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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E05D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 E05D
管理番号 1232485
審判番号 不服2009-19273  
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-08 
確定日 2011-02-18 
事件の表示 特願2005-63356「ヒンジ機構」拒絶査定不服審判事件〔平成18年9月21日出願公開,特開2006-249667〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,平成17年3月8日の出願であって,平成21年7月6日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年10月8日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに手続補正がなされ,
その後,当審において,平成22年4月22日付けで審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ,同年6月28日付けで回答書が提出されたものである。


第2.平成21年10月8日付けの手続補正について

[補正の却下の決定の結論]
平成21年10月8日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容・目的
平成21年10月8日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)は,特許請求の範囲の請求項1について,補正前(平成21年5月28日付けの手続補正書を参照。)に,
「【請求項1】
開口部を有する箱本体と、前記箱本体に着脱自在に装着される蓋体とを備え、前記箱本体と前記蓋体とを一端側で回動可能に連結させて、前記蓋体が前記開口部を開閉するヒンジ機構であって、
前記ヒンジ機構は、開口形成された一対の円形孔と、前記円形孔にそれぞれ挿入可能な一対のヒンジ軸とを有し、
前記円形孔を前記箱本体または前記蓋体のいずれか一方に設け、かつ、前記ヒンジ軸を前記箱本体または前記蓋体の他方に設け、
前記円形孔は、周縁の一部に前記ヒンジ軸の挿入が可能なスリットと、前記ヒンジ軸と当接して回動を規制する回動規制部とを備え、
前記蓋体は、回動可能に連結された前記一端側と対向する他端側の前記開口部の閉塞位置で前記箱本体に施錠連結されるとともに、
前記施錠を解除した、前記開口部の開放位置で前記スリットを介して、前記箱本体から離脱させることを特徴とするヒンジ機構。」
とあったものを,
「【請求項1】
開口部を有する箱本体と、前記箱本体に着脱自在に装着される蓋体とを備え、前記箱本体と前記蓋体とを一端側で回動可能に連結させて、前記蓋体が前記開口部を開閉するヒンジ機構であって、
前記ヒンジ機構は、開口形成された一対の円形孔と、前記円形孔にそれぞれ挿入可能な一対のヒンジ軸とを有し、
前記円形孔を前記箱本体または前記蓋体のいずれか一方に設け、かつ、前記ヒンジ軸を前記箱本体または前記蓋体の他方に設け、
前記円形孔は、周縁の一部に前記ヒンジ軸の挿入が可能なスリットと、前記ヒンジ軸と当接して回動を規制する回動規制部とを備え、
前記蓋体は、回動可能に連結された前記一端側と対向する他端側の前記開口部の閉塞位置で前記箱本体に施錠連結されるとともに、
前記施錠を解除し、当該蓋体が前記箱本体と直交する前記開口部の開放位置で前記スリットを介して、前記箱本体から離脱させることを特徴とするヒンジ機構。」
と補正しようとする補正事項を含むものである。

上記補正事項は,補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「開口部の開放位置」を「蓋体が箱本体と直交する開口部の開放位置」に限定するものであるから,本件補正は,少なくとも,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下,「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正事項を含むものである。

そこで,本件補正後の上記請求項1に係る発明(以下,「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか,すなわち,改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たしているかについて,以下検討する。


