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審決分類 |
審判 判定 同一 属さない(申立て成立) H04N |
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管理番号 | 1224802 |
判定請求番号 | 判定2010-600013 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2010-04-20 |
確定日 | 2010-10-12 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第3553082号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | イ号図面及びその説明書に示す「東芝製HDDレコーダ」は、特許第3553082号発明の技術的範囲に属しない。 |
理由 |
第1 請求の趣旨 本件判定の請求の趣旨は、イ号図面並びにその説明書に示す東芝製HDDレコーダは、特許第3553082号の各請求項に記載された特許発明の技術的範囲に属しない、との判定を求めるものである。 第2 本件特許発明 本件特許の請求項1及び10に係る発明(以下、それぞれを「本件特許発明1」、「本件特許発明2」という。)は、本件の特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び10に記載された事項により特定されるとおりのものであり、これらを構成要件に分説すると次のとおりである。 1.本件特許発明1 A. ユーザ入力装置(78)とコントロールユニット(74)とを含む、ディスプレイ(84)上に番組スケジュール情報を表示するインタラクティブ番組ガイドシステムであって、 B. 該コントロールユニット(74)は、該ユーザ入力装置(78)を用いて選択された限定的番組選択基準に基づき、該番組スケジュール情報の限定的サーチオペレーションを行い、 C. 該限定的番組選択基準は、該限定的番組選択基準を満たさない番組スケジュール情報が該ディスプレイ(84)上の表示によりユーザの選択が可能な状態にされないという点で限定的であり、 D. 該コントロールユニット(74)は、該ユーザ入力装置(78)を用いて選択された非限定的番組ソート属性に基づき、該番組スケジュール情報の少なくとも一部の非限定的ソートオペレーションを行い、 E. 該非限定的番組ソート属性は該番組スケジュール情報が該ディスプレイ(84)上に現れる順番を定義し、該非限定的番組ソート属性は、該非限定的番組ソート属性がどの番組スケジュール情報がディスプレイ(84)上でソートされた状態で現れるかを限定しないという点で非限定的であり、該非限定的番組ソート属性はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され、 F. 該コントロールユニット(74)は、該ディスプレイ(84)上に表示するための、該限定的サーチオペレーションと該非限定的ソートオペレーションとの両方に基づいて、該番組スケジュール情報の得られたリストを生成することを特徴とする、インタラクティブ番組ガイドシステム。 2.本件特許発明2 G. ディスプレイ(84)上に番組スケジュール情報を表示する方法であって、 H. ユーザ入力装置(78)を用いて選択された限定的番組選択基準に基づき、該番組スケジュール情報の限定的サーチオペレーションを行い、 I. 該ユーザ入力装置(78)を用いて選択された非限定的番組ソート属性に基づき、該番組スケジュール情報の少なくとも一部の非限定的ソートオペレーションを行い、 J. 該非限定的番組ソート属性は該番組スケジュール情報が該ディスプレイ(84)上に現れる順番を定義し、該非限定的番組ソート属性(204)はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され、 K. 該ディスプレイ(84)上に表示するための、該限定的サーチオペレーションと該非限定的ソートオペレーションとの両方に基づいて、該番組スケジュール情報の得られたリストを生成することを特徴とする、方法。 3.本件特許発明の目的、効果 本件の特許明細書及び図面(甲第2号証参照)の記載によれば、 本件特許発明1、2は、「テレビジョン番組ガイドシステムに関し、特に、テレビまたは他の適切なビデオモニタ上に表示された番組スケジュール情報から作成された番組選択に基づいて、自動的にテレビをチューニングすることができる、あるいはビデオカセットレコーダ(VCR)をプログラミングすることができる、インタラクティブ(双方向型)テレビジョン番組ガイドシステムおよびそれに関連する方法に関する。