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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F04B
管理番号 1229862
審判番号 不服2010-5090  
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-03-08 
確定日 2011-01-06 
事件の表示 特願2004-196412号「回転式圧縮機」拒絶査定不服審判事件〔平成18年1月19日出願公開、特開2006-17041号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成16年7月2日の出願であって、平成21年12月1日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成22年3月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1ないし4に係る発明は、出願当初の明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「回転数が制御される電動機で駆動される圧縮機本体を備えた回転式圧縮機において、
上記圧縮機本体からの吐出ガスの圧力を検出する圧力検出器と、
上記電動機の駆動軸に作用するトルクを導出するトルク導出手段と、
予め入力された上記電動機の最大駆動トルクよりも小さいトルクの閾値及び所望の圧力設定値と、上記圧力検出器からの検出圧力を示す圧力信号及び上記トルク導出手段からの導出トルクを示すトルク信号に基づき、導出トルクが上記閾値以上となった場合には、導出トルクが上記閾値よりも小さくなるまで、加速度を減少させるように上記回転数を制御し、上記場合以外では、検出圧力と上記圧力設定値との差をなくすように上記回転数を制御する制御装置とが
設けられたことを特徴とする回転式圧縮機。」

3.引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平6-81782号公報(以下、「引用例1」という。)には、「インバータ駆動スクリュー圧縮機の容量制御装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
ア.「本発明の第1の目的は、ユーザの圧縮機使用状況に対応して、使用空気量が変動しても、圧縮変動の小さい高品質の圧縮空気の供給を可能とするインバータ駆動スクリュー圧縮機の容量制御装置を提供することにある。」(段落【0004】)
イ.「【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するために、第1の発明のインバータ駆動スクリュー圧縮機の容量制御装置においては、該スクリュー圧縮機より吐出される圧縮空気の圧力を検出する圧力センサと、設定値に対する該圧縮センサの検出圧力の変化が最小になるように、上記インバータへの出力回転数を求めるPID制御装置とを設けたものである。」(段落【0006】)
ウ.「【作用】第1の発明によれば、圧縮空気の使用量の変化にともなってスクリュー圧縮機からの圧縮空気の圧力が設定圧力より上昇もしくは低下した場合、PID制御装置が圧力センサからの検出圧力値と、設定圧力値とを比較し、設定圧力値に対して検出圧力値の変化が最小になるようにインバータへの出力回転数を演算し、演算結果をインバータに出力信号する。インバータでは、PID制御装置からの出力信号に基づく回転数で上記スクリュー圧縮機を回転させるので、圧縮空気の使用量に応じた圧縮空気を供給することができ、これによって圧力変動の小さい高品質の圧縮空気を供給することができる。」(段落【0010】)
エ.「20はPID制御装置にして、図2に示すように、上記吐出配管15に設置された圧力センサ21により検出された圧縮空気の検出圧力値Aに相当する電流または電圧信号出力と、あらかじめ設定された設定圧力値Bに相当する電流または電圧信号とを比較し、両者の圧力差の変化が最小になるための上記インバータ19への出力回転数を演算してインバータ19に出力し、上記モータ5を回転させる。」(段落【0015】)
オ.「つぎに動作について説明する。スクリュー圧縮機1の起動前に、インバータ19から電磁弁11を介して吸込絞り弁10を完全に閉め切った状態にする。この状態でモータ5を回転すると、カップリング4を介して駆動側ロータ2および従動側ロータ3が回転してスクリュー圧縮機1は真空ポンプと同様に、吸込側が真空となり、吐出側がオイルセパレータ6内の圧力以上の圧力となって、圧縮空気を吐出する。そのため、スクリュー圧縮機1の起動トルクは、図3に一点鎖線にて示すように、吸込絞り弁10を開いて通常の負荷運転を行った場合の実線にて示す起動トルクおよびインバータ19の鎖線にて示す起動トルクよりも小さくなる。しかるのち、ロータ2,3の周波数などから求めた回転数が図3に示す回転数N2すなわち、図3に実線にて示す通常の起動運転時におけるピーク値の回転数N1よりも十分に低下した起動トルクの回転数N2に達したとき、インバータ19からの出力信号により電磁弁11を介して吸込絞り弁10が開いて、外気を吸込フィルタ9および吸込配管12を通って吸込側に吸込んで負荷運転を行なう。したがって、スクリュー圧縮機1は円滑に起動することができる。スクリュー圧縮機1にて圧縮された空気は吐出管13を通ってオイルセパレータ6に送られ、オイルセパレータ6で圧縮空気と該圧縮空気中に含まれているオイルとを分離し、オイルをオイル配管17を通ってオイルクーラ8に送り、オイルクーラ8でオイルを冷却したのち、オイル配管16を通ってスクリュー圧縮機1内の軸受部などに給油する。一方圧縮空気は、吐出配管14を通ってアフタークーラ7に送り圧縮空気を冷却したのち、吐出配管15を通ってユーザへ供給される。」(段落【0016】)
カ.「ユーザの使用空気量が吐出配管15からユーザに送られる量よりも多くなると、吐出配管15からユーザに送られる圧縮空気の圧力が設定圧力値Bより徐々に低下する。これを吐出配管15に設置された圧力センサ21が検出して検出信号を常時PID制御装置20に出力する。PID制御装置20では、図2に示すように、圧力センサ21からの検出値Aの信号と、設定値Bの信号とを比較し、圧力センサ21による検出圧力値Aが設定圧力値Bより小さいときには、設定圧力値Bに対する検出圧力値Aの変化を最小になるようなインバータ19出力回転数を演算し、演算結果に基づく出力回転数信号をインバータ19に送る。インバータ19ではPID制御装置20からの出力回転数信号に基づく回転数に上昇してモータ5の回転数を上昇させる。そのため、スクリュー圧縮機1の圧縮空気の吐出量が増加し、吐出配管15からユーザに送られる圧縮空気は、ユーザの使用空気量に対応する量となって圧力センサ21による検出圧力値Aは設定圧力値Bに保持される。また、ユーザの使用空気量が吐出配管15からユーザに送られる量よりも減少すると、吐出配管15からユーザに送られる圧縮空気の圧力設定値Bよりも徐々に上昇する。これを圧力センサ21が検出して検出信号をPID制御装置20に出力する。PID制御装置20では、設定圧力値Bに対する圧力センサ21からの検出圧力値Aの変化量が最小になるようにインバータ19への出力回転数を演算し、演算結果に基づく出力回転信号をインバータ19に送る。インバータ19ではPID制御装置20からの出力回転数に基づく回転数に下げてモータ5の回転数を低下させる。そのため、スクリュー圧縮機1の圧縮空気の吐出量が減少するので、吐出配管15からユーザに送られる圧縮空気の圧力が設定圧力値Bに保持される。」(段落【0017】)

