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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1229499
審判番号 不服2007-34707  
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-12-25 
確定日 2011-01-05 
事件の表示 特願2004-551479「電子文書のテキスト情報に関するポインタにより瞬時に起動される2ヶ国語注釈」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 5月27日国際公開、WO2004/044741、平成18年 1月12日国内公表、特表2006-501582〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2003年9月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2002年9月30日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成19年5月30日付けで拒絶理由通知がなされ、同年9月5日付けで手続補正がなされたが、同年9月19日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、平成20年1月24日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成20年1月24日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年1月24日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の請求項12に係る発明
本件手続補正により、特許請求の範囲の請求項12は、
「ユーザ画面に表示される電子文書に含まれる第1言語によるテキスト情報に関する2ヶ国語注釈をユーザに提供する方法であって、
前記テキスト情報を特定するデータを受信するステップと、
前記テキスト情報を言語地理的に標準化されたクエリに変換するステップと、
前記クエリを第2言語に翻訳するステップと、
前記翻訳されたクエリを前記ユーザに転送するステップと、
から構成される方法。」
と補正された。

上記補正は、補正前の請求項12における「クエリ」を「言語地理的に標準化されたクエリ」に限定するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件手続補正後の上記請求項12に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(2)特許法第36条第4項第1号及び第6項第2号についての検討
本願補正発明における「テキスト情報を言語地理的に標準化されたクエリに変換するステップ」について検討する。

本願の実施例に関する発明の詳細な説明の記載において、「テキスト情報」を「標準化されたクエリ」に変換することについて、以下の記載がなされている。

A.「【0021】
図1Aを参照するに、ユーザが「...the book titled Living History written by Hillary Rodham Clinton...」を含むテキストの1つの行にマウスポインタ111を移動させると、多言語LACEアプリケーションは、この行からテキストの一部を画面抽出する。画面抽出されたテキストの一部の長さは、ユーザ要求に従って設定することができる。図1Aの例において、「Living History written by」が画面抽出され、変換モジュール113への入力として送られると仮定する。変換モジュール113は、入力をいくつかの所定の論理、言語及び文法規則に従って、フレーズ、キーワードあるいはセンテンスなどの変換されたクエリに標準化する。画面抽出されたテキストの一部の長さは、エラスティック、フレキシブル、スケーラブルあるいは自動調整可能であることを意味する適応的となるよう設定することが可能である。この場合、ユーザの選好と変換に用いられる論理、言語及び文法規則が、部分長さ設定に適用され、画面抽出されたテキストは、それがすでに変換済みであるという理由から、翻訳モジュール114のためのクエリとして直接使用することができる。何れの場合でも、変換処理は人工知能(AI)に基づき、変換されたクエリは、言語専門家による選択と極めて類似したものとなる。」

B.「【0030】
・・・(中略)・・・抽出したテキストの一部をクエリに標準化することにより(ステップ225)、・・・(後略)・・・」

上記A,Bの記載を見ても、「テキスト情報」を具体的にどのように「所定の論理」、「言語」及び「文法規則」に従って、「標準化」された「クエリ」に変換するのかは不明であり、ましてや、具体的にどのように「言語地理的に標準化」された「クエリ」に変換するのかは不明である。

「変換モジュール」に関しては、次の記載もなされている。

C.「【0041】
変換モジュール243は、言語地理的ワード検索、自発的確信の収集、語彙拡散、統計抽出、ファジー論理、構文解析、複雑センテンスの分解など各種機能を実行するようにしてもよい。・・・(後略)・・・」

上記Cの記載を見ても、「言語地理的ワード検索」という表現は記載されているものの、「言語地理的ワード検索」とは、具体的にどのようなものなのかが不明である。

「言語地理的に標準化」することについては、発明の詳細な説明において、従来技術に関する記載として、次の記載がなされている。

D.「【0006】
・・・(中略)・・・本発明によると、ユーザはまず、キーボードなどのユニットを介しソース言語によりクエリを入力する。その後、このクエリは、コンテンツワードを抽出するため、バックエンドのサーバにより処理される。次のステップは、サーバ上に設けられ、抽出されたコンテンツワードを言語地理的に標準化する機能を実行するダイアレクタルコントローラ(dialectal controller)において実行される。当該プロセスにおいて、ユーザによる検索を詳細化するため、あるいは最初の入力クエリを利用しては言語地理的標準化が実行できない場合には、さらなる入力を促されるかもしれない。この後、言語地理的に標準化されたワードを翻訳機を介しターゲット言語に翻訳するプレサーチ翻訳プロセスが後続する。・・・(後略)・・・」

