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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1227950
審判番号 不服2009-20742  
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-28 
確定日 2010-12-02 
事件の表示 特願2003-313467「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成17年3月31日出願公開、特開2005-80728〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第一.手続の経緯
本願は、平成15年9月5日の出願であって、拒絶理由通知に対して平成21年1月19日に手続補正書が提出され、その後なされた拒絶査定に対し、平成21年10月28日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。
また、当審において、平成22年4月5日付けで審査官による前置報告書の内容を添付して審尋を行ったが、請求人から回答書の提出はなかった。

第二.平成21年10月28日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年10月28日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により補正された補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)は次のとおりである。
「 動画像を表示する画像表示装置を備えた遊技機であって、
遊技の進行を制御する主制御装置と、
前記主制御装置からの指示に基づいて前記画像表示装置における動画像の表示態様を制御する表示制御プロセッサを有し、遊技の進行に応じた動画像を前記画像表示装置に表示させる表示制御装置と
を備え、
前記表示制御プロセッサは、
前記表示態様の制御に必要な動作を規定した制御プログラムを記憶するリードオンリメモリと、
所定のデータを揮発的に記憶可能な複数のメモリ領域を有するランダムアクセスメモリと、
前記リードオンリメモリに記憶された前記制御プログラムを、前記ランダムアクセスメモリが有する少なくとも1つの前記メモリ領域にロードし実行するセントラルプロセッシングユニットと、
前記セントラルプロセッシングユニットが起動時の初期設定処理を開始した後、前記制御プログラムが前記ランダムアクセスメモリにロードされる前に、前記複数のメモリ領域毎に正常または異常の判別を行うことによって前記複数のメモリ領域毎の信頼性を判断し、前記信頼性が異常と判断されたメモリ領域の使用を禁止することによって、前記制御プログラムの記憶を実行するメモリ領域を、前記信頼性が正常と判断されたメモリ領域から選定するメモリ選定手段と、
前記セントラルプロセッシングユニットが前記ランダムアクセスメモリに対する前記制御プログラムの読み書きに用いる論理アドレスを、前記選定されたメモリ領域上の物理アドレスに変換するメモリ管理ユニットと
を備える、遊技機。」
(下線部は補正によって追加又は変更された箇所。)

2.補正要件(目的)の検討
請求項1についての補正は、発明を特定するために必要な事項である、「複数のメモリ領域毎の信頼性を判断」することについて、「複数のメモリ領域毎に正常または異常の判別を行うことによって」行う点及び同じく「制御プログラムの記憶を実行するメモリ領域」について「信頼性が異常と判断されたメモリ領域の使用を禁止することによって」、「前記信頼性が正常と判断されたメモリ領域から選定する」点を付加する補正である。
してみると、前記各補正は、補正前の発明特定事項を限定する補正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に相当する。
また、補正前の請求項2?5は削除された。
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第1号及び第2号に該当する。

3.補正要件(独立特許要件:特許法第29条第2項)の検討
(1)引用刊行物記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、特開2001-198289号公報(以下「引用文献」という。)には、以下の事項が記載されている。

