• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
審判199223900 審決 特許
無効200335505 審決 特許
無効200480218 審決 特許
不服200627219 審決 特許
審判19977911 審決 特許

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  C12N
審判 全部無効 1項3号刊行物記載  C12N
管理番号 1219453
審判番号 無効2009-800179  
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-08-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-08-13 
確定日 2010-06-28 
事件の表示 上記当事者間の特許第3649249号発明「組織および細胞培養用ペプチド」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3649249号の請求項1?14に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯

1.本件特許
本件特許第3649249号の請求項1?14に係る発明についての出願は,平成8年2月20日(パリ条約による優先権主張 1995年2月23日米国2件)に国際出願され,平成17年2月25日に特許権の設定登録がなされたものである。
そして,その請求項1?14に係る発明は,特許明細書の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1?14に記載された次のとおりのものである(以下「本件特許発明1」等という。)。

「【請求項1】
タンパク材料の酵素的加水分解により得られるグルタミン含有タンパク加水分解物を含む培地を用いることによって真核細胞をインビトロで維持しまたは生育させるための方法であって、上記タンパク加水分解物が、
・総タンパク様物質量の15重量%未満の遊離アミノ酸レベル
・15アミノ酸未満の平均ペプチド鎖長
を有し、
・上記タンパク加水分解物の少なくとも90重量%が、本明細書中に記載したようにprotein-Pak 60カラムでのゲル透過クロマトグラフィにより決定する場合に1000D未満の分子量を有すること
を特徴とする方法。
【請求項2】
上記タンパク加水分解物における平均ペプチド鎖長が10アミノ酸残基未満である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
上記タンパク加水分解物が総タンパク様物質量の4重量%未満の遊離アミノ酸レベルを有する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
上記タンパク加水分解物が20重量%以上のグルタミン残基を含有する、請求項1?3のい
ずれか1項記載の方法。
【請求項5】
上記タンパク材料が穀類タンパクである、請求項1?4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
上記タンパク材料がコムギグルテンまたはその画分である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
タンパク材料の酵素的加水分解により得られるグルタミン含有タンパク加水分解物を含む、真核細胞をインビトロで維持しまたは生育させるための培地であって、上記タンパク加水分解物が、
・総タンパク様物質量の15重量%未満の遊離アミノ酸レベル
・15アミノ酸未満の平均ペプチド鎖長
を有し、
・上記タンパク加水分解物の少なくとも90重量%が、本明細書中に記載したようにProtein-Pak 60カラムでのゲル透過クロマトグラフィにより決定する場合に1000D未満の分子量を有すること
を特徴とする培地。
【請求項8】
上記タンパク加水分解物における平均ペプチド鎖長が10アミノ酸残基未満である、請求項7記載の培地。
【請求項9】
上記タンパク加水分解物が総タンパク様物質量の4重量%未満の遊離アミノ酸レベルを有する、請求項7または8記載の培地。
【請求項10】
上記タンパク加水分解物が20重量%以上のグルタミン残基を含有する、請求項7?9のいずれか1項記載の培地。
【請求項11】
上記タンパク材料が穀類タンパクである、請求項7?10のいずれか1項記載の培地。
【請求項12】
上記タンパク材料がコムギグルテンまたはその画分である、請求項11記載の培地。
【請求項13】
請求項7?12のいずれか1項記載の培地および容器を含む、真核細胞をインビトロで維持しまたは生育させるためのキット。
【請求項14】
上記培地が使用準備の完了した無菌的液体である、請求項13記載のキット。」

2.本件無効審判事件
(1)請求人の主張
ア 上記特許に対して,請求人は,証拠方法として以下の甲第1?10号証を提出した。

甲第1号証:Peptone Selection Guide for Diagnostic and Fermentation Nutrients, Deltown Specialties, 1994
甲第2号証:DELLAC SE50M, DMV International Nutritionals, 1993年5月12日
甲第3号証:DELLAC SE50BT, DMV International Nutritionals, 1993年5月12日
甲第4号証:Janet M. Lacey et al, “Is Glutamin a Conditionally Essential Amino Acid?”, Nutrition Reviews, Vol. 48 No. 8, p. 297-309, 1990年8月
甲第5号証:欧州特許第0811056 B1号明細書
甲第6号証:Application No. 96 904 839.6-2403/811056/01, Interlocutory decision in Opposition proceedings, European Patent Office, 2005年12月23日
甲第7号証:特開平2-49579号公報
甲第8号証:特開平6-245790号公報
甲第9号証:欧州特許庁へのF. R. KELLY & Co.からの書面, Appeal No. T 0428/06-3.3.08, 2006年9月21日
甲第10号証:DECISION, Application No. 9604839.6-2403/0811056, Appeal No. T 428/06-3308, European Patent Office, 2007年05月08日