したがって、これらの記載事項及び図示内容を総合し、本願発明の記載ぶりに倣って整理すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「回転数が制御されるモータ5で駆動される圧縮機本体を備えたスクリュー圧縮機1において、
上記圧縮機本体からの圧縮空気の圧力を検出する圧力センサ21と、
予め入力された上記モータ5の設定圧力値Bと、上記圧力センサ21からの検出圧力値Aを示す圧力信号に基づき、設定圧力値Bに対する検出圧力値Aの変化が最小になるように上記回転数を制御するPID制御装置とが設けられたスクリュー圧縮機1。」

同じく原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2000-110735号公報(以下、「引用例2」という。)には、「ポンプ保護装置、ポンプ保護方法及びポンプ装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
キ.「【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、モーターが過負荷状態となった場合でも、真空状態を維持しながら真空ポンプを保護できる装置及び方法を提供することである。」(段落【0004】)
ク.「【課題を解決するための手段】本発明のポンプ保護装置、ポンプ保護方法及びポンプ装置の特徴は、ポンプの駆動手段が受ける負荷の値に対応して駆動手段の駆動量を変動させることにより、真空ポンプを過負荷から保護し、又は消費電力を低減することである。すなわち、駆動手段の消費電力又は必要なトルク等を駆動手段が受ける負荷として負荷検知器によって検知し、負荷が所定値以上に達した場合又は負荷の上昇率が所定の上昇率が所定の上昇率以上に達した場合に、駆動手段による駆動量を降下させ、上昇させ、又は駆動量のその他の変化をさせることである。なお、本明細書において、駆動量とは、回転数、運動速度、加速度等を言う。例えば、駆動手段としてモーターを使用した場合には、負荷が所定値以上に達した場合又は負荷の上昇率が所定の上昇率が所定の上昇率以上に達した場合に、モーターの回転数を降下させ、上昇させ、又は回転数のその他の変化をさせる。」(段落【0005】)
ケ.「真空ポンプ14が何らかの原因によって過負荷状態になった時には、同一の回転数でモーター16が回転しても、消費電力が増大し所定電力値以上に達する。すなわち、回転数及び消費電力の値は、図4の最高負荷線を超えてA点からB点へ移行し、正常域から警報域へ移行する。なお、この所定電力値は、コントローラー24に予め設定されている。コントローラー24は、消費電力の値がB点に移行したことを認識すると、インバーター22へ回転数を降下させる回転数指令を送信する。インバーター22は、この回転数指令に対応した電力をモーター16へ送る。
この回転数指令がモーター16へ送られると、モーター16の回転数は降下し、回転数の値は図4のC点へ移行する。回転数の値が図4のC点へ移行した状態でモーター16の回転は維持され、最低回転数R1と略同一の回転数でモーター16が回転させられ、真空容器32内の真空状態は維持される。
ここで、コントローラー24からの回転数指令に従ってモーター16の回転数が降下することにより、モーター16の消費電力が降下して図4のD点に移行する場合がある。この場合には、図4のD点の状態で所定時間経過することを条件に、一過性の過負荷状態と判断される。一過性の過負荷状態と判断されると、コントローラー24はインバーター22に回転数を上昇させる回転数指令を送る。インバーター22がこの回転数指令に対応した電力をモーター16へ送ることにより、回転数は図4のA点の状態に復帰する。図4のA点は正常な運転状態であり、図4のA点の状態でモーター16の回転が維持される。」(段落【0022】?【0024】)
