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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C02F
管理番号 1227043
審判番号 不服2007-15166  
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-05-28 
確定日 2010-11-10 
事件の表示 特願2001-518358「イオン選択性膜を用いる塩水脱塩プロセス」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 3月 1日国際公開、WO01/14256、平成15年 2月25日国内公表、特表2003-507183〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2000年8月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1999年8月20日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成18年6月1日付けで拒絶理由通知書が起案され、同年9月6日に明細書の記載に係る手続補正書及び意見書が提出され、平成19年2月20日付けで拒絶査定が起案され、同年5月28日に拒絶査定不服審判が請求され、同年6月27日に明細書の記載に係る手続補正書が提出され、平成21年9月2日付けで特許法第164条第3項に基づく報告を引用した審尋が起案され、同年12月8日に回答書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1乃至請求項18に係る発明は、平成19年6月27日付けの手続補正書により補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至請求項18に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】(a)高濃度の硬度イオンを含有する水の第1の水流をイオン選択性膜に通して、低減された含有量の硬度イオンを有する軟質水を形成して循環させる工程と、
(b)前記軟質水を、前記軟質水より高濃度の硬度イオンを含有する水の第2の水流とブレンドして、脱塩システムへの供給水を形成する工程と、
(c)前記脱塩システムに前記供給水を導入して、飲用性の生産水を形成する工程とを含む、飲用水を製造するための脱塩プロセスであって、前記第1の水流が前記イオン選択性膜を通過する前に前記水流に酸を添加する工程を有することを特徴とする脱塩プロセス。」

第3 本出願前に頒布された引用刊行物の記載
(1)刊行物1(特開平8-206460号公報、原査定の拒絶理由の引用例1)
(1-ア)「【従来の技術】混合物の分離に関して、溶媒(例えば水)に溶解した物質(例えば塩類)を除くための技術には様々なものがあるが、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして膜分離法が利用されてきている。膜分離法のなかには、精密濾過(MF;Microfiltration)法、限外濾過(UF;Ultrafiltration)法、逆浸透(RO;Reverse Osmosis)法がある。さらに近年になって逆浸透と限外濾過の中間に位置する膜分離(ルースROあるいはNF;Nanofiltration)という概念の膜分離法も現われ使用されるようになってきた。例えば逆浸透法は海水または低濃度の塩水(カン水)を脱塩して工業用、農業用または家庭用の水を提供することに利用されている。逆浸透法によれば、塩分を含んだ水を浸透圧以上の圧力をもって逆浸透膜を透過させることで、脱塩された水を製造することができる。この技術は例えば海水、カン水、有害物を含んだ水から飲料水を得ることも可能であるし、また、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などにも用いられてきた。特に逆浸透膜による海水淡水化は、蒸発のような相変化がないという特徴を有しており、エネルギー的に有利である上に運転管理が容易であり、広く普及を始めている。」(段落【0002】)、
(1-イ)「海水供給量に対する真水の収率は、直接コストに寄与するものであり、収率は高いほど好ましいが、実際に収率を上げることについては運転操作面で限度があった。すなわち、収率を上げると濃縮水中の海水成分の濃度が高くなり、ある収率以上では炭酸カルシウムや硫酸カルシウムなどの塩、いわゆるスケール成分の濃度が溶解度以上になって逆浸透膜の膜面に析出して膜の目詰りを生じさせる問題があるからである。
現在の(最高収率として広く認識されている)収率40%程度においては、供給水のpHを7以下に保つならば、これらのスケール成分の析出の心配は小さく特に対応は不要であるが、それ以上の収率、あるいはpHがアルカリ側で逆浸透膜の運転操作を行おうとすると、これらのスケール成分の析出防止のために、塩の溶解性を高めるスケール防止剤を添加することが必要となる。」(段落【0005】?【0006】)。
