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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01P
管理番号 1225936
審判番号 不服2008-16403  
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-06-27 
確定日 2010-10-29 
事件の表示 特願2000-542675「加速度計」拒絶査定不服審判事件〔平成11年10月14日国際公開、WO99/51991、平成15年 9月 2日国内公表、特表2003-526084〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、1999年3月31日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1998年4月3日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成20年2月28日付けで誤訳訂正書が提出され、平成20年3月27日付け(発送日同年3月31日)で拒絶査定がなされ、これに対し、平成20年6月27日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。


2.本願発明について
本願の請求項1?6に係る発明は、平成20年2月28日付け誤訳訂正書の特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。

「【請求項1】 検出具を包囲する装置であって、ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備えるトップカバーと、ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備える基部カバーと、を有し、前記基部カバーの壁及び前記トップカバーの壁は、検出具の中心線に沿って位置する結合部で一緒に結合され、検出具を包囲するキャビティを形成する装置。」


3.引用例記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用された本願の優先権主張の日前である昭和61年11月17日に頒布された特開昭61-259175号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、

(1-1)「第1図において、1は圧電ダイアフラム、2は筐体の下半部、3は筐体の上半部であり、圧電ダイアフラム1は、ポリウレタン等の弾性材からなる支持部材4を介して筐体2,3に装着されている。
なお、圧電ダイアフラム1及び支持部材4の詳細については、後述する。
また、筐体2,3は、ポリアセタール等の材料で作られ、両者はバイブレーション溶着等によって完全密封するように固着されている。」(2頁右下欄2?11行)

が記載されている。

そして、第1図から、
「筐体の上半部3は、ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備え、筐体の下半部2は、ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備えており、さらに、
筐体の下半部2の壁及び筐体の上半部3の壁は、圧電ダイアフラム1の中心線に沿って位置する内側部分と、圧電ダイアフラム1の中心線から外れた外側部分とよりなる固着部で一緒に結合されている。」
ことが見て取れる。

したがって、上記(1-1)の記載及び第1図によると、引用例1には、次のとおりの発明、

「圧電ダイアフラム1(検出具に相当。)を包囲する筐体(装置に相当。)であって、ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備える筐体の上半部3(ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備えるトップカバーに相当。)と、ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備える筐体の下半部2(ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備える基部カバーに相当。)と、を有し、前記筐体の下半部2(基部カバーに相当。)の壁及び前記筐体の上半部3(トップカバーに相当。)の壁は、圧電ダイアフラム1(検出具に相当。)の中心線に沿って位置する内側部分と、圧電ダイアフラム1(検出具に相当。)の中心線から外れて位置する外側部分とよりなる固着部(結合部に相当。)で一緒に固着(結合に相当。)され、圧電ダイアフラム1(検出具に相当。)を包囲するキャビティを形成する筐体(装置に相当。)。」(以下、これを「引用例1に記載の発明」という。)

が記載されていると認める。


4.対比・判断
本願発明と引用例1に記載の発明とを対比する。
引用例1に記載の発明における「圧電ダイアフラム1」、「筐体」、「ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備える筐体の上半部3」、「ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備える筐体の下半部2」、「筐体の下半部2」、「筐体の上半部3」、「固着部」、「固着」は、それぞれ、
本願発明における「検出具」、「装置」、「ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備えるトップカバー」、「ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備える基部カバー」、「基部カバー」、「トップカバー」、「結合部」、「結合」
に相当する。

したがって、両者は、

【一致点】
「検出具を包囲する装置であって、ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備えるトップカバーと、ベースと該ベースの縁部に取り付けられる壁とにより形成されるキャビティを備える基部カバーと、を有し、前記基部カバーの壁及び前記トップカバーの壁は、検出具の中心線に沿って位置する内側部分よりなる結合部で一緒に結合され、検出具を包囲するキャビティを形成する装置。」

で一致し、

【相違点1】
「本願発明では、結合部の外側部分も、検出具の中心線に沿って位置するのに対して、
引用例1に記載の発明では、固着部(結合部に相当。)の外側部分は、圧電ダイアフラム1(検出具に相当。)の中心線から外れて位置する点」、

で相違する。

そこで、上記【相違点1】について検討する。
「基部カバーとトップカバーとの結合部を、全体にわたって検出具の中心線に沿って位置するように構成する。」ことは周知
(例えば、原査定の備考欄で引用された、実願昭51-48019号(実開昭52-140374号のマイクロフィルムの第1図において、
「下側部材3と上側部材2との結合部は、平面となっており、全体にわたって圧電膜4の中心線に沿って位置するように構成されている。」
点参照。)
であるから、
引用例1に記載の発明において、その固着部(結合部に相当。)の外側部分も、圧電ダイアフラム1(検出具に相当。)の中心線に沿って位置するように構成することは、当業者が容易になし得ることである。

そして、本願発明の効果は、引用例1に記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が予測可能な範囲のものである。


5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、本願発明が、特許を受けることができないものであるから、その余の請求項2?6に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-06-07 
結審通知日 2010-06-08 
審決日 2010-06-21 
出願番号 特願2000-542675(P2000-542675)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01P)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 越川 康弘  
特許庁審判長 江塚 政弘
特許庁審判官 山川 雅也
古屋野 浩志
発明の名称 加速度計  
代理人 神田 藤博  
代理人 千葉 昭男  
代理人 小林 泰  
代理人 富田 博行  
代理人 社本 一夫  
代理人 増井 忠弐  
代理人 橋本 正男  

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