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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16D
管理番号 1226205
審判番号 不服2009-21172  
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-11-02 
確定日 2010-11-05 
事件の表示 特願2004- 12111「摺動式等速自在継手」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 8月 4日出願公開、特開2005-207450〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1.手続の経緯・本願発明

本願は、平成16年1月20日の出願であって、本願の請求項1ないし5に係る発明は、平成20年12月1日付けの手続補正書によって補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項によって特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
円筒状内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した外輪と、
球面状外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した内輪と、
前記外輪のトラック溝と前記内輪のトラック溝との対で形成されるボールトラックに1個ずつ組み込んだトルク伝達ボールと、
前記トルク伝達ボールを保持するポケットを有するケージと
を備え、前記ケージの外球面の中心と内球面の中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせた等速自在継手において、
トルク伝達ボールの数が6で、かつ、ボールトラックのピッチを55°以上のランダムな不等ピッチとしたことを特徴とする摺動式等速自在継手。」(以下「本願発明」という。)

2.引用刊行物とその記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に日本国内において頒布された刊行物は、次のとおりである。

刊行物1:特開平8-14268号公報
刊行物2:特開昭61-124732号公報
刊行物3:特開平1-250619号公報

(1)刊行物1(特開平8-14268号公報)の記載事項

刊行物1には、「摺動式等速ジョイント」に関し、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア) 「【0002】
【従来の技術】上記摺動式等速ジョイントは、図1に示すように、外輪1の円筒形内面2に軸方向に延びる6本のトラック溝3を周方向に60°の間隔をおいて形成し、内輪4の球形外面5には上記各トラック溝3と対向して6本のトラック溝6を設け、径方向で対向する外輪トラック溝3と内輪トラック溝6間にボール7を組込み、そのボール7を介して外輪1と内輪4の相互間でトルクを伝達している。
【0003】また、外輪1と内輪4間に組込まれた保持器8にボール7を収容する複数のポケット9を設け、その保持器8に外輪1の円筒面2で案内される球形外面8aと、内輪4の球形外面5で案内される球形内面8bとを形成し、その球形外面8aと球形内面8bの曲率中心を外輪1の軸方向に位置をずらし、両曲率中心の2等分位置を通る平面上に各ボール7を位置させている。」

上記記載事項(ア)及び図面の記載を総合すると、刊行物1には、
「円筒形内面2に軸方向に延びる6本のトラック溝3を形成した外輪1と、
球形外面5に上記各トラック溝3と対向する6本のトラック溝6を設けた内輪4と、
径方向で対向する上記外輪トラック溝3と上記内輪トラック溝6間に組み込んだトルクを伝達するボール7と、
上記トルクを伝達するボール7を収容する複数のポケット9を設けた保持器8と
を備え、上記保持器8の球形外面8aと球形内面8bの曲率中心を上記外輪1の軸方向に位置をずらし、両曲率中心の2等分位置を通る平面上に各ボール7を位置させている等速ジョイントにおいて、
上記外輪1の6本のトラック溝3を周方向に60°の間隔をおいて形成した摺動式等速ジョイント。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

(2)刊行物2(特開昭61-124732号公報)の記載事項

刊行物2には、「等速自在継手」に関し、図面とともに次の事項が記載されている。

(イ) 「発明が解決しようとする問題点
この種の等速自在継手に於いては、トルクが負荷され、回転する時、即ち、動力を伝達している時、等速自在継手の軸方向にスラスト力が誘起され(以下このスラスト力を誘起スラスト力と称す)、この誘起スラスト力は1回転中にトラック溝の個数と同数回、例えばトラック溝がn個ならn回の変動を伴う。尚、誘起スラスト力の発生原因は、一般に、トラック溝とボール間に作用する摩擦力の各トラック溝の総和が零とならない為で、ケージと内外方部材間に働く力の方向が、トラック溝と内外周面とで変化する為、変動を伴うものと考えられる。そして、前記誘起スラスト力に伴う変動の周期は、従来の等速自在継手の場合、外方部材(1)及び内方部材(3)のトラック溝(2)(4)が等ピッチ(α)で分割されている為、ほぼ一定であり、しかも、等速自在継手の回転数のトラック溝の個数倍、即ち、n倍の振動数を有している。従って、自動車の駆動車軸に用いた場合、車体の足まわりの固有振動と共振して不快な振動や大きなこもり音等を発生させる不都合があった。」(第2ページ左上欄第11行?右上欄第13行)

