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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F24D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F24D
管理番号 1231900
審判番号 不服2009-16725  
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-09-09 
確定日 2011-02-10 
事件の表示 特願2005- 58972号「熱媒分岐ブロック部床暖房用マット」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 9月14日出願公開、特開2006-242474号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成17年3月3日の出願であって、平成21年6月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月9日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。

第2.平成21年9月9日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年9月9日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「上面に熱媒を流通させるための配管を嵌入するための溝が刻設され、熱源機からの熱媒を床暖房マットへ分配するための樹脂製の熱媒分岐ブロックを設置するための空間部が、少なくとも一本の前記溝を切り欠くように形成されている熱媒分岐ブロック部床暖房用マットであって、
前記熱媒分岐ブロックは側面の上部側の高さの位置に備えられる上部側配管連結部、及び下部側の高さの位置に備えられる下部側配管連結部を有し、
前記空間部によって開口された端部を有する溝である開口溝のうち、前記下部側配管連結部と連結される配管が嵌入される溝である下部側連結配管用溝において、溝底部における前記熱媒分岐ブロック部床暖房用マットの空間部近傍部の厚みが、前記溝底部における前記熱媒分岐ブロック部床暖房用マットの最大厚みに対して、20%未満であるとともに、前記上部側配管連結部と連結される配管が嵌入される溝である上部側連結配管用溝の前記空間部近傍部の溝底部の厚みが、前記下部側連結配管溝の前記空間部近傍部の溝底部の厚みより厚く、
前記空間部近傍部は、前記空間部の端部から前記溝に沿って5mm?100mmまでの距離の部分であることを特徴とする、熱媒分岐ブロック部床暖房用マット。」と補正された。

上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「熱媒分岐ブロック」について、「樹脂製」と限定し、また、「空間部近傍部」について、「空間部の端部から前記溝に沿って5mm?100mmまでの距離の部分である」と限定するものであり、かつ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野および解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用例
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、特開2000-304292号公報(以下「引用例1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

a)「【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の各種の実施の形態を説明する。図1から図12は、本発明の第1の実施の形態にかかる床暖房マット10を示している。このうち図2は、床暖房マット10の全体を示している。図2に示すように床暖房マット10は、複数枚のマットの組み合わせで構成され、熱伝導用の流体を流すための配管20が内部に巡らされている。また、図示しない外部配管と接続するためのヘッダ部30が切欠部40に取り付けられる。
図3は、床暖房マット10の断面を示している。床暖房マット10は、硬質発泡スチロールからなる構造材としてのマット材50に配管溝60が形成されており、この配管溝60に配管20が埋め込まれ、その上からアルミ箔70を貼り付けた構造になっている。
図1は、マット材50aの一端部を示している。本図では、ヘッダ部30を取り付ける際に除去されるヘッダ取付候補箇所80を含む部分を示している。・・・」(段落【0039】-【0041】、下線は当審にて付与。以下同様。)

b)「次に作用を説明する。図9、図10に示すように、第1系統の配管20aおよび第2系統の配管20bの双方にヘッダ部30を接続する際には、分割切り取り溝82の箇所ではなく、ヘッダ取付候補箇所80の周囲に形成された切り取り溝81に沿ってヘッダ取付候補箇所80の全体が取り去られる。そして、ヘッダ取付候補箇所80を取り去った切欠部40にヘッダ部30が収容され、4つの配管がそれぞれヘッダ部30の接続パイプに接続される。」(段落【0047】)

c)「また、図11に模式的に示したように、ヘッダ部30がマット表面から突出することなく平らな状態に収容される。すなわち、ヘッダ部30の接続パイプ31に、配管20を被せて接続すると、その部分の外径が配管20の通常状態の外径よりも大きくなる。またヘッダ部30の有する接続パイプ31の中心からヘッダ部30の上面までの厚みの方が、配管20の半径よりも通常は、わずかに大きい。そこで、これらの分を見越して、ヘッダ取付候補箇所80の近傍で配管溝60の深さを他の部分より深くしてある。
その結果、ヘッダ部30がマット表面から出っ張ることがなく、ヘッダ部30の周辺においても床材と床暖房マット10との間に隙間や浮きが生まれず、当該箇所での温度ムラや床鳴りが防止される。」(段落【0049】-【0050】)

d)上記aの記載事項から、床暖房マット10の配管20には、暖房用に暖められた熱伝導用の流体を流していることは明らかであり、技術常識から、熱伝導用の流体を暖めるための「熱源機」が備えられているものと認められる。

