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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A61B
管理番号 1235132
審判番号 訂正2011-390011  
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2011-01-27 
確定日 2011-03-08 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4575124号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4575124号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第4575124号は,平成16年11月29日の特許出願で,平成22年8月27日付けで設定登録がなされ,平成23年1月27日付けで訂正審判請求がなされ,さらに同年2月18日付けで請求理由を補正対象の項目とする手続補正書が提出されたものである。

第2 訂正の内容
本件訂正審判の請求により請求人が求めている訂正の内容は,平成23年2月18日付け手続補正書の記載からみて,特許請求の範囲の請求項1における「該所望部位以外の画像の表示フレームレートと異なるものにフレームレート制御手段」を「該所望部位以外の画像の表示フレームレートと異なるものにするフレームレート制御手段」と訂正するものである。

第3 当審の判断
訂正前の請求項1の記載は,「該所望部位以外の画像の表示フレームレートと異なるものにフレームレート制御手段」であるが,これは特許公報段落【0008】にも記載されているとおり「該所望部位以外の画像の表示フレームレートと異なるものにするフレームレート制御手段」とすべきものであるから,本件訂正事項は,訂正前の不明りょうさを正して,その記載本来の意味内容を明らかにするものであって,明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
また,本件訂正事項は上述のとおり,訂正前の不明りょうさを正して,その記載本来の意味内容を明らかにするものであって,願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内にあり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

第4 むすび
以上のとおり,本件訂正審判により請求人が求めている訂正事項は,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし,かつ同第3項および第4項の規定に適合するので,この訂正を認める。

よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
画像表示装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、所望の被写体が時系列に沿って撮像された一連の画像を表示する画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡の分野においては、撮像機能と無線通信機能とが設けられた飲込み型の内視鏡であるカプセル型内視鏡が登場し、このカプセル型内視鏡によって撮像された被検体内の画像データを取得するカプセル型内視鏡システムが開発されている。このカプセル型内視鏡システムにおいて、カプセル型内視鏡は、観察(検査)のために被検体の口から飲込まれた後、この被検体から自然排出されるまでの間、この被検体内たとえば胃または小腸等の臓器の内部をその蠕動運動に従って移動するとともに、所定間隔たとえば0.5秒間隔でこの被検体内を撮像するように機能する。
【0003】
カプセル型内視鏡が被検体内を移動する間、このカプセル型内視鏡によって撮像された画像データは、順次無線通信によって外部に送信され、外部に設けられた受信アンテナを介して受信装置に受信される。この受信装置は、受信アンテナを介して順次受信した無線信号に基づいて画像データを再構築し、これによって、カプセル型内視鏡による被検体内の画像データを取得できる。この受信装置は、取得した画像データをメモリに順次格納する。被検体は、この無線通信機能とメモリ機能とを有する受信装置を携帯することによって、カプセル型内視鏡を飲込んでから自然排出するまでの間に亘り、自由に行動できる。その後、医者または看護士等の検査者は、受信装置のメモリに格納された画像データを画像表示装置に取り込ませ、得られた画像データに基づく被検体内の画像たとえば臓器画像を画像表示装置のディスプレイに表示させる。検査者は、ディスプレイに表示された臓器画像等を観察し、被検体の診断を行うことができる。
【0004】
このような画像表示装置は、一般に、カプセル型内視鏡によって撮像された一連の画像を時系列に沿って順次表示するための処理機能を有している。たとえば、検査者は、被検体内の観察すべき部位の画像が表示された場合、この画像を注意深く観察するために、この画像を低速再生する操作を行う。また、検査者は、観察すべき部位以外の画像が表示された場合、被検体内の一連の画像を観察する時間を短縮するために、画像を高速再生する操作を行う。このような技術に関し、順次表示する各フレーム間での画像の類似度を測定し、得られた類似度が高い場合、表示フレームレートを高速化して類似度が高い各画像を高速に表示し、または類似度が高い画像をカットし、得られた類似度が低い場合、表示フレームレートを低速化して類似度が低い各画像を低速に表示する画像表示装置がある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6709387号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された画像表示装置では、カプセル型内視鏡によって撮像された画像として表示される被検体内の部位によらず、フレーム間で類似度が高い各画像を高速に表示するまたはカットする。したがって、この従来の画像表示装置では、被検体内の一連の画像を観察する時間を短縮する場合、出血部位または検査対象の臓器等の検査者にとって関心のある部位(関心部位)の画像を高速再生し、または関心部位の画像をカットする虞があり、観察すべき関心部位の観察を困難にする事態を招来するという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、所望の関心部位の観察を妨げることなく、被検体内の一連の画像を観察する時間を短縮できる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像表示装置は、時系列に沿って撮像された被検体内の一連の画像を表示する画像表示装置において、前記被検体内の所望部位の特徴を有する画像を抽出し、前記一連の画像のうちの該抽出した画像を前記所望部位の画像として特定する画像特定手段と、前記特定した所望部位の画像の表示フレームレートを該所望部位以外の画像の表示フレームレートと異なるものにするフレームレート制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる画像表示装置は、上記発明において、前記フレームレート制御手段は、前記特定した所望部位の画像の表示フレームレートを該所望部位以外の画像の表示フレームレートに比して低速にすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる画像表示装置は、上記発明において、前記一連の画像の表示フレームレートを指示入力する入力手段を備え、前記フレームレート制御手段は、前記指示入力された表示フレームレートを前記一連の画像の表示フレームレートとして設定し、該設定した表示フレームレートのうち、前記所望部位の画像の表示フレームレートを該設定した表示フレームレートに比して低速に変更し、前記所望部位以外の画像の表示フレームレートを前記設定した表示フレームレートに比して高速に変更することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる画像表示装置は、上記発明において、前記フレームレート制御手段は、前記一連の画像のうちの前記特定した所望部位以外の画像を除外することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる画像表示装置は、上記発明において、前記被検体内の所望部位を選択する部位選択手段を備え、前記画像特定手段は、前記選択した所望部位の特徴を有する画像を抽出し、前記一連の画像のうちの該抽出した画像を前記所望部位の画像として特定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる画像表示装置は、上記発明において、前記画像特定手段は、医学的な異常部位の特徴を有する画像をさらに抽出し、前記特定した所望部位の画像のうちの該抽出した画像を前記異常部位の画像として特定し、前記フレームレート制御手段は、前記一連の画像のうちの前記所望部位以外の画像を削除するとともに、前記特定した異常部位の画像の表示フレームレートを前記所望部位のうちの該異常部位以外の画像の表示フレームレートに比して低速にすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる画像表示装置は、上記発明において、前記特定した所望部位は、前記被検体内の食道、胃、小腸、大腸、または出血部位であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、高速または標準の表示フレームレートで一連の画像を順次表示する操作を行った場合であっても、この一連の画像のうち、所望の関心部位の画像を自動的に低速で表示することができ、所望の関心部位の画像の観察を妨げることなく、被検体の一連の画像を観察する時間を短縮可能な画像表示装置を実現できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、この発明にかかる画像表示装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1である画像表示装置を用いたカプセル型内視鏡システムの一構成例を模式的に例示する模式図である。図1に示すように、このカプセル型内視鏡システムは、被検体1内の通過経路に沿って移動するとともに被検体1内の画像を撮像するカプセル型内視鏡2と、カプセル型内視鏡2から送信された画像データを受信する受信装置3と、カプセル型内視鏡2によって撮像された被検体1内の画像を表示する画像表示装置4と、受信装置3と画像表示装置4との間の情報の受け渡しを行うための携帯型記録媒体5とを備える。
