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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65B
管理番号 1220670
審判番号 不服2009-21847  
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-11-10 
確定日 2010-07-29 
事件の表示 平成10年特許願第317535号「簡易荷送シール装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 5月23日出願公開、特開2000-142634〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成10年11月9日に出願されたものであって、平成21年9月4日付けでなされた拒絶査定に対して、これを不服として同年11月10日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成21年5月8日付けで補正された明細書及び図面の記載からみて、その請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「複数積み重ねたワークを1つずつ順次投入するワーク投入手段と、
前記ワーク投入手段により投入される前記ワークの特定の一面を基準面とし、前記基準面に対する直角な面を水平に搬送するワーク搬送手段と、
ロール状で所定幅の片面糊付テープを前記ワークへの貼着長さに対応する所定長さに、かつ、前記テープの幅方向の中心を前記ワークの前記基準面の厚み方向の略中心に一致させ切出すテープ切出手段と、
前記ワーク搬送手段により搬送される前記ワークの先端位置に略同期させ、前記テープ切出手段により切出された前記テープの糊付面と反対面を負圧にして吸着保持し、前記テープ切出手段により切出された前記テープを前記基準面に対する直角な一方の面側の周縁面に貼着けるテープ貼着手段と、
前記テープ貼着手段で前記ワークの前記周縁面に貼着けられた前記テープの残幅部分を、
前記ワークの前記基準面から前記周縁面に貼着けられた前記ワークの他の面側へと前記ワーク搬送手段による前記ワークの搬送に伴って順次曲折し、少なくとも前記基準面以上に貼着けて前記ワークの基準面側をシール状態とするシール手段と、
前記ワーク搬送手段により搬送される前記ワークの特定の面側の所定位置に対して所定のラベルを貼着けるラベル貼着手段と
を具備することを特徴とする簡易荷送シール装置。」

第3 引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である、特開平6-122426号公報(以下、「引用文献1」という。以下、同様。)、実願昭56-76716号(実開昭57-188601号)のマイクロフィルム(引用文献2)には、ぞれぞれ、以下の事項が図面とともに記載されている。

<引用文献1>
「【0006】
【実施例】図1、図2は本発明に係る装置の要部構成を示す1実施例であって、付帯機素は要部とするものでないので図示は省略してある。1は上部送りベルト、1aは下部送りベルトであって、各ベルトにはベルト押えコロ1′が設けられ、このベルト間に小冊子Aの本体部が保持される。その各ベルトは矢印方向に移動する。前記ベルトに保持されない部分の小冊子の上方部位に起伏自在な小冊子押えコロ2がケースK内に数個等間隔に設けられる。3は小冊子開き部の裏面部位に定められた寸法に切断された片面接着テープを接着させるテープ吸引ベルトである。4は小冊子開き部の裏面部位に接着されたテープの外方張出し部を順次直角に起すテープ折起し板であり、5、5aは小冊子開き側面部を押し揃える押しローラーであって、直角に折起したテープはこのローラーを通り抜けてテープ折返し板6に至り順次小冊子開き部の表面部位にわたって折返されて押圧ローラー7によってテープ面部を圧して小冊子開き部を完全に封緘させる。片面接着テープTはロール状8に巻かれており回転可能に設けられて送りローラー9、9aによって無端ベルト10のベルト面部に送り出され、さらに多孔性ベルトを無端状に張架させたテープ吸引ベルト3のベルト面部に真空による吸引力によって吸着される。この状態下でテフロン(商品名)製押え具11によって前記ベルト10面部のテープを押えてカッター12で切断し、この切断テープは吸引ベルト3の面部に吸着されて小冊子開き部の裏面部位に接着される。図中の符号13は、テープ折返し板6の角度調整器、14はテープ折起し板4によって直角に起こされたテープの受け止め具である。
【0007】上記のように構成することにより、図4の1構成例を示す側面図のようにベルト押えコロ1′をそれぞれ備えた上部送りベルト1と下部送りベルト1aの成す間に小冊子開き部を手前にして挿入して両ベルトによって保持させる。この際に小冊子が正確な位置に保持されるように側板を設けてその位置を定めるようにするとよい。上下送りベルトの移動に伴い両ベルトに保持されない部分の小冊子面部を押えコロ2によって押えながらテープ吸引ベルト3面に吸引付着された定められた寸法に切断された片面接着テープを小冊子開き部の裏面部位に接着させる。この際、接着テープは吸引ベルト面に吸引付着されておればよく、接着テープの接着力よりも大きい吸引力を要しない。上記接着されたテープの張出し部はテープ折起し板4に至り順次テープの張出し部を上向きに起して直角に起し、ついで押えローラー5、5aによって小冊子開き側面部を押し揃え、直角に立つたテープは折返し板6に至り順次小冊子開き部の表面部位に向って折返されて接着した後、押圧ローラー7によって圧することにより完全に小冊子の開き部を接着テープで封緘させることができる。小冊子開き部を封緘させる片面接着テープの幅は予め定めておき、その長さはテープ長さ調整センサーの指令によりカッター12で切断するようにするとよい。また封緘用片面接着テープを小冊子開き部の裏面部位に接着させる手段としては、無端ベルトによることも考えられるが、そのテープをずれないようにベルト面に置くことが難しいので、この発明においては吸引ベルト方式を採用した。かくして、小冊子開き部を片面接着テープで封緘された小冊子はラベリングマシンに送られて郵送されることになる。」

