
前記プロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された主制御部及び前記プロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤からなり前記各装置を制御する制御装置を備え、
少なくとも2つ以上のプロセス処理装置が搬送処理装置に取り付けられ、該搬送処理装置に取り付けられた2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置の運転方法において、
前記各プロセス処理装置が運転有効又は運転無効であるかの状態判断を行い、
該判断で運転無効のプロセス処理装置を切り放し、
前記搬送処理装置を用いてウェハを運転有効なプロセス処理装置に搬送し、
該運転有効なプロセス処理装置のみを使ってウェハ処理を行い、
その連続処置運転中に前記切り離された運転無効であるプロセス処理装置に関してメインテナンス作業を行うとともに、該メインテナンス作業に際して該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲することを特徴とする真空処理装置の運転方法。
【請求項2】 メンテルーム側に配置され、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、
該プロセス処理装置に取り付けられ、ウェハの搬送を行う搬送処理装置と、
前記プロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された主制御部及び前記プロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤からなり前記各装置を制御する制御装置を備え、
少なくとも2つ以上のプロセス処理装置が搬送処理装置に取り付けられ、該搬送処理装置に取り付けられた2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置において、
前記真空処理装置内でのウェハの処理順序を記憶する処理順序情報記憶手段と、
各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を発生する運転情報信号発生手段と、
各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を記憶する運転情報信号記憶手段と、
処理順序情報と各運転情報信号とを整合処理し、運転無効であるプロセス処理装置を切り離し、運転有効なプロセス処理装置のみを使って運転続行する装置制御手段とを具備し、
前記運転有効であるプロセス処理装置を処理経路に組み込んで運転している連続処理運転中に、運転無効であるプロセス処理装置のメインテナンス作業を行う際に、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲することにより装置の機側で作業が行えるように構成したことを特徴とする真空処理装置。」

(3)訂正請求の内容
上記訂正請求の内容を分節すると、以下の通りである。

○訂正事項1:特許請求の範囲の請求項1において、「該プロセス処理装置に取り付けられ」を「該複数のプロセス処理装置に取り付けられ」に訂正する。

○訂正事項2:特許請求の範囲の請求項1において、「前記プロセス処理装置を遠隔制御」を「前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御」に訂正する。

○訂正事項3:特許請求の範囲の請求項1において、「前記プロセス処理装置近傍」を「前記複数のプロセス処理装置近傍」に訂正する。

○訂正事項4:特許請求の範囲の請求項1において、「切り放し」を「切り離し」に訂正する。

○訂正事項5:特許請求の範囲の請求項1において、「該メインテナンス作業に際して該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲する」を「該メインテナンス作業に際して、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転有効なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲する」に訂正する。

○訂正事項6:特許請求の範囲の請求項2において、「該プロセス処理装置に取り付けられ」を「該複数のプロセス処理装置に取り付けられ」に訂正する。

○訂正事項7:特許請求の範囲の請求項2において、「前記プロセス処理装置を遠隔制御」を「前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御」に訂正する。

○訂正事項8:特許請求の範囲の請求項2において、「前記プロセス処理装置近傍」を「前記複数のプロセス処理装置近傍」に訂正する。

○訂正事項9:特許請求の範囲の請求項2において、「運転無効であるプロセス処理装置のメインテナンス作業を行う際に、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲する」を「運転無効であるプロセス処理装置のメインテナンス作業を行う際に、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転有効なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲する」に訂正する。

(4)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

○上記訂正事項1についてみると、この訂正は、請求項1に記載されている「メンテルーム側に配置され、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置」の内容に合致させるものであるので、明瞭でない記載の釈明に該当する。
そして、この訂正は、本件明細書に記載の範囲内のものであり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

○上記訂正事項2,3は、上記訂正事項1と同様であり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、この訂正は、本件明細書に記載の範囲内のものであり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

○上記訂正事項4は、誤記の訂正に該当し、この訂正は、本件明細書に記載の範囲内のものであり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

○上記訂正事項5は、請求項1に記載の「主制御部の操作権を補助制御盤に移譲」における「操作権の移譲」の具体的内容を特定するものであるので、特許請求の範囲の減縮に該当する。
そして、この訂正は、本件明細書の段落【0073】に「補助操作盤でプロセス処理装置2ー2の装置操作を実施する前に主操作部11から補助操作盤22にプロセス処理装置2ー2の操作権を渡す(110)とその操作権を補助操作盤22から受領するまで主操作部11からはプロセス処理装置2ー2への操作のみできなくなる(116)。」と記載されていたものであり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

○上記訂正事項6?8は、上記訂正事項1と同様であり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、この訂正は、本件明細書に記載の範囲内のものであり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

○上記訂正事項9は、上記訂正事項5と同様であり、特許請求の範囲の減縮に該当し、この訂正は、本件明細書に記載の範囲内のものであり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(5)むすび
以上の通りであるので、上記訂正は、特許法第134条の2ただし書き第1項各号の規定に適合し、また、同条第5項で準用する特許法第126条第3項、及び第4項の規定に適合するから、当該訂正を認める。

第3.請求人の主張した無効理由の概要
請求人は、証拠方法として甲第1?3号証を提出し、本件の請求項1,2に係る特許は甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることのできないものであるから、無効とすべきであると主張する。

請求人の示した甲各号証は、以下のとおりである。
甲第1号証 特開平9-50948号公報
甲第2号証 特開平3-274746号公報
甲第3号証 特開平7-320997号公報

第4.被請求人の主張
被請求人は、「訂正後の本件特許の請求項1,2に係る本件特許発明1、2は、甲第1号証と甲第3号証に記載のものから容易に想到できたものでなく、また、甲第2号証と甲第3号証に記載のものから容易に想到できたものでもない。したがって、本件特許の請求項1,2に係る本件特許発明1,2は、特許法第123条第1項第2号に該当しない。」と主張している。

第5.無効理由についての判断
(1)本件発明について
上記第2.訂正請求についてで述べたとおり、本件訂正請求は認められるから、本件発明は、上記第2.訂正請求についての、(1)訂正後の請求の範囲に記載のとおりのものであるところ、平成21年12月18日付け口頭審理の調書のとおり、請求項1に記載の「その連続処置運転中に」は、「その連続処理運転中に」の誤記であるから、本件発明は以下のとおりのものと認める。
「【請求項1】 メンテルーム側に配置され、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、
該複数のプロセス処理装置に取り付けられ、ウェハの搬送を行う搬送処理装置と、
前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された主制御部及び前記複数のプロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤からなり前記各装置を制御する制御装置を備え、
少なくとも2つ以上のプロセス処理装置が搬送処理装置に取り付けられ、該搬送処理装置に取り付けられた2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置の運転方法において、
前記各プロセス処理装置が運転有効又は運転無効であるかの状態判断を行い、
該判断で運転無効のプロセス処理装置を切り離し、
前記搬送処理装置を用いてウェハを運転有効なプロセス処理装置に搬送し、
該運転有効なプロセス処理装置のみを使ってウェハ処理を行い、
その連続処理運転中に前記切り離された運転無効であるプロセス処理装置に関してメインテナンス作業を行うとともに、該メインテナンス作業に際して、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転有効なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲することを特徴とする真空処理装置の運転方法。
【請求項2】 メンテルーム側に配置され、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、
該複数のプロセス処理装置に取り付けられ、ウェハの搬送を行う搬送処理装置と、
前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された主制御部及び前記複数のプロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤からなり前記各装置を制御する制御装置を備え、
少なくとも2つ以上のプロセス処理装置が搬送処理装置に取り付けられ、該搬送処理装置に取り付けられた2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置において、
前記真空処理装置内でのウェハの処理順序を記憶する処理順序情報記憶手段と、各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を発生する運転情報信号発生手段と、
各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を記憶する運転情報信号記憶手段と、
処理順序情報と各運転情報信号とを整合処理し、運転無効であるプロセス処理装置を切り離し、運転有効なプロセス処理装置のみを使って運転続行する装置制御手段とを具備し、
前記運転有効であるプロセス処理装置を処理経路に組み込んで運転している連続処理運転中に、運転無効であるプロセス処理装置のメインテナンス作業を行う際に、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転有効なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲することにより装置の機側で作業が行えるように構成したことを特徴とする真空処理装置。」
以下、請求項1に係る発明を「本件発明1」、請求項2に係る発明を「本件発明2」、という。

(2)各甲号証について
(2-1)甲第1号証
甲第1号証には、「半導体製造装置の障害対処システム」に関して、図面とともに、以下のとおり記載されている。

ア.「【請求項1】処理対象の基板を複数枚収容する搬入モジュールと、前記基板に所定の処理を施すプロセスモジュールと、処理がなされた基板を収容する搬出モジュールとを、基板を各モジュール間で搬送するトランスポートモジュールを介して連接した半導体製造装置において、
前記プロセスモジュールを複数設けるとともに、トランスポートモジュールで搬入モジュールからの基板を各プロセスモジュールに分散させて搬送し、各複数のプロセス系で基板を分散処理させ、
各モジュールを統括して制御する統合制御コントローラが、いずれかのプロセス系で発生した障害を検知し、各モジュールを制御して当該障害の発生した系を除く残余のプロセス系で基板処理を続行させることを特徴とする半導体製造装置の障害対処システム。」(【特許請求の範囲】)

イ.「【産業上の利用分野】本発明は、複数のプロセスモジュールによって複数のプロセス系を構成し、処理対象の基板を各プロセス系で分散処理する半導体製造装置に関し、特に、いずれかのプロセス系に障害が発生した場合に統合制御コントローラにより残余のプロセス系で基板処理を続行させる障害対処システムに関する。
【従来の技術】シリコンウエハ等といった処理対象の基板に、エッチング、アッシング、成膜等といったプロセス処理を施す半導体製造装置には、基板を搬入や搬出のために収容するモジュール、基板を搬送するモジュール、基板に所定の処理を施すモジュールをゲートバルブを介して連接し、上記の処理並びに基板の搬送を自動的に連続して行うものが知られている。」(【発明の詳細な説明】の段落【0001】?【0002】)

ウ.「プロセスモジュールPM1?PM4、カセットモジュールCM1及びCM2、トランスポートモジュールTMによる動作は、それぞれのモジュールに付設されたコントローラPC1?PC4、CC1、CC2、TCによって直接的に制御される。そして、図2に示すように、これらコントローラPC1?PC4、CC1、CC2、TCは、LAN等のネットワークNを介して統合制御コントローラGCに接続されており、各コントローラPC1?PC4、CC1、CC2、TCによる各モジュールPM1?PM4、CM1、CM2、TMの制御を統合制御コントローラGCが統括して制御する。
統合制御コントローラGCには図3に示すような内容のウエハ搬送テーブルTが設けられており、統合制御コントローラGCがテーブルTの内容に従って制御を行うことにより、ウエハが2つのプロセス系PM1及びPM2とPM4及びPM3へ分散して搬送され、それぞれの系でプロセス処理が実施される。図3に示す例では、カセットモジュールCM1に収容されているウエハを奇数枚目と偶数枚目とに分けて、奇数枚目のウエハは各モジュールCM1、PM1、PM2、CM2から成る経路で、偶数枚目のウエハは各モジュールCM1、PM4、PM3、CM2から成る経路で分散して処理する。」(【発明の詳細な説明】の段落【0006】?【0007】)

エ.「【発明が解決しようとする課題】ここで、半導体製造においては、例えば、外因によってプロセスモジュールでのプロセス条件が変動する、各モジュールのコントローラで処理エラーが発生する等といった、種々な障害が発生する場合がある。このような障害に発生に対して、上記した従来の半導体製造装置にあっては、障害箇所が一部のプロセス系であっても、統合制御コントローラが全ての処理動作を中断させていた。したがって、未処理のウエハが僅かであるような場合でも、これらウエハの処理が続行されないため、結果として、ウエハ処理が大幅に遅延してしまう事態が生じていた。
本発明は上記従来の事情に鑑みなされたもので、一部のプロセス系で障害が生じた場合には、残余の正常なプロセス系で基板(ウエハ)処理を続行し、総じて生産効率を向上させる半導体製造装置の障害対処システムを提供することを目的とする。」(【発明の詳細な説明】の段落【0009】?【0010】)

オ.「【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係る半導体製造装置の障害対処システムは、処理対象の基板を複数枚収容する搬入モジュールと、前記基板に所定の処理を施すプロセスモジュールと、処理がなされた基板を収容する搬出モジュールとを、基板を各モジュール間で搬送するトランスポートモジュールを介して連接した半導体製造装置において、前記プロセスモジュールを複数設けるとともに、トランスポートモジュールで搬入モジュールからの基板を各プロセスモジュールに分散させて搬送し、各複数のプロセス系で基板を分散処理させ、各モジュールを統括して制御する統合制御コントローラが、いずれかのプロセス系で発生した障害を検知し、各モジュールを制御して当該障害の発生した系を除く残余のプロセス系で基板処理を続行させることを特徴とする。
【作用】本発明では、基板を複数のプロセス系で分散して処理している状態において、いずれかのプロセス系で障害が発生すると、統合制御コントローラがこの障害の発生を検知する。そして、統合制御コントローラが障害が発生したプロセス系で処理する予定の基板を残余の正常なプロセス系へ振り替え、これら基板の処理を続行させる。したがって、障害が発生したプロセス系の分、処理が遅延するものの、基板処理を続行することで、全ての処理を中断する場合に比べて総じて生産効率を高めることができる。」(【発明の詳細な説明】の段落【0011】?【0012】)

