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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H05K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K
管理番号 1229833
審判番号 不服2009-1315  
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-15 
確定日 2011-01-06 
事件の表示 平成11年特許願第304736号「回路板製造用基材処理装置及び回路板の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 5月11日出願公開、特開2001-127402〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成11年10月26日の出願であって、平成20年 6月17日付けの拒絶理由が通知され、同年8月25日付けの手続補正がなされ、同年12月12日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成21年 1月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同年2月16日付けの手続補正がなされたものである。


第2 平成21年2月16日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年2月16日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理 由]
1.補正前及び補正後の本願発明
本件補正は、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明についてするもので、特許請求の範囲の請求項1については、補正前に

「【請求項1】 長尺のシート状の基材がその長手方向に搬送される配路の上流側から順に、基材を配路に繰出す基材繰出部、基材に現像液を噴射する現像部、基材にエッチング液を噴射するエッチング部、基材に剥離液を噴射する剥離部、基材を配路から巻取る基材巻取部が配設され、
前記エッチング部が、基材の幅方向に長い丸棒状に形成されると共に配路の上方において周面が基材の上面と接するように基材の長手方向に並べて配設された複数本の配送ロールと、基材の長手方向に長く形成されると共に配送ロールの上方において基材の幅方向に並べて配設された、基材に向けてエッチング液を噴射する複数のエッチング液噴射管と、各エッチング液噴射管にそれぞれ接続される調圧弁とを具備し、調圧弁でエッチング液噴射管中の液圧を、内側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧が、外側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧よりも大きくなるように各エッチング液噴射管ごとに独立して制御自在に形成して成ることを特徴とする回路板製造用基材処理装置。」

とあったものを、

「【請求項1】 長尺のシート状の基材がその長手方向に搬送される配路の上流側から順に、基材を配路に繰出す基材繰出部、基材に現像液を噴射する現像部、基材にエッチング液を噴射するエッチング部、基材に剥離液を噴射する剥離部、基材を配路から巻取る基材巻取部が配設され、
前記エッチング部が、基材の幅方向に長い丸棒状に形成されると共に配路の上方において周面が基材の上面と、基材の幅方向の全体に亘って接するように基材の長手方向に並べて配設された複数本の配送ロールと、基材の長手方向に長く形成されると共に配送ロールの上方において基材の幅方向に並べて配設された、基材に向けてエッチング液を噴射する複数のエッチング液噴射管と、各エッチング液噴射管にそれぞれ接続される調圧弁とを具備し、調圧弁でエッチング液噴射管中の液圧を、内側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧が、外側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧よりも大きくなるように各エッチング液噴射管ごとに独立して制御自在に形成して成ることを特徴とする回路板製造用基材処理装置。」
と補正しようとするものである。

次に、補正の適否について検討する。

本件補正は、請求項1において、補正前に「配路の上方において周面が基材の上面と接するように基材の長手方向に並べて配設された複数本の配送ロール」であったものを補正後の「配路の上方において周面が基材の上面と、基材の幅方向の全体に亘って接するように基材の長手方向に並べて配設された複数本の配送ロール」とする補正であり、配路の上方において、配送ロールの周面が基材の上面と接する部分を、「基材の幅方向の全体に亘って」との特定事項を付加するものであって、配路の上方において、配送ロールの周面が基材の上面と接する部分の観点でさらに限定するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)について、特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。


2.引用例
原査定で拒絶の理由に引用された、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開平5-75236号公報(以下「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている。

刊行物1:特開平5-75236号公報(拒絶理由通知の引用文献1)

(1a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】長手方向の複数箇所にエッチング液噴射孔を設けた複数本のエッチング液スプレイ管を金属張り積層板の通過方向と略平行に配列し、この複数本のエッチング液スプレイ管を金属張り積層板の通過部の上側にはエッチング液噴射孔が下向きになるように、下側にはエッチング液噴射孔が上向きになるように上下に配設すると共に、個々のエッチング液スプレイ管すべてに圧力調整バルブを設けて成ることを特徴とする金属張り積層板のエッチング装置。」 (【特許請求の範囲】)

(1b)「【作用】本発明は、個々のエッチング液スプレイ管2に設けた圧力調整バルブ5で金属張り積層板3の中央部に位置するエッチング液スプレイ管2の圧力を端部に位置するエッチング液スプレイ管2の圧力よりも高めるように、各エッチング液スプレイ管2の圧力を調整することによって、金属張り積層板3へのエッチング液7の作用を全面に亙って均一化することができる。」 (【0006】)

