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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B21B 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B21B |
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管理番号 | 1231337 |
審判番号 | 不服2009-6324 |
総通号数 | 135 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-03-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-03-25 |
確定日 | 2011-02-03 |
事件の表示 | 特願2002-506869「圧延機及び圧延方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月10日国際公開、WO02/02251〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
I.手続の経緯 本願は、平成12年7月5日の国際出願であって、平成21年2月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成21年3月25日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、平成21年4月24日に手続補正がなされたものである。 II.平成21年4月24日付けの手続補正についての却下の決定 [補正却下の結論] 平成21年4月24日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.補正後の本願発明 平成21年4月24日付けの手続補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】 帯鋼を圧延する上下1対の作業ロールと、該作業ロールを右側及び左側の両側から支持する上下2対の中間ロールと、各々の該中間ロールを支持する上下2対の補強ロールと、前記2対の中間ロールを夫々ロール軸方向に移動する移動装置とを設け、前記2対の中間ロールのうち左右各々対を成す上下又は上下各々対を成す左右の中間ロールに、前記帯板の板幅中心に対して点対称のロール胴端部位置にロール径が減少するロール肩を夫々設け、 前記上下1対の作業ロールの両端にそれぞれ、上下どちらかの力を付与する一組の第一のベンディング装置と、該第一のベンディング装置と軸方向で異なる位置に設けられ、該第一のベンディング装置とは上下逆方向に力を付与する一組の第二のベンディング装置とを設ける、または、前記2対の中間ロールの両端にそれぞれ、上下どちらかの力を付与する一組の第三のベンディング装置と、該第三のベンディング装置と軸方向で異なる位置に設けられ、該第三のベンディング装置とは上下逆方向に力を付与する一組の第四のベンディング装置とを設ける、すなわち、前記第一,第二のベンディング装置または前記第三,第四のベンディング装置の少なくともどちらかを設けることを特徴とする圧延機。」(以下、「本願補正発明」という) と補正された。 上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「作業ロールを支持する」を「作業ロールを右側及び左側の両側から支持する」と限定するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明、すなわち本願補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2.引用例の記載事項 (1)原査定の拒絶理由で引用した特開昭49-41254号公報(以下「引用例1」という)には、以下の事項が記載されている。 a:「特許請求の範囲・・・ 2.上下一対の作業ロールをそれぞれ上下動可能で、且つロールベンデイング作用を行い得るようにされたメタルチヨツクに支持せしめると共に上下作業ロールのどちらか片側または/および両側に接して支えるロールとして2本1組の中間ロールを配置せしめ、且つこの2本1組のロールを圧延すべき圧延材の幅に応じてロール軸方向に、2本1組の中間ロールが互いに反対向きに移動し得るように構成し、更にこの2本1組で移動する中間ロールをそれぞれ補強ロールで支持せしめて成り、上記2本1組の中間ロールの軸方向移動調節とロールベンデイング作用の併用によつて圧延材の形状制御を行い得るよう構成したことを特徴とする圧延機。」(1頁左下欄16行?右下欄9行) b:「本発明は圧延機、特に新規なロール配列とロール構造を有する圧延機に関するもので、その目的とするところは、板幅変化とロールの変形特性及びロールベンデイング効果の補強ロール面長との関係特性を巧妙に結びつけて能率的な圧延作業と圧延材の有効な形状制御を行い得る圧延機を提供するにある。」(1頁右下欄11行?17行) c:「 一般に形状良好な、特に板幅方向の板厚不同の少ない製品を圧延するには、 (1)圧延荷重によつて作業ロールが曲がるのをできるだけ少なくすること。 (2)ロールベンデイングによる修正能力を大きくすること。 の2点が最も重要な要素となる。 まず、作業ロールが圧延荷重によつて曲げられるという現象は、圧延材と接触しない作業ロールの両端部が補強ロールとの接触荷重による曲げモーメントを受けることによつて生じるのであるが、これは当然のことながら作業ロールの圧延部と非圧延部の境界点付近、つまり圧延材の両側部で急激な板厚不同を生ぜしめることとなり、特にロール面長に比し圧延材の板幅が狭くなる程曲げモーメントが大きくなつて作業ロールの撓みも大きくなるため、板厚不同が一層大きくなる欠点を有する。 一方、ロールベンデイング法は作業ロールの径によつてその効果が大きく左右され、例えば、作業ロール経が小さくなるとロールベンデイング作用が補強ロールに拘束されてその効果がロール端部近傍にしか及ばない欠点があり、またロールベンデイング力もロールネツクの強度や軸受の寿命等の制約を受けるため、その調整もある範囲内に限定されてロールクラウンを常に思い通りに変化せしめることは実質上困難であつて、結局、圧延材の板幅が変化すればその都度ロールのイニシヤルクラウンを変化させねばならぬのが実情であり、もしそのような処置を取らないとすれば圧延材の幅方向の板厚不同は防止できず、製品品質を著しく低下せしめる結果となる。 ところが、実際の圧延設備では、圧延材の板幅は頻繁に変化するため、その都度ロール交換を行つていたのでは大幅は稼働率低下をもたらし、且つ多種類のイニシヤルクラウンを有するロールを保有しておく必要があり、予備ロールの数が著しく増加し運転費が上昇してコストアツプに連がる欠点がある。」(2頁左上欄12行?左下欄10行) d:「本発明は板幅変化とロールの変形特性及びロールベンデイング効果の補強ロール面長との関係特性を巧妙に結びつけることによつて上述のような問題を解決したもので、具体的には、上下一対の作業ロールをそれぞれ上下動可能で且つロールベンデイング作用が行い得るようにされたメタルチヨツクに支持せしめると共に上、下作業ロールのどちらか片側、又は両側に接して支えるロール(中間又は補強ロール)として2本以上1組のロールを配置せしめ、且つこの2本以上1組のロールを圧延すべき圧延材の幅に応じてロール軸方向に2本1組のロールが互に反対向きに移動し得るように構成し、更に必要に応じて2本で1組の移動するロールをそれぞれ補強ロールで支持せしめて成り、上記2本で1組のロールの軸方向移動調節とロールベンデイング作用の併用によつて圧延材の形状制御を行い得るよう構成したことを特徴とするものである。 すなわち、本発明では、圧延荷重による作業ロールの曲がりを減少する手段として2本1組で互に反対に移動するロール(中間又は補強ロール)を軸方向に移動し、ロールの一方の端部或は先細部がそれぞれ圧延材の一方の側部に相当する位置に配置することによつて、又、上、下に移動ロールを有するものは一方を側部に他方を内側寄に移動することによつて一方の作業ロールについては、あたかも補強ロールの面長が板幅と同一となつたと同じ効果を生ぜしめ上述したような曲げモーメントを減少せしめるのである。 本発明では、更に上記手段にロールベンデイング手段が結びつけられているので、本発明によるロールベンデイング効果は、各作業ロールの端部が補強ロールで拘束されていないため、同じベンデイング力でも著しく拡大されることになり、特に板幅が狭くなるにつれ上述した作業ロールの曲げ変化も大きくなるが、ロールベンデイング効果もそれに応じて大きくなるため、板幅方向の板厚不同を有効にして確実に解消でき、一石二鳥の効果を生むことになるのである。 更に本発明の上、下に2本1組の移動ロールを有する圧延機の場合、それらのロールの上移動ロールと下移動ロールの設定位置を上、下左右で違えて、上、下作業ロールの曲り具合を変えることにより、複合延びを更に少なくしよりフラツトな圧延が可能である。」(2頁左下欄11行?3頁左上欄15行) e:第7図には、圧延材を圧延する上下1対の作業ロールと、該作業ロールを右側及び左側の両側から支持する上下2対の中間ロールと、各々の該中間ロールを支持する上下2対の補強ロールを設けた圧延機が記載されている。 記載事項dには、中間ロールはそれぞれロール軸方向に移動することが記載されているから、そのために移動装置が設けられているものと認められ、また、上下一対の作業ロールをそれぞれ上下動可能で且つロールベンデイング作用が行い得るようにされているのであるからベンディング装置が設けられているものと認められる。 上記の各記載から、引用例1には、圧延材を圧延する上下1対の作業ロールと、該作業ロールを右側及び左側の両側から支持する上下2対の中間ロールと、各々の該中間ロールを支持する上下2対の補強ロールと、前記2対の中間ロールを夫々ロール軸方向に移動する移動装置とを設け、前記上下1対の作業ロールにベンディング装置を設けた圧延機、が記載されているものと認められる(以下、「引用発明」という。)。 (2)原査定の拒絶理由で引用した特開平3-13220号公報(以下「引用例2」という)には、以下の事項が記載されている。 f:「2.