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審決分類 審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B42F
審判 全部無効 4項1号請求項の削除  B42F
審判 全部無効 2項進歩性  B42F
審判 全部無効 4号2号請求項の限定的減縮  B42F
管理番号 1226799
審判番号 無効2009-800231  
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-11-09 
確定日 2010-10-27 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4281021号発明「マグネットホルダー」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
平成19年10月 4日 本件出願
平成21年 3月27日 設定登録(特許第4281021号)
平成21年11月 9日 審判請求書
平成22年 2月19日 答弁書・訂正請求書
平成22年 4月28日 弁駁書
平成22年 5月27日 審理事項通知書(起案日)
平成22年 7月 6日 両当事者・口頭審理陳述要領書
平成22年 7月20日 口頭審理(無効理由通知及び書面審理通知を含む。)
平成22年 8月 3日 答弁書・訂正請求書
平成22年 8月16日 弁駁書

第2 訂正請求について
1.訂正請求の内容
被請求人は、当審が通知した無効理由に応答して平成22年8月3日付けで訂正請求書を提出し、前記訂正請求書に添付した特許請求の範囲及び明細書のとおり訂正することを求めた。(以下「本件訂正」という。)
本件訂正は、次の(ア)ないし(オ)よりなる(下線は審決にて付した。以下同じ。)。
(ア)請求項1について、訂正前に
「【請求項1】メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するマグネットホルダーであって、前記マグネットホルダーは、球形状で形成されたホルダー本体に空間部が設けられるとともに、前記空間部内において遊動可能なマグネットが前記空間部内に内包されてなることを特徴とするマグネットホルダー。」
とあったのを、訂正後に
「【請求項1】メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するマグネットホルダーであって、前記マグネットホルダーは、球形状で形成されたホルダー本体に空間部が設けられ、ホルダー本体の外周面をゴム製とし、且つ内周面をセルロイド又はポリエチレン製とする二層構造に構成するとともに、前記球形状のホルダー本体が一対の半球体の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成され、前記空間部内において遊動可能な球形状のマグネットが前記空間部内に内包されてなることを特徴とするマグネットホルダー。」
とする。

(イ)訂正前の請求項2を削除し、特許請求の範囲を訂正後に請求項1のみとする。

(ウ)訂正前の明細書の段落【0009】について、訂正前に「【0009】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、請求項1に記載のマグネットホルダーは、メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するマグネットホルダーであって、前記マグネットホルダーは、球形又は楕円球形で形成されたホルダー本体に空間部が設けられるとともに、前記空間部内において遊動可能なマグネットが前記空間部内に内包されてなることを特徴とする。」
とあったのを、訂正後に
「【0009】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、請求項1に記載のマグネットホルダーは、メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するマグネットホルダーであって、前記マグネットホルダーは、球形又は楕円球形で形成されたホルダー本体に空間部が設けられ、該ホルダー本体の外周面をゴム製とし、且つ内周面をセルロイド又はポリエチレン製とする二層構造に構成するとともに、前記球形状のホルダー本体が一対の半球体の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成され、前記空間部内において遊動可能な球形状のマグネットが前記空間部内に内包されてなることを特徴とする。」
とする。

(エ)訂正前の明細書の段落【0010】と段落【0013】を削除し、これにともない、訂正前の明細書の段落【0011】、段落【0012】、段落【0014】ないし段落【0034】の段落の番号を、それぞれ訂正後に段落【0010】、段落【0011】、段落【0012】ないし段落【0032】とする。

(オ)訂正前の明細書の段落【0011】について、訂正前に
「【0011】本発明に係る請求項1に記載のマグネットホルダーによれば、メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するとともに、挟持されたメモ用紙等を取り外す際に、多方向に片手でメモ用紙等を取り出すことができ、且つメモ用紙にスジが付かないように取り外すことができる。」
とあったのを、訂正後に
「【0010】本発明に係る請求項1に記載のマグネットホルダーによれば、メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するとともに、挟持されたメモ用紙等を取り外す際に、多方向に片手でメモ用紙等を取り出すことができ、且つメモ用紙にスジが付かないように取り外すことができる。また、ホルダー本体を二層構造にしたことにより、ゴムの摩擦力によってメモ用紙5上をスムーズに転動可能になるとともに、マグネットが内壁面を滑らかに摺動することができる。また、ホルダー本体を一対の半球体で着脱可能な構成にしたことにより、磁石の交換等の補修管理が容易となる。さらに、ホルダー本体に内包するマグネットを球形状としたことにより、内壁面との吸着状態を維持しながら回転又は摺動が容易となる。」
とする(上記(エ)により、段落番号は訂正後に【0010】となった。)。