(1c)「【実施例】以下本発明を実施例によって詳述する。図1は金属張り積層板3のエッチング処理を行うエッチング槽8を示しており、(a)は上面断面図、(b)は正面断面図、(c)は側面断面図を表している。エッチング槽8内には長手方向の複数箇所にエッチング液噴射孔1を設けた複数本のエッチング液スプレイ管2を図1(a)、(b)のように金属張り積層板3の通過方向と略平行に配列し、この複数本のエッチング液スプレイ管2を図1(b)のように金属張り積層板3の通過部4の上側にはエッチング液噴射孔1が下向きになるように、下側にはエッチング液噴射孔1が上向きになるように上下に配設する ・・・・ この上下のエッチング液スプレイ管2の間には図1(b),(c)のようにコロコンベア6を金属張り積層板3のエッチング槽8の入口9から出口10まで設けて上記通過部4を形成するようにしてある・・・・。
金属張り積層板3は前工程を終えてエッチング槽8へ導入される際に、エッチング槽8の入口9で上下のコロコンベア6に挟まれる形でモーターによって回転するコロコンベア6により出口10まで搬送される。・・・・」 (【0007】?【0008】)


(ア)広辞苑(第五版)によると、「ころ」とは、「重い物を動かす時、下に敷いてころがすのに用いる堅く丸い棒。」を意味するものであるから、コロコンベアは、長い丸棒状であると解される。
また、金属張り積層板のエッチング処理を行うエッチング槽の正面断面図である図1(b)及び側面図断面図である図1(c)から、コロコンベア6は、金属張り積層板の通過方向に並べて配設され、かつ、通過方向に直交する方向に長い丸棒状ものであると見て取れる。
さらに、前記記載事項(1c)の「金属張り積層板3は前工程を終えてエッチング槽8へ導入される際に、エッチング槽8の入口9で上下のコロコンベア6に挟まれる形でモーターによって回転するコロコンベア6により出口10まで搬送される。」との記載から、金属張り積層板3は、上下のコロコンベア6に挟まれるものであり、それゆえに、上のコロコンベアは、配路の上方において周面が金属張り積層板の上面と接するように設けられていることは明らかである。
したがって、コロコンベアは、金属張り積層板の幅方向に長い丸棒状に形成されると共に配路の上方において周面が金属張り積層板の上面と接するように金属張り積層板の通過方向に並べて配設された複数本のものからなるといえる。

そこで、上記(ア)の検討を踏まえて、記載事項(1a)?(1c)を本願補正発明の記載ぶりに則して整理すると、刊行物1には、
「金属張り積層板が通過方向に通過部を搬送されるエッチング装置が、基材の幅方向に長い丸棒状に形成されると共に通過部の上方において周面が基材の上面と接するように金属張り積層板の通過方向に並べて配設された複数本のコロコンベアと、コロコンベアの上方において金属張り積層板の通過方向と略平行に配列された金属張り積層板に向けてエッチング液をスプレイする複数のエッチング液スプレイ管と、各エッチング液スプレイ管にそれぞれに接続された圧力調整バルブとを具備し、圧力調整バルブでエッチング液スプレイ管中の供給圧力を、中央部に配設されているエッチング液スプレイ管からスプレイされるエッチング液の供給圧力が、端部に位置するエッチング液スプレイ管の圧力よりも高めるように各エッチング液スプレイ管の圧力を調整することができるエッチング装置。」の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されているといえる。


3. 対比・判断

本願補正発明と刊行物1発明を対比すると、

(1) 刊行物1発明における、「金属張り積層板」、「通過部」、「コロコンベア」、「エッチング液をスプレイする」、「エッチング液スプレイ管」、「圧力調整バルブ」、「中央部」、「端部」、「エッチング液スプレイ管中の供給圧力」及び「エッチング装置」は、本願補正発明における「基材」、「配路」、「配送ロール」、「エッチング液を噴射する」、「エッチング液噴射管」、「調圧弁」、「内側」、「外側」、「エッチング液噴射管中の液圧」及び「回路板製造用基材処理装置」にそれぞれ相当する。

