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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A47C 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A47C |
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管理番号 | 1221972 |
審判番号 | 不服2008-3628 |
総通号数 | 130 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-02-14 |
確定日 | 2010-08-12 |
事件の表示 | 特願2002-172806号「マットレス装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 1月22日出願公開、特開2004- 16341号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
I.手続の経緯 本願は平成14年6月13日の出願であって、平成20年1月9日付けで拒絶査定がなされ、これに対し同年2月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年3月13日付けで手続補正がなされたものである。 II.平成20年日3月13付け手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成20年3月13日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.補正後の本願発明 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 「コイル部を有するばねによって形成されたスプリング構体と、 このスプリング構体の外周面に設けられその内面と外面とに貫通した通気孔が形成された第1の弾性材と、 この第1の弾性材の内周面に設けられ上記スプリング構体の周辺部に位置するコイル部のピッチ間に入り込んだ補強凸部と、 上記スプリング構体と第1の弾性材とがなす上面と下面とに設けられ周辺部が上記第1の弾性材の上面と下面とに接着固定された第2の弾性材と、 上記第1、第2の弾性材を被覆した外装体と、 を具備したことを特徴とするマットレス装置。」と補正された。(なお、下線は補正箇所を示すものである。) 2.補正の目的の適否及び新規事項の追加の有無 上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第1の弾性材」について、「その内面と外面とに貫通した通気孔が形成された」との限定を付加するものであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明とは、その産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。 3.独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反しないか)について以下に検討する。 3-1.引用例の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用した刊行物である、実願昭54-007521号(実開昭55-107054号)のマイクロフィルム(以下、「引用例1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。(大文字を小文字で表記した箇所がある。他の刊行物においても同様。) (ア)「以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説明する。図中1は多数のつづみ形コイルスプリング2 ・・・をヘリカル線3・・・で平板状に連結して構成されたスプリングユニットである。このスプリングユニット1の周側面には、発泡弾性材によって平板状に形成された仕切体4がその上下方向をスプリングユニット1の周辺部に位置するコイルスプリング2・・・の上下端面2a・・・に挟持させて添設されている。また、スプリングユニット1の上下面には、それぞれサイザルパッドやコイルパットなどからなる保護体5,5を介して発泡弾性材からなるクッション体6,6が添設されている。スプリングユニット1の上面に添設されたクッション体6の表面は、半球形状の凸部7が多数設けられた凹凸面に形成され、上記凸部7 ・・・の先端部は、クツション体6に比べて硬い合成樹脂を被覆したり含浸させるなどして硬化部7 a・・・に形成されている。また、上記仕切体4の外周面には、発泡弾性材を現場発泡して上記仕切体4の外周面およびクッション体6,6の周面に含浸させて側部弾性体8が設けられている。そして、この側部弾性体8と上記クッション体6,6の表面は、袋状に縫製された外装地9で被覆されている。 しかして、上記構成のマットレス装置によれば、スプリングユニット1の周辺部は、中央部分に比べてコイルスプリング2・・・相互の連結度合が少ないから非常にやわらかく、荷重に対する落ち込みが大きくなってしまうため、有効に使用することができないのだが、本考案によれぱ、スプリングユニット1の周側面には、スプリングユニット1の周辺部に位置するコイルスプリング2・・・の上下端面間に挾持させて仕切体4を添設するとともにこの仕切体4の外周面に側部弾性体8を現場発泡して設けている。したがって、上記仕切体4によりスプリングユニット1の周辺部に位置するコイルスプリング2 ・・・を硬くすることができる。さらに、仕切体4およびクッション体6,6に一部を含浸させて仕切体4の外周面に設けられた側部弾性体8の硬さおよびこの側部弾性体8が仕切体4とクッション体6,6とで形成する含浸層8aによってもスプリングユニット1の周辺部を補強する。