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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B23K
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 B23K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B23K
管理番号 1234742
審判番号 不服2009-12610  
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-10 
確定日 2011-03-31 
事件の表示 特願2003-122215号「レーザー加工装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年11月18日出願公開、特開2004-322168号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成15年4月25日の出願であって、平成21年4月8日付けで拒絶査定(同時に平成21年1月30日付けの手続補正は却下されている。)がなされ、これに対し、平成21年7月10日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成21年7月10日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成21年7月10日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年7月10日付けの手続補正を却下する。

[本件補正による「本願補正発明」]
特許請求の範囲の請求項1は、
「被加工物を収容するカセットが載置されるカセット載置部、仮置き部、被加工物を保持するチャックテーブル、該チャックテーブル上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段、保護被膜形成兼洗浄手段、該カセットから該仮置き部に被加工物を搬出し且つ該仮置き部から該カセット内に被加工物を搬入するための被加工物搬出・搬入手段、該仮置き部から該保護被膜形成兼洗浄手段に被加工物を搬送し、該保護被膜形成兼洗浄手段によって保護被膜が被覆された被加工物を該チャックテーブル上に搬送すると共に、該保護被膜形成兼洗浄手段によって洗浄され乾燥された被加工物を該仮置き部に搬送するための被加工物搬送手段、及び該レーザー光線照射手段によってレーザー光線が照射された、該チャックテーブル上の被加工物を該保護被膜形成兼洗浄手段に搬送するための洗浄搬送手段を具備し、
該保護被膜形成兼洗浄手段は、スピンナーテーブルを有するスピンナーテーブル機構と共に、該スピンナーテーブル上の被加工物に樹脂液を供給する樹脂液供給手段、該スピンナーテーブル上の被加工物に洗浄水を供給するための洗浄水供給手段、及び該スピンナーテーブル上の被加工物にエアーを噴出するためのエアー供給手段を含み、該樹脂液供給手段は該スピンナーテーブル上の被加工物に樹脂液を供給するための作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付けられる樹脂液供給ノズルを有し、該洗浄水供給手段は該スピンナーテーブル上の被加工物に洗浄水を供給するための作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付けられる洗浄水供給ノズルを有し、該エアー供給手段は該スピンナーテーブル上の被加工物にエアーを噴出するための作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付けられるエアーノズルを有する、
ことを特徴とするレーザー加工装置。」
と補正された。

[補正却下の理由1]
本件補正は、
ア 補正前(平成20年7月25日付け手続補正書の特許請求の範囲)の請求項1(後記3.(1)本願発明参照 )に記載された「水溶性液状樹脂」を「樹脂液」とし、「保護被膜を荒い流す洗浄水供給手段」を「洗浄水供給手段」とした点と、
イ 同補正前(平成20年7月25日付け手続補正書の特許請求の範囲)の請求項1(後記3.(1)本願発明参照 )に記載されていない「カセット載置部」,「仮置き部」,「被加工物搬出・搬入手段」及び「エアー供給手段」に関する限定を付加した点からなる。

しかしながら、上記ア及びイの補正は、特許法第17条の2第4項各号のどの目的にも該当しない補正である。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前の特許法」いう)第17条の2第4項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

[補正却下の理由2]
(1)本願補正発明について

ここで、上記本件補正が、仮に、補正前(平成20年7月25日付け手続補正書の特許請求の範囲)の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項に限定を付加するものであって、平成18年改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものとして、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)原査定の拒絶の理由に引用した文献等の記載
a.本願の出願前に頒布された刊行物1である特開昭53-047270号公報(以下「引用例1」という)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「本発明は半導体ウエーハ保護膜に関し、特に多数の半導体素子を形成した半導体ウエーハからレーザースクライバーによつて多数個の半導体ペレツトを製造する際に、レーザー光線によつて溶融したシリコンダストが半導体ウエーハの電極上に付着するのを防止する保護膜に関する。」〈第1頁左下欄12行?同欄17行〉

