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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1218617
審判番号 不服2007-22153  
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-08-09 
確定日 2010-06-17 
事件の表示 特願2000-118405「文書管理装置および文書管理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成12年11月30日出願公開、特開2000-331031〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成12年4月19日(パリ条約による優先権主張1999年4月30日、米国)の出願であって、平成19年4月4日付けで拒絶理由通知がなされ、同年6月11日付けで手続補正がなされたが、同年7月2日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年9月7日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成19年9月7日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成19年9月7日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正の目的の適否について
本件手続補正の目的が平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に適合するか否かを検討する。

本件手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「補正後の請求項1に記載された発明」という。)は、次のとおりのものである。
「入力されたファイルデータを処理する文書管理装置であって、
前記ファイルデータを管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記ファイルデータを一つの表示画面で表示する表示手段と、
前記表示画面に表示された前記ファイルデータのうち、結合する前記ファイルデータを指定する指定手段と、
指定された前記ファイルデータを結合して暗号化し、暗号化されたデータに、当該暗号化したデータに対する署名を含むカバーシートを付与する文書結合手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理装置。」

一方、本件手続補正により補正される前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「補正前の請求項1に記載された発明」という。)は、次のとおりのものである。
「入力されたデータを処理する文書管理装置であって、
前記データを管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記データを一つの表示画面で表示する表示手段と、
前記表示画面に表示された前記データのうち、結合するデータを指定する指定手段と、
指定された前記データを結合して暗号化し、暗号化されたデータに、前記各データの属性を含むタイトルを付与する文書結合手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理装置。」

上記補正前の請求項1に記載された発明を上記補正後の請求項1に記載された発明のように補正することは、上記補正前の請求項1に記載された発明において「文書結合手段」が「暗号化されたデータ」に対して付与する対象としていた「前記各データの属性を含むタイトル」を「当該暗号化したデータに対する署名を含むカバーシート」に変更することを含むものである。
ここで、「カバーシート」と「タイトル」に関しては、本願の明細書の段落【0026】に、「カバーシートデータは、目次,ファイル名またはURLによって文書を削除し、追加するためのコントロール,ステープリングオペレーションを開始させるためのコントロール(アイコンまたはボタン),およびタイトル,キーワード,注釈等のためのテキストフィールドを含んでいる。」との記載がなされており、「カバーシートデータ」が「タイトル」等のための「テキストフィールド」を含むものであるとされているものの、「カバーシート」と「タイトル」とは別概念のものであり、ましてや「カバーシート」が「タイトル」の下位概念のものであるとは認められない。
よって、上記補正前の請求項1に記載された発明を上記補正後の請求項1に記載された発明のように補正することは、上記補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項を限定して特許請求の範囲の減縮をしたものとは認められない。

また、補正前の特許請求の範囲の請求項2乃至6に記載された発明は、いずれも上記補正前の請求項1に記載された発明を引用するものであるから、「前記各データの属性を含むタイトル」という要件を備えるものであり、上記補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項2乃至6に記載された発明を特定するために必要な事項を限定して特許請求の範囲の減縮をしたものとも認められない。
さらに、補正前の特許請求の範囲の請求項7に記載された発明は、「文書管理方法」に係るものであり、「文書管理装置」に係る発明であるところの上記補正後の請求項1に記載された発明が、補正前の請求項7に記載された発明を特定するために必要な事項を限定して特許請求の範囲の減縮をしたものとも認められない。

よって、上記補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1乃至7のいずれに記載された発明を特定するために必要な事項を限定して特許請求の範囲の減縮をしたものとも認められず、請求項の記載を上記補正後の請求項1のように補正することは、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の規定に適合しない。

さらに、上記補正後の請求項1に記載された発明のように補正することが、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第1号の請求項の削除、第3号の誤記の訂正、第4号の明りょうでない記載の釈明に該当するものでないことは明らかである。

(2)むすび
したがって、本件手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.補正却下の決定を踏まえた検討
(1)本願発明
平成19年9月7日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成19年6月11日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「入力されたデータを処理する文書管理装置であって、
前記データを管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記データを一つの表示画面で表示する表示手段と、
前記表示画面に表示された前記データのうち、結合するデータを指定する指定手段と、
指定された前記データを結合して暗号化し、暗号化されたデータに、前記各データの属性を含むタイトルを付与する文書結合手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理装置。」

(2)引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開平6-215040号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

