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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1233176
審判番号 不服2010-585  
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-01-12 
確定日 2011-03-03 
事件の表示 特願2003-322998「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 4月 7日出願公開、特開2005- 87378〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第一.手続の経緯
本願は、平成15年9月16日の出願であって、拒絶理由通知に対応して平成21年8月28日に手続補正書が提出され、その後なされた拒絶査定に対し、平成22年1月12日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日に手続補正がなされたものである。
また、当審において、平成22年8月2日付けで審査官による前置報告書の内容を添付して審尋を行い、請求人から同年9月22日に回答書が提出されている。

第二.平成22年1月12日付の手続補正書についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成22年1月12日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1(以下「本願補正発明」という。)は次のとおりと認める。
「少なくとも始動口への入賞を目的とした通常遊技状態において、前記始動口への遊技球の入賞を契機に当たり/外れを抽選するための抽選が実行され、当該抽選の結果を、複数列の図柄変動パターンの演出によって報知する場合に、何れの図柄にも代替可能なオールマイティ図柄を、適宜前記図柄列の図柄停止位置に表示する表示図柄変動表示装置を備えた遊技機であって、
前記複数列の図柄変動パターン演出における少なくとも最終列の停止時期を他の図柄列に対して遅延させるタイムラグを持たせると共に、所定の条件が成立した場合に最終列の図柄の停止前に、該最終列の停止図柄如何によって当たり又は外れが決定するリーチ状態を形成する図柄停止制御手段と、
前記図柄停止制御手段による停止制御で、複数列のそれぞれの前記図柄変動パターン演出後の停止図柄が所定の当たり図柄で揃った場合に、前記通常遊技状態に比べ、遊技者が短期間に多くの配当を獲得可能な特別遊技状態とする特別遊技状態実行手段と、
前記リーチ状態となった場合に、所定の確率で、最終列の図柄が停止するまでの間、当たりとなる期待値がそれぞれ異なる複数種類の特別演出から選択して実行することで、ノーマルリーチよりも期待値を高める特別演出実行制御手段と、を有し、
前記特別演出実行制御手段では、前記リーチ状態が形成されたときに、前記オールマイティ図柄を含むリーチ状態の場合と、前記オールマイティ図柄を含まないリーチ状態の場合とで、前記特別演出実行制御手段による特別演出の際に、異なる演出形態を選択すると共に、前記オールマイティ図柄を含むリーチ状態の場合に、前記特別演出毎に設定した期待値が徐々に高まる複数の特別演出を選択してシリーズで実行し、前記オールマイティ図柄を含まないリーチ状態の場合に、期待値が異なる何れかの特別演出の1つを選択して実行することを特徴とする遊技機。」
(下線部は補正によって変更又は追加された箇所)

なお、請求項1の「前記リーチ状態よりも期待値を高める」との記載について、本願補正発明の「リーチ状態」には、特別演出を実行する場合も含まれるので、特別演出を実行することで「リーチ状態よりも期待値を高める」ことにはならない。この点について、本願の出願時の明細書及び図面(特に、段落【0006】、【0082】、【0085】及び図6(308)等)の記載及びパチンコ機における常識を勘案すれば、請求項1の「特別演出」を実行する場合は本願の当初明細書中の「スーパーリーチ」に相当するものであり、請求項1の「前記リーチ状態よりも期待値を高める」の「前記リーチ状態」は本願の当初明細書中の「ノーマルリーチ」に相当するものであると認められる。
よって、請求項1の「前記リーチ状態よりも期待値を高める」は「ノーマルリーチよりも期待値を高める」の明らかな誤記として認定する。
また、請求項1の「・・・特徴とする請求項1記載の遊技機。」という記載が、単なる誤記であることは自明であるから、当該記載は、「・・・特徴とする遊技機。」と認定する。

2.補正要件(目的)の検討
請求項1についての補正は、発明を特定するために必要な事項である「当たりとなる期待値を高める」を「当たりとなる期待値がそれぞれ異なる複数種類の特別演出から選択して実行することで、前記リーチ状態(ノーマルリーチ)よりも期待値を高める」と限定し、「期待値が徐々に高まる複数の特別演出」における「期待値」に対して、「前記特別演出毎に設定した期待値」と特定して、「前記特別演出毎に設定した期待値が徐々に高まる複数の特別演出」と限定したものであるから、本件補正は請求の範囲の減縮を目的とする補正に相当する。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に該当する。

