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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B41J
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J
管理番号 1226012
審判番号 不服2009-933  
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-09 
確定日 2010-10-28 
事件の表示 特願2003-385796「インクジェットプリンタ」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 9月16日出願公開、特開2004-255862〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成15年11月14日(優先権主張平成15年2月4日)の出願であって、平成20年7月22日及び同年10月17日に手続補正がなされ、同年12月5日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成21年1月9日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年2月9日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成21年2月9日付け手続補正についての補正却下の決定

〔補正却下の決定の結論〕
平成21年2月9日付け手続補正を却下する。

〔理由〕
1 本件補正の内容
(1)平成21年2月9日付け手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲及び明細書についてするもので、特許請求の範囲については、本件補正前の請求項1に、
「被記録媒体に対して移動するキャリッジにインクジェット式の記録ヘッドを搭載し、プリンタの本体に搭載されたインクタンクからインク供給管を介して、前記キャリッジに搭載されたバッファタンクを経て前記記録ヘッドにインクを供給するように構成されたインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドは複数のインク供給チャンネルを有し、
前記バッファタンクには、インクとそのインクから分離した気泡とを貯留するエアバッファ室が各インク供給チャンネルに対応して複数形成され、
前記キャリッジには、前記各エアバッファ室に一端を接続し他端を外部に開放可能とする気泡排出通路が前記各エアバッファ室ごとに形成され、該各気泡排出通路の他端側には、該気泡排出通路を開閉する排気弁手段がそれぞれ設けられ、
前記各気泡排出通路は、前記気泡排出のための流路抵抗値が相互にほぼ等しく形成され、
前記キャリッジ外の位置には、該各排気弁手段を開放させる弁操作部材を有する気泡除去手段、及び前記各エアバッファ室からの気泡排出時に前記各エアバッファ室内のインクに共通に作用するポンプが備えられ、
前記排気弁手段は、前記記録ヘッドからインクを吐出するときには閉じられ、前記気泡排出時には開放されることを特徴とするインクジェットプリンタ。」とあったものを、

「被記録媒体に対して移動するキャリッジにインクジェット式の記録ヘッドを搭載し、プリンタの本体に搭載されたインクタンクからインク供給管を介して、前記キャリッジに搭載されたバッファタンクを経て前記記録ヘッドにインクを供給するように構成されたインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドは複数のインク供給チャンネルを有し、
前記バッファタンクには、インクとそのインクから分離した気泡とを貯留するエアバッファ室が各インク供給チャンネルに対応して複数形成され、
前記キャリッジには、前記各エアバッファ室の天井壁に一端を接続し他端を外部に開放可能とする気泡排出通路が前記各エアバッファ室ごとに形成され、該各気泡排出通路の他端側には、該気泡排出通路を開閉する排気弁手段がそれぞれ設けられ、
前記各気泡排出通路は、前記気泡排出のための流路抵抗値が相互にほぼ等しく形成され、
前記キャリッジ外の位置には、該各排気弁手段を開放させる弁操作部材を有する気泡除去手段、及び前記各エアバッファ室からの気泡排出時に前記各エアバッファ室内のインクに共通に作用するポンプが備えられ、
前記排気弁手段は、前記記録ヘッドからインクを吐出するときには閉じられ、前記気泡排出時には開放されることを特徴とするインクジェットプリンタ。」と補正する内容を含むものである。(下線は審決で付した。以下同じ。)

(2)本件補正後の請求項1に係る発明についての上記(1)の補正内容は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「各エアバッファ室に一端を接続し他端を外部に開放可能とする気泡排出通路」について、一端を接続する箇所を各エアバッファ室の「天井壁」に限定するものである。

2 補正の目的
本件補正後の請求項1に係る上記1(2)の補正内容は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

