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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1219395
審判番号 不服2009-831  
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-08 
確定日 2010-06-28 
事件の表示 特願2004-135381「遊技機の不正磁気検知センサー」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 6月 2日出願公開、特開2005-137877〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第一.手続の経緯
本願は、平成16年4月30日の出願であって、最初の拒絶理由通知に対応して平成20年4月25日に手続補正書が提出され、その後、最後の拒絶理由通知に対応して同年7月18日に手続補正書が提出され、その後、再度の最後の拒絶理由通知に対応して同年10月17日に手続補正書が提出され、その後なされた補正の却下の決定及び拒絶査定に対し、平成21年1月8日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年2月6日に手続補正書及び上申書が提出されたものである。
また、当審において、平成21年12月25日付けで審査官による前置報告書の内容を添付して審尋を行い、請求人から平成22年3月2日に上申書が提出されている。

なお、上記2つの上申書には、審判官との面接を希望する旨の記載があったが、請求人から面接を辞退する旨の申し出があったので、面接を行わなかった。

第二.平成21年2月6日付の手続補正書についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成21年2月6日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により補正された、特許請求の範囲の請求項1(以下「本件補正後の請求項1」という。)に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)は次のとおりである。
「プリント基板(5)に配設された磁気検知回路部(2A)及び接続確認回路部(2B)と、ガラス管(3a)内に不活性ガスと共に、一対のリード(3b)を封入して配した磁気検知用リードスイッチ(3)と、同じくプリント基板(5)に接続された警報表示器(2A)及び報知表示器(2B)と、電気回路や電気的装置を作動させるための電源への接続端子(6)とから構成された遊技機の不正磁気検知センサーにおいて、前記磁気検知用リードスイッチ(3)は感動値が10?40の範囲であり、前記接続確認回路部(2B)は、コンパレーター回路を有し、リードスイッチ(3)に磁力が近接すると、リード(3b)が閉じることで、磁気検出信号の基準電圧が{抵抗R1/(抵抗R1+抵抗R2)}V1から0に変化して磁力の有無を検知する磁気検知回路部(2A)を設ける一方、前記磁気検知用リードスイッチ(3)に接続されたリード線(L1)又は(L2)が断線すると、リードスイッチの開閉状態に関わらず磁気検出信号の電圧が固定され、このときコンパレーターの出力がハイインピーダンス状態からローになり、断線検出信号の電圧が0になることでリード線の断線を検知するために、前記抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4は、{抵抗R2/(抵抗R1+抵抗R2)}<{抵抗R4(抵抗R3+抵抗R4)}となるような任意の定数を選択した接続確認回路部と、遊技機に接近した磁石を検知したとき警報を発生させる警報器とからなり、一端がリードスイッチ(3)に接続され他端がコンパレーター(IC)の-端子に接続されたリード線(L1)と、一端がリードスイッチ(3)に接続され他端がアースされたリード線(L2)とを備えてなり、リードスイッチ(3)に磁力が近接してリード(3b)が閉じることで、コンパレーター(IC)の(-)入力端子の入力電圧が下降し、コンパレーター(IC)の入力電圧は基準電圧より低くなり、出力は{抵抗R1/(抵抗R1+抵抗R2)}V1から0に変わり、警報器(4A)が作動して警報する。一方、リード線(L1)又は(L2)が断線した場合、コンパレーターの(-)入力端子の入力電圧が上昇し、コンパレーターの入力端子の入力電圧は基準電圧より高くなり、出力電圧はV0からV1に変わり、警報器が作動して警報することを特徴とする遊技機の不正磁気検知センサー。」