カ.「本実施例の統合制御コントローラGCは、各プロセスモジュールコントローラPC1?PC4からのエラー信号を受けて、各プロセスモジュールコントローラPC1?PC4及び各プロセスモジュールPC1?PC4での障害発生を検知する手段を有しており、システム稼働中はこの障害発生検知を常時行っている。また、本実施例の統合制御コントローラGCは、ウエハ搬送テーブルTの内容を書き換える手段を有しており、障害発生を検知したときには、この書換手段によってテーブルTの内容を書き換え、障害が発生したプロセス系で処理する予定のウエハを残余の正常なプロセス系へ振り替えて処理を続行する縮退運用を実施する。なお、本実施例では、統合制御コントローラGCの操作パネルを操作して、作業者が縮退運用を実施するか否かを選択指示することができ、当該指示がなされている場合にのみ、統合制御コントローラGCが縮退運用を実施する。
次に、各プロセス系を成すプロセスモジュールコントローラPC1?PC4及びプロセスモジュールPC1?PC4で障害が発生した場合における、本実施例のシステムの動作を図5?図7を参照して説明する。まず、システムが起動されると統合制御コントローラGCが各プロセスモジュールコントローラPC1?PC4からのエラー信号の監視を開始し(ステップSS1)、プロセスモジュールコントローラPC1?PC4或いはプロセスモジュールPC1?PC4のいずれかで障害が発生して、統合制御コントローラGCが当該障害に係るプロセスモジュールコントローラPC1?PC4からのエラー信号を受信すると、縮退運用を実施する指示がなされていか否かを判断する(ステップS2)。
この結果、縮退運用の実施が指示されていない場合には、従来と同様に全てのプロセス系の処理を中断させる(ステップS3)。なお、本実施例では、統合制御コントローラGCの操作パネルを操作して、縮退運用をすることなく、正常なプロセス系のみをそのまま稼動させるように選択指示することもでき、この指示がなされている場合には、正常なプロセス系は図3に示した内容のままのテーブエルTに従って自己が処理すべきウエハのみの処理を続行する(ステップS3)。一方、上記の判断の結果、縮退運用実施の指示がなされている場合には、エラー信号及び図3のテーブル内容に基づいて、障害が発生したプロセス系が奇数枚目のウエハを処理する系であるかを統合制御コントローラGCが判断する(ステップS4)。
この結果、奇数枚目のウエハを処理する系(すなわち、PM1及びPM2の系)で障害が発生している場合にはウエハ搬送テーブルTの奇数枚目のウエハに関するスケジュールを書き換える一方(ステップS5)、偶数枚目のウエハを処理する系(すなわち、PM4及びPM3の系)で障害が発生している場合にはウエハ搬送テーブルTの偶数枚目のウエハに関するスケジュールを書き換える(ステップS6)。」(【発明の詳細な説明】の段落【0014】?【0017】)

キ.「また、本発明においては、半導体製造装置のプロセス系は2つ以上あればよく、また、各プロセス系は1つ以上のプロセスモジュールで構成されていればよい。また、本発明はクラスタ型以外の半導体製造装置にも適用することが可能であり、要は、2つ以上のプロセス系で処理対象の基板を分散処理する半導体製造装置であれば本発明を適用することができる。
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る障害対処システムによれば、基板を複数のプロセス系で分散して処理する半導体製造装置において、いずれかのプロセス系で障害が発生した場合に、統合制御コントローラが障害が発生したプロセス系で処理する予定の基板を残余の正常なプロセス系へ振り替えて処理を続行させるようにしたため、最小限の遅延によって、処理予定の基板の所定の処理を施すことができ、従来に比して半導体製造の効率を高めることができる。」(【発明の詳細な説明】の段落【0022】?【0023】)

以上の記載によれば、甲第1号証には、以下の発明が記載されているものと認める。
「プロセス処理を行う複数のプロセスモジュールと、
該複数のプロセスモジュールに取り付けられ、基板の搬送を行うトランスポートモジュールと、
前記複数のプロセスモジュールを制御する統合制御コントローラを備え、、
前記複数のプロセスモジュールがトランスポートモジュールに取り付けられ、該トランスポートモジュールに取り付けられた前記複数のプロセスモジュールを使って基板処理する処理装置の運転方法において、
いずれかのプロセス系で発生した障害を検知し、各モジュールを制御して当該障害の発生した系を除く残余のプロセス系で基板処理を続行させる、処理装置の運転方法。」
以下、甲第1号証記載の発明を「甲1発明」という。

(2-2)甲第2号証
甲第2号証には、「マルチチヤンバ装置」に関して、図面とともに、以下のとおり記載されている。

ク.「(1)複数のチャンバあるいは複数の処理部を異なる高さに配置した構造部分を少なくとも有することを特徴とするマルチチャンバ装置
(2)一連の処理を行う複数のチャンバの組を複数組有する
ことを特徴とするマルチチャンバ装置
(3)一連の処理を各別のチャンバで行うマルチチャンバ装置であって、
時間のかかる処理を行うチャンバを複数個設けてなる
ことを特徴とするマルチチャンバ装置
(4)複数のチャンバを複数のグループに分割し、
グループ間には搬送チャンバを介在させた
ことを特徴とするマルチチャンバ装置
(5)ウエハホルダにてウエハを保持する搬送アームが回転してウエハを反転することのできるウエハ搬送機構を有する
ことを特徴とするマルチチャンバ装置」(特許請求の範囲)

ケ.「(A.産業上の利用分野)
本発明はマルチチャンバ装置、即ち、ウエハに対して複数種の処理を大気に曝すことなくウエハを各別のチャンバ間で移動させて行うことができるマルチチャンバ装置に関する。」(公報第2頁左上欄第3?7行)
コ.「(c.第3の実施例)[第6図]
第6図は本発明マルチチャンバ装置の第3の実施例を示す平面断面図である。本図においてはゲートバルブ等を本マルチチャンバ装置の特徴と関係しない部分を省略し、特徴的部分だけを模式的に示した。
本マルチチャンバ装置は、三つの処理A、B、Cからなる一連の工程を順次行うプロセスチャンバ8A、8B、8Cの組み合せを2組有し、この2組6個のチャンバ8A、8B、8C、8A、8B、8Cが1つの搬送チャンバ5及び1つのロードアンドロード室17を共有していることを特徴としている。破線は半導体ウエハ3の流れを示している。
8A、8Aは共にTiスパッタを行うプロセスチャンバ、8B、8BはTiNスパッタを行うプロセスチャンバ、8C、8CはAlSiスパッタを行うプロセスチャンバである。そして、三つの処理A、B、Cからなる工程は破線で示した2つの経路で同時に行うことができる。即ち、本マルチチャンバ装置は3つのプロセスチャンバ8からなるマルチチャンバ装置の2台分の働きを行う。それでいて搬送チャンバ5、その内部のウエハ搬送機構及びロードアンドロード室17は1つずつで済む。
従って、マルチチャンバ装置の為し得る仕事の量に比して占有面積を狭くすることができ、また、所要エネルギーの低減も図ることができるのである。
また、1つのプロセスチャンバ、例えば第6図における左側の方のプロセスチャンバ8Aに例えばターゲット交換等のメンテナンスを施す場合には、残りのプロセスチャンバ8Aを過渡的に上記2つの経路AlSiスパッタ処理に共用して成膜することができる。従って、トラブルに対して対応の自由度が高まり、トラブルが起きてもマルチチャンバ装置のスループットを著しく下げなくて済む。
尚、複数の処理からなる一連の工程を順次行うプロセスチャンバの組み合せを複数組有するようにするという技術的思想は、スパッタリングを行うマルチチャンバ装置に限らずCVD、ドライエッチング等の他の一連の処理を行うマルチチャンバ装置にも適用することができることはいうまでもない。」(公報第6頁右下欄第1行?第7頁右上欄第6行)

以上の記載によれば、甲第2号証には、以下の事項が記載されているものと認める。
「複数の処理からなる一連の工程を順次行うプロセスチャンバの組み合せを複数組有し、スパッタリング、CVD、ドライエッチング等の他の一連の処理を行うマルチチャンバ装置であって、1つのプロセスチャンバ、例えば左側のプロセスチャンバにメンテナンスを施す場合には、残りのプロセスチャンバを過渡的に残りの経路の処理に共用することができるマルチチャンバ装置。」

(2-3)甲第3号証
甲第3号証には、「処理装置」に関して、図面とともに、以下のとおり記載されている。

サ.「クリーンルームとメンテナンスルームとの間に設けられ、クリーンルーム側から被処理体を搬入出すると共にメンテナンスルーム側からメンテナンスが行われる処理装置において、
前記処理装置を操作するために前記クリーンルーム側に設けられた操作パネルと、
前記メンテナンスルーム側に設けられ、前記操作パネルの操作の少なくとも一部を行うことができる操作パネルと、を備え、
各操作パネルは、自己の操作パネルと他の操作パネルとの間で切り替えるための切り替えスイッチ部を有していることを特徴とする処理装置。」(【特許請求の範囲】【請求項1】)

シ.「【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体ウエハの製造工程で使用される処理装置に関する。
【従来の技術】半導体ウエハに対して酸化、拡散、CVDなどの熱処理をバッチ式で行う熱処理装置として縦型熱処理装置がある。この縦型熱処理装置は、外部との間でウエハカセットを搬入出する入出力ポート、ウエハカセットとウエハボートとの間でウエハの受け渡しをするウエハ移載機構、ヒータに囲まれ、ウエハボートが搬入されて熱処理を行う反応管などを備えており、これら各部が筐体内に収納されて構成されている。
そして半導体製造工場では、半導体ウエハ(以下単にウエハという)へのパーティクルの付着を防止するためにフィルタやエア循環手段などの特別の構造を備えたクリーンルームが設けられており、この中でウエハを管理する一方、熱処理装置などの各種の処理装置の排気系や電気系をメンテナンスルームに配置してここで装置のメンテナンスを行うようにしている。例えば縦型熱処理装置はクリーンルームとメンテナンスルームとの間に設置され、クリーンルーム側からウエハカセットを搬入出し、種々の操作ができるように、筐体のクリーンルーム側の面に入出力ポート及び操作パネルが設けられると共に、真空ポンプ、ガス供給ユニット、制御ユニットなどはメンテナンスルームに配置され、メンテナンスルーム側からメンテナンスができる構造になっている。熱処理を行う場合にはオペレータが操作パネルにより熱処理温度、昇降温速度、供給ガスの種類、ガスの流量、処理時間などを設定し、その設定されたモードにより装置が運転される。」(【発明の詳細な説明】の段落【0001】?【0003】)

ス.「【発明が解決しようとする課題】ところで上述の熱処理装置をメンテナンスする場合、例えば反応管を洗浄した後再び取り付け、熱電対の指示値を洗浄前の指示値と比較したり、あるいはウエハボートの昇降機構をチェックする場合などにおいては、クリーンルーム側に操作パネルが設けられているため、作業者がクリーンルームとメンテナンスルームとを往来しながら作業を行わなければならず、作業が煩わしいという問題があった。また2人以上の作業者によりトランシーバやインターホンで連絡を取り合いながら作業を行う場合もあったが、本来のメンテナンス作業を行う作業者の他に操作のための補助者を必要とするので作業効率が悪いという問題があった。
本発明は、このような事情のもとになされたものであり、その目的はメンテナンス作業の負担を軽減することのできる処理装置を提供することにある。」(【発明の詳細な説明】の段落【0004】?【0005】)

セ.「【作用】処理装置を運転する場合、切り替えスイッチ部により、クリ-ンル-ム側の操作パネルに切り替えておき、オペレ-タが当該操作パネルによりプロセス条件などを設定し、被処理体を処理装置に搬入して所定の処理を行う。そして処理装置に対してメンテナンスを行う場合、切り替えスイッチ部によりメンテナンス側の操作パネルに切り替えておき、作業者が当該操作パネルにより処理装置を操作しながら、メンテナンスを行う。操作パネルにより操作する場合、請求項2の発明のように切り替え禁止スイッチ部により操作パネルの切り替えを禁止しておけば、その操作パネル以外の操作パネルにより操作が行われることはないので、安全な操作を行うことができる。」(【発明の詳細な説明】の段落【0008】)