【0018】
カプセル型内視鏡2は、被検体1内を撮像する撮像機能と被検体1内を撮像して得られた画像データを受信装置3に送信する無線通信機能とを有する。カプセル型内視鏡2は、被検体1に飲込まれることによって被検体1内の食道を通過し、消化管腔の蠕動によって体腔内を進行する。これと同時に、カプセル型内視鏡2は、所定間隔たとえば0.5秒間隔で被検体1の体腔内の画像を逐次撮像し、得られた被検体1内の画像データを受信装置3に逐次送信する。
【0019】
受信装置3は、受信アンテナ3a?3hが接続され、受信アンテナ3a?3hを用い、カプセル型内視鏡2と無線通信を行う。具体的には、受信装置3は、受信アンテナ3a?3hのいずれかを介してカプセル型内視鏡からの無線信号を受信し、受信した無線信号をもとに被検体1内の画像データを取得する。また、受信装置3は、携帯型記録媒体5が着脱可能に装着され、カプセル型内視鏡2から逐次取得した被検体1内の画像データを携帯型記録媒体5に逐次格納する。
【0020】
受信アンテナ3a?3hは、たとえばループアンテナを用いて実現され、カプセル型内視鏡2から送信された無線信号を受信する。受信アンテナ3a?3hは、図1に示すように、被検体1の体表上の所定位置たとえばカプセル型内視鏡2の通過経路に対応する位置に配置される。なお、受信アンテナ3a?3hは、被検体1に着用させるジャケットの所定位置に配置されてもよい。この場合、受信アンテナ3a?3hは、被検体1がこのジャケットを着用することによって、被検体1のカプセル型内視鏡2の通過経路に対応する体表上の所定位置に配置される。また、被検体1には、複数の受信アンテナが配置されればよい。この場合、受信アンテナの配置数は、特に8つに限定されない。
【0021】
携帯型記録媒体5は、コンパクトフラッシュ(登録商標)またはスマートメディア等の携帯可能な記録メディアである。携帯型記録媒体5は、受信装置3および画像表示装置4に対して着脱可能であって、両者に対する装着時に情報の出力および記録が可能な構造を有する。具体的には、携帯型記録媒体5は、受信装置3に装着された場合、受信装置3がカプセル型内視鏡2から取得した画像データ等を逐次記憶できる。また、携帯型記録媒体5は、カプセル型内視鏡2が被検体1から排出された後、受信装置3から取り出されて画像表示装置4に装着され、記憶した画像データ等が画像表示装置4に取り込まれる。
【0022】
画像表示装置4は、カプセル型内視鏡2によって撮像された画像等を表示するためのものであり、携帯型記録媒体5を媒介にして得られる画像データ等に基づく画像たとえば被検体1内の臓器等の画像を表示するワークステーション等のような構成を有する。また、画像表示装置4は、医者または看護士等の検査者がカプセル型内視鏡2による被検体内の画像に基づいて診断を行うための処理機能を有する。検査者は、被検体1内の画像を画像表示装置4に順次表示させ、表示された画像をもとに被検体1の関心部位を観察(検査)することによって、被検体1を診断できる。
【0023】
図2は、画像表示装置4の一構成例を模式的に示すブロック図である。図2に示すように、画像表示装置4は、カプセル型内視鏡2によって撮像された画像を表示して観察するための各種情報を入力する入力部11と、被検体1内の画像等の被検体1内を観察(検査)して診断するための各種情報を画面表示する表示部12と、携帯型記録媒体5に格納された画像データ等を取り込むリーダライタ13とを有する。また、画像表示装置4は、携帯型記録媒体5から取り込んだ画像データ等の被検体1の観察および診断に必要な各種データを格納する記憶部14と、画像表示装置4の各構成部の駆動制御と各構成部に入出力される各種情報の入出力制御および情報処理とを行う制御部15とを有する。
【0024】
入力部11は、キーボードまたはマウス等のポインティングデバイスを用いてまたはこれらの組合せによって実現され、検査者による入力操作に応じ、画像表示装置4が行う処理の指示情報および被検体1に関する各種情報を制御部15に入力する。たとえば、入力部11は、携帯型記録媒体5から取り込んだ画像データを記憶部14に格納する処理を指示する指示情報、被検体内1の画像を表示部12に表示する処理を指示する指示情報、および被検体1の名前、性別、生年月日、または患者ID等の患者情報を制御部15に入力する。
【0025】
表示部12は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイを用いて実現され、制御部15によって表示指示された各種情報を表示する。たとえば、表示部12は、被検体1を検査し診断するための各種情報として、カプセル型内視鏡2が所定間隔たとえば0.5秒間隔で時系列に沿って撮像した被検体1内の一連の画像および患者情報等を表示する。
【0026】
リーダライタ13は、上述した携帯型記録媒体5を着脱可能に装着し、装着した携帯型記録媒体5との間で各種データの受け渡しを行う。具体的には、リーダライタ13は、装着した携帯型記録媒体5に格納された情報たとえばカプセル型内視鏡2による画像データ等を取り込むとともに、得られた画像データ等を制御部15に転送する。また、リーダライタ13は、装着した携帯型記録媒体5に対し、制御部15からの入力情報を記録する機能とフォーマット処理を行う機能とを有する。
【0027】
記憶部14は、RAMまたはEEPROM等の各種ICメモリあるいはハードディスク等を用いて実現される。また、記憶部14は、CD(Compact Disk)またはDVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクあるいは光磁気ディスクを着脱可能に装着する構造を有するようにし、装着したCDまたはDVDに対して画像データ等の読み取りまたは書き込みが可能なドライブを用いて実現してもよい。記憶部14は、制御部15によって格納指示された画像データ等の各種情報を自身にまたは装着した各種ディスクに格納する。また、記憶部14は、制御部15によって読み出し指示された自身に記憶済みの情報または装着した各種ディスクに格納された情報を読み出すとともに制御部15に転送する。
【0028】
制御部15は、各種処理プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する各種処理プログラム等が予め記録されたROMと、各処理の演算パラメータ等の各種情報を一時的に記憶するRAMとを用いて実現される。制御部15は、入力部11、表示部12、リーダライタ13、および記憶部14の各駆動制御、これらの各構成部に対する情報の入出力制御、およびこれらの各構成部との間で各種情報を入出力するための情報処理を行うように機能する。
【0029】
また、制御部15は、画像抽出部15aとフレームレート制御部15bとを有する。画像抽出部15aは、被検体1の一連の画像データの中から被検体1内の関心部位の特徴を有する画像データを抽出し、検査者が観察するために低速の表示フレームレートで表示部12に画像表示する関心部位の画像データとして、この抽出した画像データを特定する。すなわち、画像抽出部15aは、カプセル型内視鏡2によって撮像された一連の画像データのうちの関心部位の画像データを特定する画像特定手段として機能する。なお、この関心部位は、検査者が被検体1を観察(検査)する場合に関心のある部位であり、たとえば被検体1内の出血部位である。画像抽出部15aは、画像データを構成する各画素の特徴量を算出し、得られた特徴量を用いて赤色要素の有無および分布を検出し、この赤色要素の検出結果をもとに、画像データの撮像部位が出血部位であるか否かを判断する。画像抽出部15aは、出血部位と判断した画像データすなわち出血部位の特徴である赤色要素または色分布を有する画像データを関心部位の画像データとして抽出する。一方、フレームレート制御部15bは、表示部12に表示される画像の表示フレームレートを制御する。制御部15は、表示部12に対し、フレームレート制御部15bによって設定された表示フレームレートで画像を順次表示する制御を行う。
【0030】
つぎに、画像抽出部15aが、表示部12に低速の表示フレームレートで画像表示する画像データとして、一連の画像データから関心部位の画像データを抽出するための処理について説明する。図3は、携帯型記録媒体5から取り込んだ一連の画像データから関心部位の画像データを抽出するための処理手順を説明するフローチャートである。図3において、制御部15は、入力部11から入力された指示情報に基づき、リーダライタ13内の携帯型記録媒体5に格納された一連の画像データをフレーム毎に読み取る(ステップS101)。
【0031】
ステップS101において制御部15が1フレームの画像データを読み取った場合、画像抽出部15aは、この1フレームの画像データを構成する1つの画素の輝度を検出し、検出した輝度をもとに、この1つの画素が所定の輝度を有する画素であるか否かを判断する(ステップS102)。画像抽出部15aは、この1つの画素を所定の輝度を有する画素と判断した場合(ステップS102,Yes)、この所定の輝度を有する1つの画素の特徴量を算出する(ステップS103)。これによって、画像抽出部15aは、この所定の輝度を有する1つの画素の色情報を得る。その後、制御部15は、ステップS101において読み取られた1フレームの画像データを構成する全画素に対し、ステップS102またはステップS103の処理を完了したか否かを判断する(ステップS104)。一方、画像抽出部15aは、この1つの画素を所定の輝度を有する画素ではないと判断した場合すなわちこの1つの画素を所定の輝度に満たない画素と判断した場合(ステップS102,No)、この所定の輝度を有していない1つの画素についてはその特徴量を算出する処理を行わず、制御部15は、ステップS104以降の処理を行う。
【0032】
