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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1233617
審判番号 不服2009-18615  
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-01 
確定日 2011-03-10 
事件の表示 特願2002-229443「回胴式遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 3月 4日出願公開、特開2004- 65610〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願の手続の経緯概要は以下のとおりである。
平成14年 8月 7日 出願
平成20年 7月16日 拒絶理由通知
平成20年 9月29日 手続補正
平成21年 6月29日 拒絶査定
平成21年10月 1日 拒絶査定不服審判請求,手続補正A
平成22年 4月 5日 審尋
平成22年 5月28日 回答書
平成22年 9月22日 補正却下(手続補正A),拒絶理由通知
平成22年11月26日 手続補正

2.本願発明
本願の請求項1に記載された発明は,平成22年11月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「複数の変動領域を有し,それぞれの変動領域において複数の図柄の変動表示及び変動表示されている図柄の停止表示を行うことが可能な変動表示手段と,
前記複数の変動領域において図柄の変動表示を開始する契機を与える開始操作手段と,
前記複数の変動領域のそれぞれに対応するように複数設けられ,対応する変動領域において変動表示されている図柄を停止表示させる契機を与える停止操作手段と,
前記開始操作手段が操作された際に,複数設定された入賞役のうちから入賞を許可する入賞役を抽選により決定する抽選手段と,
前記複数の変動領域において停止表示された図柄の組合せが,前記抽選手段が入賞を許可することを決定した入賞役に対応する図柄で揃う組合せである場合,該入賞役への入賞を決定する遊技制御手段と,
遊技内容に応じた表示演出を画像を用いて表示することが可能な表示手段と,
前記表示手段における表示演出を制御する表示制御手段と,を備えた回胴式遊技機において,
前記表示制御手段の制御により前記表示手段に表示されるキャラクタ画像として,前記複数の入賞役のそれぞれに対応させて個別に設定された第1のキャラクタ画像と,前記第1のキャラクタ画像とは別に設けられ,前記第1のキャラクタ画像を複数組み合わせて変化させる演出を行う第2のキャラクタ画像と,を有し,
前記第1のキャラクタ画像は,前記複数の入賞役のそれぞれに対応させて異なる色彩が設定され,
前記表示制御手段は,
前記抽選手段により前記複数の入賞役のうち所定の入賞役への入賞を許可することが決定された場合,該入賞を許可することが決定された所定の入賞役に対応する表示演出について,該表示演出の実行と前記開始操作手段及び前記複数の停止操作手段のそれぞれの操作との対応が定義された演出パターンに係る演出番号を決定し,
前記表示手段に表示する前記所定の入賞役に対応する表示演出として,
前記他の二以上の入賞役のそれぞれに対応する第1のキャラクタ画像及び前記第2のキャラクタ画像を表示して,該第2のキャラクタ画像により前記他の二以上の入賞役のそれぞれに対応する第1のキャラクタ画像を組み合わせて変化させる演出を行ない,その後,前記第2のキャラクタ画像から前記所定の入賞役に対応する第1のキャラクタ画像を表出させる演出を,前記演出番号に係る前記演出パターンにしたがって前記開始操作手段及び前記複数の停止操作手段が操作されることに伴って順次実行することを特徴とする回胴式遊技機。」(以下,「本願発明」という。)

3.引用文献
(1)引用文献1
当審の拒絶の理由(平成22年9月22日付け拒絶理由通知)で引用された「パチスロ攻略マガジンドラゴン4月号,株式会社双葉社,2001年3月21日,67-70頁」(以下,「引用文献1」という。)には,以下記載がある。
・67-70頁には,「ドンちゃん2」というパチスロ機の紹介記事が記載されている。
・67頁の右上部には,回転リールの下部に液晶表示装置を設け,その下部に3個の白色のストップボタンを設けたパチスロ機の写真が掲載されている。
・68頁の左上部には,「液晶演出の基本的な流れ」とのタイトルの下に,レバーを叩いた後「選択したドンちゃんの「個別演出」」が行われる旨の記載がある。
・70頁の左上部には,「青ドン選択時は「バンジー金魚すくい」。飛び上がる金魚の色が小役に対応しており,その金魚を水中で捕まえたら対応役orボーナス。」と記載されている。また,その記載の右側には,「金魚の色が対応役だ」との文と,その下に「赤・・・2[チェリーの絵] 黒・・・4[チェリーの絵] 黄・・・[提灯の絵] 青・・・[リプレイの図柄] 緑・・・[涼の図柄] 白・・・ハズレ 金・・・ボーナス」との記載がある。
・70頁の右上部には,「水中に金魚が2匹いた場合もこれまたチャンスで,必ずどちらかを捕まえる。」と記載されている。その左側には,水中の画面において2匹の金魚のうち1匹を青ドンが捕まえる画面が記載されている。
・70頁の右上部から左上部にかけて,液晶表示される画面として,青ドンと女の子が並んで立っている画面,青ドンの前を金魚が飛んでいる画面,水中で金魚を捕まえている画面が記載されている。