(ウ) 「問題点を解決するための手段
この発明は、内周面に複数個のトラック溝を設けた外方部材と、球面状外周面に前記外方部材のトラック溝と対応して複数個のトラック溝を設けた内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との間に介在されて該外方部材及び内方部材のトラック溝と対応する位置に複数個のボールポケットを設け、かつ、外周球面が前記外方部材の内周面にて案内されたケージと、前記ケージのボールポケットに夫々収容され、かつ、前記外方部材と前記内方部材の対応するトラック溝に係合した複数個のトルク伝達ボールとよりなる等速自在継手に於いて、前記外方部材と前記内方部材の対応するトラック溝の相隣り合うトラック溝との間のピッチを異ならせ、かつ、これに対応して前記ケージ及び前記トルク伝達ボールを組合わせたものである。」(第2ページ右上欄第14行?左下欄第10行)

(エ) 「実施例
第1図及び第2図はこの発明の一実施例を示す図面で、同図に於いて、(10)は等速自在継手の外方部材、(20)は内方部材、(30)はケージ、(40)はトルク伝達ボールである。そして、外方部材(10)はその円筒状内周面に複数個、例えば、5個のトラック溝(11)を軸方向に設けている。また、内方部材(20)はその球面状外周面に外方部材(10)のトラック溝(11)と対応して5個のトラック溝(21)を設けている。ケージ(30)は外方部材(10)と内方部材(20)との間に介在され、外方部材(10)と内方部材(20)とのトラック溝(11)(21)と対応する位置にトルク伝達ボール(40)を収容する5個のボールポケット(31)を設けている。このケージ(30)はその外周球面及び内周球面の曲率中心を、継手軸線上において継手中心に対して等距離だけ左右にオフセットさせて、外方部材(10)と内方部材(20)とが角度をとった場合でもボール(40)を外方部材(10)と内方部材(20)とのなす角度の2等分面上に位置させて等速性を確保し得るように構成されている。
上記構造の等速自在継手において、この発明では外方部材(10)及び内方部材(20)のトラック溝(11)(21)の相隣り合うトラック溝(11)(21)との間の各ピッチ(α_(1))(α_(2))(α_(3))(α_(4))(α_(5))を全て異ならせ、これに対応してケージ(30)にボールポケット(31)を夫々形成し、このケージ(30)のボールポケット(31)にトルク伝達ボール(40)を収容している。
上記構造の等速自在継手では、外方部材(10)及び内方部材(20)のトラック溝(11)(21)の相隣り合うトラック溝(11)(21)との間の各ピッチ(α_(1))(α_(2))(α_(3))(α_(4))(α_(5))を全て異ならせたので、誘起スラスト力を伴う変動の周期が、各ピッチで異なる為、各々の振動数は一定でない。これにより、従来品において、回転数のn倍の振動数に集中していた振動数を、広く分散させることができる。従って、自動車の駆動車軸に用いた場合、等速自在継手の振動数と車体の共振点が一致しても、振動エネルギーが分散されているので車体振動やこもり音等を小さく抑えることができる。」(第2ページ左下欄第11行?第3ページ左上欄第15行)

(オ) 「以上の実施例はダブルオフセット形等速自在継手に適用し、ボール個数が5個の場合について述べているが、この発明はこれだけに限定されるものではない。」(第3ページ左上欄第16?19行)

(カ) 「また、第5図及び第6図はクロスグループド形等速自在継手における実施例で、この等速自在継手は、円筒状内周面に偶数個、例えば6個のトラック溝(91)を2個が1組で軸方向にハの字状に配置して設けた外方部材(90)と、球面状外周面に外方部材(90)のトラック溝(91)と対応し、かつ、反対方向に傾斜する6個のトラック溝(101)を設けた内方部材(100)と、外方部材(90)と内方部材(100)との間に介在され、トラック溝(91)(101)に対応する位置に6個のボールポケット(111)を設けかつ、外方部材(90)の内周面に案内されたケージ(110)と、ケージ(110)のボールポケット(111)に夫々収容され、かつ、外方部材(90)と内方部材(100)の対応するトラック溝(91)(101)に係合した6個のトルク伝達ボール(120)とからなり、外方部材(90)及び内方部材(100)のトラック溝(91)(101)の相隣り合うトラック溝(91)(101)との間の各ピッチ(β_(1)’)(β_(2)’)(β_(3)’)(β_(4)’)(β_(5)’)(β_(6)’)を全て異ならせ、これに対応してケージ(110)にボールポケット(111)を夫々形成し、このケージ(110)のボールポケット(111)にトルク伝達ボール(120)を収容している。」(第3ページ左下欄第13行?右下欄第17行)