そのため、スプリングユニット1の周辺部は、中央部分に劣らぬ硬さとなるから、マットレス装置の全面を有効に使用することができ、実効使用面積が拡大する。また、側部弾性体8をクッション体6,6に含浸させることによりスプリングユニット1の表面に添設される弾性材全体が一体化されるから、スプリングユニット1の上下周縁に従釆のように枠線を連結しなくともスプリングユニット1のコイルスプリング2 ・・・を確実に保持でき、かつ外装地9を被覆するときにクッション体6,6や側部弾性体8がずれ動かないように押さえる必要がないから外装地9の被覆作業がし易すい。」(明細書2ページ8行?5ページ4行) (イ)図面には、外装地9が側部弾性体8及び上下のクッション体6,6を被覆している様子が図示されている。 上記記載事項及び図示内容を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「多数のつづみ形コイルスプリング2 ・・・をヘリカル線3・・・で平板状に連結して構成されたスプリングユニット1と、 その上下方向をスプリングユニット1の周辺部に位置するコイルスプリング2・・・の上下端面2a・・・に挟持させて添設される、発泡弾性材により平板状に形成された仕切体4と、該仕切体4の外周面に現場発泡して設けた側部弾性体8と、 スプリングユニット1の上下面に、保護体5,5を介して添設される発泡弾性材からなるクッション体6,6と、 上記側部弾性体8及び上下のクッション体6,6を被覆する外装地9とを備えたマットレス装置。」 同じく、原査定の拒絶の理由に引用した刊行物である実願昭48-036581号(実開昭49-137816号)のマイクロフィルム(以下、「引用例2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 (ウ)「以下本考案の一実施例を図面を参照して説明すると、第3図及び第4図に於いて31はスプリング構体で、このスプリング構体31はコイルスプリング32を袋33に収容し、この袋33が互に連結された複数のポケットスプリング34・・・を平板状に配列すると共に、その両平面の外周部に枠線35を取付けて構成される。この場合、外周部に位置するポケットスプリング34に於いては、コイルスプリング32を収容する袋33が伸縮性のある布地又は弛みをもたせて構成されており、ここではそのポケットスプリング34を第5図に示す如く弛みのある袋33を使用している。このようなスプリング構体31はその上下両平面に、ヘッシャンクロース等の当地36を介在してその表側に位置する綿等からなる弾性材37を積層することによりクッション体を構成する。この場合、当地36と弾性材37はスプリング構体31の平面積より幾分大きめに形成されており、このスプリング構体31からはみ出した端縁部38は、外装地39の一部である鏡地40の周辺部に縫合されたフランジ41と共に、前記スプリング構体31の枠線35を支えとしてこのスプリング構体31の外周部ポケットスプリング34側に巻込み、このポケットスプリング34のコイルスプリング32の中間螺旋部にリング42により係止される。 このようなクッション体には、外周側面に空間部43が形成される。しかして、この空間部43には発泡樹脂弾性体で形成される発泡ブロック体44が挿入される。この場合、発泡ブロック体44は前記空間部43の厚さより厚い大きなものが使用される。そして、この発泡ブロック体44は、前記スプリング構体31外周部のポケットスプリング34の袋33を押圧して、この袋33内に収容されたコイルスプリング32の巻回線相互間に内側部が突出するように前記空間部43に挿入される。 しかして、空間部43に発泡ブロック体44が挿入されたクッション体の全面を外装地39で被覆することによりマットレスが構成されるもので、外装地39はクッション体の両平面を被覆する前記鏡地40及びクッション体の外周側面を被覆する襠地45からなり、この鏡地40と襠地45の縁部をテープ46で覆って縫合することによって袋状に構成される。 即ち、このように構成されたマットレスに於いては、スプリング構体31の外周部ポケットスプリング34の袋33に弛みをもたせ、この袋33を押圧してコイルスプリング32の巻回線相互間に内側部が突出する如く発泡ブロック体44をクッション体外周側面の空間部43に挿入するものであり、それ故前記空間部43の容積より大きな発泡ブロック体44をクッション体の外周側面に設けることができ、この発泡ブロック体44により周辺部の弾性を強化することができる。」(明細書6ページ1行?8ページ17行) 上記記載事項(ウ)から、引用例2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「複数のポケットスプリング34・・・を平板状に配列すると共に、その両平面の外周部に枠線35を取付けて構成されるスプリング構体31の上下両平面に、スプリング構体31の平面積より幾分大きめに形成された当地36及びその表側に位置する弾性材37を積層し、クッション体を構成し、クッション体の両平面を被覆する鏡地40及びクッション体の外周側面を被覆する襠地45からなる外装地9で覆ってなるマットレス装置に於いて、スプリング構体31の外周部のコイルスプリング32の巻回線相互間に内側部が突出する如く発泡ブロック体44をクッション体外周側面の空間部43に挿入してマットレスの周辺部の弾性を強化するマットレス。」 同じく、原査定の拒絶の理由に引用した刊行物である実願昭59-143881号(実開昭61-60769号)のマイクロフィルム(以下、「引用例3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 (エ)「以下、本考案の一実施例を第1図および第2図にもとづいて説明すれば、マットレス装置10は、基体11を通気性のある外装地12a,12b,12cによって被覆することによって形成される。