上記a?cの記載事項、上記dの認定事項および図面の図示内容を総合し、本願補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用例1には、
「上面に熱伝導用の流体を流通させるための配管20を嵌入するための配管溝60が刻設され、熱源機からの熱伝導用の流体を床暖房マット10へ分配するためのヘッダ部30を設置するための切欠部40が、少なくとも一本の前記配管溝60を切り欠くように形成されている床暖房マット10。」
の発明(以下「引用発明1」という。)が開示されていると認めることができる。

(2)同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-193176号公報(以下「引用例2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

a)「【発明の属する技術分野】本発明は、流体分岐ブロック、および流体分岐ブロック製造用金型に関する。さらに詳しくは、一般住宅、集合住宅、商業ビルまたはホテルなどの建築物に用いられる床暖房用の放熱板に、蛇行させて埋設した熱媒用チューブを集中して往き戻りさせる、改良された流体分岐ブロックおよびこの流体分岐ブロック製造用の射出成形金型に関する。」(段落【0001】)

b)「本発明に係る流体分岐ブロックは、合成樹脂を使用して射出成形法により一体成形される。使用される合成樹脂としては、耐熱性、耐薬品性、剛性などに優れたエンジニアリングプラスチックが好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。中でも、ポリフェニレンスルホンが好適である。合成樹脂には、着色剤、安定剤、充填剤、難燃剤、ガラス繊維、タルク、酸化チタンなどの各種樹脂添加剤を配合することができる。」(段落【0019】)

c)「図1および図2において、平面形状が矩形で平板状の六面体状ブロック10の短辺の一側面11には、この面に対して直角に二個の大口径接続管13、14が設けられ、この大口径接続管12に流体大流路(流路A)13´、大口径接続管14に流体大流路(流路B)14´が穿設され、流路13´および流路14´は短辺の他の側面12の近傍に達する長さにされている。大口径接続管13と流路13´は上側の広い平面寄りに配置され、大口径接続管14と流路14´は下側の広い平面寄りに配置されており、流路13´および流路14´の断面形状が優孤状にされているものを例示している。
図1および図3において、六面体状ブロック10の広い平面を挟んで対向する長辺の二側面15、16には、これらの面に対して直角に4個の右側小口径接続管17、18、19、20と左側小口径接続管21、22、23、24がそれぞれ設けられ、これら小口径接続管には流体小通路が穿設されている。4個の左側小口径接続管のうち22と24の二個は上側の広い平面寄りに配置され、これに連接して穿設された流体小流路は流体大流路(流路A)13´に連接されている。4個の左側小口径接続管のうち21と23は下側の広い平面寄りに配置されており、これに連接して穿設された流体小流路は流体大流路(流路B)14´に連接されている。流体小流路27、28の断面形状が円形にされているものを例示している。」(段落【0023】-段落【0024】)

d)上記cの記載事項、図2?6の図示内容から、「4個の左側小口径接続管のうち22と24の二個」は、上側に配置されていることから「上部側配管連結部」であり、「4個の左側小口径接続管のうち21と23」は、下側に配置されていることから「下部側配管連結部」であると認められる。

上記a?cの記載事項、上記dの認定事項および図面の図示内容を総合し、本願補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用例2には、
「側面の上部側の高さの位置に備えられる上部側配管連結部、及び下部側の高さの位置に備えられる下部側配管連結部を有する樹脂製の流体分岐ブロック10。」の発明(以下「引用発明2」という。)が開示されていると認めることができる。

3.対比
本願補正発明と引用発明1とを対比する。
引用発明1の「熱伝導用の流体」は、本願補正発明の「熱媒」に相当し、以下同様に、「配管20」は「配管」に、「配管溝60」は「溝」に、「床暖房マット10」は「床暖房マット」に、「ヘッダ部30」は「熱媒分岐ブロック」に、「切欠部40」は「空間部」に、それぞれ相当する。
また、引用発明1の「床暖房マット10」も「ヘッダ部30」(熱媒分岐ブロック)を収容するための「切欠部40」が設けられていることから、「熱媒分岐ブロック部床暖房用マット」であると認められる。