上記記載事項(イ)?(カ)及び図面の記載を総合すると、刊行物2には、
「外方部材と内方部材の対応するトラック溝の相隣り合うトラック溝との間のピッチを異ならせる」
という技術事項を含む発明が記載されているものと認められる。

(3)刊行物3(特開平1-250619号公報)の記載事項

刊行物3には、「等速ジョイント」に関し、図面とともに次の事項が記載されている。

(キ) 「外輪1は円筒孔2を備え、その円筒孔2の内径面に複数の軸方向の溝3が周方向に所要の間隔をおいて形成されている。
内輪10には、その外径面に、上記外輪1の溝3とでボールトラックを形成する軸方向の溝11が形成され、その溝11と外輪1の溝3間に前記ボール20が組込まれる。また、内輪10の外径面には部分球面12が形成され、この部分球面12と前記内輪10の溝11に沿って移動するボール20の転動部13とは軸方向に位置がずれている。なお、溝3、11は、周方向に等間隔に形成してもよく、あるいは不等ピッチに形成してもよい。」(第3ページ左上欄第1?13行)

上記記載事項(キ)及び図面の記載を総合すると、刊行物3には、
「溝3、11は、不等ピッチに形成してもよい」
という技術事項を含む発明が記載されているものと認められる。

3.発明の対比

本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「円筒形内面2」は本願発明の「円筒状内周面」に相当し、以下同様に、「6本の」は「複数の」に、「トラック溝3」は「トラック溝」に、「外輪1」は「外輪」に、それぞれ相当するから、引用発明の「円筒形内面2に軸方向に延びる6本のトラック溝3を形成した外輪1」は、本願発明の「円筒状内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した外輪」に相当する。
また、引用発明の「球形外面5」は本願発明の「球面状外周面」に相当し、以下同様に、上記外輪1のトラック溝3は軸方向に延びるものであるので、「上記各トラック溝3と対向する」は「軸方向に延びる」に、「6本の」は「複数の」に、「トラック溝6」は「トラック溝」に、「設けた」は「形成した」に、「内輪4」は「内輪」に、それぞれ相当するから、引用発明の「球形外面5に上記各トラック溝3と対向する6本のトラック溝6を設けた内輪4」は、本願発明の「球面状外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した内輪」に相当する。
引用発明の「径方向で対向する上記外輪トラック溝3と上記内輪トラック溝6間」は、本願発明の「前記外輪のトラック溝と前記内輪のトラック溝との対で形成されるボールトラック」に相当し、また同様に、「トルクを伝達するボール7」は「トルク伝達ボール」に相当し、通常は上記両トラック溝3,6間に上記トルクを伝達するボール7を1個ずつ組み込むから、引用発明の「径方向で対向する上記外輪トラック溝3と上記内輪トラック溝6間に組み込んだトルクを伝達するボール7」は、本願発明の「前記外輪のトラック溝と前記内輪のトラック溝との対で形成されるボールトラックに1個ずつ組み込んだトルク伝達ボール」に相当する。
引用発明の「収容する」は本願発明の「保持する」に相当し、以下同様に、「ポケット9」は「ポケット」に、「設けた」は「有する」に、「保持器8」は「ケージ」に、それぞれ相当するから、引用発明の「上記トルクを伝達するボール7を収容する複数のポケット9を設けた保持器8」は、本願発明の「前記トルク伝達ボールを保持するポケットを有するケージ」に相当する。
引用発明の「上記保持器8の球形外面8aと球形内面8bの曲率中心を上記外輪1の軸方向に位置をずらし、両曲率中心の2等分位置を通る平面上に各ボール7を位置させている」ことは、本願発明の「前記ケージの外球面の中心と内球面の中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせた」ことに実質的に相当する。
引用発明の「等速ジョイント」は、本願発明の「等速自在継手」に相当し、また同様に、「摺動式等速ジョイント」は「摺動式等速自在継手」に相当する。
上記のとおり、通常は上記両トラック溝3,6間に上記トルクを伝達するボール7を1個ずつ組み込むから、引用発明の「上記外輪1の6本のトラック溝3を周方向に60°の間隔をおいて形成した」ことは、本願発明の「トルク伝達ボールの数が6」であることを意味する。

よって、本願発明と引用発明とは、
[一致点]
「円筒状内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した外輪と、
球面状外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した内輪と、
前記外輪のトラック溝と前記内輪のトラック溝との対で形成されるボールトラックに1個ずつ組み込んだトルク伝達ボールと、
前記トルク伝達ボールを保持するポケットを有するケージと
を備え、前記ケージの外球面の中心と内球面の中心を、継手中心を挟んで軸方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットさせた等速自在継手において、
トルク伝達ボールの数が6である摺動式等速自在継手。」
である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点]
ボールトラックのピッチに関し、本願発明は、「ボールトラックのピッチを55°以上のランダムな不等ピッチとした」のに対して、引用発明は、「上記外輪1の6本のトラック溝3を周方向に60°の間隔をおいて形成した」点。