以上の記載によれば,引用文献1には次の発明が記載されていると認められる。
「回転リールと,その下部に設けた液晶表示装置と,レバーとストップボタンとを備えたパチスロ機において,
液晶表示される金魚は,赤だと2枚チェリーの役,黒だと4枚チェリーの役,黄だと提灯の役,青だとリプレイの役,緑だと涼の役,白だとハズレの役,金だとボーナスの役に対応するものであり,
金魚を水中で捕まえれば,その色に対応した役になり,
水中画面で2種類の色の金魚を表示した後,どちらか1匹の金魚を捕まえる液晶演出を行う,パチスロ機」(以下,「引用発明」という。)

4.対比
本願発明と引用発明を対比すると,引用発明の「パチスロ機」は本願発明の「回胴式遊技機」に相当する。
そして,回胴式遊技機に関する常識を考慮すると,引用発明の「回転リール」は本願発明の「複数の変動領域を有し,それぞれの変動領域において複数の図柄の変動表示及び変動表示されている図柄の停止表示を行うことが可能な変動表示手段」に相当し,以下同様に,「ストップボタン」は「前記複数の変動領域のそれぞれに対応するように複数設けられ,対応する変動領域において変動表示されている図柄を停止表示させる契機を与える停止操作手段」に,「液晶表示装置」は「遊技内容に応じた表示演出を画像を用いて表示することが可能な表示手段」に相当することは,当業者にとって自明なことである。更に,回胴式遊技機において,スタートレバーを設けることは当然行われることであって,回胴式遊技機である引用発明の「レバー」はスタートレバーを意味するものであることは自明であり,これは本願発明の「前記複数の変動領域において図柄の変動表示を開始する契機を与える開始操作手段」に相当する。また,回胴式遊技機においてはスタートレバーが操作された際に複数の入賞役の中から入賞を許可する抽選を行うことは当然行われることであって,引用発明も当該抽選を実行する手段を具備することは自明であり,これは本願発明の「前記開始操作手段が操作された際に,複数設定された入賞役のうちから入賞を許可する入賞役を抽選により決定する抽選手段」に相当する。そして,遊技者の操作によって停止した図柄の組合せが抽選の結果の入賞役に対応する図柄の組合せである場合に入賞役への入賞を決定することは当然行われることであって,引用発明も当該制御を実行する手段を具備することは自明であり,これは本願発明の「前記複数の変動領域において停止表示された図柄の組合せが,前記抽選手段が入賞を許可することを決定した入賞役に対応する図柄で揃う組合せである場合,該入賞役への入賞を決定する遊技制御手段」に相当する。また,回胴式遊技機が「遊技内容に応じた表示演出を画像を用いて表示することが可能な表示手段」を具備する場合にはこのような表示演出を制御する手段を設けることは当然のことであるから,引用発明も当該制御を行う手段を具備することは自明であり,これは本願発明の「前記表示手段における表示演出を制御する表示制御手段」に相当する。
引用発明において「液晶表示される金魚は,赤だと2枚チェリーの役,黒だと4枚チェリーの役・・・に対応する」ものであり,「金魚」は「表示手段に表示されるキャラクタ画像」であるから,引用発明は本願発明の「前記表示制御手段の制御により前記表示手段に表示されるキャラクタ画像として,前記複数の入賞役のそれぞれに対応させて個別に設定された第1のキャラクタ画像」及び「前記第1のキャラクタ画像は,前記複数の入賞役のそれぞれに対応させて異なる色彩が設定され,」に相当する構成を実質的に具備するものである。
引用発明において「金魚を水中で捕まえれば,その色に対応した役になり,水中画面で2種類の色の金魚を表示した後,どちらか1匹の金魚を捕まえる液晶演出を行う」ことは,所定の入賞役に対応する表示演出を行うものであり,「2種類の色の金魚」は「二以上の入賞役のそれぞれに対応する第1のキャラクタ画像」ということができるから,引用発明と本願発明は「前記表示手段に表示する前記所定の入賞役に対応する表示演出として,二以上の入賞役のそれぞれに対応する第1のキャラクタ画像を表示して,その後,前記所定の入賞役に対応する第1のキャラクタ画像を表出させる演出を実行する」点で共通している。

