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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1225725
審判番号 不服2008-13871  
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-06-02 
確定日 2010-08-26 
事件の表示 特願2002-211843「臨床アナライザ用化学システム」拒絶査定不服審判事件〔平成15年4月3日出願公開、特開2003-98182〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成14年7月19(パリ条約による優先権主張 平成13年7月20日 米国、平成14年6月28日 米国)の出願であって、平成18年10月24日付けの拒絶理由通知に対して、平成19年4月27日付けで手続補正書が提出され、平成20年2月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成20年6月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに同日付けで手続補正(以下、「第1補正」という。)がなされ、さらに、同年7月2日付けで手続補正(以下、「第2補正」という。)がなされたものである。

第2 第1補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
第1補正を却下する。

[理由]
1 第1補正後の本願発明
第1補正は、特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりのものとする補正を含むものである。

「【請求項1】臨床アナライザの反応収容装置に、ある量の少なくともひとつの試薬を導入する無洗浄試薬送出システムであって、該システムは、以下のものからなる:
患者試料供給器;
少なくともひとつの試薬供給器;
前記少なくともひとつの試薬供給器と、前記反応収容装置との間で移動可能な計測ヘッドを含む少なくともひとつの計測システム;
前記反応収容装置への単一使用分配のための、前記少なくともひとつの試薬供給器からのある体積の試薬を吸引するよう使用される第1の複数の使い捨ての液体分配チップ;および、
第2の複数の使い捨ての液体分配チップであって、該第2の複数の使い捨ての液体分配チップのおのおのは密封された分配端を持ち、ここで、前記第2の複数の使い捨てのチップの分配端のおのおのは、ある量の患者試料が前記少なくともひとつの計測システムを用いて最初にその中に吸引されたのちに密封され、これにより容器を形成する。」
(下線は、補正箇所を示す。)

上記補正は、補正前の請求項4(平成19年4月27日付け手続補正書の請求項4)
「臨床アナライザの反応封じ込め装置に、ある量の少なくともひとつの試薬を導入する無洗浄試薬送出システムであって、
該システムは、
少なくともひとつの試薬供給器と、
前記少なくともひとつの試薬供給器と前記反応封じ込め装置との間を移動可能な計測ヘッドを含む計測システムと、
前記反応封じ込め装置に試薬を使い捨て分配する、前記少なくともひとつの試薬供給器から、試薬を吸引するために使用する第1の複数の使い捨て可能な計測チップとを備えたことを特徴とする無洗浄試薬送出システムにおいて、
試料供給器を備え、該試料供給器は、第2の複数の使い捨て可能な計測チップを有し、
前記第2の複数の使い捨て可能な計測チップのそれぞれは、密封された分配端を有し、患者試料を含むことを特徴とする無洗浄試薬送出システム。」について、

(1)「反応封じ込め装置」及び「計測チップ」をそれぞれ「反応収容装置」及び「液体分配チップ」として明りょうにし、「計測システム」が「少なくともひとつ」であることを明りょうにするとともに、
(2)補正前の請求項4に記載した発明を特定するために必要な事項である「試料供給器」について「患者」との限定を付加し、同じく「前記反応封じ込め装置に試薬を使い捨て分配する、前記少なくともひとつの試薬供給器から、試薬を吸引するために使用する第1の複数の使い捨て可能な計測チップ」について、「反応収容装置への単一使用分配のための」及び「ある体積の試薬を吸引するよう使用される」との限定を付加し、同じく「第2の複数の使い捨て可能な計測チップ」であり「密封された分配端を有し、患者試料を含む」ものについて、「チップの分配端のおのおのは、ある量の患者試料が前記少なくともひとつの計測システムを用いて最初にその中に吸引されたのちに密封され、これにより容器を形成する」との限定を付加するものである。
(3)したがって、第1補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号及び第4号の特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する補正を含むものである。

そこで、第1補正後の請求項1に記載された発明(以下、「第1補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2 引用刊行物及びその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された本願優先日前に頒布された刊行物1(原査定の引用文献1)、刊行物2(同引用文献3)、及び拒絶査定で引用された本願優先日前に頒布された刊行物3(同引用文献4)には以下の事項がそれぞれ記載されている。以下、下線は当審で付加した。