ソ.「【実施例】本発明を縦型熱処理装置に適用した実施例について説明すると、この実施例に係る縦型熱処理装置は、図1に示すようにプロセスボックス1とユーティリティボックス2とを備えている。図1中10はクリーンルームCRとメンテナンスルームMRとを仕切る仕切り板であり、プロセスボックス1の前面部はクリーンルームCR内に位置している。プロセスボックス1の前面部には、装置の各機構を操作し、またプロセス条件を設定するための操作パネル3Aと、ガス供給系や排気系の状態(バルブのオン、オフなど)を表示するためのガス配管系表示部30Aと、ウエハWを例えば25枚収納したウエハカセットCの入出力ポートをなすカセットステージ11とを備えている。」(【発明の詳細な説明】の段落【0009】)

タ.「一方前記ユーティリティボックス2は、前記熱処理炉19内に処理ガスやパージ用の不活性ガスを供給するためのバルブ、流量計などを含むガス供給ユニット21、装置全体の制御を行うプロセスコントローラ4及び熱処理炉19内を真空排気するための真空ポンプ(図示せず)などを備えている。なおプロセスボックス1とユーティリティボックス2との間に設けられるガス供給管や排気管などは、まとめて概略的に鎖線で示してある。前記ユーティリティボックス2の前面部には、プロセスボックス1に設けられた操作パネル3A及びガス配管系表示部30Aと同様の操作パネル3B及びガス配管系表示部30Bが設けられている。」(【発明の詳細な説明】の段落【0011】)

チ.「前記操作パネル3A、3Bは、両方から同じ操作をできるようにするためのものであるが、一方側から操作するときは他方側から操作できないように構成されており、一方側と他方側との間で操作パネルを切り替えるための切り替えユニット5がユーティリティボックス2内に設けられている。操作パネルに関して図3を参照しながら詳述すると、操作パネル3A(3B)は、熱処理温度、昇温速度、降温速度、プロセス時間などのプロセス条件を選択したり、プロセスの編集、実行などを行うためのプロセス設定部31、このプロセス設定部31で選択されたプロセス条件などについて具体的数値を入力するための数値入力部32、設定すべきプロセス条件の表示(プロセス時間の設定値など)やプロセスコントローラ4からリアルタイムで送られてくる情報例えば熱処理炉19内の温度を表示するプロセス表示部33、及び各機構を手動運転操作するための運転操作部34などを備えている。
前記切り替えユニット5は、プロセスコントローラ4からの情報を切り替えユニット5内をそのまま通して前記操作パネル3A、3Bに表示させる一方、操作パネル3A、3Bのうち、切り替えユニット5内のスイッチ回路部51にて切り替えられた側の(選択された)操作パネルからの操作入力信号のみをプロセスコントローラ4に送るように構成されている。
また前記操作パネル3A、3Bには、切り替えスイッチ部61、切り替え禁止スイッチ部62、使用可能ランプ63及び切り替え禁止ランプ64が設けられている。切り替えスイッチ部61は、押す度毎に切り替えユニット5内のスイッチ回路部51に切り替え信号を出力して自己の操作パネル3A(3B)または他方の操作パネル3B(3A)側に切り換えると共に、自己の操作パネル側に切り換えられたときに使用可能ランプ63を点灯するように構成されている。切り替え禁止スイッチ部62は、押すことにより切り替え操作の優先使用権を獲得するように、つまり先に押した側の操作パネル3A(3B)の前記切り替えスイッチ部61による切り替え操作を有効にし、他方の操作パネル3B(3A)の切り替えスイッチ部61による切り替え操作を禁止すると共に、もう一度押すと優先使用権の獲得が解除されるように構成されている。前記切り替え禁止ランプ64は、操作パネル3A、3Bのどちらかに切り替え操作の優先使用権があるときに点灯する。また前記操作パネル3A、3Bと切り替えユニット5との間を結ぶ配線は例えば光ケーブルよりなり、操作パネル3A、3Bは夫々プロセスボックス1及びユーティリティボックス2から取り外して自由に持ち運びできるように構成されている。」(【発明の詳細な説明】の段落【0012】?【0014】)

ツ.「一方熱処理装置をメンテナンスする場合例えば熱処理炉19内の反応管を洗浄して再び装置内に装着し、熱電対の温度表示などのチェックを行う場合には、作業者がメンテナンスルームMR内にて作業を行うが、テストを行うためのプロセス条件の設定や温度などの数値表示の監視についてはユーティリティボックス2の操作パネル3Bを用いて行われる。即ち作業者は、例えばプロセスボックス1の操作パネル3A側に切り替えの優先使用権がある場合には先ず操作パネル3Aの切り替え禁止スイッチ部62によりその優先使用権を解除し、操作パネル3Bの切り替え禁止スイッチ部62により切り替えの優先使用権を当該操作パネル3B側に移行させると共に切り替えスイッチ部61により自己の操作パネル3B側に切り替えておき、その後操作パネル3Bにより種々の設定や操作を行う。なお操作パネル3A、3Bの一方で操作しているときには他方から操作することはできないが他方側においてもプロセス表示部33及びガス配管系表示部30A(30B)に一方側と同じ表示がされ、これにより他方側からも操作パネルの現在の状態を把握できるようになっている。
このような実施例によれば、クリーンルームCR側とメンテナンスルームMR側とに、同じ操作ができる2個の操作パネル3A、3Bを夫々設けているため、メンテナンスや装置の立上げ時において、操作パネル3Bにより種々の設定や操作ができ、従って従来のように作業者がメンテナンスルームMRとクリーンルームCRとを往来しなくて済むし、トランシーバなどを用いて補助者との間で交信しなくてよいので、効率的に作業を行うことができる。しかも両操作パネル3A、3Bには切り替え禁止スイッチ部62を設け、一方側に切り替えの優先使用権を与えて、他方側からは切り替え操作できないようにしているため、メンテナンスルームMRで作業をしているときに誤ってクリーンルームCR側から別の操作をしてしまうなどといった事態を防止でき、安全に操作することができる。」(【発明の詳細な説明】の段落【0016】?【0017】)

テ.「更にまた本発明では、複数の熱処理装置を設置した場合メンテナンスルームMR側の操作パネルを共通化し、各熱処理装置に対して切り替えて使用するようにしてもよい。図4はこのような実施例を示す図であり、例えば3台の熱処理装置を1号機?3号機とすると、1-1、1-2及び1-3は、夫々1号機?3号機のプロセスボックス、2-1?2-3はユーティリティボックスである。メンテナンスルームMR側の操作パネルとしては、各号機に共通な1台の操作パネル3Bが設けられ、この操作パネル3Bと各号機の切り替えユニット5との間に、配線を切り替える切り替え手段7が設けられ、この切り替え手段7により例えば1号機を選択すれば、先の実施例と同様、操作パネル3B側に切り替えられていることを条件に当該操作パネル3Bにより1号機の熱処理装置を操作することができる。通常メンテナンスは1台づつ行われるため、このように操作パネル3Bを共通化すれば構成が簡単になり、コストを抑えることができる。
なお本発明は、CVD、アッシングあるいはエッチングなどを行う熱処理装置に対して適当してもよいことは勿論であり、また熱処理装置に限らず、半導体製造工場あるいは液晶ディスプレイ基板製造工場などにおいて、クリーンルームとメンテナンスルームとの間に配置される処理装置であれば適用することができる。」(【発明の詳細な説明】の段落【0019】?【0020】)

以上の記載によれば、甲第3号証には、以下の事項が記載されているものと認める。
「クリーンルームとメンテナンスルームが仕切り板で仕切られ、
クリーンルームとメンテナンスルームとの間に設けられ、クリーンルーム側から被処理体を搬入出すると共にメンテナンスルーム側からメンテナンスが行われる半導体ウエハの製造工程で使用される処理装置において、
前記処理装置を操作するために前記クリーンルーム側に設けられた操作パネルと、
前記メンテナンスルーム側に設けられ、前記操作パネルの操作を行うことができる操作パネルと、
前記メンテナンスルーム側に設けられ、装置全体の制御を行うプロセスコントローラを備え、
各操作パネルは、自己の操作パネルと他の操作パネルとの間で切り替えるための切り替えスイッチ部を有し、
処理装置をメンテナンスするときはメンテナンスルーム側の操作パネルに切り替えて処理装置の操作を行い、その間、クリーンルーム側に設けられた操作パネルは操作ができなくなる処理装置。」
また、甲第3号証には、以下の事項も記載されているものと認める。
「クリーンルームとメンテナンスルームが仕切り板で仕切られ、
クリーンルームとメンテナンスルームとの間に設けられ、クリーンルーム側から被処理体を搬入出すると共にメンテナンスルーム側からメンテナンスが行われる半導体ウエハの製造工程で使用される処理装置において、
前記処理装置を操作するために前記クリーンルーム側に設けられた操作パネルと、
前記メンテナンスルーム側に設けられ、前記操作パネルの操作を行うことができる操作パネルと、
前記メンテナンスルーム側に設けられ、装置全体の制御を行うプロセスコントローラを備え、
各操作パネルは、自己の操作パネルと他の操作パネルとの間で切り替えるための切り替えスイッチ部を有し、
複数の処理装置を設置した場合、メンテナンスは1台づつ行うため、選択した一台の処理装置をメンテナンスするときは、その一台についてメンテナンスルーム側の操作パネルに切り替えて処理装置の操作を行い、その間、クリーンルーム側に設けられた操作パネルは、少なくともその一台についての操作ができなくなる処理装置。」

(3)本件発明1についての対比
本件発明1と甲1発明を対比すると、その技術的意義からみて、後者の「プロセスモジュール」は、前者の「プロセス処理装置」に相当し、後者の「トランスポートモジュール」は、前者の「搬送処理装置」に相当し、後者の「統合制御コントローラ」は、前者の「制御装置」に相当し、後者の「基板」は、前者の「ウェハ」に相当する。
また、後者の「半導体処理」は、エッチング、アッシング、成膜等といったプロセス処理を対象としており、これらの処理が真空処理であるのは技術常識であるから、前者の「真空処理」と、一致している。
さらに、後者の「いずれかのプロセス系で発生した障害を検知し、各モジュールを制御して当該障害の発生した系を除く残余のプロセス系で基板処理を続行させる」点は、前者の、「前記各プロセス処理装置が運転有効又は運転無効であるかの状態判断を行い、該判断で運転無効のプロセス処理装置を切り離し、前記搬送処理装置を用いてウェハを運転有効なプロセス処理装置に搬送し、該運転有効なプロセス処理装置のみを使ってウェハ処理を行う」点と同様の操作である。

してみれば、両者の一致点、相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、
該複数のプロセス処理装置に取り付けられ、ウェハの搬送を行う搬送処理装置と、
前記複数のプロセス処理装置を制御する制御装置を備え、
少なくとも2つ以上のプロセス処理装置が搬送処理装置に取り付けられ、該搬送処理装置に取り付けられた2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置の運転方法において、
前記各プロセス処理装置が運転有効又は運転無効であるかの状態判断を行い、
該判断で運転無効のプロセス処理装置を切り離し、
前記搬送処理装置を用いてウェハを運転有効なプロセス処理装置に搬送し、
該運転有効なプロセス処理装置のみを使ってウェハ処理を行う真空処理装置の運転方法。」

<相違点1>
前者は、プロセス処理装置が、「メンテルーム側に配置」されているのに対して、後者では、プロセス処理装置に相当するプロセスモジュールがどこに配置されているのは不明である点。

<相違点2>
前者は、制御装置が、「前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された主制御部及び前記複数のプロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤」からなるのに対して、後者は、制御装置に相当する統合制御コントローラがそのようなものであるのか不明である点。

<相違点3>
前者は、「制御装置が、その連続処理運転中に前記切り離された運転無効であるプロセス処理装置に関してメインテナンス作業を行なう」ものであるのに対して、後者は、メインテナンス作業については不明である点。

<相違点4>
前者は、「メインテナンス作業に際して、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転可能なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲」するのに対して、後者は、障害の発生したプロセス系に対する操作に関しては記載されておらず、「メインテナンス対象プロセス処理装置に対する主制御部の操作権を補助制御盤に移譲」するのか不明である点。

(4)本件発明1についての判断
各相違点について判断する。
<相違点1>
プロセス処理装置は、一般的にクリーンルームに置かれているものであり、相違点1は、そのクリーンルームを仕切って、「クリーンルーム」側と「メンテルーム」側に分け、その「メンテルーム」側にプロセス処理装置を配置したというものにすぎず、このような配置は通常行われている周知事項(例えば、特開昭62-147249号公報(公報第1頁右下欄第3行?同第2頁左上欄第13行、及び、第5図参照。)、特開平5-121520号公報(段落【0002】参照。)など参照。)である。
したがって、相違点1は、甲1発明に周知事項を適用することにより、当業者が容易に発明できたものにすぎない。