3.補正要件(独立特許要件:特許法第29条第2項)の検討
(1)引用刊行物記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、特開平11?128469号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、
【0032】普通図柄表示器20はたとえば7セグメント表示器で構成されており、普通図柄と呼ばれる識別情報が可変表示される。この普通図柄表示器20の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば7)となれば、後述するソレノイド49が励磁されて、始動口9に設けられた左右1対の可動片14が所定期間だけ開成し、打玉がより始動入賞しやすい状態となる。この始動口9に入賞した始動入賞球は後述する始動球検出器34により検出され、その検出出力に基づいて可変表示装置4が可変開始される。
【0034】可変表示部5で左図柄、中図柄、右図柄の可変表示が一斉に開始した後、パチンコ遊技機1内部の制御によって定められる所定の順序で各図柄が順次停止制御される。全ての図柄表示領域の図柄が完全に停止して可変表示装置4の表示結果が導出表示された段階で、その表示結果が予め定められた特定の特別図柄の組合せ(たとえば「777」などのぞろ目)となった場合には、いわゆる大当たりとなる。大当たりが発生すれば、可変入賞球装置12が第1の状態に制御され、開閉板22が傾動して打玉を可変入賞球装置12内へ入賞させることが可能となり、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態となる。
【0045】入力回路35は、始動口9に始動入賞した打玉を検出するための始動玉検出器13と、可変入賞球装置12の特定入賞領域に入賞した打玉を検出するための特定球検出スイッチ33と、可変入賞球装置12の大入賞口に入賞した打玉を検出するための球数検出スイッチ32と、普通図柄始動ゲート8を通過した打玉を検出するための通過球検出器13とそれぞれ接続される。入力回路35は、始動玉検出器34から出力される始動入賞信号など、各検出器から出力される検出信号を基本回路45へ送信する。
【0049】この種のパチンコ遊技機1では、大当たりを発生させるか否かの判定を基本回路45のRAM70内に構成された大当たり判定用カウンタC_RND1(図5参照)のカウンタ値により定めている。この大当たり判定用カウンタのカウンタ値は、定期リセット回路39からリセットパルスが与えられるごと(たとえば2msecごと)に所定値範囲内で繰返し更新されている。基本回路45は、入力回路35から始動入賞信号が入力されてきたタイミングで大当たり判定用カウンタのカウンタ値を参照してそのカウンタ値が予め定められている当たり判定値であるか否かを判定し、当たり判定値である場合には、大当たりを発生させることを事前決定する。
【0071】左図柄、中図柄、右図柄は、図柄配列表左側に記載されたランダムカウンタC_RND_C、C_RND_Rのカウント値「0?15」、あるいはC_RND_Lのカウント値「0?14」に対応した図示する種類の図柄から構成されている。また、可変表示部5で可変表示が行なわれる際には、図柄配列表の上段から下段に向かう順序で図柄が変動し、最下段まで図柄が変動した場合には再び最上段の「0」から図柄の変動が行なわれる。左図柄、中図柄、右図柄は、それぞれ、「0」?「E」の15種類の図柄を含み、さらに、中図柄と右図柄はランダムカウンタC_RND_C、C_RND_Rのカウント値「15」に対応する絵図柄を含む。この絵図柄はオールマイティ図柄と呼ばれる。以降の説明では、中図柄として表示されるオールマイティ図柄を○1、右図柄として表示されるオールマイティ図柄を○2として両者を区別する。(当審注:丸付き数字を便宜上○1、○2と記載した。)
【0072】この実施形態では、3つの図柄表示領域に同一種類の図柄が揃って導出表示されることで大当たりが発生するように設計されている。ただし、オールマイティ図柄が中図柄表示領域または右図柄表示領域のいずれか一方に導出表示されれば、他の2つの図柄表示領域に同一図柄が導出表示されることで大当たりが発生するように設計されており、中図柄表示領域と右図柄表示領域にオールマイティ図柄が揃って導出表示されれば、左図柄の種類如何を問わず大当たりが発生するように設計されている。つまり、オールマイティ図柄○1、○2は、他のすべての特別図柄と同一種類の図柄であるとみなされる。なお、各図柄のうち、たとえば、「3」と「7」が、確率変動を生じさせる確変図柄である。「3」または「7」のぞろめで大当たりが発生した場合はもちろんのこと、可変表示部5に、「3○1○2」、「7○17」などという具合に特別図柄が停止表示され、オールマイティ図柄○1、○2との組み合わせにより大当たりが発生した場合にも確率変動が生じる。
【0073】再び、図5を参照して、C_RND_RCHは、可変表示部5にリーチを成立させる際に、複数種類のリーチ動作の中からいずれのリーチ動作を選択して可変表示部5に表示させるかを定めるためのランダムカウンタである。C_RND_RCHのカウント範囲は、0?11である。C_RND_RCHのカウンタ値は、0.002秒ごとに1つずつカウントアップされるとともに、基本回路45の割込処理動作の余り時間を利用して1つずつカウントアップされる。
【0074】この実施形態では、C_RND_RCHのカウント値が各リーチ種類に割り振られており、その抽出されたカウントに対応するリーチの動作が選択的に実行される。なお、リーチは、C_RND1により大当たりを発生させることが事前決定された場合のみならず、はずれが事前決定された際の左図柄および右図柄の予定停止図柄によりリーチライン(左図柄および右図柄が揃っているライン)が形成されることが判別された場合にも実行される。このようにリーチが発生する場合には、C_RND_RCHの抽出値に応じて、リーチ動作の種類が選択決定され、決定された種類のリーチ動作が実行される。
【0075】ここで、C_RND_RCHの値により、パチンコ遊技機1で発生し得るリーチ動作の種類を大別すると、大当たりの期待度および可変表示継続時間ともにノーマルなノーマルリーチ、オールマイティ図柄○1とオールマイティ図柄○2とが共に導出表示されて大当たりの表示態様となった後に左図柄表示領域で図柄の再可変表示が開始される再変動リーチ、2つの特別図柄の種類が確定後、残る1つの特別図柄の可変表示が終了するまでの時間が長いロングリーチ、大当たりの期待度が高いスーパーリーチに分類できる。さらにロングリーチは、特別図柄の表示態様により細分類され、たとえば、後述する揺れリーチ(大)がこれに含まれる。同様に、スーパーリーチも特別図柄の表示態様により細分類され、たとえば、後述するカウントダウンリーチ○1とカウントダウンリーチ○2とがこれに含まれる。
【0085】図7は、リーチ動作設定処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理手順に従ってリーチ動作種類が事前決定される。まず、リーチの条件が成立しているか否かが事前決定される(S1)。具体的には、予定停止図柄にオールマイティ図柄が含まれていること、または、左図柄と中図柄とが同一種類の図柄であることのうち、何れかの条件を満たしているか否かが判断される。そして、どちらの条件も満たさない場合には、リーチが成立する可能性はないために処理が終了する。一方、少なくともいずれかの条件を満たす場合には、すでにリーチを成立させるか否かの最終的な判断がなされて各リーチ動作種類に応じたリーチの設定がすでに済んでいるか否かが判断される(S2)。すでにリーチの設定がなされている場合には処理が終了する。一方、まだリーチを成立させるか否かの最終的な判断がなされておらず、したがってリーチの設定がなされていない場合には、以下に説明するS3以降でリーチの種類などが設定されることになる。
