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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1222468 |
審判番号 | 不服2007-24646 |
総通号数 | 130 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-09-06 |
確定日 | 2010-08-26 |
事件の表示 | 特願2002- 54020「ネットワーク管理システム,表示方法及びネットワーク管理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 9月12日出願公開,特開2003-256301〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯・本願発明 本願は,平成14年2月28日の出願であって,平成19年7月27日付けで拒絶査定がなされ,これに対して同年9月6日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに,同年10月9日付けで手続補正がなされたものであり,その請求項1に係る発明は,明細書及び図面の記載からみて,特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのもの(以下「本願発明」という。)と認める。 「ネットワークに接続されたネットワーク機器に関する情報を表示するネットワーク管理装置であって, ネットワーク機器に関する情報を取得する情報取得手段と, ネットワーク機器に関する情報の一覧を表示するように制御する一覧表示制御手段と, ネットワーク機器が設置されている場所を表現する画面であるデバイスマップを表示して,ネットワーク機器を示す識別情報を前記画面に配置して表示するように制御する位置表示制御手段と, それぞれのネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在するか否かを判定する判定手段とを備え, 前記一覧表示制御手段は,ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在すると前記判定手段が判定した場合には,該当する画面を表示させるための関連付け情報を,ネットワーク機器に関する情報の一覧表示におけるネットワーク機器に対応する箇所に表示し,ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在しないと前記判定手段が判定した場合は,該当する画面を表示させるための関連付け情報を前記ネットワーク機器に関する情報の一覧の前記ネットワーク機器に対応する箇所において表示しないように制御することを特徴とするネットワーク管理装置。」 第2 刊行物に記載された発明 原査定の拒絶の理由に引用された,本願の出願日前に頒布された特開平10-177533号公報(平成10年6月30日公開,以下「刊行物」という。)には,図面とともに以下のような記載がある。 (ア)「【0023】図1は,本発明の実施形態に係る情報入出力装置管理システムの概略構成を示すブロック図である。また,図2(a),(b)は,本実施形態で想定しているオフィス内の物理的配置図であり,同図(a)はオフィスの2階(2F)を示し,同図(b)はオフィスの1階(1F)を示している。 【0024】なお,図2(a),(b)との対応を示す為に,図1には,オフィスの1F,2Fと各ブロックA,B,Cを便宜上示している。 【0025】図1に示すように,このオフィスの1FのAブロックには,複合機110とパソコン(パーソナルコンピュータ)111とFAX送受信装置112が配置され,1FのBブロックには,パソコン113とFAX送受信装置114が配置されている。また,2FのAブロックには,パソコン120,複合機121,サーバマシン122,及びFAX送受信装置123が配置され,2FのBブロックには,パソコン124,プリンタ125,及びFAX送受信装置126が配置されている。さらに,2FのCブロックには,FAX送受信装置127,スキャナ128,及び複合機129が配置されている。 【0026】図1中の複合機110,121,129は,LANに対応し,機能としてプリンタ,スキャナ及びFAX送受信装置送受信の複数の機能を兼ね備えた画像入出力装置であり,LANを介しての画像データの入出力が可能である。さらに,この複合機110,121,129は,LCDと数種のキーを備えた操作・表示部を持ち,脚部に装置移動の為の脚輪(キャスター)を備え,脚輪の回転に伴ってその移動距離を測定できる機構を兼ね備えている。 【0027】FAX送受信装置112,114,123,126,127は,LANに対応し,ネットワークを介して画像の入出力を行う機能を有する。