• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C12H
管理番号 1218980
審判番号 不服2007-7351  
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-03-12 
確定日 2010-06-23 
事件の表示 平成9年特許願第119188号「飲料の安定化方法」拒絶査定不服審判事件〔平成10年2月17日出願公開、特開平10-42852〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成9年5月9日(パリ条約による優先権主張1996年5月10日、スウェーデン)の出願であって、以降の手続の経緯は以下のとおりのものである。

平成18年3月3日付け 拒絶理由通知書
平成18年9月6日 意見書・手続補正書
平成18年12月8日付け 拒絶査定
平成19年3月12日 審判請求
平成19年6月28日 手続補正書(審判請求書)

第2 本願発明について
1 本願発明
この出願の発明は、平成18年9月6日の手続補正により補正された明細書(以下、「本願明細書」という。)の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?12に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。また、請求項1?12に係る発明を併せて「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「以下の工程:
a)飲料と、イオン交換基が共有結合している水-不溶性の多孔質親水性マトリックスとを接触させ、ここに、該マトリックスは、ビールまたは水を飽和して、>50重量%の有機起源であり;
b)マトリックスから飲料を回収し;および
c)マトリックスの再生
を含む、ヘイズ形成蛋白質およびヘイズ形成ポリフェノールを部分的に除去することによるヘイズ発生物質を含有する飲料の安定化方法。」

2 原査定の拒絶の理由
本願発明1についての原査定の拒絶の理由は、以下のとおりである。

理 由
1.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記(引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1?12
・理由 1,2
・引用文献等 1?5
・備考
引用文献1には、ビールや果実酒等の植物性醗酵飲料中の蛋白質、ポリフェノール等の混濁成分を、イオン交換基(アニオン交換基)が共有結合している水-不溶性の親水性マトリックス(セルロース誘導体)と接触させて吸着除去する方法が記載されており、該親水性マトリックスの交換容量は0.5?3mg当量/1g-dry程度のものが好適であり(第3頁左下欄第2?4行)、吸着除去する方法としては、該マトリツクスを上記飲料中に投入するか、該マトリツクスからなるカラムを構成し、あるいは該マトリックスを含むシートを作成し、これらカラムあるいはシートに上記飲料を通過させる方法など種々の方法を採用することができる(第3頁右下欄第1?9行)旨が記載されている。

上記引用文献1?2に記載されたマトリックスあるいは引用文献3に記載されたアクリル系のアニオン交換樹脂は、いずれも水-不溶性の多孔質親水性マトリックスであるものと認められる。
本願明細書発明の詳細な説明中で具体的に開示されているSepharose系あるいはアガロース系のイオン交換樹脂は、例えば引用文献4の第1192?1195頁の表10.26?10.31中に示されるように周知である。
また、例えば引用文献5に記載されるように、イオン交換樹脂は交換能のあるイオンを持ち、不溶性で多孔質のものであり、イオン交換セルロースは親水性が大きいことは自明である。
引 用 文 献 等 一 覧
1.特開昭51-009796号公報
2.特公昭41-017626号公報
3.特開平04-036148号公報
4.「生化学データブックII」東京化学同人,1980年6月23日,第1187-1201頁
5.「岩波理化学辞典 第4版」岩波書店,1987年10月12日,第65頁

3 刊行物について
(1)特開昭51-009796号公報(原査定の拒絶の理由における引用文献1。以下、「刊行物1」という。)
(2)「生化学データブックII」東京化学同人,1980年6月23日,第1187-1201頁(原査定の拒絶の理由における引用文献4。以下、「刊行物2」という。)

4 刊行物に記載された事項
(1)刊行物1に記載された事項
1-a「ビールや果実酒などの植物性発酵飲料の製造工程において、たとえば、麦汁、圧搾果汁、主発酵終了ビール、後発酵終了ビール、発酵終了果汁などの各種中間液ならび最終液を、下記一般式(I)または(II)で示されるセルロース誘導体を含む吸着剤と接触させることを特徴とする植物性発酵飲料の処理方法。
一般式(I)

一般式(II)

(但し、R_(1)およびR_(2)は、アルキル基、アルキレン基、カルボキシル基、フエニル基、アルコール残基、核置換フエニル基を、cellはセルロースを表わす)」(特許請求の範囲)

1-b「本発明は、ビールや果実酒等の植物を出発原料とする植物性発酵飲料の処理方法に関するものであり、ポリフエノール吸着性が高く、かつ蛋白成分をも除去し、経済的に極めて有利な混濁防止法を提供せんとするものである。」(1頁右下欄2行?6行)

1-c「一般に、ビールや果実酒等の植物性発酵飲料の非生物学的混濁は、製品の貯蔵安定性に対し大きな欠点とされ、特に輸出用製品などの如く長期間市場に滞留する場合には、製品の品質を極度に損うものである。」(1頁右下欄7行?11行)