【0086】すなわち、まず、オールマイティ図柄が2つあるか否かが判断される(S3)。オールマイティ図柄が2つある場合、すなわち、中図柄として図柄配列表(図19参照)中図柄の最下段のオールマイティ図柄○1が設定され、右図柄として図柄配列表右図柄の下段のオールマイティ図柄○2が設定されている場合には、リーチの種類が再変動リーチに設定され(S15)、処理が終了する。
【0087】一方、オールマイティ図柄が2つ無い場合には、左図柄と中図柄とが同一図柄であるか否かが判断される(S4)。そして、左図柄と中図柄とが同一図柄である場合には、左図柄、中図柄、右図柄のうち、右図柄が最後に停止する最終停止図柄として設定される(S7)。すなわち、少なくとも左図柄と中図柄とが同一である場合には、左図柄と中図柄の可変表示を右図柄の可変表示に先行して終了させて、左図柄と中図柄の組み合わせによりリーチを成立させる。
【0088】一方、左図柄と中図柄とが同一でなくとも、中図柄がオールマイティ図柄○1であれば左図柄と中図柄の組み合わせによりリーチが成立する。したがって、S4で、左図柄と中図柄とが同一図柄でないと判断されても、次のS5aでオールマイティ図柄が○1の場合には最終停止図柄に右図柄が設定され(S7)、左図柄と中図柄の組み合わせによりリーチを成立させることが事前決定される。また、左図柄と中図柄とが同一でなくとも、右図柄がオールマイティ図柄○2であれば、たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の順で各図柄を導出表示させた後に再度中図柄を可変開始させることによって、左図柄と右図柄の組み合わせでリーチを成立させることが可能である。したがって、S4で、左図柄と中図柄とが同一図柄でないと判断されても、次のS5aでオールマイティ図柄が○2であると判断された場合には、次のS5bで中図柄を再度可変開始させてリーチを成立させるか否かの最終判断がなされる。
【0089】すなわち、S5bでは、中図柄を再変動(再可変表示)させてリーチを成立させるか否かを決定するための所定のカウンタのカウンタ値が参照されて、中図柄を再変動させるか否かが決定される。再変動させない場合には、処理が終了する。つまり、この場合には、左図柄、中図柄、右図柄の順で各図柄を導出表示させてはずれの表示結果とすることが定められる。一方、再変動させる場合には、最終停止図柄に中図柄が設定され(S6)、左図柄と右図柄の組み合わせによりリーチを成立させることが事前決定される。
【0090】以上、S4?S7により、左図柄、中図柄、右図柄それぞれの可変表示が終了する順序が決定される。
【0149】図23および図24は、オールマイティ図柄○2によりリーチが成立し、図柄が確定するに至るまでの表示例を示す図である。まず、図柄の可変表示が一斉に開始し(図23(a))、左図柄設定時間経過後(SC3)、左図柄が準停止表示される(図23(b))。次に、中図柄設定時間経過後(SC6)、中図柄が準停止表示される(図23(c))。次に、右図柄設定時間経過後(SC9)、オールマイティ図柄○2である右図柄が準停止表示される(図23(d))。この時点で、いわゆるはずれの表示状態で3つの図柄すべてが準停止している。
【0150】ここで、再度、図23(c)を参照すると、従来のパチンコ遊技機では左図柄と中図柄の種類が異なるために、まだ最終的な表示結果が表示されていないにもかかわらず、この時点で大当たりが発生しないものとされる。また、たとえその後、図23(d)に示すようにオールマイティ図柄○2が導出されたとしても、遊技者はオールマイティ図柄○2の恩恵を受けることができないために、せっかくのオールマイティ図柄○2が無駄に表示されることになってしまう。
【0151】そこで、この実施形態に係るパチンコ遊技機1では、図23(d)の表示の後、中図柄再可変表示待ち時間が経過した時点で(SC11)、左図柄および右図柄の準停止状態を維持したまま中図柄の可変表示が再度開始され得るように構成されている(図24(a))。
【0152】このような再度の可変表示がなされることにより、オールマイティ図柄(2)が遊技者に何ら恩恵を与えることなく無駄に表示されてしまうことを防止できる。特にこの例では、再度の可変表示がなされることによりリーチが成立するため、図23(c)あるいは図23(d)の表示状態で、一旦、大当たりの発生を断念した遊技者に、再度大当たり発生への大きな期待感を与えることができる。なお、中図柄に代えて左図柄で再可変表示が開始されるように構成してもよいが、特にオールマイティ図柄○2が導出表示される1つ前に導出表示された中図柄を再可変表示対象とすると、以下の理由により、より一層、遊技者の歓喜を大きなものに導くことができる。すなわち、図柄の可変表示が一斉に開始してから一番始めに図柄が導出表示される左図柄表示領域に対しては、遊技者はさほどの注意を払っていないのが通常であり、むしろ、左図柄が導出表示された後の中可変表示領域に注視しがちである。これは、遊技者がリーチの発生に期待を寄せるためである。
【0170】図34および図35は、再変動リーチの成立から図柄確定に至るまでの表示例を示す図である。まず、図柄の可変表示が一斉に開始した後(図34(a))、左図柄設定時間が経過して(SH3)、左図柄表示領域に所定の図柄が準停止表示される(図34(b))。この図では、たとえば非確変図柄の一例となる「2」が準停止表示されている。
【0171】次に、中図柄設定時間経過後(SH6)、オールマイティ図柄○1が中図柄表示領域に準停止表示され、オールマイティ図柄○1の効力によりリーチが成立する(図34(c))。なお、この時点では、表示上、確変図柄で大当たりが発生する可能性はない。「2」は確変図柄ではないためである。
【0172】引き続いて右図柄設定時間経過後(SH9)、右図柄表示領域にオールマイティ図柄○2が準停止される(図34(d))。図34(d)に示すように、この時点で大当りの発生が約束される。ただし、この時点でも、表示上、確変図柄で大当たりが発生する可能性はない。
【0173】しかしながら、再変動待ち時間が経過することを条件に(SH12)、左図柄表示領域で再度可変表示が開始し(図35(a))、これにより、左図柄表示領域に確変図柄が導出表示されるチャンスが遊技者に付与される。また、オールマイティ図柄○1○2がそろって準停止されているために、この表示状態は、再度可変表示を開始した左図柄表示領域に如何なる図柄が導出表示されたとしても大当たりの発生することが約束された表示状態である。したがって、一旦、準停止された左図柄を再度可変表示させても、一旦成立した大当たりの組み合わせが取り消されたのではないかという不安を遊技者に感じさせることはない。
【0174】このように、大当たりとなる組み合わせで各図柄が導出表示された(図34(d))後に、その表示上の価値を低下させることなく、大当たり図柄の種類を変更可能であるため、大当たり発生に対する遊技者の確信を揺るがすことなく、さらに、大当たり図柄の種類が非確変図柄から確変図柄に変化するのではないかという期待感を遊技者に付与できる。
【0175】また、オールマイティ図柄が導出表示されること自体が遊技者にとってすれば他の遊技者に対して非常に誇らしく感じられることであるために、図柄を再度可変表示させる際にもオールマイティ図柄を可変表示対象から除外して継続して準停止状態で表示させておくことにより、現在の表示状態に対する遊技者の満足感を維持させることができる。
【0176】さらに、再度の可変表示が開始される場合には、図34(d)に示すように3つの図柄すべてが準停止表示され、遊技者がその旨を予測できるように構成されている。
と記載されている。