プリンタ125は,画像データの出力を行うものであり,また,スキャナ128は,光学式のスキャナ装置であり画像データの入力を行うものである。 【0028】サーハーマシン122は,図1に示されている情報入出力装置の管理及びサービスを行うものであり,特に,接続されている装置の状態の管理と,装置の物理的位置情報として図2(a),(b)に示すような配置図(マップ)を管理する機能を有している。これらの情報を装置からの要求により収集したり,装置へ問い合わせて情報を収集したりすることができ,それら収集したデータを管理して,パソコン111,113,120,124からの要求により提示するサービスを行っている。ユーザは,パソコン111,113,120,124から他の情報入出力装置を使用することができる。」(段落【0023】?【0028】) (イ)「【0046】(A)サーバーでの設定 まず,配置図(図2)の作成について説明する。LANの適用される範囲の図面(図)が紙(特定するものではないが)に書かれている場合,複合機のスキヤナで読み込みその画像データをサーバマシン122に送る。また,サーバーマシン122上で作成してもよい。この場合,1F,2Fとに別れた2枚の画像データをサーバマシン122上に持つこととなる。サーバマシン122上でその画像データを大きなブロックA,B,Cに分割する。分割されたブロックA,B,Cをそれぞれ分割して座標を生成する。 【0047】図5に示すようなAブロックの場合は,縦と横に5分割して,縦側をY0,Y1,Y2,Y3,Y5,横側をX0,X1,X2,X3,X4という座標を持たせる。残りのブロックも同じようにして座標を生成する。分割の方法及び分割数は,そのブロックの範囲や装置の大きさを考慮して管理者がサーバマシン122上のソフトウェアツールで行ってもよい。 【0048】この図面データと,各装置から通知または要求して得られる情報とを関連付ける為に図6に示すような情報テーブルを作成する。 【0049】(B)複合機での初期設定 Aブロックの複合機121(名前MFP1)の操作パネルを用いて装置位置情報の初期設定について,図7のフローチャートと図8(a),(b),(c)のメッセージ表示画面を用いて説明する。なお,図7に示す初期設定フローチャートに対応するプログラムは,HD302に格納されているものとする。 【0050】複合機121は,すでにネットワーク接続されており,サーバマシン122へ名前の登録などは済んでいるものとする。位置情報を設定するときには,操作パネル上で図8(a)の画面を表示し(ステップS11),位置情報(2F-A)と入力すると(図8の501),パネル上のボタンMAP(図8の502)が押下可能となる。 【0051】そして,ボタンMAP(図8の502)を押下し(ステップS12),サーバマシン122へ装置名と位置情報を送ってそのブロックの配置図(図9)を要求し,それを獲得後にメモリに記憶する(ステップS13)。このように,サーバマシン122に予め登録されているブロック配置図を転送してもらった後,パネルに表示する(ステップS14)。このとき,ブロック配置図は図9に示すように表示される。 【0052】複合機121が配置図上の505に配置されているとすれば,装置の物理的位置505をパネル上で指示し,ボタンOK(図9の506)を押下すると(ステップS15),位置指定がされたかどうか確認して(ステップS16),その座標を獲得して記憶し,その情報をサーバマシン122に送って配置図を閉じて図8(b)に示す画面を表示する(ステップS19)。ボタンCancel(図9の507)を押下すると図8(a)の画面に戻る。 【0053】図8(b)に示す画面は,装置が移動したかどうかを判断する為の距離の情報を入力する画面である。その情報である距離初期設定値を入力し(図8(b)の503),OKボタン504を押下すると(ステップS20)その値が正常値かどうか判断され(ステップS21),入力された値がメモリに記憶される。 【0054】次にセンサー316を使用可能にするかどうかを問う画面(図8(c))を表示し(ステップS22),センサーを使用するか否かを判断して(ステップS23),その状態もメモリに記憶する(ステップS24)。その時のサーバマシン122側の処理としては,装置に要求されたブロックの配置図を送信し,その後に装置のブロック配置図における座標を受け取って装置の情報テーブル(図6)に登録する。」(段落【0046】?【0054】) (ウ)「【0066】次に,Aブロックのパソコン120でユーザが装置を使用する場合について図14のフローチャートを参照しつつ説明する。なお,図14の装置選択フローチャートに対応した制御プログラムは,パソコン120の制御プログラムを格納するハードディスク等に格納されているものとする。 【0067】パソコン120も複合機121と同様にサーバマシン122に物理的位置情報を登録する手段を備えており,サーバマシン122側にすでに位置情報が登録されているものとする。 【0068】図15(a)は,パソコン120上のユーティリティーソフトウェアを起動した画面で使用する装置の種別を選択する画面である。