2.当審の判断
(1)本件訂正の適否について
上記(ア)は、訂正前の請求項1の発明を特定する事項である「ホルダー本体」及び「マグネット」について、それぞれ「ホルダー本体の外周面をゴム製とし、且つ内周面をセルロイド又はポリエチレン製とする二層構造に構成するとともに、前記球形状のホルダー本体が一対の半球体の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成され、前記空間部内において遊動可能な球形状のマグネットが前記空間部内に内包されてなる」及び「球形状の」との限定を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としている。
上記(ウ)及び(オ)は、訂正後の明細書の記載を、上記(ア)により訂正された請求項1の記載に整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的としている。
上記(イ)は請求項を削除するのであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としている。
上記(エ)は、訂正後の明細書の記載を、該削除にともない整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的としている。

また、本件の願書に添付した明細書には、以下の記載がある。
段落【0015】「ホルダー本体2は、セルロイドやポリエチレン等の合成樹脂、ゴム等の弾性素材、又は金属等で構成され」
段落【0018】「図2はマグネットホルダー1の形成過程を示す図である。ホルダー本体2は、一対の半球体2a及び2bから成り、半球体2a及び2bのどちらか一方の外周縁には凹形状が、もう一方の外周縁には凸形状が互いに嵌合可能に形成されている。本発明に係るマグネットホルダー1を形成するには、当該半球体2a或いは2bの一方の内側部にマグネット4を載置し、他方の半球体2a或いは2bにより、ホルダー本体2内の空間部3にマグネット4を内包するように互いの外周縁に設けられた凹凸形状を嵌合して固定し、マグネット4が空間部3内で遊動可能にマグネットホルダー1を形成する。当該嵌合部分は接着剤等により接着してもよいし、接着せずに開放可能に維持してもよい。」
段落【0025】「マグネット4を球形状に構成してもよい。」
段落【0029】「前記各実施例のホルダー本体2において、外周面にゴム等の弾性素材、内周面に合成樹脂等或は金属等の2層構造に構成してもよい。これにより、マグネットホルダー1は、メモ用紙5上をスムーズに転動することができると同時に、マグネット4がホルダー本体2の内壁面を滑らかに摺動することができる。」
よって、上記(ア)ないし(オ)は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

以上のことから、本件訂正は、特許法第134条の2ただし書き、及び同条第5項において準用する同法第126条第3項、4項の規定に適合するので適法な訂正と認める。

第3 本件発明
上記のとおり、本件訂正は認められるから、本件特許第4281021号の請求項1に係る発明は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するマグネットホルダーであって、前記マグネットホルダーは、球形状で形成されたホルダー本体に空間部が設けられ、ホルダー本体の外周面をゴム製とし、且つ内周面をセルロイド又はポリエチレン製とする二層構造に構成するとともに、前記球形状のホルダー本体が一対の半球体の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成され、前記空間部内において遊動可能な球形状のマグネットが前記空間部内に内包されてなることを特徴とするマグネットホルダー。」(以下「本件発明」という。)

第4 無効理由について
1.無効理由の内容
口頭審理において、平成22年2月19日付け訂正請求書に添付した特許請求の範囲及び明細書のとおり訂正された特許請求の範囲及び明細書について、以下の無効理由を通知した。
無効理由1(審理事項通知書参照。)
訂正後の請求項1について
請求後の発明における「マグネットで壁面に吸着させて」との記載は、鉛直の壁面に吸着させられるほど弾性変形する「弾性素材」であることを限定するのではなく、机等の水平面のみならず冷蔵庫やキャビネットやホワイトボード等の鉛直の壁面に吸着させることもあるというマグネットホルダーの通常の使い方を説明するものと解することもできる。
一方、本件発明の詳細な説明の項には、「弾性素材」について明示的な定義はない。「ゴム等の弾性素材」との記載はあるが、ゴム以外の何が含まれるか明らかではない。 また、別紙(岩波理化学辞典第4版、1993年6月10日第4版第8刷発行、株式会社岩波書店、第762頁)の「弾性」の項には「すべての物体は多少とも弾性をもつ」と記載されているから、訂正後の請求項1記載の「弾性素材」には、あらゆる素材が含まれるものと解される余地があり、「弾性素材」が何を意味しているか不明である。
よって、訂正後の請求項1は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしてない。
「弾性素材」にはあらゆる素材が含まれるものと解した場合、訂正後の請求項1に係る発明の技術的意義が不明であり、発明の詳細な説明は、特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。

無効理由2(審理事項通知書参照。)
訂正後の請求項2について
訂正後の請求項2は訂正後の請求項1を引用している。ところが、訂正後の請求項1に係る発明のホルダー本体は「球形状のホルダー本体」である。これと、訂正後の請求項2の「ホルダー本体が、カプセル形状、楕円球形状或いは円柱形状で形成されてなる」との記載は矛盾する。(「カプセル形状、楕円球形状或いは円柱形状」は「球形状」とはいえない。)
よって、訂正後の請求項2は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしてない。