1-d「かゝる混濁成分は、蛋白質、ポリフエノール、ポリマー化ポリフエノール、糖およびそれらの会合体であることが知られており、さらに酵素、鉄、銅、酸などが混濁の促進触媒となると考えられる。したがつて、かゝる混濁の防止に当つては、混濁成分のいずれかを分解または除去するか、あるいは上記促進触媒を除去したり、またはその機能を不活性化することが必要である。しかし、このような対策によつて製品の他の性能、たとえば、色、匂い、味などに変化を与えてはならないという要請もある。」(1頁右下欄12行?2頁左上欄2行)

1-e「以上の如く、パルプ、レーヨン、銅安人絹などの原料セルロースのアルカリ水溶液に、エピクロルヒドリンと上記N,N’-置換二級アミンとの反応生成物を加え、加熱攪拌することによつて、本発明のセルロール誘導体は得られるが、この際セルロースに導入される官能基の数は、反応せしめる量によつて変動するが、通常、塩酸滴定による交換容量として、0.5?3mg等量/1g-dry程度のものが好適である。…3mg当量/1g-dry以上では、製造的にも不利であり、また場合によつては水による膨潤性が極めて大きくなり、再生その他に不利な点が生じる。」(3頁右上欄16行?左下欄9行)

1-f「かゝる本発明のセルロース誘導体は、そのまゝ単独で吸着剤として使用することができる。…またこれらのセルロース誘導体に、たとえば、パルプ、ポリアミドミクロ繊条体、ポリアミド樹脂などの他の吸着剤や補強材、およびケイソウ土、ベントナイト、アスベスト、シリカゲル、活性炭、アルミナ、ジルコニウムやチタンの水酸化物または酸化物の水和物などのろ(審決注:さんずいに「戸」)過助剤や吸着剤などを混合せしめて併用して使用することも勿論可能である。」(3頁左下欄10行?末行)

1-g「このようにして得られる本発明のセルロース誘導体を含む吸着剤をビール、果実酒などの各種中間液ならびに最終液に適用するに当つては、該吸着剤をそのまゝの形態で上記液中に投入して、静置後分離する方法や、該吸着剤から成るカラムを構成し、これに上記液を通過させる方法、さらには該吸着剤を含むシートを作成し、これに上記液を通過させる方法など種々の方法を採用することができる。要するに、本発明のセルロース誘導体を含む吸着剤と、上記の各種中間液ならびに最終液(ビール、果実酒など)とを何らかの形で接触させればよいのである。ここで、各種中間液とはビールや果実酒などの植物性発酵飲料の製造工程において生じる、たとえば、麦汁、圧搾果汁、主発酵終了ビール、発酵終了果汁、後発酵終了ビールなど各種の中間液を含み、また最終液とは製品としてビン詰直前のビールや果実酒などをさす。」(3頁右下欄1行?17行)

1-h「実施例1
上記合成例1?7で得られた本発明のセルロース誘導体からなる吸着剤ならびに比較のためのナイロン66粉末各1gを市販生ビール1l中に投入し、5時間後各吸着剤をろ(審決注:さんずいに「戸」)別してビールからのアントシアノーゲン、D-カテキン除去率をダデイク氏の改良法によつて測定した。さらに、蛋白質除去率をフオーリン法で、イソフムロンをイソオクタン抽出法でそれぞれ評価し、その結果を第1表に一括して示した。
実施例2
上記合成例3および4で得られた本発明のセルロース誘導体から成る吸着剤と、比較のためのナイロン66粉末各1gを市販生ビール1l中に投入し、初期のFe^(+++)、Cu^(++)の除去率を呈色吸光度法で測定した。その結果判明した金属イオンの除去性について、相対的な関係を第2表に示した。




第1表および第2表の結果から明らかな如く、本発明の処理方法によれば、アントシアノーゲン、D-カテキンを特異的に吸着除去することができるため、ビール、果実酒などの貯蔵安定性を著るしく向上せしめることができる。さらに、イソフムロン(苦味成分)を極めて僅かしか除去しないため、ホツプの有効利用の点から極めて効率的に作用するものである。また、本発明の吸着剤の中には、鉄、銅などの金属イオンを効率よく吸着除去する性能を有するものがあり、従来法に比べ極めて効率的なものとなる。
さらに、本発明の処理方法は従来使用されていた装置にそのまゝ適用することが可能であり、操作性も十分優れているものである。」(5頁左上欄8行?6頁左上欄14行)

(2)刊行物2に記載された事項
2-a「




」(表10・26)

5 刊行物に記載された発明
刊行物1には、「ビール…の製造工程において、たとえば、麦汁、…主発酵終了ビール、後発酵終了ビール…などの各種中間液ならび最終液を、下記一般式(I)…で示されるセルロース誘導体を含む吸着剤と接触させることを特徴とする植物性発酵飲料の処理方法。
一般式(I)