3 刊行物の記載
原査定の拒絶の理由に引用された「本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平5-318755号公報(以下「引用例」という。)」には、次の事項が図とともに記載されている。
(1)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクタンク内に収容された記録液としてのインクを、インクジェット記録ヘッドのインク吐出口から液滴として吐出、飛翔させ被記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録装置に関し、特に、インクタンクに接続されるインクジェット記録ヘッドへのインクの導入を高速で行うことができ、インクジェット記録ヘッドのノズル部への気泡の混入を防止できるインクジェット記録装置に関する。
…略…
【0023】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0024】次に、図1?25により、本発明のインクジェット記録装置の実施例1について説明する。この実施例1の説明において、「前方または前側」はインクジェット記録装置Uの前面側の方向X1(図1A,3参照)を意味し、「後方または後側」はインクジェット記録装置Uの後面側の方向X2(図1A,3参照)を意味し、また、「左方または左側」はインクジェット記録装置Uをその前面側(X1側の位置)から見たときの左側の方向Y1(図3参照)を意味し、「右方または右側」はインクジェット記録装置Uをその前面側から見たときの右側の方向Y2(図3参照)を意味するものとする。
【0025】図1は実施例1の要部の概略説明図で、図1Aは左右方向(紙面に垂直な方向、図3のY1-Y2方向)に往復駆動されるヘッドキャリッジCに、黒用ヘッドカートリッジK1およびカラー用ヘッドカートリッジK2(K1のみ図示し、K2は図示せず)が装着された状態を示す図、図1Bは前記図1Aの1B-1B線断面図、図2は前記ヘッドキャリッジCとヘッドカートリッジK1またはK2とのインク供給用接続部の詳細説明図である。図3はこの実施例1のヘッドキャリッジCの分解斜視図とヘッドキャリッジCに装着される黒用ヘッドカートリッジK1およびカラー用ヘッドカートリッジK2とを示す図である。
【0026】また、図4?7はヘッドキャリッジC単体の説明図で、その図4は平面図、図5は前記図4の矢印5から見た図、図6は前記図4の矢印6-6線断面図、図7は前記図4の7-7線断面図である。
【0027】図1A,1Bにおいて、インクジェット記録装置Uは、前後(X1-X2方向)に間隔を置いて左右方向(Y1-Y2方向)に延びる前側ガイドシャフト1および後側ガイドシャフト2を有している。また、インクジェット記録装置Uは、前記一対のガイドシャフト1,2に沿ってヘッドキャリッジCを往復駆動するためのエンドレスの駆動ベルト3を有している。この駆動ベルト3の外側面には凹凸の溝が形成されている。
【0028】前記ヘッドキャリッジCは非印字時には、ホームポジションで停止している。ホームポジションで停止したヘッドキャリッジCの下方には、図1Aに示すキャッピング装置Bが配置されている。キャッピング装置Bは、上下動可能な支持プレートB1とこの支持プレートB1上面に固定された複数のブラケットB2とを備えている。キャップ部材4は、一対のブラケットB2,B2により回転自在に支持される回転自在なキャップ支持軸4a、このキャップ支持軸4aに一体的に連結されたキャップ本体4b、このキャップ本体4b上面に装着された長方形の弾性材料枠4cから構成されている。前記キャップ本体4b下面と支持プレートB1上面との間にはキャップ部材4の姿勢を保持するバネが設けられている。また、前記キャップ本体4bには上面の前記弾性材料枠4c内側と下面とを連通させる貫通孔が形成されており、その貫通孔に接続された接続管R1は前記支持プレートB1に支持されている。この接続管R1は接続チューブを介して吸引ポンプP1に接続されている。
【0029】前記支持プレートB1には吸引ノズル5が支持されている。この吸引ノズル5に接続された接続管R2は、前記支持プレートB1に支持されており、接続チューブを介して吸引ポンプP2に接続されている。この吸引ノズル5は、後述のインクジェット記録ヘッドの中継液室内に連通する気泡抜き口に接続されて、前記中継液室内の流体を吸引するのに使用される部材である。前記吸引ノズル5はゴム等の弾性材料により構成されており、図18dに示すように、中間部に肉厚の薄い弾性付与部5aが設けられている。吸引ノズル5の前記弾性付与部5aよりも先端側部分5bは、前記弾性付与部5aにより変位可能である。また、吸引ノズル5の先端側部分5b外側面は、先端に行くに従って外径が縮小するテーパ状に形成されている。前記吸引ノズル5は後述する気泡抜き口と接続される際、前記弾性付与部5aの変形および先端側部分5bのテーパ状外側面により、前記気泡抜き口の位置がずれていても、その位置ずれを自動的に補償して互いに水密に接続されるようになっている。
【0030】前記キャップ部材4および吸引ノズル5は前後方向に並んで配置されており、また、前記キャップ部材4および吸引ノズル5はそれぞれ左右方向、すなわち、図1A,10で紙面に垂直な方向にも各々4個づつ並んで配置されている。このように、前記キャップ部材4および吸引ノズル5がそれぞれ左右方向に各々4個づつ並んで配置されているのは、ヘッドキャリッジCに装着される後述の黒、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色のインクを吐出する合計4個のインクジェット記録ヘッドに対応するためである。
【0031】図3?7に示すように、ヘッドキャリッジCは平面図(図3,4参照)で見て略長方形のキャリッジ本体6を有し、そのキャリッジ本体6の前側下部(図3中、矢印X1側下部)にガイドシャフト貫通孔7が形成され、その後側下部(図3中、矢印X2側下部)にガイドシャフト係合溝8が形成されている。そして、前記ガイドシャフト貫通孔7およびガイドシャフト係合溝8はそれぞれ、前記図1Aに示す前側ガイドシャフト1および後側ガイドシャフト2とスライド自在に嵌合している。
【0032】図1A,1B,3から分かるように、キャリッジ本体6の前端側の左右方向中央部には、ベルト連結部材9が設けられている。このベルト連結部材9は、前記駆動ベルト3を上下から挟持するための上側挟持部材9aおよび下側挟持部材9bを有している。前記上側挟持部材9aの下面には、前記駆動ベルト3外側面の凹凸と係合する凹凸が形成されている。前記ベルト連結部材9および駆動ベルト3の連結は、前記ベルト連結部材9の前側から前記上側挟持部材9aおよび下側挟持部材9bの間の隙間に前記駆動ベルト3を挿入して、駆動ベルト3の凹凸と前記上側挟持部材9a下面の凹凸とを係合させることにより行う。前記駆動ベルト3とベルト連結部材9とが連結された状態で図示しない駆動モータおよび伝動機構により前記駆動ベルト3を往復動させると、ヘッドキャリッジCは、前記一対のガイドシャフト1,2に沿って左右方向(Y1-Y2方向、すなわち、主走査方向)に往復動するようになっている。このような、駆動ベルトによりヘッドキャリッジをガイドシャフトに沿って往復動させる構成は、従来公知の技術により実現することができる。
【0033】図1A,6,7において、前記キャリッジ本体6の後部上面にはキャリッジ後壁11が上方に伸びて形成されている。キャリッジ後壁11は、その上部の前面の左側部分(矢印Y1側部分)に黒用フレキシブルケーブル接続部収容凹部12が設けられ、右側部分(矢印Y2側部分)にカラー用フレキシブルケーブル収容凹部13が設けられている。また、キャリッジ後壁11は、前記黒用フレキシブルケーブル接続部収容凹部12の下側に黒用フレキシブルケーブル挿通孔14が形成され、前記カラー用フレキシブルケーブル収容凹部13の下側にカラー用フレキシブルケーブル挿通孔15が形成されている。さらにキャリッジ後壁11は、その下部の前面(矢印X1側の面)にインク供給用接続部材収容凹部17が形成されている。
…略…
【0042】前記キャリッジ後壁11のインク供給用接続部材収容凹部17(図1A参照)に設けられた前記黒インク供給接続部材装着孔18(図3参照)およびカラーインク供給接続部材装着孔19,20,21にはそれぞれ、インク供給用の筒状のジョイント接続部材(図1A,2,3参照)41が装着されている。このジョイント接続部材41は後述のキャップ状のインクジョイントと接続してインクジョイントにインクを供給する機能を有している。図2には黒インク供給接続部材装着孔18に装着されたジョイント接続部材41が示されているが、カラーインク供給接続部材装着孔19,20,21に装着されたジョイント接続部材も同様の構成を備えている。
【0043】図2において、前記筒状のインク供給用のジョイント接続部材は、ゴムまたは合成樹脂等の弾性部材から構成されており、前後方向の中間には前側部分の変位を可能とするための肉厚の薄い弾性付与部41aが設けられている。弾性付与部41aは外周面に凹溝が形成されその部分の側壁が薄くなっている。前記インク供給用のジョイント接続部材41は、前記弾性付与部41aと、その後側の固定部41bと、前側のカートリッジ接続部(すなわち、接合部分)41cを有している。前記固定部41b外側面には、前記黒インク供給接続部材装着孔18に嵌合する凹溝41dが形成されている。前記凹溝41dが前記黒インク供給接続部材装着孔18に嵌合することにより、ジョイント接続部材41はキャリッジ後壁11に固定されている。
【0044】前記ジョイント接続部材41のカートリッジ接続部(すなわち、接合部分)41cの前端外側面は先細りの円錐状テーパ面に形成されており、後で詳述するヘッドカートリッジK1,K2のテーパ状接続部を有するキャップ状のインクジョイントに押し付けられたときに自動的に接続されるようになっている。前記筒状のジョイント接続部材41の内孔には、固定部41bの後端側から柔軟性のあるインク供給チューブ42の一端が挿入されている。このインク供給チューブ42の他端は、インクジェット記録装置Uの適当な位置に固定配置されたインクタンク(図示せず)に接続されている。
…略…
【0052】次に、図8?18により、前記黒用ヘッドカートリッジK1について説明する。図8は黒用ヘッドカートリッジK1の後面図、図9は黒用ヘッドカートリッジK1の右側面図(前記図8の矢印9から見た図)、図10は黒用ヘッドカートリッジK1の左側断面図(前記図8の10-10線断面図)、図11は黒用ヘッドカートリッジK1の上面図(前記図8の矢印11から見た図)、図12は黒用ヘッドカートリッジK1の上断面図(前記図8の矢印12-12線断面図)、図13は黒用ヘッドカートリッジK1の底面図(前記図8の矢印13から見た図)、である。また、図14は黒用ヘッドカートリッジK1の分解斜視図、図15は黒用ヘッドカートリッジK1のケース内部に収容されたインクジェット記録ヘッドの後面図、図16は前記図15に示すインクジェット記録ヘッドの左側面図(前記図15の矢印16から見た図)、図17は前記インクジェット記録ヘッドの底面図(前記図16の矢印17から見た図)、である。また、図18はインクジェット記録ヘッドHの詳細説明図で、図18Aは前記インクジェット記録ヘッドの分解斜視図、図18Bはインクジェット記録ヘッドHの要部の詳細説明図である。
【0053】図14に示すように、黒用ヘッドカートリッジK1は、インクジェット記録ヘッドHを支持するための黒用カートリッジケース(すなわち、ヘッド支持部材)61を備えており、この黒用カートリッジケース61は、黒用カートリッジ下部ケース62、黒用カートリッジ上部ケース63から構成されている。黒用カートリッジ下部ケース62の下面には後述のインクジェット記録ヘッドHを挿入するためのヘッド挿入孔62a(図10,13参照)が形成されており、後面下部には被抜け止め防止突起(すなわち、被抜け止め防止部材)62bが形成されている。この被抜け止め防止突起62bは前記黒用カートリッジ装着孔22の後面に形成された前記抜け止め防止孔22d(図1A参照)に嵌合する形状を有している。
…略…