イ そして,請求項1?14に係る発明の特許は以下の理由により無効とすべきであると主張している。

無効理由1:請求項1,2,7及び8に係る発明は,甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
無効理由2:本件の請求項1?14に係る各発明は、甲第1号証に記載された発明に基づいて、又は甲第1号証及び甲第2号証若しくは甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
無効理由3:本件の請求項1?14に係る各発明は、甲第7号証及び甲第8号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

(2)被請求人の主張
上記の請求人の主張に対して,被請求人に期間を指定して答弁書及び訂正請求書の提出の機会を与えたが,期間内に応答はなかった。

第2 無効理由3について

事案に鑑み,まず,請求人主張の無効理由3から判断することとする。

1.甲第7号証及び甲第8号証の記載

(1)甲第7号証(特開平2-49579号公報)
甲第7号証は、本件の優先日(平成7年2月23日)前の平成2年2月19日に頒布された刊行物であり,そこには以下の記載がある。

ア「従来の技術 従来、動物細胞用培地として、アミノ酸類、ビタミン類、糖類、無機塩等を含有する培地(中略)が知られている。しかしながら、これら培地を蒸気滅菌すると、培地中のグルタミンが分解してしまい、グルタミンとして利用されない欠点がある。」(第1頁左下欄下から7行?同右下欄1行)
イ「発明が解決しようとする課題 (中略) 蒸気滅菌が可能でグルタミンの培地への別添加は必要がなく、かつ添加するアミノ酸の数を減少させた安価な動物細胞培養用培地が求められる。」(第1頁右下欄6?12行)
ウ「課題を解決するための手段 本発明は小麦グルテン酵素分解物を含有する培地(中略)を提供する。」(第1頁右下欄13?16行)
エ「本発明の培地に添加される小麦クルテン酵素分解物としては、小麦クルテンを蛋白質分解酵素で分解したものであればいずれも用いられる。例えば、市販の小麦クルテン酵素分解物、後記方法によって得られる小麦クルテン酵素分解物等が用いられる。」(2頁右上欄下から6?1行)
オ「小麦グルテン分解物は市販品以外に下記の方法で得られたものも使用できる。
小麦グルテンを酵素で処理して小麦グルテン酵素分解物を得ることができる。
使用する酵素としては、動物由来の酵素(トリプシン、ペプシンなど)、植物由来の酵素(ブロメラン、パパインなど)、カビ由来の酵素(アルカリ性プロテアーセなど)、細菌由来の酵素(酸性プロテアーセなど)などがあげられる。その使用量は、反応pH1反応温度、反応時間などにもよるが、通常50-50万単位/小麦クルテン100gの範囲が好ましい。反応は各酵素の至適条件下で行えばよいが、通常10-70℃で1-24時間行われる。」(2頁右下欄11行?3頁左上欄4行)
カ「本発明に用いる小麦グルテン酵素分解物のアミノ酸組成の一例を第1表に示す。
(第1表略)(注)1.NH3遊離より推定してアスパラギン酸およびグルタミン酸の80-90%はアスパラギンおよびグルタミン由来と考えられる。…」(第3頁左上欄5?6行及び第1表)
キ「発明の効果 本発明の培地はグルタミンがペプチドの形で存在する為、蒸気滅菌してもグルタミンが分解されることなくグルタミンを別途添加する必要はない。」(第6頁右下欄4?8行)