(1-ウ)「本発明において、膜bとは、いわゆる低圧逆浸透膜、およびルースRO膜が使用できる。
低圧逆浸透膜とは、被分離混合液中の一部の成分、例えば溶媒を透過させ他の成分を透過させない、実質的に逆浸透膜分離が可能な半透性の膜であって、42atmまでの耐圧性を有し、その実質的な使用圧力が20atm以下で、カン水淡水化、超純水製造などで使用される塩濃度の低い溶液を分離対象とした逆浸透膜である。」(段落【0029】?【0030】)
(1-エ)「ルースRO膜とは、分子量数百から数千程度以上の中?高分子量の分子や二価イオン、重金属イオンなどの多価イオンの排除性能は高いが、一価イオンや低分子量物質は透過する性質を持った膜であって、その素材にはポリアミド系、ポリピペラジンアミド系、ポリエステルアミド系、あるいは水溶性のビニルポリマーを架橋したものなどがよく使用されている。」(段落【0033】)
(1-オ)「本発明において、逆浸透膜分離装置とは供給液の取水部分、前処理部分、逆浸透膜部分から少なくともなる。逆浸透膜部分は造水、濃縮、分離などの目的で被処理液を加圧下で逆浸透膜モジュールに供給し、透過液と濃縮液に分離するための部分をいい、通常は逆浸透膜エレメントと耐圧容器からなる逆浸透膜モジュールを配列したユニット、加圧ポンプなどで構成される。該逆浸透膜部分に供給される被分離液は前処理部分で通常、殺菌剤、凝集剤、さらに還元剤、pH調整剤などの薬液添加と砂濾過、活性炭濾過、保安フィルターなどによる前処理(濁質成分の除去)が行なわれる。例えば、海水の脱塩の場合には、取水部分で海水を取込んだ後、沈殿池で粒子などを分離し、またここで殺菌剤を添加して殺菌を行なう。さらに、塩化鉄などの凝集剤を添加して砂濾過を行なう。ろ液は貯槽に貯められ、硫酸などでpHを調整した後高圧ポンプに送られる。この送液中に亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を添加して逆浸透膜素材を劣化させる原因となる殺菌剤を消去し、保安フィルターを透過した後、高圧ポンプで昇圧されて逆浸透モジュールに供給されることもしばしば行われる。ただし、これらの前処理は、用いる供給液の種類、用途に応じて適宜採用される。」(段落【0037】)
(1-カ)「図3は逆浸透膜モジュールユニットAの濃縮水を逆浸透膜モジュールユニットBに供給し、逆浸透膜モジュールユニットBの透過水を逆浸透膜モジュールユニットAの供給水に混合した場合の装置の図である。まず前処理を行なった海水は一段目の逆浸透膜モジュールユニットAに供給され、そこで海水などの高濃度溶液から真水が分離される。濃縮水はそのまま逆浸透膜モジュールユニットBに供給してもかまわないが、高い回収率を得るために濃縮水昇圧法を用いるのが好ましい。その後、逆浸透膜モジュールユニットAの最終段の濃縮水は逆浸透膜モジュールユニットBに供給されるが、この際濃縮水自身が圧力を有しているので加圧する必要はない。逆浸透膜モジュールユニットBではさらにスケール成分を含む濃縮水と塩濃度が薄くスケール成分を含まない透過水に分離される。逆浸透膜モジュールユニットBの濃縮水はそのまま放出され、透過水は一段目の逆浸透膜モジュールユニットAの供給水に戻して混合される。このとき、一段目の供給水のスケール成分濃度は逆浸透膜モジュールユニットBの透過水によって薄められるので逆浸透膜モジュールユニットAでは通常の40%よりも高い回収率で運転が可能となるのである。さらに、図3のケースでスケール防止剤を添加する場合にはスケール防止剤は膜bの供給水に添加するだけでよく、全体の供給水の量に比べて逆浸透膜モジュールユニットBの供給水の量は少なくなるのでトータルとしてのスケール防止剤の量は少なくてすむという利点がある。」(段落【0040】)

第4 引用発明の認定
刊行物1には、摘記事項(1-カ)に「逆浸透膜モジュールユニットAの濃縮水を逆浸透膜モジュールユニットBに供給し、逆浸透膜モジュールユニットBの透過水を逆浸透膜モジュールユニットAの供給水に混合した場合」が記載され、「海水は一段目の逆浸透膜モジュールユニットAに供給され、そこで海水などの高濃度溶液から真水が分離される。濃縮水はそのまま逆浸透膜モジュールユニットBに供給」されること、「逆浸透膜モジュールユニットBではさらにスケール成分を含む濃縮水と塩濃度が薄くスケール成分を含まない透過水に分離される」こと、「透過水は一段目の逆浸透膜モジュールユニットAの供給水に戻して混合される。このとき、一段目の供給水のスケール成分濃度は逆浸透膜モジュールユニットBの透過水によって薄められるので逆浸透膜モジュールユニットAでは通常の40%よりも高い回収率で運転が可能となる」こと及び「スケール防止剤を添加する場合にはスケール防止剤は膜bの供給水に添加するだけでよ」いことが記載され、摘記事項(1-オ)に本発明の例として「海水の脱塩の場合」が記載されているから、刊行物1には、「脱塩」に関する方法が記載されていることは明らかである。