【0057】また、黒用カートリッジ下部ケース62内部には前記ヘッド挿入孔62aから後述のインクジェット記録ヘッドHが挿入されたときにそれを所定位置に固定するためのヘッド位置決め部材としての上端位置決めリブ62f,62fおよび左右方向位置決め用リブ62g(図10,12参照)が設けられている。前記上端位置決めリブ62f,62fは後述のヒートシンクの上端位置に当接するリブであり、前記左右方向位置決め用リブ62gは同ヒートシンクの上部の左側に当接するリブである。さらに、前記黒用カートリッジ下部ケース62の後面には前記黒用カートリッジ上部ケース63との接続部にインク接続キャップ装着用の半円形の切欠部(図14参照)が設けられている。また、黒用カートリッジ下部ケース62の外側面は下方に行くに従って外径がわずかに縮小するテーパ形状を有している。このため、黒用カートリッジケース61を前記黒用カートリッジ装着孔22に装着する際、前記黒用カートリッジ下部ケース62のテーパ形状の外側面は前記黒用カートリッジ装着孔22の前記左右の両内側面(すなわち、挿入ガイド壁22a)に沿ってスムースに挿入される。前記黒用カートリッジ下部ケース62の外側面の下方に行くに従って外径がわずかに縮小するテーパ形状は、図13(黒用カートリッジケース61を下方から見た図)に示されている。
【0058】…略…。
【0059】前記黒用カートリッジ下部ケース62に接着される黒用カートリッジ上部ケース63は、前記黒用カートリッジ下部ケース62との接続部に半円形の切欠部(図14参照)を有している。この切欠部と前記黒用カートリッジ下部ケース62の半円形の切欠部とによって1個の円形のインク接続キャップ装着孔61a(図10参照)が形成されている。前記インク接続キャップ装着孔61aには、ゴムまたは柔軟な合成樹脂から形成されたキャップ状のインクジョイント64(図2、8,10,14参照)が装着されている。このインクジョイント64の後部(すなわち、前記ジョイント接続部材41のカートリッジ接続部41c(図2参照)との接合部分)には後方(接合側端部方向)に行くに従って拡大するテーパ状内孔が形成されている。
【0060】また、黒用カートリッジ上部ケース63の後面にはボード装着口63a(図14参照)が形成されている。このボード装着口63aには図10に示すように、カートリッジ側ボード66がネジ67により固定されている。なお、前記ネジ67を用いる代わりに熱融着等の適当な固着手段により固定することも可能である。カートリッジ側ボード66はその前面(矢印X1側の表面)にコネクタ66a(図10参照)が装着されており、その後面(矢印X2側の表面)に前記フレキシブルケーブル46(図3参照)の黒用接続端子部46aとの接続端子66b(図3,14参照)が形成されている。
【0061】次に、前記黒用カートリッジケース61内部に収容されるインクジェット記録ヘッドHについて説明する。図18A,18Bにおいて、インクジェット記録ヘッドHは、前記黒用カートリッジケース61(図14参照)内部に固定されるアルミ製のヒートシンク71を備えている。このヒートシンク71はその前後両側面にそれぞれ被係止突起71aを有している。前記被係止突起71aは、インクジェット記録ヘッドHが前記黒用カートリッジケース61(図10,図14参照)の前記ヘッド挿入孔62aから挿入されたとき、前記黒用カートリッジ下部ケース62の下面に形成されたヘッド挿入孔62a(図10参照)の前縁および後縁の上面(内面)に係合して、インクジェット記録ヘッドHが前記ヘッド挿入孔62aから抜け落ちるのを防止する機能を有している。また前記被係止突起71aは黒用カートリッジケース61内でのインクジェット記録ヘッドHの上下方向の位置決めの機能を有している。
【0062】図10,13から分かるように、ヒートシンク71の下端は前記黒用カートリッジケース61のヘッド挿入孔62a内に挿入されている。そして、ヒートシンク71下端の前後方向(X1-X2方向)の位置および左右方向(Y1-Y2方向)の位置は前記ヘッド挿入孔62aの内端面によって位置決めされるようになっている。
【0063】図18において、前記ヒートシンク71の左側面(矢印Y1側の面)には、その先端部分(図18Aで左下側部分、図15,16で下端部分)を除いた部分に樹脂製の配線基板72が接合されており、その先端部分には後述するヘッドチップが接着されている。図15,16に示すように前記配線基板72は前記ヒートシンク71の上端よりも上方に延びており、その上端部にはヘッド側コネクタ73が装着されている。ヘッド側コネクタ73は前記カートリッジ側ボード66前面(矢印X1側の表面)に装着されたコネクタ66a(図10参照)と接続するするための部材である。
【0064】図15?18において、前記ヒートシンク71の先端部分(図18Aで左下側部分、図15,16で下端部分)にはヘッドチップ74が接着されている。このヘッドチップ74は従来公知のヒータ基板、チャネル基板等から構成されており、複数のインク吐出路を有している。前記ヘッドチップ74と配線基板72とはそれらの複数の接続用端子どうしが多数のボンディングワイヤ76(図18B参照)によって接続されている。
【0065】図18A,13,10から分かるように、前記ヒートシンク71の左側面(Y1側の側面)には、前記ヘッドチップ74、ボンディングワイヤ76および配線基板72の下部を覆うようにマニホルド77が配置されている。このマニホルド77は図10に示すように2個の固定用フランジ77aと、中継液室(インク収容空間)77bとを有している。中継液室77bの上端部にはインク流入口77cが設けられ、下端部にはインク流出口77dが設けられている。また、中継液室77bには仕切り壁によって分離されたインク吸い込み部材装着部77eが設けられている。そして、インク吸い込み部材装着部77eの上端は中継液室77bの上部に連通しており、インク吸い込み部材装着部77eの下端部には、気泡抜き口77fが形成されている。気泡抜き口77fは、図18c,18dから分かるように、下端に行くに従って拡大する内径を有している。
【0066】図18Aから分かるように、前記ヒートシンク71、配線基板72およびマニホルド77は順次接合されて、前記2個の固定用フランジ77aをそれぞれ貫通する2本のネジ78(図18A,10参照)によって連結されている。図10から分かるように、前記インク流入口77cには前記インクジョイント64(図18,10,14参照)の前端部が挿入されている。前記インク流入口77cから中継液室77b内に流入したインクは前記インク流出口77dから前記ヘッドチップ74内に供給されるようになっている。また、前記インク吸い込み部材装着部77eには、開閉弁79(図18A,10参照)が装着されている。この開閉弁79は、一対のマニホルド半体(マニホルド77を形成するために二つ割に形成された部品、すなわち、マニホルド77の半分を形成する部品)を接合してマニホルド77を製作する際に前記インク吸い込み部材装着部77eに固着される。この開閉弁79は図18Cおよび図18Dに示されているように、弾性部材の一体成形品によって構成されている。そして、開閉弁79の先端部には2つ割りの切れ目が設けられている。したがって、図18Dに示す吸引ノズル5を開閉弁79先端付近のインク吸い込み部装着部77eの開口部すなわち気泡抜き口77fに押し付けて吸引すれば、開閉弁79の先端部の前記2つ割りの切れ目が開いて、マニホルド77内の空気を吸引し、マニホルド77内にインクを充填することができるようになっている。
【0067】次に図19?25を参照して前記図3に示すカラー用ヘッドカートリッジK2について説明する。図19はカラー用ヘッドカートリッジK2の後面図、図20はカラー用ヘッドカートリッジK2の右側面図(前記図19の矢印20から見た図)、図21はカラー用ヘッドカートリッジK2の左側断面図(前記図19の21-21線断面図)、図22はカラー用ヘッドカートリッジK2の上面図(前記図19の矢印22から見た図)、図23はカラー用ヘッドカートリッジK2の上断面図(前記図19の矢印23-23線断面図)、図24はカラー用ヘッドカートリッジK2の底面図(前記図19の矢印24から見た図)、である。また、図25はカラー用ヘッドカートリッジK2の分解斜視図である。
【0068】図25から分かるように、このカラー用ヘッドカートリッジK2は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを別々に吐出するため3個のインクジェット記録ヘッドHを備え、それら3個のインクジェット記録ヘッドHが1個のカラー用カートリッジケース(すなわち、ヘッド支持部材)81に収容された点で、前記図14に示した1個のジェット記録ヘッド本体Hが黒用カートリッジケース61に収容された黒用ヘッドカートリッジK1と相違している。そして、前記カラー用ヘッドカートリッジK2の3個のインクジェット記録ヘッドHは、供給されるインクの色が異なるだけでその構成は前記黒用ヘッドカートリッジK1のインクジェット記録ヘッドHの構成とまったく同じである。したがって、前記カラー用ヘッドカートリッジK2の3個のインクジェット記録ヘッドHはそれぞれ、前記図15?18において符号71?79で示された要素から構成されている。ただし、前記カラー用ヘッドカートリッジK2の3個のインクジェット記録ヘッドHのそれぞれに供給されるインクの色は黒ではなく、イエロー、マゼンタ、シアンである。
【0069】図25から分かるように、このカラー用ヘッドカートリッジK2のカラー用カートリッジケース81は、カラー用カートリッジ下部ケース82、カラー用カートリッジ上部ケース83から構成されている。カラー用カートリッジ下部ケース82の下面にはヘッド挿入孔82a(図24,21参照)が形成されている。図21,24から分かるように、前記ヘッド挿入孔82a内には前記3個のインクジェット記録ヘッドHが挿入されており、前記3個のインクジェット記録ヘッドH各ヒートシンク71の下端は、前記ヘッド挿入孔82aの下端位置に保持されている。このカラー用カートリッジ下部ケース82は、3個のインクジェット記録ヘッドHが挿入されるように構成された点で、前記1個のインクジェット記録ヘッドHが挿入されるように構成された黒用カートリッジ下部ケース62と相違しているが、他の点では略同様に構成されている。
…略…
【0072】また、カラー用カートリッジ下部ケース82の内部には前記ヘッド挿入孔82aから3色の各カラー用のインクジェット記録ヘッドHが挿入されたときにそれらを所定位置に固定するためのヘッド位置決め部材としての上端位置決めリブ82f,82fおよび左右方向位置決め用リブ82g(図21,23参照)が設けられている。前記上端位置決めリブ82f,82fはインクジェット記録ヘッドHのヒートシンク71の上端に当接するリブであり、前記左右方向位置決め用リブ82gは同ヒートシンクの上部の左側または右側に当接するリブである。さらに、前記カラー用カートリッジ下部ケース82の後面には前記カラー用カートリッジ上部ケース83との接続部にインク接続キャップ装着用の3個の半円形の切欠部(図25参照)が設けられている。また、カラー用カートリッジ下部ケース82の外側面は下方に行くに従って外径がわずかに縮小するテーパ形状を有している。このため、カラー用カートリッジケース81を前記カラー用カートリッジ装着孔23に装着する際、前記カラー用カートリッジ下部ケース82のテーパ形状の外側面は前記カラー用カートリッジ装着孔23の前記左右の両内側面(すなわち、挿入ガイド壁23a)に沿ってスムースに挿入される。前記カラー用カートリッジ下部ケース82の外側面の下方に行くに従って外径がわずかに縮小するテーパ形状は、図24(カラー用カートリッジケース81を下方から見た図)に示されている。
【0073】…略…。
【0074】前記カラー用カートリッジ下部ケース82に接着されるカラー用カートリッジ上部ケース83は、前記カラー用カートリッジ下部ケース82との接続部に3個の半円形の切欠部を有している。この3個の切欠部と前記カラー用カートリッジ下部ケース82の半円形の3個の切欠部とによって円形の3個のインク接続キャップ装着孔81a(図21参照)が形成されている。前記3個の各インク接続キャップ装着孔81aにはそれぞれ、ゴムまたは柔軟な合成樹脂から形成されたキャップ状のインクジョイント84(図48,49,50,54参照)が装着されている。このインクジョイント84は、前記図8,10,14に示されたインクジョイント64とまったく同一に構成されている。」