(2)甲第8号証(特開平6-245790号公報)
甲第8号証は、本件特許の優先日(平成7年2月23日)前の平成6年9月6日に頒布された刊行物であり、そこには以下の記載がある。
ク「【請求項1】 小麦蛋白質をプロテアーゼで分解して得られるオリゴペプチド混合物であって、下記の1?4(丸付き数字)の特性;
1(丸付き数字)重量平均分子量が200?1000である;
2(丸付き数字)ジペプチドおよびトリペプチドの合計含量が50重量%以上である;
3(丸付き数字)遊離アミノ酸含量が10重量%以下である;
4(丸付き数字)グルタミン含量が30重量%以上である;
を有していることを特徴とするオリゴペプチド混合物。」(特許請求の範囲)
ケ「しかし、グルタミンは輸液や経管・経口栄養剤の素材として有益であるにも拘わらず、アミノ酸の形態では熱に不安定であり、その機能を充分に発揮できないため,…が試みられている。[…]。」(【0005】)
コ「【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、消化管での消化吸収性に優れたジペプチドおよびトリペプチドの含量が高く、しかも有益なグルタミン含量の多いオリゴペプチド混合物を安全に且つ安価に提供できるようにすることである。」(【0006】)
サ「更に、本発明は、上記?の特性を有するオリゴペプチド混合物の製造方法であり、その方法として、(1)小麦蛋白質をバチルス属細菌の生産するアルカリプロテアーゼ(以下単に「アルカリプロテアーゼ」ということがある)を用いてpH8.0?11.0、温度40?70℃で5?30時間加水分解して該オリゴペプチド混合物を製造する方法、または(2)小麦蛋白質をバチルス属由来アルカリプロテアーゼを用いてpH8.0?11.0、温度40?70℃で2?10時間加水分解した後、微生物または植物に由来する中性プロテアーゼを(以下単に「中性プロテアーゼ」ということがある)用いて更にpH6.0?8.0、温度40?60℃で5?20時間加水分解して該オリゴペプチド混合物を製造する方法、を採用するものである。」(【0009】)
シ「本発明の製造方法で使用する小麦蛋白質は、グルテンから主としてなっており、他にアルブミン、グロブリン等の蛋白質を含有することが知られている。」(【0010】)
ス「アルカリプロテアーゼとしては、バチルス属細菌の生産するアルカリプロテアーゼであればいずれも使用でき、…それらのアルカリプロテアーゼはノボインダストリージャパン社製の「アルカラーゼ」、…などとして入手することができる。」(【0016】)
セ「この(2)の方法で用いる中性プロテアーゼとしては、微生物または植物に由来する中性プロテアーゼであればいずれも使用でき、例えば金属プロテアーゼ、パパインなどを挙げることができ、それらの中性プロテアーゼは、…上田化学工業社製の「オリエンターゼ90N」…などとして入手することができる。」(【0020】)
ソ「重量平均分子量:PolyLC社のPolyHYDROXYETHYL Aspartamide カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにて、溶離液50mM蟻酸、流速0.5ml/分、検出220nmの紫外吸収の条件下に測定した。」(【0030】)
タ「《実施例 1》粉末小麦蛋白質(Bunge Bioproducts Pty.Ltd製「Special Fine Dry Gluten」)133.5kgを0.05Nのアンモニア水870リットルに撹拌下に溶解し(pH10.0)、オリエンターゼ22BFを500g(1000units/小麦蛋白質1g)を添加して55℃で5時間反応させた。次に、塩酸を用いて液のpHを7.0に調節した後、オリエンターゼ90Nを500g(4000units/小麦蛋白質1g)添加し、60℃で15時間反応させた。その時点で50%L-乳酸を約15リットル加えて液のpHを4.5に調整した後90℃で20分間加熱してプロテアーゼを失活させた。冷却後、活性炭(武田薬品工業社製「タケコール50W」)10kgを加えて1時間撹拌した後、珪藻土を濾過助剤としてフィルタープレス処理を行って透明な濾液を得た。この濾液を減圧濃縮した後、プレートヒーターで殺菌し、次いで噴霧乾燥して粉末状のオリゴペプチド混合物82kgを得た(小麦蛋白質に対するオリゴペプチド混合物の収率61.4%)。
上記した得られたオリゴペプチド混合物の特性を上記の方法で測定したところ、オリゴペプチド混合物の重量平均分子量は420、オリゴペプチド混合物重量に対するジペプチドおよびトリペプチドの合計含量は59.8重量%、グルタミン含量は33.9重量%および遊離アミノ酸含量は7.2重量%であった。なお、参考のために、表1にこの実施例1で得られたオリゴペプチド混合物のアミノ酸組成を示す。
《実施例 2》実施例1で使用したのと同じ粉末小麦蛋白質133.5kgを0.02Nのアンモニア水870リットルに撹拌下に溶解した後、水酸化ナトリウムでpHを9.8に調整し、オリエンターゼ22BFを1kg(2000units/小麦蛋白質1g)添加して60℃で0.5時間反応させた。水酸化ナトリウムでpHを9.5に再調整した後、更に60℃で10時間反応させた。その時点で50%L-乳酸を約15リットル加えて液のpHを4.5に調整し、90℃で20分間加熱してプロテアーゼを失活させた。冷却後、実施例1で用いたのと同じ活性炭10kgを加えて1時間撹拌した後、珪藻土を濾過助剤としてフィルタープレス処理を行って透明な濾液を得た。この濾液を減圧濃縮した後、プレートヒーターで殺菌し、次いで噴霧乾燥して粉末状のオリゴペプチド混合物80kgを得た(小麦蛋白質に対するオリゴペプチド混合物の収率59.9%)。
上記で得られたオリゴペプチド混合物の特性を上記した方法で測定したところ、オリゴペプチド混合物の重量平均分子量は540、オリゴペプチド混合物重量に対するジペプチドおよびトリペプチドの合計含量は50.4重量%、グルタミン含量は34.3重量%および遊離アミノ酸含量は5.8重量%であった。なお、参考のために、表1にこの実施例2で得られたオリゴペプチド混合物のアミノ酸組成を示す。」(【0036】?【0039】)
チ「また、本発明のオリゴペプチド混合物はグルタミンを多量に含んでいるため、侵襲時または腸管機能障害時のエネルギー源として有用であり、しかもグルタミンは遊離態ではなくペプチド態で存在していることにより加熱などの加工に対して安定であり、広範な用途に使用可能である。」(【0042】)

