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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1220532
審判番号 不服2008-32843  
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-12-26 
確定日 2010-07-21 
事件の表示 平成11年特許願第514095号「データ・ブロックを圧縮するメモリ管理」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 3月 4日国際公開、WO99/10812、平成13年 4月10日国内公表、特表2001-504971〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成10年7月16日(パリ条約による優先権主張1997年8月22日,英国)を国際出願日とする出願であって、出願後の手続きの経緯は次のとおりである。

拒絶理由の通知 (起案日)平成20年 3月 4日
拒絶査定 (起案日)平成20年 9月18日
同 謄本送達 (送達日)平成20年 9月30日
審判請求 (提出日)平成20年12月26日
手続補正 (提出日)平成21年 1月21日
拒絶理由(前置審査) (起案日)平成21年 3月 6日
(この拒絶理由の通知とともに期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが請求人からは何らの応答もなかった。)

2.拒絶理由(前置審査)の概要
平成21年 3月 6日付け拒絶理由通知書に記載した拒絶理由の概要は次のとおりである。

「この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1,2号に規定する要件を満たしていない。

依然として特許請求の範囲の記載が不明確であるとともに、発明の詳細な説明に記載された発明とも対応していない。具体的な記載は下記のとおり。

(1)請求項1の「ある空きブロックのサイズが、前記データ・ブロックのサイズ以上であり、かつ該空きブロックのサイズを前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズに該空きブロックのサイズを加えても、該空きブロックのサイズが前記データ・ブロックのサイズ以下である場合」との記載(上記は、本願明細書第【0022】段落の「ブロックのサイズ≦移動先のサイズ≦ソースのサイズ」の条件式を、「ソース」が「ソース=前のブロックのサイズ(空の場合)+候補ブロックのサイズ+次のブロックのサイズ(空の場合)」(第【0022】段落に記載)であることを踏まえて表現しようとしていると推測されるものの、該第【0022】段落の条件式を正しく表現できていない。)

(2)請求項1の「当該空きブロックに移動する」との記載(「当該」が指し示す「空きブロック」が、「ある空きブロック」なのか「データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロック」であるのか、不明確である。)

(3)請求項3の「前記データ・ブロックが、空きブロックであるか否かを決定し」との記載(出願人は審判請求時の補正において、上記記載に関し、補正前の「前記ブロック」を「前記データ・ブロック」と補正したが、「データ・ブロック」は「空きブロック」の反対語、つまり、データが格納されているブロックの意味であるから、上記記載は矛盾した記載である。また、上記補正により、下記(4)の不備が新たに生じている。)

(4)請求項4の「小さい場合にはデータ・ブロックを先行空きブロック位置まで移動させない」との記載(「データ・ブロック」が、どのデータ・ブロックを指すのか不明確である。もっとも、当該不備は上記(3)で指摘した審判請求時の補正の不適切さに起因して生じた副次的なものである。)

(5)請求項5の「前記空きブロックのサイズが、前記データ・ブロックのサイズ以上であり、かつ前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズに該空きブロックのサイズを加えても、該空きブロックのサイズが前記データ・ブロックのサイズ以下である場合」との記載(上記(1)と同様に、本願明細書第【0022】段落の条件式を正しく表現できていない。)

(6)請求項5の「データ・ブロックを当該空きブロックに移動させる」との記載(上記(2)と同様に、「当該」が指し示す「空きブロック」が不明確である。)

(7)請求項10の「前記空きブロックのメモリ」との記載(請求項6等の「空きブロックメモリ」との記載と用語が統一されていない。)
よって、請求項1-10に係る発明は特許法第36条第6項第1,2号に規定する要件を満たしていない。
拒絶の理由が新たに発見された場合には拒絶の理由が通知される。

<最後の拒絶理由通知とする理由>
1)審判請求時の補正によって通知することが必要になった拒絶の理由のみを通知する拒絶理由通知である。
2)軽微な補正、請求項の削除等により拒絶理由が解消されるので、最後の拒絶理由を通知する。
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<補正等の示唆>
上記(1)(2)の不備は、請求項1の「ある空きブロックのサイズが、・・・当該空きブロックに移動する」との記載を、「ある空きブロックのサイズが、前記データ・ブロックのサイズ以上であり、かつ前記ある空きブロックのサイズが、前記データ・ブロックのサイズと前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズとを加えたサイズ以下である場合、そのデータ・ブロックを、当該ある空きブロックに移動する」と補正することにより解消する。

上記(3)(4)の不備は、請求項3の「・・・先行する前記データ・ブロックが」を、「・・・先行するブロックが」と補正することにより解消する。

上記(5)(6)の不備は、請求項5の「前記空きブロックのサイズが、・・・当該空きブロックに移動させる」との記載を、「ある空きブロックのサイズが、前記データ・ブロックのサイズ以上であり、かつ前記ある空きブロックのサイズが、前記データ・ブロックのサイズと前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズとを加えたサイズ以下である場合、当該サーチ手段が、そのデータ・ブロックを当該ある空きブロックに移動させる」と補正することにより解消する。

