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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 A61L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61L
管理番号 1230970
審判番号 不服2007-19102  
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-07-09 
確定日 2011-01-04 
事件の表示 平成 9年特許願第541914号「医療および獣医学廃棄物の殺菌方法と装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年11月27日国際公開、WO97/44069、平成12年 9月12日国内公表、特表2000-511791〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I.手続の経緯
本願は、平成9年(1997年)5月9日(パリ条約による優先権主張1996年5月17日 スイス)を国際出願日とする出願であって、平成19年4月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成19年7月9日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、平成19年8月7日に手続補正がなされたものである。

II.平成19年8月7日にした手続補正(以下「本件手続補正」という。)についての補正却下の決定
〔補正却下の決定の結論〕
本件手続補正を却下する。

〔理由〕
1.本件手続補正後の本願補正発明
本件手続補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】殺菌によって、現場で医療および獣医学廃棄物を処理する方法において、
順に、
後で運搬し、直後に電磁加熱によって処理するために廃棄物を準備する過程と、
廃棄物を均質でほぼ均一サイズのロットに分割する過程と、
300MHzと1GHzの間に含まれる周波数範囲内で、電磁的に発生した熱源の前でロットごとに廃棄物を殺菌する過程と、
殺菌した廃棄物を処理区域の外に無菌状態で運び出し、輸送のために、外部にさらすことなくそれを回収する過程
を含み、
170℃を超える温度及び4バールを超える圧力の下で処理が行われ、廃棄物の準備が粉砕粒化装置またはスクリュー式圧縮機による粉砕過程を含むことを特徴とする方法。」(以下、「本願補正発明」という。)と補正された。

上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「次の順序で」を「順に」に、「27MHzと9GHzの間に含まれるの周波数範囲内で」を「300MHzと1GHzの間に含まれる周波数範囲内で」に、「170℃を超える温度で、4バールを超える圧力の下で処理が行われる」を「170℃を超える温度及び4バールを超える圧力の下で処理が行われ、廃棄物の準備が粉砕粒化装置またはスクリュー式圧縮機による粉砕過程を含む」に限定し、さらに「;」あるいは「:」を「、」に補正するものである。
しかし、電磁的に発生した熱源の前でロットごとに廃棄物を殺菌する過程を、300MHzと1GHzの間に含まれる周波数範囲内で行うことは、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載も示唆もされているものではない。
すなわち、願書に最初に添付した明細書又は図面には、周波数範囲に関しては、27MHzと9GHzの間に含まれる周波数との記載がなされているのみであって、その周波数範囲のうちで特に300MHzと1GHzの間に含まれる周波数が好ましい旨の記載がなされているものではない。
したがって、この補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである

また、審判請求人は、この補正は特許請求の範囲の限定的限縮に該当し、また、新規事項の追加に該当するものではない旨主張しているので、仮に、上記補正が平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものとして、本件補正後の前記請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用例の記載事項
原査定の拒絶理由で引用した特表平05-503654号公報(以下「引用例1」という)には、以下の事項が記載されている。

a:「1.医療廃棄物を処理するための装置であって、医療廃棄物を殺菌するため高周波電磁線を当てる手段と、殺菌された医療廃棄物に埋立てごみ以外の更に別の用途を有する材料に変換する手段と、を含むことを特徴とする装置。
2.高周波電磁線を当てる手段は、廃棄物の温度を約90℃から100℃まで上げるのに十分な高周波電磁線を当てることができる誘電加熱器であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の装置。
3.誘電加熱器は約5メガヘルツから約100メガヘルツの周波数の波を発生することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の装置。
・・・
8.殺菌手段の上流に、医療廃棄物を破砕する手段と、医療廃棄物の破片を収容する容器と、医療廃棄物の破片を容器に入れる手段と、容器内の医療廃棄物の破片を圧密する手段と、容器にかぶせる蓋とを更に含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の装置。」(特許請求の範囲)