より特定すると、本発明は、視聴者が、番組スケジュール情報に、限定的なサーチ選択基準と非限定的なソート(並べ替え)属性とを適用することにより、興味のある番組を探し当てることを可能にする、直観的サーチユーティリティを提供するインタラクティブテレビジョン番組ガイドシステムおよびそれに関連する方法に関する」(甲第2号証第3頁32行ないし40行参照)ものであり、 「視聴者が、限定的選択基準に加えて、あるいは限定的選択基準に代えて、非限定的ソート属性を番組スケジュール情報に適用することを可能にする、インタラクティブ番組ガイドシステムおよびそれに関連する方法を提供すること」(甲第2号証第5頁39行ないし44行参照)、また、「テレビ放送サービスが、視聴者が番組スケジュール情報に適用することができる、非限定的ソート属性と限定的選択基準とを定義することができる、インタラクティブ番組ガイドシステムおよびそれに関連する方法を提供すること」(甲第2号証第5頁42行ないし44行参照)、「テレビ放送サービスが、視聴者によって番組スケジュール情報に適用された限定的選択基準に応じて視聴者が選択するための、視聴者用の非限定的ソート属性の、複数の異なるセットを定義することができる、インタラクティブ番組ガイドシステムおよびそれに関連する方法を提供すること」(甲第2号証第5頁45行ないし48行参照)を目的とするものである。 そして、本件特許発明1、2は、「インタラクティブテレビジョン番組ガイドシステムおよびそれに関連する方法であって、視聴者が、限定的サーチ選択基準および非限定的ソート属性を番組スケジュール情報に適用することによって、興味のある番組を探し当てることを可能にする直観的サーチユーティリティを含む、インタラクティブテレビジョン番組ガイドシステムおよびそれに関連する方法が提供される。」(甲第2号証第31頁31行ないし35行参照)という効果を奏するものである。 第3 イ号物件 1.イ号物件に係るイ号図面および説明書の記載 請求人が提出した判定請求書には、イ号図面および説明書が添付され、イ号図面および説明書の第1頁には、図面があり、下記記載がある。 「チューナーで希望の伝送チャンネルが選局され、OFDM復調部において“0”、“1”のデジタル信号が取り出され、その後、誤り訂正が行われ、放送局から送り出したTSパケットに戻される。 TSパケットには、映像・音声のパケット以外にデータ放送やEPG(Electric Program Guide)、選局に必要な情報などが含まれている。多重分離部では、TSパケットを目的別に分離し、映像・音声のパケットであればMPEGデコード部へ送り、データ放送のパケットであればCPUへ送る。 MPEGデコード部では、多重分離されたTSから映像信号と音声信号を復号します。画像重畳部では、MPEGデコードされた映像信号と、CPUで処理された字幕やデータ放送の画像などを重ね合わせ、テレビ等の表示装置に送り、音声はスピーカーに出力する。 CPUでは、データ放送の処理のほかに、リモコンからの信号を処理し、上記に示した動作を受信機内の各部へ指示したり、双方向サービスにおける通信部の処理なども行う。又、多重分離されたEPGのデータはフラッシュメモリに記録され、字幕やデータ放送の画像など受信番組のデータはDRAMに一時記憶される。 受信番組の録画を行う際には、多重分離部から映像・音声のパケットがCPUへ送られ、CPUからHDD(ハードディスクドライブ)若しくは、ODD(光ディスクドライブ)に記録される。」 また、イ号図面および説明書の第2、3頁には、次のとおり記載されている。 「東芝製HDDレコーダーRD-E160では、フラッシュメモリに記憶しているEPGデータに基づいて、番組表を表示する機能を有する(取扱説明書 操作編60頁) 東芝製HDDレコーダーRD-E160では、検索条件を入力してEPGデータを検索して表示する番組検索機能を有する(RD-E160 操作編88頁) 東芝製HDDレコーダーRD-E160では、番組検索機能により検索された番組リストをサブ・メニューの所定の項目順で並べ替える機能を有する(RD-E160 操作編68頁) 並べ替え項目のサブ・メニューは「番組名順」、「チャンネル順」、「ジャンル順」、「日付昇順」の項目からなり、RD-E160がフラッシュメモリに予め保有しているものであって、放送局から送信されるデータには何ら依存しないものである。尚、並べ替え項目のサブ・メニューは変更不可能であって、番組名、チャンネル、ジャンル、日付(時刻を含む)は全てのスケジュール情報に含まれているため、並べ替えの対象となっている全てのスケジュール情報が選択された項目に従って、並べ替えられる。」 また、イ号図面および説明書の第2頁の上図からは、番組ナビ全チャンネル一覧と見出しが付され、横軸がチャンネルとみられる符号BS102、BS103、・・・で区切られ、縦軸が時間とみられる数字6、7、・・・で区切られるマトリックス表であって、当該表の枡目に番組に関する情報とみられる情報を表示している表を読み取ることができる。 また、イ号図面および説明書の第2頁の下図には、「検索条件を入力して番組検索する」に続き、「□1(当審注:□内に数字が入った文字は□+数字で代替表記する。以下同様。)「番組ナビトップ」を表示する」、「□2【番組検索】を選び○決定(当審注:○内に文字が入った表記は○+文字で代替表記する。以下同様)を押す」、「□3検索に必要な項目を設定する ○1キーワードを入力します。○2時間帯 ・・・」、「□4【検索開始】を選び、○決定を押す 条件に該当した検索結果が表示されます。」と記載されている。 また、イ号図面および説明書の第3頁の図には、「○1番組リストを表示中に、□クイックメニューを押す」、「○2【並べ替え】を選び、○決定を押す Qクイックメニュー 並べ替え、絞り込み、ジャンプ、同名番組検索、番組検索」、「矢印」、「サブメニューが表示されます Qクイックメニュー 並べ替え、絞り込み、ジャンプ、同名番組検索、番組検索 番組名順、チャンネル順、ジャンル順、日付昇順」、「○3項目を選び、○決定を押す、番組名順 番組名順に並べ替えます。 