<相違点2>
甲第3号証には、処理装置を操作するためにクリーンルーム側に設けられた操作パネルと、メンテナンスルーム側に設けられ、前記操作パネルの操作を行うことができる操作パネルと、メンテナンスルーム側に設けられ、装置全体の制御を行うプロセスコントローラを備える点が記載されている。そして、相違点2に係る「補助制御盤」は、甲第3号証に記載の「メンテナンスルーム側に設けられた操作パネル」に相当し、同じく「主制御部」は、その機能から、甲第3号証に記載の「クリーンルーム側に設けられた操作パネル」と「プロセスコントローラ」を一体にしたものとみることができる。
してみれば、相違点2のうち、「前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された」操作パネルと、「前記複数のプロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤」は、甲第3号証記載の事項である。
そして、相違点2に係る本件発明1は、さらに、主制御部のうち、「プロセスコントローラ」に相当する部分をクリーンルーム側に配置して、操作パネルと一体化しているものであるが、「プロセスコントローラ」をどこに配置するかは適宜決められるものであることを考慮すれば、このような配置、及び、一体化の点に、特段の発明は認められない。
したがって、相違点2は、甲1発明に甲第3号証の記載された事項を組み合わせることにより、当業者が容易に発明できた事項にすぎない。

<相違点3>
甲第2号証に記載の「プロセスチャンバ」は、相違点3に係る本件発明1の「プロセス処理装置」に、同じく、甲第2号証に記載の「メンテナンスを施す場合」は、相違点3に係る本件発明1の「前記切り離された運転無効であるプロセス処理装置に関してメインテナンス作業を行う」ことに相当する。
そして、甲第2号証に記載の「残りのプロセスチャンバを処理に共用する」点は、残りのプロセスチャンバが処理を継続しているということであるから、相違点3に係る「連続処理運転中」に相当する。
してみれば、甲1発明において、「制御装置が、その連続処理運転中に前記切り離された運転無効であるプロセス処理装置に関してメインテナンス作業を行なう」ものであるとした点は、甲1発明に甲第2号証に記載された事項を組み合わせることにより、当業者が容易に発明できた事項である。

<相違点4>
相違点4について検討するにあたって、本件発明1の「主制御部」についてみると、この主制御部は表示手段13と入力手段14からなるものとして示され(図1)、さらに、「図4は、制御構成図を示す。本実施例では、装置全体の主制御部は、搬送処理装置1に搭載している場合を示す。尚、装置全体の主制御部は、搬送処理装置以外にあっても構わない。また表示手段13、入力手段14は主制御部とは別の制御ユニットとして構成しても良い。11は、装置全体を制御する主制御部の構成を示す。制御手段としては、本発明の請求範囲に該当する部分のみを抜き出して記述しており、装置を動かす上での必要な入出力制御部分(DI/O、AI/O)については、記述していない。」(本件明細書の段落【0048】)との記載、また、本件発明1の課題、「運転中(ウエハ処理中)に処理経路に使用していない処理室の操作、運用を考慮し(段落0010)、正常にウエハ処理する通常運転と並行して、異常な処理室を復旧したり定期的に実施するメンテナンスする作業を行う場合の作業者に対する安全性確保(段落0011)の両立を図る」(平成22年1月22日付け審判事件上申書第3頁第12?15行の記載)に照らせば、この主制御部は表示手段13と入力手段14からなるものであり、作業者がクリーンルーム側で操作するためのものと解され、してみれば、甲第3号証に記載のクリーンルーム側に設けられた操作パネルが本件発明1の主制御部のうち、「プロセスコントローラ」に相当する部分を除いた部分に相当し、メンテナンスルーム側に設けられた操作パネルが本件発明1の補助制御盤に相当するものといえる。
甲第3号証には、上述のとおり、メンテナンスルーム側に設けられた操作パネルで処理装置のメンテナンスのための操作を行うこと、その間、クリーンルーム側に設けられた操作パネルは操作ができなくなることが記載されており、これは、メンテナンス対象の処理装置に対する操作権の移譲にほかならないから、相違点4に係る事項は甲第3号証に記載の事項である。
以上のとおりであるから、甲1発明において、「メインテナンス作業に際して、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転可能なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲」した点は、甲1発明に甲第3号証に記載された事項を組み合わせることにより、当業者が容易に発明できた事項である。

なお、被請求人は、平成22年1月22日付け上申書において、上記相違点4に関し、「特に甲第3号証では、前述したとおり、操作パネルの切り替えは切り替えユニット5により行われ、操作権は切り替えられた操作パネル側に一括して移譲されます。図4に記載の実施例にしても、操作パネル3Bを共通化しているのは、構成が簡単になり、コストを抑えるからというだけであり、切り替え手段7により、操作パネル3Bが操作可能な熱処理装置は一台のみです。そうすると、操作権自体を分割するという本件特許発明1特有の技術思想は明らかになく、これらと甲第1,2号証を組み合わせたとしても、せいぜい、甲第1号証に記載の統合制御コントローラGCの操作権をメンテナンス側に移譲する構成が想起されるのみで、本件特許発明のように、主制御部が有している操作権自体を分割するという構成要件Fを容易に想到することはできません。」(同書第6頁第26行?第7頁第6行)と主張している。
この点について検討すると、甲1発明は複数のプロセスモジュールを対象としたものであり、その動作として、「いずれかのプロセス系で発生した障害を検知し、各モジュールを制御して当該障害の発生した系を除く残余のプロセス系で基板処理を続行させる」ときには、統合制御コントローラは残余のプロセス系の制御をしていることになり、メンテナンス対象の処理装置に対する操作権の移譲という甲第3号証記載の事項を組み合わせたとしても、「残余のプロセス系の制御」は統合制御コントローラ(主制御部)がしているものとなるのであるから、その場合には、当然に、「操作権の分割」が行われる。
以上のとおりであるから、被請求人の上記主張は採用できない。

(5)本件発明2について
本件発明2は、本件発明1に、「前記真空処理装置内でのウェハの処理順序を記憶する処理順序情報記憶手段と、各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を発生する運転情報信号発生手段と、各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を記憶する運転情報信号記憶手段と、処理順序情報と各運転情報信号とを整合処理し、運転無効であるプロセス処理装置を切り離し、運転有効なプロセス処理装置のみを使って運転続行する装置制御手段」を具備し、本件発明1の真空処理装置の運転方法を実現するための構成を備えた真空処理装置としたものであり、これらの、「記憶手段」、「信号発生手段」、「制御手段」は、情報処理装置においてはいずれも常套手段にすぎないものであって、当業者が適宜採用できたものである。
したがって、本件発明2も、本件発明1と同様の理由により、甲第1?3号証の記載に基づいて当業者が容易に発明できたものである。