2.補正要件(目的)の検討
本件補正により補正された点について検討する。
a.「磁気検知回路部(2A)」、「接続確認回路部(2B)」を「プリント基板(5)に配設された磁気検知回路部(2A)及び接続確認回路部(2B)」と限定している。
b.補正前の「磁気検知回路に接続された磁気検知用リードスイッチ」を「ガラス管(3a)内に不活性ガスと共に、一対のリード(3b)を封入して配した磁気検知用リードスイッチ(3)」と限定している。
c.「表示器」については、「同じくプリント基板(5)に接続された警報表示器(2A)及び報知表示器(2B)」と限定している。
d.補正前の「前記磁気検知回路には、磁気検知用リードスイッチから出力された電圧を、基準電圧と比較することにより磁気を検知するコンパレーター回路を設け」という構成が削除された点について検討すると、本願補正発明には「リード(3b)が閉じることで、磁気検出信号の基準電圧が{抵抗R1/(抵抗R1+抵抗R2)}V1から0に変化して磁力の有無を検知する磁気検知回路部(2A)を設ける」という構成があって、この構成から「磁気検出信号の基準電圧」は、(磁気検出用)リードスイッチ(3)から出力された電圧を比較するための「基準電圧」ではなく、「(磁気検出用)リードスイッチ(3)から出力された電圧」と認められ、さらに、この磁気検出信号の基準電圧が{抵抗R1/(抵抗R1+抵抗R2)}V1から0に変化したことを検出するためには、通常、「磁気検出信号の基準電圧」と別途設けた所定の基準電圧とを比較するためのコンパレーター等の回路が必要であるから、上記削除された記載と同等の構成が本願補正発明においても構成されているものと認められる。
e.補正前の「該コンパレーター回路は、磁気検知回路に断線が生じると、磁気検知用リードスイッチの開閉状態に関わらず出力電圧が0となり、前記磁気検知回路の断線を検知する接続確認回路」を「前記磁気検知用リードスイッチ(3)に接続されたリード線(L1)又は(L2)が断線すると、リードスイッチの開閉状態に関わらず磁気検出信号の電圧が固定され、このときコンパレーターの出力がハイインピーダンス状態からローになり、断線検出信号の電圧が0になることでリード線の断線を検知するために、前記抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3抵抗R4は、{抵抗R2/(抵抗R1+抵抗R2)}<{抵抗R4(抵抗R3+抵抗R4)}となるような任意の定数を選択した接続確認回路部」と限定している。
f.本願補正発明には、「警報器」の構成が付加され、リードスイッチ(3)の閉動作及び、コンパレーターの出力に応じた「警報器」の作動を特定しているので、「警報器」の構成の追加は、本願補正発明を限定するものである。
g.「表示器」について、本願補正発明では、補正前の「不正磁気を検出したときに警報を発する表示器」の構成が削除された。
しかしながら、本願補正発明の「リードスイッチ(3)に磁力が近接してリード(3b)が閉じることで、・・・警報器(4A)が作動して警報する。」という構成、及び本願補正発明に係る「不正磁気検知センサー」は「警報表示器」をその構成の一部としていることから、上記削除された記載と同等の構成が本願補正発明においても構成されているものと認められるので、この点は不問にする。
h.補正前の「前記磁気検知回路の断線を知らせる報知器」の構成が本願補正発明では削除され、「報知器」の構成がなくなった。
しかしながら、本願補正発明には「(磁力の近接を検知するリードスイッチ(3)に接続された)リード線(L1)又は(L2)が断線した場合、・・・警報器が作動して警報する」という構成があり、「警報器」が「前記磁気検知回路の断線を知らせる」機能を有するので、この点は不問にする。

以上のことから、本件補正は請求の範囲の減縮を目的とする補正に相当する。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に該当する。

3.補正要件(記載要件:特許法第36条第6項第2号)の検討
本願補正発明において、「抵抗R1」、「抵抗R2」、「抵抗R3」及び「抵抗R4」が、「リードスイッチ(3)」、「リード線(L1)」及び「リード線(L2)」に対して、どのような接続関係になっているのかが不明である。
また、この接続関係が不明であることから、本願補正発明において、「前記磁気検知用リードスイッチ(3)に接続されたリード線(L1)又は(L2)が断線すると、リードスイッチの開閉状態に関わらず磁気検出信号の電圧が固定され、このときコンパレーターの出力がハイインピーダンス状態からローになり、断線検出信号の電圧が0になる」ことと、「{抵抗R2/(抵抗R1+抵抗R2)}<{抵抗R4(抵抗R3+抵抗R4)}」の式を満たす抵抗R1?4を選択することとの因果関係が不明である。
さらに、本願補正発明において「V1」については、「V1」が、どのようなもの、どのような物理量、若しくは、どのような数値なのかが特定されていないところ、明細書においては、電圧(値)として「V1」が記載され、図2に記載の回路には、抵抗R1、抵抗R5や、コンパレータC1に接続された印加電圧を示すものとして記載されているので、「V1」を「印加電圧V1」と特定したとする。しかし、「抵抗R1」、「抵抗R2」、「抵抗R3」及び「抵抗R4」が、「リードスイッチ(3)」、「リード線(L1)」、「リード線(L2)」及び「コンパレーターC1」に対して、どのような接続関係となっているのかが明確でなく、また、本願補正発明に係る「遊技機の不正磁気検知センサー」に対して、どのように印加電圧V1を供給しているのかについても明確でない。