以上によれば,本願発明と引用発明は,
「複数の変動領域を有し,それぞれの変動領域において複数の図柄の変動表示及び変動表示されている図柄の停止表示を行うことが可能な変動表示手段と,
前記複数の変動領域において図柄の変動表示を開始する契機を与える開始操作手段と,
前記複数の変動領域のそれぞれに対応するように複数設けられ,対応する変動領域において変動表示されている図柄を停止表示させる契機を与える停止操作手段と,
前記開始操作手段が操作された際に,複数設定された入賞役のうちから入賞を許可する入賞役を抽選により決定する抽選手段と,
前記複数の変動領域において停止表示された図柄の組合せが,前記抽選手段が入賞を許可することを決定した入賞役に対応する図柄で揃う組合せである場合,該入賞役への入賞を決定する遊技制御手段と,
遊技内容に応じた表示演出を画像を用いて表示することが可能な表示手段と,
前記表示手段における表示演出を制御する表示制御手段と,を備えた回胴式遊技機において,
前記表示制御手段の制御により前記表示手段に表示されるキャラクタ画像として,前記複数の入賞役のそれぞれに対応させて個別に設定された第1のキャラクタ画像を有し,
前記第1のキャラクタ画像は,前記複数の入賞役のそれぞれに対応させて異なる色彩が設定され,
前記表示制御手段は,
前記表示手段に表示する前記所定の入賞役に対応する表示演出として,
二以上の入賞役のそれぞれに対応する第1のキャラクタ画像を表示して,その後,前記所定の入賞役に対応する第1のキャラクタ画像を表出させる演出を実行する,回胴式遊技機」である点で一致し,以下の点で相違する。

<相違点1>
表示手段に表示されるキャラクタ画像として,本願発明では「前記第1のキャラクタ画像とは別に設けられ,前記第1のキャラクタ画像を複数組み合わせて変化させる演出を行う第2のキャラクタ画像」を有するのに対し,引用発明ではかかる構成を有していない点。
<相違点2>
前記表示制御手段が,本願発明では「前記抽選手段により前記複数の入賞役のうち所定の入賞役への入賞を許可することが決定された場合,該入賞を許可することが決定された所定の入賞役に対応する表示演出について,該表示演出の実行と前記開始操作手段及び前記複数の停止操作手段のそれぞれの操作との対応が定義された演出パターンに係る演出番号を決定」するのに対し,引用発明ではかかる構成を有していない点。
<相違点3>
表示演出として,本願発明では「前記他の二以上の入賞役のそれぞれに対応する第1のキャラクタ画像及び前記第2のキャラクタ画像を表示して,該第2のキャラクタ画像により前記他の二以上の入賞役のそれぞれに対応する第1のキャラクタ画像を組み合わせて変化させる演出を行ない,その後,前記第2のキャラクタ画像から前記所定の入賞役に対応する第1のキャラクタ画像を表出させる演出」を実行するのに対し,引用発明ではかかる構成を有していない点。
<相違点4>
表示演出を,本願発明では「前記演出番号に係る前記演出パターンにしたがって前記開始操作手段及び前記複数の停止操作手段が操作されることに伴って順次実行する」のに対し,引用発明ではかかる構成を有していない点。