b:「本発明は、全体として、医療廃棄物の処理方法に関し、更に詳細には、殺菌方法及び医療廃棄物を顆粒状の精製プラスチックのような有利に使用できる形態に変える方法に関する。この処理方法は、廃棄物を破壊して破片にする工程と、廃棄物の破片に高周波を当てる工程と、殺菌した破片を有用な構成要素に変える工程とを含む。医療廃棄物という用語は、医療廃棄物だけでなく、獣医学的廃棄物をも含む。医療廃棄物の種類及び組成を最初に論じ、次いで、現在の廃棄物取り扱い方法の問題点を論じる。・・・
病院及び医学及び獣医学上の廃棄物の他の発生元は、3つの主要な廃棄物の処理方法を採用する。
(1)廃棄物を現場で灰化する。
(2)廃棄物を現場で加圧蒸気滅菌し、ごみ処理地に運び出す。
(3)廃棄物を廃棄物輸送業者に変える前に、現場以外で処理する。」(第2頁左下欄第4行?右下欄第4行)

c:「本発明の装置への投入物として、第1図に示すように、密封箱10に入った廃棄物が、医療廃棄物加工機構12に到着し、移送ベルト14上に降ろされ、ここで、各一荷分の全ての箱10が、分けられ、計数される。シュレッダ-装備コンベヤ16が、箱10を、予備加工室18に搬入する。予備加工室18は、シュレッダー20及びスクリューコンベヤ22を含み、これらは、医療廃棄物を破片に分解し、破片を消毒用の他の容器34に移動させるように設計されている。本明細書において定義されているように、分解とは、材料を約3.81cm(1 1/2インチ)以下の比較的均一な大きさに解体又は細断することをいう。」(第3頁右下欄第7行?第14行)

d:「廃棄物断片は、スクリューコンベヤ22を介してシュレッダー20を出、スクリューコンベヤは、チューブ内部で作動し、更に医療廃棄物断片をコンベヤチューブ45へと垂直方向に搬送し、コンベヤチューブから、断片が空気圧プレス43に落下する。空気圧プレス43は、医療廃棄物断片を、24インチ、24インチ、18インチの大きさで約50ポンドの重さのある耐熱性プラスチックポリエチレン容器34内で圧縮する。・・・各容器34は、約200ポンドの圧縮された廃棄物断片で満たされる。この時点で、水を加えてもよいが、通常必要というわけではない。・・・しかる後、満たされた容器34に蓋が具合よく(snugly)取り付けられる。」(第4頁左上欄第19行?右上欄第4行)

e:「次いで、第1図に示すように、医療廃棄物断片の封止された容器34は、予備加工室18を離れて高周波(RF waves)による容積加熱(volumatric heating)用の誘電ヒーター38に搬送される。高周波は、電磁エネルギーの形態である。高周波は、更に、主としてそれらの経時変化する電場と分子との相互作用により、材料に直接エネルギーを伝達する。高周波は、高周波交流を一対の電極に接続することにより施すことができる。二つの電極の間に、経時変化する電場成分を有する交流高周波電磁場がつくられる。物体が電極の間の経時変化する電場に置かれると、経時変化する電場は、部分的又は完全に物体を透過し、物体を加熱する。」(第4頁右上欄第13行?第21行)

f:「容器34は、出ロトンネル42を経由して、誘電ヒーター38を離れる。トンネル42を出た後、消毒された医療廃棄物の容器34は、以下に詳述するような加工のためのステーションへと進行する。・・・加熱された室における時間は、約1?6時間であるのが好ましい。容器34が、加熱された室に約1時間留ることがより好ましい。」(第5頁右上欄第9行?第15行)
上記記載から、引用例1には、
殺菌によって、医療および獣医学廃棄物を処理する方法において、順に、後で運搬し、直後に電磁加熱によって処理するために廃棄物を準備する過程と、廃棄物を容器に満たし蓋をする過程と、約5メガヘルツから約100メガヘルツの間に含まれる周波数範囲内で、電磁的に発生した熱源の前で容器ごとに廃棄物を殺菌する過程と、殺菌した廃棄物を運び出し、輸送のために、それを回収する過程を含み、約90℃から100℃の温度の下で処理が行われ、廃棄物の準備が粉砕過程を含む方法、が記載されている(以下、「引用発明」という。)。

