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審決分類 |
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1233157 |
審判番号 | 不服2008-20280 |
総通号数 | 136 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-08-07 |
確定日 | 2011-03-03 |
事件の表示 | 特願2003- 27382「仲介装置、画像形成装置管理システム、画像形成装置管理方法、画像形成装置管理プログラム及び記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 1月 8日出願公開、特開2004- 5418〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、平成15年2月4日(国内優先権主張 特願2002-049068号 平成14年2月26日、特願2002-084081号 平成14年3月25日)の出願であって、 平成20年6月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成20年8月7日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、平成20年9月8日付けで手続補正がなされたものである。 第2.平成20年9月8日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成20年9月8日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.補正内容 本件補正は、補正前の特許請求の範囲(平成19年12月17日付けで補正)の請求項1の従属項として記載されていた請求項4: 「【請求項1】 ファイアーウォールを設けたローカルネットワーク内の一または複数の画像形成装置と接続される仲介装置であって、 インターネットを介し前記ローカルネットワーク内の前記画像形成装置を遠隔管理する管理装置とのコネクションを開始し、前記コネクションに応じて前記管理装置から送信される管理コマンドを前記ファイアーウォールを経由して受信する管理コマンド受信機能部と、 前記管理コマンド受信機能部の受信した前記管理コマンドに応じて、該当する画像形成装置の状態データを受信する対画像形成装置通信機能部と、 前記対画像形成装置通信機能部の受信した前記状態データをインターネットを介し前記管理装置へ送信する管理コマンド応答送信機能部と を備え、かつ、前記管理コマンド受信機能部が、所定の時間間隔で前記管理装置に対しコマンド確認の送信を開始すると共に、前記管理装置から受信した順に複数の管理コマンドを要求行列保持部に登録することを特徴とする仲介装置。 【請求項4】 前記仲介装置は、前記管理コマンド受信機能部が受信した前記管理コマンドを保持する前記要求行列保持部と、前記管理コマンドを解析する管理コマンド解析部とを備え、前記管理コマンド解析部は、前記要求行列保持部に保持された前記管理コマンドを取得して、前記管理コマンドを解析することを特徴とする請求項1記載の仲介装置。」を、 「【請求項1】 ファイアーウォールを設けたローカルネットワーク内の一または複数の画像形成装置と接続される仲介装置であって、 インターネットを介し前記ローカルネットワーク内の前記一または複数の画像形成装置を遠隔管理する管理装置とのコネクションを開始し、前記コネクションに応じて前記管理装置から送信される管理コマンドを前記ファイアーウォールを経由して受信する管理コマンド受信機能部と、 前記管理コマンド受信機能部の受信した前記管理コマンドに応じて、該当する画像形成装置の状態データを受信する対画像形成装置通信機能部と、 前記対画像形成装置通信機能部の受信した前記状態データをインターネットを介し前記管理装置へ送信する管理コマンド応答送信機能部と、 前記管理コマンド受信機能部が受信した前記管理コマンドを解析する管理コマンド解析部と を備え、かつ、前記仲介装置の前記管理コマンド受信機能部が、所定の時間間隔で前記管理装置に対しコマンド確認の送信を開始すると共に、前記仲介装置が前記管理装置から受信した順に複数の管理コマンドを前記仲介装置の要求行列保持部に登録し、 前記仲介装置の前記管理コマンド解析部が、前記要求行列保持部に登録された複数の管理コマンドのうち、特定の画像形成装置に対する管理コマンドを振り分けることを特徴とする仲介装置。」 と補正することを含むものである。 すなわち、本件補正は、補正前の請求項4において、 a.管理コマンド解析部に対して、「要求行列保持部に登録された複数の管理コマンドのうち、特定の画像形成装置に対する管理コマンドを振り分ける」という機能を追加することを含むものである。 2.補正の目的 前記補正事項a.は、発明特定事項である「管理コマンド解析部」に対して、補正前の管理コマンド解析部が有していなかった「要求行列保持部に登録された複数の管理コマンドのうち、特定の画像形成装置に対する管理コマンドを振り分ける」という機能を追加したものである。かかる発明特定事項に対する機能の追加は、発明特定事項を変更するものであって、発明特定事項を限定したものとは言えない。 なお、当審の判断は特許庁の審査基準に拘束されるものではないが、かかる発明特定事項に対する機能の追加については、特許庁の審査基準も「補正前に発明特定事項が有していなかった機能を追加することは「限定する」に当たらない。」という見解を示している。