上記Dの記載を見ても、「言語地理的に標準化する機能」は、「ダイアレクタルコントローラ(dialectal controller)において実行される」としかされておらず、結局、具体的にどのように「言語地理的に標準化」された「クエリ」に変換するのかは不明である。
また、上記「ダイアレクタルコントローラ(dialectal controller)」の具体的な中身が紹介されていたとしても、本願の実施例において、該「ダイアレクタルコントローラ(dialectal controller)」を用いるとはされておらず、やはり、本願の実施例で具体的にどのように「言語地理的に標準化」された「クエリ」に変換するのかは不明である。

以上のとおり、本願は、その発明の詳細な説明が、当業者が本願補正発明における「テキスト情報を言語地理的に標準化されたクエリに変換するステップ」を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないものであり、また、上記「テキスト情報を言語地理的に標準化されたクエリに変換するステップ」を含む本願補正発明は明確でないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないものであって、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(3)特許法第29条第2項についての検討
本願補正発明における「テキスト情報を言語地理的に標準化されたクエリに変換するステップ」は、上記(2)で述べたように、具体的にどのようなものであるか明確でないが、請求人が、平成20年1月24日付けの手続補正書(方式)により補正した審判請求書において、「具体例を用いて説明しますと、通常の自然言語には同一の対象を指すものであっても様々な表現があります。特に方言など、地域が異なることにより、同一の対象を指す表現も異なるケースが多数みられます。本願発明における「クエリ」とは、そのような方言等の様々な表現により与えられたソースワードを直接的にターゲット言語に翻訳し、その後の検索をするというものでなく、ソースワードをまずソース言語による標準語などに標準化し、この標準化したワードをターゲット言語に翻訳するものであります。」と述べていることを参酌し、上記「テキスト情報を言語地理的に標準化されたクエリに変換するステップ」を、その具体的方法がどのようなものであるかは明確でないものの、「テキスト情報を標準語のクエリに変換するステップ」であると解釈して、以下の検討を行う。

(3-1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平8-235181号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

A.「【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオンラインの文書をディスプレー上で読む時に利用する辞書およびこれを利用した読解支援装置に関する。」

B.「【0006】
【実施例】以下、本発明による文脈考慮型のオンライン辞書の構成および使用の一実施例を図1に従って説明する。
【0007】本実施例では入力手段1、表示手段2、計算プログラム実行手段(マイクロプロセッサ)3、計算プログラム保持手段4、データ保持手段5、一時データ保持手段(半導体メモリなど)6を有する計算機システム上で稼働する。入力手段1は例えば、キーボード11、マウス12あるいはペン入力手段13よりなる。表示手段2は、後述するように各種の計算プログラムの機能が発揮されるのに対応して、必要な表示エリア、例えば文書表示エリア21、語義表示エリア22を形成され、位置表示マーカ23が表示される。、計算プログラム実行手段(マイクロプロセッサ)3は計算プログラム保持手段4に保持される各種ルーチン、例えば、文書表示ルーチン41、語義表示ルーチン42、辞書引きルーチン421、多義解消ルーチン422を所定のプログラムに従って実行する。データ保持手段5には、例えば、見出し語と意味を対として保持する通常の電子辞書51、語義決定文脈パターン52、例文データベース53、単語ベクトル辞書54が保持される。一時データ保持手段6には、例えば、文脈格納エリア61、文脈類似度格納エリア62、読解対象文書エリア63が形成される。
【0008】利用者は読解の対象となる文書の内容を、図の入力手段1あるいは電子データとして図示されていない入力手段を使用して読解対象文書エリア63に保持する。利用者が読解の対象となる文書を入力手段1で指定すると、計算プログラム実行手段3は文書表示ルーチン41を用いて表示手段2の中の文書表示エリア21に必要な文書が表示され利用者はこれを読み始める。その際に意味が良く分からない単語に遭遇した場合、画面上の該当単語をペン入力手段13で指定したり、またはマウス12などの入力手段を用いて位置表示マーカ23を該当する単語上に持っていき、クリックなどの操作により指定する。計算プログラム実行手段3は単語の指定に対応して、語義表示ルーチン42を起動し語義表示エリア22を当該単語の近辺の画面上に開き、辞書51に記憶されている単語の意味がその画面上に表示される。この際、本発明では、その単語が複数の意味を持つ場合には、前後の文脈を考慮に入れることによりその文脈にふさわしい意味を優先的に上位に表示することにより、利用者が適訳を選択する労力を軽減する。その単語の意味が一つの場合にはそれを表示するのは当然である。」