2.独立特許要件違反(特許法第29条第2項違反)
2-1.引用刊行物とその記載事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用され本願出願前に頒布された刊行物である実願昭63-9708号(実開平1-118069号)のマイクロフィルム(以下,「刊行物1」という。)には,図面とともに,次の記載がある。
(1a)「2.本体に設けた開口の両側壁に、該開口を開閉する扉を軸支して設けるものにおいて、該両側壁と扉の両側板のいずれか一方に断面長方形の突起を、他方に該突起の断面の幅寸法より少許大径の軸孔及びこれに連なる該突起の断面の厚さ寸法より少許大幅の切欠きを夫々設け該突起を該軸孔に対し該切欠きを経て係合させ、係合させた後該扉の開位置及び閉位置では該突起に対する該切欠きの位置が食い違うようにして、該開口に該扉を取付けたことを特徴とする扉装置。」(実用新案登録請求の範囲,請求項2)
(1b)「本考案は扉装置に関し、例えばレンジ本体の下部に設けた開口に、該開口を開閉する扉を軸支して設け…たビルトインレンジの扉装置、或いは電気器具の電池収納室の扉装置に関する。」(明細書2頁18行?3頁3行)
(1c)「上記請求項1乃至請求項3の考案によれば、本体の開口への扉の取付けを、何も使わずに突起を軸孔に係合させるだけで行なうことができ、また該突起の軸孔への係合を案内溝又は切欠きを介して行なうので、係合作業をスムーズに行なうことができ、さらに係合させた後は…請求項2の考案によれば、扉の開位置及び閉位置では該突起に対する該切欠きの位置が食い違うので、該突起の先端側が軸孔の周縁に係止され、したがって請求項1乃至請求項3の考案によれば扉の開位置及び閉位置において該扉が脱落するようなことがなく、…」(同書5頁9行?6頁4行)
(1d)「第4図はビルトインレンジに適用した場合の他の実施例を示すもので、該レンジ本体1の前面の調理器具3の下側には開口8が設けられ、該開口8の両側壁9、9には内方に突出する断面長方形状の突起14が設けられる。一方、扉7は両側に側板11、11を有し、各側板11には該突起14の断面の幅寸法より少許大径の軸孔12と、これに連なる該突起14の断面の厚さ寸法より少許大き目の幅の切欠き15とが設けられる。
該開口8への該扉7の取付けは該突起14を該軸孔12に対し該切欠き15を経て係合させて行なう。
この場合も上記した第1図及び第2図の実施例と同様に、突起14、14の先端間の寸法Aより扉7の側板11、11間の内寸法Bを少許大き目にすると共に、係合のときは閉位置と開位置との間で突起14を軸孔12に係合させたので、これによれば、第5図に示すように、突起14に対する該切欠き15の位置が食い違い、突起14の先端側が軸孔12の周縁に係止されるので、扉7は少なくとも開位置及び閉位置では脱落しない。
尚、上記した…実施例ではレンジ本体1の開口8の両側壁9、9に…突起14を設け、扉7の両側板11、11に軸孔12及びこれに連なる…切欠き15を設ける構成としたが、両側壁9、9に軸孔12及び…切欠き15を設け、両側板11、11に…突起14を設ける構成としても勿論良い。」(同書8頁11行?9頁18行)
(1e)そして,第4,5図をみると,「軸孔12」が円形に開口形成されていることは明らかであり,また,「軸孔12」と「突起14」とで構成される扉の軸支機構が「本体1」と「扉7」とを一端側で回動可能に連結するとともに,「軸孔12」に連なる「切欠き15」を介して「扉7」を「本体1」に着脱自在に装着するものであることは明らかである。

上記記載事項(1a)?(1e)及び図面の記載からみて,刊行物1には,次の発明(以下,「刊行物1記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。
「開口8を有する本体1と,前記本体1に着脱自在に装着される扉7とを備え,前記本体1と前記扉7とを一端側で回動可能に連結させて,前記扉7が前記開口8を開閉する軸支機構であって,
前記軸支機構は,開口形成された一対の円形の軸孔12と、前記軸孔12にそれぞれ挿入可能な一対の突起14とを有し,
前記軸孔12を前記本体1または前記扉7のいずれか一方に設け,かつ,前記突起14を前記本体1または前記扉7の他方に設け,
前記軸孔12は,周縁の一部に前記突起14の挿入が可能な切欠き15を備え,
当該扉7が開放位置と閉塞位置との間の位置で,前記切欠き15を介して,前記本体1から離脱させる軸支機構。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用され本願出願前に頒布された刊行物である実願昭46-13464号(実開昭47-8875号)のマイクロフィルム(以下,「刊行物2」という。)には,図面とともに,次の記載がある。
「従来二つの部材を連結する場合、例えば第1図に示す如く摺動部材(1)の直線運動をその方向を転換して摺動部材(2)に伝達するに際して回動自在に軸支(3)された部材(4)を介在させ、該部材に前記二つの摺動部材(1)(2)を連結する場合、摺動部材に設けた孔(5)に回動自在な部材(4)に設けた凸部(6)を挿入するだけの連結方法ではX方向及びZ方向の動作は規制する事は出来るが、Y方向の動作は何等規制されない。従つて摺動部材(1)(2)の近傍にL字型部材(7)(7)を設け、…摺動部材のY方向への抜けを防止している。然し乍ら斯る方法は部品点数も多くなり、組立も容易ではなかつた。
本考案は斯る欠点を一挙に解決するものである。本考案に於ける連結機構はその詳細を第2図乃至第3図に示す通りである。即ち一つの部材(9)に長孔(10)を設け、他方の部材(11)には切欠(12)と該切欠に続きその円周上に相対向する二つの扇形凸部(13)(13)を具備する円形状の孔(14)を設け、第2図に示す如く長孔(10)を有する部材(9)を矢印A方向から、部材(11)にその切欠(12)より挿入してB方向に回動させる。尚部材(9)の長孔(10)の長辺(l_(1))は部材(11)の巾(l_(2))より大となし、部材(9)の長孔(10)の短辺(l_(3))は部材(11)の板厚より大とする。
斯様に二つの部材を連結する本考案機構に於ては、第3図より明らかなように、X方向及びY方向並びにZ方向(紙面に直角方向)の全ての方向の動作を規制出来る。従つて本考案を第1図に示す伝達機構に適用すれば第4図に示す通りL字型部材を廃止することが出来、又組立作業も著しく簡単化される等頗る実用的である。」(明細書1頁18行?3頁9行)