A.「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親機を「机」と見なして各種の情報をファイルしておき、子機を「手帳」と見なして親機の持つ情報の中から必要な情報のみ携帯するようにした親機・子機分離型の情報処理システム、及び2つの画面を有する表示装置を備えた情報処理システムの頁めくり制御方法に関する。」

B.「【0006】本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、移動時に求められる要求と非移動時に求められる要求の両方を満足でき、しかも、大容量の情報量を確保してスケジュール、メモ、文書作成等の種々の作業を簡単に行うことのできる情報処理システム、及びユーザの好みにあった頁めくりを実現するための頁めくり制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の情報処理システムは、親機および子機からなり、上記親機に上記子機を装着して一体で使用するか、または、上記親機から上記子機を離脱し単独で使用して、各種の情報処理を行うようにしたものである。上記親機は、少なくとも、入力情報を入力するための入力手段を備えている。上記子機は、少なくとも、表示情報を表示するための表示手段およびこの表示手段の表示画面上に一体に設けられ、座標情報を入力するための座標入力手段を備えている。
【0008】また、上記子機にはCPUが設けられており、上記親機と上記子機を一体で使用する場合と上記子機を単独で使用する場合とでその一連の処理を上記子機側で行うことを特徴とする。
・・・(中略)・・・
【0014】また、上記各表示画面に表示するデータを頁単位でグループ化し、このグループ化された頁群にパスワード情報を設定し、このパスワード情報が設定された頁群に対する頁めくりを禁止し、上記パスワード情報が入力された場合に上記頁群に対する頁めくりを許可することを特徴とする。」

C.「【0140】(e)グループ化機能/パスワード機能
本発明の情報処理システムでは、子機21単独で使用する場合において、子機21のデータを頁単位でグループ化するグループ化機能と、このグループ化機能によってグループ化された頁群にパスワードを付けるパスワード機能を備えている。
【0141】以下、図38に示すフローチャートを参照してグループ化機能およびパスワード機能の動作について説明する。
【0142】子機21のデータの中の任意の頁群をグループ化する場合、まず、グループ化の開始頁と終了頁を指定する(ステップL1)。CPU71は、この指定された開始頁から終了頁までの頁群を1つのグループとして、図39に示すようなグループ化テーブルに登録し、そのグループにグループIDを付加する(ステップL2)。
【0143】このグループ化テーブルは、グループID、グループの開始頁と終了頁、そしてパスワード情報からなり、図28で説明した頁管理テーブルと共に図7に示すデータ管理部73aに格納されている。CPU71は、データ格納部73bに格納されたデータの表示を行う際、当該データに対応する頁管理テーブルと共にグループ化テーブルをデータ管理部73aから読出し、これらのテーブルに基づいて表示制御を行う。
【0144】ここで、パスワードの登録をしない場合には(ステップL3)、CPU71は、グループ化の確認表示として、グループ化された頁群の開始頁とその前頁を表示画面25a(左画面)および表示画面25b(右画面)に表示し(ステップL4)、その際に開始頁の方に図40(b)に示すようなグループ化の印91を付加して表示する(ステップL5)。このグループ化の印91は、図40(a)に示すように複数の用紙の片隅をホチキス止めしたときのイメージを表している。また、このグループ化の印91は、グループ化の開始頁だけでなく、開始頁から終了頁までの各頁に表示される。
【0145】なお、上記ステップL4において、グループ化の開始頁を左画面または右画面のどちらの画面に表示するのかは、上述した頁めくりモード(左めくりモード/右めくりモード,片面モード/両面モード)によって決定される。
【0146】一方、パスワードを登録する場合には(ステップL3)、所定文字数分のパスワード情報を入力する(ステップL6)。CPU71は、この入力されたパスワード情報を上記グループ化テーブルに登録する。このとき、CPU71は、上記同様、グループ化の確認表示として、グループ化された頁群の開始頁とその前頁を表示画面25a(左画面)および表示画面25b(右画面)に表示するが(ステップL8)、この場合には、開始頁の方に図41(b)に示すようなパスワード付きグループ化の印92を付加して表示する(ステップL9)。このパスワード付きグループ化の印92は、図41(a)に示すように複数の用紙の片隅をホチキス止めしたときのイメージを表している。また、このパスワード付きグループ化の印92は、グループ化の開始頁だけでなく、開始頁から終了頁までの各頁に表示される。」