上記(7)の不備は、請求項10の「前記空きブロックのメモリ」を、「前記空きブロックメモリ」と補正することにより解消する。
なお、上記の補正等の示唆は法律的効果を生じさせるものではなく、拒絶理由を解消するための一案である。明細書等をどのように補正するかは出願人が決定すべきものである。
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先行技術文献調査結果の記録
・調査した分野 IPC G06F12/00,12/02
・先行技術文献 特開平08-249216号公報
特開平06-095954号公報
特開平03-282849号公報
この先行技術文献調査結果の記録は、拒絶理由を構成するものではない。」

3.当審の判断
(1)請求項1の「ある空きブロックのサイズが、前記データ・ブロックのサイズ以上であり、かつ該空きブロックのサイズを前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズに該空きブロックのサイズを加えても、該空きブロックのサイズが前記データ・ブロックのサイズ以下である場合、」は、発明の詳細な説明(特に【0022】段落)に好ましい実施例として説明された、「ソース=前のブロックのサイズ(空の場合)+候補ブロックのサイズ+次のブロックのサイズ(空の場合)」「ブロックのサイズ≦移動先のサイズ≦ソースのサイズ」の条件式を正しく表現できているか否かについて検討する。
請求項1の前記事項に対応する記載として、前記【0022】段落の記載と、この段落に続けて好ましい実施例として、図2?図4を用いて次のように記載されている。(なお、条件式として不等式の後半に等号があるものとないものが記載されているが、等号の場合は有益な移動でないが、移動することができる可能性をもたらす旨説明されていることから、等号のない完全な移動条件に等号の場合を加味しても何ら差し支えないものである。)
「【0022】
望ましい実施例の場合、メモリ管理システムは、空きブロックは大きい方が望ましく、かつ可能であればどこにおいてもそれらを得るべきであるとの条件を前提にしている。候補ブロックをメモリ内の他の場所に移動させることにより発生するであろう空間(ソース)は、以下の条件により与えられる:ソース=前のブロックのサイズ(空の場合)+候補ブロックのサイズ+次のブロックのサイズ(空の場合) 移動先における空きブロックのサイズがこの量より小であるならば、移動は効果がある。一般に、正確に一致しないものを拒絶することは非生産的であるので、移動先に空きメモリの小さい領域が残ることは、実際のシステムでは避けられないが、理想的には、空き空間のフラグメントが除去されるように、移動先のブロックサイズは、移動可能なブロックのサイズに等しくなるべきである。完全移動が満たされる条件は、次のように書ける。:ブロックのサイズ≦移動先のサイズ≦ソースのサイズこの式は、正確に一致する場所が他にあるならば、2つの使用されている他のブロックにより挟まれたブロックは移動することが出来る可能性(これは、何の利益も得られないので、有益な移動ではないが)をもたらすことは、理解されるであろう。この状況を回避するには、(前が、空である)または(次が、空である)条件を完全移動の条件に加えることである。つまり、その条件は、次のようになる:ブロック・サイズ≦移動先サイズ<ソース・サイズこのシステムは、空きブロックとそれらのサイズを即座に識別するためのメカニズムが必要であるので、その一部として、所定の時点で利用可能な空きブロックのあらゆるサイズの「空き」リストを保持している。適切なサイズでかつ最も低いアドレスを有する空きブロックを識別するために、ほとんどの演算は、各リストのヘッドのみにアクセスするであろう。これらのリストは、第3図で示されるように、平衡バイナリ・ツリー構造を介してアクセスされる。
…(中略)…
【0028】
ステップ103のテストが、ブロックが空ではないと決定した場合、繰り返し手順は、ブロックが可動であるかまたは固定されているを決定するステップ107に進む。ブロックが可動でない場合、繰り返し手順は、106で、次のブロックの選択を判断する。ブロックが可動であると識別された場合、108で、ソース・ブロックのサイズが、初めに、検討中のブロックのサイズに設定され、次いで、前のブロックが空であるか否かがチェックされ(109)、空である場合、110で、ソース・ブロックのサイズを、初期のブロック・サイズから前のブロックのサイズ分増大させる。前のブロックのテスト(およびブロックが空である場合、ソースの拡大)に続いて、111で、同様のテストが、次のブロックに対して実行される。
次のブロックが空の場合、112で、ソースのブロック・サイズはその次のブロック・サイズ分増大する。
【0029】
次のブロックと前のブロックが空であるか否かのテストの後(もし空であれば、そのソースは拡大される)、113で、ソースのブロック・サイズが、元のブロック・サイズに等しいか否かについての別のテストが行われる。もし等しい場合には、前のブロックも次のブロックも空ではないので、その現在の位置からブロックを移動させることは、意味が無く、そして検討中のブロックと正確にサイズが同じ移動先ブロックが発見されない限り、レイアウトはその移動により悪化してしまうであろう。そのテストの結果、113におけるテストが、空でないブロックによってはさまれているブロックを決定すると、そのブロックは固定されたままとなり、かつ繰り返し手順は、再び、106での次のブロックの選択に移動する。
【0030】
113におけるテストが、ソースのブロック・サイズが元のブロック・サイズより大であるであることを示すと、114で選択された第一空きリストにより、適切な大きさの移動先ブロックの候補を探す空きリストのサーチが始まる。115で適用される移動先ブロック候補に対する適合性のテストは、それが上述した完全な移動条件を満たすか否かである:ブロック・サイズ≦移動先のサイズ<ソース・サイズ 空きリストのブロックが、上の条件を満たしていない場合、116で、空きリストにさらにブロックが存在するか否かがチェックされる。もし、存在する場合には、117で、リストの次のブロックが選択され、手順は、115での適合性テストに復帰する。116でのテストが、空きリスト上にはもはやブロックが存在しないことを示す場合には、検討中のブロックには適切な移動先ブロックは存在せず、繰り返し手順は、ステップ106に進み、次の候補ブロックを選択する。しかしながら、115での適合性テストが、上述の移動基準を満たす移動先を示す場合には、検討中のブロックは、118で、移動先ブロックに移動され、空きリストの構成の結果も更新される。
【0031】
ブロックを移動させた後、119で、コンパクタは、移動された新しいブロックの前のブロックが空であるかどうかについてさらにチェックを行う。もし空の場合、120で、ブロックを空きブロックによって与えられたスペースに下に移動させるスライディング・プロ
セスが、実行される。」