ユーティリティーソフト起動時に装置の種別を選択する。種別が選択される(ステップS61)と,指定された装置の情報を収集する(ステップS62)。収集した情報と,プリンタとして機能する装置の名前,状態,場所を画面上に表示して(ステップS63)ユーザの選択を待つ。 【0069】ユーザが自動選択を選択すると(ステップS64),ユーザのパソコン120の位置から最も近くで印刷可能な装置が選択され,その装置が反転表示される(ステップS65)。さらに,ユーザが装置の一覧から目的の装置を選択すると反転表示される。 【0070】また,選択された装置の物理的位置を表示させる為に図15(b)に示すMAPボタン701を押すと(ステップS67),図16に示すようなブロック配置図を表示する(ステップS68)。この際に,ユーザの位置と使用選択した装置の位置とを指示する様にマーク702,703が表示される。これにより,装置の物理的位置を特定でき,ユーザは容易に出力結果を入手することが可能になる。」(段落【0066】?【0070】) (エ)【図2】(a)及び(b),並びに【図5】には,複数の図柄を含む配置図が記載されており,複合機を示す符号「110,121,129」と関連付けられた図柄は同一の図柄(以下,「図柄A」という。)であり,パソコンを示す符号「111,113,120,124」と関連付けられた図柄は図柄Aとは異なる同一の図柄(以下,「図柄B」いう。)であり,FAX送受信装置を示す符号「112,114,123,126,127」と関連付けられた図柄は図柄A,Bとは異なる同一の図柄(以下,「図柄C」いう。)であり,サーバーマシンを示す符号「122」と関連付けられた図柄は図柄A?Cとは異なる図柄である。 これらの記載事項によると,刊行物には,次の発明(以下,「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる。 「複合機,FAX送受信装置,サーバーマシンとともに情報入出力装置管理システムを構成するパソコンであって, 複合機は,LANに対応し,LANを介しての画像データの入出力が可能であり, FAX送受信装置は,LANに対応し,ネットワークを介して画像の入出力を行う機能を有し, サーバーマシンは,装置の物理的位置情報として配置図(マップ)を管理する機能を有し,この情報をパソコンからの要求により提示するサービスを行い, ユーザは,パソコンから他の情報入出力装置を使用することができ,パソコンでユーザが装置を使用する場合には,パソコンのハードディスク等に格納されている制御プログラムに対応した装置選択フローチャートの処理が行われ, 装置の種別を選択する画面で装置の種別が選択されると,指定された装置の情報を収集し,収集した情報と,装置の名前,状態,場所を画面上に表示してユーザの選択を待ち,ユーザが装置の一覧から目的の装置を選択し,選択された装置の物理的位置を表示させる為にMAPボタンを押すと,ブロック配置図を表示し,この際に,選択した装置の位置を指示する様にマークが表示され, 複数の図柄を含む配置図において,複合機を示す符号「110,121,129」と関連付けられた図柄は同一の図柄(以下,「図柄A」という。)であり,パソコンを示す符号「111,113,120,124」と関連付けられた図柄は図柄Aとは異なる同一の図柄(以下,「図柄B」いう。)であり,FAX送受信装置を示す符号「112,114,123,126,127」と関連付けられた図柄は図柄A,Bとは異なる同一の図柄(以下,「図柄C」いう。)であり,サーバーマシンを示す符号「122」と関連付けられた図柄は図柄A?Cとは異なる図柄である, パソコン。」 第3 本願発明と刊行物記載発明との対比 刊行物記載発明の「複合機」や「FAX送受信装置」は,LANに対応し,ネットワークを介してデータの入出力を行うから,本願発明の「ネットワークに接続されたネットワーク機器」に相当する。 刊行物記載発明の装置選択フローチャートに対応した制御プログラムは,パソコンによって実行されることが明らかであり,前記装置選択フローチャートでは,装置の種別を選択する画面で装置の種別が選択されると,指定された装置の情報を収集するから,刊行物記載発明の「パソコン」は,本願発明の「ネットワーク機器に関する情報を取得する情報取得手段」として機能するものと言える。 刊行物記載発明の装置選択フローチャートでは,収集した情報と,装置の名前,状態,場所を画面上に一覧表示してユーザの選択を待つから,刊行物記載発明の「パソコン」は,本願発明の「ネットワーク機器に関する情報の一覧を表示するように制御する一覧表示制御手段」として機能するものと言える。 刊行物記載発明において表示される「ブロック配置図」は,選択された装置の物理的位置を表示するためのものであり,選択した装置の位置を指示する様にマークが表示されるものであるから,本願発明の「ネットワーク機器が設置されている場所を表現する画面であるデバイスマップ」に相当する。 