したがって、両者は、
「上面に熱媒を流通させるための配管を嵌入するための溝が刻設され、熱源機からの熱媒を床暖房マットへ分配するための熱媒分岐ブロックを設置するための空間部が、少なくとも一本の前記溝を切り欠くように形成されている熱媒分岐ブロック部床暖房用マット。」の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願補正発明は、「熱媒分岐ブロック」が「樹脂製の熱媒分岐ブロック」であり、かつ「側面の上部側の高さの位置に備えられる上部側配管連結部、及び下部側の高さの位置に備えられる下部側配管連結部を有し」ているのに対し、引用発明1は、「ヘッダ部30」が当該構成を有していない点。

[相違点2]
本願補正発明は、「前記空間部によって開口された端部を有する溝である開口溝のうち、前記下部側配管連結部と連結される配管が嵌入される溝である下部側連結配管用溝において、溝底部における前記熱媒分岐ブロック部床暖房用マットの空間部近傍部の厚みが、前記溝底部における前記熱媒分岐ブロック部床暖房用マットの最大厚みに対して、20%未満であるとともに、前記上部側配管連結部と連結される配管が嵌入される溝である上部側連結配管用溝の前記空間部近傍部の溝底部の厚みが、前記下部側連結配管溝の前記空間部近傍部の溝底部の厚みより厚く、前記空間部近傍部は、前記空間部の端部から前記溝に沿って5mm?100mmまでの距離の部分である」のに対し、引用発明1は、当該構成を有していない点。

4.判断
[相違点1]について
本願補正発明と引用発明2とを比較すると、引用発明2の「流体分岐ブロック10」は、「熱媒分岐ブロック」に相当する。
したがって、引用発明2は、
「側面の上部側の高さの位置に備えられる上部側配管連結部、及び下部側の高さの位置に備えられる下部側配管連結部を有する樹脂製の熱媒分岐ブロック。」
と言い換えることができる。

そして、引用発明1の「ヘッダ部30」と引用発明2の「流体分岐ブロック10」は、床暖房用の放熱板に埋設した熱媒用チューブを集中して行き戻りさせる流体分岐装置という同一の技術分野に属する発明である。

そうすると、引用発明1の「ヘッダ部30」を引用発明2の「流体分岐ブロック10」に置換して、相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

[相違点2]について
引用例1の前記「c」には「ヘッダ取付候補箇所80の近傍で配管溝60の深さを他の部分より深くしてある。その結果、ヘッダ部30がマット表面から出っ張ることがなく・・・」と記載され、前記「b」には「ヘッダ取付候補箇所80を取り去った切欠部40にヘッダ部30が収容され・・・」と記載されていることから、引用例1には、「ヘッダ部30」がマット表面から出っ張ることがないように、必要に応じて、「切欠部40」の近傍で「配管溝60」の深さを他の部分より深くすることが開示されている。

そうすると、引用発明1の「ヘッダ部30」を引用発明2の「流体分岐ブロック10」に置換するに際して、引用発明2の「流体分岐ブロック10」の「下部側配管連結部」は「上部側配管連結部」よりも下側に配置されていることから、引用発明1の床暖房マットにおいて、「上部側配管連結部」と連結される配管が嵌入される溝の「切欠部40」の近傍よりも「下部側配管連結部」と連結される配管が嵌入される溝の「切欠部40」の近傍を深くすること、言い換えると、「上部側配管連結部と連結される配管が嵌入される溝である上部側連結配管用溝」の「空間部」近傍部の溝底部の厚みを、「下部側配管連結部と連結される配管が嵌入される溝である下部側連結配管溝」の「空間部」近傍部の溝底部の厚みより厚くすることは、当業者にとって容易に想到し得たものである。