(但し、R_(1)およびR_(2)は、アルキル基、アルキレン基、カルボキシル基、フエニル基、アルコール残基、核置換フエニル基を、cellはセルロースを表わす)」が記載されており(摘記1-a)、この発明は、ポリフェノール吸着性が高く、かつ蛋白成分をも除去する旨が記載されている(摘記1-b)。
そして、「セルロース誘導体を含む吸着剤をビール…に適用するに当たつては、…該吸着剤から成るカラムを構成し、これに上記液を通過させる方法…を採用することができる」旨記載されており(摘記1-g)、カラムにビールを通過させるということは、セルロース誘導体を含む吸着剤からなるカラムにビールを通過、すわなち、接触させた後に、ビールを回収することは明らかである。また、実施例においては、ビールにセルロース誘導体を含む吸着剤を投入した後にろ(審決注:さんずいに「戸」)別する旨が記載されていることから(摘記1-h)、ビールとセルロース誘導体を含む吸着剤を接触させた後にビールを回収しているといえる。
ここで、一般に、カラムに充填される吸着剤や濾過に用いられる吸着剤などは再生して再利用するものであり、刊行物1には、セルロース誘導体に導入される官能基の数が3mg当量/1g-dry以上では、再生に不利な点が生じる旨記載されていることから(摘記1-e)、セルロース誘導体を含む吸着剤を再生することは明らかであるといえる。
よって、刊行物1には、本願発明1にならって記載すると、
「以下の工程:
a)ビールと、下記一般式(I)で示されるセルロース誘導体を含む吸着剤と接触させ、
一般式(I)


b)セルロース誘導体を含む吸着剤からビールを回収し;および
c)セルロース誘導体を含む吸着剤の再生
を含む、蛋白質およびポリフェノールを除去することによるビールの混濁防止法」(以下、「引用発明」という)が記載されているといえる。

6 対比判断
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。本願明細書を参酌すると、飲料の安定化方法として、実施例にはビールの安定化方法が記載され、また、ビールがヘイズ発生物質を含有することも記載されていることから(本願明細書の【0024】?【0046】)、引用発明の「ビール」は、本願発明1の「飲料」又は「ヘイズ発生物質を含有する飲料」に相当する。ここで、本願明細書の【0015】?【0017】には、「用いるイオン交換体の特徴は、イオン交換基が共有結合されていて、水不溶性の多孔質親水性マトリックスであることである。…該マトリックスは、本発明の安定化方法の間に飲料に接触する表面上、すなわち、外側表面および孔表面の両方の表面上にヒドロキシ基および/またはアミド基のごとき親水性基を暴出するポリマーネットワークよりなり得る。適当なポリマーは、完全合成ポリマーも予想し得るが、大部分が有機物および生物起源(バイオポリマー)である。有用なバイオポリマーの例は、適当なイオン交換基で置換され、恐らく架橋もされている…セルロース…他から製造される多糖ゲルである。」と記載されており、この記載からみて、「セルロース」が「水不溶性の多孔質親水性マトリックス」の1種であることは明らかである。そして、引用発明の「セルロース誘導体を含む吸着剤」について、刊行物1には「セルロース誘導体は、そのまゝ単独で吸着剤として使用することができる」旨記載されているから(摘記1-f)、引用発明の「セルロース誘導体を含む吸着剤」は、本願発明1の「水-不溶性の多孔質親水性マトリックス」に相当するといえる。
してみると、両者は、
「以下の工程:
a)飲料と、水-不溶性の多孔質親水性マトリックスとを接触させ、;
b)マトリックスから飲料を回収し;および
c)マトリックスの再生
を含む、蛋白質およびポリフェノールを除去することによるヘイズ発生物質を含有する飲料の処理方法。」
という点で一致し、下記の点(i)?(iii)において一応相違するということができる。
(i)水-不溶性の多孔質親水性マトリックスが、本願発明1は、「イオン交換基が共有結合している水-不溶性の多孔質親水性マトリックス」であって、「該マトリックスは、ビールまたは水を飽和して、>50重量%の有機起源」であるのに対して、引用発明は、「下記一般式(I)(式略)で示されるセルロース誘導体を含む吸着剤」である点
(ii)除去される蛋白質およびポリフェノールが、本願発明1は、「ヘイズ形成蛋白質およびヘイズ形成ポリフェノール」であるのに対して、引用発明は、そのようなものであるのか明らかでない点
(iii)処理方法が、本願発明1は、「安定化方法」であるのに対して、引用発明は、「混濁防止法」である点