【0014】一方、本発明の遊技機は、図1に示すように、入賞判定など遊技の進行を制御する遊技制御手段aと、入賞判定の結果など遊技動作に関連する画像又は遊技動作を演出する画像を表示する図柄表示装置bと、前記遊技制御手段aからの表示制御信号に基づいて、前記図柄表示装置bの表示画像を制御する図柄制御手段cと、を備えた遊技機において、前記図柄制御手段cは、電源が投入されたとき、前記遊技制御手段aから表示制御信号が出力されるまでの間に図柄表示装置bを電源投入前と略同様な無地の画面状態とする初期画面用の画像データ及び前記遊技制御手段aからの表示制御信号に基づいた画像表示用の画像データを生成する画像信号生成手段dと、を備えている。・・・
【0020】図2に正面図で示された遊技機1は、外枠となる枠体11と、枠体11の前面側に組み付けられたフロントパネル12とを備えており、フロントパネル12は遊技盤13と、この遊技盤13を覆うガラス扉14とを含んで構成されている。・・・
【0021】遊技盤13は、詳細は図示しないが、例えば遊技球の発射通路を形成する内外のガイドレール21と、ガイドレール21の内方の遊技領域に配置された多数の遊技くぎ(図示していない)と、それぞれ左右一対の一般入賞口22,23と、始動入賞口24と、通過ゲート25と、遊技球に係合し回転する左右各一対の風車26と、大入賞口27と、上方側左右の装飾用ランプ31と、遊技状態を演出するための複数の表示ランプ32,33,34と、遊技領域の略中央部(左右方向中央付近で上下方向中央よりわずかに上側寄り)に配置された図柄表示画面部41を有する図柄表示装置40と、を具備している。ここで、図柄表示画面部41は、所定方式の表示制御信号に基づいて、遊技動作に関連する画像及び演出画像として、所定の図柄や背景画像を表示するもので、その画面中で前記図柄を移動させるような可変表示ができる。この図柄表示画面部41は、例えば液晶ディスプレイやCRT(陰極線管)ディスプレイ等によって形成されている。
【0030】CPU51は、本発明にいう遊技制御手段の機能を有するもので、ROM52に格納された所定の制御プログラムに従い、センサ61?67等からの検知情報及び各操作部からの操作信号に基づいて、RAM53との間でデータの授受を行いながらデータ処理を実行し、図3に示すように、出力インターフェース回路56を介して装飾ランプ表示制御基板71、図柄制御基板72、音声制御基板73、賞球制御基板74、普通電動役物制御回路75及び大入賞口制御回路76にそれぞれ対応する制御信号を出力するようになっている。また、CPU51は、遊技機1の図示しない電源スイッチがONとなって電源が投入されたとき、メモリチェックと自己の所定の機能が正常に発揮できるか否かの診断処理とを実行するようになっている。
【0032】図柄制御基板72は、CPU51を有する制御装置50からの表示制御信号に応じて図柄表示装置40の表示画像を制御することができる図柄制御手段となっており、始動入賞時に図柄表示装置40の表示画面部41で特別図柄を変動表示したり、演出用図柄を変動表示したりすることができるようになっている。具体的には、図柄制御基板72は、図7に示すように、例えばマイクロプロセッサユニット(MPU)を有するCPU721、表示制御信号データを一時的に格納する記憶手段としてのRAM722、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)723、及びカウンタタイマコントローラ(CTC)724、プログラムROM725、画像ROM726、リセットIC727、D/A変換器728等で構成されている。
【0044】まず、図4において、電源が投入されると、その直後に、図柄制御基板72において、まず、CPU721のマイクロプロセッサユニットの動作について初期設定がされるとともに(ステップS1)、RAM722がクリアされる(ステップS2)。
【0045】次いで、図柄制御基板72内のビデオディスプレイプロセッサ723の動作の初期設定がされた後(ステップS3)、CPU51からの所定の表示制御信号に従ってこのビデオディスプレイプロセッサ723での画像信号生成処理を開始するのに先立ち、図柄表示画面部41の初期画面表示が必要なことを表す初期画面表示フラグ(“1”)がRAM722の所定のフラグセット領域にセットされる(ステップS4)。そして、この初期画面表示フラグがセットされると、後述する受信コマンド分析処理が実行される(ステップS5)。

摘記した上記の記載や図面等によれば、引用文献には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「 遊技動作に関連する画像及び演出画像を表示する図柄表示装置40を備えた遊技機1であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段の機能を有する制御装置50と、
前記制御装置50からの表示制御信号に応じて前記図柄表示装置40の表示画像を制御することができる図柄制御手段となっており、始動入賞時に図柄表示装置40の表示画面部41で特別図柄を変動表示したり、演出用図柄を変動表示したりすることができるようになっている図柄制御基板72と
を備え、
前記図柄制御手段は、
プログラムROM725と、
表示制御信号データを一時的に格納する記憶手段としてのRAM722と、
CPU721等で構成され、
電源が投入されると、その直後に、前記図柄制御基板72において、まず、前記CPU721のマイクロプロセッサユニットの動作について初期設定がされるとともに、前記RAM722がクリアされ、次いで、前記図柄制御基板72内のビデオディスプレイプロセッサ723の動作の初期設定がされた後、初期画面表示フラグが前記RAM722の所定のフラグセット領域にセットされる
遊技機1。」