(2)「【0106】
【発明の効果】前述の本発明は、中継液室内へインクを充填する際、気泡抜き口を用いることにより、小さなインク吐出口から吸引する場合に比べて高速なインク充填が可能となる。また、気泡抜き口が中継液室の上部に連通しているので、その連通箇所すなわち中継液室の上部の気泡を抜くことが可能となる。さらに、中継液室と前記気泡抜き口との間には閉塞状態と開放状態との間で変化する開閉弁が設けられているので、印字時に前記開閉弁を閉塞しておけば、インクが漏洩するおそれがない。」

(3)図10の記載から、マニホルド77について、次のことが見て取れる。
マニホルド77は、2個の固定用フランジ77aと、中継液室(インク収容空間)77bとを有しており、後壁が、後方(X2方向)の第1フランジ77aのスペースを確保するように、上下方向中央で内方に凹んでおり、前壁は、前方(X1方向)の第2フランジ77aのスペースを確保するように、上方で内方に折れ曲がっており、上壁の後方は後方へ傾斜して下がり、上壁の前方は水平で、上壁の中央はインク注入口77cとなっており、前記前壁と該前壁に対向するようにマニホルド77内部に形成された仕切り壁と左右壁の前方部分とによってインク吸い込み部材装着部77eが形成され、該インク吸い込み部材装着部77eの一端は気泡抜き口77fとなっており、前記インク吸い込み部材装着部77eの他端は前記仕切り壁の上端と前記上壁の前方の水平部分と左右壁とで囲まれ、中継液室77bの本室との連通口となっており、該中継液室77bの本室は、前記後壁の凹み部分で上室と下室とに概略二分され、下室の底近くにインク流出口77dが位置しており、
前記気泡抜き口77fからポンプP2により吸引されると、前記上室にある空気は該上室の上部に連通する前記連通口から吸引されて減圧されるので、上記インク流入口77cからインクが流入して前記下室から溜まり、しだいにインクの液面が上がって前記仕切り壁の上端に達するまでインクを収容することができ、印字時には、前記インク流出口77dからインクが流出して、インクの液面はしだいに低下すること。