刊行物記載発明のブロック配置図に含まれ,符号と関連付けられた図柄は,対応する装置を表現したものであって,各図柄を見たユーザが,対応する装置の種類(複合機,FAX送受信装置など)を識別できることは明らかであるから,刊行物記載発明のブロック配置図に含まれる図柄は,本願発明の「ネットワーク機器を示す識別情報」に相当する。 そして刊行物記載発明の装置選択フローチャートでは,符号と関連付けられた図柄を含むブロック配置図を表示するから,刊行物記載発明の「パソコン」は,本願発明の「ネットワーク機器が設置されている場所を表現する画面であるデバイスマップを表示して,ネットワーク機器を示す識別情報を前記画面に配置して表示するように制御する位置表示制御手段」として機能するものと言える。 刊行物記載発明の「パソコン」は,複合機やFAX送受信装置とともにネットワークに接続されていることが明らかであり,「ネットワークに接続されたネットワーク機器に関する情報を表示するネットワーク」「装置」である点において,本願発明の「ネットワークに接続されたネットワーク機器に関する情報を表示するネットワーク管理装置」と共通する。 したがって,本願発明と刊行物発明は,以下の点において一致ないし相違する。 <一致点> 「ネットワークに接続されたネットワーク機器に関する情報を表示するネットワーク装置であって, ネットワーク機器に関する情報を取得する情報取得手段と, ネットワーク機器に関する情報の一覧を表示するように制御する一覧表示制御手段と, ネットワーク機器が設置されている場所を表現する画面であるデバイスマップを表示して,ネットワーク機器を示す識別情報を前記画面に配置して表示するように制御する位置表示制御手段と, を備えることを特徴とするネットワーク装置。」である点。 <相違点1> ネットワークに接続されたネットワーク機器に関する情報を表示するネットワーク装置について,本願発明のものは「ネットワーク管理装置」であるのに対して,刊行物記載発明のものはパソコンであって,ネットワーク管理装置ではない点。 <相違点2> 本願発明では,ネットワーク装置は「それぞれのネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在するか否かを判定する判定手段」を備え,「前記一覧表示制御手段は,ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在すると前記判定手段が判定した場合には,該当する画面を表示させるための関連付け情報を,ネットワーク機器に関する情報の一覧表示におけるネットワーク機器に対応する箇所に表示し,ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在しないと前記判定手段が判定した場合は,該当する画面を表示させるための関連付け情報を前記ネットワーク機器に関する情報の一覧の前記ネットワーク機器に対応する箇所において表示しないように制御する」のに対して,刊行物記載発明のパソコンは,上記「判定手段」を備えておらず,また「前記一覧表示制御手段」として「ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在すると前記判定手段が判定した場合には,該当する画面を表示させるための関連付け情報を,ネットワーク機器に関する情報の一覧表示におけるネットワーク機器に対応する箇所に表示し,ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在しないと前記判定手段が判定した場合は,該当する画面を表示させるための関連付け情報を前記ネットワーク機器に関する情報の一覧の前記ネットワーク機器に対応する箇所において表示しないように制御する」ものではない点。 第4 相違点についての当審の判断 <相違点1について> 本願発明の「ネットワーク管理装置」と,刊行物記載発明の「パソコン」とは,「ネットワークに接続されたネットワーク機器に関する情報を表示するネットワーク」「装置」である点においては相違しない。 そして,刊行物記載発明では,パソコンとは別に,配置図(マップ)を管理するサーバーマシンを設けているが,当該サーバーマシンとパソコンとを統合して単一のネットワーク管理装置とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。 <相違点2について> 複数の項目を一覧表示する際に,それぞれの項目の関連情報が存在するか否かを判定するとともに,項目の関連情報が存在すると判定した場合には,該当する画面を表示させるための関連付け情報を,項目の一覧表示における項目に対応する箇所に表示し,項目の関連情報が存在しないと判定した場合は,該当する画面を表示させるための関連付け情報を前記項目の一覧の前記項目に対応する箇所において表示しないように制御することは,周知(特開2001-297092号公報の段落【0025】?