(1)刊行物1:特開平10-123136号公報の記載事項(第6頁?第11頁の【手続補正書】の部分)
(1a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】所定速度で間欠的に回転運動する反応管ターレツトと該反応管の上面周辺部に複数個の反応管ホルダーを内周と外周の2列に配列し、該反応管ホルダーに反応管を供給する反応管供給手段と、該反応管に検体を分注する検体分注手段と、かつ2列に配列した反応管列の間に少なくとも2箇所以上に磁石を配列した回動する磁石リングと、該反応管に標識試薬を分注する試薬分注手段と、B/F分離を利用した洗浄手段と、該反応管に測定用試薬を分注する分注手段と、当該反応ホルダーから取出し測定用ターレツトに移送する手段と、該反応管の反応後の反応溶液の標識物の量を測定する測定手段と、該反応管測定用回転トレーから測定済みの反応管を廃棄すす反応管廃棄手段を有することを特徴とする自動免疫分析装置。
・・・
【請求項5】請求項1の自動免疫分析装置において、試薬ピペツトチツプの脱着機構によりかく試薬毎の専用ピペツトチツプにより分注することを特徴とする自動免疫分析装置。」(第6頁左欄【請求項1】?第7頁左欄【請求項5】)
(1b)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗原-抗体反応より検体内の特定物質を測定する免疫測定を効果的かつ自動的に行うことができる自動免疫測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】血液等に含まれるグロブリン、酵素などの蛋白質、ホルモン、細菌、ウイルスなどは、その分子構造が類似していたり、ごく微量であるために、通常の分析方法では固定や定量が困難である。これらの物質の分析には、一般に抗原-抗体反応を利用した免疫化学的な分析方法が採用されている。」(第7頁左欄【0001】?【0002】)
(1c)「【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基いて説明する。図1は、本発明に係る自動免疫分析装置の実施例を示す上面図である。多数の縦、横に配列したサンプル・チツプ1をサンプルラツク2に保有し、1ピツチずつチェインコンベアにより横送りされてストツパーゲート5の作動によつて所定の位置に停止する。検体4は数個ずつ保持できるサンプルカセツト4’に装入し、パルスモータによる送り機構を用いてフリーフローの縦送り後、1ピツチずつ横送りされて所定の検体分注位置5に停止後、吸引分注される使用済み検体カセツト4’は戻りゾーン6に移送しうる。同時に、反応管7は、2列ずつ保持されるラツクの移動で縦送り後、1ピツチずつの横送りが行われ、キュベツト分配位置8に停止する。
【0015】所定位置に停止しおたサンプル供給用のサンプルチツプ1は、上下縦横可動移送アームとアーム先端の移送ノズルから成る3軸(X,Y,Z)ロボツト3の検体分注手段9の駆動機構の作動により、サンプルチツプ1を1個ずつピツクアツプし、所定位置に移動し、サンプルカセツト4’に装入された検体4をチツプ1に採取し、反応管ターレツト10の上面内周と外周に2列に配列した反応管ホルダー11中の反応管7、7に検体4をロボツト分注システム9により検体4を分注する。検体分注後のサンプルチツプ1は廃棄される。
