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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06Q
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06Q
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1231065
審判番号 不服2008-20603  
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-08-11 
確定日 2011-01-26 
事件の表示 平成10年特許願第 93965号「タッチパッドによるユーザ・インターフェースを有する双方向通信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成10年10月27日出願公開、特開平10-289045〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成10年3月23日(パリ条約による優先権主張1997年4月14日、アメリカ合衆国)の出願であって、平成20年2月21日付けで手続補正がなされ、同年5月7日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月11日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年8月22日付けで手続補正がなされ、平成22年4月2日付けで審尋がなされたものである。なお、この審尋に対して回答がなされていない。

2.平成20年8月22日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年8月22日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正の内容
平成20年8月22日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、請求項1は、
「双方向通信装置であって:
タッチパッド(10)を含む少なくとも1つの入力装置;
前記タッチパッド(10)の第1部分(50)に配置された固定電話キーパッド画像部(26);
前記固定電話キーパッド画像部(26)を選択的に可視化し、選択的に隠蔽する、少なくとも1つの第1光学素子(34);
前記タッチパッド(10)の第2部分(52)に配置された少なくとも1つのアイコン(62)を含む固定アイコン画像部(30);
前記固定アイコン画像部(30)を選択的に可視化し、選択的に隠蔽する少なくとも1つの第2光学素子(36);および
前記タッチパッドに接続されたコントローラ(16);
を備え、
前記コントローラは、前記固定電話キーパッド画像部が可視化されるとき、前記タッチパッドの前記第1部分から第1の入力コマンドを受信可能であり、該第1の入力コマンドは電話コマンドを示す第1の2ストローク移動を含むことを特徴とする双方向通信装置。」
と補正された。なお、下線は、補正箇所を示すため、請求人が付与したものである。

(2)新規事項の追加について
(ア)請求人の主張
平成20年8月22日付けの手続補正書(方式)により補正された同年8月11日付けの審判請求書の「3-1. 補正事項の説明」の記載からみて、新規事項の追加についての請求人の主張の概要は以下のとおりである。
「この手続補正書(方式)と同日付けの手続補正書では、平成20年2月21日付けで提出した手続補正書の請求項1が補正されている。この請求項1の補正事項は、出願当初の特許請求の範囲の[請求項1]、明細書の段落[0042],[0049]、及び図面の[図7]の記載に基づく。従って、この補正は、出願当初の明細書、図面等の開示範囲内においてしたものであり、新規事項を追加するものではないと思料する。」

(イ)当初明細書に記載された事項について
固定電話キーパッド画像部(26)を備えた双方向通信装置の実施例が電話モードにある場合及びコンピュータ・モードにある場合に関して、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「当初明細書等」という。)には、以下の事項が記載されている。
(a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパッド(10)を有する双方向通信装置であって:
前記タッチパッド(10)に応答し、該タッチパッドが受信する第1の2ストローク移動(210,220,230,240,250)を認識するコントローラ(16)を備え、前記第1の2ストローク移動は電話コマンドを示すことを特徴とする双方向通信装置。」

(b)「【0042】
双方向通信装置は電話モードにある場合が図示されており、第1永久画像26,第3永久画像56,および第4永久画像59が可視状態にあり、第2永久画像30は隠蔽されている。このモードでは、コントローラ16は、第1バックライト素子80,第4バックライト素子86,および第5バックライト素子88を照明し、第2バックライト素子82および第3バックライト素子84を消光する。電話モードは、電力ボタン112を押圧したとき、または第1入力装置12を押圧したときに開始することができる。第1入力装置12には、電話機アイコン116が関連付けられており、その機能を電話モード・ボタンとして示す。電話モードでは、エンド・ユーザは、タッチパッド10の示された部分に接触することによって、電話コマンドを入力することができる。このように、エンド・ユーザは、双方向通信装置を用いて電話番号をダイアルし、電話の呼を開始したり、着信する電話の呼に答えることができる。その後、エンド・ユーザは、オーディオ入力装置22およびオーディオ出力装置24を用いて、相手側と会話を交信することができる。
【0043】
図5は、図4の実施例がコンピュータ・モードにある場合の平面図である。このモードでは、第1永久画像26が視界から隠蔽され、第2永久画像30および第3永久画像56が可視状態となっている。この目的のために、コントローラ16は、第1バックライト素子80を消光し、第2バックライト素子82,第3バックライト素子84,第4バックライト素子86,および第5バックライト素子88を照明してある。
【0044】
コンピュータ・モードは、第2入力装置14を押圧したときに開始される。第2入力装置14には、コンピュータ関係アイコン118が関連付けられており、その機能をコンピュータ・モード・ボタンとして示す。コンピュータ・モードでは、エンド・ユーザは、タッチパッド10の示された部分に接触することによって、コンピュータ関係コマンドを入力することができる。加えて、ユーザ発生ポイントおよびクリック・コマンドを、タッチパッド10の中央部に位置する部分120から受信することができる。更に、テキスト・データを示すユーザ発生移動(user-initiatedmovement)を、タッチパッド10の部分120から受信することができる。部分120は、隠蔽されたダイアル数字と同じ汎用領域にある。このように、双方向通信装置は、ネットワーク・ナビゲーション装置として使用し、ワールド・ワイド・ウエブ・ページや電子ネットワーク内の他のリソースを閲覧することができる。」
(c)4図及び5図