(特許庁の特許・実用新案審査基準 第3部第3節4.3.2(2)には「なお、作用で物を特定しようとする記載を用いた発明特定事項(機能実現手段等)に対し、その作用とは別個の作用を有する発明特定事項は、通常、概念的に下位のものとは認められない。」と記載されている。) したがって、前記補正事項a.は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的としたものでない。また、前記補正事項a.は、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的としたものでもない。 よって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.予備的検討 前記「2.」で示したとおり、本件補正は、本来、目的外補正であるという理由により却下されるべきものであるが、仮に本件補正が特許請求の範囲の限定的減縮を目的としたものである場合の検討を予備的にしておく。 本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 4.刊行物及び引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1(特開2001-154953号公報)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (a)段落番号【0018】-【0020】 「【0018】 【発明の実施の形態】図1は、本発明を実施するネットワークシステムの構成を示す図である。このネットワークシステムにおいては、HTTPプロトコルに従うリクエストにデータを添付して送信するためのHTTPクライアント機能1aが搭載されたプロセス制御用のコントローラのような通信対象機器1と、これを操作し或いはその動作を監視する管理装置としてのパソコン2とは、パソコン2が接続したインターネット3と、ファイアウォール4を介在させたイントラネット5とを介して、相互間で通信可能に接続される。パソコン2には、HTTPサーバ機能が搭載されている。 【0019】以下、ファイアウォール4を境に、インターネット3側を外側、ファイアウォール4で保護されるイントラネット5側を内側という。 【0020】ファイアウォール4は、一般にUNIXと称されるコンピュータから成り、インターネット3を経由した不正な侵入などからイントラネット5に接続した機器等を保護するため、適宜設定可能な特定のプロトコル(例えば、HTTPプロトコル)に従う信号のみを通過させるIPフィルタリング機能を有する。」 (b)段落番号【0039】-【0041】 「【0039】図7は、インターネット3上のパソコン2が、ファイアウォール4で保護されたイントラネット5に接続した対象機器1のデータを定期的に取得し、或いはそのデータに基づいて対象機器1の設定の変更等を行う場合の例を示している。 【0040】対象機器1は、パソコン2に対して定期的にHTTPリクエストを送信する。パソコン2は、このリクエストを受け取り、例えば対象機器1のデータを取得したい場合、その要求を示すHTTPレスポンスを対象機器1に送信する。対象機器1は、要求に応じたデータをHTTPリクエストに添付してパソコン2へ送信する。 【0041】このように、管理される側の対象機器1が、管理側のパソコン2へ定期的にHTTPリクエストを送信することにより、パソコン2は、対象機器1のデータの読出し、対象機器1の設定の変更等の任意の要求を行うことができる。また、パソコン2は、例えば1日1回、対象機器1のデータを収集し、対象機器1の動作の状態を把握することができる。」 したがって、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「 HTTPプロトコルに従うリクエストにデータを添付して送信するためのHTTPクライアント機能1aが搭載されたプロセス制御用のコントローラのような通信対象機器1と、これを操作し或いはその動作を監視する管理装置としてのパソコン2とが、パソコン2が接続したインターネット3と、ファイアウォール4を介在させたイントラネット5とを介して、相互間で通信可能に接続されたネットワークシステムであり、 パソコン2には、HTTPサーバ機能が搭載されており、 以下、ファイアウォール4を境に、インターネット3側を外側、ファイアウォール4で保護されるイントラネット5側を内側といい、 ファイアウォール4は、一般にUNIXと称されるコンピュータから成り、インターネット3を経由した不正な侵入などからイントラネット5に接続した機器等を保護するため、適宜設定可能な特定のプロトコル(例えば、HTTPプロトコル)に従う信号のみを通過させるIPフィルタリング機能を有しており、 インターネット3上のパソコン2が、ファイアウォール4で保護されたイントラネット5に接続した対象機器1のデータを定期的に取得し、或いはそのデータに基づいて対象機器1の設定の変更等を行い、 対象機器1は、パソコン2に対して定期的にHTTPリクエストを送信し、パソコン2は、このリクエストを受け取り、対象機器1のデータを取得したい場合、その要求を示すHTTPレスポンスを対象機器1に送信し、対象機器1は、要求に応じたデータをHTTPリクエストに添付してパソコン2へ送信し、 このように、管理される側の対象機器1が、管理側のパソコン2へ定期的にHTTPリクエストを送信することにより、パソコン2は、対象機器1のデータの読出し、対象機器1の設定の変更等の任意の要求を行うことができ、また、パソコン2は、例えば1日1回、対象機器1のデータを収集し、対象機器1の動作の状態を把握することができる、 ネットワークシステム。」 