チャンネル順 チャンネル順に並べ替えます。 ジャンル順 ジャンル順に並べ替えます。 日付昇順 日付順に並べ替えます。 ランク順 ランキング順に並べ替えます。「おすすめサービス」で表示されるリストの場合にだけ表示されます。 おまかせ順 「おまかせ自動録画設定一覧」のリスト順に並べ替えます。「おまかせ自動録画 番組リスト」の場合だけ表示されます。」と記載されている。 2.請求人のイ号物件の説明 請求人は、請求人が判定を求めるイ号物件を、イ号物品、およびイ号方法として、以下のように説明している。(判定請求書の第5ないし6頁参照)(1)イ号物品の説明 東芝製HDDレコーダー(以下「イ号物品」という。)は、イ号図面並びにその説明書に示すとおり、以下の構成を有する。 リモコンとCPUとを含み、外部の表示装置上に番組スケジュール情報を表示させる装置であって、 CPUは、リモコンを用いて選択された検索条件に基づき、検索条件に合致する番組スケジュール情報の検索処理を行い、検索した結果を表示装置上に表示させ、 検索条件に合致しない番組スケジュール情報は表示装置上には表示させないものであり、 CPUは、リモコンを用いて選択された並べ替え項目に従って、上記検索結果の並べ替え処理を行い、 上記並べ替え項目は、番組スケジュール情報が表示装置上に表示される順番を定義し、この並べ替え項目は イ号物品自身のメニュー情報として製造時において予め設定されたものであり、 CPUは検索処理と並べ替え処理の両方を順次実行して得られた番組リストを生成することを特徴とするHDDレコーダー。 (2)イ号方法の説明 イ号物品(東芝製HDDレコーダー)による方法は、イ号図面並びにその説明書に示すとおり、以下の構成を有する。 HDDレコーダーが外部の表示装置上に番組スケジュール情報を表示させる方法であって、 CPUは、リモコンを用いて選択された検索条件に基づき、番組スケジュール情報の検索処理を行い、検索した結果を表示させ、 CPUは、リモコンを用いて選択された並べ替え項目に従って、上記検索結果の並べ替え処理を行い、 上記並べ替え項目は、番組スケジュール情報が表示装置上に表示される順番を定義し、この並べ替え項目は、イ号物品自身のメニュー情報として製造時において予め設定されたものであり、 CPUは検索処理と並べ替え処理の両方を順次実行して得られた番組リストを生成することを特徴とする方法。 3.イ号物件 請求人の上記説明によれば、請求人が判定を求めるイ号物件において、本件特許発明1の「インタラクティブ番組ガイドシステム」、および本件特許発明2の「方法」に対応するものは、イ号図面および説明書に記載された「東芝製HDDレコーダー」と称されるところのHDDレコーダーおよびHDDレコーダーによる方法であると認められる。 これを前提として、以下、本件特許発明1、2の構成に対応したイ号物件を認定する。 (1)イ号図面および説明書の記載によれば、「東芝製HDDレコーダー(RD-E160)」は、リモコンとCPUとを含み、フラッシュメモリに記憶しているEPG(Electric Program Guide)データに基づいて、外部のテレビ等の表示装置上に番組表、すなわち、番組スケジュール情報を表示するHDDレコーダーである。 (2)上記CPUは、リモコンを用いて選択された検索条件に基づき、番組スケジュール情報の検索処理を行い、検索条件に合致する番組スケジュール情報を検索結果として表示装置上に表示させ、検索条件に合致しない番組スケジュール情報は表示装置上には表示させない。 (3)上記CPUは、リモコンを用いて選択された並べ替え項目に従って、上記検索処理により検索された番組スケジュール情報の並べ替え処理を行う。 上記並べ替え項目は、番組スケジュール情報が表示装置上に表示される順番を定義し、また、上記並べ替え項目は、HDDレコーダー内のフラッシュメモリに予め保有しているものであり、並べ替えの対象となっている全てのスケジュール情報が上記並べ替え項目に従って、並べ替えられる。 (4)上記CPUは、上記検索処理と並べ替え処理の両方の処理を実行して、表示装置上に表示させる番組スケジュール情報のリストを生成することを特徴とするHDDレコーダである。 そうすると、イ号物件は、本件特許発明1に即して分説すると、次の符号aないしfを付して示したとおりのものと認められる(以下「イ号物品」という。)。 a. リモコンとCPUとを含み、外部の表示装置上に番組スケジュール情報を表示するHDDレコーダーであり、 b. 前記CPUは、前記リモコンを用いて選択された検索条件に基づき、前記番組スケジュール情報の検索処理を行い、 c. 前記検索条件に合致する番組スケジュール情報を検索結果として表示装置上に表示させ、前記検索条件に合致しない番組スケジュール情報は表示装置上には表示させず、 d. 前記CPUは、リモコンを用いて選択された並べ替え項目に基づき、前記検索処理により検索された番組スケジュール情報の並べ替え処理を行い、 e. 