摘記した上記の記載や図面等によれば、引用文献1には、
「始動口9に入賞した始動入賞球は始動球検出器34により検出され、その検出出力に基づいて可変表示装置4が可変開始され、
入力回路35は、始動玉検出器34から出力される始動入賞信号など、各検出器から出力される検出信号を基本回路45へ送信し、
基本回路45は、入力回路35から始動入賞信号が入力されてきたタイミングで大当たり判定用カウンタのカウンタ値を参照してそのカウンタ値が予め定められている当たり判定値であるか否かを判定し、当たり判定値である場合には、大当たりを発生させることを事前決定し、
可変表示部5で左図柄、中図柄、右図柄の可変表示が一斉に開始した後、パチンコ遊技機1内部の制御によって定められる所定の順序で各図柄が順次停止制御されて、全ての図柄表示領域の図柄が完全に停止して可変表示装置4の表示結果が導出表示された段階で、その表示結果が予め定められた特定の特別図柄の組合せ(たとえば「777」などのぞろ目)となった場合には、いわゆる大当たりとなり、大当たりが発生すれば、可変入賞球装置12が第1の状態に制御され、開閉板22が傾動して打玉を可変入賞球装置12内へ入賞させることが可能となり、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態となり、
3つの図柄表示領域に同一種類の図柄が揃って導出表示されることで大当たりが発生するように設計されていて、ただし、オールマイティ図柄が中図柄表示領域または右図柄表示領域のいずれか一方に導出表示されれば、他の2つの図柄表示領域に同一図柄が導出表示されることで大当たりが発生するように設計されており、中図柄表示領域と右図柄表示領域にオールマイティ図柄が揃って導出表示されれば、左図柄の種類如何を問わず大当たりが発生するように設計されており、
リーチ動作種類の事前決定については、まず、リーチの条件が成立しているか否かが事前決定され、リーチ条件が成立している場合には、次の4通りがあり、
(1)オールマイティ図柄が2つある場合には、リーチの種類が再変動リーチに設定され、この場合での再変動リーチでは、2つのオールマイティ図柄がそろって準停止されているために、この表示状態は、再度可変表示を開始した左図柄表示領域に如何なる図柄が導出表示されたとしても大当たりの発生することが約束された表示状態であり、
(2)オールマイティ図柄が2つ無い場合には、左図柄と中図柄とが同一図柄であるか否かが判断され、少なくとも左図柄と中図柄とが同一である場合には、左図柄と中図柄の可変表示を右図柄の可変表示に先行して終了させて、左図柄と中図柄の組み合わせによりリーチを成立させて、右図柄が最後に停止する最終停止図柄として設定され、
(3)オールマイティ図柄が2つ無い場合で左図柄と中図柄とが同一でなくとも、中図柄がオールマイティ図柄であれば左図柄と中図柄の組み合わせによりリーチが成立し、最終停止図柄に右図柄が設定され、
(4)オールマイティ図柄が2つ無い場合で左図柄と中図柄とが同一でなくとも、右図柄がオールマイティ図柄であれば、たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の順で各図柄を導出表示させた後に再度中図柄を可変開始させることによって、左図柄と右図柄の組み合わせでリーチを成立させることが可能であり、
また、パチンコ遊技機1で発生し得るリーチ動作の種類を大別すると、大当たりの期待度および可変表示継続時間ともにノーマルなノーマルリーチ、オールマイティ図柄○1とオールマイティ図柄○2とが共に導出表示されて大当たりの表示態様となった後に左図柄表示領域で図柄の再可変表示が開始される再変動リーチ、2つの特別図柄の種類が確定後、残る1つの特別図柄の可変表示が終了するまでの時間が長いロングリーチ、大当たりの期待度が高いスーパーリーチに分類でき、
C_RND_RCHは、可変表示部5にリーチを成立させる際に、複数種類のリーチ動作の中からいずれのリーチ動作を選択して可変表示部5に表示させるかを定めるためのランダムカウンタであり、
リーチが発生する場合には、C_RND_RCHの抽出値に応じて、リーチ動作の種類が選択決定され、決定された種類のリーチ動作が実行される、
パチンコ遊技機1。」の発明(以下「引用発明」という。)が開示されていると認められる。