(イ)「実施例1
平均分子量が約l000のポリエチレングリコ-ルを、50%エタノール水溶液に1:3の割合で溶解した25%溶液(粘度約30センチポイズ)に、平均分子量が100万?170万のポリエチレンオキサイドを0.5%添加して、粘度100センチポイズの塗布液を得た。
この塗布液を、スピンナー上に載置したプレナ-型シリコントランジスタウエーハ1の上に数滴滴下し、厚さ約2μの保護膜5を形成して、YAGレーザービ-ム4を照射してレーザースクライブを行なったのち、常温の純水で10分間超音波水洗したところ、保護膜5は完全に除去され、かつ電極2a上にシリコンダスト1´の残存は認められなかった。」〈第3頁右上欄13行?同左下欄7行〉

b.本願の出願前に頒布された刊行物2である特開2000-21820号公報(以下「引用例2」という)には、図面とともに次の(ウ)の事項が記載されている。

(ウ)【図1】と【0011】,【0012】,【0013】からみて、
「被加工物を収容するカセットが載置されるカセット載置部、仮置き部、被加工物を保持するチャックテーブル、該チャックテーブル上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段、洗浄手段、カセットから該仮置き部に被加工物を搬出し且つ該仮置き部から該カセット内に被加工物を搬入するための被加工物搬出・搬入手段、該仮置き部から・・・被加工物をチャックテーブル上に搬送すると共に、該洗浄手段によって洗浄された被加工物を該仮置き部に搬送するための被加工物搬送手段、及び該レーザー光線照射手段によってレーザー光線が照射された、該チャックテーブル上の被加工物を該洗浄手段に搬送するための洗浄搬送手段を具備する」こと(以下「引用例2の記載事項」という)が示されていると認められる。

c.本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-316866号公報(以下「周知例1」という)には、図面とともに次の(エ)の事項が記載されている。
(エ)【図1】と【0042】ないし【0045】からみて、「洗浄手段」と他の処理手段(処理剤付着)とを兼用する例が示されているといえる。

d.本願の出願前に頒布された刊行物である特開2000-33346号公報(以下「周知例2」という)には、図面とともに次の(オ)の事項が記載されている。
(オ)【図3】と【請求項4】,【0020】,【0021】には、被加工物を「乾燥」するために、「スピンナーテーブル上の被加工物にエアーを噴出するためのエアー供給手段」と、ノズルを、作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付ける例が示されている。

e.本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-57357号公報(以下「周知例3」という)には、図面とともに次の(カ)の事項が記載されている。
(カ)【図1】,【図2】と【0019】後段には、被加工物を「乾燥」するために、「スピンナーテーブル上の被加工物にエアーを噴出するためのエアー供給手段」と、ノズルを、作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付ける例が示されている。

f.本願の出願前に頒布された刊行物である特開平10-43660号公報(以下「周知例4」という)には、図面とともに次の(キ)の事項が記載されている。
(キ)【図1】とその【符号の説明】の「P 待機位置」からみて、ノズル4を、作業位置とスピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付ける例が示されているといえる。

《引用発明》
上記引用例1の記載事項(ア)(イ)及び図に示された内容を総合すると、引用例1には、以下の発明が記載されていると認められる。

「プレナ-型シリコントランジスタウエーハ1にレーザービ-ム4を照射するYAGレーザーを具備し、厚さ約2μの保護膜5を形成し、純水で10分間超音波水洗して保護膜5を完全に除去するものであり、
該厚さ約2μの保護膜5を形成は、スピンナー上に載置すると共に、該プレナ-型シリコントランジスタウエーハ1の上に、ポリエチレングリコ-ルとポリエチレンオキサイドからなる塗布液を、数滴滴下する、
ことを特徴とするレーザースクライバー。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
引用発明の「レーザースクライバー」は本願補正発明の「レーザー加工装置」に相当し、以下同様に、「プレナ-型シリコントランジスタウエーハ1」は「被加工物」に、「レーザービ-ム4」は「レーザー光線」に、「YAGレーザー」は「レーザー光線照射手段」に、「純水で10分間超音波水洗して保護膜5を完全に除去するもの」は「保護被膜を荒い流す洗浄手段」に、「スピンナー上に載置」することは「スピンナーテーブルを有するスピンナーテーブル機構」に、「ポリエチレングリコ-ルとポリエチレンオキサイドからなる塗布液」は「水溶性樹脂液」に、「滴下する」は「供給する」にそれぞれ相当する。
また、「厚さ約2μの保護膜5を形成」することは「保護被膜形成手段」に、「プレナ-型シリコントランジスタウエーハ1の上に、ポリエチレングリコ-ルとポリエチレンオキサイドからなる塗布液を、数滴滴下する」ことは「スピンナーテーブル上の被加工物に水溶性樹脂液を供給する樹脂液供給手段」にそれぞれ相当していることになる。

