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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F02B
管理番号 1225401
審判番号 不服2008-25109  
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-10-01 
確定日 2010-10-14 
事件の表示 特願2005-368309「過給機」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 4月 6日出願公開、特開2006- 90336〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本件出願は、平成13年7月19日に出願した特願2001-219319号(以下、「もとの出願」という。)の一部を平成17年12月21日に新たな特許出願としたものであって、平成20年5月29日付けの拒絶理由通知に対して平成20年7月31日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成20年8月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成20年10月1日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに平成20年10月21日付けの手続補正書によって特許請求の範囲を補正する手続補正がなされ、平成20年11月6日付けの手続補正指令に対して平成20年11月11日付けで平成20年10月21日付けの手続補正を補正する手続補正書が提出され、その後、平成21年9月15日付けで当審より書面による審尋がなされ、それに対し、平成21年11月26日付けで回答書が提出され、平成22年3月2日付けで平成20年11月11日付けの手続補正書によって補正された平成20年10月21日付けの手続補正書により特許請求の範囲を補正する手続補正が却下され、平成22年3月24日付けの拒絶理由通知書に対して平成22年5月31日付けで意見書並びに明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出されたものであって、その請求項1ないし7に係る発明は、平成22年5月31日付けで提出された手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲並びに願書に最初に添付された図面からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、そのうちの請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
小型船舶に搭載される過給機において、ポンプからの冷却水が他の冷却水通路と独立した別の過給機冷却水通路をなすパイプにて,前記過給機のタービン部に設けられたウォータジャケットに,前記タービン部の上方から供給されてタービン部を冷却すると共に,
前記過給機に供給されるオイルが,該過給機のタービン部とコンプレッサ部との間の軸受けケーシングに形成されたオイルジャケットに供給されて前記軸受けケーシングを冷却するとともに,前記軸受けケーシング内に設けられた軸受け部の潤滑を行うように成し,
前記軸受ケーシングにはオイル入り口と,このオイル入り口と前記オイルジャケットとを連通するジャケット用オイル通路と,このジャケット用オイル通路および前記オイル入り口と前記軸受け部とをオイルジャケットを介することなく連通する軸受部け用オイル通路とを設け,前記オイル入り口にはオリフィスボルトを介してオイルを供給し,前記軸受け部用オイル通路は前記ジャケット用オイル通路に比べて細いオイル通路としたことを特徴とする過給機。」

2.当審における平成22年3月24日付けの拒絶理由通知書に引用した実願昭57-50489号(実開昭58-152528号)のマイクロフィルム(以下、「引用刊行物」という。)

2-1.引用刊行物の記載事項
引用刊行物には、例えば、次の事項が図面とともに記載されている。

(ア)「2. 実用新案登録請求の範囲
タービンハウジングにエンジン冷却水を流動させる冷却水通路を穿設してなることを特徴とするターボ過給機の冷却装置」(明細書第1ページ4ないし7行)

(イ)「本考案はターボ過給機の冷却装置に関するものである。」(明細書第1ページ9ないし10行)

(ウ)「自動車用ガソリン機関やディーゼル機関の軸トルクを向上させるために搭載されたターボ過給機においては,図面に示すように排気エネルギによつて駆動されるタービンホイール軸1はその毎分回転数が10万回転以上に達するものがあり、このように高回転の軸受機構2を有する過給機にあつては機関の高負荷運転時においてタービンホイール3,タービンハウジング4および軸受ハウジング5などが900℃以上もの高温になるので,これらから軸受機構2への高温伝熱を遮断するために,効率よくエンジン潤滑系統からの潤滑油を該軸受機構へ供給したり,タービンハウジング4と軸受ハウジング5との間に空室部6を形成して高温源であるタービンハウジング4が軸受ハウジング5に接触する面積を極力小さくなるようにしたりして,軸受機構2の温度を規定値以下に抑制するようにしていた。ところが,上記潤滑油による冷却および空室部6によるエア断熱層による熱遮断だけでは軸受機構2の温度制御は不十分となる惧れがあつた。」(明細書第1ページ11行ないし第2ページ11行)

(エ)「本考案は上記に鑑みて工夫されたものであつて,タービンハウジングにエンジン冷却水を流動させる冷却水通路を穿設したことを要旨とするもので,これによつてタービンハウジング自体の温度を低くでき,その結果タービンハウジングから軸受ハウジングへの熱伝達量をかなり低くでき,軸受機構の冷却効果を一層助長することができる作用効果を有するものである。」(明細書第2ページ12ないし19行)