(2)判断
そこで、上記相違点(i)?(iii)について判断する。

ア 相違点(i)について
引用発明の「下記一般式(I)(式略)で示されるセルロース誘導体を含む吸着剤」における一般式(I)


についてみてみると、「水-不溶性の多孔質親水性マトリックス」である「セルロース」に


が共有結合している。このセルロースに共有結合している基は、摘記2-aの「DEAE」に示されているジエチルアミノエチルと同様の第3級アミノ基を有していることから、イオン交換基であることは明らかである。
また、下記一般式(I)(式略)で示されるセルロース誘導体は、セルロース部分が有機物であり、置換基も有機基であることは明らかであるから、「ビールまたは水を飽和して、>50重量%の有機起源」に相当し、セルロース誘導体を単独で吸着剤として使用することができる旨記載されていることから(摘記1-f)、「下記一般式(I)(式略)で示されるセルロース誘導体を含む吸着剤」が「ビールまたは水を飽和して、>50重量%の有機起源」に相当するといえる。
してみると、引用発明の「下記一般式(I)(式略)で示されるセルロース誘導体」は、「イオン交換基が共有結合している水-不溶性の多孔質親水性マトリックス」であって、「該マトリックスは、ビールまたは水を飽和して、>50重量%の有機起源」であるものであるから、相違点(i)は実質的な相違点とはならない。

イ 相違点(ii)について
刊行物1には、「本発明は、ビール…の処理方法に関するものであり、ポリフエノール吸着性が高く、かつ蛋白成分をも除去し、経済的に極めて有利な混濁防止法を提供せんとするものである」旨が記載されており(摘記1-b)、「かゝる混濁成分は、蛋白質、ポリフエノール、ポリマー化ポリフエノール、糖およびそれらの会合体であることが知られており、さらに酵素、鉄、銅、酸などが混濁の促進触媒となると考えられる。したがつて、かゝる混濁の防止に当たつては、混濁成分のいずれかを分解または除去するか、あるいは上記促進触媒を除去したり、またはその機能を不活性化することが必要である。」旨の記載もされている(摘記1-d)。
ここで、引用発明の「混濁」について検討すると、上述の記載によれば、「混濁」は、蛋白質、ポリフエノール、ポリマー化ポリフエノール、糖およびそれらの会合体によるものであるといえる。一方、本願明細書の【0002】には、「このヘイズは、水素橋を介してより大きな分子に反応し得るポリフェノールおよび蛋白質によって主に発生する。」と記載されている。してみると、引用発明の「混濁」は、本願発明の「ヘイズ」であるといえる。
そして、引用発明は、ポリフェノールや蛋白質成分を除去することによる混濁防止法であるから、除去される「蛋白質」や「ポリフェノール」は、混濁を生じさせるものであるといえ、本願発明の「ヘイズ形成蛋白質およびヘイズ形成ポリフェノール」に相当する。
よって、相違点(ii)は実質的な相違点とはならない。

ウ 相違点(iii)について
刊行物1には、「一般に、ビール…の非生物学的混濁は、製品の貯蔵安定性に対し大きな欠点とされ、特に輸出用製品などの如く長期間市場に滞留する場合には、製品の品質を極度に損うものである。」ことが問題点であったところ(摘記1-c)、引用発明の「混濁防止法」によって、「ビール…の貯蔵安定性を著るしく向上せしめることができる。」旨が記載されているとから(摘記1-h)、引用発明の「混濁防止法」は、本願発明1の「安定化方法」に相当する。
よって、相違点(iii)は、実質的な相違点とはならない。

エ 請求人らの主張について
請求人らは、平成19年6月28日付け手続補正書(審判請求書)において、以下のように主張している。
「本願発明と引用文献1とを比較すると、用いるイオン交換体のタイプが異なる。ことに、本願発明では第四級アンモニウム基、特に、Q-基を持つアニオン交換基を用い、これは特に請求項7および8にあてはまるものである。このようなアニオン交換基は引用文献1には見当らない。

このように、出願人らは、少なくとも本願請求項7?8が特許されるべきであると主張する。」
しかしながら、本願発明1は、本願発明7あるいは本願発明8のように、イオン交換基を特定していないから、請求人らの主張は採用できない。

7 まとめ
したがって、本願発明1は、その出願前に頒布された刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

第3 むすび
以上のとおり、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に頒布された刊行物1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであるから、その余について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-01-20 
結審通知日 2010-01-26 
審決日 2010-02-09 
出願番号 特願平9-119188
審決分類 P 1 8・ 113- Z (C12H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小柳 正之中島 庸子  
特許庁審判長 西川 和子
特許庁審判官 原 健司
坂崎 恵美子
発明の名称 飲料の安定化方法  
代理人 田中 光雄  
代理人 矢野 正樹  
代理人 山崎 宏  
代理人 矢野 正樹  
代理人 山崎 宏  
代理人 田中 光雄  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