(2)引用発明と本願補正発明との対比
引用発明の「図柄表示装置40」及び「遊技制御手段の機能を有する制御装置50」は、それぞれ本願補正発明の「画像表示装置」及び「主制御装置」に相当する。
さらに、引用文献の記載等からみて、以下のことがいえる。

a.引用発明の「遊技動作に関連する画像及び演出画像」の少なくとも一部が動画像であることは自明であるから、引用発明の「図柄表示装置40」は、動画像を表示するものであるといえる。

b.引用発明の「前記制御装置50からの表示制御信号」及び「前記図柄表示装置40の表示画像」は、それぞれ本願補正発明の「前記主制御装置からの指示」及び「前記画像表示装置における動画像の表示態様」に相当するから、引用発明の「前記制御装置50からの表示制御信号に応じて前記図柄表示装置40の表示画像を制御することができる図柄制御手段」は、本願補正発明の「前記主制御装置からの指示に基づいて前記画像表示装置における動画像の表示態様を制御する表示制御プロセッサ」に相当する。
また、引用発明において「始動入賞時に特別図柄を変動表示したり、演出用図柄を変動表示したりする」ことは、本願補正発明において「遊技の進行に応じた動画像を前記画像表示装置に表示させる」ことに相当するから、引用発明の「始動入賞時に図柄表示装置40の表示画面部41で特別図柄を変動表示したり、演出用図柄を変動表示したりする図柄制御基板72」は、本願補正発明の「遊技の進行に応じた動画像を前記画像表示装置に表示させる表示制御装置」に相当する。
そして、引用発明では「図柄制御手段」と「図柄制御基板72」は同等のものとなっているが、同等のものであれば、「図柄制御基板72」が「図柄制御手段」を有すると捉えても、その構成に実質的な差が生じないことは明らかである。

c.引用文献には「プログラムROM725」についての詳しい説明はないが、図柄制御手段を構成するものであることを考慮すれば、表示制御に必要な制御プログラムを記憶するものであることは明らかであるから、引用発明の「プログラムROM725」は、本願補正発明の「表示態様の制御に必要な動作を規定した制御プログラムを記憶するリードオンリメモリ」に相当するものといえる。

d.通常「RAM」はデータを揮発的に記憶するものであり、複数のメモリ領域を有していることも当然であるから、引用発明の「表示制御信号データを一時的に格納する記憶手段としてのRAM722」は、本願補正発明の「所定のデータを揮発的に記憶可能な複数のメモリ領域を有するランダムアクセスメモリ」に相当するものといえる。

e.引用文献には「CPU721」についての詳しい説明はないが、CPUである以上、なんらかの制御プログラムに従った動作を実行することは明らかである。
また、上記c.で述べたことや、「CPU721」が「プログラムROM725」等とともに図柄制御手段を構成していることを合わせ考えると、引用発明の「CPU721」は「プログラムROM725」に記憶された制御プログラムを実行するものということができる。
そうしてみると、引用発明の「CPU721」と本願補正発明の「セントラルプロセッシングユニット」は、“リードオンリメモリに記憶された制御プログラムを実行する”点では共通しているといえる。

