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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D
管理番号 1221261
審判番号 不服2009-15633  
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-26 
確定日 2010-08-05 
事件の表示 平成10年特許願第279715号「合成樹脂製容器蓋」拒絶査定不服審判事件〔平成12年4月18日出願公開、特開2000-109105〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成10年10月1日の出願であって、平成21年5月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成21年8月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1ないし2に係る発明は、平成20年10月16日になされた手続補正によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載した事項によって特定されるとおりのものと認める。その請求項1の記載は次のとおりである。
「口頸部の上端部には実質上水平に延在する環状頂面、実質上鉛直に延在する円筒状外周面及び該頂面から該外周面まで断面図において実質上円弧状に延びる環状境界面が形成されている容器に適用される、円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁を具備する合成樹脂製容器蓋にして、
該天面壁の内面の外周縁部には、下方に向かって半径方向内方に傾斜して延出し、該口頸部における該外周面に密接せしめられることによって半径方向外方に撓まされる環状シール片と、該口頸部における該環状頂面には当接せしめられることなく該境界面に当接せしめられる環状当接片とが、一体に形成されており、
該天面壁の外周縁部には、更に、該環状当接片よりも半径方向内側に位置する環状薄肉領域が形成されている、
ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。」
(以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。)

3.引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平10-35699号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面と共に次の記載がある。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ワンピース型プラスチックキャップに関する…」
「【0040】…図2において、このプラスチックキャップ1は、容器口部の形状にあわせてほぼ円筒形状をしており、天面部2と天面の周縁部から垂下したスカート部3とから一体に形成されている。天面部2の内面4にはインナーリング5及び密封乃至密封補助機構6が形成されている。スカート部3の内面にはビン首部のネジと係合するネジ7が形成されており…」
「【0046】図3において、天面部2のインナーリング5の外方には持続密封機構6が形成されており、この密封機構6は、ビン口部の頂部と実質上ぴったり係合する受け座30と、ビン口部の外周部と実質上ぴったり係合する受け座31と、該受け座30、31から溝32、33を介して位置し且つ該受け座を通るビンの面よりも微小間隔だけ突出した少なくとも1個のシール用突起部34とからなっている。」
「【0047】…この態様のキャップでは、ビン口部の外周部と係合する受け座31が、天面部の外周から天面の垂直方向且つ径内方向にテーパー状に突出して設けられたアウターリング35の内周面で形成されていることも了解されよう。」
「【0050】図2のキャップをビン口に閉栓した状態を示す図4において、ビン口40は、内周面41と、頂部42と、外周面43とを備えており、外周面の下方には、キャップ締結用のネジ44、…がそれぞれ設けられている。」
「【0080】…本発明の他の実施例の…プラスチックキャップを示す図9及び図10…」
そして、図4及び図10の記載から、ビン口40は、上端部には実質上水平に延在する環状の頂部42と、実質上鉛直に延在する円筒状の外周面43と、断面図においてビン口部の頂部42から外周面43まで実質上円弧状に延びる環状の面を備えていることが看て取れる。また、シール用突起部34は、この環状のビンの面よりも微小間隔だけ突出しているから(上記段落【0046】)、ビン口部にキャップを締結したときには、シール用突起部34は上記「環状のビンの面」に実質上ぴったり係合するものである。
以上の記載並びに図2、3、4、10によれば、引用例1には、次の発明が記載されているといえる。
「ビン口40の上端部には実質上水平に延在する環状の頂部42、実質上鉛直に延在する円筒状の外周面43及び断面図において該頂部42から該外周面43まで実質上円弧状に延びる環状の面が形成されている容器に適用される、
円形の天面部2及び該天面部2の周縁から垂下する円筒状のスカート部3を具備するプラスチックキャップ1であって、
該天面部2の内面の外周から、天面の垂直方向且つ径内方向にテーパー状に突出し、ビン口部の外周面43と実質上ぴったり係合する受け座31を備えたアウターリング35と、ビン口部の頂部42から外周面43まで断面図において実質上円弧状に延びる環状の面に、実質上ぴったり係合するシール用突起部34とが、一体に形成されている、プラスチックキャップ1。」
(以下、「引用発明」という。)