5.判断
(1)相違点1,3について
相違点1,3は関連しているのであわせて検討する。
当審の拒絶の理由で引用された特開2000-271290号公報(以下,「引用文献2」という。)には以下の記載がある。
「【0091】・・・可変表示部9に表示する演出用キャラクタとしてキャラクタA,Bが設定される(SS7)。キャラクタA,Bは,実際には所定の人物や動物,自然物,風景等を基に創作された所定の形態からなる,それぞれ異なる種類の画像であり,以下に登場するキャラクタC,X,Y,Zについても同様である。」
「【0114】・・・これにより,図17の(c)に示すように,可変表示部9において,「7」の図柄が右図柄90cとして表示され,左図柄90aと右図柄90cとが揃ったリーチ状態が成立する。なお,T4とT5との時間間隔は微小であるために,右図柄90cの表示とほぼ同時に演出用キャラクタB 92bが出現したような表示態様となる。」
「【0117】・・・これにより,図17の(c)に示すように,可変表示部9において,「7」の図柄が右図柄90cとして表示され,左図柄90aと右図柄90cとが揃ったリーチ状態が成立する。なお,T4とT5との時間間隔は微小であるために,右図柄90cの表示とほぼ同時に演出用キャラクタB 92bが出現したような表示態様となる。」
「【0119】これにより,図17の(d)に示すように,可変表示部9において,中図柄の下方から演出用キャラクタキャラクタC 92cが飛出すような態様で出現する。」
「【0122】これにより,まず,図17(d)に示すように,演出用キャラクタ(A,B,C)を覆い包むような煙のごときキャラクタ92d(以下,煙キャラクタ92dという)が表示され,該煙キャラクタ92dを含む演出用キャラクタ(A,B,C)が点滅し始める。その後,たとえば,各演出用キャラクタが中央位置に集合し,融合されていくような表示がなされる。そして,演出用キャラクタ同士の合体が成功し,図17(e)に示すように新たな合体キャラクタX 93が中図柄90bの一部の領域を覆うようにして中図柄90bの前面側に出現する。」
「【0123】この合体キャラクタX 93は,確率変動状態が発生する旨を示す確変判定図柄であり,この合体キャラクタX 93が表示されると,やがて,確率変動状態の発生を伴う大当り状態が発生する。これにより,可変表示装置8の表示結果(確変大当り)に対する遊技者の期待感を向上させることができる。」
「【0124】なお,確率変動状態の発生を伴わない大当り状態が発生する場合には,この合体キャラクタXの代わりに,合体キャラクタX′を表示することが指定されるように構成してもよい。この合体キャラクタX′は,確率変動状態が発生しない旨を示す確変判定図柄ということができ,この合体キャラクタX′が表示されると,やがて,確率変動状態の発生を伴わない大当り状態が発生する。つまり,合体キャラクタXと,合体キャラクタX′とが選択に表示されるように構成することにより,確変判定図柄の表示によって,確率変動状態が発生するか否かが予告報知されるのである。」
「【0163】次に,以上説明した実施の形態における変形例や特徴点等を以下に列挙する。(1) 合体することを試行する演出用キャラクタ,および,合体キャラクタのその他の具体例について」
「【0166】 複数の演出用キャラクタがミキサーを模したミキサーキャラクタ内に進入した後,ミキサーが稼働し,ミキシングに成功すれば(合体に成功すれば),大きな合体キャラクタが形成されるようにする。」

段落【0166】の変形例を採用した場合について,上記記載を整理すれば,引用文献2には次の技術事項が記載されている。
「演出用キャラクタA,B,Cと合体キャラクタX,X’はそれぞれ異なる種類の画像であり,演出用キャラクタA,B,Cは,図柄の停止に対応して表示手段に表示されるものであって,複数の演出用キャラクタがミキサーを模したミキサーキャラクタ内に進入した後,ミキサーが稼働し,ミキシングに成功すれば(合体に成功すれば),大きな合体キャラクタX又はX’が形成される表示演出を実行する遊技機。」
ここで,ミキサキャラクタは,演出用キャラクタA,B,Cとは別に設けられ,演出用キャラクタA,B,Cを合体(組み合わせ)させて異なる種類の画像である合体キャラクタX,X’に変化させる演出表示を行うものであるから,本願発明の第2のキャラクタ画像に相当し,演出用キャラクタA,B,C及び合体キャラクタX,X’は本願発明の第1のキャラクタ画像に相当する。
そして,引用発明及び引用文献2に記載された技術事項はともに遊技機における演出に関するものであるから,その組み合わせに困難性はなく,引用発明に引用文献2に記載された技術事項を適用し,第1のキャラクタ画像(金魚)とは別に,第1のキャラクタ画像を複数組み合わせて変化させる演出を行う第2のキャラクタ画像を設けて,相違点1に係る本願発明の構成とすることは当業者にとって想到容易である。
また,引用文献2に記載された技術事項においては,合体前の演出用キャラクタA,B,Cと合体後の合体キャラクタX,X’は異なる種類の画像であるから,引用発明において所定の役の第1のキャラクタ画像を最終的に表示するに際して,所定の役とは異なる2以上の役に対応するキャラクタ画像を先ず表示した上で,これを第2のキャラクタ画像により組み合わせて変化させる演出を行うようにし,相違点3に係る本願発明の構成とすることは当業者にとって想到容易である。