2.本件発明1及び7について

(1)甲第7号証に記載された発明
上記の1.の記載事項ア?キからみて,甲第7号証には,
「タンパク材料の酵素的加水分解により得られるグルタミン含有タンパク加水分解物を含む培地を用いることによって真核細胞をインビトロで維持しまたは生育させるための方法」の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

(2)対比
本件発明1と引用発明1とを比較すると,両者は、
「タンパク材料の酵素的加水分解により得られるグルタミン含有タンパク加水分解物を含む培地を用いることによって真核細胞をインビトロで維持しまたは生育させるための方法」である点で一致し,
用いるタンパク加水分解物が,本件発明では,
「・総タンパク様物質量の15重量%未満の遊離アミノ酸レベル
・15アミノ酸未満の平均ペプチド鎖長
を有し、
・上記タンパク加水分解物の少なくとも90重量%が、本明細書中に記載したようにProtein-Pak 60カラムでのゲル透過クロマトグラフィにより決定する場合に1000D未満の分子量を有する」ものであるのに対し,引用発明1ではそのような特定がされていないものである点で相違する。(以下この点を「相違点1」という。)

(3)判断
ア 甲第8号証に記載されたタンパク加水分解物の特性
甲第8号証に記載されたタンパク加水分解物(オリゴペプチド)は,上記1.の記載事項ク?チからみて,以下のようなものであると認められる。

(ア)遊離アミノ酸含量は10重量%以下であり(前記記載事項ク),実施例では7.2%及び5.8%である(前記記載事項タ)。
(イ)該オリゴペプチドの重量平均分子量は200?1000であり(前記記載事項ク),実施例では420及び540である(前記記載事項タ)。この実施例の分子量によれば,その90%以上が1000D以下の分子量を有するものである蓋然性が高く,また,その請求項1に記載された平均分子量の最低値である200の場合はなおさらである。また,その決定法の相違によっても分子量が大きく異なることはないと考えられることも考慮すると,甲第8号証記載のオリゴペプチドは,本件発明の「Protein-Pak 60カラムでのゲル透過クロマトグラフィにより決定する場合に1000D未満の分子量を有する」ものに相当するものと認められる。
(ウ)小麦グルテン酵素分解物の平均アミノ酸分子量は、甲第8号証の段落0041の表1の実施例1及び実施例2の当該小麦グルテン酵素分解物のアミノ酸組成(重量%)から計算すると、それぞれ132及び131である。平均ペプチド鎖長は、重量平均分子量を平均アミノ酸分子量で除した値である。実施例の重量平均分子量は,420及び540であるから,実施例のオリゴペプチドの平均ペプチド鎖長は、420/132=3.2、或いは540/131=4.1である。