その後、制御部15は、ステップS104において、1フレームの画像データに含まれる全画素に対して上述した処理を完了していないと判断した場合(ステップS104,No)、画像抽出部15aは、上述したステップS102以降の処理を繰り返す。すなわち、画像抽出部15aは、ステップS101において読み取られた1フレームの画像データに対し、ステップS102?S104の処理を繰り返すことによって、この1フレームの画像データに含まれる全画素のうち、所定の輝度を有する全画素の特徴量を取得できる。
【0033】
画像抽出部15aがこれら所定の輝度を有する全画素の特徴量を取得した場合、制御部15は、1フレームの画像データに含まれる全画素に対して上述した処理を完了したと判断する(ステップS104,Yes)。この場合、画像抽出部15aは、取得した全画素の特徴量をもとに、この1フレームの画像データが関心部位すなわち出血部位の画像データであるか否かを判断する(ステップS105)。このステップS105において、画像抽出部15aは、上述したように、取得した全画素の特徴量を用いて画像データの赤色要素の有無および分布を検出し、この検出結果をもとに、出血部位の画像データであるか否かを判断できる。具体的には、画像抽出部15aは、1フレームの画像データを構成する全画素のうち、赤色要素を有する画素が所定のしきい値以上含まれる場合、この1フレームの画像データを出血部位の画像データと判断する。
【0034】
画像抽出部15aは、ステップS105において、1フレームの画像データを関心部位の画像データと判断した場合(ステップS105,Yes)、この1フレームの画像データを関心部位すなわち出血部位の画像データとして抽出でき、この抽出した画像データに低速再生マークを付与する(ステップS106)。制御部15は、この低速再生マークが付与された画像データを記憶部14に格納する。なお、この低速再生マークは、低速の表示フレームレートで画像表示される画像データに付与するフラグである。その後、制御部15は、携帯型記録媒体5に格納された一連の画像データの全画像データに対し、ステップS101?S106の処理を完了したか否かを判断する(ステップS107)。一方、画像抽出部15aは、ステップS105において、1フレームの画像データを関心部位の画像データではない判断した場合(ステップS105,No)、この関心部位(出血部位)ではない画像データに対しては低速再生マークを付与しない。この場合、制御部15は、この低速再生マークが付与されていない画像データを記憶部14に格納し、ステップS107以降の処理を行う。
【0035】
その後、制御部15は、ステップS107において、携帯型記録媒体5に格納された一連の画像データの全画像データに対してステップS101?S106の処理を完了していないと判断した場合(ステップS107,No)、上述したステップS101以降の処理を繰り返す。すなわち、制御部15がステップS101?S107の処理を繰り返すことによって、画像抽出部15aは、携帯型記録媒体5に格納された一連の画像データの全てに対し、出血部位の画像データであるか否かを判断でき、この一連の画像データのうち、出血部位の全画像データに低速再生マークを付与できる。
【0036】
一方、制御部15は、ステップS107において、この一連の画像データの全画像データに対してステップS101?S106の処理を完了したと判断した場合(ステップS107,Yes)、この一連の画像データを読み取る処理を完了する。この場合、記憶部14は、出血部位の全画像データに低速再生マークがそれぞれ付与された一連の画像データを格納している。
【0037】
つぎに、表示部12の表示画面を具体的に例示し、制御部15が被検体1の画像を表示部12に表示させる動作について詳細に説明する。図4は、表示部12の表示画面を具体的に例示する模式図である。検査者が入力部11を用いてログイン操作等を行った場合、制御部15は、図4に示すように、検査者が被検体の観察および診断等を行うための各種情報を表示するウィンドウW1を表示部12に表示させる。
【0038】
図4に示すように、ウィンドウW1には、カプセル型内視鏡2によって撮像された被検体1の画像を表示する主画像表示領域A1と、主画像表示領域A1に表示された画像から選択された所望の画像に対応するサムネイル画像を表示する副画像表示領域A2とが形成される。また、ウィンドウW1には、主画像表示領域A1の近傍に、主画像表示領域に表示する画像の各種再生操作を行うための再生操作アイコン群100と、カプセル型内視鏡2によって撮像された一連の画像の撮像開始からの経過時間を示す時間スケールTSと、この時間スケールTSによって示される経過時間のうち、主画像表示領域A1に表示された画像の撮像開始からの経過時間を指し示すスライダSとが表示される。さらに、副画像表示領域A2の近傍には、副画像表示領域A2に表示されたサムネイル画像のスクロール操作を行うためのスクロールバーBが表示される。その他、ウィンドウW1には、被検体1の患者ID、性別、名前、および生年月日等の患者情報と、ウィンドウW1を閉じる操作を行うための「閉じる」アイコン110とが表示される。
【0039】
検査者は、主画像表示領域A1に被検体1の画像を表示させるために、入力部11を用い、再生操作アイコン群100のいずれかにカーソルKを合わせてクリックする操作を行う。入力部11は、再生操作アイコン群100のうち、このクリック操作によって選択されたアイコンに対応する画像表示指示情報を制御部15に入力する。制御部15が入力部11からの画像表示指示情報を検知した場合、フレームレート制御部15bは、主画像表示領域A1に表示する画像の表示フレームレートをこの画像表示指示情報に対応する表示フレームレートに決定する。制御部15は、フレームレート制御部15bが決定した表示フレームレートで主画像表示領域A1に被検体1の一連の画像を順次表示する。
【0040】
たとえば、検査者が再生操作アイコン群100の「再」アイコン101を選択するクリック操作を行った場合、入力部11は、「再」アイコン101に対応する画像表示指示情報(順再生指示情報)を制御部15に入力する。この場合、フレームレート制御部15bは、この順再生指示情報をもとに、一連の画像の表示フレームレートを時系列の順方向に沿った標準の表示フレームレートに決定する。これと同様に、検査者が再生操作アイコン群100の「コマ」アイコン102を選択するフリッター操作を行った場合、「コマ」アイコン102に対応する画像表示指示情報(順コマ再生指示情報)が制御部15に入力され、フレームレート制御部15bは、この順コマ再生指示情報をもとに、一連の画像の表示フレームレートを時系列の順方向に沿った低速の表示フレームレートに決定する。また、検査者が再生操作アイコン群100の「高再」アイコン103を選択するクリック操作を行った場合、「高再」アイコン103に対応する画像表示指示情報(順高再指示情報)が制御部15に入力され、フレームレート制御部15bは、この順高再指示情報をもとに、一連の画像の表示フレームレートを時系列の順方向に沿った高速の表示フレームレートに決定する。
【0041】
また、検査者が再生操作アイコン群100の「逆再」アイコン104を選択するクリック操作を行った場合、「逆再」アイコン104に対応する画像表示指示情報(逆再生指示情報)が制御部15に入力される。この場合、フレームレート制御部15bは、この逆再生指示情報をもとに、一連の画像の表示フレームレートを時系列の逆方向に沿った標準の表示フレームレートに決定する。これと同様に、検査者が再生操作アイコン群100の「逆コマ」アイコン105を選択するクリック操作を行った場合、「逆コマ」アイコン105に対応する画像表示指示情報(逆コマ再生指示情報)が制御部15に入力され、フレームレート制御部15bは、この逆コマ再生指示情報をもとに、一連の画像の表示フレームレートを時系列の逆方向に沿った低速の表示フレームレートに決定する。また、検査者が再生操作アイコン群100の「高逆」アイコン106を選択するクリック操作を行った場合、「高逆」アイコン106に対応する画像表示指示情報(逆高再指示情報)が制御部15に入力され、フレームレート制御部15bは、この逆高再指示情報をもとに、一連の画像の表示フレームレートを時系列の逆方向に沿った高速の表示フレームレートに決定する。
【0042】
なお、上述した標準の表示フレームレートは、一連の画像を擬似的に動画再生できる程度の表示フレームレートである。また、上述した低速の表示フレームレートは、この標準の表示フレームレートに比して低速のものであり、この標準の表示フレームレートで各画像を再生した場合に比して、各画像の表示時間を長くする。この低速の表示フレームレートは、たとえば一連の画像をフレーム毎に容易に観察できる程度の表示フレームレートである。さらに、上述した高速の表示フレームレートは、この標準の表示フレームレートに比して高速のものであり、この標準の表示フレームレートで各画像を再生した場合に比して、各画像の表示時間を短くする。
【0043】
制御部15は、上述したいずれの表示フレームレートの場合であっても、表示部12に対し、フレームレート制御部15bが決定した表示フレームレートで一連の画像を順次表示する制御を行う。この場合、制御部15は、主画像表示領域A1に一度に表示する枚数が予め設定されていれば、表示部12に対し、この設定された所望枚数の画像を主画像表示領域A1に表示する制御を行う。
【0044】
一方、検査者が再生操作アイコン群100の「一停」アイコン107を選択するクリック操作を行った場合、入力部11は、「一停」アイコン107に対応する画像表示指示情報(一時停止指示情報)を制御部15に入力する。この場合、制御部15は、この一時停止指示情報をもとに、主画像表示領域A1での表示画像の切替処理を一時停止し、この「一停」アイコン107を選択するクリック操作が行われた時点で主画像表示領域A1に表示されている画像を静止画として維持する。
【0045】
また、制御部15は、検査者が主画像表示領域A1に表示された画像を選択するクリック操作を行った場合、表示部12に対し、このクリック操作によって選択指示された画像に対応するサムネイル画像を副画像表示領域A2に表示する制御を行う。この場合、制御部15は、この画像を選択するクリック操作が行われる毎に、表示部12に対し、選択された画像に対応するサムネイル画像を副画像表示領域A2に逐次追加表示する制御を行う。
【0046】
