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審決分類 |
審判 判定 同一 属する(申立て成立) E01F |
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管理番号 | 1224805 |
判定請求番号 | 判定2010-600044 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2010-07-23 |
確定日 | 2010-10-18 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第3409299号の判定請求事件について,次のとおり判定する。 |
結論 | イ号物件説明書に示す「コーナークッション」は,特許第3409299号発明の技術的範囲に属する。 |
理由 |
第1 請求の趣旨と手続の経緯 請求人は,請求の趣旨として,判定請求書に添付したイ号物件説明書に示す「コーナークッション」(以下,「イ号物件」という。)は,特許第3409299号(以下,「本件特許」という。)の請求項1及び2に係る発明(以下,「本件特許発明1及び2」という。)の技術的範囲に属するとの判定を求めている。 これに対し,当審において,平成22年8月12日付けで被請求人に判定請求書副本を送達するとともに,期間を指定して答弁書を提出する機会を与えたが,被請求人からは何らの応答もなかった。 なお,本件特許は請求人の所有する特許であり,イ号物件は,被請求人が販売していると請求人が主張しているものである。 第2 本件特許発明1,2 本件特許発明1及び2は,本件特許明細書及び図面の記載からみて,当該明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものであり,これを,構成要件ごとに分説すると次のとおりである。 「【請求項1】 A.互いに若干の間隔をおいて長手方向に列設された複数の短尺クッション材と, B.これら複数の短尺クッション材の表面側を被覆する長尺表面側シート部と,これら複数の短尺クッション材の裏面側の幅方向両端部をそれぞれ一定幅で被覆する長尺裏面側シート部とからなる帯状被覆部材と, C.長尺表面側シート部の外面に設けられ,明度差をもつ色彩が交互に反復してなる斜め方向縞模様と, D.長尺裏面側シート部の外面に設けられた粘着材層とを有してなり, E.全体として帯状をなすととともに, F.長尺裏面側シート部同士の間から,複数の短尺クッション材が露出している G.ことを特徴とするコーナークッション。 【請求項2】 H.長尺表面側シート部と長尺裏面側シート部は,その長手方向において複数の独立空間を形成するように,複数箇所で幅方向に固着され,短尺クッション材はそれら複数の独立空間内に設けられ, I.複数の固着部分で折り曲げ可能かつ切断可能とされている G’.ことを特徴とする請求項1に記載のコーナークッション。」 (以下,「構成要件A」等という。) 第3 イ号物件の特定 請求人が提出した判定請求書中の「第4 イ号物件の説明(請求書3頁下から5行?4頁11行)」,「第6(1)後段(同6頁11?18行)」,及び,判定請求書に添付して提出したイ号物件説明書(別添参照)によれば,イ号物件は次のとおり特定される。 「a.互いに若干の間隔をおいて長手方向に列設された4枚の短尺スポンジと, b.これら4枚の短尺スポンジの表面側を被覆する長尺表面側シート部と,これら4枚の短尺スポンジの裏面側の幅方向両端部をそれぞれ一定幅で被覆する長尺裏面側シート部とからなる帯状被覆部材と, c.長尺表面側シート部の外面に設けられ,緑色と白色が交互に反復してなる斜め方向縞模様と, d.長尺裏面側シート部の外面に設けられた粘着材層とを有してなり, e.全体として帯状をなすととともに, f.長尺裏面側シート部同士の間から,4枚の短尺スポンジが露出しており, h.長尺表面側シート部と長尺裏面側シート部は,その長手方向において4つの独立空間を形成するように,3箇所で幅方向に固着され,短尺スポンジはそれら4つの独立空間内に設けられ, i.3箇所の固着部分で折り曲げ可能かつ切断可能とされている g.コーナークッション。」 (以下,「構成a」等という。) 第4 属否の検討 1.本件特許発明1とイ号物件との対比・判断 (1)構成要件A,B,Fについて イ号物件の「4枚の短尺スポンジ」が本件特許発明1の「複数の短尺クッション材」に相当するから,イ号物件の構成a,b及びfは,本件特許発明1の構成要件A,B及びFをそれぞれ充足している。 (2)構成要件Cについて イ号物件の「緑色と白色が交互に反復してなる斜め方向縞模様」が本件特許発明1の「明度差をもつ色彩が交互に反復してなる斜め方向縞模様」に相当するから,イ号物件の構成fは,本件特許発明1の構成要件Fを充足している。 (3)構成要件D,E,Gについて イ号物件の構成dは明らかに本件特許発明1の構成要件Dを充足している。同様に,構成eは構成要件Eを明らかに充足し,構成gは構成要件Gを明らかに充足している。 (4)小括 したがって,イ号物件は,本件特許発明1の構成要件A?Gを全て充足するものである。 2.本件特許発明2とイ号物件との対比・判断 (1)構成要件Hについて イ号物件の「4つの独立空間」が本件特許発明2の「複数の独立空間」に相当し,以下同様に,「3箇所で幅方向に固着」が「複数箇所で幅方向に固着」に,「短尺スポンジ」が「短尺クッション材」に,それぞれ相当するから,イ号物件の構成hは,本件特許発明2の構成要件Hを充足している。 (2)構成要件Iについて イ号物件の「3箇所の固着部分」が本件特許発明2の「複数の固着部分」に相当するから,イ号物件の構成iは,本件特許発明2の構成要件Iを充足している。 (3)構成要件G’について 上記第4の1.で検討したとおり,イ号物件は,本件特許発明1の全ての構成要件を充足しているから,イ号物件の構成gが本件特許発明2の構成要件G’を充足していることは,明らかである。 (4)小括 したがって,イ号物件は,本件特許発明2の構成要件H,I,G’を全て充足するものである。 第5 むすび 以上のとおりであるから,イ号物件は,本件特許発明1及び2の技術的範囲に属する。 よって,結論のとおり判定する。 |
別掲 |
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判定日 | 2010-10-08 |
出願番号 | 特願平10-273930 |
審決分類 |
P
1
2・
1-
YA
(E01F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 中槙 利明 |
特許庁審判長 |
山口 由木 |
特許庁審判官 |
伊波 猛 山本 忠博 |
登録日 | 2003-03-20 |
登録番号 | 特許第3409299号(P3409299) |
発明の名称 | コーナークッション |
代理人 | 向江 正幸 |
代理人 | 福島 三雄 |