5.本願補正発明と引用発明との一致点・相違点 引用発明のイントラネット5は、本願補正発明のローカルネットワークに相当する。 引用発明の通信対象機器1は、本願補正発明の「仲介装置」と、「ファイアーウォールを設けたローカルネットワーク内の装置」である点で一致している。 引用発明の通信対象機器1は、本願補正発明の「一または複数の画像形成装置」と、「ファイアーウォールを設けたローカルネットワーク内の装置」である点で一致している。 引用発明の「通信対象機器1を操作し或いはその動作を監視する管理装置としてのパソコン2」が、本願補正発明の「遠隔管理する管理装置」に相当する。 引用発明の「パソコン2に対して定期的に送信されるHTTPリクエスト」が、本願補正発明の「管理装置とのコネクション」に相当する。引用発明の「HTTPリクエストを受け取ったパソコン2が対象機器1のデータを取得したい場合に送信する、対象機器1のデータを取得したいという要求を示すHTTPレスポンス」が、本願補正発明の「コネクションに応じて前記管理装置から送信される管理コマンド」に相当する。 したがって、引用発明の対象機器1は、本願補正発明の管理コマンド受信機能部と、「インターネットを介し前記ローカルネットワーク内の装置を遠隔管理する管理装置とのコネクションを開始し、前記コネクションに応じて前記管理装置から送信される管理コマンドを前記ファイアーウォールを経由して受信する」点において一致している。 引用発明の「要求に応じた、対象機器1のデータ」が、本願補正発明の「状態データ」に相当する。引用発明の対象機器1は、「要求に応じた、対象機器1のデータ」をHTTPリクエストに添付してパソコン2へ送信するから、本願補正発明の管理コマンド応答送信機能部と、「状態データをインターネットを介し前記管理装置へ送信する」点において一致している。 引用発明の「HTTPリクエスト」が、本願補正発明の「コマンド確認」に相当する。引用発明の対象機器1は、パソコン2に対して定期的にHTTPリクエストを送信するから、本願補正発明の管理コマンド受信機能部と、「所定の時間間隔で前記管理装置に対しコマンド確認の送信を開始する」点において一致している。 したがって、本願補正発明の「仲介装置」と引用発明の「対象機器1」の一致点・相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「ファイアーウォールを設けたローカルネットワーク内の装置であって、 インターネットを介し前記ローカルネットワーク内の装置を遠隔管理する管理装置とのコネクションを開始し、前記コネクションに応じて前記管理装置から送信される管理コマンドを前記ファイアーウォールを経由して受信し、 状態データをインターネットを介し前記管理装置へ送信し、 かつ、所定の時間間隔で前記管理装置に対しコマンド確認の送信を開始する 装置。」である点。 [相違点1] 本願補正発明の「仲介装置」は、管理装置により遠隔管理される一または複数の画像形成装置と接続されるのに対して、引用発明の「対象機器1」は、パソコン2により管理される機器自身である点。 [相違点2] 本願補正発明の「仲介装置」は、「管理コマンド受信機能部の受信した前記管理コマンドに応じて、該当する画像形成装置の状態データを受信する対画像形成装置通信機能部」を備えているのに対して、引用発明の「対象機器1」は、かかる対画像形成装置通信機能部を備えていない点。 [相違点3] 本願補正発明の「仲介装置」は、「管理コマンド受信機能部が受信した前記管理コマンドを解析する管理コマンド解析部」を備えているのに対して、引用発明の「対象機器1」は、かかる管理コマンド解析部を備えていない点。 [相違点4] 本願補正発明の「仲介装置」は、前記管理装置から受信した順に複数の管理コマンドを前記仲介装置の要求行列保持部に登録するのに対して、引用発明の「対象機器1」は、要求を示すHTTPレスポンスの要求行列保持部への登録については記載がない点。 [相違点5] 本願補正発明の「仲介装置」の管理コマンド解析部は、前記要求行列保持部に登録された複数の管理コマンドのうち、特定の画像形成装置に対する管理コマンドを振り分けるのに対して、引用発明の「対象機器1」は、かかる管理コマンド解析部を備えていない点。 6.相違点についての検討 [相違点1,2及び3について] 「複数の監視対象機器をローカルで管理する装置を設け、遠隔管理装置がローカル管理装置を介して監視対象機器に監視に関する指示を行うことや、遠隔管理装置からの要求が来る前にローカル管理装置が監視対象機器から情報を収集・保持しておき、遠隔管理装置から要求があった場合には、要求に該当する監視対象機器に関する情報をローカル管理装置が読み出して返信すること」は、本願出願前において周知である。 (必要ならば、特開2002-26921号公報の段落番号【0043】-【0049】の記載、特開平9-16435号公報の段落番号【0023】-【0024】の記載、あるいは特開2001-273211号公報の段落番号【0018】-【0026】の記載を参照) したがって、引用発明のファイアウォール4によって保護されたイントラネット5の内側に、複数の対象機器1の代理として動作するローカル管理装置を設け、このローカル管理装置が、パソコン2に対して定期的にHTTPリクエストを送信し、パソコン2は、このリクエストを受け取り、対象機器1のデータを取得したい場合、その要求を示すHTTPレスポンスをローカル管理装置経由で対象機器1へ送信し、対象機器1は、要求に応じたデータをHTTPリクエストに添付してローカル管理装置へ送信し、ローカル管理装置は受信した、要求に応じたデータが添付されたHTTPリクエストをパソコン2へ送信するように構成することは、容易に想到できたことである。 