【0031】,【図4】,【図7】には,複数のコンテンツのタイトル52aを並べたメモリストを表示する際に,タイトルに並べて地図表示の有無52cを表示し,地図表示のボタン(位置表示ボタン)52cが現れているときは,それをクリックすることにより,クリックされたコンテンツの位置情報がモニタの中心に位置するように地図を表示することが記載されている(また特開2000-322446号公報にも同じ内容が記載されている。)。特開2001-184397号公報の段落【0060】及び【図10】には,活動記録DBに保存されている項目リストが,HTML形式にされた「主要項目時系列リスト」において,「関連データ」の欄には,画像データが登録されていればそれを示すビデオカメラのアイコン93a,93bが,音声データが登録されていればそれを示すメガホンのアイコン95a,95bが設けられ,また,「地理情報」の欄には,地理情報(例えば住所,構造など)が登録されていればそれを示すアイコン97a,97bが設けられ,各アイコン93a,93b,95a,95b,97a,97bに対して,対応する画像データ,音声データ,又は地理情報をHTMLのハイパーリンクとして指定しておくことで,ユーザは,所望のアイコンを,マウスやペン等のポインティングデバイスでクリックする(或いはタッチパネル画面であれば指で触れる)ことで,所望の項目の関連データや地理情報を知ることができることが記載されている。特開平9-297764号公報の段落【0001】?【0009】,【0017】?【0025】,【図7】には,検索結果としての間引き画像データと,間引き画像データの元となる高精細の実画像データを呼び出すための呼出し用アイコンとを,一つの表示画面に並べて表示する装置において,検索用の間引き画像データはあるものの実画像データが存在しないものについては“否”に設定される呼出し可否フラグを記憶しておき,表示画面の元となるスクリプトを作成する際には,間引き画像データについての呼出し可否フラグを参照し,該呼出し可否フラグが“可”を示すとき,呼出しアイコンを表示させるようにすることが,記載されている。)である。 また,本願発明の「該当する画面」は,「ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップ」を意味するものと解されるところ,刊行物記載発明では,ユーザが装置の一覧から目的の装置を選択し,MAPボタンを押すと,選択した装置の位置を指示するマークを含むブロック配置図を表示しており,該「ブロック配置図」は本願発明の「ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップ」すなわち「該当する画面」に相当するから,刊行物記載発明の「MAPボタン」は,「該当する画面を表示させるための」「情報」である点において,本願発明の「該当する画面を表示させるための関連付け情報」と一致すると言える。 そして,刊行物記載発明に周知技術を適用することにより,刊行物記載発明の「パソコン」を,「それぞれのネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在するか否かを判定する判定手段」として機能させるとともに,「前記一覧表示制御手段」として,「ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在すると前記判定手段が判定した場合には,該当する画面を表示させるための関連付け情報を,ネットワーク機器に関する情報の一覧表示におけるネットワーク機器に対応する箇所に表示し,ネットワーク機器の識別情報が配置されるデバイスマップが存在しないと前記判定手段が判定した場合は,該当する画面を表示させるための関連付け情報を前記ネットワーク機器に関する情報の一覧の前記ネットワーク機器に対応する箇所において表示しないように制御する」ように機能させることは,当業者が容易になし得たことである。 また,本願発明のように構成したことによる効果も刊行物発明及び周知技術から予測できる程度のものである。 第5 むすび 以上のとおり,本願発明は,刊行物発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって,本願は他の請求項について論及するまでもなく,拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-06-23 |
結審通知日 | 2010-06-29 |
審決日 | 2010-07-12 |
出願番号 | 特願2002-54020(P2002-54020) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 寺谷 大亮 |
特許庁審判長 |
大野 克人 |
特許庁審判官 |
圓道 浩史 清水 稔 |
発明の名称 | ネットワーク管理システム、表示方法及びネットワーク管理プログラム |
代理人 | 黒岩 創吾 |
代理人 | 阿部 琢磨 |