無効理由3(口頭審理調書参照。)
訂正後の請求項1記載の「内周面を合成樹脂製又は金属製とする二層構造」の「金属」が鉄等の強磁性体の場合、マグネットがホルダー本体内面の特定位置に磁気で吸着したままで遊動しない可能性があるが、訂正後の請求項1の記載からは、該「金属」が強磁性体を含むのか否か不明である。
よって、訂正後の、請求項1及び請求項1を引用する請求項2は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

2.当審の判断
本件訂正により、「弾性素材」は「ゴム」に限定され、請求項2の削除によりホルダー本体の形状は「球形状」であって「カプセル形状、楕円球形状或いは円柱形状」を含まないものとされ、「内周面」は「セルロイド又はポリエチレン製」であって「金属」を含まないものとされたから、無効理由1ないし無効理由3は解消した。

第5 請求人の主張
1.主張の要点
請求人の主張の要点は、以下のとおりである。

本件発明は、甲第1号証に記載された技術と、甲第8号証ないし甲第13号証に記載された技術とに基いて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、本件特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。(平成22年8月16日付けの弁駁書第3頁第8ないし16行参照。)

2.証拠
請求人が提出した証拠は以下のとおりである。ただし、請求人は、口頭審理において、甲第2号証ないし甲第7号証及び甲第14号証に基づく無効理由の主張を撤回したので、これらを省く。

審判請求書にて提示
甲第 1号証:特開平9-311629号公報

平成22年4月28日付けの弁駁書にて提示
甲第 8号証:特開2004-194860号公報
甲第 9号証:特開平7-148358号公報
甲第10号証:特開平11-119907号公報
甲第11号証:特開平10-192450号公報
甲第12号証:特開平7-225584号公報
甲第13号証:特開平9-326312号公報

第6 当審の判断
1 引用発明
甲第1号証には、以下の記載ア.?エ.が図とともにある。

ア.「【請求項1】 ベース板の上方に固定された非磁性材製の紙片案内板、当該紙片案内板の一側面に固定された、あるいは当該紙片案内板内に埋設された永久磁石および、当該紙片案内板の他側面に移動可能に磁着する遊動永久磁石あるいは遊動強磁性部材とからで構成される紙片保定具。」

イ.「【0046】また、遊動永久磁石5として図4、図5、図6図示のような球形あるいは半球形の永久磁石を用いる場合には、矩形の永久磁石あるいは強磁性部材を用いて紙片案内板3の裏面側に固定しておけば十分である。」

ウ.「【0047】(前段省略)図6図示の遊動永久磁石5は、非磁性材製の中空球体5a内に永久磁石片5bが、遊動自在に封入されているものである。
【0048】図6図示の遊動永久磁石5を用いて紙片9を保定する場合が図7に現されている。永久磁石片5bは中空球体5a内で自由に動き回り、紙片案内板3の側の永久磁石4の極性に合わせて互いに引き合い、紙片9を保定することになる。図7の例では、紙片案内板3は、平坦面3aとその後ろ側を構成する背後部3bとで構成され、永久磁石4はこの背後部3bに埋設されている。」

エ.図7の記載からは、永久磁石片5bの少なくとも1つの断面が滑らかな曲面であることが看取できる。

上記イ.及びウ.によれば、上記ア.の「紙片保定具」の発明の「遊動永久磁石」を、永久磁石片5bが非磁性材製の中空球体5a内に遊動自在に封入されたものとし、上記ア.の「紙片案内板の一側面に固定された、あるいは紙片案内板内に埋設された永久磁石」を「矩形の強磁性部材」に置き換えてもよい。
上記ウ.が参照する図7からは、「矩形の永久磁石4」または「矩形の強磁性部材4」が、「紙片案内板3」の「平坦面3a」の背面に配置されていることが看取できる。

以上のことから、甲第1号証には以下の発明が記載されていると認められる。
「背面に矩形の強磁性部材が配置された非磁性材製の紙片案内板平坦面に紙片を保定する遊動永久磁石であって、前記遊動永久磁石は、非磁性材製の中空球体内に少なくとも1つの断面が滑らかな曲面である永久磁石片が遊動自在に封入されてなる遊動永久磁石。」(以下「甲1発明」という。)

2 対比
甲1発明の「紙片」、「永久磁石片」、「背面に矩形の強磁性部材が配置された非磁性材製の紙片案内板平坦面」、「背面に矩形の強磁性部材が配置された非磁性材製の紙片案内板平坦面に紙片を保定する」、「遊動永久磁石」、「中空球体」は、それぞれ本件発明1の「メモ用紙等」、「マグネット」、「壁面」、「壁面に吸着させて挟持する」、「マグネットホルダー」、「球形状で形成されたホルダー本体」に相当する。