(4)上記(1)ないし(3)の記載から、引用例には、次の発明が記載されているものと認められる。
「往復駆動され非印字時にはホームポジションで停止しているヘッドキャリッジCに、黒用ヘッドカートリッジK1及びカラー用ヘッドカートリッジK2が装着され、
ホームポジションで停止したヘッドキャリッジCの下方には、上下動可能な支持プレートB1とこの支持プレートB1上面に固定された一対のブラケットB2と、該一対のブラケットB2,B2により回転自在に支持される回転自在なキャップ支持軸4a、該キャップ支持軸4aに一体的に連結されたキャップ本体4b、及び該キャップ本体4b上面に装着された長方形の弾性材料枠4cから構成されているキャップ部材4と、前記支持プレートB1に支持され、インクジェット記録ヘッドHの中継液室内に連通する気泡抜き口に接続されて、前記中継液室内の流体を吸引するのに使用される部材である吸引ノズル5とを備えているキャッピング装置Bが配置されており、
前記キャップ本体4bの貫通孔に接続された接続管R1は接続チューブを介して吸引ポンプP1に接続され、
前記吸引ノズル5に接続された接続管R2は接続チューブを介して吸引ポンプP2に接続され、
前記キャップ部材4及び吸引ノズル5は前後方向に並んで配置されており、また、ヘッドキャリッジCに装着される後述の黒、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色のインクを吐出する合計4個のインクジェット記録ヘッドHに対応するため、左右方向に各々4個づつ並んで配置され、
前記キャリッジ本体6の後部上面にはキャリッジ後壁11が上方に伸びて形成され、該キャリッジ後壁11に設けられた前記黒インク供給接続部材装着孔18及びカラーインク供給接続部材装着孔19,20,21にはそれぞれ、インク供給用の筒状のジョイント接続部材41が装着され、該ジョイント接続部材41のカートリッジ接続部(すなわち、接合部分)41cの前端外側面は先細りの円錐状テーパ面に形成されており、後で詳述するヘッドカートリッジK1,K2のテーパ状接続部を有するキャップ状のインクジョイント64に押し付けられたときに自動的に接続され、前記筒状のジョイント接続部材41の内孔には、固定部41bの後端側から柔軟性のあるインク供給チューブ42の一端が挿入され、該インク供給チューブ42の他端は、インクジェット記録装置の適当な位置に固定配置されたインクタンクに接続されており、
インクタンク内に収容された記録液としてのインクを、インクジェット記録ヘッドHのインク吐出口から液滴として吐出、飛翔させ被記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記黒用ヘッドカートリッジK1は、インクジェット記録ヘッドHを支持するための黒用カートリッジケース61を備えており、この黒用カートリッジケース61は、黒用カートリッジ下部ケース62及び黒用カートリッジ上部ケース63から構成され、前記黒用カートリッジ下部ケース62には半円形の切欠部が設けられ、前記黒用カートリッジ上部ケース63は半円形の切欠部を有し、該切欠部と前記黒用カートリッジ下部ケース62の半円形の切欠部とによって1個の円形のインク接続キャップ装着孔61aが形成され、該インク接続キャップ装着孔61aには、前記キャップ状のインクジョイント64が装着されており、
前記インクジェット記録ヘッドHは、前記黒用カートリッジケース61内部に固定されるアルミ製のヒートシンク71を備え、該ヒートシンク71には配線基板72が接合されるとともに複数のインク吐出路を有しているヘッドチップ74が接着され、前記ヘッドチップ74と配線基板72とは多数のボンディングワイヤ76によって接続され、前記ヒートシンク71には、ヘッドチップ74、ボンディングワイヤ76及び配線基板72の下部を覆うようにマニホルド77が配置され、
前記マニホルド77は、2個の固定用フランジ77aと、中継液室(インク収容空間)77bとを有しており、後壁が、後方(X2方向)の第1フランジ77aのスペースを確保するように、上下方向中央で内方に凹んでおり、前壁は、前方(X1方向)の第2フランジ77aのスペースを確保するように、上方で内方に折れ曲がっており、上壁の後方は後方へ傾斜して下がり、上壁の前方は水平で、上壁の中央はインク注入口77cとなっており、前記前壁と該前壁に対向するようにマニホルド77内部に形成された仕切り壁と左右壁の前方部分とによってインク吸い込み部材装着部77eが形成され、該インク吸い込み部材装着部77eの一端は気泡抜き口77fとなっており、前記インク吸い込み部材装着部77eの他端は前記仕切り壁の上端と前記上壁の前方の水平部分と左右壁とで囲まれて中継液室77bの本室との連通口となっており、該中継液室77bの本室は、前記後壁の凹み部分で上室と下室とに概略二分され、下室の底近くにインク流出口77dが位置しており、
前記インク流入口77cには前記インクジョイント64の前端部が挿入され、前記インク流入口77cから中継液室77b内に流入したインクは、印字時には前記インク流出口77dから流出して、前記ヘッドチップ74内に供給されるようになっており、前記インク吸い込み部材装着部77eには、開閉弁79が装着されていて、前記吸引ノズル5を前記開閉弁79先端付近のインク吸い込み部装着部77eの開口部すなわち気泡抜き口77fに押し付けて前記ポンプP2により吸引すれば、前記開閉弁79の先端部の2つ割りの切れ目が開いて、前記マニホルド77内の空気を吸引し、前記上室にある空気は該上室の上部に連通する前記連通口から吸引されて減圧されるので、上記インク流入口77cからインクが流入して前記下室から溜まり、しだいにインクの液面が上がって前記仕切り壁の上端に達するまで前記マニホルド77内にインクを充填することができるようになっており、
前記カラー用ヘッドカートリッジK2は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを別々に吐出するため3個のインクジェット記録ヘッドHを備え、それら3個のインクジェット記録ヘッドHが1個のカラー用カートリッジケース81に収容され、前記カラー用ヘッドカートリッジK2の3個のインクジェット記録ヘッドHは、供給されるインクの色が黒ではなく、イエロー、マゼンタ、シアンであるだけでその構成は前記黒用ヘッドカートリッジK1のインクジェット記録ヘッドHの構成とまったく同じであり、
前記カラー用ヘッドカートリッジK2のカラー用カートリッジケース81は、カラー用カートリッジ下部ケース82、カラー用カートリッジ上部ケース83から構成され、前記カラー用カートリッジ下部ケース82は、3個のインクジェット記録ヘッドHが挿入されるように構成され、半円形の切欠部が3個設けられた点で、前記1個のインクジェット記録ヘッドHが挿入されるように構成された黒用カートリッジ下部ケース62と相違しているが、他の点では略同様に構成され、前記カラー用カートリッジ下部ケース82に接着されるカラー用カートリッジ上部ケース83は、前記カラー用カートリッジ下部ケース82との接続部に3個の半円形の切欠部を有し、該3個の切欠部と前記カラー用カートリッジ下部ケース82の半円形の3個の切欠部とによって円形の3個のインク接続キャップ装着孔81aが形成され、該3個の各インク接続キャップ装着孔81aにはそれぞれ、キャップ状のインクジョイント84が装着され、該インクジョイント84は、前記インクジョイント64とまったく同一に構成されており、
前記中継液室内へインクを充填する際、気泡抜き口を用いることにより、小さなインク吐出口から吸引する場合に比べて高速なインク充填が可能となり、また、前記気泡抜き口が中継液室の上部に連通しているので、その連通箇所すなわち中継液室の上部の気泡を抜くことが可能となり、さらに、前記中継液室と前記気泡抜き口との間には閉塞状態と開放状態との間で変化する開閉弁が設けられているので、印字時に前記開閉弁を閉塞しておけば、インクが漏洩するおそれがないインクジェット記録装置。」(以下「引用発明」という。)