【0016】また、一方、反応管ラツク7は反応管7を2列に収納しており、所定位置8に移動した反応管7は、反応管ターレツト10の内周と外周にある所定の反応管ホルダー11に2個ずつ反応管供給手段12を用いて、反応管キュベツト7を所定の反応管ホルダー11に供給する。」(第8頁左欄【0014】?右欄【0016】)
(1d)「【0019】試薬トレー18は、保冷庫(図示せず)に格納した試薬容器ユニツト20、試薬チツプ19を試薬チツプ格納部21を有し、各々は、独立に回動できる。試薬ユニツト20には、分析項目に対応する第1試薬を収容する試薬容器20及び第2試薬を保持する試薬容器20を保持する。これらを保持する試薬トレーは、所定のタイミングで試薬容器20を所定の位置決めをするようになつている。試薬容器は、バーコード(図示せず)によつて試薬の選択ができるようになつており、常時分析に応じて選択を行う。
【0020】試薬ピペツト22は、2軸(X,Y)に移動、搬送可能である。試薬チツプ格納部21に保持される試薬チツプ19をピツクアツプし、引継き所定の試薬容器20を選出し、分析項目に対応する所定の反応管7の希釈検体4の中に分注し、使用済みのチツプ19は、チツプラツクの元の位置に戻して格納する。本分注工程は、試薬ピペツト22の脱着機構により、各試薬毎に専用チツプにより分注するため、試薬間のクロスコンタミネーションがない。本試薬分注工程は洗浄を行わない。」(第8頁右欄【0019】?【0020】)
(1e)「【0023】例えば、B/F分離工程を実施しない測定項目に対して対処方法として、図3に示したように、ソレノイド56を励起し、ピン57が左に出て、吊り板58の孔に挿入され、吊り板58、吸出ノズル59が下降を妨げる。ソレノイド56が励磁しないと、吸出ノズル59はピンオン60の回転でラツク61がが降下し、吸出ノズル59も下降するが、ピン57で下降できないノズル59はスプリング62圧縮されるのみで下降しない。吸引、排出を行わない反応管7に対しては洗浄液注入ポンプ52は作動を停止する。」(第9頁左欄【0023】)
(1f)「【0025】このようにして、B/F分離後、発光試薬が分注された反応管7、7--は、所定時間経過した時点で、光学測定位置Aにてチェンジ装置26にピックアップされ、測定用回転トレーに移され、90゜回転してB位置で検出器27の測光が行われ、定量が実施される。次のインデックスタイムで90゜回転してC位置で内容液が吸引、排出され、更に90゜回転してD位置でキュベツト7、7は廃棄される。」(第9頁左欄?右欄【0025】)
(1g)「【0026】
【発明の実施の形態】本発明に係る自動分析装置は、反応ターレツト上の外周、内周に配置した反応管の間欠的往復回動に併い、反応管の間に設置された磁石を保持する磁石リングは、往は反応管と同じピツチ、復は反応管より1ピツチ多く回転することにより、磁性微粒子試薬のB/F分離を行い、B/F分離後に連続して化学発光法により測光し、使用反応管を廃棄する。検体及び試薬の分注は、チツプを使用し、チツプに検体又は第1試薬、第2試薬等を吸引し、分注後、検体チツプを廃棄し、試薬チツプは専用チツプトレーに返納するのでクロスコンタミネーションがない。」(第9頁右欄【0026】)
(1h)第1図には、検体4、検体分注手段9、サンプルチップ1、試薬ユニット20、試薬ピペット22、試薬チップ19、反応管ターレット10、反応管ホルダー11、反応管供給手段12、検出器27、測定用回転トレーの光学測定位置A、測光位置B、内容物吸引排出位置C、反応管廃棄位置Dを有する自動免疫分析装置の上面説明図が図示されている。(第11頁【図1】)