上記記載事項及び図面の記載からみて,刊行物2には,次の発明(以下,「刊行物2記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。
「部材(11)に開口形成された円形状の孔(14)の周縁の一部に部材(9)端部の挿入が可能な切欠(12)と,当該部材(9)端部と当接してその回動を規制する扇形凸部(13)を設け,円形状の孔(14)内における上記部材(9)端部の回動を上記扇形凸部(13)により規制するようにした連結機構。」

2-2.対比
補正発明と刊行物1記載の発明とを対比する。
刊行物1記載の発明の「開口8」が補正発明の「開口部」に相当し,以下同様に,「本体1」が「箱本体」に相当し,「扉7」が「蓋体」に相当し,「(円形の)軸孔12」が「円形孔」に相当し,「突起14」が「ヒンジ軸」に相当し,「切欠き15」が「スリット」に相当し,「軸支機構」が「ヒンジ機構」に相当する。
そうすると,両者は,
「開口部を有する箱本体と,前記箱本体に着脱自在に装着される蓋体とを備え,前記箱本体と前記蓋体とを一端側で回動可能に連結させて,前記蓋体が前記開口部を開閉するヒンジ機構であって,
前記ヒンジ機構は,開口形成された一対の円形孔と,前記円形孔にそれぞれ挿入可能な一対のヒンジ軸とを有し,
前記円形孔を前記箱本体または前記蓋体のいずれか一方に設け,かつ,前記ヒンジ軸を前記箱本体または前記蓋体の他方に設け,
前記円形孔は,周縁の一部に前記ヒンジ軸の挿入が可能なスリットを備え,
当該蓋体が前記スリットを介して,前記箱本体から離脱させるヒンジ機構。」の点で一致し,次の点で相違する。

<相違点1>
円形孔の構成について,
補正発明では,円形孔の周縁の一部に「ヒンジ軸と当接して回動を規制する回動規制部」を備えるのに対して,
刊行物1記載の発明では,円形孔(軸孔)の周縁の一部にヒンジ軸(突起)と当接する回動規制部を備えない点。
<相違点2>
蓋体の他端側の構成について,
補正発明では,蓋体が「他端側の開口部の閉塞位置で箱本体に施錠連結される」のに対し,
刊行物1記載の発明では,蓋体(扉)が他端側の開口部の閉塞位置で箱本体(本体)に施錠連結されるのか定かでない点。
<相違点3>
蓋体がスリットを介する箱本体からの離脱について,
補正発明では,「蓋体が箱本体と直交する開口部の開放位置」にあるとき離脱するのに対し,
刊行物1記載の発明では,蓋体が開放位置と閉塞位置との間の位置にあるとき離脱する点。