つぎに、制御部15が、上述した低速再生マークが付与された画像データを含む一連の画像データをもとに、被検体1の一連の画像を順次表示する動作について説明する。図5は、上述した低速再生マークが付与された画像データを含む一連の画像データを順次画像表示するための処理手順を説明するフローチャートである。図6は、自動抽出した関心部位の画像データを含む一連の画像データの各表示フレームレートを設定する動作を説明するための模式図である。まず、検査者は、入力部11を用い、主画像表示領域A1に画像表示させる一連の画像データを選択する操作を行い、再生操作アイコン群100のいずれかを選択するクリック操作を行う。この場合、制御部15は、上述したように、再生操作アイコン群100のいずれかに対応する画像表示指示情報を受信する。図5において、制御部15は、この画像表示指示情報を入力部11から受信したことをトリガーとし、記憶部14に格納された被検体1の一連の画像データのうち、主画像表示領域A1に画像表示する画像データを読み出す。この場合、制御部15は、記憶部14から読み出した画像データに低速再生マークが付与されているか否かを判断する(ステップS201)。
【0047】
制御部15は、読み出した画像データから低速再生マークを検出できなかった場合、この画像データを低速再生マークが付与されていない画像データと判断する(ステップS201,No)。この場合、フレームレート制御部15bは、この画像データの表示フレームレートを通常設定にする(ステップS202)。すなわち、フレームレート制御部15bは、低速再生マークが検出されなかった画像データの表示フレームレートを入力部11から入力された画像表示指示情報に対応する通常の表示フレームレートに決定する。
【0048】
一方、制御部15は、読み出した画像データから低速再生マークを検出した場合、この画像データを低速再生マークが付与された画像データと判断する(ステップS201,Yes)。この場合、フレームレート制御部15bは、検出された低速再生マークに基づき、この画像データの表示フレームレートを通常設定から低速設定に変更する(ステップS203)。すなわち、フレームレート制御部15bは、低速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートを上述した低速の表示フレームレートに決定する。
【0049】
たとえば、フレームレート制御部15bは、図6に示すように、一連の画像データのうち、低速再生マークが付与されていない画像データ群DG1の各画像データの表示フレームレートを通常設定にし、低速再生マークが付与された画像データDa,Db(たとえば出血部位の画像データ)の各表示フレームレートを低速設定に変更し、低速再生マークが付与されていない画像データ群DG2の各画像データの表示フレームレートを通常設定にする。
【0050】
フレームレート制御部15bが画像データの表示フレームレートを決定した場合、制御部15は、表示部12に対し、この画像データに対応する被検体1の画像をフレームレート制御部15bが決定した表示フレームレートで表示する制御を行う(ステップS204)。すなわち、制御部15は、低速再生マークが付与されていない画像データ(たとえば画像データ群DG1,DG2の各画像データ)を主画像表示領域A1に画像表示する場合、再生操作アイコン群100のいずれかに対応する通常の表示フレームレートで画像を表示する制御を行い、低速再生マークが付与された画像データ(たとえば画像データDa,Db)を主画像表示領域A1に画像表示する場合、入力部11から入力された画像表示指示情報によらず強制的に、低速の表示フレームレートで画像を表示する制御を行う。すなわち、制御部15は、検査者のクリック操作によって「再」アイコン101または「高再」アイコン103が選択された場合であっても、低速再生マークが付与された画像データを強制的に低速の表示フレームレートで画像表示する制御を行う。これによって、低速再生マークが付与された画像データ(すなわち関心部位の画像データ)は、その他の画像データに比して画像表示される時間が長くなり、検査者が観察し易くなる。
【0051】
その後、制御部15は、検査者によって画像表示指定された一連の画像データに対応する全画像を主画像表示領域A1に再生完了したか否かを判断する(ステップS205)。制御部15は、画像表示指定された全画像を未だ再生完了していないと判断した場合(ステップS205,No)、ステップS204において画像表示した画像データに時系列的に連続するつぎの画像データを記憶部14から読み取り(ステップS206)、読み取った画像データを用いて上述したステップS201以降の処理を繰り返す。すなわち、制御部15は、画像表示指定された一連の全画像データのそれぞれに対して逐次、上述したステップS201以降の処理を行う。一方、制御部15は、画像表示指定された全画像を再生完了したと判断した場合(ステップS205,Yes)、画像表示指定された一連の画像データを画像表示する処理を終了する。
【0052】
なお、この発明の実施の形態1では、携帯型記録媒体5に格納された一連の画像データを取り込む際に、この一連の画像データのうち、関心部位の画像データに低速再生マークを付与していたが、この発明はこれに限定されるものではなく、記憶部14に格納された一連の画像データに対し、関心部位の画像データであれば低速再生マークを付与する処理を行ってもよい。また、一連の画像データを順次画像表示する際に略リアルタイムに、この一連の画像データに対してこの低速再生マークを付与する処理を行ってもよい。すなわち、記憶部14に格納された一連の画像データを順次画像表示する際に、この画像表示対象の一連の画像データのうち、画像表示前の所望フレーム数たとえば5フレーム程度の画像データを逐次先行して読み出し、読み出した所望フレーム数の画像データに対し、関心部位の画像データであれば低速再生マークを付与する処理を行ってもよい。
【0053】
また、この発明の実施の形態1では、検査者が関心を持つ関心部位として出血部位を例示し、一連の画像データのうち、出血部位の画像データを低速の表示フレームレートで画像表示するようにしていたが、この発明はこれに限定されるものではなく、関心部位を腫瘍等の病変部位または観察対象の所望の臓器とし、一連の画像データのうち、病変部位または観察対象の所望の部位の画像データを低速の表示フレームレートで画像表示してもよい。この場合、病変部位または観察対象の所望の部位の画像データは、その画素の特徴量をもとに、一連の画像データから抽出できる。
【0054】
さらに、この発明の実施の形態1では、低速再生マークが付与された画像データを「コマ」アイコン102または「逆コマ」アイコン105に対応する通常設定での低速の表示フレームレートと同じ表示フレームレートで画像表示するようにしていたが、この発明はこれに限定されるものではなく、低速再生マークが付与された画像データを通常設定すなわち再生操作アイコン群100で設定された表示フレームレートに比して常に低速の表示フレームレートで画像表示してもよい。この場合、通常設定の表示フレームレートを一定の比率たとえば1/2の比率で低速化したものを低速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートに決定してもよい。高速、標準、および低速の各表示フレームレートに応じて変更する多段の比率を設定し、通常設定の表示フレームレートを多段の比率たとえば高速の場合に1/4の比率、標準の場合に1/3の比率、低速の場合に1/2の比率で低速化したものを低速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートに決定してもよい。
【0055】
また、この発明の実施の形態1では、出血部位等の関心部位の画像のみを関心部位以外の画像に比して低速の表示フレームレートで表示するようにしていたが、この発明はこれに限定されるものではなく、関心部位の画像に対して時間的に直前および直後の少なくとも一方の画像の表示フレームレートをこの関心部位の画像と同じ表示フレームレートに変更し、関心部位の画像のみならず、この関心部位の画像に対して時間的に直前および直後の少なくとも一方の画像も低速で表示するようにしてもよい。この場合、画像抽出部15aは、抽出した関心部位の画像データに対して時間的に直前および直後の少なくとも一方の画像データに低速再生マークを付与すればよい。
【0056】
さらに、この発明の実施の形態1では、出血部位等の関心部位の画像を通常の表示フレームレートに比して低速の表示フレームレートにすることによって、関心部位以外の画像の表示フレームレートに比して低速の表示フレームレートで関心部位の画像を表示するようにしていたが、この発明はこれに限定されるものではなく、関心部位以外の画像の表示フレームレートを通常の表示フレームレートに比して高速にすることによって、関心部位の表示フレームレートを関心部位以外の表示フレームレートに比して相対的に低速にしてもよい。
【0057】
以上、説明したように、この発明の実施の形態1では、画像表示対象の一連の画像データのうち、出血部位等の関心部位が撮像された画像データの表示フレームレートを通常設定での表示フレームレートに比して自動的に低速に変更し、この一連の画像データを順次画像表示する場合に、関心部位の画像データを強制的に、より低速で画像表示するように構成した。これによって、一連の画像データを順次画像表示する場合の通常設定での表示フレームレートを高速または標準に設定した場合であっても、関心部位の画像データを自動的に低速で画像表示することができ、関心部位が撮像された画像の観察を妨げることなく、被検体の一連の画像を観察する時間を短縮可能な画像表示装置を実現することができる。
【0058】
検査者は、この発明にかかる画像表示装置を用いることによって、被検体の一連の画像のうち、関心部位が撮像された画像およびそれに近似した画像すなわち観察すべき画像を自動的に低速表示することができる。これによって、検査者は、低速表示された観察すべき画像に絞り込んで被検体の観察(検査)を行うことができ、この一連の画像を効率的に観察できるともに、関心部位の画像の観察を容易にし、被検体を的確に診断することができる。
【0059】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。上述した実施の形態1では、被検体の一連の画像のうち、予め決められた一定の関心部位の画像を低速で表示するようにしていたが、この実施の形態2では、被検体内の各部位の選択肢のうちの所望の関心部位を選択できるようにしている。