(2)刊行物2:特開平9-127127号公報の記載事項
(2a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】液体試料や試薬の分取,分注に使い捨てチップを用い、又は反応容器としてベッセルを用い、試料や試薬の分取,分注後、分注機構のチップ装着部や搬送機構から分離した使用済チップ、又はベッセルを収納部に回収し、前記収納部を往復直線運動により前後左右あるいは上下に振動させ、その振動により集積している使用済チップ又はベッセルを同時に振動させ、平らに均す機構を有することを特徴とする使い捨てチップの回収装置。」
(2b)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体試料の分取,分注装置、及び自動分析装置や生化学分析装置等の使い捨てチップやベッセルを使用する装置において使用済チップやベッセルを効率良く回収する装置に関する。」
(2c)「【0002】
【従来の技術】使い捨てのチップを用い、液体試料や試薬の分取,分注を行っている分析装置等の使用済チップの回収方法として、米国特許第4406547 号公報がある。」

(3)刊行物3:国際公開第99/47261号の記載事項の日本語訳。訳文は対応日本語公報である特表2002-506981号公報により、段落番号もあわせて記載した。
(3a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】下記(1)?(10)で構成される免疫混濁度の測定によって
試料中の血漿タンパクの濃度を測定する装置:
(1)血液分析機器、
(2)使い捨てディスペンサーチップ、
(3)使い捨てディスペンサーチップの第1末端を密封する手段、
(4)使い捨てディスペンサーチップに試薬を添加するための、使い捨てディスペンサーチップの第2開口末端に挿入可能な第2チップ、
(5)分析機器の使い捨てディスペンサーチップ中の試料を収容する加熱空間、
(6)使い捨てディスペンサーチップを加熱空間に出し入れする手段、
(7)光線を出す光源、
(8)使い捨てディスペンサーチップ中の試料に光線を向ける手段、
(9)光線に応答するセンサー、および
(10)試料中の1種以上のタンパクの濃度を試料からのセンサーの応答信号と相関
させる手段。」(第17頁1行?18行)
(3b)「【0001】
【発明の技術分野】
本発明は血漿タンパクの免疫混濁度測定法(immunoturbidimetry)および分光測光分析に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
臨床テストは全血の血清または血漿に対してルーチンで行われている。」(第1頁2行?7行)
(3c)「【0011】
本発明では新規な波長範囲が用いられ且つ内因性の試料混濁度とその他の干渉体の影響とを排除する方法を用いられる。本発明は使い捨てディスペンサーチップ(tip、先端)を反応室および培養室、さらにはキュベットとして用いる新しい方法を提供する。使い捨てディスペンサーチップを反応室およびキュベットとして使用することによって本発明は化学分析機器と一体化でき、また、血清・血漿干渉体および血漿タンパクを測定するための独立した機器として製造することができる。本発明は血清・血漿干渉体および血漿タンパクの測定を容易にする本発明の光学装置を備えていない分析機器に特に有用である。化学分析機器にこの光学能力を組み込んで、免疫混濁度を測定することによってによって現在の試験法をさらに発展させることができる。」第2頁33行?第3頁5行)
(3d)「【0017】
・・・ディスペンサーチップの好ましい例はジョンソンエンドジョンソン(Johnson and Johnson)社製のVitros(商標)で用いられる使い捨てチップである。」(第7頁11行?13行)
(3e)「【0019】
試料をディスペンサーチップ中に吸引した後に、チップの下端を小さい万力の挾持部間で平坦にして密封するのが好ましい。ディスペンサーチップは使い捨てであるのが好ましい。このディスペンサーチップは内部に試料を密封した後に反応室および培養室として用いられる。密封したディスペンサーチップをさらにキュベットとして用いることができる。」(第7頁31行?35行)
(3f)「【0021】
本発明の別の観点では、5μLの試料を吸引するのに用いた同じディスペンサーチップの下端を、このチップを4μL等量だけ減圧して、密封する。他の使い捨てチップを用いる場合にはこの容量からずれても本発明の範囲に含まれる。4μLの吸引量に相当する追加の減圧はディスペンサーチップの下端から流体を引き離すのに十分であり、この下端は5μLの試料の下方に空気をトラップせず、しかもこの密封の下方に密封した試料をトラップせずに、小さい万力の挾持部で把持される。
本発明の好ましい実施例では、この挾持部は図3に示すように平行ではないので、挾持部に把持さた残留流体は全て押し上げられる。本発明のこの特徴によって試料の損失を減らすことができる。
【0022】
本発明の実施例では、60μLの抗体試薬を5μLの試料に注入した試料との混合物を用いる。60μLの抗体試薬を例えば図3の4に示すような細いピペットチップの中に入れ、このピペットチップを密封されたディスペンサーチップの底まで挿入し、十分な空間によって抗体試薬の正しく分配するのが好ましい。図3の4に示すような細いピペットチップはエッペンドルフ(Eppendorf)社製の960Envirotip(登録商標)であるのが好ましいが、同様な任意のピペットチップを用いることができる。試料容量に対する抗体試薬容量の比は試料と試薬との十分な混合が容易にできる比にするのが望ましい。本発明の実施例では抗体試薬の放出時に流体のみが排出され、空気が反応室内に導入されないようにするのが好ましい。」(第8頁6行?28行)

3 対比・判断
刊行物1の上記記載事項(上記(1a)?(1h))から、刊行物1には、
「所定速度で間欠的に回転運動する反応管ターレツトと、
該反応管ターレットの上面周辺部に、内周と外周の2列に配列した複数個の反応管ホルダーと、
該反応管ホルダーに反応管を供給する反応管供給手段と、
該反応管に検体を分注する検体分注手段と、
該反応管に標識試薬及び測定用試薬を分注する試薬分注手段と、
該反応管を該反応ホルダーから取出し反応管測定用回転トレーに移送する手段と、
該反応管の反応後の反応溶液の標識物の量を測定する測定手段と、
該反応管測定用回転トレーから測定済みの反応管を廃棄する反応管廃棄手段とを有する自動免疫分析装置であって、
上下縦横可動移送アームとアーム先端の移送ノズルからなる3軸ロボットの検体分注手段により、サンプル供給用のサンプルチツプをピツクアツプし、所定位置に移動し、サンプルカセツトに装入された検体をサンプルチツプに採取し、反応管ターレツトに配列した反応管に検体を分注し、検体分注後のサンプルチツプは廃棄し、
2軸に移動搬送可能な試薬ピペットである試薬分注手段により、試薬チツプ格納部に保持される試薬毎の専用試薬チツプをピツクアツプし、試薬容器の試薬を反応管の検体中に分注し、使用済みの試薬チツプは、元の位置に戻して格納する自動免疫分析装置」の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。