(6)まとめ
したがって、本件発明1,2は甲第1?3号証に記載された発明及び事項に基づいて当業者が容易に発明できたものである。

第6.むすび
したがって、本件発明1,2は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
真空処理装置の運転方法及び真空処理装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】メンテルーム側に配置され、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、
該複数のプロセス処理装置に取り付けられ、ウェハの搬送を行う搬送処理装置と、
前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された主制御部及び前記複数のプロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤からなり前記各装置を制御する制御装置を備え、
少なくとも2つ以上のプロセス処理装置が搬送処理装置に取り付けられ、該搬送処理装置に取り付けられた2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置の運転方法において、
前記各プロセス処理装置が運転有効又は運転無効であるかの状態判断を行い、
該判断で運転無効のプロセス処理装置を切り離し、
前記搬送処理装置を用いてウェハを運転有効なプロセス処理装置に搬送し、
該運転有効なプロセス処理装置のみを使ってウェハ処理を行い、
その連続処置運転中に前記切り離された運転無効であるプロセス処理装置に関してメインテナンス作業を行うとともに、該メインテナンス作業に際して、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転有効なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲することを特徴とする真空処理装置の運転方法。
【請求項2】メンテルーム側に配置され、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、
該複数のプロセス処理装置に取り付けられ、ウェハの搬送を行う搬送処理装置と、
前記複数のプロセス処理装置を遠隔制御するクリーンルーム側に配置された主制御部及び前記複数のプロセス処理装置近傍のメンテルームに配置された補助制御盤からなり前記各装置を制御する制御装置を備え、
少なくとも2つ以上のプロセス処理装置が搬送処理装置に取り付けられ、該搬送処理装置に取り付けられた2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置において、
前記真空処理装置内でのウェハの処理順序を記憶する処理順序情報記憶手段と、各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を発生する運転情報信号発生手段と、
各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す運転情報信号を記憶する運転情報信号記憶手段と、
処理順序情報と各運転情報信号とを整合処理し、運転無効であるプロセス処理装置を切り離し、運転有効なプロセス処理装置のみを使って運転続行する装置制御手段とを具備し、前記運転有効であるプロセス処理装置を処理経路に組み込んで運転している連続処理運転中に、運転無効であるプロセス処理装置のメインテナンス作業を行う際に、前記補助制御盤により前記メインテナンス対象プロセス処理装置を操作できるように且つ前記主制御部により前記運転有効なプロセス処理装置を操作できるように、該メインテナンス対象プロセス処理装置に対する前記主制御部の操作権を前記補助制御盤に移譲することにより装置の機側で作業が行えるように構成したことを特徴とする真空処理装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロセス処理を行う2つ以上のプロセス処理装置と、ウェハの搬送を行う搬送処理装置で構成され、少なくとも2つ以上のプロセス処理装置を使ってウェハ処理する真空処理装置の運転方法及び真空処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、例えば、特開昭63-133532号公報のように搬送室に処理室を接続したシステムにおいて、正常な運転状態で試料処理が実施される場合、別々のウェハを別々の処理室で同時に実行したり、又はウェハを順次2つ以上の処理室を経由して処理することのできる装置及びその搬送に関するものであった。
【0003】また他の従来装置は、特開平3-274746号公報のように2つの経路のプロセス処理を同時に行う運転で、一つの経路に含まれる処理室にメンテナンス作業を実施する場合は、他の経路の処理室を過渡的に2つの経路のプロセス処理に共用する装置の運転方法に関するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、2つ以上のプロセス処理を実施する場合、ウェハを真空雰囲気の搬送路を介して2つ以上の処理室に搬送し、個々の処理室では、その処理室が持つ固有の処理を実施することにより、大気状態にさらすことなく真空中で複数のプロセス処理をする為の装置構成、搬送方法、及びメンテナンス作業を通常のウエハ処理と並行作業させるものであった。
【0005】ところで、前記前者の従来技術では2つ以上の処理室を処理経路として使って運転している運転中に、どれかの処理室が故障等で使用できなくなった時に正常な処理室を使って処理を続行する運転及び復旧処置については、考慮されていなかった。
【0006】又、運転開始時修復する必要のある処理室がある場合でも、正常な処理室のみを使って装置を運転する方法、手順についても考慮されていなかった。
【0007】又、2つ以上の処理室を処理経路として使って運転中にその運転を一時中断させ、中断させる迄にその運転の処理経路に使っていなかった処理室を処理経路として使った割り込み処理を優先的に実行し、その割り込み処理が終了した後は一時中断させていた処理を続行させる運転する方法、手順についても考慮されていなかった。
【0008】又、2つ以上の処理室を処理経路として使って運転中にその運転の処理経路に使用していない処理室の機器に対する操作指示の方法については考慮されていなかった。またその運転の処理経路に使用していない処理室の機器に対する操作指示を通常操作する操作部と離れた場所にある操作部で行う場合での操作上の安全性確保についても考慮されていなかった。
【0009】又、前記後者の従来技術ではターゲット交換のメンテナンス作業のように、作業者が稼動している装置の機側に立ち、装置及び機器にメンテナンスする作業と通常のウエハ処理とを並行して運転する場合に例えば“誤操作”により処理用ガスを流したり、放電用電源をONして感電するといった安全性の確保についての処置、方法は考慮されていなかった。
【0010】このように従来技術は処理室が正常な状態、及び運転開始前に予め修復する処理室のみを除外した上での運転を考慮したものであるが、運転中に処理室が異常等で使用できない時の運転、割り込み処理、運転中での運転の一時中断及び中断状態から再開運転や、運転中に処理経路に使用していない処理室の操作、運用等については考慮されていないため、例えば同種の処理室が接続されている場合、運転中に他方の正常な処理室を使って運転を続行するという装置の運転方法が考慮されておらず、稼働率の低い装置であった。
【0011】また、正常にウエハ処理する通常運転と並行して、異常な処理室を復旧したり、定期的に実施するメンテナンスする作業を行う場合の作業者に対する安全性確保への配慮がなされていない装置であった。
【0012】本発明は、プロセス処理を行う2つ以上のプロセス処理装置と、ウェハの搬送を行う搬送処理装置で構成され、少なくとも2つ以上のプロセス処理装置を使って処理する真空処理装置において、
1)2つ以上の処理室を処理経路として使って運転中に、処理室の内どれかが故障等で使用できなくなった場合でも運転続行でき、又、
2)修復する必要のあるプロセス処理装置がある場合は、正常な処理室のみを処理経路として使って運転でき、又
3)運転中に運転の一時中断、及び中断状態からの再開運転、及び運転中に運転を一時中断させ、中断させる迄にその運転の処理経路に使っていなかった処理室を処理経路として使った割り込み処理を実行し、その割り込み処理が終了した後は一時中断させていた処理を続行させる運転ができ、又
4)2つ以上の処理室を処理経路として使って運転中に、その運転の処理経路に使用していない処理室の機器に対する操作指示ができ、またその運転の処理経路に使用していない処理室の機器に対して操作指示をする場合や、通常の操作指示をする操作部と離れた場所にある操作部で操作指示を行う場合の操作上の安全性が確保でき、又
5)正常にウエハ処理する通常運転と並行して、異常な処理室を復旧したり、定期的に実施するメンテナンスする作業を行う場合の作業者に対する安全性の確保ができるようにすることにより、装置の稼働率を向上でき、且つ安全性の確保が図れる真空処理装置の運転方法及び真空処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、各プロセス処理装置の運転有効又は運転無効であることを示す各運転情報信号を発生する運転情報信号発生手段を各プロセス処理装置毎に設け、その各運転情報信号を記憶する運転情報信号記憶手段を設け、各運転情報信号を元にして運転無効である該プロセス処理装置を使用せず、他の運転有効なプロセス処理装置を使って運転続行する装置制御手段を設けたものである。
【0014】装置の運転においては、運転途中にあるプロセス処理装置が故障等で使用できなくなった場合は、装置運転を一時中断し、オペレータに運転続行又は運転中止の判断を促し、続行する場合は、運転続行の処置を装置に行うことで運転続行が可能となるようにしたものである。
【0015】又、運転開始時点で修復、保守等する必要のあるプロセス処理装置がある状態で運転を開始する場合は、運転開始前に修復、保守等する必要のあるプロセス処理装置を使わず、有効なプロセス処理装置を使って装置運転する処置を施すことで運転が可能となるようにしたものである。
【0016】又、正常にウエハ処理する通常運転と並行して、異常な処理室を復旧したり、定期的に実施するメンテナンスする作業を行う場合、誤って操作を行っても処理用ガスを流れないようにガスラインのエアオペレーションバルブ駆動用エア-ラインを遮断できる機能(例えば、ガスライン毎に手動開閉用のバルブを設ける)を設け、放電用電源を誤ってONして感電することがないように放電用電源ユニットに供給している電源を遮断できる機能(例えば、電源ライン毎にON/OFFできるブレーカを設ける)を設けることで作業者に対する安全性の確保ができるようにすることにより、装置の稼働率を向上でき、且つ安全性の確保が図れる真空処理装置の運転方法及び真空処理装置を提供することにある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1?図13に示す。
【0018】図1は、一実施例であり、プロセス処理装置が搬送処理装置に4室接続され、処理装置にウエハを搬入する為のカセットは処理装置本体の前に設置した大気搬送装置に設置し、該カセットから1枚ずつ取り出し処理装置に搬入し処理する装置構成図を示す。プロセス処理装置が4つ以上接続されても構わない。図1において、1はウェハの搬送を行う搬送処理装置でありロードロック室のウエハをウエハの搬送スケジュールに従ってプロセス処理装置2-1?2-4に搬送し、プロセス処理装置で処理終了したウエハを次のプロセス処理装置に搬送し、全てのプロセス処理が終了したウエハをアンロードロック室に搬送する。2-1?2-4はプロセス処理を行うプロセス処理装置である。プロセス処理としてはエッチング、後処理、成膜、スパッタ、CVD、水洗処理等ウエハのプロセス処理全てを含む。3はロードロック室であり大気搬送装置6にあるウエハを搬送処理装置に搬入する室、4はアンロードロック室であり真空処理室にあるウエハを大気搬送装置6に搬出する室、5は搬送処理装置内に設置されウェハの搬送を行う真空ロボット、6はウェハを収納したカセットを設置するための大気搬送装置、7は処理するウェハを収納したカセットであり製品用ウエハを収納したカセットやクリーニング用ウエハを収納したカセットである。8は大気搬送装置上のカセット内のウェハをカセットから搬出し、ロードロック室3に搬入し、またアンロードロック室4のウエハを元のカセットに戻す大気ロボットを示す。
【0019】通常の運転にあたっては、オペレータは、製品用ウエハを収納したカセット7-1(又は7-2)とクリーニング用ウエハを収納したカセット7-3を大気搬送装置6に設置する。表示手段13、入力手段14とを使って運転条件の設定を行った後運転の開始指示を行う。運転が開始されるとウェハの搬送が開始しプロセス処理装置2-1(2-2?2-4も含む)に搬送され、プロセス処理を行って元のカセットに戻される。元のカセット内のウェハが全て処理されるとそのカセットの回収の為にこの図に示していないフ゛サ゛ーを鳴らし、オペレータにカセット回収要求を通報し、オペレータがカセットを取り除く。製品用ウエハを収納したカセットの処理が終了すると、カセット7-3からクリーニング用ウエハをプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出し、クリーニング処理を行ってカセット7-3に戻す。この場合、1枚のクリーニング用ダミーウエハを使って順次プロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出し、クリーニング処理を行うことも可能であり、また別の方法としてプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に1枚づつ搬送し、クリーニング処理を同時に行うことも可能である。また前述のクリーニング処理は製品用ウエハを収納したカセットの処理が終了すると、カセット7-3からクリーニング用ダミーウエハをプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出し、クリーニング処理を行ったが、クリーニング用ダミーウエハをプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出しないでクリーニング処理を行うことも可能である。また、以上のように1カセット分の製品用ウエハの処理終了後にクリーニング処理を行うことに加えて、クリーニング周期として処理した製品ウエハの枚数毎(この枚数は適宜設定可能)にカセット7-3からクリーニング用ダミーウエハをプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出し、クリーニング処理を行うことも可能である。またクリーニング周期として処理した製品ウエハの枚数毎(この枚数は適宜設定可能)にカセット7-3からクリーニング用ダミーウエハをプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出しないで、クリーニング処理を行うことも可能である。また、製品用ウエハを収納したカセットの処理が予め設定されたカセット数実施後に、カセット7-3からクリーニング用ダミーウエハをプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出し、クリーニング処理を行うことも可能である。
【0020】次に製品ウエハを収納したカセットの処理開始前にカセット7-3からダミーウエハをプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出しないでエージング処理後に上記ウエハ処理を行うことも可能である。また、製品ウエハを収納したカセットの処理開始前にカセット7-3からダミーウエハをプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出し、エージング処理した後ダミーウエハをカセット7-3に戻し、本エージング処理を予め設定したウエハ枚数分実施後に上記ウエハ処理を行うことも可能である。以上に述べたクリーニング処理とは、プロセス処理装置内の異物を除去するために行う処理であり、エージング処理とはウエハ処理を行う前にプロセス処理装置内をウエハ処理状態にするために行う処理である。
【0021】尚、運転条件設定の1部である処理経路の設定においては、その処理に使用するプロセス処理装置をウェハの処理する順序にプロセス処理装置の記号等を使って設定する。
【0022】このウエハの処理順序は、運転モードとして表1に示す。
【0023】
【表1】