(2)引用発明と本願補正発明との対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを比較すると、
引用発明の「始動口9」は、本願補正発明の「始動口」に相当し、以下同様に、
「オールマイティ図柄」は「オールマイティ図柄」に、
「オールマイティ図柄が中図柄表示領域または右図柄表示領域のいずれか一方に導出表示され」は「何れの図柄にも代替可能なオールマイティ図柄を、適宜前記図柄列の図柄停止位置に表示する」に、
「可変表示装置4」は「表示図柄変動表示装置」に、
「リーチ条件が成立している場合」は「所定の条件が成立した場合」に、それぞれ相当する。

a.引用発明は、始動入賞球を始動球検出器34が検出したことを契機に、基本回路45に始動入賞信号が送信されて大当たりを発生させるか否かの事前決定するものである。
そして、その事前決定が少なくとも大当たりが発生する前の状態、すなわち、本願補正発明の「始動口への入賞を目的とした通常遊技状態」に相当する状態において行われることは当然である。
さらに、引用発明は、始動入賞球は始動球検出器34により検出され、その検出出力に基づいて可変表示装置4が可変開始されて、全ての図柄表示領域の図柄が完全に停止して可変表示装置4の表示結果が導出表示された段階で、その表示結果が予め定められた特定の特別図柄の組合せ(たとえば「777」などのぞろ目)となった場合には、いわゆる大当たりとなるものであるから、大当たりを発生させるか否かの事前決定により、大当たりが決定された場合には、特定の特別図柄の組合せを可変表示装置4の表示結果として表示するものであるものと認められる。
よって、引用発明と本願補正発明とは、「少なくとも始動口への入賞を目的とした通常遊技状態において、前記始動口への遊技球の入賞を契機に当たり/外れを抽選するための抽選が実行され、当該抽選の結果を、複数列の図柄変動パターンの演出によって報知する」点で共通する。
b.引用発明において、オールマイティ図柄の有無、再変動の有無にかかわらず、最後に停止する図柄は、左図柄、中図柄、右図柄のいずれかの図柄となることから、この最後に停止する図柄は、他の図柄に対して遅延させるタイムラグを持たせているものといえる。
よって、引用発明と本願補正発明とは、「前記複数列の図柄変動パターン演出における少なくとも最終列の停止時期を他の図柄列に対して遅延させるタイムラグを持たせる」点で共通する。
c.パチンコ機において、大当り前の大入賞口(可変入賞球装置)が開いていない状態での、いわゆる通常状態よりも、大当たりによって大入賞口が開いた遊技状態の方が、多くの遊技球を獲得可能であることは自明であるから、
「全ての図柄表示領域の図柄が完全に停止して可変表示装置4の表示結果が導出表示された段階で、その表示結果が予め定められた特定の特別図柄の組合せ(たとえば「777」などのぞろ目)となった場合には、いわゆる大当たりとなり、大当たりが発生すれば、可変入賞球装置12が第1の状態に制御され、開閉板22が傾動して打玉を可変入賞球装置12内へ入賞させることが可能となり、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態となり」は「停止図柄が所定の当たり図柄で揃った場合に、前記通常遊技状態に比べ、遊技者が短期間に多くの配当を獲得可能な特別遊技状態とする」に相当する。
さらに、引用文献1の記載等からみて、以下のことが言える。
d.引用発明の「再変動リーチ」は、大当たりの発生することが約束された表示状態であり、「大当たりの期待度が高いスーパーリーチ」、「ロングリーチ」が、ノーマルリーチよりも期待値を高める演出であることも明らかであるから、引用発明の「再変動リーチ、ロングリーチ及びスーパーリーチ」は、本願補正発明の「複数種類の特別演出」に相当する。
また、ランダムカウンタであるC_RND_L、C_RND_C、C_RND_R及びC_RND_RCHの抽出値に応じて、リーチ動作の種類が選択決定され、決定された種類(再変動リーチ、ロングリーチ、スーパーリーチ、及びノーマルリーチ)のリーチ動作が実行されるものであるから、リーチ動作の種類は、所定の確率で選択されているものである。
よって、引用発明と本願補正発明とは、「複数種類の特別演出」が「当たりとなる期待値がそれぞれ異なる」点は別にして、「前記リーチ状態となった場合に、所定の確率で、最終列の図柄が停止するまでの間、異なる複数種類の特別演出から選択して実行することで、ノーマルリーチよりも期待値を高める特別演出実行制御手段」を有する点で共通する。
e.引用発明は、オールマイティ図柄を含まないリーチ状態の場合に、所定の確率で「ロングリーチ、及びスーパーリーチ」のいずれか1つを選択するものであるから、引用発明と本願補正発明とは、「前記特別演出実行手段では、前記オールマイティ図柄を含まないリーチ状態の場合に、何れかの特別演出の1つを選択して実行すること」で一致する。