したがって、刊行物1には、「海水は一段目の逆浸透膜モジュールユニットAに供給され、そこで海水などの高濃度溶液から真水が分離され、濃縮水はそのまま逆浸透膜モジュールユニットBに供給され、逆浸透膜モジュールユニットBではさらにスケール成分を含む濃縮水と塩濃度が薄くスケール成分を含まない透過水に分離され、透過水は一段目の逆浸透膜モジュールユニットAの供給水に戻して混合され、一段目の供給水のスケール成分濃度は逆浸透膜モジュールユニットBの透過水によって薄められ、スケール防止剤を添加する場合にはスケール防止剤は膜bの供給水に添加する脱塩方法」の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。

第5 対比・検討
そこで、本願発明1と刊行物1発明とを比較すると、
刊行物1発明の「スケール成分」は、「炭酸カルシウムや硫酸カルシウムなどの塩」であることが摘記事項(1-イ)に記載され、水溶液中でイオンとして存在することは当業者において自明であるから、本願発明1の「硬度イオン」に相当し、刊行物1発明の「分離」された「真水」は、「飲用性の生産水」に相当することは明らかであり、刊行物1発明の「塩濃度が薄くスケール成分を含まない透過水」は、本願発明1の「低減された含有量の硬度イオンを有する軟質水」に相当し、刊行物1発明の「透過水は一段目の逆浸透膜モジュールユニットAの供給水に戻して混合され」ることは、本願発明1の「軟質水を形成して循環させ」ることに外ならず、刊行物1発明の「一段目の供給水のスケール成分濃度は逆浸透膜モジュールユニットBの透過水によって薄められ」ることは、本願発明1の「軟質水を、前記軟質水より高濃度の硬度イオンを含有する水の第2の水流とブレンドして、脱塩システムへの供給水を形成する」ことに相当することは明らかである。そして、刊行物1発明の「一段目の逆浸透膜モジュールユニットA」は、本願発明の「脱塩プロセス」の一態様(本願の請求項3参照)である「逆浸透」の主たる構成要素であるから、刊行物1発明には、「脱塩システム」が記載されているということができる。また、刊行物1発明の「逆浸透膜モジュールユニットB」は、本願発明1の「イオン選択性膜」と「膜」である点で共通する。さらに、刊行物1発明の「スケール防止剤を添加する場合にはスケール防止剤は膜bの供給水に添加する」は、本願発明1の「第1の水流が前記イオン選択性膜を通過する前に前記水流に酸を添加する工程」と「第1の水流が前記膜を通過する前に前記水流に薬剤を添加する工程」で共通する。
したがって、本願発明1と刊行物1発明とは、
「高濃度の硬度イオンを含有する水の第1の水流を膜に通して、低減された含有量の硬度イオンを有する軟質水を形成して循環させる工程と、
前記軟質水を、前記軟質水より高濃度の硬度イオンを含有する水の第2の水流とブレンドして、脱塩システムへの供給水を形成する工程と、
前記脱塩システムに前記供給水を導入して、飲用性の生産水を形成する工程とを含む、飲用水を製造するための脱塩プロセスであって、前記第1の水流が前記膜を通過する前に前記水流に薬剤を添加する工程を有することを特徴とする脱塩プロセス。」で一致し、以下の(1)及び(2)の点で相違する。
相違点(1)本願発明1は、「膜」について、「イオン選択性膜」としているのに対して、刊行物1発明は、「逆浸透膜モジュールユニットB」としている点、
相違点(2)本願発明1は、「薬剤」について、「酸」としているのに対して、刊行物1発明は、「スケール防止剤」とする点。
各相違点について以下で検討する。
A.相違点(1)について
本願発明1の「イオン選択性膜」の技術的意義は、「イオン選択性膜も当分野で知られている。本発明により意図されるように、膜は、硬度イオンが膜を通ることを選択的に防止するが同時に水および無害イオンは通させる膜であることが好ましい。本発明の明確な目的のために、膜は硬度イオンを選択的に除去して軟水化するために用いられる。膜の選択性は膜の特性機能であり、たとえば膜の孔径または電荷が挙げられる。したがって、これらの基準を満たす、既知の市販により入手可能なイオン選択性膜のいずれも本発明により用いることができる。たとえば、ポリアミド膜は、硫酸塩イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、および重炭酸塩イオンが該膜を通ることを選択的に防止するのに特に有効である。」(特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書段落【0017】)というもので、「本発明の一実施形態では、ナノ濾過(NF)膜はイオン選択性膜として用いられる。」(同書段落【0011】)と記載されている。
一方、刊行物1の摘記事項(1-ア)には、「近年になって逆浸透と限外濾過の中間に位置する膜分離(ルースROあるいはNF;Nanofiltration)という概念の膜分離法も現われ使用されるようになってきた」ことが記載され、同(1-ウ)には、「本発明において、膜bとは、いわゆる低圧逆浸透膜、およびルースRO膜が使用できる。」とし、同(1-エ)には、「ルースRO膜とは、分子量数百から数千程度以上の中?高分子量の分子や二価イオン、重金属イオンなどの多価イオンの排除性能は高いが、一価イオンや低分子量物質は透過する性質を持った膜であって、その素材にはポリアミド系、ポリピペラジンアミド系、ポリエステルアミド系、あるいは水溶性のビニルポリマーを架橋したものなどがよく使用されている。」とされ、同(1-カ)の「図3のケースでスケール防止剤を添加する場合にはスケール防止剤は膜bの供給水に添加するだけでよく、全体の供給水の量に比べて逆浸透膜モジュールユニットBの供給水の量は少なくなるのでトータルとしてのスケール防止剤の量は少なくてすむという利点がある。」の記載から明らかなように、膜bは、逆浸透膜モジュールユニットBに用いられるものであるから、本願発明1の「イオン選択性膜」と、NFという概念、ポリアミド膜という材質及び多価イオンの排除性能は高いが、一価イオンや低分子量物質は透過するという機能において一致し、異なるところがないので、実質的な相違点ではない。