(2)刊行物1発明における「金属張り積層板の通過方向」は、エッチング装置において被エッチング物である金属張り積層板の搬送方向であり、また、本願補正発明における「基材の長手方向」は、エッチング部において被エッチング物である基材の搬送方向であることから、刊行物1発明における「金属張り積層板の通過方向」は、本願補正発明における「基材の長手方向」に相当するといえる。

(3)噴射孔を有する管に流体を供給するものにおいて、管内の供給圧力に対応して噴射圧が変化することは技術常識であることから、刊行物1発明における「エッチング液スプレイ管中の供給圧力を、中央部に配設されているエッチング液スプレイ管からスプレイされるエッチング液の供給圧力が、端部に位置するエッチング液スプレイ管の圧力よりも高める」事項は、「内側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧が、外側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧よりも大きくなる」ものであることは明らかである。

(4)刊行物1発明は、「圧力調整バルブ」は「各エッチング液スプレイ管にそれぞれ接続される」ものであるから、「噴射圧」を「各エッチング液噴射管ごとに独立して制御自在に形成」されたものであるといえる。

そうすると、両者は、「基材がその長手方向に搬送される基材にエッチング液を噴射するエッチング部が配設され、
前記エッチング部が、基材の幅方向に長い丸棒状に形成されると共に配路の上方において周面が基材の上面と接するように基材の長手方向に並べて配設された複数本の配送ロールと、基材の長手方向に長く形成されると共に配送ロールの上方において基材の幅方向に並べて配設された、基材に向けてエッチング液を噴射する複数のエッチング液噴射管と、各エッチング液噴射管にそれぞれ接続される調圧弁とを具備し、調圧弁でエッチング液噴射管中の液圧を、内側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧が、外側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧よりも大きくなるように各エッチング液噴射管ごとに独立して制御自在に形成して成る回路板製造用基材処理装置。」である点で一致し、以下の点で相違している。

(相違点1)
配送ロールについて、本願補正発明では、配路の上方において周面が基材の上面と「基材の幅方向の全体に亘って」接するように設けられているのに対し、刊行物1発明では、基材の幅方向の全体に亘って接することは明記されていない点。

(相違点2)
本願補正発明では、処理対象の基材が「長尺のシート状の基材」とし、それを処理する回路板製造用処理装置が「配路の上流側から順に、基材を配路に繰出す基材繰出部、基材に現像液を噴射する現像部、基材にエッチング液を噴射するエッチング部、基材に剥離液を噴射する剥離部、基材を配路から巻取る基材巻取部が配設され」たものであるのに対し、刊行物1発明では、処理対象の基材が「金属張り積層板」であり、それを処理する回路板製造用処理装置としてエッチング装置のみが記載されている点。


これら相違点について検討する。
(相違点1について)
刊行物1の図1(c)は、金属張り積層板3とコロコンベア6との間に隙間がないもの、つまり、基材の幅方向の全体に亘って接しているものと見て取れる。
そして、刊行物1には、基材の幅方向の全体に亘って接していることにより、搬送及びエッチング処理等を阻害する旨の記載もなく、刊行物1発明においてもコロコンベアは、基材の幅方向の全体に亘って接しているものと解される。
したがって、相違点1は、実質的に相違するものではない。

(相違点2について)
回路基板の製造において、基材として長尺のシート状の基材を使用し、配路に繰出す基材繰出部と、基材にエッチング液を噴射するエッチング部、基材を配路から巻取る基材巻取部を備えた製造装置により製造することは、下記周知文献1及び2に記載されたように従来から周知の事項である。
また、一連の装置により、現像処理、エッチング処理、剥離処理等を連続的に行うことは、下記周知文献1及び3に記載されたように従来から周知の事項である。
よって、刊行物1発明のエッチング装置を、長尺のシート状の基材を配路に繰出す基材繰出部と、基材にエッチング液を噴射するエッチング部、基材を配路から巻取る基材巻取部を備えた製造装置のエッチング部に採用すること、エッチング処理の前に現像処理及び後に剥離処理を行う装置を設け連続処理可能とすることは、当業者においては容易に想到し得るものであり、そのことによる作用効果も、当業者が予想しうるものにすぎない。