また、原査定の拒絶理由で引用した国際公開第95/24228号(以下「引用例2」という)には、以下の事項が記載されている。(翻訳文として、公表公報である特表平9-509868号公報の記載を用いる。)

g:「【特許請求の範囲】
1. 一定の湿気を有する、液体及び/又は固体の有害廃棄物、特に病院の廃棄物を殺菌するための方法であって、前記方法は高周波電磁界による前記廃棄物の処理を含み、前記廃棄物は前記処理の間しっかりしたチャンバの中で処理され、前記電磁界の適用手段が前記チャンバの全て又は一部を構成していることを特徴とする廃棄物の殺菌方法。
2. 前記廃棄物は、処理の間機械的に圧縮されていることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物の殺菌方法。
3. 前記チャンバ中で、-特に電磁界の適用手段によって廃棄物を機械的に圧縮し、-前記廃棄物を圧縮した状態で維持し、電磁界の作用を与えることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物の殺菌方法。
4. 前記電磁界が1から300MHzの周波数を含み、好ましくは27MHz近辺の周波数を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の廃棄物の殺菌方法。
5. 前記廃棄物が10^(5)?3×10^(6)Pa(1?30バール)の間に含まれる圧力で処理されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の廃棄物の殺菌方法。
6. 前記チャンバの中で電磁界にさらされる前に、前記廃棄物が、-廃棄物の湿気を調節するために充填及び/又は前処理され、および/または、-機械的に圧縮されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の廃棄物の殺菌方法。
7. 前記廃棄物が150℃?180℃に含まれる温度で、5×105?106Pa(5?10バール)の間に含まれる圧力で10?3分間処理されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の廃棄物の殺菌方法。
8. 請求項1から7記載の廃棄物の殺菌方法を実施するための装置であって、-高周波電磁界を発生するための手段と、-処理される廃棄物を受け入れるのに適した密閉されたチャンバであって、前記チャンバは前記電磁界の適用手段と、センサーとチャンバ内部の圧力を調整するための手段とを具備したチャンバとを備えることを特徴とした廃棄物の殺菌装置。
9. 前記密閉されたチャンバが、廃棄物を圧縮し、処理している間圧縮された状態で廃棄物を維持する手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の廃棄物の殺菌装置。」(14頁3行?15頁12行、公表公報の2頁1行?3頁6行)

h:「本発明は、その目的として有害廃棄物を殺菌するための方法とそれに関連する装置に関する。この記載から明らかなように、前記の方法は一定の湿気を有する液体及び/または固体の廃棄物の殺菌、特に病院から、すなわち医院、歯科医院、獣医院などの手術により生じる固体の廃棄物又は屠殺場から出される液体の廃棄物の殺菌に適している。この方法は、高周波電磁界を用いる。
従来の焼却方法では、このような廃棄物に清潔な状態と安全性を保証できなかったため、特別で、大変高価な焼却炉が開発されており、また多数の技術が平行して開発されている。」
(1頁3?10行、公表公報の4頁4?11行)

i:「本発明による方法は、以下の条件を廃棄物に適用することにより好都合に実施される。
-温度 :150?180℃
-圧力 :5×10^(5)?10^(6)Pa (5?10バール)
-処理の持続時間:10?3分 」(6頁27?31行、公表公報の9頁13?18行)

3.対比
引用例1においても、予備加工室において廃棄物を比較的均一な大きさに解体又は細断して容器に満たされているのであるから(記載事項c及びd)、引用例1においても明示的に記載はされていないが、実質的には廃棄物を均質で均一サイズのロットに分割しているものである。したがって、引用発明の「廃棄物を容器に満たし蓋をする過程」は、本願補正発明の「廃棄物を均質でほぼ均一サイズのロットに分割する過程」に相当する。
また、引用例1においても、廃棄物は容器に蓋がされた状態を維持したまま殺菌され、出口トンネルから出ていくのであるから(記載事項e及びf参照)、引用発明の「殺菌した廃棄物を運び出し、輸送のために、それを回収する過程」は、本願補正発明の「殺菌した廃棄物を処理区域の外に無菌状態で運び出し、輸送のために、外部にさらすことなくそれを回収する過程」に相当する。

上記の事項を考慮して、引用発明と本願補正発明を対比すると、両者は次の点で一致する。

[一致点]
殺菌によって、医療および獣医学廃棄物を処理する方法において、
順に、
後で運搬し、直後に電磁加熱によって処理するために廃棄物を準備する過程と、
廃棄物を均質でほぼ均一サイズのロットに分割する過程と、
電磁的に発生した熱源の前でロットごとに廃棄物を殺菌する過程と、
殺菌した廃棄物を処理区域の外に無菌状態で運び出し、輸送のために、外部にさらすことなくそれを回収する過程を含み、
廃棄物の準備が粉砕過程を含むことを特徴とする方法。

そして、両者は次の点で相違する。
[相違点1]
本願補正発明においては、現場で医療および獣医学廃棄物を処理するのに対し、引用発明は、処理する場所については特に記載がない点。