コ.「また、本発明のポンプ保護装置及びポンプ装置は、図10に示すようなポンプ保護装置54及びポンプ装置56であっても良い。ポンプ保護装置54は、トルク検出器(負荷検知手段)58によってモーター16の回転に必要なトルク(負荷)の値を検知し、そのトルクの値に対応してコントローラー24がインバーター22へ回転数指令を送るように構成されている。このようなトルク検知器58によっても、トルクの値を検知することにより、モーターが受ける負荷を検知することができる。」(段落【0038】)
サ.「【発明の効果】本発明のポンプ保護装置、ポンプ保護方法及びポンプ装置によれば、ポンプの駆動手段が受ける負荷の値に対応して駆動手段の駆動量を変動させることにより、ポンプを過負荷から保護することができる。例えば、駆動手段が受ける負荷の値が所定値以上に達した場合に、駆動手段の駆動量を降下させることにより、ポンプ及び駆動手段を過負荷から保護することができる。」(段落【0048】)

4.対比
本願発明と引用発明とを対比すると、その意味、機能又は作用等からみて、後者の「モータ5」は前者の「電動機」に相当し、以下同様に、「スクリュー圧縮機1」は「回転式圧縮機」に、「圧縮空気」は「吐出ガス」に、「圧力センサ21」は「圧力検出器」に、「設定圧力値B」は「所望の圧力設定値」又は「圧力設定値」に、「検出圧力値A」は「検出圧力」に、「PID制御装置」は「制御装置」に、それぞれ相当する。
後者の「設定圧力値Bに対する検出圧力値Aの変化が最小になるように上記回転数を制御する」ことは、上記カ.の「設定圧力値Bに対する検出圧力値Aの変化を最小になるようなインバータ19出力回転数を演算し、演算結果に基づく出力回転数信号をインバータ19に送る。インバータ19ではPID制御装置20からの出力回転数信号に基づく回転数に上昇してモータ5の回転数を上昇させる。そのため、スクリュー圧縮機1の圧縮空気の吐出量が増加し、吐出配管15からユーザに送られる圧縮空気は、ユーザの使用空気量に対応する量となって圧力センサ21による検出圧力値Aは設定圧力値Bに保持される。」との記載からみて、前者の「検出圧力と上記圧力設定値との差をなくすように上記回転数を制御する」ことに実質的に相当する。

したがって、本願発明の用語を用いて表現すると、両者は、
[一致点]
「回転数が制御される電動機で駆動される圧縮機本体を備えた回転式圧縮機において、
上記圧縮機本体からの吐出ガスの圧力を検出する圧力検出器と、
予め入力された上記電動機の所望の圧力設定値と、上記圧力検出器からの検出圧力を示す圧力信号に基づき、検出圧力と上記圧力設定値との差をなくすように上記回転数を制御する制御装置とが
設けられた回転式圧縮機。」である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点]
本願発明は、「電動機の駆動軸に作用するトルクを導出するトルク導出手段」と、「最大駆動トルクよりも小さいトルクの閾値」と「上記トルク導出手段からの導出トルクを示すトルク信号」に基づき、「導出トルクが上記閾値以上となった場合には、導出トルクが上記閾値よりも小さくなるまで、加速度を減少させるように上記回転数を制御し、上記場合以外では、」検出圧力と上記圧力設定値との差をなくすように上記回転数を制御する制御装置とを備えているのに対して、引用発明は、トルク導出手段及びトルクに関する制御装置を備えているか明らかでない点。