周知文献1:特開平7-99379号公報
(周1)「【従来の技術】一般にフレキシブル印刷配線板は、銅張積層板を送り出し機で加工装置内に送り込み、その加工装置内で、銅張積層板の銅箔表面にレジストを塗布し、導体パターンとして必要な部分以外に塗布されたレジストを除去するための露光、現像処理を施した後、露出された部分の銅箔をエッチングすることにより印刷回路を形成して、残りのレジストを剥離し、・・・・て製造されていた。そのときの銅張積層板の搬送形態としては、・・・・図5に示したようにロール状に巻かれた長尺の銅張積層板を、そのロールから繰り出しながら加工装置内に送り込み、加工後の印刷配線板を別のロールに巻き取るロール・ツゥ・ロール(R-R)方式等が一般に用いられている。」 (【0002】)

周知文献2:特開昭62-104095号公報
(周2)「第1図と第2図において、プリント基板製造装置1の1組のフレーム2の一方の端には水平方向に所定間隔をおいて ・・・・ 2条の平行な処理ライン10a、10bが形成されている。
・・・・ 各巻戻しロール3a,3bには布,フィルム等のシート材に金属箔を積層した基板材料5a,5bが巻回されており、この基板材料5a,5bは両方の処理ライン10a,10bに共通に設けたエツチング装置20、・・・・剥離装置22、・・・・・を通って、巻取りロール4a,4bに巻き取られるようになっている。」
(第2頁左上欄第16行?右上欄第12行)

周知文献3:実願平3-89614号(実開平5-33153号)のCD-ROM
(周3)「 図1は、この考案の1実施例に係る連設型表面処理装置の概略構成を示す模式的縦断面図である。この装置は、例えばプリント基板の製造ラインの一部をなすものであり、現像機10、スプレイエッチング機12及び剥膜(レジスト膜剥離)機14から構成されている。そして、それらの3つの処理室、すなわち現像処理室16、エッチング処理室18及び剥膜処理室20と、4つの連絡室、すなわち、現像処理室16とその前段の処理室(図示せず)とを連絡する連絡室22、現像処理室16とエッチング処理室18とを連通させる連絡室24、エッチング処理室18と剥膜処理室20とを連通させる連絡室26、並びに、剥膜処理室20と後段の処理室(図示せず)とを連絡する連絡室28とが、一直線上に連設されている。」 (【0011】)


4.むすび
以上のとおり、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明及び従来より周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることはできない。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について
1.本願発明
平成21年2月16日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1及び2に係る発明は、平成20年8月25日付けの手続補正書により補正された請求項1及び2に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「【請求項1】 長尺のシート状の基材がその長手方向に搬送される配路の上流側から順に、基材を配路に繰出す基材繰出部、基材に現像液を噴射する現像部、基材にエッチング液を噴射するエッチング部、基材に剥離液を噴射する剥離部、基材を配路から巻取る基材巻取部が配設され、
前記エッチング部が、基材の幅方向に長い丸棒状に形成されると共に配路の上方において周面が基材の上面と接するように基材の長手方向に並べて配設された複数本の配送ロールと、基材の長手方向に長く形成されると共に配送ロールの上方において基材の幅方向に並べて配設された、基材に向けてエッチング液を噴射する複数のエッチング液噴射管と、各エッチング液噴射管にそれぞれ接続される調圧弁とを具備し、調圧弁でエッチング液噴射管中の液圧を、内側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧が、外側に配設されているエッチング液噴射管から噴射されるエッチング液の噴射圧よりも大きくなるように各エッチング液噴射管ごとに独立して制御自在に形成して成ることを特徴とする回路板製造用基材処理装置。」

2.引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用例及びその記載事項は前記「第2 [理由]2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、上記「第2[理由]」で検討した本願補正発明から、配路の上方において、配送ロールの周面が基材の上面と接する部分について「基材の幅方向の全体に亘って」との限定を解除したものに相当する。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含む本願補正発明が前記「第2 [理由]3.」に記載したとおり、刊行物1に記載された発明及び従来からの周知事項に基いて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1に記載された発明及び従来の周知事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
したがって、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び従来の周知事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は特許を受けることができないものであり、他の請求項2に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-11-04 
結審通知日 2010-11-09 
審決日 2010-11-22 
出願番号 特願平11-304736
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05K)
P 1 8・ 572- Z (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡 由季子黒石 孝志  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 鈴木 正紀
田中 永一
発明の名称 回路板製造用基材処理装置及び回路板の製造方法  
代理人 西川 惠清  

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