そこで、第1補正発明と刊行物1発明とを比較する。
(ア)刊行物1発明の「反応管」は、本願明細書(段落【0002】)に反応封じ込め装置、つまり「反応収容装置」が単独の反応ウエルであることが記載されていることから、第1補正発明の「反応収容装置」に相当し、刊行物1発明の「試薬容器」は、第1補正発明の「試薬供給器」に相当する。
(イ)刊行物1発明の「検体」は、刊行物1発明の免疫分析装置で分析される検体であり、免疫分析は血液等の患者試料の臨床検査で採用される分析であることから(上記(1b))、患者から採取した試料といえ、通常液体であることから、試料容器に収容されていることは明らかである。そうすると、刊行物1発明は、第1補正発明の「患者試料供給器」に相当するものを有しているといえる。
(ウ)刊行物1発明の「2軸に移動搬送可能な試薬ピペットである試薬分注手段」は、「試薬容器の試薬を反応管の検体中に分注」するために、試薬容器と反応管の間を2軸に移動搬送可能であり、このための可動機構を備えているといえるから、第1補正発明の「前記少なくともひとつの試薬供給器と、前記反応収容装置との間で移動可能な計測ヘッドを含む少なくともひとつの計測システム」に相当する。
(エ)刊行物1発明の「試薬分注手段」によりピックアップされる「試薬毎の専用試薬チップ」は、試薬容器から反応管へ試薬を分注するためのものであるから、第1補正発明の「前記反応収容装置への単一使用分配のための、前記少なくともひとつの試薬供給器からのある体積の試薬を吸引するよう使用される第1の複数の使い捨ての液体分配チップ」とは、反応収容装置への分配のための、少なくともひとつの試薬供給器からのある体積の試薬を吸引するよう使用される第1の複数の液体分配チップである点で共通している。
(オ)刊行物1発明の「検体分注手段」によりピックアップされる「サンプルチップ」は検体分注後廃棄されるから、第1補正発明の「第2の複数の使い捨ての液体分配チップであって、該第2の複数の使い捨ての液体分配チップのおのおのは密封された分配端を持ち、ここで、前記第2の複数の使い捨てのチップの分配端のおのおのは、ある量の患者試料が前記少なくともひとつの計測システムを用いて最初にその中に吸引されたのちに密封され、これにより容器を形成する」ものとは、患者試料が吸引される第2の複数の使い捨ての液体分配チップである点で共通している。
(カ)刊行物1発明の「自動免疫分析装置」は、免疫分析を行う臨床検査装置といえるから、第1補正発明の「臨床アナライザ」に相当する。
(キ)刊行物1発明の「自動免疫分析装置」は、「反応管に標識試薬及び測定用試薬を分注する試薬分注手段」を有しており、反応管に試薬を導入する試薬送出システムを有しているといえ、刊行物1には、試薬分注工程は洗浄を行わないことが記載されているから(上記(1d))、「ある量の少なくともひとつの試薬を導入する無洗浄試薬送出システム」を有しているといえる。

したがって、両者の間には、以下の一致点及び相違点がある。
(一致点)
臨床アナライザの反応収容装置に、ある量の少なくともひとつの試薬を導入する無洗浄試薬送出システムであって、該システムは、以下のものからなる点。
患者試料供給器;
少なくともひとつの試薬供給器;
前記少なくともひとつの試薬供給器と、前記反応収容装置との間で移動可能な計測ヘッドを含む少なくともひとつの計測システム;
前記反応収容装置への分配のための、前記少なくともひとつの試薬供給器からのある体積の試薬を吸引するよう使用される第1の複数の液体分配チップ;および、
患者試料が吸引される第2の複数の使い捨ての液体分配チップ。

