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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1218615
審判番号 不服2007-17907  
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-06-27 
確定日 2010-06-17 
事件の表示 特願2000- 95644「クライアント・コンピュータ、サーバ・コンピュータ、ネットワーク・ランキング・システム、ネットワーク・ランキング方法、課題処理方法および記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成13年10月12日出願公開、特開2001-282952〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1. 手続の経緯

本願の手続の経緯は次に示すとおりである。

平成12年 3月30日 特許出願。
平成18年12月22日 拒絶理由通知(起案日)。
平成19年 3月23日 手続補正。
平成19年 5月 8日 拒絶査定(起案日)。
平成19年 6月27日 拒絶査定不服審判請求。
平成19年 7月27日 手続補正。


2. 本願発明

本願に係る発明は、平成19年7月27日付けの手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至16に記載されたとおりのものであり、その請求項13に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

<本願発明>
「 サーバ・コンピュータとネットワークを介して接続されたクライアント・コンピュータが、該サーバ・コンピュータにより発行された課題に対する処理結果を他のクライアント・コンピュータと相互に競う課題処理方法であって、クライアント・コンピュータが、
クライアント・コンピュータの識別子と、クライアント・コンピュータに対して前記課題に応じた所定の期間につき所定の回数、処理結果を競う課題を発行させる要求とを含む課題要求データをサーバ・コンピュータへ送信する課題要求ステップと、
サーバ・コンピュータから発行された課題を処理する課題処理ステップと、
該クライアント・コンピュータの識別子と前記課題処理ステップにより処理された課題の処理とを含む課題の処理結果とを含むファイルをサーバ・コンピュータへ送信する処理結果送信ステップとを備え、前記課題はコンピュータ・ゲームまたはコンピュータ・ゲームの実行の際に要するデータであることを特徴とする課題処理方法。」


3. 引用例

原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願日前である平成10年10月13日に頒布された刊行物である、特開平10-274919号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

(1a) 「 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーバコンピュータが管理する教材をネットワークを利用して学習者の自席に設置済みのコンピュータで取得した後、テスト問題等の解答をサーバコンピュータに返信し、サーバコンピュータ内で回答の評価を行って学習の支援を行う教育支援システムに係り、特にWWW(World Wide Web)を利用して教育支援を行うシステムに関するものである。」