上記の事項を考慮すると、両者は次の点で一致する。
「被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段、保護被膜形成手段及び洗浄手段を具備し、該保護被膜形成手段は、スピンナーテーブルを有するスピンナーテーブル機構と共に、該スピンナーテーブル上の被加工物に樹脂液を供給する樹脂液供給手段を有する、
ことを特徴とするレーザー加工装置。」

そして、引用発明には具体的な装置の開示はないので、以下の点で相違している。
〔相違点a〕
本願補正発明には「被加工物を収容するカセットが載置されるカセット載置部、仮置き部」、被加工物にレーザー光線を照射する為の「被加工物を保持するチャックテーブル」、「該カセットから該仮置き部に被加工物を搬出し且つ該仮置き部から該カセット内に被加工物を搬入するための被加工物搬出・搬入手段」、「該仮置き部から該保護被膜形成兼洗浄手段に被加工物を搬送し、該保護被膜形成兼洗浄手段によって保護被膜が被覆された被加工物を該チャックテーブル上に搬送すると共に、該保護被膜形成兼洗浄手段によって洗浄された被加工物を該仮置き部に搬送するための被加工物搬送手段」、「該レーザー光線照射手段によってレーザー光線が照射された、該チャックテーブル上の被加工物を該保護被膜形成兼洗浄手段に搬送するための洗浄搬送手段」及び「スピンナーテーブル上の被加工物に洗浄水を供給するための洗浄水供給手段」を有しているのに対して、引用発明にはそのような構成が明らかでない点。

〔相違点b〕
本願補正発明において、被加工物を「乾燥」するための「該スピンナーテーブル上の被加工物にエアーを噴出するためのエアー供給手段」を有しているのに対して、引用発明にはそのような構成が明らかでない点。

〔相違点c〕
本願補正発明には「樹脂液供給手段は該スピンナーテーブル上の被加工物に樹脂液を供給するための作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付けられる樹脂液供給ノズルを有し、該洗浄水供給手段は該スピンナーテーブル上の被加工物に洗浄水を供給するための作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付けられる洗浄水供給ノズルを有し、該エアー供給手段は該スピンナーテーブル上の被加工物にエアーを噴出するための作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付けられるエアーノズル」を有しているのに対して、引用発明にはそのような構成が明らかでない点。

(4)当審の判断
〔相違点a〕について、
上記引用例2には「被加工物を収容するカセットが載置されるカセット載置部、仮置き部、被加工物を保持するチャックテーブル、該チャックテーブル上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段、洗浄手段、カセットから該仮置き部に被加工物を搬出し且つ該仮置き部から該カセット内に被加工物を搬入するための被加工物搬出・搬入手段、該仮置き部から乾燥された被加工物をチャックテーブル上に搬送すると共に、該洗浄手段によって洗浄された被加工物を該仮置き部に搬送するための被加工物搬送手段、及び該レーザー光線照射手段によってレーザー光線が照射された、該チャックテーブル上の被加工物を該洗浄手段に搬送するための洗浄搬送手段を具備する」こと(引用例2の記載事項参照)が示されている。
ここで、「洗浄手段」と他の処理手段とを兼用させることは当該分野では常套手段(上記周知例1に記載された事項を参照)であり、また、処理手段に対応させた「搬送手段」の径路変更、すなわち、被加工物搬送手段を直接チャックテーブルへ搬送することを、「被加工物搬送手段は、保護被膜形成手段を経由してチャックテーブルへ搬送する」こととすることは設計上の事項といえる。
そうすると、引用発明のレーザー加工装置の具体的な装置として上記引用例2に示されている構成を適用し、その際、上記常套手段と設計上の事項を施すことにより、本願補正発明のごとく上記相違点aの構成とすることに何ら困難性を有するものとは認められない。