また、図面の図2、4に、小冊子の表面部位と裏面部位が、上部送りベルト1及び下部送りベルト1aにより、水平に搬送されることが記載されていると認められる。

以上の記載及び図面の記載を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

(引用発明)
「側板により位置を定められた小冊子Aの表面部位と裏面部位を水平に搬送する上部送りベルト1及び下部送りベルト1aと、
ロール状で所定幅の片面接着テープTをテープ長さ調整センサーの指令により繰り出して切断する送りローラー9、9a、無端ベルト10、押え具11、カッター12と、
前記送りローラー9、9a、無端ベルト10、押え具11、カッター12により切出された前記片面接着テープTを真空にして吸着保持し、前記送りローラー9、9a、無端ベルト10、押え具11、カッター12により切出された前記片面接着テープTを前記裏面部位に接着するテープ吸引ベルト3と、
前記テープ吸引ベルト3で前記小冊子Aの前記裏面部位に貼着けられた前記片面接着テープTの外方張出し部を、前記小冊子Aの前記開き部から前記裏面部位に貼着けられた前記小冊子Aの反対側の表面部位へと前記上部送りベルト1及び下部送りベルト1aによる前記小冊子Aの搬送に伴って順次曲折して開き部を完全に封緘するテープ折起し板4、押しローラー5、5a、テープ折返し板6、押圧ローラー7と、
を具備する封緘装置。」

<引用文献2>
「第1図は本考案による郵便物自動封入装置全体を示す斜視図で、横に長く続いているため作図上途中で破断して上下二列として図示してある。その概略を説明するに、作業者により運び込まれる書籍等の被封入物1を積み重ねた状態で載置する移送台A、移送台Aより一部づつ自動的に被封入物を送り出すための被封入物補助供給装置B、一部づつ供給された被封入物を一定高さ範囲で積み重ね載置し、その下側より再び一部づつ送り出すようにするための被封入物自動供給装置C、自動供給装置Cの下側より被封入物を一部づつ移送するためのコンベア装置D、コンベア装置Dにより移送される被封入物を内面熱接着剤被覆包装紙2により両側より包み込む縦シール封緘装置E、縦シール封緘された連続包装紙2の横シール封緘を行うと同時に切断を行う横シール封緘兼切断装置Fとにより、被封入物1を郵便包装袋の作成と同時に封入するように構成され、これに続いて、被封入物を封入した郵便包装袋に宛名ラベルを貼り付けるための宛名ラベル貼付装置Gが設けられていて、これで被封入物1は包装宛名書きされた状態となり、郵便物として郵便局に差し出せばよい状態まで自動的に作業が行われることになる。」(2ページ12行ないし3ページ14行)