(相違点1)
第1の複数の液体分配チップが、第1補正発明では、単一使用分配のためのものであり使い捨てであるのに対して、刊行物1発明では、試薬毎の専用試薬チップである点。

(相違点2)
患者試料が吸引される第2の複数の使い捨ての液体分配チップが、第1補正発明では、密封された分配端を持ち、分配端のおのおのは、ある量の患者試料が最初にその中に吸引されたのちに密封されて容器を形成するのに対して、刊行物1発明では、サンプルチップは、検体を採取し分注するものであるから分配端を有するといえるが、この分配端は密封されることはない点。

そこで、上記各相違点について検討する。
(相違点1について)
刊行物2には、液体試料や試薬の分取、分注に使い捨てチップを用いることが従来から行われていたことが記載されており、さらに、例えば、特開平11-326332号公報に、試料及び試薬の分注は、分注プローブにより行われ、分注する毎に先端に使い捨てチップを着脱して用いることが記載され(【0012】)、特開平7-198728号公報の従来技術に、試薬間の干渉が考えられる場合には、チップを使い捨てとすること(【0009】)、チップを用いて試料または試薬の分取および分配を行った後、一回の使用のみでこのチップを廃棄すること(【0014】)が記載されているように、試料だけでなく試薬の分注にも使い捨てのチップを用いることは、本願優先日前の周知技術であったといえる。
そして、臨床検査では、検出成分の種類によっては、ごく微量な成分を極めて高い精度で検出することが求められることは技術常識であり、刊行物1発明のように試薬毎に専用のチップを用いても、試薬分注時の試料のはね返り等によりコンタミネーションが生じるから、これを防止し、求められる精度が得られるように、刊行物1発明において、試薬毎の専用である試薬チップを、上記周知技術のように、一回の使用ごとに交換する、単一使用分配のための使い捨てのチップとすることは、当業者が容易になし得たものといえる。

(相違点2について)
刊行物3には、臨床検査の一種である血漿タンパク質の測定方法において、使い捨てディスペンサーチップの下端から試料を吸引した後に、下端を密封して反応室として用いることが記載されており、反応室は容器を形成しているといえる。そして、このような構成により、試料吸引のためのチップと反応容器をひとつのもので済ませることができ、使い捨てされる器具が少なくなる利点を得られることは、当業者が当然に考えるところである。
そして、刊行物1発明では、サンプルチップは、検体の反応管への分注毎に廃棄される使い捨てのチップであり、反応管も測定毎に廃棄する使い捨てのものであるから(上記(1f))、刊行物1発明において、廃棄されるものをできるだけ減少させるべく、サンプルチップに代えて、刊行物3に記載された下端から試料吸引後、この下端を密封して反応容器として用いる使い捨てディスペンサーチップを用いることは当業者が容易になし得たものといえる。

(第1補正発明の効果について)
そして、第1補正発明の液体の相互汚染がなく、洗浄関連装置による費用及び複雑さを取り除くことができるという効果は、刊行物1ないし3の記載事項及び周知技術から予測し得るものであり、格別顕著なものとはいえない。

したがって、第1補正発明は、刊行物1及び刊行物3に記載された発明、及び刊行物2等に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 むすび
以上のとおり、第1補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 第2補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
第2補正を却下する。

[理由]
1 第2補正後の本願発明
第2補正は、特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりのものとする補正を含むものである。

「【請求項1】 臨床アナライザの反応収容装置に、ある量の少なくともひとつの試薬を導入する無洗浄試薬送出システムであって、該システムは、以下のものからなる:
患者試料供給器;
少なくともひとつの試薬供給器;
前記少なくともひとつの試薬供給器、前記反応収容装置、および前記患者試料供給器の相互間で移動可能な計測ヘッドを含む少なくともひとつの計測システム;
前記反応収容装置への単一使用分配のための、前記少なくともひとつの試薬供給器からのある体積の試薬を吸引するよう使用される第1の複数の使い捨ての液体分配チップ;および、
第2の複数の使い捨ての液体分配チップであって、該第2の複数の使い捨ての液体分配チップのおのおのは密封された分配端を持ち、ここで、前記第2の複数の使い捨てのチップの分配端のおのおのは、ある量の患者試料が前記少なくともひとつの計測システムを用いて最初にその中に吸引されたのちに密封され、これにより容器を形成する。」