しかして、基体11は、ウレタンの一体発泡成形にて形成された上側アウタースプリング13および下側アウタースプリング14ならびに両者間に介装されたコイルスプリング15,・・・とからなっている。 上側アウタースプリング13は、長方形状(但しコーナー部はR状に形成されている)の面部13aと、面部13aの下面縁部に沿って形成される側縁部13bと、面部13aの下面から突設される多数の環状突起13cとが一体成形されており、該成形時には、面部13aの略全面に亘って樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)性のネット16が埋設されると共に、面部13を直角方向に貫通する通気孔13dが形成され、側縁部13bに半円の通気孔13eが形成される。…(中略)… また、下側アウタースプリング14は、ネット16および通気孔13dがない点を除けば、上側アウタースプリング13と同一である。しかして、基体11を形成するためには、下側アウタースプリング14の環状突起14cの中にコイルスプリング15を入れ、しかるのちに、側縁部13b、14b同士および環状突起13c,14c同士が対接するように上側アウタースプリング13を下側アウタースプリング14に重ねればよい。」(明細書3ページ7行?4ページ16行) 上記記載事項(エ)から、コイルスプリングを用いて構成されるマットレス装置において、その側縁部を構成する発泡成形された弾性体に、その内面と外面とを貫通する通気孔を設ける発明は、本願出願時に引用例3により公知であったといえる。 更に、原審の拒絶査定時に引用した、実願昭52-069274号(実開昭53-164412号)のマイクロフィルムの明細書の2ページ15?18行には、 「本考案の主要な部分である中詰1は第1図に示す如く略長方形の箱形で、弾性体の枠体2、各種材質のバネ受け材3及び軟質ウレタンフォームの鏡部4からなり、」と、同3ページ16?18行には、「該枠体2およびバネ受け部3が鏡部4に接着剤にて接着一体化されたものも考えられる。」と記載され、第2図には、鏡部を構成する弾性体の周辺部と、スプリング構体を包囲する弾性体の枠体2の上下面が接している様子が図示されている。 また、同じく原審の拒絶査定時に引用した特開平11-244098号公報の段落【0008】には、「図1は、本発明に係るベッド用マットレスの好ましい一実施形態を示すもので、参照符号1はスプリングユニットであり、このスプリングユニット1の側周は弾性に富むウレタンフォーム、あるいはこのウレタンフォームと非伸縮性のフェルト等の積層体からなる帯状のボーダークッション材2で包囲され、スプリングユニット1の上下両面にはそれぞれ前記ボーダークッション材2と同様の材料からなる上面クッション材3及び下面クッション材4が配置されている。また、ボーダークッション材2、上面クッション材3及び下面クッション材4の表面には、表装材として、それぞれキルトフォーム51,61,71を布52,62,72で挟装してキルティングしたボーダーキルト5、上面キルト6及び下面キルト7が配置され、・・・」と記載され、段落【0011】には、「なお、図1における細かい斜線は、前記合成樹脂接着剤による接着箇所を示すものであるが、好ましくは、上面クッション材3及び下面クッション材4の外周部とボーダークッション材2の上下面、及びボーダークッション材2の内側面とスプリングユニット1の側周(最外周のポケットコイル10の袋体11)も、前記剛性樹脂接着剤を介して互いに接着される。」と記載されている。 3-2.対比 本願補正発明と、引用発明とを対比すると、後者の「コイルスプリング2」、「スプリングユニット1」、「側部弾性体8」、「クッション体6,6」、「外装地9」は、その機能・構造からみて、それぞれ、前者の「コイル部を有するばね」、「スプリング構体」、「第1の弾性材」、「第2の弾性材」、「外装体」に相当する。 そして、後者の「仕切体4」も、「スプリング構体の周辺部に位置する補強部」である限りに於いて、前者の「補強凸部」と共通している。 また、後者の「スプリングユニット1」も、「コイル部スプリング2」によって形成されているといえるし、同様に「側部弾性体8」も「スプリングユニット1」の外周面に設けられており、「仕切体4」も「側部弾性体8」の内周面に設けられているから、両者は、 「コイル部を有するばねによって形成されたスプリング構体と、 このスプリング構体の外周面に設けられ第1の弾性材と、 この第1の弾性材の内周面に設けられ上記スプリング構体の周辺部に位置する補強部と、 上記スプリング構体がなす上面と下面とに設けられた第2の弾性材と、 上記第1、第2の弾性材を被覆した外装体と、 を具備したマットレス装置」 である点で一致しており、次の点で相違するといえる。 相違点1:「第1の弾性材の内周面に設けられ上記スプリング構体の周辺部に位置する補強部」が、本願補正発明においては、「コイル部のピッチ間に入り込んだ補強凸部」であるのに対し、引用発明においては、「コイル部のピッチ間に入り込んだ補強凸部」を構成するものでない点。 相違点2:「第2の弾性材」が、本願補正発明においては、「上記スプリング構体と第1の弾性材とがなす上面と下面とに設けられ」、「周辺部が上記第1の弾性材の上面と下面とに接着固定され」ているのに対し、引用発明においては、「第2の弾性材」は、上記スプリング構体とがなす上面と下面とに設けられてはいるものの、第1の弾性材の上面と下面に設けられているものでなく、また、接着固定されているか明らかでない点。 相違点3:「第1の弾性材」に、本願補正発明においては、「その内面と外面とに貫通した通気孔が形成され」ているのに対し、引用発明においては、そのような通気孔が設けられていない点。 