まず、不等式 ブロックのサイズ≦移動先のサイズ≦ソースのサイズ における「ソースのサイズ」とは、【0022】段落に記載された次のソース(のサイズ)のことと認められる。
ソース=前のブロックのサイズ(空の場合)+候補ブロックのサイズ+次のブロックのサイズ(空の場合)
前記ソース(のサイズ)は、候補ブロック(可動な、即ち移動可能な、候補となるデータ・ブロック,ステップ107参照)をメモリ内の他の場所に移動させることにより発生するであろう空間(ソース)であり、候補ブロックのサイズ(移動可能な候補となるデータ・ブロックのサイズ)に対して、当該候補ブロックに隣接する前のブロックと、隣接する次のブロックが空の場合には当該空のブロックのサイズが前記(データ・ブロックである)候補ブロックのサイズに加えられることを意味すると解され(図4のステップ108?111参照)、後述する請求項1の「かつ該空きブロックのサイズを前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズに該空きブロックのサイズを加えても、」と対応させる上で関連する記載と認められる。
請求項1の「ある空きブロックのサイズが、前記データ・ブロックのサイズ以上」は、【0022】【0030】段落の不等式における「ブロック・サイズ≦移動先のサイズ」の部分と対応する。「ある空きブロックのサイズ」と「移動先のサイズ」の文言の違いについては、発明の詳細な説明に「移動先における空きブロックのサイズがこの量より小であるならば、移動は効果がある。」(【0022】段落)、「ソースのブロック・サイズが元のブロック・サイズより大であることを示すと、114で選択された第一空きリストにより、適切な大きさの移動先ブロックの候補を探す空きリストのサーチが始まる。」(【0030】段落)と記載されていることから、移動先のブロックは空きブロックとみることができて単なる表現の違いであるから、請求項1の「ある空きブロックのサイズ」は、前記不等式における「移動先のサイズ」に対応していることが認められる。また、不等式は、空でない可動なブロック(可動なデータ・ブロック、ステップ107)を空きブロックに移動させる場合の条件(ステップ114、115)であるから、請求項1の「データ・ブロックのサイズ」は、前記不等式における「ブロック・サイズ」に対応していることが認められる。
次に、請求項1の「かつ該空きブロックのサイズを前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズに該空きブロックのサイズを加えても、該空きブロックのサイズが前記データ・ブロックのサイズ以下である場合」における「前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズに該空きブロックのサイズを加えても」は、「該空きブロック」が「ある空きブロック」を指すか否かにかかわらず、文言どおり、空きブロックのサイズに空きブロックのサイズを加えるものであって、空きブロックのサイズにデータ・ブロックのサイズを加える(前記隣接する如何なる空きブロックのサイズにデータ・ブロックのサイズを加える)ものではないから、発明の詳細な説明の前記不等式、移動先のサイズ<(又は≦)ソース・サイズ におけるソース・サイズには対応しない。このソース・サイズは、ソース(のサイズ)=前のブロックのサイズ(空の場合)+候補ブロックのサイズ+次のブロックのサイズ(空の場合)であって、候補ブロックのサイズとは、【0022】段落に、候補ブロックをメモリ内の他の場所に移動させることにより発生するであろう空間(ソース)は、以下の条件により与えられる:ソース=前のブロックのサイズ(空の場合)+候補ブロックのサイズ+次のブロックのサイズ(空の場合)と説明されていることから、(候補ブロックのサイズは、)移動可能なデータ・ブロックのサイズを意味することが認められるから、空の場合の空きブロックのサイズと候補ブロック(移動可能な候補となるデータ・ブロック)のサイズを加えるのものである。このこと(該候補ブロックのサイズがテストされているデータ・ブロックサイズのことであること)は図4のフロー(ステップ107?111)からも明らかである。結局、発明の詳細な説明の不等式の条件は、空きブロックのサイズにデータ・ブロックのサイズを加えるものであり、請求項1に記載されているような、空きブロックのサイズに空きブロックのサイズを加えるものでないから、対応しない。そして、発明の詳細な説明において、請求項1を引用した記載、例えば【0008】【0011】段落の記載を除けば、どこにも請求項1の前記空きブロックのサイズに空きブロックのサイズを加える事項を有する発明は記載されていない。したがって、特許を受けようとする発明(請求項1の発明)が発明の詳細な説明に記載したものであるとは認められない。
請求項1の「該空きブロックのサイズが前記データ・ブロックのサイズ以下である場合、」は、前記不等式の後半部分、移動先のサイズ<(又は≦)ソース・サイズ と対応しない。該「前記データ・ブロックのサイズ以下」における「前記」が請求項1の「前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズに該空きブロックのサイズを加えても」を指すとしても、「該空きブロック」における「該」が明確でないばかりか、前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズにデータ・ブロックのサイズを加えた場合であることを限定して特定できるものではないから、前記不等式に係る、移動先のサイズ(ある空きブロックのサイズ)<(又は≦)ソース・サイズとは対応せず、明確でない。したがって、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるとは認められず、しかも、特許を受けようとする発明が明確でない。