甲1発明の「少なくとも1つの断面が滑らかな曲面である永久磁石片」は、「少なくとも1つの断面が滑らかな曲面であるマグネット」である点で、本件発明1の「球形状のマグネット」と共通している。

すると、甲1発明と本件発明とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。
<一致点>
「メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するマグネットホルダーであって、前記マグネットホルダーは、球形状で形成されたホルダー本体に空間部が設けられ、前記空間部内において遊動可能な少なくとも1つの断面が滑らかな曲面であるマグネットが前記空間部内に内包されてなるマグネットホルダー。」

<相違点1>
「マグネット」(永久磁石片)について、本件発明の「マグネット」は「球形状のマグネット」と特定されるのに対して、甲1発明の「マグネット」(永久磁石片)は「少なくとも1つの断面が滑らかな曲面であるマグネット」であって該特定を有しない点。

<相違点2>
本件発明は「ホルダー本体の外周面をゴム製とし、且つ内周面をセルロイド又はポリエチレン製とする二層構造に構成するとともに、前記球形状のホルダー本体が一対の半球体の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成され」と特定されるのに対して、甲1発明は該特定を有しない点。

3 判断
<相違点1>について
甲第10号証(入力用マウスに球形磁石122を用いる実施例が記載されている。)及び甲第13号証(球状永久磁石とその製造方法が記載されている。)にも記載されているように、球形状のマグネットは周知である。
甲1発明は、「マグネット」(永久磁石片)が中空球体内で自由に動き回ることを予定しているから、より自由に動き回るように、「マグネット」(永久磁石片)として「球形状のマグネット」を採用し、本件発明の相違点1に係る構成を備えることは、周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たことである。

<相違点2>について
甲第8号証について
図4記載のハーフシェル5は、【0010】に「ゴム組成物が第一の成形型に投入され、椀状のハーフシェルが形成される」とあるから、ゴム製で椀状つまり半球体であり、【0010】に「2個のハーフシェルが貼り合わされて」とあるとおり、2個のハーフシェルが一体に成形されて図3の球形のコア2となる。
「【0014】フェルト部3は、コア2の表面を被覆している。フェルト部3は、接着剤(ゴム糊)等によってコア2の表面に貼り付けられている。個々のフェルト部3の形状は、ダンベル状である。」とあるとおり、球形のコア2にダンベル状(よって、半球状とはなり得ない)のフェルト部3(フェルトとは羊毛等からなる不織布である。)が貼り付けられて、図1のテニスボールが製造される。
よって、甲第8号証記載のテニスボールは、外周面を(ゴムではない)フェルト製とし、且つ内周面を(セルロイド又はポリエチレンではない)ゴム製とする二層構造に構成した球形状のものではあるが、内周面は球形のコアとして一体に形成され、外周面は半球状とはなり得ないダンベル状であるから、一対の半球体の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成されたものではない。
しかも、テニスボールであるから、練習や試合中に2分割してしまってはならないのであり、かつ中空コア内部に磁石等の物品を収納することはない。
したがって、甲第8号証には、本件発明の相違点2に係る構成についての記載も、それを示唆する記載もない。

甲第9号証について
甲第9号証には、2つの半球状のカプセル構成部材の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成され、内部に人形などを収納したカプセル玩具が記載されている。
しかしながら、カプセルを2層構造にすることも、カプセルに磁石を収納してメモ用紙等を保持するマグネットとして用いることも記載されておらず、それを示唆する記載もない。

甲第11号証には、以下の記載がある。
【0011】「ボール1は硬式テニスボールであり、大気圧以上の圧力を持った気体24、と気体24を内包し、2つの半球のゴム材211を接着部材212により接着したボール基材部21、ボール基材部21に接着部材23により貼られたメルトン部材22、ボール基材部21の内側の面上に粘性の大きいグリセリン311からなる液体31を塗布し液体31の層を形成した液体層3から構成されている。」
【0025】「・・・横糸はナイロンと羊毛の混紡縦糸は綿でなるメルトン材を片面に糊を付けてから切断面に45度の傾きを付けて、瓢箪形に打ち抜き、メルトン部材22を得る。」
よって、甲第11号証には、外周面を(ゴムではなく)布製のメルトン材とし、且つ内周面を(セルロイド又はポリエチレンではなく)ゴム製とする二層を含む構造の硬式テニスボールが記載されているが、内周面は2つの半球のゴム材211を接着した球形のボール基材部21として一体に形成され、外周面のメルトン材は半球状とはなり得ない瓢箪形であるから、一対の半球体の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成されたものではない。
しかも、硬式テニスボールであるから、練習や試合中に2分割してしまってはならないのであり、かつ中空コア内部に磁石等の物品を収納することはない。
第2図に記載された軟式テニスボールについても同様である。
したがって、甲第11号証には、本件発明の相違点2に係る構成についての記載も、それを示唆する記載もない。