前記「第2」で記載したように、第1補正は却下されることとなったので、第2補正は、前記「第2 1」に記載した、補正前の請求項4(平成19年4月27日付け手続補正書の請求項4)について、

(1)「反応封じ込め装置」及び「計測チップ」をそれぞれ「反応収容装置」及び「液体分配チップ」として明りょうにし、「計測ヘッド」について、試薬供給器と反応封じ込め装置との間を移動可能であることに加え、患者試料供給器の相互間で移動可能であることを明りょうにし、「計測システム」が「少なくともひとつ」であることを明りょうにするとともに、
(2)補正前の請求項4に記載した発明を特定するために必要な事項である「試料供給器」について、「患者」との限定を付加し、同じく「前記反応封じ込め装置に試薬を使い捨て分配する、前記少なくともひとつの試薬供給器から、試薬を吸引するために使用する第1の複数の使い捨て可能な計測チップ」について、「反応収容装置への単一使用分配のための」及び「ある体積の試薬を吸引するよう使用される」との限定を付加し、同じく「第2の複数の使い捨て可能な計測チップ」であり「密封された分配端を有し、患者試料を含む」ものについて、「チップの分配端のおのおのは、ある量の患者試料が前記少なくともひとつの計測システムを用いて最初にその中に吸引されたのちに密封され、これにより容器を形成する」との限定を付加するものである。
(3)したがって、第1補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号及び第3号の特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する補正を含むものである。

そこで、第2補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「第2補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2 引用刊行物とその記載事項
上記「第2 2」に記載したとおりである。

3 対比・判断
刊行物1には、上記「第2 3」に記載したとおりの刊行物1発明が記載されていると認められる。

そこで、第2補正発明と刊行物1発明とを比較する。
(ア)刊行物1発明の「反応管」は、本願明細書(段落【0002】)に反応封じ込め装置、つまり「反応収容装置」が単独の反応ウエルであることが記載されていることから、第2補正発明の「反応収容装置」に相当し、刊行物1発明の「試薬容器」は、第2補正発明の「試薬供給器」に相当する。
(イ)刊行物1発明の「検体」は、免疫分析のための検体であるから患者から採取した試料であり検体容器に収容されていることは明らかであるから、刊行物1発明は、第1補正発明の「患者試料供給器」に相当するものを有しているといえる。
(ウ)刊行物1発明の「上下縦横可動移送アームとアーム先端の移送ノズルからなる3軸ロボットの検体分注手段」は、反応管に検体を分注するために反応管と検体容器との間を移動可能な3軸ロボットを有するものであるから、第2補正発明の「前記少なくともひとつの試薬供給器、前記反応収容装置、および前記患者試料供給器の相互間で移動可能な計測ヘッドを含む少なくともひとつの計測システム」に包含されるものである。
(エ)刊行物1発明の「2軸に移動搬送可能な試薬ピペットである試薬分注手段」は、「試薬容器の試薬を反応管の検体中に分注」するために、試薬容器と反応管の間を2軸に移動可能であり、このための可動機構を有しているといえるから、第2補正発明の「前記少なくともひとつの試薬供給器、前記反応収容装置、および前記患者試料供給器の相互間で移動可能な計測ヘッドを含む少なくともひとつの計測システム」に包含されるものである。
(オ)刊行物1発明の「試薬分注手段」でピックアップされる「試薬毎の専用試薬チップ」と、第2補正発明の「前記反応収容装置への単一使用分配のための、前記少なくともひとつの試薬供給器からのある体積の試薬を吸引するよう使用される第1の複数の使い捨ての液体分配チップ」とは、反応収容装置への分配のための、少なくともひとつの試薬供給器からのある体積の試薬を吸引するよう使用される第1の複数の液体分配チップである点で共通している。
(カ)刊行物1発明の「検体分注手段」でピックアップされる「サンプルチップ」は検体分注後廃棄されるから、第2補正発明の「第2の複数の使い捨ての液体分配チップであって、該第2の複数の使い捨ての液体分配チップのおのおのは密封された分配端を持ち、ここで、前記第2の複数の使い捨てのチップの分配端のおのおのは、ある量の患者試料が前記少なくともひとつの計測システムを用いて最初にその中に吸引されたのちに密封され、これにより容器を形成する」ものとは、患者試料が吸引される第2の複数の使い捨ての液体分配チップである点で共通している。
(キ)刊行物1発明の「自動免疫分析装置」は、血液等の免疫分析を行う臨床検査装置といえるから、第2補正発明の「臨床アナライザ」に相当する。
(ク)刊行物1発明の「自動免疫分析装置」は、「反応管に標識試薬及び測定用試薬を分注する試薬分注手段」を有しており、反応管に試薬を導入する試薬送出システムを有しているといえ、刊行物1には、試薬分注工程は洗浄を行わない(上記(1d))ことが記載されていることから、「ある量の少なくともひとつの試薬を導入する無洗浄試薬送出システム」を有しているといえる。