また、入力コマンドが電話コマンドを示す2ストロークを含む双方向通信装置の入力に関して、当初明細書等には、以下の事項が記載されている。
(d)「【0045】
図6は、本発明による双方向通信装置の他の実施例の平面図である。この双方向通信装置は、第1ハウジング130および第2ハウジング132を含む。第1ハウジング130は、蝶番134によって、第2ハウジング132に枢動状に接続されている。開状態では、双方向通信装置は、約52mmの幅および約180.06mmの長さを有する。
【0046】
第1ハウジング130は、オーディオ出力装置24およびディスプレイ装置44を支持する。第2ハウジング132は、タッチパッド10,電話キーパッド142,スクロール・キー144,オーディオ入力装置22,電力ボタン112,読み出しキー146,記憶キー148,およびクイック・アクセス・キー(quickaccess key) 149を支持する。送受信機20,コントローラ16,音声合成器42,バッテリ(具体的に図示せず)は、第1ハウジング130または第2ハウジング132のいずれで支持することも可能である。
【0047】
コンピュータ・モードにおける動作では、ユーザ発生コンピュータ・コマンドおよび/またはネットワーク・ナビゲーション・コマンドが、タッチパッド10によって受信される。このように、双方向通信装置を用いて、電子ネットワークのリソースの探索(navigate)および閲覧(browse)を行うことができる。
【0048】
電話モードにおける動作では、ユーザ発生電話コマンドは、電話キーパッド142(それを表す信号をコントローラ16に伝達する)またはタッチパッド10のいずれかによって受信される。タッチパッド10を用いて電話コマンドの入力する1組の好適なユーザのポインタ移動について、図7を参照しながら説明する。その後、双方向通信装置は、電話として通信するために用いることができる。電話番号は、記憶キー148および読み出しキー146をそれぞれ用いて、記憶および読み出しが可能となっている。
【0049】
図7は、タッチパッド10を用いて電話コマンドを入力するための好適な1組の移動の図である。通常、コントローラ16はタッチパッド10に応答して、複数の単一方向ストロークのような、ユーザが発するポインタの移動を認識する。単一方向ストロークは、第1ダイアル数字のような第1電話コマンドを示す第1単一方向ストローク,および第2ダイアル数字のような第2電話コマンドを示す第2単一方向ストロークを含むことができる。更に、コントローラ16は、他のダイアル数字のような他の電話コマンドを示す、タップ移動(tap movement)および回転移動(circular movement) も認識する。更にまた、コントローラは、他の電話コマンドを示す2ストローク移動も認識する。これらのコマンドは、送信,終了,読み出し,およびクリアというような、ワイヤレス電話コマンドを含むことができる。
【0050】
好ましくは、数字「1」ないし「9」については、対応する各移動は、エンド・ユーザが標準的なキーパッドを用いてその対応するキーを見ないで突き止める際に行う運動(motion)を含む。即ち、「1」から「9」までの数字に対する対応する各移動は、「5」キーから所望のキーまでの運動を含む。したがって、数字「1」,「2」,「3」,「4」,「6」,「7」,「8」,「9」の各々には、それぞれ、固有の単一方向ストローク180,182,184,186,190,192,194,196が関連付けられている。数字「5」は、タップ・ストローク200によって表される。尚、図7に示す大きなドットは、ユーザの移動の開始点を識別することを注記しておく。
【0051】
数字「1」ないし「9」に対する移動は、コントローラ16がストローク運動の角度を判定し、その角度を各数字に関連付けられている角度範囲と比較することによって認識することができる。ストローク運動の角度を判定するには、タッチパッド10が発生する(x,y)位置データに線分を一致させ、この線分の傾斜および運動の方向から角度を判定することができる。汎用性を失うことなく、ストローク運動の角度は、水平方向ベクトルから右側に反時計方向に測定することができる。
【0052】
角度に対する前述の規則を用いて、入力移動は以下のように記述することができる。数字「1」の移動は、約135゜の角度を有する単一方向ストロークから成る。数字「2」の移動は、約90゜の角度を有する単一方向ストロークから成る。数字「3」の移動は、約45゜の角度を有する単一方向ストロークから成る。数字「4」の移動は、約180゜の角度を有する単一方向ストロークから成る。数字「6」の移動は、約0゜の角度を有する単一方向ストロークから成る。数字「7」の移動は、約225゜の角度を有する単一方向ストロークから成る。数字「8」の移動は、約270゜の角度を有する単一方向ストロークから成る。数字「9」の移動は、約315゜の角度を有する単一方向ストロークから成る。数字「1」,「2」,「3」,「4」,「6」,「7」,「8」,「9」の各々に対する角度範囲は、前述の公称角度±22.5゜の範囲とすることができる。
【0053】
数字「5」の移動は、タッチパッド10のタップから成る。数字「0」の移動は、ループ運動移動202から成る。ループ運動移動202は、必要であれば、その開始点とは無関係に認識することも可能である。
【0054】
アステリスクに対する移動は、3ストローク移動204から成る。3ストローク移動204は、約315゜の角度を有する第1ストローク,約180゜の角度を有する第2ストローク,および約45゜の角度を有する第3ストロークを含む。シャープ・キーに対する移動は3ストローク移動206から成る。3ストローク移動206は、約270゜の角度を有する第1ストローク,約135゜の角度を有する第2ストローク,および約0゜の角度を有する第3ストロークを含む。他の電話コマンドは、タッチパッド10が受信する2ストローク移動によって表される。送出コマンドに対する移動は、2ストローク移動210から成り、約45゜の角度を有する第1ストローク210,および約315゜の角度を有する第2ストローク212を含む。終了コマンドに対する移動は、2ストローク移動220から成り、約315゜の角度を有する第1ストローク222および約45゜の角度を有する第2ストローク224を含む。読み出しコマンドに対する移動は、2ストローク移動230から成り、約135゜の角度を有する第1ストローク232,および約225゜の角度を有する第2ストローク234を含む。クリア・コマンドに対する移動は、2ストローク移動240から成り、約225゜の角度を有する第1ストローク242,および約315゜の角度を有する第2ストローク244を含む。
【0055】
オーディオ・プレビュー・コマンドに対する移動は、2ストローク移動250から成り、約315゜の角度を有する第1ストローク252,および約225゜の角度を有する第2ストローク254を含む。オーディオ・プレビュー・コマンドを受信すると、コントローラ16は、音声合成器42に、入力されたダイアル数字を音声表現に変換し、オーディオ出力装置24によって再生するように命令する。このようにして、エンド・ユーザは、ユーザ入力が正しく認識されたことを確認することができる。
【0056】
好ましくは、上述の移動は全て相対的な移動として認識される。その結果、移動の認識は、タッチパッド10上におけるその開始点とは無関係となる。」

(e)第6図、第7図

(ウ)当審の判断
請求項1に記載された「タッチパッド(10)の第1部分(50)に配置された固定電話キーパッド画像部(26)--を備え、--前記固定電話キーパッド画像部が可視化されるとき、---該第1の入力コマンドは電話コマンドを示す第1の2ストローク移動を含む」ことが当初明細等に記載された範囲内の事項かどうか以下に検討する。
上記摘記事項(a)に記載された特許請求の範囲の第1項には、第1の入力コマンドが電話コマンドを示す第1の2ストローク移動を含むことは記載されているものの、タッチパッド(10)の第1部分(50)に配置された固定電話キーパッド画像部(26)を備えた双方向通信装置において、固定電話キーパッド画像部が可視化されとき、該第1の入力コマンドは電話コマンドを示す第1の2ストローク移動を含むことが記載されていないので、「タッチパッド(10)の第1部分(50)に配置された固定電話キーパッド画像部(26)--を備え、--前記固定電話キーパッド画像部が可視化されるとき、---該第1の入力コマンドは電話コマンドを示す第1の2ストローク移動を含む」が上記摘記事項(a)に記載されているとは認められず、また、上記摘記事項(a)の記載から自明な事項とも認められない。

