ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04R |
---|---|
管理番号 | 1219193 |
審判番号 | 不服2008-8443 |
総通号数 | 128 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-08-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-04-07 |
確定日 | 2010-07-20 |
事件の表示 | 特願2004-520326「補聴器または類似の音響装置及び補聴器の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 1月22日国際公開、WO2004/008802、平成17年10月27日国内公表、特表2005-532753、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2003年6月13日(パリ条約による優先権主張2002年7月10日、デンマーク)を国際出願日とする出願であって、平成19年5月30日付けの拒絶理由通知に対して平成19年11月29日付けで手続補正がなされたが、平成19年12月19日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成20年4月7日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。 第2 本願発明について 1.本願発明の認定 本願の各請求項に係る発明は、平成19年11月29日付け手続補正書により補正された明細書の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載した事項により特定される次のとおりのものと認められる。 「 【請求項1】 モールドされた構造部材を含む補聴器であって、該構造部材はマイクロホン、増幅器、該構造部材に形成された電池接続、及び電気リードを有し、該電気リードは、前記構造部材の表面に沿って延び、また前記マイクロホン、前記増幅器及び前記電池接続と相互接続し、前記電気リードは、前記構造部材の表面に沿って延びるにあたり、前記モールドされた構造部材の上に形成されるとともに、該モールドされた構造部材に連続的に接続され、前記電池接続は、前記モールドされた構造部材の一体部分をなし、またばね作用を提供するような形状とされ、もって電気リードは、前記電池接続及び前記モールドされた構造部材の表面に沿って連続され、また電池に直接的に接続する、前記補聴器。 【請求項2】 モールドされた構造部材を含む補聴器であって、該構造部材はマイクロホン、増幅器、該構造部材に形成された電池接続、及び電気リードを有し、該電気リードは、前記構造部材の表面に沿って延び、また前記マイクロホン、前記増幅器及び前記電池接続と相互接続し、前記電気リードは、前記構造部材の表面に沿って延びるにあたり、前記モールドされた構造部材の上に形成されるとともに、該モールドされた構造部材に連続的に接続され、前記電池接続は、前記モールドされた構造部材の一体部分をなし、またばね作用を提供するような形状とされ、もって電気リードは、前記電池接続及び前記モールドされた構造部材の表面に沿って連続され、また電池表面に接触するばね又はニードルに接続する、前記補聴器。」 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は、実願昭59-150707号公報(実開昭60-167499号公報)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)、特開平5-335693号公報(以下、「引用文献2」という。)、国際公開第00/036887号(以下、「引用文献3」という。)、特開平7-183682号公報(以下、「引用文献4」という。)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。 3.対比・判断 原査定において引用された引用文献1?4に記載された事項は次のとおりである。 引用文献1には、構造部材の表面に沿って延び、マイクロホン14、電池を挟持するばね8及び図示されない増幅器を相互接続する導線を備える補聴器が記載されている。 引用文献2には、筐体1にインサートされた金属薄板リードフレーム2からなる第1回路と凹状溝に埋め込まれた体積抵抗率の低いプラスチック材3からなる第2回路からなり、金属薄板リードフレーム2と配線パターン2はリードフレームの突起2aを介して電気的に接続される三次元多層配線付きプラスチック成型筐体が記載されている。 引用文献3及び引用文献4には、3D-MIDによるモールド成型をした電子装置が記載されている。 しかし、引用文献1?4のいずれにも、本願発明の発明特定事項の一つである「電気リードは、前記電池接続及び前記モールドされた構造部材の表面に沿って連続され、また電池に直接的に接続する」点が記載されていない。 仮に、“モールドされた構造部材の一体部分をなす電池接続”が公知であって、モールドされた構造部材の表面に沿って連続された電気リードを、モールドされた構造部材の一体部分をなす電池接続に接続することまでは容易になし得たこととすることができたとしても、“電気リードが電池接続の表面に沿って連続される”ことを容易になし得たこととすることはできない。 第3 むすび 以上のとおり、平成19年11月29日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された発明は、原査定において引用された刊行物に記載された発明から容易に発明をすることができたものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2010-07-06 |
出願番号 | 特願2004-520326(P2004-520326) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04R)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 境 周一、小宮 慎司 |
特許庁審判長 |
吉村 博之 |
特許庁審判官 |
伊藤 隆夫 板橋 通孝 |
発明の名称 | 補聴器または類似の音響装置及び補聴器の製造方法 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 大塚 文昭 |