「コンベア装置Dの左端上に被封入物自動供給装置Cが設けられており、ここで被封入物を一定高さ範囲で積み重ね載置し、その下側より一部づつ被封入物1をチェーン5に設けた爪6により引き出して移送するようになつている。」(4ページ6行ないし10行)

「このようにして被封入物を封入包装した郵便包装袋は、次に位置する宛名ラベル貼付装置Gに送られ、ここでコンピュータより出力印刷された宛名ラベル等を貼付されて郵便物として完成される。」(7ページ20行ないし8ページ3行)

第4 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
まず、引用発明の「小冊子A」、「開き部」、「裏面部位」、「表面部位」が、それぞれ、本願発明の「ワーク」、「基準面」、「基準面に対する直角な一方の面」、「他の面」に相当する。
また、引用発明の「上部送りベルト1及び下部送りベルト1a」は、側板により小冊子Aの位置を定めているものであるから、小冊子Aの開き部を基準面として搬送するものであるとともに、小冊子Aの開き部が表面部位と裏面部位に直角であることは、小冊子Aの形状からして明らかである。したがって、引用発明の「上部送りベルト1及び下部送りベルト1a」は、小冊子の特定の一面を基準面とし、当該基準面に対する直角な面を水平に搬送するものであるから、本願発明の「ワーク搬送手段」に相当する。
また、引用発明の「片面接着テープT」が、本願発明の「片面糊付テープ」に相当する。また、引用発明の「送りローラー9、9a、無端ベルト10、押え具11、カッター12」は、テープ長さ調整センサーの指令により繰り出して切断するものであり、小冊子Aへの貼着長さに対応する所定長さに切出すものであることは明らかであるから、引用発明の「送りローラー9、9a、無端ベルト10、押え具11、カッター12」は、本願発明の「テープ切出手段」と、片面糊付テープ(片面接着テープT)をワーク(小冊子A)への貼着長さに対応する所定長さに切出すものである点において一致している。
また、引用発明の「テープ吸引ベルト3」が、片面接着テープTの反対面を真空にして吸着保持していること、また、当該片面接着テープTが、小冊子Aの基準面である開き部に対する直角な一方の面側である裏面部位の周縁面に接着されていることは明らかであるから、引用発明の「テープ吸引ベルト3」と本願発明の「テープ貼着手段」とは、テープ切出手段(送りローラー9、9a、無端ベルト10、押え具11、カッター12)により切出された前記テープ(片面接着テープT)の糊付面と反対面を負圧にして吸着保持し、前記テープ切出手段(送りローラー9、9a、無端ベルト10、押え具11、カッター12)により切出された前記テープ(片面接着テープT)を前記基準面に対する直角な一方の面(裏面部位)側の周縁面に貼着けるものである点で一致している。
さらに、引用発明の「テープ折起し板4、押しローラー5、5a、テープ折返し板6、押圧ローラー7」が、本願発明の「シール手段」に相当する。
また、引用発明の「封緘装置」は、本願発明の「簡易荷送シール装置」に相当する。
すると、本願発明と引用発明との一致点と相違点は次のとおりである。
【一致点】
「ワークの特定の一面を基準面とし、前記基準面に対する直角な面を水平に搬送するワーク搬送手段と、
ロール状で所定幅の片面糊付テープを前記ワークへの貼着長さに対応する所定長さに切出すテープ切出手段と、
前記テープ切出手段により切出された前記テープの糊付面と反対面を負圧にして吸着保持し、前記テープ切出手段により切出された前記テープを前記基準面に対する直角な一方の面側の周縁面に貼着けるテープ貼着手段と、
前記テープ貼着手段で前記ワークの前記周縁面に貼着けられた前記テープの残幅部分を、前記ワークの前記基準面から前記周縁面に貼着けられた前記ワークの他の面側へと前記ワーク搬送手段による前記ワークの搬送に伴って順次曲折し、少なくとも前記基準面以上に貼着けて前記ワークの基準面側をシール状態とするシール手段と、
を具備する簡易荷送シール装置。」
【相違点1】
本願発明では、「複数積み重ねたワークを1つずつ順次投入するワーク投入手段」を有するものであるが、引用発明では、そのような構成を有することが明らかでない点。
【相違点2】
本願発明では、テープ切出手段が「テープの幅方向の中心を前記ワークの前記基準面の厚み方向の略中心に一致させ」るものであるのに対し、引用発明では、テープ吸引ベルト3が片面接着テープTを上記のように調整するものであるのか否か不明である点。
【相違点3】
本願発明では、テープ点着手段がテープを「前記ワーク搬送手段により搬送される前記ワークの先端位置に略同期させ」るものであるのに対し、引用発明では、テープ吸引ベルト3が片面接着テープTを上記のように調整するものであるのか否か不明である点。
【相違点4】
本願発明では、「前記ワーク搬送手段により搬送される前記ワークの特定の面側の所定位置に対して所定のラベルを貼着けるラベル貼着手段」を有しているのに対し、引用発明では、そのような手段を備えているものであるのか否か明らかでない点。