前記並べ替え項目は番組スケジュール情報が前記表示装置上に表示される順番を定義し、前記並べ替え項目は、並べ替え処理の対象となっている番組スケジュール情報の全てが並べ替えられた状態で表示装置上に表示されるような項目であり、前記並べ替え項目はHDDレコーダー内のフラッシュメモリに予め保有しているものであり、 f. 前記CPUは、前記検索処理と並べ替え処理の両方の処理の実行に基づいて、前記表示装置に表示するための、番組スケジュール情報のリストを生成することを特徴とするHDDレコーダ また、イ号物件は、本件特許発明2に即して分説すると、次の符号gないしkを付して示したとおりのものと認められる(以下「イ号方法」という。)。 g. HDDレコーダが外部の表示装置上に番組スケジュール情報を表示させる方法であって、 h. CPUは、リモコンを用いて選択された検索条件に基づき、前記番組スケジュール情報の検索処理を行い、検索した結果を表示させ、 i. 前記CPUは、リモコンを用いて選択された並べ替え項目に基づき、前記検索結果の並べ替え処理を行い、 j. 前記並べ替え項目は、番組スケジュール情報が前記表示装置上に表示される順番を定義し、前記並べ替え項目は、HDDレコーダー内のフラッシュメモリにメニュー情報として予め保有されたものであり、 k. 前記CPUは、前記検索処理と並べ替え処理の両方を順次実行して得られた番組スケジュール情報のリストを生成することを特徴とする方法 第4 対比、判断 1.本件特許発明1とイ号物品との対比、判断 以下に、本件特許発明1とイ号物品との対比を、上記第2 1.における分説された本件特許発明の各構成要件のうちで、請求人が、「6 請求の理由(6)イ号物品が本件特許発明1の構成要件を充足しないとの説明」(判定請求書の第8頁7行ないし第10頁20行)で、相違すると主張している、構成要件A、Eの中段、後段について行い、イ号物品の上記各構成が本件特許発明1の上記各構成要件を充足するか否かを検討する。 (1)構成要件Aについて 構成要件Aは「ユーザ入力装置(78)とコントロールユニット(74)とを含む、ディスプレイ(84)上に番組スケジュール情報を表示するインタラクティブ番組ガイドシステム」であるところ、「ディスプレイ(84)上に番組スケジュール情報を表示する」とは、インタラクティブ番組ガイドシステムが、ディスプレイ(84)上に番組スケジュール情報を表示するものであることを意味することは明らかであり、前記ディスプレイ(84)は、インタラクティブ番組ガイドシステムの構成の一部であるとはいえない。 そうすると、イ号物品の構成aは、本件特許発明1の構成要件Aを充足する。 (2)構成要件Eについて ア.構成要件Eの中段の構成は「該非限定的番組ソート属性は、該非限定的番組ソート属性がどの番組スケジュール情報がディスプレイ(84)上でソートされた状態で現れるかを限定しないという点で非限定的」であるところ、当該構成は、本件の特許明細書(甲第2号証)の第15頁45ないし48行の「ソート属性は、サーチ選択基準とは異なり、非限定的であり、番組スケジュール情報の表示されたリスト内に提示されるべき番組スケジュール情報を選択するように動作しない。従って、視聴者がソート属性を変更すると、その結果、単に、アクティブサーチ選択基準に合う番組が番組メニュー206内に表示される順番が変更されるにすぎない。」なる記載からみて、非限定的番組ソート属性は、非限定的番組ソート属性に基づく非限定的ソートオペレーションの対象となった番組スケジュール情報を限定してディスプレイ(84)上に現すものではなく、非限定的番組ソート属性に基づく非限定的ソートオペレーションの対象となった番組スケジュール情報の全てをソートされた状態でディスプレイ(84)上に現すものであることを意味することは明らかである。 そうすると、イ号物品の構成eの中段の構成である「前記並べ替え項目は、並べ替え処理の対象となっている番組スケジュール情報の全てが並べ替えられた状態で表示装置上に表示されるような項目であり、」は、構成要件Eの中段の構成「該非限定的番組ソート属性は、該非限定的番組ソート属性がどの番組スケジュール情報がディスプレイ(84)上でソートされた状態で現れるかを限定しないという点で非限定的であり、」を充足する。 イ.構成要件Eの後段の構成は「該非限定的番組ソート属性はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され」であるところ、当該構成における「サービスプロバイダ」は、本件の特許明細書(甲第2号証)の第5頁42ないし48行の「テレビ放送サービスが、視聴者が番組スケジュール情報に適用することができる、非限定的ソート属性と限定的選択基準とを定義することができる、インタラクティブ番組ガイドシステムおよびそれに関連する方法を提供することもまた、本発明の目的である。テレビ放送サービスが、視聴者によって番組スケジュール情報に適用された限定的選択基準に応じて視聴者が選択するための、視聴者用の非限定的ソート属性の、複数の異なるセットを定義することができる、インタラクティブ番組ガイドシステムおよびそれに関連する方法を提供することは、本発明の別の目的である。」との記載、 同第6頁38ないし46行の「本発明のインタラクティブ番組ガイドはまた、番組サーチ(検索)表示モードを提供する。