【0060】
図7は、この発明の実施の形態2である画像表示装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。この画像表示装置21は、実施の形態1の画像表示装置4の制御部15に代えて制御部22が設けられる。制御部22は、実施の形態1の画像抽出部15aに代えて画像抽出部22aが設けられる。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0061】
制御部22は、上述した制御部15とほぼ同様に機能し、画像抽出部22a、フレームレート制御部15b、および部位選択部22cを有する。画像抽出部22aは、被検体1の一連の画像データのうち、部位選択部22cによって択一的に決定された関心部位の画像データを抽出し、抽出した画像データに上述した低速再生マークを付与する。この場合、画像抽出部22aは、画像データを構成する各画素の特徴量をもとに、画像データの撮像部位を特定する。たとえば、画像抽出部22aは、画像データの赤色要素の有無および分布をもとに、画像データの撮像部位が出血部位であるか否かを判断し、この判断結果に基づいてこの撮像部位を出血部位と特定する。また、画像抽出部22aは、画像データの平均色および1フレームに含まれる所定色の画素の数量等の色情報に関する統計量をもとに、画像データの撮像部位がいずれの臓器たとえば食道、胃、小腸、または大腸であるかを判断し、この撮像部位をこの判断結果に基づく臓器と特定する。
【0062】
また、部位選択部22cは、予め設定された被検体の各部位の選択肢のうち、検査者が入力部11を用いて択一的に指定した部位を画像表示対象の関心部位(再生部位)として選択する。図8は、被検体の各部位のうちの再生部位を選択するための処理手順を説明するフローチャートである。図9は、被検体の各部位の選択肢のうちの再生部位を選択するための表示画面を具体的に例示する模式図である。
【0063】
図8および図9において、制御部22は、表示部12に対し、ウィンドウW1の所定の表示領域に「再生部位選択」アイコン120をさらに表示する制御を行う。ここで、検査者が、入力部11を用い、カーソルKを「再生部位選択」アイコン120に合わせてクリックする操作すなわち「再生部位選択」アイコン120を選択するクリック操作を行った場合、入力部11は、再生部位の選択処理を開始指示する指示情報(選択開始情報)を制御部22に入力する。制御部22は、選択開始情報を常時監視し、選択開始情報が入力部11から入力された場合、この選択開始情報を検知し(ステップS301,Yes)、表示部12に対し、再生部位の選択ウィンドウW2を開く制御を行う(ステップS302)。なお、制御部22は、選択開始情報を検知していない場合(ステップS301,No)、ステップS301の処理を繰り返し、選択開始情報を監視する。
【0064】
選択ウィンドウW2には、図9に示すように、被検体の各部位の選択肢200、「OK」アイコン201、および「キャンセル」アイコン202が表示される。検査者は、入力部11を用い、選択肢200の中から再生部位を選択する入力操作を行うことによって、選択した再生部位に対応する部位選択情報を制御部22に入力できる。たとえば、検査者は、選択肢200の「小腸」にカーソルKを合わせてクリックし、続いて「OK」アイコン201にカーソルKを合わせてクリックすることによって、再生部位として択一的に指定した「小腸」に対応する部位選択情報を制御部22に入力できる。
【0065】
制御部22は、選択ウィンドウW2を表示部12に表示させた場合、上述した部位選択情報を監視する。制御部22は、部位選択情報が入力部11から入力された場合、この部位選択情報を検知する(ステップS303,Yes)。この場合、部位選択部22cは、被検体の各部位の選択肢たとえば食道、胃、小腸、大腸、および出血部位の中から、ステップS303において検知された部位選択情報に対応する部位を再生部位として選択し(ステップS305)、選択した再生部位を記憶する。その後、制御部22は、表示部12に対して選択ウィンドウW2を閉じる制御を行い(ステップS306)、再生部位の選択処理を完了する。
【0066】
一方、検査者は、再生部位を選択せずに選択ウィンドウW2を閉じる場合、入力部11を用い、「キャンセル」アイコン202を選択する入力操作を行う。この入力操作によって、再生部位を選択せずに選択ウィンドウW2を閉じるための指示情報(キャンセル指示情報)が制御部22に入力される。この場合、制御部22は、ステップS303において部位選択情報を検知せず(ステップS303,No)、入力部11から入力されたキャンセル指示情報を検知する(ステップS304,Yes)。その後、制御部22は、上述したステップS305の処理を行わずにステップS306の処理を行う。なお、制御部22は、選択ウィンドウW2が画面上に開いている状態において、キャンセル指示情報が入力されていなければ、キャンセル指示情報を検知せず(ステップS304,No)、上述したステップS303以降の処理を繰り返す。
【0067】
つぎに、被検体1の一連の画像データのうち、部位選択部22cによって選択された再生部位の画像データに上述した低速再生マークを付与する処理について説明する。図10は、部位選択部22cによって選択された再生部位の画像データに低速再生マークを付与するための処理手順を説明するフローチャートである。図10において、制御部22は、上述した再生部位が部位選択部22cによって選択されたか否かを判断する(ステップS401)。制御部22は、再生部位が選択されていないと判断した場合(ステップS401,No)、このステップS401を繰り返し、再生部位が選択されたと判断した場合(ステップS401,Yes)、携帯型記録媒体5または記憶部14に格納された被検体1の一連の画像データを用いて上述したステップS101?S104と同様の処理を行い、読み取った1フレームの画像データを構成する各画素の特徴量を取得する(ステップS402?S405)。
【0068】
画像抽出部22aは、これら各画素の特徴量を取得した場合、取得した特徴量をもとに、この1フレームの画像データの撮像部位を特定する(ステップS406)。画像抽出部22aは、このステップS406の処理を行って、この撮像部位を上述した選択肢200たとえば食道、胃、小腸、大腸、および出血部位のいずれかに特定する。
【0069】
つぎに、画像抽出部22aは、ステップS406において特定した画像データの撮像部位と部位選択部22cによって選択された再生部位とが一致するか否かを判断する(ステップS407)。画像抽出部22aは、この画像データの撮像部位と選択された再生部位とが一致すると判断した場合、この撮像部位が特定された画像データを再生部位の画像データと判断して抽出し(ステップS407,Yes)、抽出した再生部位の画像データに低速再生マークを付与する(ステップS408)。制御部22は、この低速再生マークが付与された画像データを記憶部14に格納する。
【0070】
一方、画像抽出部22aは、この画像データの撮像部位と選択された再生部位とが一致しないと判断した場合、この撮像部位が特定された画像データを再生部位の画像データではないと判断する(ステップS407,Yes)。この場合、画像抽出部22aは、この再生部位と異なる画像データを低速再生マークが付与されていない状態(マーク無状態)に更新する(ステップS409)。すなわち、画像抽出部22aは、再生部位と異なる画像データに対し、低速再生マークを付与せず、または予め付与された低速再生マークを消去する。
【0071】
その後、制御部22は、被検体1の一連の画像データの全画像データに対し、ステップS402?S409の処理を完了したか否かを判断する(ステップS410)。制御部22aは、ステップS410において、被検体1の全画像データに対してステップS402?S409の処理を完了していないと判断した場合(ステップS410,No)、上述したステップS402以降の処理を繰り返す。すなわち、制御部22aがステップS402?S410の処理を繰り返すことによって、画像抽出部22aは、被検体1の一連の画像データの各撮像部位を特定でき、この一連の画像データのうち、再生部位の全画像データに低速再生マークを付与できる。
【0072】
一方、制御部22は、ステップS410において、被検体1の一連の画像データの全画像データに対してステップS402?S409の処理を完了したと判断した場合(ステップS410,Yes)、この一連の画像データを読み取る処理を完了する。この場合、記憶部14は、再生部位の全画像データのみに低速再生マークがそれぞれ付与された一連の画像データを格納している。
【0073】
つぎに、制御部22は、入力部11から入力された画像表示指示情報をトリガーとして、記憶部14に格納された被検体1の一連の画像データのうち、主画像表示領域A1に画像表示する画像データを読み出し、上述したステップS201?S206と同様の処理を行う。この場合、フレームレート制御部15bは、画像表示対象の一連の画像データのうち、低速再生マークが付与されていない画像データすなわち再生部位以外の画像データの表示フレームレートを通常設定にし、低速再生マークが付与された画像データすなわち再生部位の画像データの表示フレームレートを通常設定から低速設定に変更する。
【0074】
図11は、再生部位の画像データを含む一連の画像データの各表示フレームレートを設定する動作を説明するための模式図である。フレームレート制御部15bは、たとえば図11に示すように、被検体1の一連の画像データのうち、低速再生マークが付与されていない再生部位以外の画像データ群DG3の各画像データの表示フレームレートを通常設定にし、低速再生マークが付与された再生部位の画像データ群DG4の各表示フレームレートを低速設定に変更し、低速再生マークが付与されていない再生部位以外の画像データ群DG5の各画像データの表示フレームレートを通常設定にする。
【0075】