[相違点2]
本願補正発明においては、300MHzと1GHzの間に含まれる周波数範囲内で、電磁的に発生した熱源の前でロットごとに廃棄物を殺菌するのに対し、引用発明は、約5メガヘルツから約100メガヘルツの間に含まれる周波数範囲内で、電磁的に発生した熱源の前でロットごとに廃棄物を殺菌するものである点。

[相違点3]
本願補正発明は、170℃を超える温度及び4バールを超える圧力の下で処理が行われるのに対し、引用発明は、約90℃から100℃の温度の下で処理が行われ、処理の際の圧力については記載がない点。

[相違点4]
本願補正発明は、粉砕粒化装置またはスクリュー式圧縮機による粉砕であるのに対し、引用発明は、粉砕する装置については特に記載がない点。

4.相違点についての判断
(1)相違点1について。
引用例1には、医療および獣医学廃棄物を処理するに際し、現場で処理することもあれば現場以外で処理する場合もあることが記載されている(記載事項b)。そして、引用例1には引用発明の処理を行うに際し、処理の場所について特に限定しているわけではないから、引用発明の処理を現場で行うことは当業者が容易になし得ることである。

(2)相違点2について。
本願補正発明では、300MHzと1GHzの間に含まれる周波数を用いているが、高周波で加熱する際に、300MHz以上の周波数を用い得ることは、周知の事項であって(例えば、特開平3-126462号公報の3頁左上欄7?12行参照)、このような周波数範囲に限定することに何ら困難性は認められず、当業者が容易になし得ることにすぎない。

(3)相違点3について。
本願補正発明では、170℃を超える温度及び4バールを超える圧力の下で処理が行われているが、引用例2には、高周波電磁界により医療廃棄物を処理する際に、廃棄物を150℃?180℃の温度で、5×10^(5)?10^(6)Pa(5?10バール)の圧力で処理することが記載されているから、引用発明において、170℃を超える温度及び4バールを超える圧力の下で処理を行うことは、当業者が容易になし得ることである。

(4)相違点4について。
引用発明には、粉砕する装置については特に記載がないが、粉砕するという過程を有しているのであるから、何らかの粉砕装置を用いているものであり、その際用いる装置として、粉砕粒化装置またはスクリュー式圧縮機という周知の粉砕装置を用いることは当業者が容易になし得ることである。

そして、出願人が主張する効果についても何ら格別のものとは認められない。

以上検討したところによれば、本願補正発明は、引用例1及び2に記載された事項及び周知の技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)まとめ
以上のとおりであるから、本件手続補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

III.本願発明について
1.本願発明
上記のとおり、本件手続補正は却下されたので、本願の各請求項に係る発明は、平成9年3月16日にした手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1には、次のとおり記載されている。
「【請求項1】殺菌によって、現場で医療および獣医学廃棄物を処理する方法において、次の順序で、
後で運搬し、直後に電磁加熱によって処理するために廃棄物を準備する過程と;
廃棄物を均質でほぼ均一サイズのロットに分割する過程と;
27MHzと9GHzの間に含まれるの周波数範囲内で、電磁的に発生した熱源の前でロットごとに廃棄物を殺菌する過程と;
殺菌した廃棄物を処理区域の外に無菌状態で運び出し、輸送のために、外部にさらすことなくそれを回収する過程:
を含み、
170℃を超える温度で、4バールを超える圧力の下で処理が行われることを特徴とする方法。」(以下、「本願発明」という。)

2.引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、上記II.2に記載したとおりであり、引用例1には、上記II.2に記載したとおりの発明が記載されているものと認められる。

3.対比・判断
本願発明は、上記II.1で検討したように、本願補正発明から、前記限定事項を省いたものに相当する。
そうすると、本願発明について、発明を特定する事項をすべて含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、上記II.4に記載したとおり、引用例記載の発明及び周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願発明(請求項1に係る発明)は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-07-29 
結審通知日 2010-08-03 
審決日 2010-08-17 
出願番号 特願平9-541914
審決分類 P 1 8・ 561- Z (A61L)
P 1 8・ 575- Z (A61L)
P 1 8・ 121- Z (A61L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 金 公彦  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 藤井 昇
植前 津子
発明の名称 医療および獣医学廃棄物の殺菌方法と装置  
代理人 太田 恵一  

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