第5 検討
ここで、上記相違点1ないし4について検討する。
(1)相違点1について
引用発明の封緘装置が、「ワーク投入手段」を有するかの否か不明であるが、当該封緘装置に、小冊子Aを何らかの手段により投入しなければならないことは明らかである。
一方、冊子を搬送し何らかの処理を加える場合に、複数積み重ねたワークを1つずつ順次投入するワーク投入手段を設けることは、周知技術(引用文献2(被封入物自動供給装置C))である。
してみれば、引用発明に、上記周知技術を適用し、本願発明の上記相違点1に係る構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

(2)相違点2について
引用発明のものも、本願発明と同様に、小冊子Aの開き部を片面接着テープTで封緘するものであり、そのような封緘に際して、片面接着テープTをの幅方向の中心を小冊子Aの開き面の厚み方向の略中心に一致させるようにすることは、その封緘性を考慮して、当業者であれば当然に考慮すべきことであり、また、そのような調整を行うようにすることに格別の困難性があるものでもない。
してみれば、引用発明のテープ吸引ベルト3によって、片面接着テープTの幅方向の中心を小冊子の基準面である開き部の厚み方向の略中心に一致させるようにし、本願発明の上記相違点2の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

(3)相違点3について
引用発明のものにおいても、片面接着テープTと小冊子Aの位置合わせをしなければならないことは明らかであるとともに、このような位置合わせを行うために、上部送りベルト1及び下部送りベルト1aとテープ吸引ベルト3を同期させることに格段の技術的困難性を伴うものでもない。また、その片面接着テープTと小冊子Aの位置合わせの具体的位置を小冊子の先端位置とすることも、単に、好適な位置を選択したにすぎず、当業者であれば適宜なし得ることである。
してみれば、引用発明のテープ吸引ベルト3を上部送りベルト1及び下部送りベルト1aと同期させ、本願発明の上記相違点3の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

(4)相違点4について
引用発明においては、ラベル貼着手段を有しているものであるのか不明であるものの、引用文献1の段落【0007】に、封緘された小冊子Aをラベリングマシンに送ることが記載されているように、引用発明の封緘装置に加えラベリングマシンが必要であることは明らかである。
そして、引用文献2に、郵便物等自動封入装置に、宛名ラベル貼付装置Gを設けることが記載されているように、このようなラベリングを一連の作業でなし得るように装置に組み込むこともまた、当業者であれば容易になし得ることである。
してみれば、引用発明にラベリングマシンを組み込むことは、当業者であれば容易になし得たことであり、また、そのラベリングマシンによって、小冊子Aの特定の面側の所定位置に対して所定のラベルを貼着けるようにすることも、格別の技術的困難性を伴うものでもないから、当業者であれば容易になし得たことである。

また、その効果も当業者であれば予想し得る程度のものにすぎない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-05-27 
結審通知日 2010-06-01 
審決日 2010-06-15 
出願番号 特願平10-317535
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B65B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高橋 裕一  
特許庁審判長 鳥居 稔
特許庁審判官 熊倉 強
村上 聡
発明の名称 簡易荷送シール装置  
代理人 特許業務法人 Vesta国際特許事務所  
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