(1b) 「 【0006】本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、学習者が希望する時刻、場所で各学習者のレベルに応じた学習を支援することができる教育支援システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、教材データベースをネットワーク上の1個所のサーバコンピュータ内に設置し、各学習者は職場あるいは自宅内の自席に設置してあるコンピュータにより、WWWブラウザを用いて教材データベースから教材を取得し、その教材に対する解答をサーバコンピュータに返信し、サーバコンピュータ内で採点評価するようにしたものである。
【0008】詳しくは、本発明は、サーバコンピュータと複数の学習端末から構成し、前記サーバコンピュータには、学習に必要な各種の教材を格納した教材ファイルと、各学習端末から要求された教材を要求元の学習端末に送信する教材送信手段と、送信した教材に対する解答の情報を受信し、解答の評価を行い、各学習端末に返信する評価手段と、評価結果を学習者別に管理する管理手段と、ネットワーク上に存在する他の情報源のネットワークアドレスと教材とを関係付けて記憶したリンク情報ファイルと、学習端末からの要求に応じて教材に関連する情報源のネットワークアドレスを前記リンク情報ファイルから取得し、そのネットワークアドレスを要求元の学習端末に教示する手段とを備え、前記学習端末は、前記サーバコンピュータに学習用の教材を要求し、サーバコンピュータから送信された教材を表示画面に表示する手段と、学習者によって入力された解答をサーバコンピュータに返信する解答返信手段と、教材に関連する他の情報源を外部検索システムを利用して検索する手段とを設けたことを特徴とする。
【0009】ここで、学習端末の各手段は、汎用のWWWブラウザを利用して構成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態では、WWWサーバとWWWブラウザの利用を想定している。
【0011】図1は、WWWサーバとWWWブラウザを利用して構成される本発明の教育支援システムの実施形態を示すシステム構成図である。
【0012】図1において、1は各種処理を実行するWWWサーバ、2はWWWサーバ1の各処理プログラムで使用する各種ファイルを格納する磁気ディスク、3はネットワーク4を通じて各学習端末5a,5b(クライアント)との通信を行うネットワーク装置である。このネットワーク装置3を介してWWWサーバ1は学習者(受講者)に教材を送信し、学習者の解答データを受信する。
【0013】WWWサーバ1は、受講者の理解度を判定し、その受講者の学習レベルに応じた教材を提供する教材発信プログラム11、学習者の解答を採点する試験評価プログラム12、学習者の成績・進捗度合いを一覧表示する個人管理プログラム13、学習端末5a,5bからの要求に応じてネットワーク上に存在する他の情報源から教材に関連する情報を検索し、要求元の学習端末5a,5bに送信する検索文字列送信プログラム14、WWWサーバプログラム15を備えている。
【0014】WWWサーバ1が管理する磁気ディスク2には、試験問題やその試験に対する正解や解説を格納した教材ファイル21、学習者の解答と採点結果を格納する評価結果ファイル22、学習者のID,パスワード,、メールIDなどを格納する個人情報ファイル23がある。ここで、教材ファイル21はシステムに1組、評価結果ファイル22は1学習者につき1組、個人情報ファイル23はシステムに1組ずつ存在する。
【0015】教材ファイル21は、図2に示すように、問題マスタファイル211、正解マスタファイル212、解説マスタファイル213、分野別マスタファイル214、リンク情報ファイル215からなり、リンク情報ファイル215には教材に関連する情報が存在するネットワーク上の他のWWWサーバのネットワークアドレス(具体的にはURL)の一覧が各問題マスタファイル212に1対1に関係付けて格納されている。
【0016】評価結果ファイル22は図3に示すように、個人問題インデックスファイル221、個人解答ファイル222、個人採点結果ファイル223、分野別評価ファイル224から成る。個人情報ファイル23は、図4に示すように、受講者ファイル231から成る。
【0017】問題マスタファイル211は、1問につき1ファイルのHTML形式のファイルであり、問題の内容が格納される。正解マスタファイル212も1問につき1ファイルの形式のファイルであり、問題マスタファイル211に対応する正解の情報が格納される。解説マスタファイル213も1問につき1ファイルのHTML形式のファイルであり、問題マスタファイル211に対応する解説の情報が格納される。また、分野別ファイル214には、問題マスタファイル211を出題分野毎に10?15程度に分類し、各分野に対する問題マスタファイル211のIDが格納されている。
【0018】個人問題インデックスファイル221は、学習者毎に1ファイルづつ作成され、問題マスタファイル211へのIDが格納される。この個人問題インデックスファイル221には1回のテストで50?100問の問題のIDを格納し、1回分のテストの情報を1レコードに格納し、4?20レコード(回)分の問題ID情報が格納される。
【0019】個人解答ファイル222には、各学習者が入力した解答を格納される。この個人解答ファイル222も個人問題インデックスファイル221と同様に、1テスト1レコード、1レコード内に各問題にたいする学習者が入力した解答の情報が格納される。
【0020】個人採点結果ファイル223には、採点処理の結果、学習者の解答した情報が正しいか否かの情報が格納される。このファイル個人採点結果も個人問題インデックスファイル221と同様に、1テスト1レコード、1レコード内に各問題に対して学習者が入力した解答が正解か不正解かの情報が格納される。
【0021】分野別評価ファイル224には、各テスト毎に、分野別マスタファイル214で分類した分野毎の正答率が格納され、学習者はどの分野が苦手であるのかが判別できるようになっている。この分野別評価ファイル224は1回分のテストの正答率の情報を1レコードに格納し、各レコード内には、分野別の正答率が格納される。
【0022】受講者ファイル231は、システムに1ファイル存在し、各学習者のID,パスワード、連絡先、メールアドレス等が格納されている。
【0023】図5は、問題の提示、解答の入力、入力解答の採点、次問題の選定を行う一連の処理を示すフローチャートである。以下、図5を用いて本システムの動作を説明する。
【0024】まず、学習者が初めて本システムにログインして学習する場合、予め作成しておいた全学習者に共通な統一テストをWWWサーバ1から学習端末(クライアント)5a,5bにhttpプロトコルを介して配布する(ステップ51)。
【0025】これにより、学習端末5a,5bでは、WWWブラウザによって統一テスト問題が表示画面上に表示される(ステップ57)。この場合、1回のテストで50?100問まとめて学習端末5a,5bに配布され、表示画面上には1問ずつ表示される。
【0026】これに対し、学習者は1問1答形式で解答の入力を行う(ステップ58)。入力された解答はネットワーク4を通じてhttpプロトコルによってWWWサーバ1に送信される。WWWサーバ1は受信した解答を個人解答ファイル222に格納する(ステップ52)。
【0027】1回のテストの中のすべての問題の解答を入力し終わったら(ステップ59)、学習者は表示画面上の採点ボタンをクリックし、WWWサーバ1に対して採点処理の実行を要求する(ステップ60)。
【0028】WWWサーバ1は、正解マスタファイル212を参照し、個人解答ファイル222に格納した学習者の解答の採点処理を行う(ステップ53)。そして、その採点結果をhttpプロトコルによって解答のあった学習端末に送信し、その学習端末の表示画面に採点結果を表示させる(ステップ61)。この場合、解答が誤りであった場合は、正解を送信し、表示させる。」