4.当審の判断

(1)相違点について

上記のとおり刊行物2には、「外方部材と内方部材の対応するトラック溝の相隣り合うトラック溝との間のピッチを異ならせる」という技術事項を含む発明が記載されているものと認められ、また同様に、刊行物3には、「溝3、11は、不等ピッチに形成してもよい」という技術事項を含む発明が記載されているものと認められる。
上記刊行物2及び3の記載によれば、等速自在継手の技術分野において、その等速自在継手の型式やトルク伝達ボールの数に関わらず、ボールトラックのピッチをランダムな不等ピッチとすることは、本願出願前に周知の技術であるといえる。
そして、ボールトラックのピッチをランダムな不等ピッチとする場合に、上記ボールトラックのピッチを一定以上に小さくすると、ケージのポケット間柱幅や内輪のトラック間球面幅が小さくなって(例えば、上記刊行物2の第2図を参照。)、等速自在継手として必要なケージの強度や内輪球面強度が不足するようになることは構造上明らかであり、このことは当業者であれば容易に認識できるから、所定の大きさや材質の等速自在継手に対して、上記ボールトラックのピッチの下限値を適宜設定することは、当業者が通常行う設計上の事項といえる。
そうすると、トルク伝達ボールの数が6で等ピッチの場合には、上記ボールトラックのピッチは引用発明のように60°であるところを、ボールトラックのピッチをランダムな不等ピッチとするに際し、実験などに基づいてその下限値を設定することは当業者の通常の創作能力の発揮というべきものであるから、上記ボールトラックのピッチを本願発明のように「55°以上」とすることは当業者が容易に想到し得たものである。
また、上記「55°以上」という数値範囲の臨界的意義についても、本願明細書には定性的な効果が記載されているだけで、上記「55°以上」と55°未満とで、等速自在継手の効果に量的に顕著な差異があるとの記載は見あたらない。
よって、引用発明において、上記外輪1の6本のトラック溝3を周方向に60°の間隔をおいて形成したことに代えて、上記周知の技術を適用するとともに、ボールトラックのピッチの下限値を実験などに基づいて適宜設定することによって、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(2)作用効果について

本願発明が奏する作用効果は、いずれも刊行物1ないし3に記載された発明から当業者が予測できる程度のものである。

(3)審判請求人の主張について

審判請求人は、審判請求書の請求の理由を補正した平成21年12月14日付けの手続補正書(方式)において、
「しかしながら、刊行物2のものは、ボールトラックのピッチを異ならせることを開示しているにとどまり、それ以上の開示はありません。本願発明は、ボール数が6のしゅう動式等速ジョイントにおいて、ジョイントの必要機能であるケージの強度、内輪球面強度を満足するためには、ボールトラックのピッチを55°以上の不等ピッチに設定することを提案するものです。55°より小さいピッチでは、ジョイントの必要機能である強度を確保することはできません。」及び、
「まず、適当なボールトラックピッチとした場合、ケージあるいは内輪の強度を確保するためには、外輪外径を大きくしたり、特殊な高強度材料を使用したりする必要が生じ、ジョイントが必要以上に大きく、重く、またはコスト高となってしまいます。そこで、現状の大きさ、軽さ、材料で成立するトラックピッチとして、55°以上を導き出したものです。」
と主張している。
しかしながら、上記(1)で説示したとおり、ボールトラックのピッチをランダムな不等ピッチとするに際し、実験などに基づいてその下限値を設定することは当業者の通常の創作能力の発揮というべきものであるから、上記ボールトラックのピッチを本願発明のように「55°以上」とすることは当業者が容易に想到し得たものであり、また、上述のとおり、上記「55°以上」という数値範囲に臨界的意義は認められない。
よって、審判請求人の主張は採用できない。

5.むすび

したがって、本願発明(請求項1に係る発明)は、刊行物1ないし3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、請求項2ないし5に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。



 
審理終結日 2010-09-08 
結審通知日 2010-09-09 
審決日 2010-09-24 
出願番号 特願2004-12111(P2004-12111)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F16D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石田 智樹  
特許庁審判長 川上 溢喜
特許庁審判官 山岸 利治
藤村 聖子
発明の名称 摺動式等速自在継手  
代理人 白石 吉之  
代理人 城村 邦彦  
代理人 田中 秀佳  
代理人 熊野 剛  

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