次に、上記摘記事項(b)及び(c)に記載された実施例には、タッチパッド(10)の第1部分(50)に配置された固定電話キーパッド画像部(26)を備え、前記固定電話キーパッド画像部が可視化されるとき、タッチパッドに対するエンドユーザの接触を含むことは記載されているものの、タッチパッド(10)の第1部分(50)に配置された固定電話キーパッド画像部(26)を備え、前記固定電話キーパッド画像部が可視化されるとき、第1の入力コマンドは電話コマンドを示す第1の2ストローク移動を含むことが上記摘記事項(b)及び(c)に記載されているとは認められず、上記摘記事項(b)及び(c)の記載から自明な事項とも認められない。
さらに、上記摘記事項(d)及び(e)に記載された他の実施例では、タッチパッド(10)を備え、第1の入力コマンドが電話コマンドを示す第1の2ストロークを含むことは記載されているものの、タッチパッド(10)には、その第1部分(50)に、固定キーパッド画像部を備え、その固定電話キーパッド画像部が可視化されるとき、第1の入力コマンドが電話コマンドを示す第1の2ストロークを含むことが上記摘記事項(d)及び(e)に記載されているとは認められず、また、上記摘記事項(d)及び(e)の記載から自明な事項とも認められない。
そうすると、「タッチパッド(10)の第1部分(50)に配置された固定電話キーパッド画像部(26)--を備え、--前記固定電話キーパッド画像部が可視化されるとき、---該第1の入力コマンドは電話コマンドを示す第1の2ストローク移動を含む」ことが当初明細書等に記載されておらず、また、当初明細書等の記載から自明な事項とも認められない。
したがって、本件補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内でなされたものとは認められず、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるから、請求人の上記主張を採用することができず、平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

(3)補正の目的について
上記の補正の内容からみて、請求項1に係る本件補正は、「前記固定電話キーパッド画像部が遮蔽される」を「前記固定電話キーパッド画像部が可視化される」に変更する補正事項(以下、「当該補正事項」という。)を含むものである。
そして、当該補正事項について検討すると、補正後の「前記固定電話キーパッド画像部が可視化される」との事項は、補正前の「前記固定電話キーパッド画像部が遮蔽される」との事項の下位概念ではなく、同位の概念であるので、当該補正事項は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に掲げられた「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当しない。
また、当該補正事項が改正前特許法第17条の2第4項第1号に掲げられた「請求項の削除」を目的とするものにも、同項第3号に掲げられた「誤記の訂正」を目的とするものにも、同項第4号に掲げられた「明りょうでない記載の釈明」を目的とするものにも該当しないことは明らかである。
したがって、当該補正事項は、改正前特許法第17条の2第4項に規定する要件に違反しているので、当該補正事項を含む本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反する。

(4)まとめ
上記(2)で述べたとおり、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
また、上記(3)で述べたとおり、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明
平成20年8月22日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、同年2月21日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「双方向通信装置であって:
タッチパッド(10)を含む少なくとも1つの入力装置;
前記タッチパッド(10)の第1部分(50)に配置された固定電話キーパッド画像部(26);
前記固定電話キーパッド画像部(26)を選択的に可視化し、選択的に隠蔽する、少なくとも1つの第1光学素子(34);
前記タッチパッド(10)の第2部分(52)に配置された少なくとも1つのアイコン(62)を含む固定アイコン画像部(30);
前記固定アイコン画像部(30)を選択的に可視化し、選択的に隠蔽する少なくとも1つの第2光学素子(36);および
前記タッチパッドに接続されたコントローラ(16);
を備え、
前記コントローラは、前記固定電話キーパッド画像部が遮蔽されるとき、前記タッチパッドの前記第1部分から第1の入力コマンドを受信可能であることを特徴とする双方向通信装置。」

