ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 D04B 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 D04B |
---|---|
管理番号 | 1231348 |
審判番号 | 不服2008-7742 |
総通号数 | 135 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-03-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-03-28 |
確定日 | 2011-02-22 |
事件の表示 | 特願2004-274710「伸縮性経編地」拒絶査定不服審判事件〔平成18年4月6日出願公開、特開2006-89861、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 この出願(以下、「本願」)は、平成16年9月22日に出願されたものであって、平成19年3月8日付けで拒絶理由が通知されたのち同年4月27日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成20年2月22日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年3月28日に審判請求がされるとともに手続補正書が提出され、これに対し、同年8月8日付けで拒絶理由が通知され、さらに平成22年8月25日付けで審尋がされたが、請求人から何ら応答がなかったものである。 第2 平成20年3月28日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成20年3月28日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容 平成20年3月28日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前の明細書の段落【0011】において、「ここで、「軽微な融着」とは、編地端より繊維を解編可能な程度に熱融着した状態のことをいう。」を追加する補正を含むものである。 2 補正の適否について 補正が新規事項を含むか否かは、補正が「願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において」したものか否かによって判断されるところ、その判断にあたっては、「『明細書又は図面に記載した事項』とは、当業者によって、明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるときは、当該補正は、『明細書又は図面に記載した事項の範囲内において』するものということができる。」と(知財高裁平成18年(行ケ)第10563号判決参照)判示されている。 したがって、この判示に基づき以下検討する。 本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書」という。)には、「軽微な融着」に関する定義について、何ら記載されていないし、「軽微」と言っても、その程度は様々であるから、「軽微な融着」が、「編地端より繊維を解編可能な程度に熱融着した状態」と定義することは、新たな技術的事項を導入したものと言わざるを得ない。 してみると、上記補正は、当初明細書の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものと認めることはできないことから、上記補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえない。 3 補正の却下の決定のむすび よって、上記補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないため、その余のことを検討するまでもなく、本件補正は、同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 平成20年3月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成19年4月27日付けの手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲又は図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであると認める。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2011-02-09 |
出願番号 | 特願2004-274710(P2004-274710) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(D04B)
P 1 8・ 561- WY (D04B) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 正紀、大島 祥吾 |
特許庁審判長 |
西川 和子 |
特許庁審判官 |
齊藤 真由美 細井 龍史 |
発明の名称 | 伸縮性経編地 |
代理人 | 渥美 元幸 |
代理人 | 渥美 元幸 |