5.判断
次に相違点について検討する。
引用例2についてみてみると、上記コ.の「ポンプ保護装置54は、トルク検出器(負荷検知手段)58によってモーター16の回転に必要なトルク(負荷)の値を検知し、そのトルクの値に対応してコントローラー24がインバーター22へ回転数指令を送るように構成されている。このようなトルク検知器58によっても、トルクの値を検知することにより、モーターが受ける負荷を検知することができる。」との記載からみて、引用例2には、負荷検知手段として、モーター16の駆動軸に作用するトルクを検出するトルク検知器58を設けることが記載されていると認められる。
また、上記ク.の「駆動手段の消費電力又は必要なトルク等を駆動手段が受ける負荷として負荷検知器によって検知し、負荷が所定値以上に達した場合・・・(中略)・・・駆動手段による駆動量を降下させ」(審決注:下線は当審で付した。以下同様)との記載、及び「本明細書において、駆動量とは、回転数、運動速度、加速度等を言う。例えば、駆動手段としてモーターを使用した場合には、負荷が所定値以上に達した場合・・・(中略)・・・モーターの回転数を降下させ」との記載からみて、引用例2には、導出トルクが所定値以上に達した場合、モータの加速度を降下させることが記載されていると認められる。そして、上記ケ.の記載事項なども総合すると、引用例2には、予め入力されたモーター16の最大駆動トルクよりも小さいトルクの閾値と、トルク検知器58からの導出トルクを示すトルク信号に基づき、導出トルクが上記閾値以上となった場合には、導出トルクが上記閾値よりも小さくなるまで、加速度を減少させるように回転数を制御することが実質的に記載されていると認められる。
ところで、圧縮機において、負荷が閾値以上となった場合に、電動機の回転数を制御して電動機の過負荷を防止することは、たとえば、特開平2-49983号公報(2ページ右上欄1?18行、4ページ左上欄6?14行)や特開平1-131840号公報(3ページ右上欄17行?左下欄18行)などに示されるように、従来周知の事項にすぎない。引用発明においても、電動機にトルクとしての負荷が生じることは自明のことであるから、電動機の過負荷を防止するということについて十分な動機付けがあるといえる。
そして、引用発明と引用例2に記載された発明とは、回転数が制御される電動機で駆動される回転式圧縮機あるいはポンプ装置に関する発明であるから、両者は共通する技術分野に属するものである。
そうすると、引用発明及び引用例2に接した当業者であれば、引用発明に引用例2に記載された発明を適用し、モータ5の駆動軸に作用するトルクを導出するトルク検知器58を設けるとともに、最大駆動トルクよりも小さいトルクの閾値とトルク検知器58からの導出トルクを示すトルク信号に基づき、導出トルクが上記閾値以上となった場合には、導出トルクが上記閾値よりも小さくなるまで、加速度を減少させるように回転数を制御するように構成することは、格別の創意を要することなく容易に想到できたことであり、その際に、導出トルクが上記閾値以上となった場合以外では、引用発明における本来の制御である、検出圧力と圧力設定値との差をなくすように回転数を制御するようにすることは、自然なことであり設計的事項にすぎない。

そして、本願発明による効果も、引用発明、引用例2に記載された発明及び周知技術から当業者が予測し得た程度のものであって、格別のものとはいえない。

したがって、本願発明は、引用発明、引用例2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、審判請求人は、審判請求書の中で、「『電動機の回転数を低下させること』と『加速度を減少させること』とは異なる。」(「(e)拒絶査定における審査官の認定について」の項参照)、「引用文献に『電動機の回転数を低下させること』が開示されていたとしても、それは『加速度を負の値とすること』が開示されているに過ぎず、それを以って、当業者が図3、図6に示すような『加速度を減少させる』という制御、さらにいえば、『導出トルクが上記閾値よりも小さくなるまで、加速度を減少させるように上記回転数を制御』に容易に想到し得ない。」(同上)と主張する。
しかしながら、上記「5.判断」において述べたとおり、引用例2には、「駆動量を降下させ」と記載され、「駆動量」の具体例として「回転数」だけでなく「加速度」も示されているのであるから、「加速度を減少させる」ことが記載されているものと認められる。
よって、審判請求人の主張は採用できない。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用例2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願発明即ち請求項1に係る発明が特許を受けることができないものである以上、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-11-04 
結審通知日 2010-11-09 
審決日 2010-11-22 
出願番号 特願2004-196412(P2004-196412)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 刈間 宏信  
特許庁審判長 川本 真裕
特許庁審判官 大山 健
山岸 利治
発明の名称 回転式圧縮機  
代理人 前田 厚司  
代理人 田中 光雄  
代理人 山崎 宏  

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