4.引用例
(1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された特開平9-62198号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(a)「【0021】次に、上記構成における携帯端末Pの動作について説明する。まず、発呼時の動作について図5を使用して説明する。携帯端末Pの電源がOFFの状態で、蓋体30が開蓋状態で、電源操作スイッチ20を押すと、電源が投入され、表示パネル14の全表示領域にバックライトが照射される(S101)。つまり、電源操作スイッチ20の押し操作を操作検出部44が検出すると、この情報が主制御部58に通知され、主制御部58はLCD表示制御部40に対して図2に示す表示画像36を表示するように指示し、これを受けたLCD表示制御部40では、LCDディスプレイ制御部68が、表示用データが格納されているROM(図示せず)からデータを読み込み、上記表示画像36をLCDディスプレイ64に表示する。また、主制御部58からLCD表示制御部40に対してバックライトの照射が指示され、点灯制御部66は第1照明部60と第2照明部62とに対してバックライトを照射するように指示する。
【0022】なお、蓋体開閉検出部46の検出結果に従い、蓋体30が閉蓋状態で電源が投入された場合には、第1照明部60のみ点灯し、開蓋動作があった時点で第2照明部62を点灯させるようにしてもよい。また、時間監視部48により、電源投入後一定時間入力キーの操作をしない場合には、バックライトを消灯するようにしてもよい。
【0023】次に、表示パネル14に表示されているダイヤルキー表示部38eの各ダイヤルキーを押圧することにより、押圧されたダイヤル番号が入力キー表示部38bに表示される(S102)。つまり、上記各ダイヤルキーが押圧されると、これをタッチパネル部が検知し、その押圧位置を主制御部58に通知する。そして、主制御部58は、押圧位置に対応するダイヤル番号を認識し、その番号をRAM(図示せず)に記憶するとともに、LCD表示制御部40に該ダイヤル番号を表示するように指示する。すると、LCD表示制御部40では、LCDディスプレイ制御部68が主制御部58から送られてきたダイヤル番号をLCDディスプレイ64に表示するのである。
【0024】次に、表示画像36におけるファンクションキー表示部38eにおける「スタート」キーが押圧されたか否かがチェックされ、押圧されていなければ上記ステップS102に戻り、押圧されていれば以下のステップS104に移行する。つまり、ステップS104においては、上記「スタート」キーが押圧されたことにより発呼動作を行う。具体的には、上記「スタート」キーが押圧されたことがタッチパネル部42から主制御部58に通知され、主制御部58は、それまで記憶していたダイヤル番号と通信回線接続指示を通信処理部50に通知する。すると、通信処理部50がアンテナ12を介して該ダイヤル番号の端末と接続処理を行う。上記ステップS104において接続処理が行われると通話可能状態となる(ステップS105)。
【0025】ここで、通話中においては、表示画像36を見る機会はほとんどなく、バックライトを照射しておく必要はないので、ユーザは第1照明操作スイッチ22と第2照明操作スイッチ24を押すことによって第1照明部60と第2照明部62を消灯することができる。すなわち、第1照明操作スイッチ22を押すことにより、操作検出部44が該押し操作を検出し、主制御部58に通知する。すると、主制御部58は、LCD表示制御部40に第1照明部60の消灯を指示し、LCD表示制御部40においては、点灯制御部66が第1照明部60の駆動を停止する。また、同様に、第2照明操作スイッチ24を押すと、操作検出部44から該スイッチが押し操作されたことが通知され、主制御部58はLCD表示制御部40に第2照明部62の消灯を指示し、LCD表示制御部40においては、点灯制御部66が第2照明部62の駆動を停止する。
【0026】すなわち、ユーザは表示画像36の内容を見る必要がない場合には、第1照明操作スイッチ22と第2照明操作スイッチ24の両方を押して画面全体のバックライトを消灯すればよい。また、受信感度を確認することができるようにする等第1表示領域37aの内容だけ必要な場合には、第2照明操作スイッチ24のみ押すことにより第2照明部62のみを消灯する。一方、第2表示領域37bの内容だけ必要な場合には第1照明操作スイッチ22のみ押すようにする。
【0027】なお、消灯操作をしたバックライトを再度点灯させたい場合には、再度第1照明操作スイッチ22や第2照明操作スイッチ24を押すことにより行うことができる。例えば、第1照明操作スイッチ22を押して一度第1照明部60を消灯し、その後、該第1照明部60を点灯させたい場合には再度第1照明操作スイッチ22を押すことにより第1照明部60を点灯させることができる。以上のように、表示パネルの表示領域を分割し、各表示領域についてバックライトを消灯することができるので、消費電力を削減することができる。
【0028】また、上記の実施例においては、照明操作スイッチを2つ設けて、第1照明部60と第2照明部62のON/OFF駆動の制御を行うようにしたが、1つのスイッチを用いることとしてもよい。つまり、1回の押し操作で第1照明部60のみが点灯され、2回の押し操作で第2照明部62のみが点灯され、3回の押し操作で第1照明部60と第2照明部62の両方が点灯され、4回の押し操作で第1照明部60と第2照明部62の両方が消灯されるようにする。
【0029】次に、通話が終了して回線を切断する場合には、ファンクションキー表示部38dの「切」キーを押すことにより回線切断処理を行う(ステップS106)。すなわち、該「切」キーを押圧することにより、タッチパネル部42がこれを検知し、その押圧位置を主制御部58に通知する。主制御部58においては、押圧位置に対応するキー入力コマンドを解析して、通信切断入力キーが操作されたことを認識し、通信回線切断指示を通信処理部50に通知する。すると、通信処理部50では通信回線の切断処理が行われる。なお、「切」キーを押して切断操作を行う場合に、上記「切」キーが表示される第2表示領域37bにバックライトが点灯されていない場合には、第2照明操作スイッチ24を押すことにより第2照明部62を点灯させるようにすればよい。このようにすることにより「切」キーの位置を明確にすることができる。
【0030】次に、着呼時の動作について図6を使用して説明する。携帯端末Pに電源が投入されている状態では、通信処理部50は他の端末からの着呼があるか否かを検知し続けている(ステップS201)。このとき、アンテナ12を介して該通信処理部50において着呼が検出された場合には、呼出し音の出力等通常の通信における処理の他に、着呼有無通知LED28と第1照明部60を点灯させる。ここで、通信処理部50は着呼検出手段として機能している。
【0031】つまり、該通信処理部50は主制御部58に着呼があった旨を通知するとともに、発呼してきた端末との通信のための処理を行う。主制御部58では、LED表示制御部52に対して着呼有無通知LED28の点灯を指示するとともに、LCD表示制御部40に対して第1照明部60の点灯を指示する。LCD表示制御部40では、点灯制御部66が第1照明部60を点灯させる。また、第1表示領域37aの入力キー表示部38bに所定の表示を行う。例えば、相手方の電話番号や「着信がありました」等のメッセージが考えられる。なお、着呼有無通知LED28は呼出し音に同期して点滅するようにしてもよい。
【0032】以上のようにすることにより、着呼有無通知LED28のほかに表示パネル14の一部を点灯させることにより容易に着呼があったことを確認することができる。特に、点灯された第1表示領域37aに上記のような所定の表示を行うことにより、相手方の電話番号等をより見やすくすることができる。また、表示画像36の全体を点灯するのではなく第1表示領域37aのみを点灯させるので、消費電力の削減を図ることができる。また、着呼があると自動的に着呼有無通知LED28と第1照明部60を点灯させるので、一々バックライトの点灯動作を行う必要がない。
【0033】次に、携帯端末P側でフックアップ操作を行った場合には、チャネルリンクが行われ通話状態となる(ステップS202)。通話状態になった場合に、点灯されていた第1照明部60は点灯されているが、通話中において、表示パネル14を見る必要がない場合には、上記の発呼時の場合と同様に、第1照明操作スイッチ22を押して第1照明部60を消灯するようにする。一方、第1照明部60や第2照明部62が消灯されている状態で、第1照明部60や第2照明部62を点灯させたい場合には、第1照明操作スイッチ22や第2照明操作スイッチ24を押して点灯させるようにする。
【0034】次に、通話が終了して回線を切断する場合には、上記発呼時の場合と同様に、ファンクションキー表示部38dの「切」キーを押すことにより回線切断処理を行う(ステップS203)。すなわち、該「切」キーを押圧すると、その押圧位置が主制御部58に通知され、主制御部58においては、通信切断入力キーが操作されたことを認識し、通信回線切断指示を通信処理部50に通知する。すると、通信処理部50では通信回線の切断処理が行われる。なお、「切」キーを押して切断操作を行う場合に、第2表示領域37bにバックライトが点灯されていない場合には、第2照明操作スイッチ24を押すことにより第2照明部62を点灯させるようにすればよい。このようにすることにより「切」キーの位置を明確にすることができる。
【0035】なお、上記の説明においては、着呼があった場合には、着呼有無通知LED28と第1照明部60とを点灯させるとして説明したが、着呼有無通知LED28を点滅させるとともに、第1照明部60を点滅させるようにしてもよい。つまり、該通信処理部50は主制御部58に着呼があった旨を通知するとともに、発呼してきた端末との通信のための処理を行い、主制御部58では、LED表示制御部52に対して着呼有無通知LED28の点滅を指示するとともに、LCD表示制御部40に対して第1照明部60の点滅を指示する。LCD表示制御部40では、点灯制御部66が上記着呼有無通知LED28の点滅と同期して第1照明部60を点灯させる。つまり、着呼有無通知LED28と第1照明部60とは、呼出し音に同期して点滅する。また、第1表示領域37aの入力キー表示部38bに相手方の電話番号等の所定の表示を行う。
【0036】以上のようにすることにより、着呼有無通知LED28のほかに表示パネル14の一部を点滅させることにより容易に着呼を確認することができ、特に、点灯された第1表示領域37aに上記のような所定の表示を行うことにより、相手方の電話番号等をより見やすくすることができる。また、第1表示領域37aのみを点滅させるので、消費電力の削減を図ることができる。また、着呼があると自動的に点滅させるので、一々バックライトの点灯動作を行う必要がない。さらには、着呼有無通知LED28と同期して第1照明部60の点滅させるので、より一層着呼があったことを容易に知ることができる。また、携帯端末Pが音声や振動等の着呼通知手段により着呼を通知する手段を有している場合には、この通知手段に同期してバックライトを点灯させるようにしてもよい。」(第7欄第43行-第11欄第41行)