番組サーチ表示モードは、番組スケジュール情報に対する限定的サーチ選択基準および非限定的ソート属性を用いて、視たいまたは録画したい番組に関する番組スケジュール情報のリストをサーチするために、視聴者によって用いられ得る。インタラクティブ番組ガイドは好適には、入手可能な選択基準およびソート属性と、番組スケジュール情報に選択基準および/またはソート属性とを適用した結果得られた結果との同時表示を提供する。好適には、選択基準およびソート属性は、ヘッドエンドテレビ放送センタにより定義され、インタラクティブ番組ガイドを実施するために用いられるソフトウェアと共に動作パラメータとしてセットトップボックスに伝送される。」との記載、 同第8頁41ないし47行の「番組スケジュール情報に加えて、ヘッドエンドテレビ放送センタ54はまた、本発明のインタラクティブ番組ガイドを実施するためにセットトップボックス70により用いられるソフトウェアモジュールおよび動作パラメータを送信し得る。さらに、ソフトウェアモジュールおよび動作パラメータは、ヘッドエンドテレビ放送センタ54ではなくデータセンタ52から発するものであってもよい。動作パラメータは、例えば、非限定的ソート属性、限定的選択基準、メニュー選択肢、およびデフォルトメニュー選択肢(これらはすべて以下に、より詳細に説明する)を含み得る。」との記載からみて、 ヘッドエンドテレビ放送センタ54やデータセンタ52などの「番組ガイドのサービスを提供している者」と認めることができる。 したがって、構成要件Eの後段の構成である「該非限定的番組ソート属性はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され」は、非限定的番組ソート属性は、番組ガイドのサービスを提供している者によってコントロールユニット(74)に送信され、というものであるが、イ号物品においては、イ号物品の構成eの後段でいうように、並べ替え項目は、HDDレコーダー内のフラッシュメモリに予め保有しているものであり、上記本件特許発明1の構成要件、すなわち、非限定的番組ソート属性は、番組ガイドのサービスを提供している者によってコントロールユニット(74)に送信され、という構成を具備していない。 そうすると、イ号物品の構成eの後段の「前記並べ替え項目はHDDレコーダー内のフラッシュメモリに予め保有しているものであり、」は、上記本件特許発明1の構成要件Eの「該非限定的番組ソート属性はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され」を充足しない。 (3)まとめ 以上のとおり、イ号物品の構成は、本件特許発明1の構成要件Eを充足しないので、イ号物品は、文言上、本件特許発明1の技術的範囲に属しない。 (4)均等の主張について 請求人は、イ号物品の構成が充足しないとされた本件特許発明1の構成要件Eに関し、いわゆる均等論の適用を主張しているので、これについて検討する。 最高裁判決平成6年(オ)第1083号(平成10年2月24日判決言渡)では、均等が成り立つ場合について、次の五つの要件を判示をしている。 (a)相違部分が、特許発明の本質的な部分でない。 (b)相違部分を対象製品の対応部分と置き換えても、特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏する。 (c)対象製品等の製造時に、異なる部分を置換することを、当業者が容易に想到できる。 (d)対象製品等が、出願時に於ける公知技術と同一又は当業者が容易に推考することができたものではない。 (e)対象製品等が特許発明の出願手続に於いて、特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たる等の特段の事情がない。 ア. 本件特許発明の手続きの経緯(拒絶理由通知まで) 平成8年4月5日 国際特許出願 平成8年10月10日 国際公開 平成15年4月7日 審査請求 平成15年4月7日 手続補正書 平成15年7月29日 早期審査に関する事情説明書 平成15年11月12日 拒絶理由通知 イ. 本件特許の出願時(平成9年10月6日付け特許法第184条の5第1項の規定による書面参照)の特許請求の範囲の請求項1、16に記載された発明 「〈請求項1〉 ユーザ入力装置(78)とコントロールユニット(74)とを含む、ディスプレイ(84)上に番組スケジュール情報を表示するインタラクティブ番組ガイドシステムであって、 該コントロールユニット(74)は、該ユーザ入力装置(78)を用いて選択された限定的番組選択基準に基づき、該番組スケジュール情報の限定的サーチオペレーションを行い、 該コントロールユニット(74)は、該ユーザ入力装置(78)を用いて選択された非限定的番組ソート属性に基づき、該番組スケジュール情報の少なくとも一部の非限定的ソートオペレーションを行い、 該コントロールユニット(74)は、該ディスプレイ(84)上に表示するための、該限定的サーチオペレーションと該非限定的ソートオペレーションとの両方に基づいて、該番組スケジュール情報の得られたリストを生成することを特徴とする、インタラクティブ番組ガイドシステム。 