制御部22は、表示部12に対し、フレームレート制御部15bが決定した表示フレームレートで被検体1の一連の画像を表示する制御を行う。すなわち、制御部22は、低速再生マークが付与されていない画像データ(たとえば再生部位以外の画像データ群DG3,DG5の各画像データ)を主画像表示領域A1に画像表示する場合、再生操作アイコン群100のいずれかに対応する通常の表示フレームレートで画像を表示する制御を行い、低速再生マークが付与された画像データ(たとえば再生部位の画像データ群DG4の各画像データ)を主画像表示領域A1に画像表示する場合、入力部11から入力された画像表示指示情報によらず強制的に、低速の表示フレームレートで画像を表示する制御を行う。これによって、低速再生マークが付与された画像データ(すなわち再生部位の画像データ)は、その他の画像データに比して画像表示される時間が長くなり、検査者が観察し易くなる。
【0076】
なお、この発明の実施の形態2では、再生部位が選択されたことをトリガーとして、被検体1の一連の画像データのうちの再生部位の画像データのみに低速再生マークを付与するようにしていたが、この発明はこれに限定されるものではなく、また、画像表示する際に略リアルタイムに、一連の画像データに対してこの低速再生マークを付与する処理を行ってもよい。すなわち、被検体1の一連の画像データを順次画像表示する際に、まず、この一連の画像データに対して再生部位の選択が行われているか否かを確認し、再生部位の選択が行われていれば、この一連の画像データのうち、画像表示前の所望フレーム数たとえば5フレーム程度の画像データを逐次先行して読み出し、読み出した所望フレーム数の画像データに対し、再生部位の画像データであれば低速再生マークを付与する処理を行ってもよい。
【0077】
また、この発明の実施の形態2では、再生部位を選択するための選択肢として、胃、食道、小腸、大腸、および出血部位を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、この選択肢としては、所望の関心部位が設定されていればよく、たとえば被検体の臓器および出血部位は勿論、腫瘍等の病変部位をさらに加えてもよい。
【0078】
さらに、この発明の実施の形態2では、画像表示対象の関心部位である再生部位を選択し、選択した再生部位の画像を低速の表示フレームレートで表示していたが、この発明はこれに限定されるものではなく、被検体内の部位の選択肢のうち、検査する上で関心のない部位を選択し、選択した部位の画像を関心部位の画像に比して高速の表示フレームレートで表示するようにしてもよい。
【0079】
また、この発明の実施の形態2では、選択された再生部位の画像のみを他の画像に比して低速の表示フレームレートで表示するようにしていたが、この発明はこれに限定されるものではなく、再生部位の画像に対して時間的に直前および直後の少なくとも一方の画像の表示フレームレートをこの再生部位の画像と同じ表示フレームレートに変更し、再生部位の画像のみならず、この再生部位の画像に対して時間的に直前および直後の少なくとも一方の画像も低速で表示するようにしてもよい。この場合、画像抽出部22aは、抽出した再生部位の画像データに対して時間的に直前および直後の少なくとも一方の画像データに低速再生マークを付与すればよい。
【0080】
以上、説明したように、この発明の実施の形態2では、上述した実施の形態1の機能および構成に加え、低速で画像表示する関心部位を再生部位として選択できるようにし、被検体の一連の画像を順次表示する場合に、選択した再生部位の画像を強制的に、より低速で表示するように構成した。したがって、上述した実施の形態1の作用効果を享受するとともに、低速で画像表示する関心部位を所望の関心部位に容易に切り替えることができ、選択した所望の関心部位の画像の観察を妨げることなく、被検体の一連の画像を観察する時間を短縮可能な画像表示装置を実現することができる。
【0081】
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。上述した実施の形態2では、被検体の一連の画像のうち、選択された再生部位の画像を低速で表示し、この再生部位以外の画像を再生操作アイコン群100のいずれかに対応する通常設定の表示フレームレートで表示するようにしていたが、この実施の形態3では、選択された再生部位以外の画像の表示フレームレートを高速に変更するようにしている。
【0082】
図12は、この発明の実施の形態3である画像表示装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。この画像表示装置31は、実施の形態2の画像表示装置21の制御部22に代えて制御部32が設けられる。制御部32は、実施の形態2の画像抽出部22aに代えて画像抽出部32aが設けられ、フレームレート制御部15bに代えてフレームレート制御部32bが設けられる。その他の構成は実施の形態2と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0083】
制御部32は、上述した制御部22とほぼ同様に機能し、画像抽出部32a、フレームレート制御部32b、および部位選択部22cを有する。画像抽出部32aは、上述した画像抽出部22aとほぼ同様に機能し、部位選択部22cによって選択された再生部位以外の画像データに対して高速再生マークを付与する。この高速再生マークは、高速の表示フレームレートで画像表示される画像データに付与するフラグである。また、フレームレート制御部32bは、上述したフレームレート制御部15bとほぼ同様に機能し、この高速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートを上述した高速の表示フレームレートに変更する機能をさらに有する。
【0084】
図13は、再生部位が選択された一連の画像データの各画像データに低速再生マークまたは高速再生マークを付与するための処理手順を説明するフローチャートである。画像抽出部32aは、被検体1の一連の画像データに対して再生部位が選択された場合、この再生部位が選択された一連の画像データのうち、再生部位の全画像データに低速再生マークをそれぞれ付与し、再生部位以外の全画像データに高速再生マークをそれぞれ付与する。すなわち、図13において、制御部32は、上述したステップS401?S410とほぼ同様の処理を行い(ステップS501?S510)、低速再生マークがそれぞれ付与された再生部位の全画像データと高速再生マークがそれぞれ付与された再生部位以外の全画像データとによって構成される被検体1の一連の画像データを取得する。この場合、画像抽出部32aは、上述したステップS409に代えて再生部位以外の画像データに高速再生マークを付与する処理(ステップS509)を行う。
【0085】
図14は、再生部位が択一的に指定された一連の画像データまたは再生部位が指定されていない一連の画像データを順次画像表示するための処理手順を説明するフローチャートである。図15は、再生部位であるか否かに対応して一連の画像データの各表示フレームレートを低速設定または高速設定にする動作を説明するための模式図である。図14において、制御部32は、上述したステップS201と同様に、読み出した1フレームの画像データに低速再生マークが付与されているか否かを判断する(ステップS601)。制御部32が画像データに低速再生マークが付与されていると判断した場合(ステップS601,Yes)、フレームレート制御部32bは、上述したステップS203と同様に、この低速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートを低速設定に変更する(ステップS602)。
【0086】
一方、制御部32は、画像データに低速再生マークが付与されていないと判断した場合(ステップS601,No)、この画像データに高速再生マークが付与されているか否かを判断する(ステップS603)。制御部32が、この画像データに高速再生マークが付与されていないと判断した場合(ステップS603,No)、フレームレート制御部32bは、上述したステップS202と同様に、この低速再生マークおよび高速再生マークのいずれも付与されていない画像データの表示フレームレートを通常設定にする(ステップS604)。なお、このステップ604は、再生部位が選択されていない一連の画像データ(すなわち指定の再生部位とそれ以外の部位との区別がなされていない一連の画像データ)を画像表示するときにのみ寄与する。また、制御部32が、この画像データに高速再生マークが付与されていると判断した場合(ステップS603,Yes)、フレームレート制御部32bは、この高速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートを通常設定から高速設定に変更する(ステップS605)。すなわち、フレームレート制御部32bは、高速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートを上述した高速の表示フレームレートに決定する。
【0087】
たとえば、フレームレート制御部32bは、図15に示すように、被検体1の一連の画像データのうち、高速再生マークが付与された再生部位以外の画像データ群DG3の各画像データの表示フレームレートを高速設定に変更し、低速再生マークが付与された再生部位の画像データ群DG4の各表示フレームレートを低速設定に変更し、高速再生マークが付与された画像データ群DG5の各画像データの表示フレームレートを高速設定にする。
【0088】
フレームレート制御部32bが画像データの表示フレームレートを低速設定、高速設定、または通常設定に決定した場合、制御部32は、上述したステップS204とほぼ同様に、表示部12に対し、この画像データに対応する被検体1の画像をフレームレート制御部32bが決定した表示フレームレートで表示する制御を行う(ステップS606)。この場合、制御部32は、高速再生マークが付与された画像データ(たとえば再生部位以外の画像データ群DG3,DG5の各画像データ)を主画像表示領域A1に画像表示する場合、入力部11から入力された画像表示指示情報によらず強制的に、高速の表示フレームレートで画像を表示する制御を行う。また、制御部32は、上述したように、低速再生マークが付与された画像データ(たとえば再生部位の画像データ群DG4の各画像データ)を主画像表示領域A1に画像表示する場合、入力部11から入力された画像表示指示情報によらず強制的に、低速の表示フレームレートで画像を表示する制御を行う。
【0089】