以上のことから,甲第8号証には,本件発明1で用いている
「・総タンパク様物質量の15重量%未満の遊離アミノ酸レベル
・15アミノ酸未満の平均ペプチド鎖長
を有し、
・上記タンパク加水分解物の少なくとも90重量%が、本明細書中に記載したようにProtein-Pak 60カラムでのゲル透過クロマトグラフィにより決定する場合に1000D未満の分子量を有する」
タンパク加水分解物(以下「甲8発明」という。)に相当するものが記載されているものと認められる。

イ 引用発明1への甲8発明の適用の容易想到性
引用発明1及び甲8発明の目的は,いずれもグルタミンが熱で容易に分解されることを解消するためにグルタミンというアミノ酸としてではなく,タンパク加水分解物であるオリゴペプチドに含まれている状態で利用するものである点で一致する。その上、引用発明1及び甲8発明の分解物は、小麦タンパク質を酵素的に加水分解することによって得られる点で一致する。
そして,引用発明1は小麦グルテン酵素分解物を含有する培地であり、一方甲8発明は経管・経口栄養剤であるが,グルタミンは生物にとっての栄養成分であり,グルタミン供給源を培地及び経管・経口栄養剤に添加することは本件の出願前において周知である(例えば、甲第4号証を参照。)。また,甲第7号証には,小麦グルテンを加水分解したものであればいずれも用いられることが記載されている。
これらのことから,引用発明1の小麦タンパク加水分解物として,甲8発明の小麦タンパク加水分解物を用いることは,当業者であれば容易に想到し得ることである。

ウ 効果の顕著性
そして,引用発明1の小麦タンパク加水分解物として,甲8発明の小麦タンパク加水分解物を用いることにより,予測できない顕著な効果が奏されるものともいえない。

エ 以上のことから,本願発明1は,甲第7号証及び甲第8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また,本願発明7は,本願発明1を,培地という物のカテゴリーで表現したにすぎないものであって,技術的思想として本願発明1と変わるところはないから,同様の理由で,甲第7号証及び甲第8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.本件発明2及び8について
本件発明2及び8において,本願発明1及び7に対して付加された発明特定事項は,「タンパク加水分解物における平均ペプチド鎖長が10アミノ酸残基未満である」というものである。しかし,上記2.(3)ア(ウ)で示したように,甲8号証に記載された実施例の加水分解物の平均鎖長は3.2又は4.1であり,10アミノ酸残基未満に相当する。
したがって,本件発明2及び8は,上記2.(3)と同様の理由により,甲第7号証及び甲第8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.本件発明3及び9について
本件発明3及び9において,本願発明1及び7に対して付加された発明特定事項は,「タンパク加水分解物が総タンパク様物質量の4重量%未満の遊離アミノ酸レベルを有する」というものである。
しかし,引用発明1及び甲8発明の目的である,グルタミンが熱で容易に分解されることを解消するという点から見れば,遊離アミノ酸が少ない方が望ましいことは明らかであり,特に甲第8号証には,グルタミンが遊離体でなくペプチド体で存在しているため,加熱等の加工に対して安定であることが記載されている(前記記載事項チ)のであるから,同じくグルタミンの安定性の向上を目的とする引用発明1に適用する際には,その遊離アミノ酸レベルをなるべく低いものとすることは当業者が容易に想到し得ることである。
そして,甲第8号証に記載された実施例でも,遊離アミノ酸含量が5.8%と4%に近いものが記載されており,使用する酵素の種類や処理条件を変更したり,またタンパク加水分解物から遊離アミノ酸を除去する周知の手法(例えば,特開平5-236909号公報,特開平2-138991号公報を参照)を用いることにより,有機アミノ酸含量を低下させて4重量%未満の遊離アミノ酸レベルのものとすることに困難性はない。
したがって,本件発明3及び9は,上記2.(3)と同様の理由により,甲第7号証及び甲第8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.本件発明4及び10について
本件発明4及び10において,本願発明1及び7に対して付加された発明特定事項は,「タンパク加水分解物が20重量%以上のグルタミン残基を含有する」というものである。
しかし,甲第8号証にはグルタミン含量が30%以上のタンパク加水分解物が記載されており(前記記載事項ク),実施例のものはグルタミン含量が33.9及び34.3%であり(前記記載事項タ),それらは「20重量%以上のグルタミン残基を含有する」ものである。
したがって,本件発明4及び10は,上記2.(3)と同様の理由により,甲第7号証及び甲第8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.本件発明5,6,11及び12について
本件発明5,6,11及び12において,本願発明1及び7に対して付加された発明特定事項は,「タンパク材料が穀類タンパクである」,あるいはそれに加えて「タンパク材料がコムギグルテンまたはその画分である」というものである。
しかし,甲第8号証には,原料小麦タンパクとして「Bunge Bioproducts Pty.Ltd製「Special Fine Dry Gluten」」,すなわちグルテンを用いたことが記載されており(前記記載事項タ),記載された加水分解物は,その「タンパク材料が穀類タンパクである」,あるいは「タンパク材料がコムギグルテンである」ものに相当する。
したがって,本件発明5,6,11及び12は,上記2.(3)と同様の理由により,甲第7号証及び甲第8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