(オ)「以下本考案を図面に示す実施例について説明すると,7はタービンハウジング4に沿つて穿設した冷却水通路,8はラジエータ9で冷却された冷却水を同通路7に流入させる流入通路,10は同冷却水通路7から出た冷却水をラジエータ9に帰還させる流出通路である。かくして冷却水通路7は流入出両通路8,10を介してラジエータ9に連通されてタービンハウジングの冷却回路を形成している。」(明細書第3ページ1ないし9行)

(カ)「本実施例は上記構成を有するため,排気熱によつてタービンハウジング4が高温になつても冷却水通路10内を流動するエンジン冷却水によつて一定値以下に抑制できるため,タービンハウジング4から軸受ハウジング5への熱の伝達量も小さくでき,軸受機構2の温度上昇を効果的に抑制でき,ひいては軸受機構の焼き付き,熱疲労による破損などを回避できる作用効果を有する。」(明細書第3ページ16行ないし第4ページ4行)

(キ)「また,エンジンを高負荷で運転した後に,急停止させた場合には,エンジン潤滑油の油口14への供給も停止してしまうため軸受機構2の温度が急上昇してしまい,いわゆるヒートソークバツク現象が起きてしまう。これを防止するため,たとえば流入通路8と流出通路10との間にモータ駆動による水ポンプ装置15を設けた水ポンプ回路16を介設し,エンジン停止後,水ポンプ装置15を自動的に一定時間だけ駆動させ,冷却水通路10に水ポンプ回路16を介して冷却水を強制循環させてもよい。」(明細書第4ページ8ないし18行)

(ク)「4. 図面の簡単な説明
図面は本考案の一実施例を適用した断面図である。
4;タービンハウジング, 5;軸受ハウジング,
6;空室部, 7;冷却水通路」(明細書第4ページ19行ないし第5ページ3行)

(ケ)図面からみて、軸受ハウジング5には油口14と軸受機構2とを連通する潤滑油の通路が設けられているといえる。

2-2.引用刊行物に記載された発明
上記2-1.及び図面の記載を総合すると、引用刊行物には、
「自動車に搭載されるターボ過給機において、ラジエータ9からの冷却水及びエンジン停止後は水ポンプ装置15からの冷却水が他の冷却水通路と独立した別の流入通路8、流出通路10及び水ポンプ回路16にて,前記ターボ過給機のタービンホイール3、タービンハウジング4及び流出口13を含むタービン部分に設けられた冷却水通路7に,前記タービン部分の下方から供給されてタービン部分を冷却すると共に,
前記ターボ過給機に供給される潤滑油が,該ターボ過給機のタービン部分とコンプレッサ部分との間の軸受ハウジング5内に設けられた軸受機構2に供給されて前記軸受機構2を冷却するとともに,前記軸受ハウジング5内に設けられた軸受機構2の潤滑を行うように成し,さらに,タービン部分と軸受ハウジング5との間に空室部6を形成してタービン部分が軸受ハウジング5に接触する面積を極力小さくして軸受機構2の温度を規定値以下に抑制するように成し,
前記軸受ハウジング5には油口14と,前記油口14と前記軸受機構2とを連通する潤滑油の通路とを設け,前記油口14にはオイルを供給するようにしたターボ過給機。」
の発明(以下、「引用刊行物に記載された発明」という。)が記載されている。

3.対比
本願発明と引用刊行物に記載された発明とを対比するに、引用刊行物に記載された発明における「ターボ過給機」は、その技術的意義からみて、本願発明における「過給機」に相当し、以下同様に、「流入通路8、流出通路10及び水ポンプ回路16」は「過給機冷却水通路」に、「タービンホイール3、タービンハウジング4及び流出口13を含むタービン部分」は「タービン部」に、「冷却水通路7」は「ウォータジャケット」に、「潤滑油」は「オイル」に、「コンプレッサ部分」は「コンプレッサ部」に、「軸受ハウジング5」は「軸受けケーシング」に、「軸受機構2」は「軸受け部」に、「油口14」は「オイル入り口」に、「潤滑油の通路」は「軸受け部用オイル通路」に、それぞれ相当する。

また、引用刊行物に記載された発明における「ターボ過給機に供給される潤滑油が,該ターボ過給機のタービン部分とコンプレッサ部分との間の軸受ハウジング5内に設けられた軸受機構2に供給されて前記軸受機構2を冷却する」は、「過給機に供給されるオイルが,該過給機のタービン部とコンプレッサ部との間の軸受けケーシング内に供給されて前記軸受けケーシング内を冷却する」という限りにおいて、本願発明における「過給機に供給されるオイルが,該過給機のタービン部とコンプレッサ部との間の軸受けケーシングに形成されたオイルジャケットに供給されて前記軸受けケーシングを冷却する」に相当する。