以上のことから、本件補正後の請求項1の記載からは「遊技機の不正磁気検知センサー」の構成を特定することができないので、本願補正発明は明確であるとは認められない。

さらに、本件補正後の請求項1及び明細書には、以下の点で誤記、及び、記載が不備な点がある。
(1)本件補正後の請求項1には「前記接続確認回路部(2B)は、コンパレーター回路を有し、リードスイッチ(3)に磁力が近接すると、リード(3b)が閉じることで、磁気検出信号の基準電圧が{抵抗R1/(抵抗R1+抵抗R2)}V1から0に変化して磁力の有無を検知する磁気検知回路部(2A)を設ける一方、」との記載があり、明細書の段落【0012】にも、同様の記載があるが、図2に記載されたどの部分の電圧が、{抵抗R1/(抵抗R1+抵抗R2)}V1から0に変化するのかが不明であるので、本件補正後の請求項1及び明細書の上記記載は不明りょうである。
なお、この点については、明細書の同段落の「この変化で磁力の有無を検知する」との記載から、コンパレーターC1の-端子の接続部分、若しくは抵抗R1と抵抗R2の接続部分であるものと推測でき、この接続部分の電圧は、{抵抗R2/(抵抗R1+抵抗R2)}V1から0に変化するので、本件補正後の請求項1及び明細書の段落【0012】に記載された、「{抵抗R1/(抵抗R1+抵抗R2)}V1」は、「{抵抗R2/(抵抗R1+抵抗R2)}V1」の誤記と認められる。
(2)本件補正後の請求項1には「{抵抗R2/(抵抗R1+抵抗R2)}<{抵抗R4(抵抗R3+抵抗R4)}」との記載があるが、抵抗R1、R2、R3、R4の抵抗値の単位はΩであるから、「{抵抗R4(抵抗R3+抵抗R4)}」の単位はΩの2乗となる。
一方、「{抵抗R2/(抵抗R1+抵抗R2)}」に単位はなく単なる定数となる。
しかしながら、一般的に物理量単位が異なるもの同士を比較することはできず、よって、「{抵抗R2/(抵抗R1+抵抗R2)}」と「{抵抗R4(抵抗R3+抵抗R4)}」とを比較することはできない。
なお、図2を参酌すると、上記式が、断線がなくリードスイッチ3のオフ状態における、コンパレーターC1に入力される+端子、-端子の電圧の大小を規定するためのものであって、抵抗R3における抵抗R4(またはコンパレーターC1の+端子側)とは反対の一端に電圧V1(どの程度の電圧を印加するのかが明細書に記載がなく、明細書の段落【0012】において、リード線L1断線時にコンパレーターC1の出力がハイインピーダンス状態からローになる点を考慮して、仮に抵抗R3の印加電圧をV1とした。この印加電圧については後に検討する。)を印加する構成であれば、明細書の段落【0012】のリード線L1、L2断線時の記載を考慮すれば、「{抵抗R4(抵抗R3+抵抗R4)}」は、「{抵抗R4/(抵抗R3+抵抗R4)}」の誤記と考えられる。
明細書の段落【0012】の同様の記載についても、上記のとおり誤記と考えられる。
さらに、指摘したとおり上記式が上記のとおりの誤記であった場合おける「{抵抗R2/(抵抗R1+抵抗R2)}<{抵抗R4/(抵抗R3+抵抗R4)}」の技術的意義について、検討する。
明細書には、図2の抵抗R3における抵抗R4(またはコンパレーターC1の+端子側)とは反対の一端には、どのようなものが接続されているのか記載がない。
よって、この一端にGND(グランド)や電圧V1より著しく小さい電圧を接続する場合も考えられるが、この場合には、リードスイッチ3が閉じられた場合を除き、抵抗R2にかかる電圧より抵抗R4にかかる電圧が高くなることはなく、よって、リードスイッチ3が閉じられた場合を除き、リード線L1、L2の断線の有無にかかわらず、コンパレーターC1の出力は常にローとなるから、リード線L1、L2の断線を検知することができない。
また、抵抗R3の上記一端の電圧をV3として、V1<{抵抗R4/(抵抗R3+抵抗R4)}V3が成り立つ場合には、リード線L1、L2の断線の有無にかかわらず、コンパレーターC1の出力は常にハイインピーダンス状態となるから、同様にリード線L1、L2の断線を検知できない。
以上のことから、明細書において、抵抗R3の上記一端にかかる電圧を特定する必要があり、本件補正後の請求項1においても、抵抗R3の一端にかかる電圧を特定する必要があるものと認められる。
(3)本件補正後の請求項1には、「基準電圧」について、「磁気検出信号の基準電圧」、「入力電圧は基準電圧より高くなり」との記載があるが、これらの基準電圧の関係が明記されておらず、不明りょうである。
同様に、「磁気検出信号の基準電圧」、「磁気検出信号の電圧」との関係も不明りょうである。
なお、本件補正後の請求項1の記載から、「磁気検出信号の基準電圧」は図2のコンパレーターC1の-端子側、「入力電圧は基準電圧より高くなり」の「基準電圧」はコンパレーターC1の+端子側の電圧を指しているものと認められるので、本願補正発明に記載のこれらの「基準電圧」は異なるものであるから、これらの「基準電圧」の記載を異なる用語に換える必要がある。
また、「磁気検出信号の基準電圧」と「磁気検出信号の電圧」は同様の意味に用いられているので、用語を統一する必要がある。
(4)本件補正後の請求項1の「出力電圧はV0からV1に変わり」における「出力電圧」とは、どの出力電圧かが不明であるが、コンパレーターの出力電圧とすると、本件補正後の請求項1の「前記磁気検知用リードスイッチ(3)に接続されたリード線(L1)又は(L2)が断線すると、リードスイッチの開閉状態に関わらず磁気検出信号の電圧が固定され、このときコンパレーターの出力がハイインピーダンス状態からローになり」との記載と対応しないが、図2の回路構成を参酌すれば、本件補正後の請求項1の上記記載は、「出力電圧がV1から0に変わり」若しくは、「(コンパレーターの)出力がハイインピーダンス状態からローになり」の誤記であると認められる。
(5)本件補正後の請求項1には、「警報表示器(2A)」、「報知表示器(2B)」、「警報器(4A)」の3つ報知手段を備えているが、明細書の【発明を実施するための最良の形態】には、「LED警報表示器4A」、「LED報知表示器(LED警報表示器)4B」の2つの表示器についての記載があるものの、この2つの表示器に加え、警報器を加えた3つの報知手段についての記載がない。
しかしながら、本件補正後の請求項1の「警報器」がリード線L1、L2の断線を警報するものであることから、「警報器」は、明細書(特に【0011】参照)の「LED警報表示器(報知表示器)4B」に対応するものであり、よって、本件補正後の請求項1の「警報器」は「警報表示器」若しくは「報知表示器」のいずれかの誤記であるものと認められる。
なお、本件補正後の請求項1を引用する請求項2、3に記載の「報知器」が「報知表示器」の誤記であるならば、請求項2、3の記載事項から、本件補正後の請求項1の「警報器」は、「報知表示器」の誤記と認められる。