【0024】以下のこの運転モードの説明ではプロセス処理装置2ー2と2ー3は同一のプロセス処理を(この実施例ではエッチング処理とする)、プロセス処理装置2ー1と2ー4は同一のプロセス処理を(この実施例では後処理とする)するものとして説明する。またプロセス処理の実施例としては、プロセス処理装置2ー2又は2ー3を使ったエッチング処理を行った後、プロセス処理装置2ー1又は2ー4を使った後処理を行うものとする。尚、1カセット分の製品用ウエハの処理の後にカセット7-3からクリーニング用ウエハをプロセス処理装置2-3(又2ー2)からプロセス処理装置2-4(又は2-1)に搬送し、クリーニング処理を行うクリーニング処理を行う運転について説明する。またウエハの処理条件によってはエッチング処理のみであっても良い。
【0025】1)1カセット1レシピ並列運転
同一のプロセス処理条件(以下では、プロセス処理条件をレシピと称する)で処理するウエハが収納されたカセット内の最下段もしくは最上段のウエハから順番にカセットから抜き出し搬送処理装置に搬入しプロセス処理をするものである。ウエハは、プロセス処理装置2ー2でエッチング処理した後プロセス処理装置2ー1で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Aという)と、プロセス処理装置2ー3でエッチング処理した後プロセス処理装置2ー4で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Bという)の両方を使って処理する。
【0026】この実施例での処理順序は
経路A:カセット7-1→プロセス処理装置2ー2→プロセス処理装置2ー1→カセット7-1
経路B:カセット7-1→プロセス処理装置2ー3→プロセス処理装置2ー4→カセット7-1の組み合わせとしたが、
経路C:カセット7-1→プロセス処理装置2ー2→プロセス処理装置2ー4→カセット7-1
経路D:カセット7-1→プロセス処理装置2ー3→プロセス処理装置2ー1→カセット7-1の組み合わせであっても良い。
【0027】ウエハの処理は、1枚目のウエハは経路A、2枚目は経路B、3枚目のウエハは経路A、4枚目は経路B、・・・という順序でカセット内の最終ウエハ迄処理を行う。最終ウエハをカセット7-1から搬出すると(図3ーA)、カセット7-3からクリーニング用ウエハをプロセス処理装置2-3に搬送し,クリーニング処理を開始させる(図3ーB)。またプロセス処理装置2-2内にあった最終ウエハがプロセス処理装置2-1に搬送されてあれば,カセット7-3からクリーニング用ウエハをプロセス処理装置2-2に搬送し,クリーニング処理を開始させる。プロセス処理装置2-3でのクリーニング処理が終了するとクリーニング用ウエハをプロセス処理装置2-3からプロセス処理装置2-4に搬送し、クリーニング処理を行う。この時迄に製品用カセット7-2が設置されてあれば、カセット7-1の処理終了に引き続きカセット7-2の処理に移り,この後カセット7-2から製品用ウエハの1枚目をプロセス処理装置2-3に搬送し,プロセス処理を行う(図3ーC)。プロセス処理装置2-4でのクリーニング処理が終了するとクリーニング用ウエハをカセット7-3に戻す。又この時迄にプロセス処理装置2-2でのクリーニング処理が終了すると,クリーニング用ウエハをプロセス処理装置2-2からプロセス処理装置2-1に搬送し、クリーニング処理を行う。その後にC2カセットから製品用ウエハの2枚目をプロセス処理装置2-2に搬送し,プロセス処理を行う(図3ーD)。又,カセット7-1内の全てのウエハの処理終了するとカセット7-1の処理終了とカセット交換をオペレータに通報する為にこの図に示していないブザーを鳴らす。以上のようにカセット7-2についてもカセット7-1の場合と同じ順序で処理を行い、カセット7-2内の全てを処理終了するとカセット7-2の処理終了とカセット交換をオペレータに通報する為にこの図に示していないブザーを鳴らす。以降この運転サイクル繰り返しを行う。この運転を終了する場合は、主制御部11から運転終了の操作入力を行うことで運転が終了する。
【0028】処理を終了する方法として、以下の5モードがある。
【0029】ア)ウエハ供給停止:処理中のカセットからのウエハ取り出しを中止する。(2カセットを1ロットとして運転している場合は、指定した方のカセットからのウエハ取り出しを中止する。)
イ)カセット供給停止:現在処理中のカセット内のウエハを全て処理終了した後、その処理終了迄に設置されてあったカセットの処理を中止する。(2カセットを1ロットとして運転している場合は、指定した方のカセット内のウエハを全て処理終了した後、その時迄に設置されてあったカセットの処理を中止する。)
ウ)サイクル停止:現在実行中のプロセス処理、排気、リーク、搬送等の動作終了後その場で停止する。
エ)処理室一時停止:指定処理室について、現在処理中のプロセス処理終了後停止する。この場合は、運転の再開操作により一時停止した状態から運転を再開することができる。またその処理室のみ手動操作は可能である。
オ)即停止:実行中の全ての動作を即時停止する。処理終了に当たってはいずれの方法によっても良い。
【0030】2)2カセット1レシピ並列運転
同一のプロセス処理条件(レシピ)で処理するウエハが収納されたカセット内の最下段もしくは最上段のウエハから順番に抜き出し搬送処理装置に搬入しプロセス処理をするものである。この場合のカセットから抜き出し搬送処理装置に搬入しプロセス処理をする運転が前記の「1カセット1レシピ並列運転」の場合と異なる。前記の「1カセット1レシピ並列運転」の場合は、同一カセットから順次ウエハを抜き出し搬送処理装置に搬入しプロセス処理を実施し、そのカセットのウエハを全て終了した後次のカセットのウエハの処理に移ったが、本「2カセット1レシピ並列運転」では、カセット7-1とカセット7-2から交互にウエハを抜き出し搬送処理装置に搬入しプロセス処理を実施する。ウエハの処理経路は前記の「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同様に、プロセス処理装置2ー2でエッチング処理した後プロセス処理装置2ー1で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Aという)と、プロセス処理装置2ー3でエッチング処理した後プロセス処理装置2ー4で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Bという)の両方を使って処理する。
【0031】この実施例での処理順序の経路A、Bもしくは経路C、Dについては前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同じである。
【0032】ウエハの処理は、1枚目のウエハはカセット7-1からの1枚目を経路A、2枚目はカセット7-2からの1枚目を経路B、3枚目のウエハはカセット7-1からの2枚目を経路A、4枚目はカセット7-2からの2枚目を経路B、・・・という順序でカセット内の最終ウエハ迄処理を行う。カセット7-1もしくはカセット7-2内の全てのウエハを処理終了するとカセット7-1(または7-2)の処理終了とカセット交換をオペレータに通報する為にこの図に示していないブザーを鳴らす。この終了したカセットが取り除かれ新しいカセットが設置されるまでは、他方のカセット側の処理のみ継続されている。新しいカセットが設置されると前記のようにカセット7-1と7-2から交互ににウエハを抜き出し搬送処理装置に搬入しプロセス処理を実施する。以降この運転サイクル繰り返しを行う。この運転を終了する場合は、主制御部11から運転終了の操作入力を行う事で運転が終了する。終了方法は前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同じである。又,クリーニング処理については,上記1)と同様である。
【0033】3)2カセット2レシピ並列運転
この運転では、カセット7-1とカセット7-2とのウエハ処理レシピが異なる事によりプロセス処理装置での処理時間が異なることがある。この場合、カセット7-1とカセット7-2からのウエハ搬出は交互ではなく、プロセス処理装置での処理が終わり、他のプロセス処理装置へウエハを搬送した後次のウエハを該プロセス処理装置に搬送する処理以外は前記「2カセット1レシピ並列運転」と同じある。該ウエハの又,クリーニング処理については,上記1)と同様である。
【0034】4)1カセット1レシピ直列運転
この運転では、同一のプロセス処理条件(レシピ)で処理するウエハが収納されたカセット内の最下段もしくは最上段のウエハから順番にカセットから抜き出し搬送処理装置に搬入しプロセス処理をすることは前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同じである。ところがウエハの処理経路は前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と異なる。本「1カセット1レシピ直列運転」では、ウエハはプロセス処理装置2ー2(もしくはプロセス処理装置2ー3)でエッチング処理した後、更にプロセス処理装置2ー3(もしくはプロセス処理装置2ー2)でエッチング処理した後、プロセス処理装置2ー1(もしくはプロセス処理装置2ー4)で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Eという)で処理する。
【0035】ウエハの処理は、1枚目のウエハは経路E、2枚目は経路E、3枚目のウエハは経路E、4枚目は経路E、・・・という順序でカセット内の最終ウエハ迄処理を行う。カセット7-1内の全てを処理終了するとカセット7-1の処理終了とカセット交換をオペレータに通報する為にこの図に示していないブザーを鳴らす。この時迄にカセット7-2が設置されてあれば、カセット7-1の処理終了に引き続きカセット7-2の処理に移る。カセット7-2についてもカセット7-1の場合と同じ順序で処理を行い、カセット7-2内の全てウエハを処理終了するとカセット7-2の処理終了とカセット交換をオペレータに通報する為にこの図に示していないブザーを鳴らす。この時迄にカセット7-1が設置されてあれば、カセット7-2の処理終了に引き続きカセット7-1の処理に移る。以降この運転サイクル繰り返しを行う。この運転を終了する場合は、主制御部11から運転終了の操作入力を行う事で運転が終了する。終了方法は前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同じである。又,クリーニング処理については,上記1)と同様である。
【0036】以上、1)から4)の運転方法は、代表事例について説明したもので、カセット、レシピと、並列/直列運転の組み合わせとにより他の運転方法が考えられ、本発明は上記1)から4)の運転方法に限定されるものではない。
【0037】また、装置を保守、メンテナンスする場合は補助操作盤22内にある表示手段26、入力手段25とを使って装置の機側で操作することができる。この補助操作盤22は可搬型の操作端末(例えばノートハ゜ソコン)であり装置の近くまで持ち運び、装置状態を目視しながら表示手段26に表示される装置情報(例えば入出力ビットのON/OFF情報、エラー情報等)を保守、メンテナンスの操作に活用でき、保守、メンテナンスの操作性を向上させているものである。この補助操作盤22では、主制御部11と同じ機能を有しているが、オペレータに対する安全性を確保する為に主制御部11と補助操作盤22とで同時に操作する場合は、片方しか操作入力できないように誤操作防止機能を設けてある。
【0038】図2は、別の一実施例あり、プロセス処理装置が搬送処理装置に4室接続され、処理装置にウエハを搬入する為のカセットは処理装置本体内のロードロック室3Aに設置し、カセットから1枚ずつ取り出し処理装置に搬入し処理する装置構成図を示す。プロセス処理装置がこれ以上接続されても構わない。装置構成としては図1に示す構成からウェハを収納したカセットを設置するための大気搬送装置6、大気ロボット8を削除したものである。ウエハのカセットからの搬出がロードロック室3Aからとなり、カセットへの収納がアンロードロック室4Aとなる以外の各機器の機能及び構成は図1と同じである。また、クリーニング処理としては、クリーニング用ウエハを収納したカセットをロードロック室3A(又はアンロードロック室4A)に設置し、クリーニング用ウエハをプロセス処理装置2-1、2-2、2-3、2-4に搬出し、クリーニング処理を行って元のカセットに戻す。また運転モードにおいては、
1)1カセット1レシピ並列運転同一のプロセス処理条件(レシピ)で処理するウエハが収納されたカセット内の最下段もしくは最上段のウエハから順番にカセットから抜き出しプロセス処理装置に搬入しプロセス処理をするものである。ウエハは、プロセス処理装置2ー2でエッチング処理した後プロセス処理装置2ー1で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Aという)と、プロセス処理装置2ー3でエッチング処理した後プロセス処理装置2ー4で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Bという)の両方を使って処理する。
【0039】この実施例での処理順序は
経路A:ロードロック室3A内カセット7-1A→プロセス処理装置2ー2→プロセス処理装置2ー1→アンロードロック室4A内カセット7-2A
経路B:ロードロック室3A内カセット7-1A→プロセス処理装置2ー3→プロセス処理装置2ー4→アンロードロック室4A内カセット7-2A
又は、
経路C:ロードロック室3A内カセット7-1A→プロセス処理装置2ー2→プロセス処理装置2ー4→アンロードロック室4A内カセット7-2A
経路D:ロードロック室3A内カセット7-1A→プロセス処理装置2ー3→プロセス処理装置2ー1→アンロードロック室4A内カセット7-2Aの組み合わせであっても良い。また上記処理順序では処理したウエハはアンロードロック室4A内カセット7-2Aに戻したがウエハを取り出したロードロック室3A内カセット7-1Aに戻すこともできる。
【0040】本実施例では経路Aと経路Bを並行してロードロック室3A内のカセット7-1Aから抜き出したウエハはアンロードロック室4A内のカセット7-2Aに戻す処理の例を示す。ウエハの処理は、1枚目のウエハは経路A、2枚目は経路B、3枚目のウエハは経路A、4枚目は経路B、・・・という順序でカセット内の最終ウエハ迄処理を行う。ロードロック室3A内カセット7-1A内の全てを処理終了するとロードロック室内カセットとアンロードロック4A室内カセット7-2Aの処理終了とカセット交換をオペレータに通報する為にこの図に示していないブザーを鳴らす。次に新たな未処理ウエハの入ったカセットをロードロック室3Aに、空のカセットをアンロードロック室4A設置して、以降この運転サイクル繰り返しを行う。この運転を終了する場合は、主制御部11から運転終了の操作入力を行う事で運転が終了する。終了方法は前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同じである。
【0041】2)2カセット1レシピ並列運転
同一のプロセス処理条件(以下では、プロセス処理条件をレシピと称する)で処理するウエハが収納されたカセット内の最下段もしくは最上段のウエハから順番にカセットから抜き出しプロセス処理装置に搬入しプロセス処理をするものである。