〈請求項16〉 ディスプレイ(84)上に番組スケジュール情報を表示する方法であって、 ユーザ入力装置(78)を用いて選択された限定的番組選択基準に基づき、該番組スケジュール情報の限定的サーチオペレーションを行い、 該ユーザ入力装置(78)を用いて選択された非限定的番組ソート属性に基づき、該番組スケジュール情報の少なくとも一部の非限定的ソートオペレーションを行い、 該ディスプレイ(84)上に表示するための、該限定的サーチオペレーションと該非限定的ソートオペレーションとの両方に基づいて、該番組スケジュール情報の得られたリストを生成することを特徴とする、方法。」 ウ. 平成15年4月7日付け手続補正書により補正された後の請求項1、10(当該補正前の請求項16に対応)に記載された発明 「〈請求項1〉 ユーザ入力装置(78)とコントロールユニット(74)とを含む、ディスプレイ(84)上に番組スケジュール情報を表示するインタラクティブ番組ガイドシステムであって、 該コントロールユニット(74)は、該ユーザ入力装置(78)を用いて選択された限定的番組選択基準に基づき、該番組スケジュール情報の限定的サーチオペレーションを行い、 該コントロールユニット(74)は、該ユーザ入力装置(78)を用いて選択された非限定的番組ソート属性に基づき、該番組スケジュール情報の少なくとも一部の非限定的ソートオペレーションを行い、該非限定的番組ソート属性は該番組スケジュール情報が該ディスプレイ(84)上に現れる順番を定義し、該非限定的番組ソート属性はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され、該コントロールユニット(74)は、該ディスプレイ(84)上に表示するための、該限定的サーチオペレーションと該非限定的ソートオペレーションとの両方に基づいて、該番組スケジュール情報の得られたリストを生成することを特徴とする、インタラクティブ番組ガイドシステム。 〈請求項10〉 ディスプレイ(84)上に番組スケジュール情報を表示する方法であって、 ユーザ入力装置(78)を用いて選択された限定的番組選択基準に基づき、該番組スケジュール情報の限定的サーチオペレーションを行い、 該ユーザ入力装置(78)を用いて選択された非限定的番組ソート属性に基づき、該番組スケジュール情報の少なくとも一部の非限定的ソートオペレーションを行い、該非限定的番組ソート属性は該番組スケジュール情報が該ディスプレイ(84)上に現れる順番を定義し、該非限定的番組ソート属性(204)はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され、 該ディスプレイ(84)上に表示するための、該限定的サーチオペレーションと該非限定的ソートオペレーションとの両方に基づいて、該番組スケジュール情報の得られたリストを生成することを特徴とする、方法。」 エ. 平成15年7月29日付け早期審査に関する事情説明書に記載された事項 「4.早期審査に関する事情説明 1. 事情 欧州特許庁、米国特許庁、オーストラリア特許庁、ブラジル特許庁、香港特許庁、韓国特許庁、ロシア特許庁へ出願を行っています。 欧州特許庁では既に特許になったものがあり、欧州特許公報の番号は、第0819354号です。また、欧州特許庁への別の出願の出願番号は、第99115117.6号です。 米国特許庁では既に特許になったものがあり、米国特許公報の番号は第5,880,768号および第6,266,814号です。また、米国特許庁への別の出願の出願番号は、第09/770,865号および第10/115,762号です。 オーストラリア特許庁では既に特許になっており、オーストラリア特許公報の番号は第700434号および第728658号です。 ブラジル特許庁への出願の出願番号は、第PI9608014-0号です。 香港特許庁への出願の出願番号は第00103340.1号です。 韓国特許庁への出願の出願番号は第97-707139号です。 ロシア特許庁への出願の出願番号は第97118423号です。 2. 先行技術の開示および対比説明 (1) 文献名 対応外国出願において引用された先行技術文献は以下の通りです。 文献D1 チェリックら(C h e r r i c k e t a1)、「(アン インディビジュアリー アドレッサブル ティービー レシーバー ウィズ インタラクティブ チャンネル ガイド ディスプレイ、 ビーシーアール アンドケーブル ボックス コントロール(An Individually Addr e s s a b 1 e TV R e c e i V e r With Interactive C h a n n e 1 Guide Display、 VCR、 and C ab 1 e Box Contr01」、アイイーイーイー トランザクションズオン コンシューマー エレクトロニクス( I EEE Transac t ions on Consumer Electronics)、1994年8月、第40巻、 第3号 文献D2 国際公開第91/00670号パンフレット 文献D3 米国特許第5,353,121号明細書 (2) 対比説明 係属中の請求の範囲に係る発明と上記先行技術文献の内容とを対比して説明いたします。 独立項である第1項および第10項に係る発明は、インタラクティブテレビジョン番組ガイドにおいて番組スケジュール情報を表示するシステムおよび方法に関しています。具体的には、限定的サーチオペレーションと非限定的ソートオペレーションとの両方が、ユーザによって選択された限定的番組選択基準および非限定的ソート属性に基づいて番組スケジュール情報に行われます。