4 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「被記録媒体」、「往復」、「ヘッドキャリッジ」、「インクジェット式の記録ヘッド」、「インクジェット記録装置の適当な位置に固定配置されたインクタンク」、「インク供給チューブ」、「マニホルド」、「インク」、「インクジェット記録装置」、「中継液室の上部の気泡」、「上室」、「上壁」、「一端は気泡抜き口となっており、他端は仕切り壁の上端と上壁の前方の水平部分と左右壁とで囲まれて中継液室の本室との連通口となっている『インク吸い込み部材装着部』」、「開閉弁」、「吸引ノズル」、「上下動可能な支持プレートと、この支持プレートに支持され、インクジェット記録ヘッドの中継液室内に連通する気泡抜き口に接続されて、前記中継液室内の流体を吸引するのに使用される部材である吸引ノズルとを備えているキャッピング装置」、「吸引ポンプP2」、「印字時」及び「中継液室内へインクを充填する際」は、それぞれ、本願補正発明の「被記録媒体」、「移動」、「キャリッジ」、「インクジェット式の記録ヘッド」、「プリンタの本体に搭載されたインクタンク」、「インク供給管」、「バッファタンク」、「インク」、「インクジェットプリンタ」、「インクから分離した気泡」、「エアバッファ室」、「天井壁」、「気泡排出通路」、「排気弁手段」、「弁操作部材」、「気泡除去手段」、「ポンプ」、「記録ヘッドからインクを吐出するとき」及び「気泡排出時」に相当する。

(2)引用発明の「インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)」は、「移動(往復)」する「キャリッジ(ヘッドキャリッジ)」に装着された黒用ヘッドカートリッジK1及びカラー用ヘッドカートリッジK2に支持されたインクジェット記録ヘッドHのインク吐出口から液滴として吐出、飛翔させ被記録媒体にインクを付着させて記録を行うものであるから、引用発明の「キャリッジ(ヘッドキャリッジ)」と本願補正発明の「キャリッジ」とは、「被記録媒体に対して移動する」ものであって「インクジェット式の記録ヘッドを搭載し」たものである点で一致する。

(3)引用発明の「インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)」は、「プリンタの本体に搭載されたインクタンク(インクジェット記録装置の適当な位置に固定配置されたインクタンク)」に接続された「インク供給管(インク供給チューブ)」の一端はインク供給用の筒状のジョイント接続部材の内孔に挿入され、該ジョイント接続部材のカートリッジ接続部は、ヘッドカートリッジのカートリッジケースに形成されたインク接続キャップ装着孔に装着されたキャップ状のインクジョイントに接続され、該インクジョイントの前端部が「バッファタンク(マニホルド)」のインク流入口に挿入され、該インク流入口からインクが流入して下室から溜まり、しだいにインクの液面が上がって仕切り壁の上端に達するまで「バッファタンク(マニホルド)」内にインクが充填され、前記インク流入口から中継液室内に流入したインクは、印字時には前記インク流出口から流出して、「記録ヘッド(インクジェット式の記録ヘッド)」のヘッドチップ内に供給されるようになっているから、本願補正発明の「インクジェットプリンタ」と、「プリンタの本体に搭載されたインクタンクからインク供給管を介して、前記キャリッジに搭載されたバッファタンクを経て前記記録ヘッドにインクを供給するように構成された」点で一致する。