【0042】前記の「1カセット1レシピ並列運転」の場合は、同一カセットから順次ウエハを抜き出しプロセス処理装置に搬入しプロセス処理を実施し、そのカセットのウエハを全て終了した後次のカセットのウエハの処理に移ったが、本「2カセット1レシピ並列運転」では、ロードロック室3A内のカセット7-1Aとアンロードロック室4A内のカセット7-2Aから交互にウエハを抜き出しプロセス処理装置に搬入しプロセス処理を実施する。ウエハの処理経路は前記の「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同様に、プロセス処理装置2ー2でエッチング処理した後プロセス処理装置2ー1で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Aという)と、プロセス処理装置2ー3でエッチング処理した後、プロセス処理装置2ー4で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Bという)の両方を使って処理する。
【0043】この実施例での処理順序の経路A、Bもしくは経路C、Dについては前記前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同じである。
【0044】ウエハの処理は、1枚目のウエハはロードロック室3A内のカセット7-1Aからの1枚目を経路A、2枚目はアンロードロック室内のカセットからの1枚目を経路B、3枚目のウエハはロードロック室3A内のカセット7-1Aからの2枚目を経路A、4枚目はアンロードロック室4A内のカセット7-2Aからの2枚目を経路B、・・・という順序でカセット内の最終ウエハ迄処理を行う。ロードロック室3A内もしくはアンロードロック室4Aカセット7-2A内の全てのウエハを処理終了するとロードロック室3A内(またはアンロードロック室4A内)カセットの処理終了とカセット交換をオペレータに通報する為にこの図に示していないブザーを鳴らす。この終了したカセットが取り除かれ新しいカセットが設置されるまでは、他方のカセット側の処理のみ継続されている。新しいカセットが設置されると前記のようにロードロック室3A内とアンロードロック室4A内カセットから交互ににウエハを抜き出しプロセス処理装置に搬入しプロセス処理を実施する。以降この運転サイクル繰り返しを行う。この運転を終了する場合は、主制御部11から運転終了の操作入力を行う事で運転が終了する。終了方法は前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同じである。
【0045】3)2カセット2レシピ並列運転
この運転では、ロードロック室3A内のカセット7-1Aとアンロードロック室4A内のカセット7-2Aとのウエハ処理レシピが異なる事がある。この場合、カセット7-1とカセット7-2からのウエハ搬出は交互ではなく、プロセス処理装置での処理が終わり、他のプロセス処理装置へウエハを搬送した後次のウエハを該プロセス処理装置に搬送する処理以外は前記「2カセット1レシピ並列運転」と同じある。該ウエハの又,クリーニング処理については,上記1)と同様である。
【0046】4)1カセット1レシピ直列運転
この運転では、同一のプロセス処理条件(以下では、プロセス処理条件をレシピと称する)で処理するウエハが収納されたカセット内の最下段もしくは最上段のウエハから順番にカセットから抜き出しプロセス処理装置に搬入しプロセス処理をすることは前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同じである。ところがウエハの処理経路は前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と異なる。本「1カセット1レシピ直列運転」では、ウエハはプロセス処理装置2ー2(もしくはプロセス処理装置2ー3)でエッチング処理した後、更にプロセス処理装置2ー3(もしくはプロセス処理装置2ー2)でエッチング処理した後、プロセス処理装置2ー1(もしくはプロセス処理装置2ー4)で後処理をして元のカセットに戻す経路(この経路Eという)で処理する。
【0047】本実施例では経路Eでロードロック室3A内のカセット7-1Aから抜き出したウエハはアンロードロック室4A内のカセット7-2Aに戻す処理の例を示す。ウエハの処理は、1枚目のウエハは経路E、2枚目は経路E、3枚目のウエハは経路E、4枚目は経路E、・・・という順序でカセット内の最終ウエハ迄処理を行う。カセット内の全てを処理終了するとロードロック室3A内カセット7-1Aとアンロードロック室4A内カセット7-2Aの処理終了と交換をオペレータに通報する為にこの図に示していないブザーを鳴らす。次に新たな未処理ウエハの入ったカセットをロードロック室3Aに、空のカセットをアンロードロック室4Aに設置して、以降この運転サイクル繰り返しを行う。この運転を終了する場合は、主制御部11から運転終了の操作入力を行う事で運転が終了する。終了方法は前記「1カセット1レシピ並列運転」の場合と同じである。
【0048】図4は、制御構成図を示す。本実施例では、装置全体の主制御部は、搬送処理装置1に搭載している場合を示す。尚、装置全体の主制御部は、搬送処理装置以外にあっても構わない。また表示手段13、入力手段14は主制御部とは別の制御ユニットとして構成しても良い。11は、装置全体を制御する主制御部の構成を示す。制御手段としては、本発明の請求範囲に該当する部分のみを抜き出して記述しており、装置を動かす上での必要な入出力制御部分(DI/O、AI/O)については、記述していない。16は、真空処理装置内でのウェハの処理順序を記憶する処理順序情報記憶手段であり、例えばRAM(Random Access Memory)である。このウェハの処理順序は、運転開始前に表示手段13、入力手段14とを使ってオペレータによって入力されたテ゛ータが記憶される。17は、プロセス処理装置2-1?2-4の運転有効/無効であることを示す運転情報信号を記憶する運転情報信号記憶手段であり、例えばRAMである。13は、運転状態、運転条件の設定内容、運転の開始指示/終了の表示を行う表示手段であり、例えばCRTである。14は、運転条件の設定、運転の開始指示入力、プロセス処理条件、保守やメンテナンスの操作入力等を行う入力手段であり、例えばキーホ゛ート゛である。15は、上記プロセス処理装置2-1?2-4の運転有効/無効であることを示す運転情報信号状態を判断し、自動運転中にプロセス処理装置2-1?2-4のどれかが運転不可となっても該プロセス処理装置を使用せず、他のプロセス処理装置を使って運転続行する処理手順を記憶した装置制御手段であり、例えばROM(Read Only Memory)である。12は、上記13?17を制御する中央制御手段であり、例えば、CPU(Central Processor Unit)である。2-1?2-4は、ウェハのプロセス処理を行うプロセス処理装置である。この処理装置としては、エッチンク゛、後処理、成膜、スハ゜ッタ、CVD、水処理等ウエハのプロセス処理を行う処理であれば、何であっても良い。19-1?19-4は、プロセス処理装置2-1?2-4の運転有効/無効であることを示す運転情報信号を発生する運転情報信号発生手段である。本実施例では、プロセス処理装置に設けているが、どこにあっても良い。この運転情報信号を発生する手段として、
1)プロセス処理装置の装置電源の遮断信号を用いる
2)プロセス処理装置の使用の有効/無効を設定する運転切り替え信号(例えば、切り替えスイッチ)を用いる
3)プロセス処理装置の使用の有効/無効を示す運転制御信号として、オペレータが設定入力した入力情報を用いることができる。
【0049】20と21は、装置全体を制御する主制御部11と補助操作盤22とを接続する通信手段である。補助操作盤22、25、26は上述した用途に使用するものである。24は補助操作盤での端末機能を制御する処理手順を記憶した端末制御手段である。23は上記21、24から26を制御する中央制御手段であり、例えば、CPU(Central Processor Unit)である。
【0050】図5は、運転情報信号図である。各プロセス処理装置毎に運転の有効/無効を示す情報が記憶される。この場合では、有効な場合は、1を、無効な場合は、0を示すが区別できる内容であれば、記号や数字であっても良い。この情報は、運転情報信号発生手段19-1?19-4の信号状態が反映されたものであり、運転情報信号記憶手段17に記憶される。
【0051】図6は、処理順序情報図である。運転条件設定の一つとして、オペレータが運転開始前に表示手段13、入力手段14とを使ってウェハの処理する順序を設定した情報である。この情報は処理順序情報記憶手段に記憶される。
【0052】図7は、装置運転フロー図を示す。オペレータは運転開始前に処理装置として構成されているプロセス処理装置の内、故障等で運転に使用できない、又は保守(フ゜ラス゛マクリーニンク゛も含む)の為使用しないプロセス処理装置があるか否かを判断する(30)。使用できない(又は、使用しない)プロセス処理装置があれば、運転情報信号発生手段19を用いて図4に記述した状態になるように設定する(32)。この設定の方法の一つとして、
1)プロセス処理装置の装置電源の遮断信号を用いる場合は、該プロセス処理装置の装置電源供給用電磁開閉器をOFFする。これにより、遮断信号が発生し、運転情報信号記憶手段17に伝えられ、図4に記載された情報として記憶される。
【0053】2)プロセス処理装置の使用の有無を設定する運転切り替え信号(例えば、切り替えスイッチ)を用いる場合は、該プロセス処理装置に割り当てられた切り替えスイッチを有効又は無効の状態に設定する。これにより、切り替え信号が確定し、運転情報信号記憶手段17に伝えられ、図5に記載された情報として記憶される。
【0054】3)プロセス処理装置の使用の有効/無効を示す運転制御信号として、オペレータが設定入力した入力情報を用いる場合は、オペレータは、該プロセス処理装置に割り当てられた設定情報を入力手段14より入力する。これにより、設定情報が確定し、運転情報信号記憶手段17に伝えられ、図5に記載された情報として記憶される。装置接続構成を決定した後、自動運転をスタートする(34)。尚、ウェハの処理する順序は以下のように製品処理条件として設定する。
【0055】1)ウエハの運転モードを選択する。
【0056】「1カセット1レシピ並列」、「2カセット1レシピ並列」、「2カセット2レシピ並列」、「1カセット1レシピ直列」のいずれかを選択
2)ウエハの搬送経路を設定する。
【0057】カセット毎にウエハの処理経路をプロセス処理装置の記号を使ってパラレルまたはシリーズ処理を設定する。代表的な設定例を以下に示す。(ウエハ処理経路は、前述のように組み合わせが可能である)
2ー1)パラレル処理の場合:
カセット7-1:E1→A1、カセット7-1:E2→A2
カセット7-2:E1→A1、カセット7ー2:E2→A2
E1:プロセス処理装置2ー2、E2:プロセス処理装置2ー3
A1:プロセス処理装置2ー1、A2:プロセス処理装置2ー4
2ー2)シリーズ処理の場合:
カセット7-1:E1→E2→A1
カセット7-2:E2→E1→A2
3)プロセス処理室毎にプロセス処理条件(プロセスレシピともいう)を設定する。
【0058】以上の製品処理条件を設定した後、自動運転開始の起動をかける。
【0059】図8は、自動運転フロー図を示す。自動運転を開始すると、処理すべきウェハを全て搬送したかを判断し、搬送済であれば処理が終了し、搬送が必要であれば、自動運転処理に進む(40)。自動運転中に異常等が発生し、運転が一時中断した状態にあるか否かを判断する(42)。異常が無ければ、運転を続行する(44へ)。運転に使用できないプロセス処理装置がある場合は、該プロセス処理装置を使わないで運転続行が可能か否かをオペレータが判断する(70)。続行が不可能な場合は、オペレータが自動運転の中止設定を行うことにより、装置は自動運転停止処理を行う(90)。続行が可能な場合でも、プロセス処理装置にウェハが残っている場合、真空ロボットのハント゛上にウェハが残っている場合、ロート゛ロック室やアンロート゛ロック室にウェハが残っている場合等がある。
【0060】このように自動運転中に異常が発生し、自動運転の続行ができなくなり自動運転が一時中断した状態から引き続き自動運転を再開し、続行するため、異常が発生した機器内に残存しているウェハを元のカセットに搬出する処理を行なう。これは自動運転中に異常が発生した時点では処理装置内の全ウェハの搬送・処理のスケシ゛ュールが確定しているため、異常が発生した機器にあるウェハを取り出したカセット7に戻さないとウェハの搬送・処理のスケシ゛ュールが狂ってしまい、自動運転の一時中断状態からの再開、自動運転続行ができなくなるためである。また、他の実施例として異常が発生した機器内に残存しているウェハを元のカセットに搬出しないで該ウエハを異常が発生した機器内に残存させたまま仕掛かりのウエハについて一時中断状態からの再開、自動運転を続行させひとまとまりの処理を終了させ、自動運転を終了させた後、残存しているウエハを元のカセットに戻すことも可能である。他の実施例として該ウエハを元のカセットに搬出したようにウエハ情報の変更を行なうことも可能である。例えば、異常発生で処理装置内に残存しているウエハをそのままにしておき、該ウエハを元のカセットに搬出したようにウエハ情報の変更を行なった上で、仕掛かりのウエハについて一時中断状態からの再開、自動運転を続行させひとまとまり(1ロット)処理を終了させ、自動運転を終了させた後、残存しているウエハを元のカセットに戻す場合に用いられる。処理装置内に残存しているウェハの処置例を以下に示す。
【0061】装置内に残存ウェハがあるか否か判断する(72)。装置内に残存しているウエハをそのままにして運転を継続するか否かを判断する(73)。装置内に残存しているウエハをそのままにして運転を継続する場合は、該ウエハを該ウエハを元のカセットに搬出したようにウエハ情報の変更を行う(77)。装置内に残存しているウエハをそのままにして運転を継続しない場合は、残存しているウェハのうちエッチンク゛処理をするか否かを判断する(74)。処理室内に残存しているウェハのうち、エッチンク゛処理の途中で異常が発生した場合は、残りのエッチング処理を実施した後(76)、ウェハを元のカセットに戻す(78)。これはできうる限りウェハを救済するために行なうものである。また真空ロボットのウェハハント゛上にウェハが残っている場合や、ロート゛ロック室アンロート゛ロック室にウェハが残っている場合は、機器個別の操作(ロック室の排気/リーク,ウェハの搬送)を行なって、そのウェハを元のカセットに戻す(78)。以上のように異常の発生した機器にあったウェハは必要な処置を実施し元のカセットに戻した後、一時中断していた自動運転を再開する操作を行なう。このようにすることで異常が発生した機器(処理室や真空ロボット等)にあったウェハのトラッキンク゛情報は、正常な経路で処理されたのと同等となり、自動運転が再開できることになる。以上のような処理装置内に残存していたウェハの処置を行なった後、使用しないプロセス処理装置に対して図7の(32)にて示した内容と同じ運転情報信号発生手段の切り替え操作(80)を行う。異常発生情報をリセットし(82)、自動運転を続行する。
【0062】正常な運転状態では、次のウェハの搬送経路を処理順序情報記憶手段16に記憶されてある情報を読み出し(44)、運転情報信号記憶手段17に記憶されてある情報と整合処理し搬送順路を決定する(46)。決定した搬送順路はカセットより搬出するウェハ毎に搬送順路テ゛ータを持っても良いし、処理順序情報記憶手段16とは別の処理順序情報テーフ゛ルを作成し、ウェハを搬送する際には、このテーフ゛ルを参照するようにしても良い。搬送順路が決定すると大気ロボット8はカセット7よりウェハを搬出し(48)、上記決定した搬送順路に登録されてあるプロセス処理装置に搬送し(50)、ウェハの処理を行う(52)。このウェハ搬送処理及びプロセス処理で異常が発生した場合は、引き続き自動運転を継続する為に処理続行可能な処理はその個々の処理を終了させるまで実行した後、自動運転を一時中断状態にする。(例えばN枚目のウェハのエッチンク゛処理中であれば、そのN枚目のウェハのエッチンク゛処理が終了するまでエッチンク゛処理を継続し、終了した時点で自動運転を一時中断する。また真空ロボット5によるウェハ搬送中に他の処理で異常が発生したら、真空ロボット5は、所定の場所へのウェハ搬送を終了した時点で自動運転を一時中断する。)この後異常発生したことを示す異常発生情報(図示は無し)を記憶させた後、装置を一時中断状態にオペレータに中断したことを表示手段13に表示するとともに図示しないフ゛サ゛ーを鳴らす。この後(42)に戻り、所定のフローで処理する。