以上のことから、本願補正発明は、著しく不明りょうであり、特許法第36条第6項第2号の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
以上のとおりであるので、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第三.本願発明について
1.本願発明
平成21年2月6日付の手続補正書は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成20年7月18日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される。以下のとおりのものである。
「磁気検知回路に接続された磁気検知用リードスイッチと、不正磁気を検出したときに警報を発する表示器と、前記磁気検知回路の断線を知らせる報知器と、電気回路や電気的装置を作動させる電源への接続端子とから構成される遊技機の不正磁気検知センサーにおいて、前記磁気検知用リードスイッチは、感動値が10?40の範囲であり、前記磁気検知回路には、磁気検知用リードスイッチから出力された電圧を、基準電圧と比較することにより磁気を検知するコンパレーター回路を設け、該コンパレーター回路は、磁気検知回路に断線が生じると、磁気検知用リードスイッチの開閉状態に関わらず出力電圧が0となり、前記磁気検知回路の断線を検知する接続確認回路となることを特徴とする遊技機の不正磁気検知センサー。」

2.特許法第36条第6項第2号の検討
本願の請求項1における「前記磁気検知回路には、磁気検知用リードスイッチから出力された電圧を、基準電圧と比較することにより磁気を検知するコンパレーター回路を設け、該コンパレーター回路は、磁気検知回路に断線が生じると、磁気検知用リードスイッチの開閉状態に関わらず出力電圧が0となり、前記磁気検知回路の断線を検知する接続確認回路となる」との記載からは、「磁気検知回路」、「磁気検知用リードスイッチ」、「コンパレーター回路」、「接続確認回路」との関係が明確とはいえないので、本願発明に係る「遊技機の不正磁気検知センサー」の構成を特定することができず、また、本願の請求項1の上記以外の記載からも上記構成の関係が明確とはいえないので、本願発明は明確であるとは認められない。

以上のとおり、本願発明に係る「遊技機の不正磁気検知センサー」の構成を本願の請求項1の記載事項から特定することができず、本願発明が明確であるとは認められないから、本願は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

3.むすび
本願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、他の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-04-22 
結審通知日 2010-04-27 
審決日 2010-05-10 
出願番号 特願2004-135381(P2004-135381)
審決分類 P 1 8・ 537- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 澤田 真治  
特許庁審判長 立川 功
特許庁審判官 小原 博生
井上 昌宏
発明の名称 遊技機の不正磁気検知センサー  
代理人 弁護士法人 衞藤法律特許事務所  

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