7.本件発明13及び14について
本件発明13及び14は,請求項7?12に記載された培地を,容器と組み合わせた、真核細胞をインビトロで維持しまたは生育させるためのキット,あるいはさらにその培地の形態を「無菌的液体」に限定したものである。
しかし,培地と容器とは,実際の使用時に共に用いるものであるから,それらを組み合わせてキットとすることは,当業者であれば当然に想到し得ることであり,また,培地として「無菌的液体」の形態のものはあまりに周知である。
したがって,上記の通り,請求項7?12に記載された培地が,甲第7号証及び甲第8号証の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件発明13及び14についても,甲第7号証及び甲第8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

8.小括
以上の通りであるから,本件の請求項1?14に係る発明は、甲第7号証及び甲第8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第3 無効理由1及び2について

1.甲第1号証及び甲第2号証の記載

(1)甲第1号証(Peptone Selection Guide for Diagnostic and Fermentation Nutrients, Deltown Specialties, 1994)
甲第1号証は、本件特許の優先日(平成7年2月23日)前の1994年(平成6年)に頒布された刊行物であり、そこには以下の記載がある。

ツ「診断及び発酵栄養物のためのペプトン選択ガイド」(表紙)
テ「 SE50M SE50BT
基質 : 大豆 大豆
消化の方法: 酵素 酵素
物理的特性:
アミノ窒素(AN)% 2.4 2.0
総窒素(TN)% 9.2 7.8
アミノ酸組成(mg/gm)
グルタミン酸 110.9 89.9
分子量特性(ダルトン%)
<1000 92.6 91.8
平均分子量
ダルトン 365.9 322.3
遊離アミノ酸(%) 8-12 10-17」(第2頁最左列、並びに第3頁左から5列目及び最右列)
ト「デルタウン社のペプトンの全ては、一連の、成長能力、生化学的及び物理的試験を使用して評価される。各バッチは、様々な微生物の成長をサポートするためのその能力について評価される。」(第4頁第2段落1?3行)

(2)甲第2号証(DELLAC SE50M, DMV International Nutritionals, 1993年)
甲第2号証は,本件の優先日前(平成7年2月23日)前の1993年(平成5年)に頒布された刊行物であり、そこには以下の記載がある。

ナ「大豆粉のパパイン消化物
DELLAC SE50Mは、微生物学的培地、例えばTSA及びTSBのために適している大豆粉のパパイン消化物である。
DELLAC SE50Mは、或る酵母菌及び真菌を含む、培養条件の面倒な多くの微生物の成長を助長する。
DELLAC SE50Mはまた、炭水化物及び窒素源として発酵ブロスにおいて使用される。」(2?5行)

2.本件発明1及び7について
(1)甲第1号証に記載された発明
甲第1号証に記載されたSE50Mは,大豆を酵素で分解した発酵栄養物としてのペプトンであり,本件発明1のタンパク材料の酵素的加水分解により得られるタンパク加水分解物に相当する。また,大豆タンパクがグルタミンを含むことは自明であるから,SE50Mはグルタミンを含むものである。ここで,ペプトンは微生物培養用培地の栄養成分として周知であり,SE50Mは,微生物をインビトロで維持しまたは生育させる方法において用いるものであることは自明である。
また,SE50Mの遊離アミノ酸量は8-12%であり,本件発明1の「総タンパク様物質量の15重量%未満の遊離アミノ酸レベル」に相当する。
そして,本件特許公報第6頁19?23行の「平均ペプチド鎖長(PCL)」の定義によると、本件発明1における平均ペプチド鎖長(PCL)は、TN(総窒素)/(F(タンパク質中の1アミノ酸残基当たりの平均窒素量)×AN(アミノ窒素))から算出されるところ。甲第1号証記載のSE50MのTNは9.2であり、ANは2.4であり,また,大豆タンパク質のFは,本件特許公報第6頁の表1の記載によれば1.28である。これらの数値から、SE50Mの平均ペプチド鎖長を算出すると,9.2/(1.28×2.4)=3.0になる。すなわち,SE50Mの平均ペプチド鎖長は15アミノ酸未満であると認められる。
さらに,SE50Mの分子量分布特性は、1000ダルトン未満が92.6%であり,少なくとも90重量%が1000D未満の分子量を有するものである。