3-3.相違点の判断 まず、相違点1について検討すると、 マットレス装置において、その周辺部の弾性を補強する目的で、外周部のコイルスプリングの巻回線相互間に内側部が突出する如く発泡ブロック体をクッション体外周側面の空間部即ち、コイル部のピッチ間に挿入すること、つまり補強部をコイル部のピッチ間に挿入する補強凸部とすることは、引用発明2により公知である。そして、本願補正発明と同様に、マットレス装置の周辺部の弾性を補強することを課題とする引用発明1に、引用発明2を適用することは当業者が容易に想到し得ることであるから、引用発明1に、引用発明2を適用して、上記相違点1に係る本願補正発明の特定事項とすることは当業者が容易に想到し得ることである。 次に、相違点2について検討すると、 マットレス装置において、スプリングユニットの側面を包囲する弾性体の上下面と、スプリングユニットの上下面に設けた弾性体の周辺部とを接着剤で接着することは、上記した実願昭52-069274号(実開昭53-164412号)のマイクロフィルム及び特開平11-244098号公報の記載からみて周知の技術手段といえるから、該周知の技術手段を引用発明1に適用して、上記相違点2に係る本願補正発明の特定事項とすることも当業者が容易に想到し得ることである。 相違点3について検討すると、 マットレス装置において、スプリング構体の外周面に設けられた弾性材に、その内面と外面とを貫通する通気孔を設けることは、本願出願時に引用例3により公知であるから、引用発明1のものにおいて該構成を採用し、上記相違点3に係る本願補正発明の特定事項とすることも、当業者が容易に想到し得ることである。 そして、本願補正発明による効果も、引用例1ないし3に記載された発明及び周知の技術手段から当業者が予測しうる程度のものであって、格別のものとはいえない。 したがって、本願補正発明は引用例1ないし3に記載された発明及び周知の技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3-4.むすび 以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 III.本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、拒絶査定時の明細書の、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「コイル部を有するばねによって形成されたスプリング構体と、 このスプリング構体の外周面に設けられた第1の弾性材と、 この第1の弾性材の内周面に設けられ上記スプリング構体の周辺部に位置するコイル部のピッチ間に入り込んだ補強凸部と、 上記スプリング構体と第1の弾性材とがなす上面と下面とに設けられ周辺部が上記第1の弾性材の上面と下面とに接着固定された第2の弾性材と、 上記第1、第2の弾性材を被覆した外装体と、 を具備したことを特徴とするマットレス装置。」 IV.引用例の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用した引用例及びその記載事項は、上記II.3-1に記載したとおりである。 V.対比・判断 本願発明は、本願補正発明における「第1の弾性材」について、「その内面と外面とに貫通した通気孔が形成された」という特定事項を省いたものである。 そして、本願発明の特定事項を全て含み、更に上記特定事項を追加する本願補正発明が、上記II.3-3に記載したとおり、引用例1ないし3に記載された発明及び周知の技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様に引用例1ないし3に記載された発明及び周知の技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 VI.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1ないし3に記載された発明及び周知の技術手段にに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-06-10 |
結審通知日 | 2010-06-15 |
審決日 | 2010-06-28 |
出願番号 | 特願2002-172806(P2002-172806) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(A47C)
P 1 8・ 121- Z (A47C) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 林 茂樹 |
特許庁審判長 |
亀丸 広司 |
特許庁審判官 |
増沢 誠一 岩田 洋一 |
発明の名称 | マットレス装置 |
代理人 | 幸長 保次郎 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 河井 将次 |
代理人 | 竹内 将訓 |
代理人 | 野河 信久 |
代理人 | 風間 鉄也 |
代理人 | 堀内 美保子 |
代理人 | 白根 俊郎 |
代理人 | 峰 隆司 |
代理人 | 山下 元 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 市原 卓三 |
代理人 | 岡田 貴志 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 佐藤 立志 |
代理人 | 勝村 紘 |
代理人 | 福原 淑弘 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 河野 直樹 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 砂川 克 |