〔相違点b〕について、
被加工物を「乾燥」するために、「該スピンナーテーブル上の被加工物にエアーを噴出するためのエアー供給手段」を設けることは、半導体製造装置での常套手段であって、周知例2及び周知例3に示されているように周知な技術である。
そうすると、引用発明のレーザー加工装置の被加工物を乾燥する手段として上記周知な技術を施すことにより上記相違点bの構成とすることに何ら困難性を有するものとは認められない。

〔相違点c〕に関して、
ノズルを「作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付け」することは、周知例2ないし4に示されているように半導体製造装置での常套手段である。
そうすると、引用発明のレーザー加工装置のノズルに上記の常套手段を施して、本願補正発明の上記相違点cの構成のごとく「樹脂液供給手段は該スピンナーテーブル上の被加工物に樹脂液を供給するための作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付けられる樹脂液供給ノズルを有し、該洗浄水供給手段は該スピンナーテーブル上の被加工物に洗浄水を供給するための作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付けられる洗浄水供給ノズルを有し、該エアー供給手段は該スピンナーテーブル上の被加工物にエアーを噴出するための作業位置と該スピンナーテーブルから離隔した待機位置とに選択的に位置付けられるエアーノズル」とすることに何ら困難性を有するものとは認められない。
してみると、本願補正発明は,引用発明に引用例2の記載事項並びに当該分野での周知な技術と常套手段とを加えたものであり、当業者が容易に想到し得たものであるといえる。
そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明並びに引用例2の記載事項、当該分野の周知な技術と常套手段から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、本願補正発明は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明
平成21年7月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成20年7月25日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、次のとおりである。

「被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、を具備するレーザー加工装置において、
更に、被加工物を保持し回転する該スピンナーテーブル、該スピンナーテーブルに保持された被加工物の加工面に保護被膜を被覆するための水溶性液状樹脂を供給する樹脂液供給手段、及び該スピンナーテーブルに保持された被加工物の加工面に洗浄水を供給して非加工物の加工面上の保護被膜を荒い流す洗浄水供給手段とを含む保護膜形成兼洗浄手段を具備する、ことを特徴とするレーザー加工装置。」

(2)刊行物等
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物等、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(3)判断
本願発明は、前記2.で検討したごとく、
ア 平成20年7月25日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1の記載では、「樹脂液」が「水溶性液状樹脂」に、「洗浄水供給手段」が「保護被膜を荒い流す洗浄水供給手段」に戻したものになる。
イ 上記本願発明は、本願補正発明で付加された「カセット載置部」,「仮置き部」,「被加工物搬出・搬入手段」及び「エアー供給手段」に関する限定を除いたものである。
「水溶性液状樹脂」と「保護被膜を荒い流す洗浄水供給手段」と構成に関しては、前記2.[理由2]において述べたとおり、《引用発明》も「水溶性液状樹脂」を用い「保護被膜を荒い流す洗浄水供給手段」を有するものである。
また、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用発明並びに引用例2の記載事項、当該分野の周知な技術と常套手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-01-31 
結審通知日 2011-02-01 
審決日 2011-02-16 
出願番号 特願2003-122215(P2003-122215)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B23K)
P 1 8・ 57- Z (B23K)
P 1 8・ 575- Z (B23K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松本 公一  
特許庁審判長 川向 和実
特許庁審判官 田口 傑
小関 峰夫
発明の名称 レーザー加工装置  
代理人 小野 尚純  
代理人 奥貫 佐知子  

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