特開2001-249885号公報の図1及びその説明箇所、特開2001-309454号公報の図1及びその説明箇所に記載されているように、プリンタやデジタル複写機/プリンタやファクシミリ装置のような画像形成装置を、インターネット、ファイアウォール経由で遠方管理することは周知であるから、引用発明の対象機器1を画像形成装置とすることは、設計的事項に過ぎない。(相違点1が解消) このように構成すれば、対象機器1である画像形成装置が送信する、要求に応じたデータが添付されたHTTPリクエスト、すなわち状態データを受信するという対画像形成装置通信機能部の機能を、ローカル管理装置が有していることは明らかである。(相違点2が解消) また、前記のように構成すれば、ローカル管理装置は、複数の対象機器1の代理なのであるから、ローカル管理装置が受信するHTTPレスポンスは、複数の対象機器1の内の1台の対象機器1宛てとなり、受信したHTTPレスポンスをどの対象機器1へ送信すべきか知るために、ローカル管理装置が受信したHTTPレスポンス、すなわち管理コマンドを解析することは明らかである。(相違点3が解消) [相違点4について] 特開2001-105689号公報の段落番号【0132】に「ドアベルレジスタに書込みがあると、コントローラ26は、IEEE1394インターフェースにより、未処理のコマンドブロックをプリンタのメモリに書き込ませる。コントローラ26は、書き込まれたコマンドがREADコマンドであればリードコマンドキュー262に、WRITEコマンドであればライトコマンドキュー263につける。キューにつけられたコマンドは、READ/WRITEコマンドごとに、コマンド処理部264で順次とりこまれる。」と記載され、また特開平10-105502号公報の段落場号【0069】に「図4に示すように、コマンド格納部3は、複数のコマンドを記憶するコマンド記憶領域(コマンドキュー)30と、このコマンドキュー30に格納されたコマンドの格納開始位置を示す格納ポインタ31と、コマンドキュー30から送出するときの送出位置を示す送出ポインタ32とを備えている。」と記載されているように、「複数の要求コマンドを順番に要求行列保持部に登録すること」は、周知慣用手段に過ぎない。したがって、ローカル管理装置に、要求を示すHTTPレスポンスを順番に登録する要求行列保持部を設けることは、当業者が通常考えることである。 [相違点5について] 前記[相違点4について]で述べたように、ローカル管理装置に、要求を示すHTTPレスポンスを順番に登録する要求行列保持部を設けることは、当業者が通常考えることである。 また、前記[相違点1,2及び3について]で説明したように構成すれば、HTTPレスポンスをローカル管理装置経由で対象機器1へ送信するのであるから、ローカル管理装置がHTTPレスポンス、すなわち管理コマンドを振り分けていることは明らかである。 そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 7.むすび 以上のとおり、本件補正が、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであるとしても、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 平成20年9月8日付の手続補正は前記のとおり却下されたので、本願の請求項4に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成19年12月17日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1及びその従属項である請求項4に記載された事項により特定されるものである。 1.刊行物及び引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物、及び引用発明は、前記「第2.4.」に記載したとおりである。 2.対比・判断 本願発明は、前記第2.で検討した本願補正発明から補正事項a.の構成を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、「前記2.6.」に記載したとおり、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3.むすび 以上のとおり、本願の請求項4に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願のその余の請求項にかかる発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-12-20 |
結審通知日 | 2011-01-04 |
審決日 | 2011-01-17 |
出願番号 | 特願2003-27382(P2003-27382) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
P 1 8・ 57- Z (G06F) P 1 8・ 575- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田内 幸治、須藤 竜也 |
特許庁審判長 |
江口 能弘 |
特許庁審判官 |
青木 健 安久 司郎 |
発明の名称 | 仲介装置、画像形成装置管理システム、画像形成装置管理方法、画像形成装置管理プログラム及び記録媒体 |
代理人 | 伊東 忠彦 |