甲第12号証には以下の記載がある。
「【請求項5】小学校高学年の児童から成人までの広い範囲の人が片手の親指と人指し指または中指との間に無理なく把持できるように、50から90ミリメートルの外径を有し、1ないし2.5ミリメートルの厚さで15から50gの重量を有するとともに、外面には応援の対象となる球技に使用される球に特有の模様が施され、全体が硬質樹脂により形成された球状の外殻と、
それぞれが最大寸法方向の長さが4ミリメートル以内、最小寸法方向の長さが0.5ミリメートル以上で、硬質樹脂により形成された粒子状の内部エレメントとからなり、
前記内部エレメントが全体として15gから50gの重量となるように前記外殻内に収容されており、
片手で把持して振ることにより音を発生させ球技の応援を行なうようになったことを特徴とする球技応援具。」
「【0015】
【作用】本発明は上記のように、基本的にボール状殻とこの内部に入れた粒子状の内部エレメントと2つの構成要素からなる。本発明の中空ボール状振動音発生具を製造するに当たっては、樹脂を成形して2つ割りの殻を作りこの中に内部エレメントを入れた後一対の半製品中空殻を接合する。」
図4からは、中空ボール状振動音発生具が、ともに半球状の上殻4と下殻5の周縁部を嵌合することによって着脱可能とされ、かつ内部エレメント3を収納して形成されることが看取できる。
よって、甲第12号証には、樹脂製の一対の半球状殻の周縁部を嵌合することによって着脱可能とした1層構造の中空部に内部エレメント3を収納した球技応援具が記載されている。
しかしながら、甲第12号証には、半球状殻を2層にすることも中空部に磁石を収納することも記載されておらず、それを示唆する記載もない。
よって、甲第12号証には、本件発明の相違点2に係る構成についての記載も、それを示唆する記載もない。

したがって、甲第8号証、甲第9号証、甲第11号証及び甲第12号証には、本件発明の相違点2に係る構成についての記載も、それを示唆する記載もない。
しかも、甲第8号証、甲第9号証、甲第11号証及び甲第12号証は、それぞれテニスボール、カプセル玩具、硬式軟式のテニスボール及び球技応援具に関するものであり、相互に異なる技術分野に属する。そして、これら技術分野は、甲1発明の属する「永久磁石片が遊動自在に封入されてなる遊動永久磁石」の技術分野とは異なっている。よって、甲第8号証、甲第9号証、甲第11号証及び甲第12号証に記載された技術事項を組み合わせて甲1発明に適用する動機がない。

以上のことから、甲1発明において、甲第8号証、甲第9号証、甲第11号証及び甲第12号証の記載に基づいて、本件発明の相違点2に係る構成を備えることは、当業者が容易に想到し得たこととは認められない。