f.引用発明において「電源が投入される」時及び「CPU721のマイクロプロセッサユニットの動作について初期設定がされる」ことは、本願補正発明の「起動時」及び「(セントラルプロセッシングユニットが行う)初期設定処理」に相当する。
そして、引用発明において「RAM722がクリアされ」、「初期画面表示フラグが前記RAM722の所定のフラグセット領域にセットされる」ことと、本願補正発明において「複数のメモリ領域毎の信頼性を判断し」、「制御プログラムの記憶を実行するメモリ領域を、前記信頼性が正常と判断されたメモリ領域から選定」し、「制御プログラムの読み書きに用いる論理アドレスを、前記選定されたメモリ領域上の物理アドレスに変換する」ことは、“ランダムアクセスメモリに所定の処理を施す”点では共通している。
そうしてみると、両者は“セントラルプロセッシングユニットが起動時の初期設定処理を開始した後、ランダムアクセスメモリに所定の処理を施す手段を備える”点で共通しているということができる。

以上を総合すると、両者は、
「 動画像を表示する画像表示装置を備えた遊技機であって、
遊技の進行を制御する主制御装置と、
前記主制御装置からの指示に基づいて前記画像表示装置における動画像の表示態様を制御する表示制御プロセッサを有し、遊技の進行に応じた動画像を前記画像表示装置に表示させる表示制御装置と
を備え、
前記表示制御プロセッサは、
前記表示態様の制御に必要な動作を規定した制御プログラムを記憶するリードオンリメモリと、
所定のデータを揮発的に記憶可能な複数のメモリ領域を有するランダムアクセスメモリと、
前記リードオンリメモリに記憶された前記制御プログラムを実行するセントラルプロセッシングユニットと、
前記セントラルプロセッシングユニットが起動時の初期設定処理を開始した後、前記ランダムアクセスメモリに関する所定の処理を行う手段と
を備える、遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]本願補正発明の「セントラルプロセッシングユニット」は「リードオンリメモリに記憶された制御プログラムを、ランダムアクセスメモリが有する少なくとも1つの前記メモリ領域にロードし実行する」のに対し、引用発明の「CPU721」は「プログラムROM725」に記憶された制御プログラムをランダムアクセスメモリにロードするのか否か不明である点。
[相違点2]“ランダムアクセスメモリに関する所定の処理を行う手段”に関して、本願補正発明は「前記制御プログラムが前記ランダムアクセスメモリにロードされる前に、前記複数のメモリ領域毎に正常または異常の判別を行うことによって前記複数のメモリ領域毎の信頼性を判断し、前記信頼性が異常と判断されたメモリ領域の使用を禁止することによって、前記制御プログラムの記憶を実行するメモリ領域を、前記信頼性が正常と判断されたメモリ領域から選定するメモリ選定手段」と「前記セントラルプロセッシングユニットが前記ランダムアクセスメモリに対する前記制御プログラムの読み書きに用いる論理アドレスを、前記選定されたメモリ領域上の物理アドレスに変換するメモリ管理ユニット」を備えているのに対し、引用発明はそのような手段を備えていない点。

(3)相違点の検討及び判断
[相違点1について]
ゲーム装置において、ROMに記憶されたプログラムを、RAMにロードして実行することは、例えば、特開平9-239153号公報(特に、段落【0005】)や特開2002-219270号公報(特に、段落【0021】)に記載されるように、従来周知の技術(以下「周知技術1」という。)である。
そして、遊技機もゲーム装置の一種であるから、引用発明に周知技術1を適用し、引用発明のプログラムROM725に記憶された制御プログラムをRAM722にロードして実行するようにして、上記相違点1に係る本願補正発明のような構成とすることは、遊技機の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に想到し得る事項である。