そして、引用刊行物に記載された発明における「潤滑油の通路」は、「オイル入り口と軸受け部とを連通する軸受け部用オイル通路」という限りにおいて、本願発明における「軸受部け用オイル通路」及び「軸受け部用オイル通路」に相当する。

したがって、本願発明と引用刊行物に記載された発明とは、
「過給機において、ポンプからの冷却水が他の冷却水通路と独立した別の過給機冷却水通路にて,前記過給機のタービン部に設けられたウォータジャケットに供給されてタービン部を冷却すると共に,
前記過給機に供給されるオイルが,該過給機のタービン部とコンプレッサ部との間の軸受けケーシング内に供給されて前記軸受けケーシング内を冷却するとともに,前記軸受けケーシング内に設けられた軸受け部の潤滑を行うように成し,
前記軸受ケーシングにはオイル入り口と,前記オイル入り口と前記軸受け部とを連通する軸受部け用オイル通路とを設け,前記オイル入り口にはオイルを供給するようにした過給機。」である点で一致し、次の点で相違している。

<相違点1>
過給機について、本願発明においては、「小型船舶」に搭載される過給機であるのに対し、引用刊行物に記載された発明においては、「自動車」に搭載される過給機である点。

<相違点2>
冷却水が、過給機のタービン部に設けられたウォータジャケットに、供給されてタービン部を冷却するにあたり、本願発明においては、「ポンプからの冷却水」が過給機冷却水通路「をなすパイプ」にて、タービン部の「上方」から供給されるのに対し、引用刊行物に記載された発明においては、「ラジエータ9からの冷却水及びエンジン停止後は水ポンプ装置15からの冷却水」が「流入通路8、流出通路10及び水ポンプ回路16」(過給機冷却水通路)にて、タービン部の「下方」から供給され、「流入通路8、流出通路10及び水ポンプ回路16」(過給機冷却水通路)について本願発明のような事項については明らかでない点。

<相違点3>
過給機に供給されるオイルが,該過給機のタービン部とコンプレッサ部との間の軸受けケーシング内に供給されて前記軸受けケーシング内を冷却するにあたり、本願発明においては、過給機のタービン部とコンプレッサ部との間の軸受けケーシング「に形成されたオイルジャケット」に供給されて前記「軸受けケーシング」を冷却し、軸受ケーシングには、「オイル入り口とオイルジャケットとを連通するジャケット用オイル通路」と、この「ジャケット用オイル通路および」オイル入り口と軸受け部とを「オイルジャケットを介することなく」連通する軸受部け用オイル通路を設け、軸受け部用オイル通路は「ジャケット用オイル通路に比べて細い」オイル通路としたのに対し、引用刊行物に記載された発明においては、過給機のタービン部分(タービン部)とコンプレッサ部分(コンプレッサ部)との間の軸受ハウジング5(軸受けケーシング)「内に設けられた軸受機構2」に供給されて前記「軸受機構2」を冷却し、潤滑油の通路(軸受部け用オイル通路)は油口14(オイル入り口)と軸受機構2(軸受け部)とを連通するものの、本願発明における「軸受ケーシング」を冷却する「オイルジャケット」に相当するものが設けられておらず、それに伴い、「オイル入り口とオイルジャケットとを連通するジャケット用オイル通路」に相当するものが設けられておらず、また、潤滑油通路(軸受部け用オイル通路)が「ジャケット用オイル通路および」油口14(オイル入り口)と軸受機構2(軸受け部)とを「オイルジャケットを介することなく」連通するものではなく、さらに、潤滑油通路(軸受け部用オイル通路)は「ジャケット用オイル通路に比べて細い」オイル通路とはいえない点。

<相違点4>
オイル入り口にオイルを供給するにあたり、本願発明においては、「オリフィスボルトを介して」供給するのに対し、引用刊行物に記載された発明においては、そのような特定がない点。

4.当審の判断
上記各相違点について検討する。

<相違点1>について
「小型船舶に搭載される過給機」は周知の技術(以下、「周知技術1」という。必要なら、実開昭63-166998号(実開平2-87931号)のマイクロフィルムを参照。)である。
そうすると、引用刊行物に記載された過給機の発明を、周知技術1の「小型船舶に搭載される過給機」において適用することにより、上記相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者にとり通常の創作力の範囲でなしうる程度のことにすぎない。