まとめ
上記「<相違点1>について」及び「<相違点2>について」の検討結果より、本件発明は、甲第1号証に記載された技術と、甲第8号証ないし甲第13号証に記載された技術とに基づき、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張する理由及び証拠方法によっては、本件発明を無効とすることはできない。
また、他に本件発明を無効とすべき理由を発見しない。
審判費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
マグネットホルダー
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するとともに、挟持されたメモ用紙等を取り外す際に、多方向に片手でメモ用紙等を取り外すことができ、且つメモ用紙等にスジが付かないよう取り外すことのできるマグネットホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マグネットホルダー本体のほぼ中心位置にマグネットを固定して配置されたマグネットホルダー等が市販されているが、当該マグネットホルダーにあっては、単にマグネットの吸着によりメモ用紙等を挟持して壁面に保持するだけのものであるため、メモ用紙等を取り外す際には、マグネットホルダー本体が脱落しないように、片手でマグネットホルダー本体を保持した上で、もう一方の手でメモ用紙等を取り外す必要があった。
【0003】
また、マグネットホルダーを利用してメモ用紙等を壁面に挟持する際には、一旦マグネットホルダーを壁面から外した上で、メモ用紙等を壁面に添えてマグネットホルダーで挟持する必要があった。そんな中、マグネットホルダー本体を保持せずとも、片手でメモ用紙等を取り外すことができるマグネットホルダーが提供されている。
【0004】
例えば、ホルダー本体の裏面側に磁石を取り付けたマグネットホルダーであって、ホルダー本体の裏面側端付近に転動部材を設けることによって、マグネットホルダーで取り付けた紙を、紙の端を引っ張るだけで簡単に外すことができるとともに、マグネットホルダーが壁面から外れて落ちないマグネットホルダーが提供されている(特許文献1)。
【0005】
また、非磁性材料性の本体の両面を外側に凸の曲面でかつ互いに90度交差させ向き合わせた構造とし、本体中央部に希土類磁石をその磁極面が本体両表面と同一か僅かに凹んだ位置となるように埋め込んだ構造とすることによって、磁気吸着力が強くかつ取り外しが容易で、しかも、被掲示体に吸着させた状態でも表側も磁気吸着力を有する使い勝手の良好なマグネットホルダーが提供されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2003-237271号公報
【特許文献2】特開2003-145973号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、マグネットホルダーが2個のマグネットを有し、メモ用紙を壁面に挟持する際には、夫々のマグネットを壁面に添えたメモ用紙に吸着させるために、メモ用紙に対してマグネットホルダーの位置や方向を合わせなければならないという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、被掲示体を取り外す際、マグネットホルダーに挟持された被掲示体を手前方向に片手で引張すると、マグネットホルダーと被掲示体の表面とが“面”で接触しながら上方向に移動することから、マグネットホルダー本体の下端と被掲示体との接地部が擦れ合って、どうしてもメモ用紙にスジが付いてしまって見苦しく、当該メモ用紙を破棄する等、その後利用できなくなるという問題があった。
【0008】
さらに、上記両特許文献に記載の技術では、マグネットホルダーを壁面から外すことなくメモ用紙等を壁面に挟持することはできず、片手にマグネットホルダーを保持等しながら、もう一方の手でメモ用紙等をマグネットホルダーと壁面との間に挿入して挟持させなければならない。すなわち、片手での挟持が不可能であることから、片手が塞がっている場合等には、メモ用紙等の挟持が非常に手間になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、請求項1に記載のマグネットホルダーは、メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するマグネットホルダーであって、前記マグネットホルダーは、球形状で形成されたホルダー本体に空間部が設けられ、該ホルダー本体の外周面をゴム製とし、且つ内周面をセルロイド又はポリエチレン製とする二層構造に構成するとともに、前記球形状のホルダー本体が一対の半球体の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成され、前記空間部内において遊動可能な球形状のマグネットが前記空間部内に内包されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る請求項1に記載のマグネットホルダーによれば、メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するとともに、挟持されたメモ用紙等を取り外す際に、多方向に片手でメモ用紙等を取り出すことができ、且つメモ用紙にスジが付かないように取り外すことができる。また、ホルダー本体を二層構造にしたことにより、ゴムの摩擦力によってメモ用紙5上をスムーズに転動可能になるとともに、マグネットが内壁面を滑らかに摺動することができる。また、ホルダー本体を一対の半球体で着脱可能な構成にしたことにより、磁石の交換等の補修管理が容易となる。さらに、ホルダー本体に内包するマグネットを球形状としたことにより、内壁面との吸着状態を維持しながら回転又は摺動が容易となる。
【0011】