(2)請求項1の「当該空きブロックに移動する」との記載における、「当該」が指し示す「空きブロック」が、「ある空きブロック」であることが限定されるものでなく、そのブロックなのか「データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロック」であるのか、不明確であるから、特許を受けようとする発明が明確でない。

(3)請求項3の「前記データ・ブロックが、空きブロックであるか否かを決定し」との記載は、補正前の「前記ブロック」を「前記データ・ブロック」と補正したものであるが、「データ・ブロック」は「空きブロック」の反対語、つまり、データが格納されているブロックの意味であるから、前記記載は矛盾した記載であり、特許を受けようとする発明が明確でない。

(4)請求項4の「小さい場合にはデータ・ブロックを先行空きブロック位置まで移動させない」との記載は、該「データ・ブロック」が、どのデータ・ブロックを指すのか不明確である。

(5)請求項5は、カテゴリーがデータ処理装置の発明に係るが、請求項1の格納データ管理方法の発明と実質的に同じ特定事項を有し、「前記空きブロックのサイズが、前記データ・ブロックのサイズ以上であり、かつ前記データ・ブロックの元の位置に隣接する如何なる空きブロックのサイズに該空きブロックのサイズを加えても、該空きブロックのサイズが前記データ・ブロックのサイズ以下である場合」との特定事項について前記(1)と同様のことが言える。

(6)請求項5の「データ・ブロックを当該空きブロックに移動させる」との記載は、前記(2)と同様に、「当該」が指し示す「空きブロック」が不明確である。

(7)請求項10の「前記空きブロックのメモリ」との記載は、請求項6等の「空きブロックメモリ」との記載とで用語が統一されていない。

よって、請求項1ないし請求項10に係る発明は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるとは認められず、あるいは、特許を受けようとする発明が明確であるとは認められず、特許法第36条第6項第1号ないし2号に規定する要件を満たしていない。

4.むすび
以上のとおり、本願は、特許法第36条第6項第1号ないし2号に規定する要件を満たしていないとした、上記の拒絶理由(前置審査)は妥当なものと認められるので、本願はこの拒絶理由によって拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-02-18 
結審通知日 2010-02-23 
審決日 2010-03-08 
出願番号 特願平11-514095
審決分類 P 1 8・ 537- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 秀人多賀 実  
特許庁審判長 山崎 達也
特許庁審判官 鈴木 匡明
宮司 卓佳
発明の名称 データ・ブロックを圧縮するメモリ管理  
代理人 宮崎 昭彦  
代理人 杉村 憲司  
代理人 笛田 秀仙  
代理人 津軽 進  
代理人 英 貢  

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