(b)「【0037】次に、第2実施例について説明する。第2実施例における携帯端末も上記第1実施例と略同一の構成であるが、上記第1実施例と異なり、第1照明部60と第2照明部62の点灯と消灯を制御するスイッチが表示パネル14に表示される表示画像に表示され、上記第1実施例における第1照明操作スイッチ22や第2照明操作スイッチが設けられていないものである。
【0038】すなわち、第1照明部60の点灯を操作する表示キーとしての第1照明部操作キーが第1表示領域に表示され、また、第2照明部62の点灯を操作する表示キーとしての第2照明部操作キーが第2表示領域に表示されているものとする。つまり、第1照明操作スイッチ22の代わりに第1照明部操作キーが、第2照明操作スイッチ24の代わりに第2照明部操作キーが設けられているのである。なお、上記第1実施例と同様の構成要素についてはその説明を省略する。また、機能ブロック図としては、図3、図4に示すものと同様である。
【0039】本実施例の携帯端末の動作について説明する。本実施例の携帯端末の動作は上記第1実施例の携帯端末とほぼ同様であるが、第1照明部60と第2照明部62の消灯動作が異なる。つまり、発呼時に電源操作スイッチ20を押すと電源が投入され、表示パネル14の全表示領域にバックライトが照射される。そして、発呼操作を行うことにより発呼動作が行われ、通話状態となるが、この時バックライトを消灯する場合には、上記表示画像に表示された上記第1照明部操作キーと第2照明部操作キーとを押圧して消灯を行う。
【0040】具体的には、第1照明部60を消灯する場合には、第1照明部操作キーを押圧する。すると、タッチパネル部42がこれを検知し、その押圧位置を主制御部58に通知する。主制御部58は、押圧位置に対応するキー入力コマンドを解析して、上記第1照明部60を消灯するキー入力があったことを認識し、LCD表示制御部40に通知する。すると、LCD表示制御部40では、点灯制御部66が第1照明部60の駆動を停止する。また、同様に、第2照明部62を消灯する場合には、第2照明部操作キーを押圧する。すると、タッチパネル部42がこれを検知し、その押圧位置を主制御部58に通知する。主制御部58は、押圧位置に対応するキー入力コマンドを解析して、上記第2照明部62を消灯するキー入力があったことを認識し、LCD表示制御部40に通知する。すると、LCD表示制御部40では、点灯制御部66が第2照明部62の駆動を停止する。なお、消灯操作をしたバックライトを再度点灯させたい場合には、再度第1照明部操作キーや第2照明部操作キーを押すことにより行うことができる。
【0041】また、着呼時の動作については、上記第1実施例と略同様であり、図6を使用して説明すると、着呼があった場合には(ステップS201)、着呼有無通知LED28と第1照明部60を点灯させる。また、相手方の電話番号や所定のメッセージを表示するようにしてもよい。さらには、着呼有無通知LED28と第1照明部60を点滅させるようにしてもよい。
【0042】そして、携帯端末側でフックアップ操作をして通話状態になった場合には(ステップS202)、第1照明部60のみならず第2照明部62も点灯させる。つまり、第1照明部60の消灯操作を行うための第1照明部操作キーは第1表示領域に表示され、また、第2照明部62の消灯操作を行うための第2照明部操作キーは第2表示領域に表示されているので、第1照明部60のみではなく第2照明部62も併せて点灯させるようにする。よって、通話中に第1照明部60を消灯させたい場合には、上記第1照明部操作キーを押圧操作し、一方、第2照明部62を消灯させたい場合には、上記第2照明部操作キーを押圧操作する。一方、第1照明部60や第2照明部62が消灯されている状態で、第1照明部60や第2照明部62を点灯させたい場合には、第1照明部操作キーや第2照明部操作キーを押して点灯させるようにする。なお、着呼時には第1照明部60と第2照明部62とを点灯させるものとして説明したが、第1照明部のみを点灯させて消費電力の消費を抑えるようにしてもよい。次に、通話が終了して回線を切断する場合には、上記発呼時の場合と同様に、ファンクションキー表示部38dの「切」キーを押すことにより回線切断処理を行う(ステップS203)。
【0043】本実施例の携帯端末によれば、表示パネルの表示領域を分割し、各表示領域についてバックライトを消灯することができるので、消費電力を削減することができる。また、特に、第1照明部60と第2照明部62の点灯を操作するためのスイッチを表示パネルに表示される表示キーで構成したので、上記第1実施例のように専用のスイッチを設ける必要がない。
【0044】なお、本実施例では、第1照明部操作キーや第2照明部操作キーを押すことによりバックライトの点灯と消灯を操作するようにしたが、特別の表示キーを設けずに、図2に示すような表示画像36において、第1表示領域37aと第2表示領域37bのいずれかの領域を押すことにより点灯及び消灯を制御するようにしてもよい。」(第11欄第42行-第13欄第30行)

(c)「【0045】次に、第3実施例について説明する。第3実施例における携帯端末も上記第1及び第2実施例と略同一の構成であるが、上記各実施例とは異なり、第1照明部60や第2照明部62の点灯を操作する操作スイッチや操作キーは設けられておらず、蓋体30の開閉により各照明部の点灯を制御するものである。すなわち、構成としては、第1照明操作スイッチ22や第2照明操作スイッチ24は設けられておらず、また、表示画像にも点灯を制御するための表示キーが設けられず、蓋体30の開閉に応じて点灯が制御される。また、機能ブロック図としては、図3、図4に示すものと同様である。
【0046】第3実施例の携帯端末の動作について説明する。発呼時の動作について図5を使用しながら説明すると、蓋体30が閉蓋状態で電源操作スイッチ20を押して電源を投入すると(ステップS101)、上記第1実施例、第2実施例と同様に第1照明部60と第2照明部62とが点灯される。そして、所定のダイヤルキーを押圧して「スタート」キーを押すと発呼動作が行われ(ステップS102?104)、通話可能状態となる(ステップS105)。
【0047】ここで、通話可能状態となると、ダイヤルキー等の表示は不必要となり、また、蓋体30が開蓋されている必要もなくなるので、閉蓋動作されることが予想される。また、閉蓋された場合には、第2照明部62を点灯させておく必要もない。そこで、閉蓋動作があった場合には、第2照明部62を消灯させる。つまり、閉蓋状態になると、蓋体開閉検出部46がこれを検知し、主制御部58に通知する。すると、主制御部58は、時間監視部48に対して時間の計測開始を指示するとともに、LCD表示制御部40に対して蓋体30が閉蓋されたことを通知する。LCD表示制御部40においては、点灯制御部66が第2照明部62を消灯させる。
【0048】一方、時間監視部48においては、主制御部58からの通知により蓋体30の閉蓋動作がされてからの時間が計測され、所定時間経過したことを検知すると、主制御部58に対してこれを通知する。すると、主制御部58は、LCD表示制御部40に対して蓋体30が閉蓋されて一定時間経過したことを通知する。すると、LCD表示制御部40においては、点灯制御部66が第1照明部60を消灯させる。つまり、蓋体30が閉蓋されると、まず、第2照明部62が消灯され、その後、所定時間経過してから第1照明部60を消灯するのである。また、開蓋動作があった場合には、第1照明部60と第2照明部62とを点灯するようにしてもよい。
【0049】また、着呼時の動作については、上記第1実施例と略同様であり、図6を使用して説明すると、着呼があった場合には(ステップS201)、着呼有無通知LED28と第1照明部60を点灯させる。また、相手方の電話番号や所定のメッセージを表示するようにしてもよい。さらには、着呼有無通知LED28と第1照明部60を点滅させるようにしてもよい。また、着呼時に開蓋動作があった場合には、第1照明部60のみならず第2照明部62も点灯するようにしてもよい。」(第13欄第31行-第14欄第33行)