また、マグネットホルダーを壁面から外すことなく、片手で容易にメモ用紙等を壁面に挟持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。図1は、本発明に係るマグネットホルダー1の外観斜視図である。本発明に係るマグネットホルダー1は、空間部3が設けられた球形状のホルダー本体2と、前記空間部3に内包されたマグネット4とから構成される。
【0013】
ホルダー本体2は、セルロイドやポリエチレン等の合成樹脂、ゴム等の弾性素材、又は金属等で構成され、中空のピンポン玉構造のようにホルダー本体2内には空間部3が形成される。また、ホルダー本体2は、一般的に使用頻度の高いA4サイズの用紙を挟持することを基準にすれば、直径約30mmのピンポン玉程度の大きさで形成される。ホルダー本体2の厚みも同様に、ピンポン玉程度の約1?2mmで構成されるが、マグネット4の磁気力が遮断されない程度の厚みで構成されればよい。
【0014】
但し、ホルダー本体2は、その使用用途によっては、例えば、カレンダー又はポスター等の比較的大サイズの用紙を壁面に挟持する場合、逆に電話のメモ用紙のように比較的小サイズの用紙を壁面に挟持する場合には、その用紙サイズに適合して大きさを変更してもよく、一定の大きさに限定されるものではない。なお、ホルダー本体2が小型化される程、メモ用紙等を挟持する際の省スペース化を図ることができる。
【0015】
マグネット4は、空間部3の断面積に対して、約1/2以下の面積の略円形状で形成され、空間部3内において遊動可能に内包される。マグネット4の磁気力の強弱は、例えば、厚手の用紙又はクリップ等で綴じた用紙等の挟持等、その使用用途によって任意に選択すればよい。
【0016】
図2はマグネットホルダー1の形成過程を示す図である。ホルダー本体2は、一対の半球体2a及び2bから成り、半球体2a及び2bのどちらか一方の外周縁には凹形状が、もう一方の外周縁には凸形状が互いに嵌合可能に形成されている。本発明に係るマグネットホルダー1を形成するには、当該半球体2a或いは2bの一方の内側部にマグネット4を載置し、他方の半球体2a或いは2bにより、ホルダー本体2内の空間部3にマグネット4を内包するように互いの外周縁に設けられた凹凸形状を嵌合して固定し、マグネット4が空間部3内で遊動可能にマグネットホルダー1を形成する。当該嵌合部分は接着剤等により接着してもよいし、接着せずに開放可能に維持してもよい。また、当該嵌合及び接着部分は、鑢、サンドペーパー又は研磨剤等で研磨し、マグネットホルダー1がメモ用紙5上で転動容易になるよう形成する。なお、当該嵌合部分は、接着剤等で接着させずに固定することで、磁石の交換等の補修管理が容易となる。
【0017】
図3及び図4は、マグネットホルダー1の使用状態を示しており、図3は、マグネットホルダー1及び壁面6によりメモ用紙5が挟持されている状態を示す断面図である。マグネットホルダー1は、空間部3内に遊動可能に内包されたマグネット4が、ホルダー本体2を以って磁気力が遮断されることなく、ホルダー本体2の内面中央付近で壁面6側に吸着することにより、メモ用紙5を壁面6との間で挟持している。ここで、壁面6は、黒板、ホワイトボード、掲示板又は冷蔵庫の側面等、マグネット4が吸着することのできるものである。
【0018】
図4は、マグネットホルダー1及び壁面6により挟持されたメモ用紙5を取り外す過程を示す断面図である。メモ用紙5を取り外すには、メモ用紙5の下端を片手で把持し手前方向に引張すればよく、マグネットホルダー1は、引張されたメモ用紙5により揚送されるが如く、メモ用紙5の表面上を転動しながら上方向に移動する。そして、メモ用紙5の上端がマグネットホルダー1及び壁面6による挟持から開放されるまで、継続してメモ用紙5を手前方向に引張することにより、マグネットホルダー1及び壁面6により挟持されたメモ用紙5を取り外すことができる。
【0019】
この時、マグネット4は、ホルダー本体2の内面壁面6側の中央付近において、転動するホルダー本体2の内面と擦れ合いながら壁面6への吸着状態を維持するために、マグネットホルダー1が壁面6から脱落することはない。また、マグネットホルダー1及び壁面6により挟持されたメモ用紙5を取り外す際には、滑らかな球形のマグネットホルダー1がホルダー本体2と“点”で接触しながら、メモ用紙5の表面上を転動するのみであるため、マグネットホルダー1及びメモ用紙5の接点で擦れ合わず、メモ用紙5の表面にスジが付くことはない。なお、ホルダー本体2をゴム等の弾性素材で構成した場合には、合成樹脂等又は金属等で構成した場合に比して、摩擦力が強いため、マグネットホルダー1は、メモ用紙5上をよりスムーズに転動することができるとともに、弾性力に富むことから、メモ用紙5との接地点でスジを付けることもない。また、マグネット4は、ホルダー本体2の空間部3内での良好な摺動を勘案すれば、可及的小型に構成した方がよい。
【0020】
図5は、マグネットホルダー1が多方向に転動可能な様子を説明する図である。上記説明では、メモ用紙5の下端を把持して手前方向に引張して下方からメモ用紙5を取り外す場合を説明したが、本発明に係るマグネットホルダー1は球形状に構成されることから、メモ用紙5を片手で把持し手前方向に引張することにより、上方、斜め方向、左右方向等のあらゆる方向から、マグネットホルダー1及び壁面6により挟持されたメモ用紙5を取り外すことができる。
【0021】
以上のように構成することにより、メモ用紙5等をマグネット4で壁面6に吸着させて挟持するとともに、挟持されたメモ用紙5等を取り外す際に、多方向に片手でメモ用紙5等を取り出すことができ、且つメモ用紙5にスジが付かないよう取り外すことができる。
【0022】
また、図6に示したように、マグネットホルダー1が壁面6に吸着している状態において、球形状で縁断面が曲線で形成されるマグネットホルダー1と断面が直線で形成される壁面6との間には、マグネットホルダー1と壁面6との接地点までに緩やかに狭まる間隙が構成される。これにより、メモ用紙5をマグネットホルダー1の下方からメモ用紙5の上端を当該間隙に挿入するように押勢すれば、メモ用紙5の上端が当該間隙に挟持され、したがって、マグネットホルダー1を壁面6から一方の手で保持する必要はなく、片手で容易にメモ用紙5等を壁面6に挟持することができる。