C.図1における「文書表示エリア21」には、全体の文書中の“tank”という一部分の文字列しか記載されていないが、実際には、図3に示されるような英語によるテキスト情報が表示されていると解される。
そして、図3に示される英語によるテキスト情報は、利用者が入力手段1により指定することにより呼び出されるものである。
さらに、呼び出した英語によるテキスト情報の中から“tank”という英単語をマウス12などの入力手段を用いて指定することにより表示される「語義表示エリア22」に表示される内容は、図1を見ると、“tank”という英語に対応して「容器」、「戦車」等の日本語が表示されるものであり、「2ヶ国語注釈」と呼び得るものである。

よって、上記A,Bの記載及び上記Cの事項を参酌すると、引用例には、次の発明が記載されているものと認められる。(以下、「引用例記載の発明」という。)
「表示手段2の文書表示エリア21に表示される電子文書に含まれる英語によるテキスト情報に関する2ヶ国語注釈を利用者に提供する方法であって、
前記テキスト情報を入力手段1により指定するステップと、
マウス12などの入力手段を用いて前記テキスト情報の中から英単語を指定するステップと、
前記英単語を日本語に翻訳するステップと、
前記日本語に翻訳された英単語を原英単語とともに2ヶ国語注釈として語義表示エリア22に表示するステップと、
から構成される方法。」

(3-2)対比
本願補正発明と引用例記載の発明とを対比すると、次のことがいえる。

(あ)引用例記載の発明における「利用者」は、本願補正発明における「ユーザ」に相当する。
ここで、引用例記載の発明における「表示手段2」の画面は、利用者(ユーザ)が利用する画面であり、「ユーザ画面」と呼び得るものである。
そして、引用例記載の発明における「英語」は、本願補正発明における「第1言語」に相当するから、本願補正発明と引用例記載の発明とは、ともに、「ユーザ画面に表示される電子文書に含まれる第1言語によるテキスト情報に関する2ヶ国語注釈をユーザに提供する方法」に係るものであるということができる。

(い)引用例記載の発明において、どの「テキスト情報」を「文書表示エリア21」に表示させるかを入力手段1により「指定する」ことは、データ処理の対象となる「テキスト情報」を「特定」していることに他ならない。
よって、本願補正発明と引用例記載の発明とは、ともに、「テキスト情報を特定するステップ」を有する点において、共通するということができる。

(う)引用例記載の発明において、「マウス12などの入力手段」を用いてテキスト情報の中から指定された「英単語」は、後に「日本語」(本願補正発明における「第2言語」に相当するもの)に翻訳されるものであり、本願補正発明における「クエリ」に対応するものである。
そして、引用例のものにおいて、図3の「文書表示エリア21」に示される長い英語の文章の中から“tank”という英単語を日本語への翻訳対象の語句とすることは、本願の図1Aの実施例において、「Living History written by」の中から“Living History”を中国語への翻訳対象の語句とすることに相当する事項であるといえる。
よって、本願補正発明と引用例記載の発明とは、ともに、「テキスト情報をクエリに変換するステップ」及び「クエリを第2言語に翻訳するステップ」を有する点において、共通するということができる。

(え)引用例記載の発明は、「日本語に翻訳された英単語を原英単語とともに2ヶ国語注釈として語義表示エリア22に表示する」ことにより、日本語(第2言語)に翻訳された英単語(クエリ)を利用者(ユーザ)に提供する動作が行われるものであるといえる。
一方、本願補正発明も、「翻訳されたクエリをユーザに転送する」ことにより、翻訳されたクエリをユーザに提供する動作が行われるものである。
よって、本願補正発明と引用例記載の発明とは、ともに、「翻訳されたクエリをユーザに提供するステップ」を有する点において、共通するということができる。

上記(あ)?(え)の事項を踏まえると、本願補正発明と引用例記載の発明とは、次の点で一致し、また、相違するものと認められる。

(一致点)
本願補正発明と引用例記載の発明とは、ともに、
「ユーザ画面に表示される電子文書に含まれる第1言語によるテキスト情報に関する2ヶ国語注釈をユーザに提供する方法であって、
前記テキスト情報を特定するステップと、
前記テキスト情報をクエリに変換するステップと、
前記クエリを第2言語に翻訳するステップと、
前記翻訳されたクエリを前記ユーザに提供するステップと、
から構成される方法。」
である点。