そうすると、両者は、
「臨床アナライザの反応収容装置に、ある量の少なくともひとつの試薬を導入する無洗浄試薬送出システムであって、該システムは、以下のものからなる:
患者試料供給器;
少なくともひとつの試薬供給器;
前記少なくともひとつの試薬供給器、前記反応収容装置、および前記患者試料供給器の相互間で移動可能な計測ヘッドを含む少なくともひとつの計測システム;
前記反応収容装置への単一使用分配のための、前記少なくともひとつの試薬供給器からのある体積の試薬を吸引するよう使用される第1の複数の使い捨ての液体分配チップ;および、
第2の複数の使い捨ての液体分配チップ」である点で一致し、相違点1、相違点2、及び各相違点の検討は、、上記「第2 3」で記載したとおりである。

したがって、第2補正発明は、刊行物1及び刊行物3に記載された発明、及び刊行物2等の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 むすび
以上のとおり、第2補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第4 本願発明について
1 本願発明
第1補正及び第2補正は上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項4に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成19年4月27日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものと認める。

「臨床アナライザの反応封じ込め装置に、ある量の少なくともひとつの試薬を導入する無洗浄試薬送出システムであって、
該システムは、
少なくともひとつの試薬供給器と、
前記少なくともひとつの試薬供給器と前記反応封じ込め装置との間を移動可能な計測ヘッドを含む計測システムと、
前記反応封じ込め装置に試薬を使い捨て分配する、前記少なくともひとつの試薬供給器から、試薬を吸引するために使用する第1の複数の使い捨て可能な計測チップとを備えたことを特徴とする無洗浄試薬送出システムにおいて、
試料供給器を備え、該試料供給器は、第2の複数の使い捨て可能な計測チップを有し、
前記第2の複数の使い捨て可能な計測チップのそれぞれは、密封された分配端を有し、患者試料を含むことを特徴とする無洗浄試薬送出システム。」

2 引用刊行物及びその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願優先日前に頒布された刊行物1(原査定の引用文献1)及び刊行物2(原査定の引用文献3)とその記載事項は、前記「第2 2」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、前記「第2」で検討した第1補正発明から、(1)「試料供給器」についての限定事項である「患者」との構成を省き、(2)同じく「液体分配チップ」についての限定事項である「反応収容装置への単一使用分配のための」及び「ある体積の試薬を吸引するよう使用される」との構成を省き、(3)同じく「第2の複数の使い捨て可能な計測チップ」であり「密封された分配端を有し、患者試料を含む」ものについての限定事項である「チップの分配端のおのおのは、ある量の患者試料が前記少なくともひとつの計測システムを用いて最初にその中に吸引されたのちに密封され、これにより容器を形成する」との構成を省いたものである。
そして、上記(3)の省かれた構成は、前記「第2 3」で検討した相違点2に係る構成であるから、本願発明と刊行物1発明の間の相違点は、相違点1のみである。
そうすると、本願発明は、前記「第2 3」で記載した相違点1についての理由と同様の理由により、刊行物1に記載された発明、及び刊行物2等の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明、及び刊行物2等に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項に係る発明についての判断を示すまでもなく本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-03-24 
結審通知日 2010-03-30 
審決日 2010-04-14 
出願番号 特願2002-211843(P2002-211843)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G01N)
P 1 8・ 121- Z (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長谷 潮  
特許庁審判長 秋月 美紀子
特許庁審判官 居島 一仁
後藤 時男
発明の名称 臨床アナライザ用化学システム  
代理人 早瀬 憲一  

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