【0023】
上記実施例のマグネット4は、略円形状で形成されたが、マグネット4を球形状に構成してもよい。当該構成とすることで、球形状のマグネット4は、マグネットホルダー1及び壁面6により挟持されたメモ用紙5を取り外す際に、ホルダー本体2の内面中央付近で壁面6との吸着状態を維持しながら回転又は摺動容易となるために、ホルダー本体2の内壁面と擦れ合うことはなく、マグネットホルダー1の転動がよりスムーズになり、メモ用紙5等の取り外しが容易となる。
【0024】
上記実施例のホルダー本体2は、球形状に形成されたが、図7(a)に示したようにカプセル形状に形成してもよく、カプセル形状のホルダー本体2の空間部3内のマグネット4は、ホルダー本体2の空間部3内において遊動可能な略円形状、球状或いは棒状で構成されて空間部3に内包される。当該構成とすることで、カプセル形状のマグネットホルダー1及び壁面6により挟持されたメモ用紙5等を取り外す方向は上下の軸直交方向に制限されるものの、カプセル形状のホルダー本体2とメモ用紙5等が“線”で接触することから、上記実施例の球形状であって、メモ用紙5等と“点”で接触するマグネットホルダー1よりも強力且つ堅固にメモ用紙5等を挟持することができる。
【0025】
また、図6に示したように、カプセル形状で縁断面が曲線で形成されるマグネットホルダー1と断面が直線で形成される壁面6との間には、マグネットホルダー1と壁面6との接地点までに緩やかに狭まる間隙が構成される。これにより、メモ用紙5をマグネットホルダー1の下方からメモ用紙5の上端を当該間隙に挿入するように押勢すれば、メモ用紙5の上端が当該間隙に挟持され、したがって、カプセル形状のマグネットホルダー1を使用しても、マグネットホルダー1を壁面6から一方の手で保持する必要はなく、片手で容易にメモ用紙5等を壁面6に挟持することができる。
【0026】
また、図7(b)に示したように、ホルダー本体2を楕円球形状で形成してもよく、また、図示はしないが円柱形状で形成してもよい。当該形状でマグネットホルダー1を構成したとしても、上述したカプセル形状のマグネットホルダー1と同様の効果を得ることができる。
【0027】
また、前記各実施例のホルダー本体2において、外周面にゴム等の弾性素材、内周面に合成樹脂等或は金属等の2層構造に構成してもよい。これにより、マグネットホルダー1は、メモ用紙5上をスムーズに転動することができると同時に、マグネット4がホルダー本体2の内壁面を滑らかに摺動することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
上記実施例では、ホルダー本体2に中空の空間部3が構成されたが、ホルダー本体2内を、ホルダー本体2と同様の非磁性材、綿或いはウレタン・スポンジ等で満たし、中実に構成してもよく、ホルダー本体2をフェルト等の繊維素材で構成してもよい。この場合、マグネット4は、壁面6に吸着可能な程度の磁気力を有し、上記の各実施例と同様にホルダー本体2の断面積の1/2以下の略円形状、球形状又は棒状で形成されるとともに、ホルダー本体2の重心部に固定又は固着される。
【0029】
また、ホルダー本体2を金属で構成し、ホルダー本体2内をマグネット4で満たすことにより、パチンコ玉構造のように中実で構成してもよい。この場合、ホルダー本体2を構成する金属は、磁性体の金属で構成されてよく、非磁性体の金属で構成されてもよい。
【0030】
また、上記実施例では、メモ用紙5等を壁面6に挟持することに本発明に係るマグネットホルダー1を使用したが、コピー用紙5等の切断時の紙押え又は金属製クリップの散乱防止ホルダーとしても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るマグネットホルダーの外観斜視図である。
【図2】当該マグネットホルダーの形成過程を示す図である。
【図3】当該マグネットホルダーの使用状態を示す図である。
【図4】メモ用紙を取り外す過程を説明する図である。
【図5】当該マグネットホルダーが多方向に転動可能な様子を説明する図である。
【図6】メモ用紙を片手で挟持する様子を説明する図である。
【図7】他の実施例を説明する図である。
【符号の説明】
【0032】
1 マグネットホルダー
2 ホルダー本体
2a 半球体
2b 半球体
3 空間部
4 マグネット
5 メモ用紙
6 壁面
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】メモ用紙等をマグネットで壁面に吸着させて挟持するマグネットホルダーであって、前記マグネットホルダーは、球形状で形成されたホルダー本体に空間部が設けられ、ホルダー本体の外周面をゴム製とし、且つ内周面をセルロイド又はポリエチレン製とする二層構造に構成するとともに、前記球形状のホルダー本体が一対の半球体の周縁部を嵌合することによって着脱可能に形成され、前記空間部内において遊動可能な球形状のマグネットが前記空間部内に内包されてなることを特徴とするマグネットホルダー。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2010-08-31 
結審通知日 2010-09-02 
審決日 2010-09-14 
出願番号 特願2007-260863(P2007-260863)
審決分類 P 1 113・ 572- YA (B42F)
P 1 113・ 121- YA (B42F)
P 1 113・ 571- YA (B42F)
P 1 113・ 537- YA (B42F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小野 忠悦安久 司郎  
特許庁審判長 江成 克己
特許庁審判官 長島 和子
野村 伸雄
登録日 2009-03-27 
登録番号 特許第4281021号(P4281021)
発明の名称 マグネットホルダー  
代理人 武藤 勝典  
代理人 中井 信宏  
代理人 中井 信宏  
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