上記A?Cの記載及び関連する図面を参照すると、引用例には、実質的に、次の発明が記載されているものと認められる。(以下、「引用例記載の発明」という。)
「入力されたデータを処理する情報処理システムであって、
前記データを管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記データを二つの表示画面で表示する表示手段と、
前記表示画面に表示された前記データのうち、グループ化するデータの開始頁と終了頁を指定する指定手段と、
指定された前記データをグループ化してパスワード情報を付与するグループ化手段と、
を備えた情報処理システム。」

(3)対比
本願発明と引用例記載の発明とを対比すると、次のことがいえる。

(あ)引用例の上記Bの段落【0006】には、「種々の作業」の例として「文書作成」の例が挙げられており、引用例記載の「情報処理システム」は、「文書作成」によって得られた「文書」を管理する機能を有するものであるといえるから、「文書管理装置」とも呼び得るものである。

(い)引用例記載の発明において、データを「グループ化する」ことは、本願発明において、データを「結合する」ことに相当する事項である。
そして、引用例記載の発明において、「データの開始頁と終了頁を指定する」ことは、「データを指定する」ことに含まれる事項である。

(う)引用例記載の発明において、データに対して「パスワード情報を付与する」ことと、本願発明において、データを「暗号化」することは、ともに、データを保護する点においては、共通する事項である。

(え)上記(あ)で述べたように、引用例記載の「情報処理システム」は、「文書作成」によって得られた「文書」を管理する機能を有するものであり、「文書管理装置」とも呼び得るものである。
そのような文書をグループ化する場合には、引用例記載の発明における「グループ化手段」は、「文書結合手段」とも呼び得るものである。

上記(あ)?(え)の事項を踏まえると、本願発明と引用例記載の発明とは、次の点で一致し、また、相違するものと認められる。

(一致点)
本願発明と引用例記載の発明とは、ともに、
「入力されたデータを処理する文書管理装置であって、
前記データを管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記データを表示画面で表示する表示手段と、
前記表示画面に表示された前記データのうち、結合するデータを指定する指定手段と、
指定された前記データを結合して保護する文書結合手段と、
を備えた文書管理装置。」
である点。

(相違点)
相違点1:表示手段の「表示画面」が、本願発明においては「一つ」であるのに対し、引用例記載の発明においては「二つ」である点。

相違点2:結合したデータを、本願発明においては「暗号化」して保護しているのに対し、引用例記載の発明においては「パスワード情報を付与」して保護している点。

相違点3:本願発明においては、「暗号化されたデータに、前記各データの属性を含むタイトルを付与する」ようにしているのに対し、引用例記載の発明においては、そのようにしていない点。

(4)判断
そこで、上記相違点1?3について検討する。

(相違点1について)
一般に、情報処理装置が有する表示手段の「表示画面」を、一つとするか、あるいは複数とするかは、当業者が必要に応じて適宜に設計する事項にすぎない。
よって、引用例記載の発明において、表示手段の「表示画面」を一つのものとすることは、当業者が適宜に設計できる事項にすぎない。

(相違点2について)
一般に、情報処理装置が扱うデータを保護する場合に「暗号化」を行うことは、周知技術にすぎない。
よって、引用例記載の発明において、結合したデータを「暗号化」して保護するようにすることは、当業者が適宜になし得る事項にすぎない。

(相違点3について)
一般に、情報処理の技術分野において、例えば、データ(ファイル等)に対して、属性(ファイルの形式等)を含むタイトル(ファイル名等)を付与することは、ごくありふれたことであるように、データに対して、属性を含むタイトルを付与することは、周知技術にすぎないものである。
そして、上記「相違点2について」で検討したように、結合したデータを「暗号化」して保護するようにすることは、当業者が適宜になし得る事項にすぎない。
よって、引用例記載の発明において、「暗号化されたデータ」に対して、「前記各データの属性を含むタイトルを付与する」ようにすることは、当業者が適宜になし得る事項にすぎない。

(本願発明の作用効果について)
そして、本願発明の構成によってもたらされる効果も、引用例記載の発明及び周知技術から当業者が容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。

(5)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例記載の発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-04-14 
結審通知日 2010-04-20 
審決日 2010-05-06 
出願番号 特願2000-118405(P2000-118405)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 572- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 和樹  
特許庁審判長 長島 孝志
特許庁審判官 池田 聡史
小曳 満昭
発明の名称 文書管理装置および文書管理方法  
代理人 酒井 宏明  
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