以上のことから,甲第1号証には,
「タンパク材料の酵素的加水分解により得られるグルタミン含有タンパク加水分解物を含む培地を用いることによって細胞をインビトロで維持しまたは生育させるための方法であって、上記タンパク加水分解物が、
・総タンパク様物質量の15重量%未満の遊離アミノ酸レベル
・15アミノ酸未満の平均ペプチド鎖長
を有し、
・上記タンパク加水分解物の少なくとも90重量%が1000D未満の分子量を有すること
を特徴とする方法。」
の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

(2)対比
本件発明1と引用発明2とを比較すると,両者は、
「タンパク材料の酵素的加水分解により得られるグルタミン含有タンパク加水分解物を含む培地を用いることによって細胞をインビトロで維持しまたは生育させるための方法であって、上記タンパク加水分解物が、
・総タンパク様物質量の15重量%未満の遊離アミノ酸レベル
・15アミノ酸未満の平均ペプチド鎖長
を有し、
・上記タンパク加水分解物の少なくとも90重量%が1000D未満の分子量を有すること
を特徴とする方法。」である点で一致し,
対象とする細胞が,本件発明では「真核細胞」であるのに対し,引用発明では特に特定されていない点(以下この点を「相違点2-1」という。),及び
1000D未満の分子量を有するものの比率を決定する方法が,本件発明では「本明細書中に記載したようにprotein-Pak 60カラムでのゲル透過クロマトグラフィにより決定する」ものであるのに対し,引用発明では特に特定されていない点(以下この点を「相違点2-2」という。)で相違している。

(3)判断
ア 相違点2-1についての判断
ペプトン(タンパクの加水分解物)が,酵母,動植物細胞などの真核生物の培養にも用いられることは技術常識であり,この点は甲第1号証に記載されているに等しい事項であると認められ,実質的な相違点とは認められない。
また,仮に実質的な相違点とした場合であっても,甲第2号証には,SE50Mが真核細胞の培養に有用であることが記載されているから,当業者であれば,甲第1号証記載のSE50Mを真核細胞の培養に用いることに極めて容易に想到し得るというべきである。

イ 相違点2-2についての判断
本件特許で特定された方法が特殊なものであるとか,測定の仕方により分子量分布が引用例に記載されたものと大きく異なるとする理由は特に認められず,この点は実質的な相違とは認められない。