次に、床暖房用マットの配管用溝において、溝底部における床暖房用マットの空間部の近傍部の厚みを、前記溝底部における前記床暖房用マットの最大厚みより薄くする構成は、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、引用例1の段落【0049】、図11、原査定の拒絶の理由に引用された特開平10-267303号公報の段落【0013】、図6-7、特開平11-132478号公報の段落【0006】、図3を参照。)。
また、「下部側配管連結部」と連結される配管が嵌入される溝の溝底部における床暖房用マットの空間部の近傍部の厚みと、前記溝底部における前記床暖房用マットの最大厚みとの比は、床暖房用マットの厚さ、「下部側配管連結部」の配置位置(深さ)などの条件によって変わるものである。

そうすると、引用発明1に引用発明2及び前記周知の技術事項を適用して、「下部側配管連結部」と連結される配管が嵌入される溝である下部側連結配管用溝において、溝底部における床暖房用マットの空間部近傍部の厚みを、前記溝底部における前記床暖房用マットの最大厚みより薄くする際、どの程度薄くして前記比をどのような値にするかは、当業者が適宜選択し得る選択事項である。

次に、本願補正発明の「空間部近傍部」は、特許請求の範囲の請求項1の記載から、その溝底部におけるマットの厚みが最大厚みに対して20%未満の部分であると解釈できるが、当該「空間部近傍部」の範囲(長さ)は、空間部の端部におけるマットの厚さ、溝の傾斜の度合いなどの条件によっても変わるものであり(例えば、空間部の端部におけるマットの厚みが最大厚みに対して略0%で、溝が傾斜している場合には、マットの厚みが略20%に達するまでにある程度の長さを必要とする。)、溝底部におけるマットの空間部の端部または近傍部の厚さをどの程度薄くするかは当業者が適宜選択し得る選択事項であるから、「空間部近傍部」の範囲(長さ)をどのような値にするかも、当業者が適宜選択し得る選択事項であるというべきである。

したがって、引用発明1及び2、引用例1の記載事項、並びに前記周知の技術事項に基づいて、相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものというべきである。

そして、本願補正発明の奏する作用効果も、引用発明1及び2、引用例1の記載事項、並びに前記周知の技術事項から当業者が予測できる範囲内のものである。
したがって、本願補正発明は、引用発明1及び2、引用例1の記載事項、並びに前記周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
平成21年9月9日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成21年2月2日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「上面に熱媒を流通させるための配管を嵌入するための溝が刻設され、熱源機からの熱媒を床暖房マットへ分配するための熱媒分岐ブロックを設置するための空間部が、少なくとも一本の前記溝を切り欠くように形成されている熱媒分岐ブロック部床暖房用マットであって、
前記熱媒分岐ブロックは側面の上部側の高さの位置に備えられる上部側配管連結部、及び下部側の高さの位置に備えられる下部側配管連結部を有し、
前記空間部によって開口された端部を有する溝である開口溝のうち、前記下部側配管連結部と連結される配管が嵌入される溝である下部側連結配管用溝において、溝底部における前記熱媒分岐ブロック部床暖房用マットの空間部近傍部の厚みが、前記溝底部における前記熱媒分岐ブロック部床暖房用マットの最大厚みに対して、20%未満であるとともに、前記上部側配管連結部と連結される配管が嵌入される溝である上部側連結配管用溝の前記空間近傍部の溝底部の厚みが、前記下部側連結配管溝の前記空間近傍部の溝底部の厚みより厚いことを特徴とする、熱媒分岐ブロック部床暖房用マット。」

1.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、前記「第2.2.」に記載したとおりである。

2.対比および判断
本願発明は、前記「第2.」で検討した本願補正発明から、「熱媒分岐ブロック」についての「樹脂製」との限定、また、「空間部近傍部」についての「空間部の端部から前記溝に沿って5mm?100mmまでの距離の部分である」との限定を省いたものである。
そうすると、実質的に本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2.3.及び4.」に記載したとおり、引用発明1及び2、引用例1の記載事項、並びに前記周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様に、引用発明1及び2、引用例1の記載事項、並びに前記周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び2、引用例1の記載事項、並びに前記周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-12-09 
結審通知日 2010-12-14 
審決日 2010-12-27 
出願番号 特願2005-58972(P2005-58972)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F24D)
P 1 8・ 121- Z (F24D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中田 誠二郎  
特許庁審判長 岡本 昌直
特許庁審判官 青木 良憲
佐野 遵
発明の名称 熱媒分岐ブロック部床暖房用マット  
代理人 山本 典輝  

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