その後、制御部32は、上述したステップS205と同様に、被検体1の一連の全画像が再生完了したか否かを判断し、未だ再生完了していないと判断した場合、上述したステップS206と同様に、時系列的に連続するつぎの画像データを読み取り、ステップS601以降の処理を繰り返す(ステップS607,S608)。これによって、制御部32は、再生部位が択一的に指定された一連の画像データのうち、選択された再生部位の全画像データ(たとえば画像データ群DG4の全画像データ)を通常設定に比して低速の表示フレームレートで順次画像表示でき、この再生部位以外の全画像データ(たとえば画像データ群DG3,DG5の全画像データ)を再生部位の画像データに比して高速の表示フレームレートで順次画像表示できる。すなわち、低速再生マークが付与された画像データ(たとえば再生部位の画像データ)は、その他の画像データに比して画像表示される時間が長くなり、検査者が観察し易くなる。また、高速再生マークが付与された画像データは、その他の画像データに比して画像表示される時間が短くなり、その観察時間が短縮される。なお、制御部32は、再生部位が指定されていない一連の全画像データを通常設定の表示フレームレートで順次画像表示できる。
【0090】
なお、この発明の実施の形態3では、再生部位が択一的に指定された一連の画像のうち、この再生部位以外の画像を高速の表示フレームレートで表示するようにしていたが、この発明はこれに限定されるものではなく、この再生部位以外の画像を表示対象の一連の画像から削除すなわち画像カットしてもよい。この場合、画像抽出部32aは、上述したステップS501?S510において、ステップS509の処理に代えて再生部位以外の画像データにスキップマークを付与する処理を行う。これによって、制御部32は、低速再生マークがそれぞれ付与された再生部位の全画像データとスキップマークがそれぞれ付与された再生部位以外の全画像データとによって構成される被検体1の一連の画像データを取得できる。なお、このスキップマークは、画像表示する一連の画像データのうちの画像カット対象の画像データに付与するフラグである。
【0091】
図16は、再生部位が択一的に指定された一連の画像データまたは再生部位が指定されていない一連の画像データを順次画像表示するための処理手順の変形例を説明するフローチャートである。図17は、再生部位の画像データの表示フレームレートを低速設定にし、再生部位以外の画像データを削除する動作を説明するための模式図である。図16において、制御部32は、上述したステップS601と同様の処理を行い、フレームレート制御部32bは、上述したステップS602と同様に、低速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートを低速設定に変更する(ステップS701,S702)。また、制御部32は、画像データに低速再生マークが付与されていないと判断した場合(ステップS701,No)、この画像データにスキップマークが付与されているか否かを判断する(ステップS703)。フレームレート制御部32bは、この画像データにスキップマークが付与されて否ければ(ステップS703,No)、この画像データの表示フレームレートを通常設定にする(ステップS704)。
【0092】
その後、制御部32は、上述したステップS606?S608とほぼ同様の処理を行い、フレームレート制御部32bによって決定された表示フレームレートで画像データを画像表示する制御を順次行う(ステップS705?S707)。一方、制御部32が、画像データにスキップマークが付与されていると判断した場合(ステップS703,Yes)、フレームレート制御部32bは、このスキップマークが付与された画像データを画像表示対象の一連の画像データから削除する処理を行う。この画像データを削除する処理において、フレームレート制御部32bは、表示対象の一連の画像データのうち、スキップマークが付与された画像データを所定のフレーム数毎に間引くように削除してもよいし、スキップマークが付与された全画像データを表示対象から除外してもよい。この画像データを削除する処理に基づき、制御部32は、このスキップマークが付与された画像データに対し、表示部12に画像表示させる処理(ステップS705)を行わずにステップS706以降の処理を行う。
【0093】
たとえば、フレームレート制御部32bは、図17に示すように、被検体1の一連の画像データのうち、スキップマークが付与された再生部位以外の画像データ群DG3を画像表示対象から除外する処理を行い、低速再生マークが付与された再生部位の画像データ群DG4の各表示フレームレートを低速設定に変更し、スキップマークが付与された再生部位以外の画像データ群DG5を画像表示対象から除外する処理を行う。この場合、制御部32は、入力部11から入力された画像表示指示情報によらず強制的に、スキップマークが付与された全画像データ(たとえば再生部位以外の画像データ群DG3,DG5)を表示部12に表示させない(すなわち画像カットする)。また、制御部32は、上述したように、低速再生マークが付与された画像データ(たとえば再生部位の画像データ群DG4の各画像データ)を主画像表示領域A1に画像表示する場合、表示部12に対し、入力部11から入力された画像表示指示情報によらず強制的に、低速の表示フレームレートで画像を表示する制御を行う。
【0094】
また、この発明の実施の形態3では、画像表示対象の関心部位である再生部位を選択し、選択した再生部位の画像を低速の表示フレームレートで表示していたが、この発明はこれに限定されるものではなく、被検体内の部位の選択肢のうち、検査する上で関心のない部位を選択し、選択した部位の画像を関心部位の画像に比して高速の表示フレームレートで表示してもよいし、選択した部位の画像を表示対象から除外すなわち画像カットしてもよい。
【0095】
以上、説明したように、この発明の実施の形態3では、上述した実施の形態2の機能および構成に加え、選択された再生部位以外の画像の表示フレームレートを自動的に高速に変更するようにし、被検体の一連の画像を順次表示する場合に、選択した再生部位の画像を強制的に、より低速で表示するとともに、この再生部位以外の画像を高速で表示するように構成した。したがって、上述した実施の形態2の作用効果を享受するとともに、関心部位以外の画像すなわち観察対象部位以外の画像が順次表示される時間を容易に短縮でき、選択した所望の関心部位の画像の観察を妨げることなく、被検体の一連の画像を観察する時間をさらに短縮可能な画像表示装置を実現することができる。
【0096】
また、選択された再生部位以外の画像を表示対象の一連の画像から自動的に削除するようにし、被検体の一連の画像を順次表示する場合に、選択した再生部位の画像を強制的に、より低速で表示するとともに、この再生部位以外の画像を表示しないすなわち画像カットするように構成した。したがって、被検体の一連の画像を表示する場合に、関心部位以外の画像すなわち観察対象部位以外の画像を容易に画像カットでき、これによって、選択した所望の関心部位の画像から表示し始めることができ、上述した実施の形態2の作用効果を享受するとともに、被検体の一連の画像を観察する時間をさらに短縮可能な画像表示装置を実現することができる。
【0097】
(実施の形態4)
つぎに、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。上述した実施の形態3では、被検体の一連の画像のうち、選択された再生部位の画像を低速で表示し、この再生部位以外の画像を高速で表示するようにしていたが、この実施の形態4では、選択された再生部位の画像のみを表示するようにし、さらに、この再生部位の画像のうち、出血部位の画像を低速で表示するとともに出血部位以外の画像を高速で表示するようにしている。
【0098】
図18は、この発明の実施の形態4である画像表示装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。この画像表示装置41は、実施の形態3の画像表示装置31の制御部32に代えて制御部42が設けられる。制御部42は、実施の形態3の画像抽出部32aに代えて画像抽出部42aが設けられ、フレームレート制御部32bに代えてフレームレート制御部42bが設けられる。その他の構成は実施の形態3と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0099】
制御部42は、上述した制御部32とほぼ同様に機能し、画像抽出部42a、フレームレート制御部42b、および部位選択部22cを有する。画像抽出部42aは、上述した画像抽出部32aとほぼ同様に機能し、部位選択部22cによって選択された再生部位の画像データのうち、出血部位の画像データに対して低速再生マークを付与し、出血部位以外の画像データに対して高速再生マークを付与する。また、画像抽出部42aは、この選択された再生部位以外の画像データに対してスキップマークを付与する。一方、フレームレート制御部42bは、上述したフレームレート制御部32bとほぼ同様に機能し、高速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートを上述した高速の表示フレームレートに変更し、かつスキップマークが付与された画像データを画像表示対象の一連の画像データから削除する処理を行う機能を有する。
【0100】
図19は、再生部位が選択された一連の画像データの各画像データに低速再生マーク、高速再生マーク、またはスキップマークを付与するための処理手順を説明するフローチャートである。画像抽出部42aは、被検体1の一連の画像データに対して再生部位が選択された場合、この再生部位が選択された一連の画像データのうち、この再生部位以外の全画像データにスキップマークをそれぞれ付与する。また、画像抽出部42aは、この再生部位の全画像データのうち、出血部位の全画像データに低速再生マークをそれぞれ付与し、出血部位以外の全画像データに高速再生マークをそれぞれ付与する。すなわち、図19において、制御部42および画像抽出部42aは、上述したステップS501?S507と同様の処理を行って、画像データの撮像部位をそれぞれ特定し、撮像部位を特定した画像データが再生部位の画像データであるか否かを判断する(ステップS801?S807)。
【0101】