ウ 小括
以上のことから,本件発明1は甲第1号証に記載された発明であるか,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また,本願発明7は,本願発明1を,培地という物のカテゴリーで表現したにすぎないものであって,技術的思想として本願発明1と変わるところはないから,同様の理由で,甲第1号証に記載された発明であるか,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.本件発明2及び8について
本件発明2及び8において,本願発明1及び7に対して付加された発明特定事項は,「タンパク加水分解物における平均ペプチド鎖長が10アミノ酸残基未満である」というものである。しかし,上記2.(1)で示したように,甲1に記載されたSE50Mの平均鎖長は3.0であり,10アミノ酸残基未満に相当するから,この点は引用発明2との実質的相違点とはいえない。
したがって,本件発明2及び8は,上記2.(3)と同様の理由により,甲第1号証に記載された発明であるか,あるいは甲第1号証及び甲第2号証の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.本件発明3及び9について
本件発明3及び9において,本願発明1及び7に対して付加された発明特定事項は,「タンパク加水分解物が総タンパク様物質量の4重量%未満の遊離アミノ酸レベルを有する」というものである。
ここで,本件特許公報の第3頁41?44行においても、従来技術として、遊離のグルタミンがピログルタミン酸と有害なアンモニアとに分解することがよく知られていること,及び,最近,高レベルの遊離アミノ酸を含むタンパク加水分解物は、遊離のグルタミンがピログルタミン酸と有害なアンモニアとに分解するという欠点をも有し、したがって、真核細胞の培地においての応用には、非常に適しているものではないことが見いだされていることが記載されている。また,グルタミンの不安定性及びその問題の解消のためのオリゴマーの使用については,本件特許の優先日前に頒布された甲第7及び8号証にも記載されているところである。
このような技術水準の下では,当業者は,培地に用いるタンパク加水分解物中の遊離アミノ酸レベルをなるべく低下させようと動機づけられるというべきであり,タンパク加水分解物から遊離アミノ酸を除去する周知の手法(例えば,特開平5-236909号公報,特開平2-138991号公報を参照)を用いて,甲第1号証に記載された加水分解物の遊離アミノ酸レベルを低下させることは当業者が容易に想到し得ることである。
また,「4重量%未満」という数値範囲にも格別の技術的意義は認められない。
したがって,本件発明3及び9は,上記2.(3)と同様の理由及び上記の理由により,甲第1号証,あるいは甲第1号証及び第2号証の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.本件発明4及び10について
本件発明4及び10において,本願発明1及び7に対して付加された発明特定事項は,「タンパク加水分解物が20重量%以上のグルタミン残基を含有する」というものである。
ここで,グルタミンは,甲第4号証の記載からも明らかなように、細胞及び組織培養において重要であることがよく知られており,培地に添加するタンパク加水分解物におけるその含量を増加させることは,当業者であれば容易に想到し得ることである。
ここで,甲第1号証に様々なタンパク由来のタンパク加水分解物(ペプトン)が記載され,そのアミノ酸残基の組成が異なっていることからも明らかなように,タンパク加水分解物中のグルタミン残基の重量比は,基本的に原料のタンパクにより決定される事項であることは技術常識である。
そして, タンパク加水分解物におけるグルタミン残基含量を増加させようとした場合には, その原料タンパクとしてグルタミン残基の含量の多い,例えばコムギグルテンのようなタンパクを選択することは当業者であれば容易に想到し得ることである。
したがって,本件発明4及び10は,上記2.(3)と同様の理由及び上記の理由により,甲第1号証,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.本件発明5,6,11及び12について
本件発明5,6,11及び12において,本願発明1及び7に対して付加された発明特定事項は,「タンパク材料が穀類タンパクである」,あるいはそれに加えて「タンパク材料がコムギグルテンまたはその画分である」というものである。
しかし,上記5.で述べたように,タンパク加水分解物におけるグルタミン残基含量を増加させようとすること,及びそのために原料タンパクとしてグルタミン残基の含量の多い,例えばコムギグルテンのようなタンパクを選択することは当業者であれば容易に想到し得ることである。
したがって,本件発明5,6,11及び12は,上記5.と同様の理由により,甲第1号証,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

7.本件発明13及び14について
本件発明13及び14は,請求項7?12に記載された培地を,容器と組み合わせた、真核細胞をインビトロで維持しまたは生育させるためのキット,あるいはさらにその培地の形態を「無菌的液体」に限定したものである。
しかし,培地と容器とは,実際の使用時に共に用いるものであるから,それらを組み合わせてキットとすることは,当業者であれば当然に想到し得ることであり,また,培地として「無菌的液体」の形態のものはあまりに周知である。
したがって,上記の通り,請求項7?12に記載された培地が,甲第1号証に記載された発明であるか,甲第1号証,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件発明13及び14についても,甲第1号証,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

9.小括
以上の通りであるから,本件の請求項1,2,7及び8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるか,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,また,請求項3?6及び9?14に係る発明は、甲第1号証,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである

第5 むすび
本件の請求項1?14に係る発明は、甲第7号証及び甲第8号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
また,本件の請求項1,2,7及び8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるか,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第1項第3号の発明に該当し,あるいは特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
さらに,請求項3?6及び9?14に係る発明は、甲第1号証,あるいは甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって,本件の請求項1?14に係る発明の特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

審判に関する費用については,特許法169条2項の規定で準用する民事訴訟法61条の規定により,被請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-02-01 
結審通知日 2010-02-03 
審決日 2010-02-16 
出願番号 特願平8-525395
審決分類 P 1 113・ 113- Z (C12N)
P 1 113・ 121- Z (C12N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 上條 肇  
特許庁審判長 鵜飼 健
特許庁審判官 平田 和男
鈴木 恵理子
登録日 2005-02-25 
登録番号 特許第3649249号(P3649249)
発明の名称 組織および細胞培養用ペプチド  
代理人 松井 光夫  
代理人 山崎 行造  
代理人 村上 博司  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