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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D |
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管理番号 | 1218562 |
審判番号 | 不服2009-4429 |
総通号数 | 128 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-08-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-03-02 |
確定日 | 2010-06-18 |
事件の表示 | 平成11年特許願第317821号「折り畳みコンテナー」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 5月15日出願公開、特開2001-130553〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は,平成11年11月9日の特許出願であって,平成21年1月28日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年3月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに,明細書を対象とする手続補正がなされたものである。 第2.平成21年3月2日付けの手続補正についての補正却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 平成21年3月2日付けの手続補正(以下,「本件補正」という)を却下する。 〔理由〕 1.本件補正の概要 本件補正は,平成20年8月22日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲に記載された 「【請求項1】底部と,底部の相対する長辺部にヒンジ連結された長側壁と,底部の相対する短辺部にヒンジ連結された短側壁とからなり,組み立てられた状態から,短側壁を,先ず最初に,底部の上に折り畳み,次いで,長側壁を,短側壁の上に折り畳むことにより,折り畳まれた状態の長側壁及び短側壁の間に,手が入るスペースが形成されるように構成されている折り畳みコンテナーにおいて,短側壁の両端部に形成された係合部には,その先端面が,短側壁の垂直辺に向かって,下方に傾斜した傾斜面を有するブロックが形成されており,また,長側壁の両端部に形成された係合部には,折り畳みコンテナーが組み立てられた際に,前記短側壁の係合部に形成されたブロックが嵌合される間隙が形成されており,折り畳まれた状態の長側壁及び短側壁の間に形成されたスペースに手を入れて,短側壁を,垂直方向に回動させた際には,短側壁の両端部に形成された係合部のブロックが,長側壁の内壁面に当接し,短側壁の垂直方向への回動により,長側壁が垂直方向に回動するように構成されていることを特徴とする折り畳みコンテナー。」 を,以下のとおりに補正するものである。 「【請求項1】底部と,底部の相対する長辺部にヒンジ連結された長側壁と,底部の相対する短辺部にヒンジ連結された短側壁とからなり,組み立てられた状態から,短側壁を,先ず最初に,底部の上に折り畳み,次いで,長側壁を,短側壁の上に折り畳むことにより,折り畳まれた状態の長側壁及び短側壁の間に,手が入るスペースが形成されるように構成されている折り畳みコンテナーにおいて,短側壁の両端部に形成された係合部には,その先端面が,短側壁の垂直辺に向かって,下方に傾斜するとともに,短側壁の垂直辺に沿った側面とのなす角度が鈍角に形成された傾斜面を有するブロックが形成されており,また,長側壁の両端部に形成された係合部には,折り畳みコンテナーが組み立てられた際に,前記短側壁の係合部に形成されたブロックが嵌合される,上端水平リブと係合水平リブとにより間隙が形成されており,折り畳まれた状態の長側壁及び短側壁の間に形成されたスペースに手を入れて,短側壁を,垂直方向に回動させた際には,短側壁の両端部に形成された係合部のブロックが,長側壁の内壁面に当接し,短側壁の垂直方向への回動により,長側壁が垂直方向に回動するように構成されていることを特徴とする折り畳みコンテナー。」 請求項1の補正は,「ブロックの傾斜面」について,「短側壁の垂直辺に沿った側面とのなす角度が鈍角に形成された」との限定を付すとともに,「ブロックが嵌合される間隙」について,「上端水平リブと係合水平リブとにより」形成されることを限定するものであり,産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更するものではない。 したがって,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで,本件補正後の請求項1に記載された発明(以下,「本願補正発明」という)が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について検討する。 2.引用刊行物 (1)原査定の拒絶の理由に引用された特開平9-267831号公報(以下,「引用例1」という)には,図面とともに,次の事項が記載されている。 (1-a)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,長方形状の底板の対向する長辺に回動自在に取付けた長辺側の側板と対向する短辺側に回動自在に取付けた短辺側の側板とを,短辺側の側板を倒した上に長辺側の側板を倒した状態で折り畳み且つ長辺側の側板を起立させた後に短辺側の側板を起立させて箱形状に組み立てる折り畳みコンテナに関するものである。」 (1-b)「【0008】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態につき説明する。合成樹脂製の長方形状の底板1の対向する長辺側の辺には長辺側の側板2が回動自在に取付けてあり,また,底板1の対向する短辺側の辺には短辺側の側板3が回動自在に取付けてある。 【0009】長辺側の側板2,短辺側の側板3はいずれも下端部に設けた横軸部9を底板1に設けた軸受け部10の軸受け用横孔にはめ込むことで長辺側の側板2,短辺側の側板3をそれぞれ底板1に回動自在に取付けてある。ここで,長辺側の側板2の底板1への枢支部分の高さ位置と,短辺側の側板3の底板1への枢支位置とは高さを違わせてあり,短辺側の側板3の枢支部分の高さ位置よりも長辺側の側板2の枢支部分の高さ位置を高くしてあり,折り畳み状態で図7,図8に示すように底板1に先に短辺側の側板3を折り畳んで底板1に重ね,次に,長辺側の側板2を折り畳んで短辺側の側板3の上に重ねるようになっている。」 (1-c)「【0014】このように長辺側の側板2の起立状態を保持した状態で,次に,短辺側の側板3を回動して起立させるのである。この際,上記のように長辺側の側板2の起立状態を保持されているので,長辺側の側板2の起立状態を手で支持していなくても内側に倒れることがなく,したがって,長辺側の側板2を手で支持することなく短辺側の側板3を手で持って回動操作して起立させることができ,この場合,対向する両短辺側の側板3をそれぞれ手で持って同時に回動して起立させることもできるものである。 【0015】上記のように短辺側の側板3を起立させて,長辺側の側板2の端部と短辺側の側板3の端部とを係止手段により着脱自在に係止して長辺側の側板2の端部と短辺側の側板3の端部とを連結することで箱状に組み立てた状態を保持するものであり,この状態でコンテナ4として使用するものである。ここで,長辺側の側板2と短辺側の側板3とを起立させた状態で係止する係止手段につき図13乃至図15に基づいて説明する。 【0016】長辺側の側板2の両端部には短辺側に向けて少し膨出した柱状部20が設けてあり,この柱状部20は長辺側の側板2の内面側に沿う方向に向けて開口する上下複数の係止凹部21と,連結用溝部22が形成してあり,連結用溝部22には長辺側の側板2の長手方向と直交する方向(つまり短辺側の側板3の長手方向と平行な方向)の連結用係合部23が設けてある。一方,短辺側の側板3の両側端部の外面部側が凹ませてあって段部24となっており,この段部24の上部の外面部から外方(つまり側板3の外面側)に向かって上下複数の係止突起25と,連結用突部26とが突設してあり,連結用突部26の上面部には短辺側と平行な連結用被係合部27(添付図に示す実施形態では突条部により連結用被係合部27が構成してある)が設けてある。 【0017】そして,既に述べたようにして長辺側の側板2を起立させた状態で,短辺側の側板3を回動して起立させると,図1に示すように,柱状部20に段部24が当たって短辺側の側板3が外側に倒れるのが防止され,また,柱状部20が短辺側の側板3の端面に当たって長辺側の側板2が内側に倒れるのが防止され,また,複数の係止突部25がそれぞれ複数の係止凹部21に嵌まり込んで係止突部25の側面部25aが係止凹部21の側面部21aに当たることで長辺側の側板2が外側に倒れるのが防止され,また,連結用突部26が連結用溝部22にはめ込まれた状態で連結用係合部23に連結用被係合部27を係合して短辺側の側板3が内側に倒れるのを防止している。」 (1-d)図17を参照すると,コンテナ4が折り畳まれたときに,平面視上,一対の長辺側の側板2と一対の短辺側の側板3の内側に矩形状のスペースが存在することが看てとれる。 (1-e)図15(b)を参照すると,係合凹部21は,水平方向に設けられた上側のリブと下側のリブとの間に形成されていることが看てとれる。 以上を総合すると,引用例1には,次の発明(以下,「引用発明1」という)が記載されているといえる。 「長辺側の側板2及び短辺側の側板3の下端部に設けた横軸部9を底板1に設けた軸受け部10にはめ込むことで,長辺側の側板2及び短辺側の側板3をそれぞれ底板1に回動自在に取付けてなる折り畳みコンテナであって,先に短辺側の側板3を折り畳んで底板1に重ね,次に,長辺側の側板2を折り畳んで短辺側の側板3の上に重ねるようになっており,折り畳まれたときに,平面視上,一対の長辺側の側板2と一対の短辺側の側板3の内側に矩形状のスペースが存在し,また,長辺側の側板2の両端部に設けられた柱状部20には,水平方向に設けられた上側のリブと下側のリブにより区画された係止凹部21が形成され,短辺側の側板3の両側端部に形成された段部24には係止突起25が突設され,長辺側の側板2を起立させた状態で短辺側の側板3を回動して起立させると,該係止突部25が該係止凹部21に嵌まり込んで長辺側の側板2が外側に倒れるのを防止するようにした折り畳みコンテナ。」 (2)同じく原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-137738号公報(以下,「引用例2」という)には,図面とともに,次の事項が記載されている。 (2-a)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は折り畳みコンテナに関し,特に,各側板が取り付けられた矩形状の枠部をもち上げるように操作することにより容易に組み立てることのできる折り畳み式コンテナに関する。」 (2-b)「【0011】本実施例において重要な構成は図2に示すように,短側板8の先端角部9の板厚み方向の側面が特定方向に傾斜した傾斜面11に構成されていることである。すなわち,コンテナ組み立て時におけるこの短側板の回転方向(矢印A方向)の前面側12に向って長側板4,5から後退する(コンテナ内方側寄りに後退する)ような傾斜面11が構成されている。このように短側板8の先端角部9がコンテナ組み立て時の回動方向における前面側12に向って長側板から後退する逃げ傾斜面11が設けられたことで,この短側板8の回動(組み立て時)のときに,この前面側12の前面角部19が下長側板5に当たることがなく,傾斜面11が下長側板5の上縁15に当接し,このときに短側板8の回動力によってこの上縁15をコンテナ外方に向って押圧する分力を生じさせることができ,短側板8の回転を阻止するような引っ掛かり状態を回避することができる。すなわち,短側板8の角部9と下長側板5の上縁15との引っ掛りを回避すると共に,短側板8の押し込み時の円滑な動きを保証することができる。この傾斜面11は直線的でもまた適宜曲率で湾曲した形状の何方でもよい。」 上記記載事項及び図面の記載から,引用例2には,次の発明(以下,「引用発明2」という)が記載されているといえる。 「折り畳みコンテナにおいて,回動する側板が他の側板と当接する部位に傾斜面を形成することにより,引っ掛かりを回避すること」 3.対比・判断 本願補正発明と引用発明1とを対比する。 引用発明1の「底板1」,「長辺側の側板2」,「短辺側の側板3」,「係止突起25」,「水平方向に設けられた上側のリブと下側のリブ」及び「係止凹部21」は,それぞれ本願補正発明の「底部」,「長側壁」,「短側壁」,「ブロック」,「上端水平リブと係合水平リブ」及び「隙間」に相当する。 引用発明は,折り畳まれたときに,平面視上,一対の長辺側の側板2と一対の短辺側の側板3の内側に矩形状のスペースが存在するものであって,該スペースに手を入れることが可能であることは明らかであるから,本願補正発明の「折り畳まれた状態の長側壁及び短側壁の間に,手が入るスペースが形成されるように構成されている」との要件を備える。 したがって,本願補正発明と引用発明1は,本願補正発明の表記にしたがえば, 「底部と,底部の相対する長辺部にヒンジ連結された長側壁と,底部の相対する短辺部にヒンジ連結された短側壁とからなり,組み立てられた状態から,短側壁を,先ず最初に,底部の上に折り畳み,次いで,長側壁を,短側壁の上に折り畳むことにより,折り畳まれた状態の長側壁及び短側壁の間に,手が入るスペースが形成されるように構成されている折り畳みコンテナーにおいて,短側壁の両端部に形成された係合部にはブロックが形成されており,また,長側壁の両端部に形成された係合部には,折り畳みコンテナーが組み立てられた際に,前記短側壁の係合部に形成されたブロックが嵌合される,上端水平リブと係合水平リブとにより間隙が形成されている折り畳みコンテナー。」 の点で一致し,次の点で相違する。 [相違点1] 本願補正発明は,折り畳まれた状態の長側壁及び短側壁の間に形成されたスペースに手を入れて,短側壁を垂直方向に回動させた際には,短側壁の両端部に形成された係合部のブロックが,長側壁の内壁面に当接し,短側壁の垂直方向への回動により,長側壁が垂直方向に回動するように構成されているのに対し,引用発明1は,そのような構成になっていることが明らかでない点。 [相違点2] 本願補正発明のブロックは,その先端面が,短側壁の垂直辺に向かって,下方に傾斜するとともに,短側壁の垂直辺に沿った側面とのなす角度が鈍角に形成された傾斜面を有するのに対し,引用発明1の係止突起25はそのような傾斜面をもたない点。 相違点1について検討する。引用発明1は,折り畳まれた状態では,長辺側の側板2が短辺側の側板3の上に重なっており,平面視上,一対の長辺側の側板2と一対の短辺側の側板3の内側に手を入れることが可能なスペースが存在するから,該スペースに手を入れて短辺側の側板3を回動することができ,短辺側の側板3を回動して起立させれば,短辺側の側板3の両端部が長辺側の側板2の内壁面に当接し,長辺側の側板2も回動して起立することは,その構造上,自明な事項である。ここで,短辺側の側板3を回動した際に,最初に長辺側の側板2の内壁面に当接するのは,段部24から板厚方向に垂直に立ち上がる矩形状の平面の頂点(角部)と考えられるが,短辺側の側板3の起立角度が大きり,長辺側の側板2の起立角度も大きくなれば,該頂点は長辺側の側板2の内壁面から離れ,段部24に突設された係止突起25(複数の係止突起25のうち,横軸部9から離れた位置にある係止突起25)が長辺側の側板2の内壁面に当接することは容易に推察される。そうしてみると,相違点1は,実質的な相違点とはいえない。 相違点2について検討する。