同じく、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開昭59-209543号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面と共に次の記載がある。
a.「本発明は、閉鎖部材に関し、好適な例として炭酸飲料を収容する容器の合成樹脂閉鎖部材がある。」(2頁左上欄8?9行)
b.「第1図は、本発明による閉鎖部材10を示し、ポリプロピレンの一体成形品とし、頂部10と垂下するスカート12とを有する。スカート12は内ねじ13と外面のローレット14とを有する。頂部とスカートとの結合部に厚い壁部を形成し、環状封鎖部15を形成する。封鎖部15の内面は瓶頂部の曲面の外縁部16に共働して圧力保持シールとなる。」(2頁左下欄14行?同頁右下欄1行)
c.「頂部11の下面にネックの内径よりも半径方向内方に環状溝22を形成し、瓶内圧力が著しく高い時に頂部が膨らみ、瓶内負圧によって頂部が内方に凹む時の回動点を形成する。溝22を形成することによつて、頂部の圧力変形部分を局限し、瓶頂部外縁と封鎖部との間の封鎖力に頂部の変形が影響するのを防ぐ。」

4.対比・検討
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「ビン口40」は、本願発明の「口頸部」に相当し、同様に「頂部42」は「頂面」に、
「外周面43」は「外周面」に、「環状の面」は「環状境界面」に、
「天面部2」は「天面壁」に、「スカート部3」は「スカート壁」に、
「プラスチックキャップ1」は「合成樹脂製容器蓋」に、
「外周」は「外周縁部」に、
「天面の垂直方向且つ径内方向にテーパー状に突出」は「下方に向かって半径方向内方に傾斜して延出」に、
「ビン口部の外周面43と実質上ぴったり係合する受け座31を備えたアウターリング35」は「該口頸部における該外周面に密接せしめられることによって半径方向外方に撓まされる環状シール片」に、
「ビン口部の頂部42から外周面43まで実質上円弧状に延びる環状の面に実質上ぴったり係合するシール用突起部34」は「該口頸部における該環状頂面には当接せしめられることなく該境界面に当接せしめられる環状当接片」に、それぞれ相当する。
したがって、本願発明の表記に倣うと、本願発明と引用発明とは、次の点で一致及び相違する。
《一致点》
口頸部の上端部には実質上水平に延在する環状頂面、実質上鉛直に延在する円筒状外周面及び該頂面から該外周面まで断面図において実質上円弧状に延びる環状境界面が形成されている容器に適用される、円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁を具備する合成樹脂製容器蓋にして、
該天面壁の内面の外周縁部には、下方に向かって半径方向内方に傾斜して延出し、該口頸部における該外周面に密接せしめられることによって半径方向外方に撓まされる環状シール片と、該口頸部における該環状頂面には当接せしめられることなく該境界面に当接せしめられる環状当接片とが、一体に形成されている、合成樹脂製容器蓋。

《相違点》
本願発明は、天面壁の外周縁部に、環状当接片よりも半径方向内側に位置する環状薄肉領域が形成されているのに対し、引用発明は、そのような環状薄肉領域を備えていない点。

そこで、上記相違点について検討すると、引用例2にプラスチックキャップの頂部11の下面に瓶口の内径よりも半径方向内方に環状溝を形成して、瓶内の圧力変化によって頂部が膨らみ又は内方に凹む時の回動点とし、頂部の圧力変形部分を局限し、瓶頂部外縁と封鎖部との間の封鎖力に頂部の変形が影響するのを防ぐことが記載されているから、引用例2に記載したこの技術事項を引用発明に適用することにより、相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことといえる。
しかも、本願発明が奏する効果も、引用発明及び引用例2の記載事項から当業者が予測できたものであって、格別顕著なものとはいえない。
したがって、本願発明は、引用例1及び引用例2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-06-01 
結審通知日 2010-06-08 
審決日 2010-06-24 
出願番号 特願平10-279715
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩崎 晋山本 忠博  
特許庁審判長 栗林 敏彦
特許庁審判官 佐野 健治
谷治 和文
発明の名称 合成樹脂製容器蓋  
代理人 奥貫 佐知子  
代理人 小野 尚純  
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