(相違点)
相違点1:「テキスト情報を特定するステップ」が、本願補正発明においては、「テキスト情報を特定するデータを受信するステップ」であるのに対し、引用例記載の発明においては、そのような「データ」を「受信する」ステップであるとはされていない点。

相違点2:「クエリ」が、本願補正発明においては、「言語地理的に標準化されたクエリ」であるのに対し、引用例記載の発明においては、そのようなものではない点。

相違点3:「翻訳されたクエリをユーザに提供するステップ」が、本願補正発明においては、「翻訳されたクエリをユーザに転送するステップ」であるのに対し、引用例記載の発明においては、そのような「転送する」ステップであるとはされていない点。

(3-3)判断
そこで、上記相違点1?3について検討する。

(相違点1,3について)
一般に、情報処理システムにおいて、ネットワーク上に各種サービスを提供するサーバを置いて、該サーバが処理対象となる各種データをユーザから受信し、処理結果をユーザに転送するようにすることは、周知技術にすぎない。
よって、引用例記載の発明において、上記周知技術を参酌することにより、「テキスト情報を特定するデータを受信するステップ」及び「翻訳されたクエリをユーザに転送するステップ」を設けるようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(相違点2について)
上記「(3)」の冒頭で述べたように、本願補正発明にいう「テキスト情報を言語地理的に標準化されたクエリに変換するステップ」を、「テキスト情報を標準語のクエリに変換するステップ」であると解釈して、以下の検討を行う。
本願の優先権主張の日前である2001年6月1日に頒布された「望月義明著『建設業界におけるCADデータ交換標準の開発 Development of Standard CAD Data Exchange Format in Construction Field』東芝レビュー 第56巻 第6号,第62?65頁」の第63頁の図1には、「交換の仕組みのイメージ 日本語の方言を日本語の標準語に直せば,自動翻訳機で英語に翻訳できることを表現している。 Image of translation mechanism」との説明が付されるとともに、「日本語(方言)」を「日本語(標準語)」に翻訳してから「英語」に翻訳する仕組みが示されている。
してみれば、引用例記載の発明において、上記文献の記載を参酌して、方言で記述された第1言語を標準語の第1言語に変換してから第2言語に翻訳するようにすること、すなわち「テキスト情報を標準語のクエリに変換するステップ」を設けてその後に第2言語に翻訳することは、当業者が適宜になし得ることにすぎないといえる。
よって、引用例記載の発明において、「クエリ」を「言語地理的に標準化されたクエリ」とすることは、上記文献の記載を参酌することにより、当業者が適宜になし得ることにすぎない。

(本願補正発明の作用効果について)
そして、本願補正発明の構成によってもたらされる効果も、引用例記載の発明、上記周知技術、及び上記文献の記載から当業者が容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用例記載の発明、上記周知技術、及び上記文献の記載に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
よって、本件手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.補正却下の決定を踏まえた検討
(1)本願発明
平成20年1月24日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項12に係る発明は、平成19年9月5日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項12に記載されたとおりの次のものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「ユーザ画面に表示される電子文書に含まれる第1言語によるテキスト情報に関する2ヶ国語注釈をユーザに提供する方法であって、
前記テキスト情報を特定するデータを受信するステップと、
前記テキスト情報をクエリに変換するステップと、
前記クエリを第2言語に翻訳するステップと、
前記翻訳されたクエリを前記ユーザに転送するステップと、
から構成される方法。」

(2)引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された引用例とその記載事項は、上記2.(3-1)に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、上記2.で検討した本願補正発明における「言語地理的に標準化されたクエリ」について「言語地理的に標準化された」との限定を省いて単に「クエリ」としたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに特定の限定を施したものに相当する本願補正発明が、上記2.(3-3)に記載したとおり、引用例記載の発明、上記周知技術、及び上記文献の記載に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記特定の限定を省いた本願発明は、上記特定の限定に関して引用した上記文献の記載を参酌するまでもなく、引用例記載の発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例記載の発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-08-05 
結審通知日 2010-08-10 
審決日 2010-08-24 
出願番号 特願2004-551479(P2004-551479)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 537- Z (G06F)
P 1 8・ 536- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 和田 財太  
特許庁審判長 長島 孝志
特許庁審判官 池田 聡史
小曳 満昭
発明の名称 電子文書のテキスト情報に関するポインタにより瞬時に起動される2ヶ国語注釈  
代理人 伊東 忠彦  
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