上記摘記事項(a)?(c)からみて、引用例1に記載された事項において、「第2照明部(62)」は、点灯することにより、「ダイヤルキー表示部(38e)」を選択的に可視化し、消灯することにより、「ダイヤルキー表示部(38e)」を選択的に穏蔽していることは明らかである。
また、同様に、上記摘記事項(a)?(c)からみて、引用例1に記載された事項において、「第1照明部(60)」は、点灯することにより、「受信感度表示部(38a)」、「入力キー表示部(38b)」、及び「時刻表示部(38c)」を選択的に可視化し、消灯することにより、「受信感度表示部(38a)」、「入力キー表示部(38b)」、及び「時刻表示部(38c)」を選択的に穏蔽していることは明らかである。
さらに、上記摘記事項(a)?(c)からみて、引用例1に記載された事項において、「主制御部(58)」は、「表示パネル(14)」を制御しており、「表示パネル(14)」に接続されていることは明らかである。
してみると、引用例1には、
『「携帯端末本体(10)」であって;
「表示パネル(14)」の「第2表示領域(37b)」に配置された「ダイヤルキー表示部(38e)」;
前記「ダイヤルキー表示部(38e)」を選択的に可視化し、選択的に穏蔽する、「第2照明部(62)」;
前記「表示パネル(14)」の「第1表示領域(37a)」に配置された受信感度、入力キー、及び時刻の画像をそれぞれ含む「受信感度表示部(38a)」、「入力キー表示部(38b)」、及び「時刻表示部(38c)」;
前記「受信感度表示部(38a)」、「入力キー表示部(38b)」、及び「時刻表示部(38c)」を選択的に可視化し、選択的に隠蔽する「第1照明部(60)」;および
前記「表示パネル(14)」に接続された「主制御部(58)」を備えた携帯端末。』
との発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

(2)引用例2
原査定で周知事項を示す一例として引用された特開平8-286819号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(d)「(入力画面の切換え処理)次に、本実施例の入力画面の切換え処理について、図5と図6を参照して説明する。
【0037】本実施例では、データ入力パッド7は、図5(A)に示す手書き用入力画面40と同図(B)に示すキーボード入力画面44とを切換える機能が設けられている。
【0038】手書き用入力画面40は、図5(A)に示すように、コマンド入力エリア41、文字列編集エリア42、および手書き入力エリア43を有する。コマンド入力エリア41は、文字列の編集処理等の各種入力処理を実行するためのコマンド群からなり、本実施例では入力画面の切換えコマンド41aを有する。
【0039】文字列編集エリア42は、入力された文字列がカーソル42aの位置に書き込まれて編集処理するためのエリアである。即ち、手書き入力エリア43にペン4により手書き入力された文字は、文字列編集エリア42のカーソル42aの位置に入力される。
【0040】一方、キーボード入力画面44は、図5(B)に示すように、手書き用入力画面40と同様のコマンド入力エリア41(切換えコマンド41bのみが異なる)と文字列編集エリア42を有し、さらにキーボード入力画面45を備えている。
【0041】このようなデータ入力パッド7の入力画面において、CPU3はペン4によりタップされたことを検出すると、コマンド入力エリア41がタップされたか否かを判定する(ステップS30,S31)。
【0042】いま仮に、データ入力パッド7として図5(A)に示す手書き用入力画面40が表示されていると想定する。コマンド入力エリア41がタップされた場合には、各コマンドに応じた入力機能が実行される。例えば切換えコマンド41aがタップされると、CPU3は手書き用入力画面40から、図5(B)に示すキーボード入力画面44に入力画面を切換える(ステップS32)。
【0043】このとき、コマンド入力エリア41の送出コマンド41cがタップされると、手書き用入力画面40の文字列編集エリア42に入力された文字列は、そのままキーボード入力画面44の文字列編集エリア42に送られる。
【0044】キーボード入力画面44から手書き用入力画面40への切換え処理も同様である。即ち、キーボード入力画面44の切換えコマンド41bがタップされると、CPU3はキーボード入力画面44から手書き用入力画面40に入力画面を切換える。また、キーボード入力画面44の送出コマンド41cがタップされると、キーボード入力画面44の文字列編集エリア42に入力された文字列は、そのまま手書き用入力画面40の文字列編集エリア42に送られる。」(第7欄第26行-第8欄第23行)

上記摘記事項(d)からみて、引用例2には、
『「データ入力パッド(7)」の所定の部分に「キーボード入力画面(44)」を表示しないときに、「キーボード入力画面(44)」を表示していた所定の部分に「手書き用入力画面(40)」を表示し、前記「手書き用入力画面(40)」により、「データ入力パッド(7)」の所定の部分から文字を受信可能である、データ入力装置。』
との事項が記載されている。

(3)引用例3
同じく、原査定で周知事項を示す一例として引用された特開平9-64959号公報(以下、「引用例3」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(e)「【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を利用して説明する。本発明の実施例に基づく携帯端末Aは、図1に示されるように、アンテナ10と、無線制御部12、音声増幅部14と、マイク16と、スピーカー18と、LCD22と、タッチパネル24と、内部記憶部26と、制御部28とを有している。また、外部記憶部60と接続可能に構成されている。
【0010】また、上記携帯端末Aの外観は、図3?図6に示すように、略板状方形状の携帯端末本体30のほぼ全面にタッチパネル付LCD20が設けられている。このタッチパネル付LCD20は、上記タッチパネル24とLCD22とで構成され、上記タッチパネル24はLCD22上に張り付ける形で実装されている。このタッチパネル付LCD20は入力表示画面となる。また、この携帯端末本体30には、上記のタッチパネル付LCD20をその上部を残してカバーするカバー部32が開閉可能に取り付けられている。また、携帯端末本体30の上端にはアンテナ10が設けられ、マイク(図示せず)とスピーカ18が設けられている。さらに、携帯端末本体30の側面には、ICカード等の外部記憶部60を着脱可能な接続手段としての挿入部34が設けられている。
【0011】ここで、上記無線制御部12は、アンテナ10を介して、基地局、親機や他の端末との無線通信を受け持ち、通話データや文字データ等のデータをPHS通信方式に準拠した変調方式で変調したり、逆にその変調方式で変調されたデータを復調したりするものである。また、音声増幅部14は、送受信信号の増幅を行うためのものである。また、マイク16は音声入力用に、スピーカ18は音声出力用に使用される。また、LCD22は、文字や図形を表示するためのものであり、タッチパネル24は、図3?図5に示すペン38や指で触れた位置の座標を出力する透明タッチパネルである。よって、ペン38を使用してタッチパネル付LCD20で構成される入力表示画面(以下、単に入力表示画面とする)に線や文字を入力することにより操作入力キーとしてのキー表示部50a?50dを書き込むことができる。」(第3欄第39行-第4欄第27行)