一対のワークロールの背後に、同じく一対の中間ロールおよびバックアップロールを順次にそなえる6段圧延機において、 該ワークロール、中間ロールおよびバックアップロールからなるロール群の中から選んだ少なくとも2本一組みのロールに、片側端部が先細り状となるクラウンを付与する一方、同じく上記ロール群の中から選んだ他の少なくとも2本一組みのロールに、互いに同じ波形曲線の少なくとも1波長分にわたるロールクラウンを付与し、 しかも上記の各クラウン付与ロール対それぞれにつき、ロール軸方向が互いに逆向きとなる配置とし、かつロール軸方向への移動可能としてミルハウジングに組み込んだことを特徴とする圧延機。 3.請求項1または2において、ロールペンディング装置を備える圧延機。」(特許請求の範囲、第2から3項) g:「第1図aおよびbに、この発明に従うたて型6段圧延機を例として圧延ロールの配置を側面および正面で示す。 同図において、1は圧延材、2はワークロール、3は中間ロール、4はバックアップロールであり、圧延材1を挟んで、それぞれ上下1対のワークロール2、中間ロール3およびバックアップロール4が順次に、かつロール軸方向を互いに逆向きとして配置されている。 なお、5はロールベンディング装置である。」(3ページ左上欄19行から右上欄8行) h:「第3図a?dに、片側端部に先細り研削を施した片テーパーロールをロール軸方向に逆向きに設置し、軸方向にシフトした場合におけるロールギャップ変化を示す。 同図から明らかなように、先細り研削表面で圧延される被圧延材縁部の長さ(x)の設定値を変えることによって板縁部の板厚を調整することができるので、エッジドロップ軽減制御を効果的に行うことができる。」(3ページ左下欄12行から20行) i:「第5図に、前掲第1図に示したたて型6段圧延機の中間ロール(IMR)またはバックアップロール(BUR)として、それぞれ片側端部に先細り研削を施したいわゆる片テーパークラウン(以下単にTクラウンという)または正弦曲線1ピッチ分で近似できるような波形ロールクラウン(以下単にSクラウンという)を付与したロール対を用い、それぞれ単独でロール軸方向に適宜にシフトしたときの、形状制御能力について調べた結果を示す。」(3ページ右下欄18行から4ページ左上欄6行) j:「次に第6図に、上記の6段圧延機において、ワークロールとしてTクラウンロールを、また中間ロールとしてSクラウンロールを同時に用いた場合の形状修正能力について調べた結果を、中間ロールとしてTクラウンロールを用いかつロールベンダーを併用した場合における調査結果と比較して示す。」(4ページ左上欄15行から右上欄1行) k:「この発明において、TクラウンやSクラウンを付与すべきロール対は、ワークロール、中間ロールおよびバックアップロールからなるロール群の中から選んだ少なくとも2本一組みのロール対であれば、何れのロールであっても良いが、各ロール対はそれぞれ、同種のロール群すなわちワークロール対、中間ロール対、バックアップロール対の中から選ぶことが一層好ましい。」(4ページ右上欄9から16行) 3.対比 引用発明において「圧延材」は本願補正発明の「帯鋼」に相当するから、引用発明と本願補正発明を対比すると、両者は次の点で一致する。 帯鋼を圧延する上下1対の作業ロールと、該作業ロールを右側及び左側の両側から支持する上下2対の中間ロールと、各々の該中間ロールを支持する上下2対の補強ロールと、前記2対の中間ロールを夫々ロール軸方向に移動する移動装置とを設け、前記上下1対の作業ロールにベンディング装置を設けた圧延機。 そして、両者は次の点で相違する。 (相違点1) 本願補正発明は、2対の中間ロールのうち左右各々対を成す上下又は上下各々対を成す左右の中間ロールに、帯板の板幅中心に対して点対称のロール胴端部位置にロール径が減少するロール肩を夫々設けているものであるのに対し、引用発明では、中間ロールにロール肩を設けることについては記載がない点。 (相違点2) 本願補正発明は、上下1対の作業ロールの両端にそれぞれ、上下どちらかの力を付与する一組の第一のベンディング装置と、該第一のベンディング装置と軸方向で異なる位置に設けられ、該第一のベンディング装置とは上下逆方向に力を付与する一組の第二のベンディング装置とを設ける、または、2対の中間ロールの両端にそれぞれ、上下どちらかの力を付与する一組の第三のベンディング装置と、該第三のベンディング装置と軸方向で異なる位置に設けられ、該第三のベンディング装置とは上下逆方向に力を付与する一組の第四のベンディング装置とを設ける、すなわち、前記第一,第二のベンディング装置または前記第三,第四のベンディング装置の少なくともどちらかを設けているのに対し、引用発明では、上下1対の作業ロールにベンディング装置を設けることは記載されているが、ベンディング装置の詳細については記載がない点。 4.相違点についての判断 (1)相違点1について。 本願補正発明では、2対の中間ロールのうち左右各々対を成す上下又は上下各々対を成す左右の中間ロールに、帯板の板幅中心に対して点対称のロール胴端部位置にロール径が減少するロール肩を夫々設けているが、中間ロールに片側端部が先細り状となるクラウンを付与すること、すなわち、本願補正発明でいうところのロール胴端部位置にロール径が減少するロール肩を夫々設けることは、引用例2に記載されているように公知の事項であるし、また、ロール肩を設ける位置についても 、引用例2では、各クラウン付与ロール対それぞれにつき、ロール軸方向が互いに逆向きとなる配置としているのであるから、本願補正発明と同様に帯板の板幅中心に対して点対称のロール胴端部位置に設けられているものである。 