引用発明1の折り畳みコンテナは,長辺側の側板2を起立させた状態で短辺側の側板3を回動して起立させるものであるが,その構造上明らかなように,長辺側の側板2が短辺側の側板3の上に重なった状態で,短辺側の側板3を回動することにより,長辺側の側板2も押し上げて回動することができるものでもあり,実際にそのような使い方をするケースも十分に想定される。その場合,短辺側の側板3が長辺側の側板2の内壁面に当接する際の引っ掛かりを回避するため,長辺側の側板2の内壁面に当接することとなる係止突起25の先端に傾斜面を形成すること,すなわち,相違点2は,引用発明2を参酌することにより,当業者が容易に想到し得たことである。 したがって,本願補正発明は,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができない。 なお,本願明細書中の以下の記載によれば,折り畳まれた状態の長側壁及び短側壁の間に形成されたスペースに手を入れて,短側壁を垂直方向に回動することにより,長側壁も垂直方向に回動させることは,従来技術であると認識されている。上記相違点2の検討において,「実際にそのような使い方をするケースも十分に想定される」としたことは,この点を踏まえても妥当なものといえる。 「【0002】 【従来の技術】 従来,図3に示されているように,平面形状が長方形の底部1の相対する長辺部1aに,適当なヒンジ部により連結された長側壁2と,同じく上記底部1の相対する短辺部1bに,適当なヒンジ部により連結された短側壁3とからなる折り畳みコンテナーが知られており,折り畳み状態においては,底部1の上に短側壁3が重なるように折り畳まれ,更にその上に,長側壁2が折り畳まれており,折り畳まれた状態の長側壁2及び短側壁3の間には,手が入るスペースSが形成されている。 【0003】 そして,折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを,図4に示されているように組み立てる際には,折り畳まれた状態の長側壁2及び短側壁3の間に形成されたスペースSに手を入れて,両方の短側壁3の上端を持って,短側壁3を,垂直方向に回動させると,短側壁3の上部角部付近が,長側壁2の内壁面2aに当接し,短側壁3の垂直方向への回動により,長側壁2も垂直方向に回動することになる。従って,作業者が,両方の短側壁3の上端を手で持って,短側壁3を,垂直方向に回動させるだけの操作により,作業者が,長側壁2に触れることなく,長側壁2も,同時に,垂直方向に回動し,図3に示されている,折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーが,図4に示されているように組み立てられることになる。」 本願補正発明の折り畳みコンテナーも,引用発明1の折り畳みコンテナも,折り畳まれた状態にある長側壁(長辺側の側板2)と短側壁(短辺側の側板3)を回動起立させるに際して,長側壁を回動起立させてから短側壁を回動起立することも可能であるし,短側壁を回動起立させることによって長側壁も同時に回動起立させることも可能なものであるといえる。 4.むすび 以上のとおりであるから,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明 本件補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という)は,平成20年8月22日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである(「第2」の「1.本件補正の概要」参照) 第4.引用刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物及びその記載事項は,前記「第2」の「2.引用刊行物」に記載したとおりである。 第5.対比・判断 本願発明は,本願補正発明から,前記「第2」の「1.本件補正の概要」に記載した限定を外したものである。 してみると,本願発明の発明特定事項をすべて含み,さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が,前記「第2」の「3.対比・判断」に記載したとおり,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,同様の理由で当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6.むすび 以上のとおり,本願発明は,引用発明1及び引用発明2に基づいて当業者が容易に発明できたものであって,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって,原査定は妥当であり,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-04-08 |
結審通知日 | 2010-04-13 |
審決日 | 2010-04-27 |
出願番号 | 特願平11-317821 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B65D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高橋 裕一 |
特許庁審判長 |
千馬 隆之 |
特許庁審判官 |
村上 聡 佐野 健治 |
発明の名称 | 折り畳みコンテナー |
代理人 | 平井 保 |