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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11B |
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管理番号 | 1218622 |
審判番号 | 不服2007-30962 |
総通号数 | 128 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-08-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-11-15 |
確定日 | 2010-06-17 |
事件の表示 | 特願2002-137777「記録媒体、記録媒体の再生装置及び再生方法、記録媒体の記録装置及び記録方法、並びにデータ出力方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 3月28日出願公開、特開2003- 91927〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成14年5月13日(優先権主張平成13年5月14日)の出願であって、平成19年7月12日付け拒絶理由通知に対して、平成19年9月18日付けで、意見書、手続補正書が提出されたが、平成19年10月5日付けで拒絶査定がなされ、平成19年11月15日付けで拒絶査定不服審判が請求されたものである。 2.本願発明 本願の請求項1-41のうち請求項36に係る発明は、平成19年9月18日付けで手続補正された明細書の特許請求の範囲の請求項36に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。) 「【請求項36】 供給されたコンテンツデータが貸し渡し用であるか否かを示す識別情報を識別し、 上記識別結果に基づいて上記コンテンツデータの出力形式を選択するデータ出力方法。」 2.引用例発明 (1)引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願優先権主張の日前である平成12年3月1日に頒布された「国際公開第01/15164号パンフレット」(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (a)「個別IDデータによって受けられるサービスのレベルが制御されるようなデータサービスシステムを構築するようにしてもよい。」(第34頁第2?4行) (b)「ディスク状記録媒体を市場に供給する際に、レンタル用と販売用とで個別IDデータを区別できるようにし、レンタル用の個別IDデータでは販売用のサービスの一部が受けられないようにすることもできる。」(第34頁第6?9行) これらの記載事項によると、引用例には、「サービスがレンタル用であるか販売用であるかの個別IDデータを区別し、レンタル用の個別IDデータでは販売用のサービスを一部受けられないようにしたデータサービスの方法」の発明(以下、「引用例記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。 3.対比 本願発明と引用例1記載の発明を対比する。 引用例記載の発明の「個別IDデータ」は、その機能からみて、本願発明の「識別情報」に相当する。 引用例記載の発明の「サービス」は、本願発明の「供給されたコンテンツデータ」に相当する。 引用例記載の発明の「レンタル用であるか販売用であるか」は、本願発明の「貸し渡し用であるか否か」に相当する。 引用例記載の発明の「サービスがレンタル用であるか販売用であるかの個別IDデータを区別し」は、本願発明の「供給されたコンテンツデータが貸し渡し用であるか否かを示す識別情報を識別し」に相当する。 引用例記載の発明の「レンタル用の個別IDデータでは販売用のサービスを一部受けられないようにした」は、個別IDデータによってサービスの出力を制御していることから、本願発明の「識別結果に基づいてコンテンツデータを選択する」に相当する。 引用例記載の発明の「データサービスの方法」は、個別IDデータによってサービスの出力を制御していることから、「データの出力方法」に相当する。 してみると、両発明の一致点、相違点は以下のとおりである。 [一致点] 「供給されたコンテンツデータが貸し渡し用であるか否かを示す識別情報を識別し、 上記識別結果に基づいてコンテンツデータを選択するデータ出力方法。」である点。 [相違点] (1) 本願発明が、コンテンツデータの「出力形式」を選択する構成であるのに対して、引用例発明には、特に、「出力形式」を選択するとは明記されていない点。 4.当審の判断 相違点(1)について、引用例記載の発明において「レンタル用の個別IDデータでは販売用のサービスを一部受けられないように」しているとは、出力されるコンテンツの内容の選択という処理であって、個別IDデータに適合した出力形式(サービスのすべてまたはサービスの一部)を選択することと同様のことと認められる。従って、引用例記載の発明において、出力形式の選択とすることは、当業者が容易になしうることである。 5.むすび 以上のとおり、本願の請求項36に係る発明は引用例1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-03-26 |
結審通知日 | 2010-03-30 |
審決日 | 2010-04-30 |
出願番号 | 特願2002-137777(P2002-137777) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G11B)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 中村 豊 |
特許庁審判長 |
山田 洋一 |
特許庁審判官 |
小松 正 石川 正二 |
発明の名称 | 記録媒体、記録媒体の再生装置及び再生方法、記録媒体の記録装置及び記録方法、並びにデータ出力方法 |
代理人 | 伊賀 誠司 |
代理人 | 小池 晃 |