してみれば、引用発明の圧延機において、相違点1にかかる構成とすることは当業者が容易になし得ることである。 (2)相違点2について。 本願補正発明では、ベンディング装置について詳細にその構成を請求項1に記載しているが、上下1対の作業ロールや上下2対の中間ロールの両端部分に油圧シリンダーにより互いに逆方向のモーメント及びベンディング力を付与すること、そしてその具体的な構造として、上下1対の作業ロールの両端にそれぞれ、上下どちらかの力を付与する一組の第一の油圧シリンダー(ベンディング装置)と、該第一の油圧シリンダー(ベンディング装置)と軸方向で異なる位置に設けられ、該第一のベンディング装置とは上下逆方向に力を付与する一組の第二の油圧シリンダー(ベンディング装置)を備えることは周知の事項である(例えば、特開平8-71604号公報の特許請求の範囲、実施例及び関連する図を参照)。 してみれば、引用発明において、相違点2にかかるような構成とすることに何ら困難性は認められず、当業者が容易になし得ることである。 そして、出願人が主張する効果についても何ら格別のものとは認められない。 したがって、本願補正発明は、引用例1から2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであると認められるので、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 5.むすび 以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 III.上記補正却下された後の本願発明について 1.本願発明の記載事項 平成21年4月24日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を、「本願発明」という)は、平成20年6月16日付け手続補正書により補正された明細書の、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 帯鋼を圧延する上下1対の作業ロールと、該作業ロールを支持する上下2対の中間ロールと、各々の該中間ロールを支持する上下2対の補強ロールと、前記2対の中間ロールを夫々ロール軸方向に移動する移動装置とを設け、前記2対の中間ロールのうち左右各々対を成す上下又は上下各々対を成す左右の中間ロールに、前記帯板の板幅中心に対して点対称のロール胴端部位置にロール径が減少するロール肩を夫々設け、 前記上下1対の作業ロールの両端にそれぞれ、上下どちらかの力を付与する一組の第一のベンディング装置と、該第一のベンディング装置と軸方向で異なる位置に設けられ、該第一のベンディング装置とは上下逆方向に力を付与する一組の第二のベンディング装置とを設ける、または、前記2対の中間ロールの両端にそれぞれ、上下どちらかの力を付与する一組の第三のベンディング装置と、該第三のベンディング装置と軸方向で異なる位置に設けられ、該第三のベンディング装置とは上下逆方向に力を付与する一組の第四のベンディング装置とを設ける、すなわち、前記第一,第二のベンディング装置または前記第三,第四のベンディング装置の少なくともどちらかを設けることを特徴とする圧延機。」 2.引用例の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は前記II.2.に記載したとおりである。 3.対比・判断 本願発明は、前記II.1.で検討した本願補正発明の「作業ロールを右側及び左側の両側から支持する」が「作業ロールを支持する」となるものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含むものに相当する本願補正発明が、前記II.4.に記載したとおり、引用例1から2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様に当業者が容易に発明をすることができたものである。 4..むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1から2に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本件審判の請求は成り立たない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-11-29 |
結審通知日 | 2010-11-30 |
審決日 | 2010-12-13 |
出願番号 | 特願2002-506869(P2002-506869) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B21B)
P 1 8・ 575- Z (B21B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小谷内 章 |
特許庁審判長 |
寺本 光生 |
特許庁審判官 |
田中 永一 加藤 友也 |
発明の名称 | 圧延機及び圧延方法 |
代理人 | 井上 学 |