<相違点2>について
過給機において、「過給機のタービン部に設けられたウォータジャケットに供給される冷却水を、ポンプからの冷却水とする」ことは、周知技術(以下、「周知技術2」という。必要なら、実願平1-116491号(実開平3-56835号)のマイクロフィルムを参照。)であり、また、「ポンプからの冷却水が過給機冷却水通路をなすパイプにて、過給機のタービン部に設けられたウォータジャケットに、タービン部の上方から供給される」ことは、周知技術(以下、「周知技術3」という。必要なら、実開昭63-166998号(実開平2-87931号)のマイクロフィルム(明細書第10ページ7ないし12行、第1図及び第2図等を参照。)を参照。)である。
そうすると、引用刊行物に記載された発明において、周知技術2及び3を適用することにより、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者にとり通常の創作力の範囲でなしうる程度のことにすぎない。

<相違点3>について
過給機において、「過給機に供給されるオイルが、該過給機のタービン部とコンプレッサ部との間の軸受けケーシング『に形成されたオイルジャケット』に供給されて『軸受けケーシング』を冷却し、軸受ケーシングには、『オイル入り口とオイルジャケットとを連通するジャケット用オイル通路』と、この『ジャケット用オイル通路および』オイル入り口と軸受け部とを『オイルジャケットを介することなく』連通する軸受部け用オイル通路を設ける」ことは、周知の技術(以下、「周知技術4」という。必要なら、特開昭59-39930号公報(特に、「冷却通路15」、「センタハウジング6」、「給油孔9」、「油路10」、「小孔9a」、「オイルジェツト10c」、「小孔10a、10b」参照。)、実願昭57-127761号(実開昭59-32133号)のマイクロフィルム(特に、「冷却通路10d」、「センタハウジング6」、「給油孔9」、「油路10」、「オイルジェット10c」、「小孔10b」参照。)、実願昭51-110247号(実開昭53-28310号)のマイクロフィルム(特に、「油逃がし室14」、「タービン側の壁16」、「センタハウジング1」、「給油孔11」、「油孔12」、「細孔17」、「油孔13」参照。)を参照。)であり、また、ジャケット用オイル通路と軸受け部用オイル通路の太さの大小関係については、想定される過給機の作動状況におけるオイルによる冷却と潤滑の必要の程度等に応じて当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。
そうすると、引用刊行物に記載された発明における、(軸受機構2(軸受け部)の温度を規定値以下に抑制すべく、)軸受ハウジング5(軸受ケーシング)の温度の上昇を抑制するという自明の課題を解決すべく、周知技術4を適用することにより、上記相違点3に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者にとり通常の創作力の範囲でなしうる程度のことにすぎない。

また、本願発明における「ジャケット用オイル通路」及び「オイルジャケット」について、発明の実施の形態では、図10において「ジャケット用オイル通路144a」は、「軸受けケーシング141」を貫通して更に「コンプレッサ部140C」側に位置する別部材に設けられた空間たる「オイルジャケット146」に連通するものとして示されており、本願発明における「ジャケット用オイル通路」が包含する、このように軸受けケーシングを貫通してコンプレッサ側に位置する空間に開口するオイル通路に比べて、軸受け部用オイル通路を細いオイル通路とすることは、そもそも周知の技術(以下、「周知技術5」という。必要なら、特開昭59-49323号公報(特に、「開口114」、「通路123」、「開口115」、第2図参照。)を参照。)である。
そうすると、引用刊行物に記載された発明における、(軸受機構2(軸受け部)の温度を規定値以下に抑制すべく、)軸受ハウジング5(軸受ケーシング)の温度の上昇を抑制するという自明の課題を解決すべく、周知技術4及び5を適用することにより、上記相違点3に係る本願発明の発明特定事項とすることも、当業者にとり通常の創作力の範囲でなしうる程度のことにすぎない。

<相違点4>について
過給機において、「オイル入り口に『オリフィスボルトを介して』オイルを供給する」ことは周知の技術(以下、「周知技術6」という。必要なら、特開平6-323157号公報(特に、段落【0007】、図9参照。)を参照。)である。
そうすると、引用刊行物に記載された発明において、周知技術6を適用することにより、上記相違点4に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者にとり通常の創作力の範囲でなしうる程度のことにすぎない。

そして、本願発明を全体として検討しても、引用刊行物に記載された発明及び周知技術1ないし6から予測される以上の格別の効果を奏するとも認められない。

なお、平成22年5月31日付けの意見書において、請求人が主張する作用効果(意見書第2ページ(ロ)として記載)については、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面においては何ら明示的に記載されていない作用効果であって、しかも、当業者にとり自明な効果にすぎない。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用刊行物記載の発明及び周知技術1ないし6に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
 
審理終結日 2010-08-10 
結審通知日 2010-08-17 
審決日 2010-08-30 
出願番号 特願2005-368309(P2005-368309)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 粟倉 裕二  
特許庁審判長 深澤 幹朗
特許庁審判官 河端 賢
金澤 俊郎
発明の名称 過給機  
代理人 佐渡 昇  
代理人 佐渡 昇  

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