(4)引用発明の「インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)」は、ヘッドキャリッジに、黒用ヘッドカートリッジ及びカラー用ヘッドカートリッジが装着され、前記黒用ヘッドカートリッジは、インクジェット記録ヘッドを支持するための黒用カートリッジケースを備え、前記カラー用ヘッドカートリッジは、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを別々に吐出するため3個のインクジェット記録ヘッドを備え、それら3個のインクジェット記録ヘッドが1個のカラー用カートリッジケースに収容され、前記カラー用ヘッドカートリッジの3個のインクジェット記録ヘッドは、供給されるインクの色が黒ではなく、イエロー、マゼンタ、シアンであるだけでその構成は前記黒用ヘッドカートリッジのインクジェット記録ヘッドの構成とまったく同じであるから、引用発明の「記録ヘッド(インクジェット式の記録ヘッド)」と本願補正発明の「記録ヘッド」とは「複数のインク供給チャンネルを有」する点で一致し、上記(1)及び(3)に照らせば、引用発明の「バッファタンク(マニホルド)」と本願補正発明の「バッファタンク」とは「インクとそのインクから分離した気泡とを貯留するエアバッファ室が各インク供給チャンネルに対応して複数形成され」ている点で一致し、引用発明の「気泡排出通路(インク吸い込み部材装着部)」と本願補正発明の「気泡排出通路」とは「各エアバッファ室ごとに形成され」ている点で一致する。

(5)引用発明の「気泡排出通路(インク吸い込み部材装着部)」は、一端は気泡抜き口となっており、他端は仕切り壁の上端と「天井壁(上壁)」の前方の水平部分と左右壁とで囲まれて中継液室の本室との連通口となっており、該中継液室の本室は、後壁の凹み部分で「エアバッファ室(上室)」と下室とに概略二分されているから、その他端は「『エアバッファ室(上室)』の『天井壁(上壁)』」に接続されているといえる。
よって、上記(1)及び(3)に照らせば、引用発明の「気泡排出通路(インク吸い込み部材装着部)」と本願補正発明の「気泡排出通路」とは、「各エアバッファ室の天井壁に一端を接続し他端を外部に開放可能とする」点で一致する。

(6)引用発明において、「気泡排出通路(インク吸い込み部材装着部)」には、「排気弁手段(開閉弁)」が装着されていて、吸引ノズルを「排気弁手段(開閉弁)」先端付近の「気泡排出通路(インク吸い込み部材装着部)」の開口部すなわち気泡抜き口に押し付けてポンプP2により吸引すれば、前記「排気弁手段(開閉弁)」先端部の2つ割りの切れ目が開くから、上記(1)、(3)及び(5)に照らせば、引用発明の「排気弁手段(開閉弁)」と本願補正発明の「排気弁手段」とは「各気泡排出通路の他端側にそれぞれ設けられ、該気泡排出通路を開閉する」点で一致する。

(7)引用発明において、「気泡排出通路(インク吸い込み部材装着部)」は「バッファタンク(マニホルド)」に形成され、「バッファタンク(マニホルド)」はヒートシンクに配置され、該ヒートシンクはインクジェット記録ヘッドに備えられ、インクジェット記録ヘッドはヘッドカートリッジに支持され、黒用ヘッドカートリッジK1及びカラー用ヘッドカートリッジK2は、「キャリッジ(ヘッドキャリッジ)」に装着されているから、「キャリッジ(ヘッドキャリッジ)」には、「気泡排出通路(インク吸い込み部材装着部)」が形成されているといえる。
したがって、上記(4)ないし(6)からして、引用発明は、本願補正発明の「前記キャリッジには、前記各エアバッファ室の天井壁に一端を接続し他端を外部に開放可能とする気泡排出通路が前記各エアバッファ室ごとに形成され、該各気泡排出通路の他端側には、該気泡排出通路を開閉する排気弁手段がそれぞれ設けられ、」との事項を備えているといえる。

(8)引用発明の「インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)」は、
非印字時にホームポジションで停止した「キャリッジ(ヘッドキャリッジ)」の下方には、上下動可能な支持プレートと、この支持プレートに支持され、インクジェット記録ヘッドの中継液室内に連通する気泡抜き口に接続されて、前記中継液室内の流体を吸引するのに使用される部材である「弁操作部材(吸引ノズル)」とを備えている「気泡除去手段(キャッピング装置)」が配置されており、
前記「弁操作部材(吸引ノズル)」に接続された接続管R2は接続チューブを介して「ポンプ(吸引ポンプP2)」に接続され、
インク流入口にはインクジョイントの前端部が挿入され、前記インク流入口から中継液室内に流入したインクは、「記録ヘッドからインクを吐出するとき(印字時)」にはインク流出口から流出して、ヘッドチップ内に供給されるようになっており、
前記「弁操作部材(吸引ノズル)」を「排気弁手段(開閉弁)」先端付近の「気泡排出通路(インク吸い込み部材装着部)」の開口部すなわち気泡抜き口に押し付けて前記「ポンプ(吸引ポンプP2)」により吸引すれば、前記「排気弁手段(開閉弁)」の先端部の2つ割りの切れ目が開いて、「バッファタンク(マニホルド)」内の空気を吸引し、「エアバッファ室(上室)」にある空気は該「エアバッファ室(上室)」の上部に連通する連通口から吸引されて減圧されるので、上記インク流入口からインクが流入して下室から溜まり、しだいにインクの液面が上がって仕切り壁の上端に達するまで前記「バッファタンク(マニホルド)」内にインクを充填することができ、
「気泡排出時(中継液室内へインクを充填する際)」、気泡抜き口を用いることにより、小さなインク吐出口から吸引する場合に比べて高速なインク充填が可能となり、また、前記気泡抜き口が中継液室の上部に連通しているので、その連通箇所すなわち中継液室の上部の気泡を抜くことが可能となり、さらに、前記中継液室と前記気泡抜き口との間には閉塞状態と開放状態との間で変化する「排気弁手段(開閉弁)」が設けられているので、「記録ヘッドからインクを吐出するとき(印字時)」に前記「排気弁手段(開閉弁)」を閉塞しておけば、インクが漏洩するおそれがないものであり、
前記「弁操作部材(吸引ノズル)」を「排気弁手段(開閉弁)」先端付近の「気泡排出通路(インク吸い込み部材装着部)」の開口部すなわち気泡抜き口に押し付けて前記「ポンプ(吸引ポンプP2)」により吸引すれば、「エアバッファ室(上室)」内のインクに作用することは当業者に自明であるから、
引用発明の「インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)」と本願補正発明の「インクジェットプリンタ」とは「前記キャリッジ外の位置には、該各排気弁手段を開放させる弁操作部材を有する気泡除去手段、及び前記各エアバッファ室からの気泡排出時に前記各エアバッファ室内のインクに作用するポンプが備えられ」ている点で一致し、引用発明の「排気弁手段(開閉弁)」と本願補正発明の「排気弁手段」とは、「前記記録ヘッドからインクを吐出するときには閉じられ、前記気泡排出時には開放される」点で一致する。