以上を総合すると、両者は、
「少なくとも始動口への入賞を目的とした通常遊技状態において、前記始動口への遊技球の入賞を契機に当たり/外れを抽選するための抽選が実行され、当該抽選の結果を、複数列の図柄変動パターンの演出によって報知する場合に、何れの図柄にも代替可能なオールマイティ図柄を、適宜前記図柄列の図柄停止位置に表示する表示図柄変動表示装置を備えた遊技機であって、
前記複数列の図柄変動パターン演出における少なくとも最終列の停止時期を他の図柄列に対して遅延させるタイムラグを持たせると共に、所定の条件が成立した場合に最終列の図柄の停止前に、該最終列の停止図柄如何によって当たり又は外れが決定するリーチ状態を形成する図柄停止制御手段と、
前記図柄停止制御手段による停止制御で、複数列のそれぞれの前記図柄変動パターン演出後の停止図柄が所定の当たり図柄で揃った場合に、前記通常遊技状態に比べ、遊技者が短期間に多くの配当を獲得可能な特別遊技状態とする特別遊技状態実行手段と、
前記リーチ状態となった場合に、所定の確率で、最終列の図柄が停止するまでの間、異なる複数種類の特別演出から選択して実行することで、ノーマルリーチよりも期待値を高める特別演出実行制御手段と、を有し、
前記特別演出実行手段では、前記オールマイティ図柄を含まないリーチ状態の場合に、何れかの特別演出の1つを選択して実行すること遊技機。」の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願補正発明は、「複数種類の特別演出」は「当たりとなる期待値がそれぞれ異な」り、「ノーマルリーチよりも期待値を高める」ものであるのに対し、引用発明の「再変動リーチ」、「スーパーリーチ」は、当たりとなる期待値がそれぞれ異なるが、「ロングリーチ」について当該期待値が不明なので、「ロングリーチ」が「再変動リーチ」及び「スーパーリーチ」の当たりとなる期待値と異なるのか否か不明な点。
[相違点2]
本願補正発明は、「前記特別演出実行制御手段では、前記リーチ状態が形成されたときに、前記オールマイティ図柄を含むリーチ状態の場合と、前記オールマイティ図柄を含まないリーチ状態の場合とで、前記特別演出実行制御手段による特別演出の際に、異なる演出形態を選択すると共に、前記オールマイティ図柄を含むリーチ状態の場合に、前記特別演出毎に設定した期待値が徐々に高まる複数の特別演出を選択してシリーズで実行」するのに対し、引用発明は、このような実行が行われていない点。