(2)相違点2,4について
相違点2,4は関連しているので,あわせて検討する。
当審の拒絶の理由で引用された特開2002-136649号公報(以下,「引用文献3」という。)には以下の記載がある。
「【0040】台座部10の前面部中央で,液晶表示装置5の下方位置には,3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。」
「【0072】以下,スロットマシン1の表示面5aにおいて表示される演出画像の具体的内容について説明する。」
「【0115】図14は,発展共通演出の1つである「打ち上げチャレンジ演出」の表示例を示す。この「打ち上げチャレンジ演出」においても,停止操作に応じた表示がなされる。」
「【0116】スタートレバー6の操作がなされると,今回のゲームで選択されたキャラクタ(ここでは,緑ドンちゃん81)が表示面5a上に登場する。第1停止操作時には,緑ドンちゃん81が花火玉を作っている様子が表示される。ここでは,花火玉の製造工程である「星掛け」,「組立」,「玉貼り」のぞれぞれが順次表示される(F-1,F-2,F-3)。」
「【0117】次に,第2停止操作時には,緑ドンちゃん81が作った花火が打ち上げられる様子が表示される(F-4,F-6,F-8)。この第2停止操作時に表示される内容には複数パターンが設定され,(F-4)に示す例では,小玉の単花火が打ち上げられた場合で,(F-6)に示す例では,大玉の単花火が打ち上げられた場合で,(F-8)に示す例では,大玉の3連花火が打ち上げられた場合である。」
「【0118】そして,第3停止操作時には,第2停止操作時に表示された内容に関連した内容が表示される(F-5,F-7,F-9)。(F-5)に示す例では,その前の第2停止操作時の表示(F-4)で小玉の単花火が打ち上げられた場合で,不満げな表情の緑ドンちゃん81が表示されると共に「いまいち」との文字表示がなされる。(F-7)に示す例では,その前の第2停止操作時の表示(F-6)で大玉の単花火が打ち上げられた場合で,納得のいかない表情の緑ドンちゃん81が表示されると共に「もういっちょ!!」との文字表示がなされる。(F-9)に示す例では,その前の第2停止操作時の表示(F-8)で大玉の3連花火が打ち上げられた場合で,満足げな表情の緑ドンちゃん81が表示されると共に「よっしゃ!!」との文字表示がなされる。」
「【0119】この第3停止操作時に表示される内容は,ボーナスに内部当選したか否かを報知するもので,(F-9)のような表示がなされた場合は,ボーナスに内部当選したことを報知する。(F-5)のような表示がなされた場合は,ここでは何も報知を行わず,リール3L,3C,3Rの「リーチ目」による報知がなされる。一方,(F-7)のような表示がなされた場合は,ここでは何も報知を行わないが,次のゲームにおいても,必ずこの「打ち上げチャレンジ演出」がなされる。」
上記記載によれば,引用文献3には,表示面5aにおける表示演出の実行とスタートレバー6及び3個の停止ボタン7L,7C,7Rのそれぞれの操作を対応させてボーナスに内部当選したか否かを報知するスロットマシンが記載されている。これは,所定の入賞役(ボーナス)への入賞を許可することが決定された場合,該入賞を許可することが決定された所定の入賞役に対応する表示演出について,表示演出の実行を開始操作手段及び停止操作手段の操作と対応させたものということができる。
また,表示演出の実行と停止ボタンのそれぞれの操作との対応が定義された演出パターンに係る演出番号を決定し,演出番号に係る演出パターンにしたがって順次演出を実行することは,一例として特開2001-129156号公報(図37?40及びこれに関する発明の詳細な説明の記載を参照))に示されるように従来周知の技術手段である。

引用発明,引用文献3に記載された技術事項及び周知技術はともに遊技機における演出に関するものであるから,その組み合わせに困難性はなく,そうすると,引用発明において,上記引用文献3に記載された技術事項及び上記周知技術を適用,すなわち,引用発明において,所定の入賞役への入賞を許可することが決定された場合,該入賞を許可することが決定された所定の入賞役に対応する表示演出について,液晶演出の実行を開始操作手段及び停止操作手段の操作と対応させ,その対応を定義した演出パターンに係る演出番号を決定することとし,相違点2に係る本願発明の構成とすることは当業者であれば想到容易である。また,引用発明の液晶演出を演出番号に係る演出パターンに従って開始操作手段及び複数の停止操作手段が操作されることに伴って実行させることとし,相違点4に係る本願発明の構成とすることは当業者であれば想到容易である。

(3)小括り
以上により,本願発明は,引用発明,引用文献2,3に記載された技術事項,上記周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。
そして,本願発明の効果は,引用発明,引用文献2,3に記載された技術事項,上記周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

6.むすび
以上のとおり,本願発明は,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-12-28 
結審通知日 2011-01-11 
審決日 2011-01-25 
出願番号 特願2002-229443(P2002-229443)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 薄井 義明山崎 仁之  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 川島 陵司
澤田 真治
発明の名称 回胴式遊技機  
代理人 森 哲也  
代理人 田中 秀▲てつ▼  
代理人 内藤 嘉昭  
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