【0063】図9は、異常発生後の自動運転再開処理図を示す。以下に図8で述べた自動運転中に異常が発生した後の自動運転再開迄の処理について説明する。図Aは表1での「1カセット1レシピ並列運転」の運転モードでウエハの搬送経路が
カセット7-1:E1→A1及びE2→A2
カセット7-2:E1→A1及びE2→A2にて運転し、E2では(N)枚目のウエハがエッチング処理中でA1では(Nー1)枚目のウエハが後処理中の時に図Bに示すようにE2で異常が発生すると、エッチング処理は終了しA1の(Nー1)枚目のウエハは後処理終了後、アンロードロック室4に搬出しないで自動運転を一時中断する。E2で異常の発生した(N)枚目ウエハについては図7の76と78の処置を行う。その後E2とA2については図8の80の運転情報信号発生手段による切替操作として図7の説明で説明した1)または2)または3)の操作を行い、図5で示したようにプロセス処理装置3(E2)、プロセス処理装置4(A2)の運転情報を「無効:0」とする。この後異常発生情報をリセット(図8の80)し、自動運転を再開する。再開後は図CのようにA2の(Nー1)枚目のウエハはアンロードロック室4に搬送され、以降はE1とA1とを使って処理を続行する。
【0064】次に、運転情報を「無効:0」としたプロセス処理装置3(E2)、プロセス処理装置4(A2)については、補助操作盤22を使って異常原因を究明する為にプロセス処理装置3(E2)、プロセス処理装置4(A2)に対して機器動作を行う為の操作入力が行える。例えば、プロセス処理装置3(E2)内の本図に示していないウエハ押し上げ操作を行い動作を確認する。
【0065】このような操作により異常原因を対策でき、「無効:0」としたプロセス処理装置3(E2)、プロセス処理装置4(A2)をウエハの処理経路に復帰させる手順を以下に示す。次に図Cの運転中に自動運転の中断操作を行い、運転モードの処理経路から切り離したE2とA2とを有効と設定することで図Aに移行することができ、運転モードでウエハの搬送経路が
カセット7-1:E1→A1及びE2→A2
カセット7-2:E1→A1及びE2→A2にて運転できる。
【0066】図10は、自動運転中の処理装置運転切り離し処理図を示す。以下に図8で述べた自動運転中にE2とA2を自動運転処理経路から切り離した後自動運転を再開する処理について説明する。図Aは図9の図Aの運転経路と同じである。表1での「1カセット1レシピ並列運転」の運転モードでウエハの搬送経路が
カセット7-1:E1→A1及びE2→A2
カセット7-2:E1→A1及びE2→A2にて運転し、E2では(N)枚目のウエハがエッチング処理中でA1では(Nー1)枚目のウエハが後処理中の時に図Aに示すようにE2とA2に運転停止操作により停止指示が出されると、A1の(Nー1)枚目のウエハは後処理終了後、元のカセットに戻され、(N)枚目のウエハのエッチング処理が終了しA2に搬送され後処理終了後元のカセットに戻される。ところで、E2とA2は運転停止状態となっている為(N+1)枚目以降のウエハは、E1とA1とを使って運転が続行される。
【0067】上記では、自動運転中にE2とA2を自動運転処理経路から切り離す手段として運転停止操作により停止指示を出すことで切り離しを行ったが、別の方法として処理装置内に組み込んだ検出器の機能によって停止指示を出すこともできる。一例としては、処理装置内に組み込んだ異物モニタ装置からの異物測定モニタ値が運転前に設定した設定値を超過したことを検知し、この超過した信号をもって自動運転中にE2とA2に停止指示を出すことで運転停止操作と同じ機能を行える。
【0068】また切り離したプロセス処理装置をウエハの搬送経路に復帰させる手順は、図9の説明で示した内容と同じである。
【0069】図11は、パイロットカセット処理図を示す。これは自動運転中に割り込み特急処理を行い、その処理終了後は元の処理を再開し続行するものである。以下に図8で述べた自動運転中に特定の(この場合はE2とA2とする)処理装置を現在運転中の運転モードの処理経路から切り離し、その切り離したE2とA2とを使ってそれまでに運転していたプロセス処理条件とは異なるプロセス処理条件で処理するカセット(このカセットのことをパイロットカセットと呼ぶ)を割り込んで処理後、元の自動運転を再開し続行する処理について説明する。図Aは図9での運転経路と同じである。表1での「1カセット1レシピ並列運転」の運転モードでウエハの搬送経路が
カセット7-1:E1→A1及びE2→A2
カセット7-2:E1→A1及びE2→A2にて運転し、E2ではカセット7-1の(N)枚目のウエハがエッチング処理中で、A1でのカセット7-1の(Nー1)枚目のウエハが後処理中の時に図Aに示すようにE2とA2を使った割り込み特急処理を行う為に自動運転の中断操作を行う。E2とA2に運転停止操作により停止指示が出されると、A1の(Nー1)枚目のウエハは後処理終了後、元のカセットに戻され、(N)枚目のウエハはエッチング処理が終了しA2に搬送され後処理終了後元のカセットに戻される。ところで、E2とA2は運転停止状態となっている為(N+1)枚目以降のウエハは、E1とA1とを使って運転が続行される(図C)。E1とA1とを使った運転中に、E2とA2とを使った割り込み特急処理のカセットがカセット7ー2に置かれ割り込み処理の起動運転が掛かけられる(図C)とその時迄にカセット7-1から抜き出されたウエハが全て処理されカセット7-1に搬入後、カセット7-1内ウエハのE1とA1とを使った運転は一時中断状態となり、割り込み特急処理用のカセット7-2内ウエハの処理が開始される(図D)。カセット7-2のウエハについては順次E2→A2の処理を行いカセット7-2に搬入する。パイロットカセットの処理が終了すると割り込み処理終了と一時中断状態の運転の再開設定を行い、中断していたカセット7-1からウエハの処理が再開する(図Cの状態に戻る)。次に図Cに戻った状態で運転中に自動運転の中断操作を行い、運転モードの処理経路から切り離したE2とA2とを有効と設定することで図Aに移行することができ、運転モードでウエハの搬送経路が
カセット7-1:E1→A1及びE2→A2
カセット7-2:E1→A1及びE2→A2にて運転できる。
【0070】図12は、真空処理装置における処理装置切り離しの為の構成図を示す。プロセス処理装置2-1?2-4は、処理用ガスライン毎にエアオペレーションバルブ駆動用エア-ラインを遮断できる構造とし、手動開閉用のバルブを設けている。又放電用電源ユニットに供給している電源を遮断できる構造とし、電源ライン毎にON/OFFできるブレーカを設けている。本図では“1カセット1レシピ並行う運転について述べる。又、実施例説明の上で特に説明しないプロセス処理装置への上記対応内容の図示は省いてある。
【0071】装置運転経路としては、経路Aと経路Bを使った運転となるが(図1の実施例の説明を参照)プロセス処理装置2-2ではメンテナンス作業を行う為、プロセス処理装置2-1においてもガスラインのエアオペレーションバルブ駆動用エア-ラインの手動開閉用のバルブを閉とし、且つ放電用電源ユニットに供給している電源ライン毎のブレーカをOFFとした後、図7で示す装置運転を行う。よって、メンテナンス中のプロセス処理装置に誤って処理用ガスを流す操作を行っても、ガスラインのエアオペレーションバルブ駆動用エア-ラインを遮断されている為処理用ガスは流れることはない。放電用電源を誤ってONしても放電用電源ユニットに供給している電源が遮断されている為、感電することがない。このように作業者が稼動している装置の機側に立ち、装置及び機器にメンテナンスする作業と通常のウエハ処理とを並行して運転する場合でも“誤操作”により処理用ガスを流したり、放電用電源をONして感電するといった作業者へ危害を及ぼすことが阻止でき、作業業者に対する安全性の確保ができる。
【0072】図13は、主操作部と補助操作盤との操作上のインターロックのフロー図を示す。図1で示した装置構成で主操作部11で装置操作を実施している途中にプロセス処理装置2ー2に対して補助操作盤22を用いて操作を行う場合の操作上のインターロックを示す。
【0073】補助操作盤でプロセス処理装置2ー2の装置操作を実施する前に主操作部11から補助操作盤22にプロセス処理装置2ー2の操作権を渡す(110)とその操作権を補助操作盤22から受領するまで主操作部11からはプロセス処理装置2ー2への操作のみできなくなる(116)。補助操作盤22がプロセス処理装置2ー2の操作権を受領すると(104)、補助操作盤22でのプロセス処理装置2ー2の操作が可能となる(108)。補助操作盤22でのプロセス処理装置2ー2の操作が終了すると(110)、補助操作部22から主操作部11にプロセス処理装置2ー2の操作権を渡す(112)と補助操作盤22からはプロセス処理装置2ー2への操作はできない(114)。主操作部11がプロセス処理装置2ー2の操作権を受領すると(116)、主操作部11でのプロセス処理装置2ー2の操作が可能となる(118)となり、主制御部11からは全てのプロセス処理装置に対する操作が可能となる(120)。
【0074】以上に述べた内容でも分かるように故障等で運転に使用できない、又は修復や保守(フ゜ラス゛マクリーニンク゛も含む)の為使用しないプロセス処理装置は、運転情報信号記憶手段17に記憶されており、装置制御手段はこの情報を参照して運転を進める為、無効と設定したプロセス処理装置に搬送することはない。又この無効と設定したプロセス処理装置では、修復、保守及び不具合原因を行うために、続行している自動運転中のウェハ処理と並行してメンテナンス操作として作業者が装置の機側ではなく装置から離れた状態での装置操作(例えば、フ゜ラス゛マクリーニンク゛処理、カ゛スライン排気処理、ウェハフ゜ッシャーの押上げ/押下げ動作)を行なうことができる。又、無効と設定したプロセス処理装置に対して装置の機側で修復、保守及び不具合原因のための操作入力する場合は前述の補助操作盤22を用いることになる。ところで通常生産ラインでは、図1に示す大気搬送装置6がクリーンルーム側に搬送処理装置1、プロセス処理装置2-1?2-4は、メンテルーム側に設置されており、クリーンルーム側とメンテルーム側との間は、ハ゜ーテーションで区切られており、片側から他方は、充分に視界がきかない場合がある。また補助操作盤22は、主制御部11にも接続されているが、補助操作盤22は主制御部11とは、普通は離れた場所でかつ別々の人が操作することがある。このような場合に、どちらの操作部でも操作ができるようにしておくと、特に機側で補助操作盤22を用いて操作する場合、操作しているオペレータに対して安全上の災害の発生させることが考えられるため、この災害を防止するため補助操作盤22を用いて機側でプロセス処理装置に操作(例えばウエハ押し上げの上昇/下降操作)を行なう時は、主制御部11では機器への操作ができないように図13で示したした操作上のインターロックをかけている。
【0075】以上の内容でもって、自動運転中にその処理に使用していない処理室を使った処理、及びその処理室への操作ができ片肺運転を実行することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、運転途中に或プロセス処理装置が故障等で使用できなくなった場合や、運転開始時点で修復や保守の必要のあるプロセス処理装置がある状態で運転を開始する場合や、運転途中に或プロセス処理装置の運転を中断させ他の有効なプロセス処理装置を使って運転中に、先に中断させたプロセス処理装置を運転再開する場合に、装置運転続行の処置を施すことで運転続行が可能となるようにしたことにより、プロセス処理を行う複数のプロセス処理装置と、ウェハの搬送を行う搬送処理装置で構成された真空処理装置では、複数ある処理室の内、どれかが故障等で使用できなくなった場合でも運転続行ができ、又運転開始時修復や保守する必要のあるプロセス処理装置がある場合でも、正常なプロセス処理装置を使って運転でき、装置の稼働率を向上することができる。又、正常にウエハ処理する通常運転と並行して異常な処理室を復旧したり、定期的に実施するメンテナンスする作業を装置の機側で行う場合、誤って操作を行うことにより処理用ガスを流れたり、誤って放電用電源をONすることにより感電することがないように作業者への危害を阻止することで作業者に対する安全性の確保が図れる真空処理装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による真空処理装置の一実施例を示す平面図である。
【図2】本発明による真空処理装置の他の実施例を示す平面図である。
【図3】本発明によるクリーニング運転のフロー図である。
【図4】図1の一実施例の真空処理装置における装置制御手段の制御構成図である。
【図5】図1の一実施例の真空処理装置における装置制御手段の運転情報信号を示す図である。
【図6】図1の一実施例の真空処理装置における装置制御手段の処理順序情報を示す図である。
【図7】図1の一実施例の真空処理装置における装置制御手段の自動運転のフロー図である。
【図8】図7の自動運転フローの詳細を示すフロー図である。
【図9】図1の一実施例の真空処理装置における異常発生後の自動運転再開処理時の動作状態を示す図である。
【図10】図1の一実施例の真空処理装置における自動運転中の処理装置運転切り離し処理の動作状態を示す図である。
【図11】図1の一実施例の真空処理装置における自動運転中のパイロットカセット処理時の状態変化を示す図である。
【図12】真空処理装置における処理装置切り離しの為の構成図である。
【図13】主操作部と補助操作部との操作上のインターロックのフロー図を示す。
【符号の説明】
1…搬送処理装置、2-1,2,3,4…プロセス処理装置、3,3A…ロート゛ロック室、4,4A…アンロート゛ロック室、5…真空ロボット、6…大気搬送装置、7…カセット、8…大気ロボット、11…主制御部、12…中央制御手段、13…表示手段、14…入力手段、15…装置制御手段、16…処理順序情報記憶手段、17…運転情報信号記憶手段、19-1,2,3,4…運転情報信号発生手段、20,21…通信手段、22…補助操作盤、23…中央制御手段、24…端末制御手段、25…入力手段、26…表示手段、27,28…ブレーカ、29,30…手動バルブ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2010-03-05 
結審通知日 2010-03-10 
審決日 2010-03-25 
出願番号 特願平9-223339
審決分類 P 1 113・ 121- ZA (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 柴沼 雅樹  
特許庁審判長 野村 亨
特許庁審判官 佐々木 一浩
菅澤 洋二
登録日 2002-12-27 
登録番号 特許第3384292号(P3384292)
発明の名称 真空処理装置の運転方法及び真空処理装置  
代理人 特許業務法人武和国際特許事務所  
代理人 石塚 利博  
代理人 飯島 大輔  
代理人 石塚 利博  
代理人 飯島 大輔  
代理人 飯島 大輔  
代理人 石塚 利博  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  
代理人 アイアット国際特許業務法人  

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