(9)上記(1)ないし(8)によれば、本願補正発明と引用発明とは、
「被記録媒体に対して移動するキャリッジにインクジェット式の記録ヘッドを搭載し、プリンタの本体に搭載されたインクタンクからインク供給管を介して、前記キャリッジに搭載されたバッファタンクを経て前記記録ヘッドにインクを供給するように構成されたインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドは複数のインク供給チャンネルを有し、
前記バッファタンクには、インクとそのインクから分離した気泡とを貯留するエアバッファ室が各インク供給チャンネルに対応して複数形成され、
前記キャリッジには、前記各エアバッファ室の天井壁に一端を接続し他端を外部に開放可能とする気泡排出通路が前記各エアバッファ室ごとに形成され、該各気泡排出通路の他端側には、該気泡排出通路を開閉する排気弁手段がそれぞれ設けられ、
前記キャリッジ外の位置には、該各排気弁手段を開放させる弁操作部材を有する気泡除去手段、及び前記各エアバッファ室からの気泡排出時に前記各エアバッファ室内のインクに作用するポンプが備えられ、
前記排気弁手段は、前記記録ヘッドからインクを吐出するときには閉じられ、前記気泡排出時には開放されるインクジェットプリンタ。」である点で一致し、次の点で相違する。

相違点:
本願補正発明では、前記各エアバッファ室からの気泡排出時に、前記ポンプが前記各エアバッファ室内のインクに「共通に」作用し、かつ、前記各気泡排出通路が「前記気泡排出のための流路抵抗値が相互にほぼ等しく」なるように形成されているのに対して、
引用発明では、前記ポンプが前記各エアバッファ室内のインクに共通に作用するかどうか明らかでなく、かつ、前記各気泡排出通路の前記気泡排出のための流路抵抗値がそれぞれ同等のものかどれほどの違いがあるものかも不明である点。

5 判断
上記相違点について検討する。
(1)吸引ポンプにより連通路を介して吸引対象箇所から空気やインクを吸引する際に、複数の吸引対象箇所の空気やインクに各連通路を介して共通に吸引力を作用させるようになっているインクジェットプリンタは、本願の優先日前に周知である(以下「周知技術1」という。例.特開平7-214794号公報(【0007】、【0017】?【0019】及び図17参照。)、特開2000-334976号公報(【0018】、【0042】?【0046】及び図1?図7の記載、【0051】?【0055】及び図9?図14の記載参照。))。

(2)複数の連通路に共通に吸引力を作用させる場合に、各連通路の流路抵抗を同程度にすることが望ましいことは、本願の優先日前に周知である(以下「周知技術2」という。例.特開平7-68790号公報(【0050】参照。)、特開平9-277561号公報(【0016】参照。)、原査定の拒絶の理由に引用された特開平10-138485号公報(【0030】、【0051】?【0052】及び図5参照。))。

(3)引用発明は、ホームポジションで停止したヘッドキャリッジの下方に配置されたキャッピング装置に備えられている上下動可能な支持プレートに、ヘッドキャリッジに装着される黒、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色のインクを吐出する合計4個のインクジェット記録ヘッドに対応するため左右方向に4個並んで配置されて支持された吸引ノズルを、開閉弁先端付近のインク吸い込み部装着部の開口部すなわち気泡抜き口に押し付けて、接続チューブを介して前記吸引ノズルに接続された吸引ポンプP2により、インクジェット記録ヘッドの中継液室内の流体を吸引するようになっているから、吸引ポンプにより複数の吸引対象箇所から各連通路を介して空気やインクを吸引するものといえるところ、引用発明において、複数の吸引対象箇所である各色のインクを吐出する各インクジェット記録ヘッドの中継液室内の流体に各接続チューブを介して共通に吸引力を作用させるようにするとともに、各色のインクを吐出する各インクジェット記録ヘッドついて、インク吸い込み部材装着部、吸引ノズル及び接続チューブからなる連通路の流路抵抗を同程度にすることは、当業者が周知技術1及び2に基づいて容易に想到することができた程度のことである。

(4)引用発明において、上記(3)のとおり、各色のインクを吐出する各インクジェット記録ヘッドの中継液室内の流体に各接続チューブを介して共通に吸引力を作用させるようにするとともに、各色のインクを吐出する各インクジェット記録ヘッドついて、インク吸い込み部材装着部、吸引ノズル及び接続チューブからなる連通路の流路抵抗を同程度にすることは、引用発明において、前記各エアバッファ室からの気泡排出時に、前記ポンプが前記各エアバッファ室内のインクに共通に作用し、かつ、前記各気泡排出通路が前記気泡排出のための流路抵抗値が相互にほぼ等しくなるように形成されることに相当するから、引用発明において、上記相違点に係る本願補正発明の構成となすことは、上記(3)からみて、当業者が周知技術1及び2に基づいて容易に想到することができた程度のことである。

(5)本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果、周知技術1が奏する効果及び周知技術2が奏する効果から、当業者が予測できた程度のものである。

(6)まとめ
したがって、本願補正発明は、当業者が引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

6 小括
以上のとおり、本願補正発明は、当業者が引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし8に係る発明は、平成20年10月17日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項によって特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2〔理由〕1(1)」に本件補正前の請求項1として記載したものである。

2 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、前記「第2〔理由〕3」に記載したとおりである。

3 対比・判断
上記「第2〔理由〕2」で述べたとおり、本願補正発明は、本願発明を特定するために必要な事項について限定を付加したものに相当する。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2〔理由〕5」に記載したとおり、当業者が引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-08-20 
結審通知日 2010-08-31 
審決日 2010-09-13 
出願番号 特願2003-385796(P2003-385796)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B41J)
P 1 8・ 575- Z (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松川 直樹藏田 敦之  
特許庁審判長 小牧 修
特許庁審判官 笹野 秀生
菅野 芳男
発明の名称 インクジェットプリンタ  

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