(3)相違点の検討及び判断
[相違点1について]
パチンコ機の分野において、「当たりとなる期待値がそれぞれ異なる複数種類の特別演出」から選択して実行する技術は、例えば、特開2002?336460号公報(特に、段落【0056】、図11参照)、特開2001?259160号公報(特に、段落【0067】?【0080】、図7?9参照)に記載されているように、周知の技術(以下「周知技術1」という。)であり、周知技術1を引用発明に適用して、引用発明のロングリーチを、再変動リーチ及びスーパーリーチの当たりとなる期待値とは異なるように設定することは、パチンコ等の遊技機の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)にとって、格別な困難性はない。
[相違点2について]
引用発明は、中図柄のみにオールマイティ図柄が導出表示される場合の演出形態は、オールマイティ図柄を含まないリーチ状態の場合と異ならせていないが、オールマイティ図柄が中図柄、右図柄共に導出表示される場合とオールマイティ図柄が右図柄のみに導出表示される場合には、リーチ状態とならない場合と異なり、遊技者に対して大当りの期待感を高める特別の演出を行っているものといえる。
また、引用文献1には、「また、オールマイティ図柄が導出表示されること自体が遊技者にとってすれば他の遊技者に対して非常に誇らしく感じられる」(段落【0175】)との記載があり、この記載からオールマイティ図柄の導出表示によって、遊技者に対して何らかの優位性の印象を与えようとする技術思想が開示されているものと認められる。
よって、引用文献1に開示された当該技術思想に基づき、中図柄を含めいずれかの図柄にオールマイティ図柄が導出表示された場合には、遊技者に対して大当りの期待感を高める特別の演出を行うことは、当業者にとって格別な困難性はない。