本願明細書に記載されるように、限定的サーチオペレーションは、選択された限定的番組選択基準に合わない番組スケジュール情報を除きます(本願明細書の翻訳文24頁14?16行参照)。非限定的ソートオペレーションは、除くことなく、選択された非限定的番組ソート属性によって特定された順番に番組スケジュール情報を構成します(本願明細書の翻訳文24頁29行?25頁4行参照)。例えば、ユーザは、「スポーツ」限定的選択基準と「スポーツによるサーチ」非限定的ソート属性との両方を選択して、排他的にスポーツ関連情報を含み、スポーツにしたがってソートされた番組スケジュール情報の得られたリストを見ることができます(例えば、野球、フットボールなど、本願明細書の翻訳文23頁22行?25行および25頁9?19行参照)。番組スケジュール情報の得られたリストは、表示のために生成されます。 独立項である第1項および第10項は、さらに、非限定的番組ソート属性が、サービスプロバイダによってユーザ制御ユニットに送信されることを規定しています。非限定的番組ソート属性は、番組スケジュール情報がディスプレイ上に現れる順番を定義しています。特に、非限定的ソート属性が選択された場合に生じる表示された番組リストの順番は、ユーザ定義されていません(すなわち、そのリストはユーザ定義されたお気に入りチャネル順番を表示しない)。むしろ、表示された順番は、サービスプロバイダによって送信された非限定的番組ソート属性によって指定されます。 文献D1は、番組ガイドの上部にユーザのお気に入りチャネルを配置し、ユーザがほとんどみないか、または、受け取らないチャネルをユーザが非選択にするシステムを開示しています(文献D1の328頁「セットアップチャネル(Set t i n g Up C h a n n e L )参照)。文献D1は独立項である第1項および第10項に規定されるように、サービスプロバイダからの送信によって非限定的番組ソート属性を受け取り、非限定的番組ソート属性定義によって指定された順番で番組リストを表示するという特徴を示すものではありません。 文献D2は、データのタイプごとにメモリの番組スケジュールデータを構成するシステムを開示しています(例えば、映画、スポーツ、ニュースなど、文献D2の14頁29-34行および図2「グループI:イベント」参照)。文献D2は、独立項である第1項および第10項に規定されるように、ユーザ人力デバイスで非限定的番組ソート属性を選択し、ディスプレイで表示するために選択されたソート属性に基づいて非限定的ソート番組スケジュール情報を選択するという特徴を示すものではありません。 文献D3は、ユーザによって選択された一つ以上の限定的選択基準(106、110および1 12)を用いて、表示のために利用可能な番組スケジュール情報のサブセットを選択する、テーマ機能を備えたシステムを開示しています(文献D3の第14欄47行?第15欄第30行参照)。利用可能な番組スケジュール情報のサブセットは、そのシステムによって規定され、かつ、選択された基準にしたがってソートされます(文献D3の第15欄第31?56行参照)文献D3のシステムは、また、番組リストが番組グリッド24において表示される順番を決定するお気に入りのチャネル順番をユーザが定義することを可能にするチャネルカスタマイズ機能を備えています(文献D3の第16列第52行?第18列第2行および図20参照)。文献D3は、独立項である第1項および第10項に規定されるように、サービムプロバイダによって送信され、ユーザ入力デバイスを用いて選択された非限定的番組ソート属性に基づいて番組スケジュール情報をソートするという特徴を示すものではありません。」 (なお、上記文献D1、3についての対比説明における下線は、当審で付したものである。) オ. 判断 本件特許の出願時の特許請求の範囲の請求項1においては、本件特許発明1の構成要件Eの後段の「非限定的番組ソート属性」についての「該非限定的番組ソート属性はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され、」との限定はなく、これは、「インタラクティブ番組ガイドシステム」が非限定的番組ソート属性を備えているものであればよく、「インタラクティブ番組ガイドシステム」が非限定的番組ソート属性を予め保有しているものも含まれるものであったところ、上記平成15年7月29日付けの早期審査に関する事情説明書に記載されたとおり、被請求人は対応外国出願において引用された先行技術文献に記載された発明との差異を明確にするために、上記平成15年4月7日付け手続補正書で、該非限定的番組ソート属性が「サービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され、」るものであると限定したものであり、この手続きの過程において、非限定的番組ソート属性を予め保有しているものは請求項1から意識的に除外されたものであるといえる。 よって、イ号物品の構成eの後段の「前記並べ替え項目はHDDレコーダー内のフラッシュメモリに予め保有しているものであり、」は、上記均等論の要件(e)を満たさず、均等論の上記他の要件について検討するまでもなく、イ号物品は、本件特許発明1と均等なものとはいえない。 