(1c) 「 【0032】図4(審決注:この「図4」との記載は、「図6」の誤記であると認められる。)は、本実施形態における学習端末5a,5bの表示画面の例を示す図であり、表示画面600は、テスト問題を表示する問題表示ウィンドウ601、リンク情報ファイル215に格納したリンク情報を表示するヒント表示ウィンドウ602、学習者がテスト問題に対する解答を入力する解答欄表示ウィンドウ603、テスト問題中の文字列を含むホームページをWWWにより検索した結果を表示する検索結果表示ウィンドウ604から構成されている。」

(1d) 「 【0036】解答欄表示ウィンドウ603には、採点処理を要求するための採点ボタン605、問題の解説を表示するための解説ボタン606が設けられている。
【0037】テスト問題の中のすべての問題に対して解答が終了したら、学習者は学習画面中の採点ボタン605をクリックし、採点処理を要求することができる。採点処理はWWWサーバ1の試験評価プログラム12で実行され、学習者の入力した解答と正答とのマッチング処理を行い、分野別に出来不出来が判定される。」

(1e) 「 【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、学習のための教材はすべてWWWサーバ側で管理するため、学習者はいつでもどこからでも、WWWサーバにログインして学習を進めることができる。
【0042】また、学習者側のコンピュータには、WWWブラウザ以外のソフトウェアは一切必要ないので、職場内の自席に設置してあるコンピュータを用いて学習を受けることが可能となる。」

引用例1の上記(1a)?(1e)の記載事項、及び、関連する【図1】、【図5】、【図6】等の図面を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

<引用発明>
「 WWWサーバ(1)とネットワーク(4)を介して接続された学習端末(5a,5b)が、該WWWサーバ(1)により送信された教材に対する解答を行う方法であって、
学習端末(5a,5b)が、
学習端末(5a,5b)に対して教材を送信させる要求をWWWサーバ(1)へ送信する第1のステップと、
WWWサーバ(1)から送信された教材に解答する第2のステップと、
前記第2のステップにより解答された教材に対する解答を含むファイルをWWWサーバ(1)へ送信する第3のステップと、
を備える教材に対する解答を行う方法。」


4. 対比

本願発明と引用発明とを比較すると、次のことがいえる。

(1) 引用発明における「WWWサーバ(1)」は、本願発明における「サーバ・コンピュータ」に相当する。
(2) 引用発明における「学習端末(5a,5b)」は、本願発明における「クライアント・コンピュータ」に相当する。
(3) 引用発明における「ネットワーク(4)」は、本願発明における「ネットワーク」に相当する。
(4) 引用発明における「教材」は、本願発明における「課題」に相当し、引用発明のWWWサーバ(1)が教材を送信していることは、本願発明のサーバ・コンピュータが課題を発行していることに相当し、引用発明が教材に対する解答を行っていることは、本願発明が課題に対する処理を行っていることに相当する。
(5) 引用発明における「学習端末(5a,5b)に対して教材を送信させる要求」は、本願発明における「クライアント・コンピュータに対して課題を発行させる要求」に相当し、引用発明の学習端末(5a,5b)が当該要求をWWWサーバ(1)へ送信している第1のステップは、本願発明のクライアント・コンピュータが当該要求をサーバ・コンピュータへ送信している課題要求ステップに相当する。
(6) 引用発明における「WWWサーバ(1)から送信された教材に解答する第2のステップ」は、本願発明における「サーバ・コンピュータから発行された課題を処理する課題処理ステップ」に相当する。
(7) 引用発明における「前記第2のステップにより解答された教材に対する解答を含むファイルをWWWサーバ(1)へ送信する第3のステップ」は、本願発明における「前記課題処理ステップにより処理された課題の処理を含むファイルをサーバ・コンピュータへ送信する処理結果送信ステップ」に相当する。

すると、本願発明と引用発明とは次の点で一致する。

<一致点>
「 サーバ・コンピュータとネットワークを介して接続されたクライアント・コンピュータが、該サーバ・コンピュータにより発行された課題に対する処理を行う課題処理方法であって、
クライアント・コンピュータが、
クライアント・コンピュータに対して課題を発行させる要求をサーバ・コンピュータへ送信する課題要求ステップと、
サーバ・コンピュータから発行された課題を処理する課題処理ステップと、
前記課題処理ステップにより処理された課題の処理を含むファイルをサーバ・コンピュータへ送信する処理結果送信ステップとを備えた課題処理方法。」

一方で、本願発明と引用発明とは次の点で相違する。

<相違点1>
本願発明における「課題」は、コンピュータ・ゲームまたはコンピュータ・ゲームの実行の際に要するデータであるのに対して、引用発明においてこの「課題」に相当しているものは教材であって、前記コンピュータ・ゲームまたはコンピュータ・ゲームの実行の際に要するデータではない点。