[相違点2について]
遊技機において、表示制御を行うCPUがアクセスするRAMのチェックを起動時に行うことは、例えば、特開2000-167143号公報(特に、段落【0019】)や特開平9-234271号公報(特に、段落【0110】)に記載されるように、従来周知の技術(以下「周知技術2」という。)であり、メモリチェックにより異常と判断されたメモリの領域を使用しないようにすることも、例えば、特開平6-44145号公報(特に、段落【0008】)や特開平7-334430号公報(特に、段落【0006】【0009】及び【0010】)に記載されるように、メモリ管理の分野において従来周知の技術(以下「周知技術3」という。)である。
また、CPUとともにメモリ管理手段として、論理アドレス(仮想アドレス)を物理アドレスに変換する手段を備えることは、例えば、特開平7-6061号公報(特に、【請求項1】)、特開平7-210464号公報(特に、段落【0036】)、特開平10-289153号公報(特に、段落【0032】?【0034】)に示されているように、メモリ管理の分野において従来周知の技術(以下「周知技術4」という。)である。
そして、遊技機もメモリを用いて種々の制御を行う装置であるから、引用発明に周知技術2、3を適用し、RAM722がクリアされた際にRAMのチェックを行い、そのチェックにより異常と判断されたメモリの領域を使用しないようにする手段を採用するとともに、周知技術4を適用し、RAM722にデータを記憶させる際に論理アドレス(仮想アドレス)を物理アドレスに変換する手段を採用して、上記相違点2に係る本願補正発明のような構成とすることは、当業者が容易に想到し得る事項である。

(4)まとめ
以上のように相違点1及び2は、いずれも当業者が容易に想到し得るものであり、本願補正発明の作用効果も、引用発明及び周知技術1?4に基いて当業者が予測できる範囲のものである。
よって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術1?4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
したがって、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第三.本願発明について
1.本願発明
平成21年10月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成21年1月19日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「 動画像を表示する画像表示装置を備えた遊技機であって、
遊技の進行を制御する主制御装置と、
前記主制御装置からの指示に基づいて前記画像表示装置における動画像の表示態様を制御する表示制御プロセッサを有し、遊技の進行に応じた動画像を前記画像表示装置に表示させる表示制御装置と
を備え、
前記表示制御プロセッサは、
前記表示態様の制御に必要な動作を規定した制御プログラムを記憶するリードオンリメモリと、
所定のデータを揮発的に記憶可能な複数のメモリ領域を有するランダムアクセスメモリと、
前記リードオンリメモリに記憶された前記制御プログラムを、前記ランダムアクセスメモリが有する少なくとも1つの前記メモリ領域にロードし実行するセントラルプロセッシングユニットと、
前記セントラルプロセッシングユニットが起動時の初期設定処理を開始した後、前記制御プログラムが前記ランダムアクセスメモリにロードされる前に、前記複数のメモリ領域毎の信頼性を判断し、前記制御プログラムの記憶を実行するメモリ領域を、前記判断した信頼性に基づいて前記複数のメモリ領域から選定するメモリ選定手段と、
前記セントラルプロセッシングユニットが前記ランダムアクセスメモリに対する前記制御プログラムの読み書きに用いる論理アドレスを、前記選定されたメモリ領域上の物理アドレスに変換するメモリ管理ユニットと
を備える、遊技機。」

2.特許法第29条第2項の検討
(1)引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献及びその記載事項は、前記「第二.3.(1)」に記載したとおりである。

(2)引用発明と本願発明との対比
本願発明は、前記「第二」で検討した本願補正発明から、「複数のメモリ領域毎の信頼性を判断」することについての限定事項である「複数のメモリ領域毎に正常または異常の判別を行うことによって」行う点を省くとともに、「制御プログラムの記憶を実行するメモリ領域」についての限定事項である「信頼性が異常と判断されたメモリ領域の使用を禁止することによって」、「前記信頼性が正常と判断されたメモリ領域から選定する」点を省いたものといえる。
そうすると、本願発明の構成要件の一部である「複数のメモリ領域毎の信頼性を判断」すること及び「制御プログラムの記憶を実行するメモリ領域」を具体的に限定したものに相当する本願補正発明が、前記「第二.3.(4)」に記載したとおり、引用発明及び周知技術1?4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術1?4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術1?4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第四.むすび
本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項(請求項2?5)について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-09-22 
結審通知日 2010-09-28 
審決日 2010-10-19 
出願番号 特願2003-313467(P2003-313467)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小河 俊弥  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 澤田 真治
川島 陵司
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人明成国際特許事務所  
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