2-3.各相違点についての検討
<相違点1について>
相違点1について検討するために刊行物2をみると,刊行物2記載の発明は,上記「2-1.(2)」で説示したとおりのものであって,ヒンジではないが,一方の部材(11)の円形状の孔(14)に他方の部材(9)端部を回動可能に連結する連結機構が示されているところ,当該発明の「円形状の孔(14)」が補正発明の「円形孔」に対応し,以下同様に,「部材(9)端部」が「ヒンジ軸」に対応し,「切欠(12)」が「スリット」に対応し,「扇形凸部(13)」が「回動規制部」に対応するから,刊行物2記載の発明には,補正発明の上記相違点1に係る構成と機能的にみて同等の連結機構が開示されているものと認められる。
そして,刊行物2記載の発明に開示された上記連結機構は,刊行物2の記載を参照すると,上述したとおり,ヒンジではなく,「部材(9)(9)」相互の伝達手段に係るものではあるが,連結機構としては,刊行物1記載の発明における円形孔とヒンジ軸とによる連結機構と,一定の角度範囲で回動させるものである点で共通するから,刊行物2記載の発明に開示された上記連結機構の技術を刊行物1記載の発明に採用することは,当業者にとって容易である。
してみると,刊行物1記載の発明において,円形孔とヒンジ軸とによる連結機構に,刊行物2記載の発明における上記連結機構の技術を採用して,円形孔の周縁の一部に回動規制部を設けるように構成して,補正発明の上記相違点1に係る構成を想到することは,当業者が容易にできたものである。
<相違点2について>
刊行物1記載の発明は,刊行物1をみると,その実施例としてレンジが記載されているが,当該発明は,そのような実施例に限定されないものであり,しかも,箱体の技術分野において,箱本体の開口部を蓋体で閉塞した際に,当該蓋体を前記箱本体に対して施錠することは,例をあげるまでもなく周知の技術であるから,そのような周知の技術を,刊行物1記載の発明に採用することは,当業者にとって容易である。
してみると,刊行物1記載の発明において,一端側で箱本体に回動可能に連結されている蓋体が箱本体の開口部を閉塞した際に,蓋体をその他端側において箱本体に施錠連結するように構成して,補正発明の上記相違点2に係る構成を想到することは,当業者が容易にできたものである。
<相違点3について>
蓋体を箱本体に対して着脱自在にした箱体において,蓋体が着脱できる位置(蓋体の箱本体に対する角度)をどのようにするかは,箱体の使用態様,蓋体の位置等の条件により適宜考慮する程度の設計的事項である。
してみると,刊行物1記載の発明において,スリットの位置を適宜変更して,蓋体がスリットを介して箱本体から離脱する位置を,蓋体が箱本体と直交する開口部の開放位置になるように構成して,補正発明の上記相違点3に係る構成を想到することは,当業者が容易にできたものである。

2-4.作用効果・判断
補正発明全体の作用効果も,刊行物1,2記載の発明及び周知の技術から当業者が予測し得る範囲内のものであって格別なものということができない。

よって,補正発明は,刊行物1,2記載の発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

3.補正の却下の決定のむすび
以上より,本件補正は,改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。


第3.本願発明について
1.本願発明
平成21年10月8日付けの手続補正は却下されたので,本願の請求項1乃至4に係る発明は,平成21年5月28日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至4に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ,そのうち,請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,次のとおりである。
「【請求項1】
開口部を有する箱本体と、前記箱本体に着脱自在に装着される蓋体とを備え、前記箱本体と前記蓋体とを一端側で回動可能に連結させて、前記蓋体が前記開口部を開閉するヒンジ機構であって、
前記ヒンジ機構は、開口形成された一対の円形孔と、前記円形孔にそれぞれ挿入可能な一対のヒンジ軸とを有し、
前記円形孔を前記箱本体または前記蓋体のいずれか一方に設け、かつ、前記ヒンジ軸を前記箱本体または前記蓋体の他方に設け、
前記円形孔は、周縁の一部に前記ヒンジ軸の挿入が可能なスリットと、前記ヒンジ軸と当接して回動を規制する回動規制部とを備え、
前記蓋体は、回動可能に連結された前記一端側と対向する他端側の前記開口部の閉塞位置で前記箱本体に施錠連結されるとともに、
前記施錠を解除した、前記開口部の開放位置で前記スリットを介して、前記箱本体から離脱させることを特徴とするヒンジ機構。」

2.引用刊行物とその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され本願出願前に頒布された刊行物1,2の記載事項は,上記「第2.2.」の「2-1.」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は,上記「第2.」で検討した補正発明の「蓋体が箱本体と直交する開口部の開放位置」から「蓋体が箱本体と直交する」との特定事項を省いたものである。
そうすると,本願発明を特定するために必要な事項を全て含み,さらに他の事項を付加したものに相当する補正発明が,上記「第2.2.」の「2-3.」?「2-4.」に記載したとおり,刊行物1,2記載の発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,同様の理由により,刊行物1,2記載の発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


第4.むすび
以上のとおり,本願発明は,刊行物1,2記載の発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,本願のその他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-12-06 
結審通知日 2010-12-14 
審決日 2010-12-27 
出願番号 特願2005-63356(P2005-63356)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (E05D)
P 1 8・ 121- Z (E05D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 西村 綾子  
特許庁審判長 伊波 猛
特許庁審判官 山口 由木
山本 忠博
発明の名称 ヒンジ機構  
代理人 生田 哲郎  

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