(f)「【0016】上記構成に基づく携帯端末Aの使用状態について説明する。まず、図示しない電源スイッチをオンにすることにより電源を投入すると、図3に示す初期画像40が表示される。この初期画像40には、テンキー表示部42が表示されるので、このテンキー表示部42における所定のダイヤルキーを押すことにより発信動作を行うことができる。つまり、タッチパネル24上に表示されたどのキーがタッチされたかを制御部28が検知して、無線制御部12に発呼信号の生成を指示する。発呼信号が生成されるとアンテナ10を介して送信される。また、携帯端末Aにおいて着信する場合にも、スピーカ18から着信音が出力される。また、メモ入力部44においては、ペン38により手書きメモが可能であり、通話中に必要な事項をメモに残すことができる。メモ入力部44にメモ書きした内容は所定の操作により内部記憶部26や外部記憶部60に記憶しておくことができる。また、機能設定部46に表示されるキーは通常の携帯電話装置におけるファンクションキーとして機能する。
【0017】次に、ユーザ独自の操作画面を作成する場合について説明する。ユーザは所定の操作により環境登録画像50を表示させる。この環境登録画像50においては、ユーザ環境登録部52が表示され、このユーザ環境登録部52は何も記入されていないいわば白紙の状態にあるので、このユーザ環境登録部52に所望の入力画像を入力する。
【0018】例えば、まず、機能設定部56におけるエリア指定表示部58aをタッチして、エリアを指定できるモードに設定し、入力キーの形状になるように、四角形の図形を表示させる。この場合の操作としては、ペン38で対角点を指示する等して行う。そして、この四角形の図形の中に文字を書き込む。この文字は入力する電話番号の宛名となる。書込みに際しては、例えば、メモ入力呼出表示部58cをタッチして、手書き入力が可能な状態にして手書きで入力を行う。例えば、図5のキー表示部52aに示されるように、「自宅」と入力する場合には、手書きで「自宅」と入力すると、活字体への変換が行われ、活字体の「自宅」の文字が出力されるので、これを上記図形の中に配置するようにする。また、文字入力表示部58dをタッチして内部記憶部26内の辞書から該当する文字を呼び出すようにしてもよい。
【0019】次に、作成されたキー表示部に対応する電話番号に入力を行う。この場合には、機能設定部46における電話番号入力表示部58bをタッチして、電話番号を入力できる状態にする。そして、ペン38でメモ入力部54に手書きで書き込んで電話番号に入力を行う。このメモ入力部54にテンキーを表示してダイヤルキーをタッチしていきながら電話番号を入力するようにしてもよい。以上のようにして電話番号に入力が完了したら、ユーザはこれを確認して登録表示部58eをタッチすることにより、LCD22に表示されたキー表示部と対応する電話番号の登録が行われる。つまり、内部記憶部26に設けられた機能テーブルには、制御部28により上記作成された図形に囲まれた座標群と入力された電話番号の対応づけが記憶される。つまり、制御部28と内部記憶部26、特に、機能テーブルとが対応付け手段として機能する。また、作成に当たり、その操作画面を作成した者を特定できるようにするために、ユーザ表示部57にユーザ名を入力することができる。以上のようにして、ユーザが所望の操作画面を作成することができる。
【0020】図5に示す表示画像は、以上のようにして作成された入力操作用画像としての操作画面の一例であり、キー表示部52a?52dが表示されている。ここで、例えば、「自宅」と表示されたキー表示部52aに対応して自宅の電話番号を入力しておけば、このキー表示部52aをタッチすることにより自宅に対して発信することができる。また、以上のようにして作成された操作画面の画像データを外部記憶部60に記憶させておくことにより、他の携帯端末に該外部記憶部60を装着して所望の表示画像を呼び出して使用することができる。また、操作画面の画像データが記憶された外部記憶部を挿入部34に装着して、携帯端末A1で呼び出すこともできる。また、作成された操作画面を内部記憶部26に記憶しておき、必要に応じて操作画面を呼び出して使用してもよい。ここで、制御部28が記憶手段、書込み手段、読取り手段として機能する。」(第5欄第31行-第7欄第7行)

上記摘記事項(e)及び(f)からみて、引用例3には、
『「タッチパネル付LCD(20)」の所定の部分に、「テンキー表示部(42)」を表示していないときに、「テンキー表示部(42)」を表示していた所定の部分に「キー表示部(52a?52d)」を表示し、前記「キー表示部(52a?52d)」により、前記「タッチパネル付LCD(20)」の所定の部分から電話番号を受信可能である携帯端末。』
との事項が記載されている。

(4)引用例4
同じく、原査定で周知事項を示す一例として引用された実願平3-27884号(実開平4-116449号)のマイクロフィルム(以下、「引用例4」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(g)「【0021】アイドルモードにおいてモードキー61を操作すると、ローカルCPU27はその検出信号をCPU29に出力する。このときCPU29は、モードをアイドルモードからダイヤルモードに変更させる。ダイヤルモードが設定されたときローカルCPU27は、表示兼タッチパネル13の表示を図7に示すように変更させる。このダイヤルモードにおいては、表示兼タッチパネル13上に発呼動作を行うために必要な種々のキーが表示される。一番上の空白部には、操作したキーに対応する番号が表示される。所定の数字のキーを操作して所定の電話番号を入力した後、SENDキーを操作すると、その番号の相手方に対する発呼動作が開始される。通話を終了させる場合には、ENDキーを押圧すればよい。
【0022】ダイヤルモードにおいてモードキー61が操作されると、CPU29はモードをダイヤルリストモードに変更する。ダイヤルリストモードにおいては、ローカルCPU27は表示兼タッチパネル13に図8に示すような表示を行わせる。すなわち、このときローカルCPU27はメモリ28にあらかじめ記憶されているダイヤルリストを読み出し、表示兼タッチパネル13上に表示させる。このダイヤルリストとしては、氏名とその電話番号が対応してリストとして表示される。図8において、上向きまたは下向きの三角形の図形で示すスクロールキーを操作することにより、表示されているリストを上方または下方にスクロールすることができる。
【0023】このダイヤルリストの作成は、次のようにして行う。すなわち、図7に示すダイヤルモードを設定し、アルファベット(ALPH)キーを押圧すると、図7において数字が表示されている領域にアルファベットが表示される。そこに表示されていない残りのアルファベットは、アルファベットキーを再び操作することにより表示させることができる。所望のアルファベットキーを操作すると、操作に対応したアルファベットが最上部の空白部に表示される。このようにして、所定の氏名をアルファベットにより入力した後、ストア(STORE)キーを押圧すると、いま入力したアルファベットの氏名がメモリ28に記憶される。その氏名を有する者の電話番号を入力するときはナンバー(NUMBER)キーを押圧する。すると、アルファベットの表示が図7に示すように、数字の表示に変更される。そこで、この数字キーを操作すると、操作したキーに対応する数字が最上部の余白部に順次表示される。誤った数字を入力したとき、クリア(CLEAR)キーを押圧するとその入力は消去される。
【0024】このようにして所定の電話番号の入力が完了したとき、ストアキーを押圧すると、いま入力した電話番号がメモリ28に記憶される。以上のようにして、ダイヤルリストを作成することができる。
【0025】なお、このダイヤルリストモードにおいて表示されている氏名または電話番号を押圧すると、モードが自動的にダイヤルモードに変更され、その最上部の余白部に、いま押圧した相手先の電話番号が表示される。そして、SENDキーを押圧すると、その相手先に対し発呼動作が行われることになる。」(第8頁第15行-第9頁第28行)