また、大当りの期待値を徐々に高める複数の特別演出を選択してシリーズで実行することは、例えば、特開平10?127883号公報(特に、段落【0044】、【0065】?【0068】参照)、特開2000?271292号公報(特に、段落【0043】、図17?図20参照)に記載されているように周知の技術(以下「周知技術2」という。)である。
よって、オールマイティ図柄を導出表示した場合における大当りの期待感を高めるためる手段として、周知技術2を適用し、オールマイティ図柄の導出表示があった場合に、大当りの期待値を徐々に高める複数の特別演出を選択してシリーズで実行することは、当業者が容易に想到しうることである。

以上のことから、周知技術2に基づき、相違点2に係る構成を引用発明に設けることは、当業者にとって容易になしうることである。

さらに、本願補正発明の作用効果も、引用発明、周知技術1、2に基づき、当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、本願補正発明は、引用発明、周知技術1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
以上のとおりであるので、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反しており、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第三.本願発明について
1.本願発明
平成22年1月12日付の手続補正書は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成21年8月28日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される。以下のとおりのものである。
「少なくとも始動口への入賞を目的とした通常遊技状態において、前記始動口への遊技球の入賞を契機に当たり/外れを抽選するための抽選が実行され、当該抽選の結果を、複数列の図柄変動パターンの演出によって報知する場合に、何れの図柄にも代替可能なオールマイティ図柄を、適宜前記図柄列の図柄停止位置に表示する表示図柄変動表示装置を備えた遊技機であって、
前記複数列の図柄変動パターン演出における少なくとも最終列の停止時期を他の図柄列に対して遅延させるタイムラグを持たせると共に、所定の条件が成立した場合に最終列の図柄の停止前に、該最終列の停止図柄如何によって当たり又は外れが決定するリーチ状態を形成する図柄停止制御手段と、
前記図柄停止制御手段による停止制御で、複数列のそれぞれの前記図柄変動パターン演出後の停止図柄が所定の当たり図柄で揃った場合に、前記通常遊技状態に比べ、遊技者が短期間に多くの配当を獲得可能な特別遊技状態とする特別遊技状態実行手段と、
前記リーチ状態となった場合に、所定の確率で、最終列の図柄が停止するまでの間、当たりとなる期待値を高める特別演出を実行する特別演出実行制御手段と、を有し、
前記特別演出実行制御手段では、前記リーチ状態が形成されたときに、前記オールマイティ図柄を含むリーチ状態の場合と、前記オールマイティ図柄を含まないリーチ状態の場合とで、前記特別演出実行制御手段による特別演出の際に、異なる演出形態を選択すると共に、前記オールマイティ図柄を含むリーチ状態の場合に、期待値が徐々に高まる複数の特別演出を選択してシリーズで実行し、前記オールマイティ図柄を含まないリーチ状態の場合に、期待値が異なる何れかの特別演出の1つを選択して実行することを特徴とする遊技機。」

2.特許法第29条第2項の検討
(1)引用刊行物記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1及び記載事項は、前記「第二.3.(1)」に記載したとおりである。

(2)引用発明と本願発明との対比
本願発明は、「当たりとなる期待値がそれぞれ異なる複数種類の特別演出から選択して実行することで、前記リーチ状態よりも期待値を高める」を「当たりとなる期待値を高める」と上位概念化するとともに、「期待値」に対して、「前記特別演出毎に設定した」の限定がなくなったものである。
そうすると、本願発明の構成要件の一部を下位概念化するとともに複雑化したものに相当する本願補正発明が、前記「第二.3.(3)」に記載したとおり、引用発明、及び、周知技術1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、及び、周知技術1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明、及び、周知技術1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3.むすび
本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-12-24 
結審通知日 2011-01-05 
審決日 2011-01-20 
出願番号 特願2003-322998(P2003-322998)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉田 綾子  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 井上 昌宏
川島 陵司
発明の名称 遊技機  
代理人 中島 淳  
代理人 加藤 和詳  
代理人 福田 浩志  

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