<相違点2>
本願発明における「課題」は、その課題に対する処理結果を他のクライアント・コンピュータと相互に競うものであるのに対して、引用発明におけるこの「課題」に相当する教材は、その教材に対する処理結果を他のクライアント・コンピュータと相互に競うものではない点。

<相違点3>
本願発明の課題要求ステップは、課題を発行させる要求とともにクライアント・コンピュータの識別子も合わせて課題要求データとしてサーバ・コンピュータへ送信しているのに対し、引用発明におけるこの課題要求ステップに相当する第1のステップは、クライアント・コンピュータの識別子を送信するものではない点。

<相違点4>
本願発明は、課題に応じた所定の期間につき所定の回数、課題を発行させる要求を送信するものであるのに対し、引用発明には要求をいつ何回送信するのかが示されていない点。

<相違点5>
本願発明の処理結果送信ステップは、課題の処理とともにクライアント・コンピュータの識別子も合わせて課題の処理結果を含むファイルとしてサーバ・コンピュータへ送信しているのに対し、引用発明におけるこの処理結果送信ステップに相当する第3のステップは、クライアント・コンピュータの識別子を送信するものではない点。


5. 判断

上記相違点について検討する。

<相違点1について>
サーバ・コンピュータとクライアント・コンピュータとからなるシステム上でコンピュータ・ゲームを行うことは、例えば原査定の拒絶の理由に引用された特開平11-319319号公報(以下、「引用例2」という。)に記載されているように、本願出願前に周知であったこと、コンピュータを利用する技術分野において、ある応用分野の技術を他の応用分野へ適用することは、当業者が普通に考えることであること、等の事情を勘案すると、引用発明における課題である教材に代えて、その課題をコンピュータ・ゲーム等とすることは、当業者が容易になし得たことである。

<相違点2について>
相互に競うゲームも、上記引用例2にも示されるように周知であり、相違点1について述べたように引用発明の課題をコンピュータ・ゲーム等としたとき、このコンピュータ・ゲーム等の課題を、その課題に対する処理結果を他のクライアント・コンピュータと相互に競うものとすることも、当業者が容易になし得たことである。

<相違点3,5について>
サーバ・コンピュータに個々のクライアント・コンピュータの別を認識させるために、クライアント・コンピュータがその識別子をサーバ・コンピュータへ送信することは、例えば引用例1にも学習端末(5a,5b)から学習者のIDやパスワードを送信してWWWサーバ(1)にログインすることとして示されているように、本願出願前の周知技術である。引用発明のWWWサーバ(1)は個々の学習者の別を認識した上で、教材を送信したり、教材に対する解答の採点や評価や次の問題の設定をしたりするものであるから、引用発明において、学習端末(5a,5b)が教材を送信させる要求を送信する時、及び、教材に対する解答を送信する時には、WWWサーバ(1)に個々の学習端末(5a,5b)の別を認識させるべく、学習端末(5a,5b)は学習者のIDやパスワードを合わせて送信すべきものといえる。してみると、引用発明において、要求とともにクライアント・コンピュータの識別子も合わせて課題要求データとしてサーバ・コンピュータへ送信すること、及び、課題の処理とともにクライアント・コンピュータの識別子も合わせて課題の処理結果を含むファイルとしてサーバ・コンピュータへ送信するように構成することは、当業者が容易になし得たことである。

<相違点4について>
ダウンロードしたファイルを誤って消去した場合に同じファイルを再びダウンロードすることはコンピュータの分野において通常行われていること、相違点1について述べたように引用発明の課題を周知のコンピュータ・ゲームとした場合であっても、ダウンロードしたコンピュータ・ゲームを誤って消去した場合に備えて同じコンピュータ・ゲームを再ダウンロードできるように構成するのが望ましい場合があることは、当業者に自明であること、上記再ダウンロードを可能とする場合に、どのようなタイミングや頻度で再ダウンロードが行われるようにするかは、ダウンロードするコンピュータ・ゲームの性質や使用態様等を考慮して当業者が適宜決定すべき事項であること、等の事情を勘案すると、引用発明において、課題に応じた所定の期間につき所定の回数、課題を発行させるように構成することは、当業者が容易になし得たことである。

また、本願発明の構成によってもたらされる効果は、引用発明及び周知技術から当業者であれば予測することができた程度のものであって、格別のものとは認められない。


6. むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-02-25 
結審通知日 2010-03-23 
審決日 2010-04-05 
出願番号 特願2000-95644(P2000-95644)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川口 美樹  
特許庁審判長 長島 孝志
特許庁審判官 小曳 満昭
真木 健彦
発明の名称 クライアント・コンピュータ、サーバ・コンピュータ、ネットワーク・ランキング・システム、ネットワーク・ランキング方法、課題処理方法および記録媒体  
代理人 谷田 拓男  

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