上記摘記事項(g)からみて、引用例4には、
『「表示兼タッチパネル(13)」の所定の部分に、「数字キー」を表示しないときに、前記「数字キー」を表示をしていた所定の部分に、「ダイヤルリスト」を表示し、前記「表示兼タッチパネル(13)」の所定の部分から前記「ダイヤルリスト」の電話番号を受信可能とした携帯電話装置。』
との事項が記載されている。

5.対比
本願発明と引用発明とを比較すると、引用発明の「携帯端末本体(10)」は本願発明の「双方向通信装置」に相当し、以下同様に、「表示パネル(14)」は「タッチパッド(10)」に、「第2表示領域(37b)」は「第1部分(50)」に、「ダイヤルキー表示部(38e)」は「固定電話キーパッド画像部(26)」に、「第2照明部(62)」は「第1光学素子(34)」に、「第1表示領域(37a)」は「第2部分(52)」に、「第1照明部(60)」は「第2光学素子(36)」に、「主制御部(58)」は「コントローラ(16)」に相当する。
また、引用発明の『受信感度、入力キー、及び時刻の画像をそれぞれ含む「受信感度表示部(38a)」、「入力キー表示部(38b)」、及び「時刻表示部(38c)」』と本願発明の「少なくとも1つのアイコン(62)を含む固定アイコン画像部(30)」とは「少なくとも1つの画像を含む画像部」という点で共通する。
これらの点を考慮すると、本願発明と引用発明は、
「双方向通信装置であって:
タッチパッド(10)を含む少なくとも1つの入力装置;
前記タッチパッド(10)の第1部分(50)に配置された固定電話キーパッド画像部(26);
前記固定電話キーパッド画像部(26)を選択的に可視化し、選択的に隠蔽する、少なくとも1つの第1光学素子(34);
前記タッチパッド(10)の第2部分(52)に配置された少なくとも1つの画像を含む画像部;
前記画像部を選択的に可視化し、選択的に隠蔽する少なくとも1つの第2光学素子(36);および
前記タッチパッドに接続されたコントローラ(16);
を備えたことを特徴とする双方向通信装置。」
との点で一致し、以下の点で相違する。
(相違点1)
本願発明では、コントローラが、固定電話キーパッド画像が遮蔽されるとき、タッチパッドの第1部分から第1のコマンドを受信可能であるのに対し、引用発明では、固定電話キーパッド画像が遮蔽されるとき、タッチパッドの第1部分から第1のコマンドを受信可能であるかどうか明記されていない点。

(相違点2)
タッチパッド(10)の第2部分に配置された画像部が、本願発明では、アイコンを含む固定アイコン画像部であるのに対し、引用発明では、受信感度、入力キー、及び時刻の画像をそれぞれ含む「受信感度表示部(38a)」、「入力キー表示部(38b)」、及び「時刻表示部(38c)」である点。

6.当審の判断
(相違点1について)
引用例2には、『「データ入力パッド(7)」の所定の部分に「キーボード入力画面(44)」を表示しないときに、「キーボード入力画面(44)」を表示していた所定の部分に「手書き用入力画面(40)」を表示し、前記「手書き用入力画面(40)」により、「データ入力パッド(7)」の所定の部分から文字を受信可能である、データ入力装置。』との事項が記載され、引用例3には『「タッチパネル付LCD(20)」の所定の部分に、「テンキー表示部(42)」を表示していないときに、「テンキー表示部(42)」を表示していた所定の部分に「キー表示部(52a?52d)」を表示し、前記「キー表示部(52a?52d)」により、前記「タッチパネル付LCD(20)」の所定の部分から電話番号を受信可能である携帯端末。』との事項が記載され、引用例4には、『「表示兼タッチパネル(13)」の所定の部分に、「数字キー」を表示しないときに、前記「数字キー」を表示をしていた所定の部分に、「ダイヤルリスト」を表示し、前記「表示兼タッチパネル(13)」の所定の部分から前記「ダイヤルリスト」の電話番号を受信可能とした携帯電話装置。』との事項が記載されていることからみて、「所定の画像が遮蔽されるとき、他の画像を表示し、前記他の画像により、所定の画像を配置していた入力手段の所定の部分から情報を受信可能とする」ことは周知の事項であり、また、入力コマンドを画面から受信可能とすることは周知事項であるので、引用発明において、第1光学素子を消灯せず、他の画像を表示して、固定電話キーパッド画像を遮蔽して、前記固定電話キーパッド画像が遮蔽されるとき、他の画像により、前記固定電話キーパッド画像が配置されていたタッチパッドの第1部分から第1のコマンドを受信可能とすることは当業者が容易に考えられる事項である。
したがって、相違点1に係る本願発明の構成は、引用発明、引用例2-4に記載された事項、及び周知事項に基づいて当業者が容易に想到しえたものである。

(相違点2について)
表示画面にアイコンの画像を表示することは周知事項であるので、引用発明において、受信感度、入力キー、及び時刻の画像をそれぞれ含む「受信感度表示部(38a)」、「入力キー表示部(38b)」、及び「時刻表示部(38c)」をアイコンを含む固定アイコン画像部に代えることは当業者が容易に考えられる事項である。
したがって、相違点2に係る本願発明の構成は、引用発明、及び周知事項に基づいて当業者が容易に想到しえたものである。

そして、本願発明の作用効果も、引用例1、引用例2-4、及び周知事項から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明、引用例2-4に記載された事項、及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

7.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用例2-4に記載された事項、及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-08-25 
結審通知日 2010-08-31 
審決日 2010-09-13 
出願番号 特願平10-93965
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
P 1 8・ 572- Z (G06Q)
P 1 8・ 561- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 円子 英紀  
特許庁審判長 赤穂 隆雄
特許庁審判官 松田 直也
須田 勝巳
発明の名称 タッチパッドによるユーザ・インターフェースを有する双方向通信装置  
代理人 桑垣 衛  

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