2.本件特許発明2とイ号方法との対比、判断 本件特許発明2とイ号方法との対比を、上記第2 2.における分説された本件特許発明の各構成要件のうちで、請求人が、「6 請求の理由(6.2)イ号方法が本件発明2の構成要件を充足するか否かの判断」(判定請求書の第10頁7行ないし第10頁18行)で、相違すると主張している、構成要件Jについて行い、イ号方法の上記構成が本件特許発明2の上記構成要件を充足するか否かを検討する。 (1)本件特許発明2の構成要件Jの後段の構成である「該非限定的番組ソート属性(204)はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され、」は、上記「1.(2)構成要件Eについて イ.」における判断と同様、非限定的番組ソート属性(204)は、番組ガイドのサービスを提供している者によってコントロールユニット(74)に送信され、というものであるが、イ号方法においては、イ号方法の構成jの後段でいうように、並べ替え項目は、HDDレコーダー内のフラッシュメモリにメニュー情報として予め保有されたものであり、上記本件特許発明2の構成要件、すなわち、非限定的番組ソート属性(204)は、番組ガイドのサービスを提供している者によってコントロールユニット(74)に送信され、という構成を具備していない。 そうすると、イ号方法の構成jの後段の「前記並べ替え項目は、HDDレコーダー内のフラッシュメモリにメニュー情報として予め保有されたものであり、」は、上記本件特許発明2の構成要件Jの「該非限定的番組ソート属性はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され」を充足しない。 (2)均等の主張について 請求人は、イ号方法の構成が充足しないとされた本件特許発明2の構成要件Jに関し、いわゆる均等論の適用を主張しているので、これについて検討する。 本件特許の出願時の特許請求の範囲の請求項16(本件特許の請求項10に対応する請求項)においては、本件特許発明2(本件特許の請求項10に係る特許発明)の構成要件Jの後段の「非限定的番組ソート属性」についての「該非限定的番組ソート属性(204)はサービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され、」との限定はなく、これは、非限定的番組ソート属性を予め保有しているものが含まれるものであったところ、上記平成15年7月29日付けの早期審査に関する事情説明書に記載されたとおり、被請求人は対応外国出願において引用された先行技術文献に記載された発明との差異を明確にするために、上記平成15年4月7日付け手続補正書で、該非限定的番組ソート属性が「サービスプロバイダによって該コントロールユニット(74)に送信され、」るものであると限定したものであり、この手続きの過程において、非限定的番組ソート属性を予め保有しているものは上記請求項16から意識的に除外されたものであるといえる。 よって、イ号方法の構成jの後段の「前記並べ替え項目は、HDDレコーダー内のフラッシュメモリにメニュー情報として予め保有されたものであり、」は、上記均等論の要件(e)を満たさず、均等論の上記他の要件について検討するまでもなく、イ号方法は、本件特許発明2と均等なものとはいえない。 3.まとめ 上記1.(2)イ.、2.(1)のとおり、イ号物品の構成、イ号方法の構成は、それぞれ、本件特許発明1の構成要件E、本件特許発明2の構成要件Jを充足しないので、イ号物件(イ号物品およびイ号方法)は、文言上、本件特許発明1、本件特許発明2の技術的範囲に属しない。 また、上記1.(4)オ.、2.(2)のとおり、イ号物件(上記イ号物品、イ号方法)は、本件特許発明1、2の構成と均等なものであるということはできない。 また、本件特許の請求項2ないし9、11ないし18に係る発明は、本件特許発明1または2の構成にさらに別の構成要件を付加したものであるから、本件特許発明1、2をいずれも充足しないイ号物件の構成が、本件特許の請求項2ないし9、11ないし18に係る発明の構成要件を充足しないことは明らかである。 第5 むすび 以上のとおり、イ号物件は、本件特許の請求項1ないし18に係る発明のいずれの技術的範囲にも属しない。 よって、結論のとおり判定する。 |
別掲 |
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判定日 | 2010-09-30 |
出願番号 | 特願平8-530518 |
審決分類 |
P
1
2・
1-
ZA
(H04N)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 西谷 憲人 |
特許庁審判長 |
藤内 光武 |
特許庁審判官 |
奥村 元宏 ▲徳▼田 賢二 |
登録日 | 2004-05-14 |
登録番号 | 特許第3553082号(P3553082) |
発明の名称 | インタラクティブ番組ガイドシステムおよび方法 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 玉城 健 |
復代理人 | 大塩 竹志 |
代理人 | 安村 高明 |
代理人 | 堀口 浩 |
代理人 | 村井 賢郎 |
代理人 | 森下 夏樹 |