B.相違点(2)について
本願発明1の「第1の水流が前記イオン選択性膜を通過する前に前記水流に酸を添加する工程」の技術的意義は、「スケール形成イオン、特に炭酸塩および水酸化マグネシウムのスケールからのさらなる保護は、海水がイオン選択性膜を通る前に、化学量論的量の酸、たとえば10?100ppmの海水供給水を添加することである。この目的に適した酸の例としては、塩酸および硫酸が挙げられる。酸の添加により、イオン選択性膜が保護され、阻止および濾過が改善され、アルカリ度が低減される。さらに、酸および膜の処理の組み合わせは、スケール防止剤(antiscalant)の使用を低減あるいは任意になくすことにより、脱塩プラントに追加的な保護を提供できる。」(特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書段落【0026】)というものである。
刊行物1の摘記事項(1-オ)には、前処理部分ではあるが、「ろ液は貯槽に貯められ、硫酸などでpHを調整した後高圧ポンプに送られる。」ことが記載され、pH調整に硫酸などの添加が通常行われていたことが窺える。
そして、例えば、原査定の拒絶理由の引用例2である特開平11-104638号公報(以下、「刊行物2」という。)に「スケール防止を目的としてpHを調整するため、硫酸等のpH調整剤103を注入し、pH値を6.5程度に制御する。」(段落【0009】)と記載されているようにスケール防止のために硫酸等をpH調整剤として注入することは周知であるといえる。刊行物1においても「トータルとしてのスケール防止剤の量は少なくてすむという」(摘記事項(1-カ))ことは一般的な技術課題であるから、刊行物1発明における「スケール防止剤」に替えてpHを7以下に保つために酸を添加することは、当業者が刊行物2等に記載された周知技術を参考にして容易に想到しうることである。

C.本願発明1の効果について
本願発明1において得られる「生産性を著しく増大させる」という効果も、前記したように、刊行物1に記載された効果及び記載から示唆されている効果と同等であるということができるから、格別であるとすることができない。

D.してみると、本願発明1における刊行物1発明に対する相違点(1)は、実質的なものでなく、相違点(2)は、当業者が刊行物2等に記載された周知技術を考慮することにより容易に想到し得るというべきである。
よって、本願発明1は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 回答書の補正案について
請求人は、平成21年12月8日に回答書を提出して、請求項1を「(a)高濃度の硬度イオンを含有する水の第1の水流をイオン選択性膜に通して、低減された含有量の硬度イオンを有する軟質水を形成する工程と、
(b)前記軟質水を、前記軟質水より高濃度の硬度イオンを含有する水の第2の水流とブレンドして、95℃?180℃で操作される脱塩プラント処理とナノろ過処理とを組合わせたシステムへの供給水を形成する工程と、
(c)前記システムに前記供給水を導入して、飲用性の生産水を形成する工程とを含む、ことを特徴とする脱塩プロセス。」とする補正案を提示するが、この補正案において特定事項とする「95℃?180℃で操作される脱塩プラント処理」は、「多段フラッシュ蒸留」のみで裏付けのある温度範囲を逆浸透、多重効用式蒸留及び蒸気圧縮蒸留などを含む脱塩プラント処理に一般化したもので、サポート要件を満足しておらず、直ちにこれを採用して、原査定を取り消すことができないものであるから、補正の機会を設けることはできない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、本願発明1は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定によって特許を受けることができないものである。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-06-11 
結審通知日 2010-06-15 
審決日 2010-06-28 
出願番号 特願2001-518358(P2001-518358)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C02F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中村 敬子  
特許庁審判長 松本 貢
特許庁審判官 深草 祐一
斉藤 信人
発明の名称 イオン選択性膜を用いる塩水脱塩プロセス  
代理人 三澤 正義  
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