つぎに、画像抽出部42aは、この撮像部位を特定した画像データを再生部位以外の画像データと判断した場合(ステップS807,No)、この再生部位以外の画像データに対してスキップマークを付与する(ステップS808)。一方、画像抽出部42aは、この撮像部位を特定した画像データを再生部位の画像データと判断し(ステップS807,Yes)、かつ、この再生部位の画像データを出血部位の画像データと判断した場合(ステップS809,Yes)、この出血部位の画像データに低速再生マークを付与する(ステップS810)。また、画像抽出部42aは、この再生部位の画像データを出血部位以外の画像データと判断した場合(ステップS809,No)、この出血部位以外の画像データに高速再生マークを付与する(ステップS811)。
【0102】
その後、制御部42は、上述したステップS510と同様の処理を行い(ステップS812)、被検体1の一連の画像データの全てに対してステップS801?S812の処理を繰り返す。これによって、制御部42は、スキップマークが付与された再生部位以外の画像データと低速再生マークまたは高速再生マークが付与された再生部位の画像データとによって構成された一連の画像データを取得できる。ここで、この再生部位の画像データは、低速再生マークが付与された出血部位の画像データと高速再生マークが付与された出血部位以外の画像データとによって構成される。
【0103】
図20は、再生部位が択一的に指定された一連の画像データまたは再生部位が指定されていない一連の画像データを順次画像表示するための処理手順を説明するフローチャートである。図21は、再生部位の画像データの表示フレームレートを低速設定または高速設定にし、再生部位以外の画像データを削除する動作を説明するための模式図である。図20において、制御部42およびフレームレート制御部42bは、上述したステップS601?S605と同様の処理を行う(ステップS901?S905)。この場合、フレームレート制御部42bは、被検体1の一連の画像データのうち、低速再生マークおよび高速再生マークのいずれも付与されていない画像データの表示フレームレートを通常設定にし(ステップS904)、低速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートをこの通常設定から低速設定に変更し(ステップS902)、高速再生マークが付与された画像データの表示フレームレートをこの通常設定から高速設定に変更する(ステップS905)。
【0104】
つぎに、制御部42は、低速設定、高速設定、または通常設定の表示フレームレートの画像データにスキップマークが付与されているか否かを判断する(ステップS906)。制御部42は、この画像データにスキップマークが付与されていないと判断した場合(ステップS906,No)、表示部12に対し、この画像データに対応する被検体1の画像をフレームレート制御部42bが決定した表示フレームレートで表示する制御を行う(ステップS907)。一方、制御部42が、この画像データにスキップマークが付与されていると判断した場合(ステップS906,Yes)、フレームレート制御部42bは、この画像データを画像表示対象の一連の画像データから削除する処理を行う。これに基づき、制御部42は、この画像データを表示部12に画像表示させない。
【0105】
たとえば、フレームレート制御部42bは、図21に示すように、被検体1の一連の画像データのうち、スキップマークが付与された再生部位以外の画像データ群DG3,DG5を画像表示対象から削除する処理を行う。また、フレームレート制御部42bは、再生部位の画像データ群DG4のうち、低速再生マークが付与された出血部位の画像データDa,Dbの各表示フレームレートを低速設定に変更し、高速再生マークが付与された再生部位の画像データすなわち出血部位を除く再生部位の画像データの表示フレームレートを高速設定に変更する。この場合、制御部42は、入力部11から入力された画像表示指示情報によらず強制的に、スキップマークが付与された全画像データ(たとえば再生部位以外の画像データ群DG3,DG5)を表示部12に表示させない(すなわち画像カットする)。また、制御部42は、再生部位の画像データ(たとえば再生部位の画像データ群DG4の各画像データ)を主画像表示領域A1に画像表示する場合、表示部12に対し、再生部位のうちの出血部位の画像データ(たとえば画像データDa,Db)を低速の表示フレームレートで画像を表示する制御を行い、出血部位以外の再生部位の画像データ(たとえば画像データDa,Dbを除く画像データ群DG4)を高速の表示フレームレートで画像を表示する制御を行う。
【0106】
その後、制御部42は、上述したステップS607と同様に、被検体1の一連の全画像が再生完了したか否かを判断し、未だ再生完了していないと判断した場合、上述したステップS608と同様に、時系列的に連続するつぎの画像データを読み取り、ステップS901以降の処理を繰り返す(ステップS908,S909)。これによって、制御部42は、被検体1の一連の画像データのうち、スキップマークが付与された画像データすなわち再生部位以外の画像データをこの一連の画像データから削除でき、低速再生マークが付与された画像データすなわち再生部位のうちの出血部位の画像データを低速で順次画像表示でき、高速再生マークが付与された画像データすなわち出血部位を除く再生部位の画像データを高速で順次画像表示できる。このことは、検査者が選択する所望の臓器たとえば食道、胃、小腸、および大腸のいずれかの画像のみを表示して一連の画像の観察時間を短縮するとともに、この所望の臓器の画像のうちの出血部位の画像を出血部以外の画像に比して低速で表示する(すなわち表示時間を長くする)ことを可能にし、所望の臓器の出血部位の観察を容易にする。
【0107】
なお、この発明の実施の形態4では、再生部位の画像データのうち、出血部位の画像データを低速で画像表示するようにしていたが、この発明はこれに限定されるものではなく、再生部位の画像データのうち、腫瘍等の病変部位の画像データを低速で画像表示してもよいし、出血部位および病変部位の少なくとも一方が撮像された画像データを低速で画像表示してもよい。
【0108】
以上、説明したように、この発明の実施の形態4では、上述した実施の形態3の機能および構成に加え、順次表示する一連の画像のうち、選択した再生部位以外の画像を表示せずすなわち画像カットし、かつ、この再生部位の画像のうち、出血部位または病変部位等の医学的に異常な部位の画像を低速で表示し、この医学的に異常な部位を除く再生部位の画像を高速で表示するように構成した。したがって、被検体の一連の画像を表示する場合に、観察対象部位以外の画像を容易に画像カットできるとともに、観察対象部位の画像のうちの医学的に異常な部位を強制的に低速で表示することができ、上述した実施の形態3の作用効果を享受するとともに、観察対象として指定した臓器の異常な部位を容易に観察可能な画像表示装置を実現することができる。
【0109】
検査者は、この発明にかかる画像表示装置を用いることによって、被検体の一連の画像のうち、観察対象として指定した臓器たとえば小腸の画像のみを自動的に表示することができ、かつ、この指定した臓器たとえば小腸の画像のうち、出血部位または病変部位等の医学的に異常な部位の画像を自動的に低速で表示することができる。これによって、検査者は、この医学的に異常な部位の観察を容易にし、観察対象として指定した臓器を擬似的な動画を用いて観察することができる。このことは、検査者が、被検体内の臓器の状態を検査する上で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】この発明の実施の形態1である画像表示装置を用いたカプセル型内視鏡システムの一構成例を模式的に例示する模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1である画像表示装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。
【図3】一連の画像データから関心部位の画像データを抽出するための処理手順を説明するフローチャートである。
【図4】表示部の表示画面を具体的に例示する模式図である。
【図5】低速再生マークが付与された画像データを含む一連の画像データを順次画像表示するための処理手順を説明するフローチャートである。
【図6】自動抽出した関心部位の画像データを含む一連の画像データの各表示フレームレートを設定する動作を説明するための模式図である。
【図7】この発明の実施の形態2である画像表示装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。
【図8】再生部位を選択するための処理手順を説明するフローチャートである。
【図9】再生部位を選択するための表示画面を具体的に例示する模式図である。
【図10】選択された再生部位の画像データに低速再生マークを付与するための処理手順を説明するフローチャートである。
【図11】再生部位の画像データを含む一連の画像データの各表示フレームレートを設定する動作を説明するための模式図である。
【図12】この発明の実施の形態3である画像表示装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。
【図13】再生部位が選択された一連の画像データに低速再生マークまたは高速再生マークを付与するための処理手順を説明するフローチャートである。
【図14】再生部位が択一的に指定された一連の画像データを順次画像表示するための処理手順を説明するフローチャートである。
【図15】再生部位であるか否かに対応して一連の画像データの各表示フレームレートを低速設定または高速設定にする動作を説明するための模式図である。
【図16】再生部位が択一的に指定された一連の画像データを順次画像表示するための処理手順の変形例を説明するフローチャートである。
【図17】再生部位の画像データの表示フレームレートを低速設定にし、再生部位以外の画像データを削除する動作を説明するための模式図である。
【図18】この発明の実施の形態4である画像表示装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。
【図19】一連の画像データに低速再生マーク、高速再生マーク、またはスキップマークを付与するための処理手順を説明するフローチャートである。
【図20】再生部位が択一的に指定された一連の画像データを順次画像表示するための処理手順を説明するフローチャートである。
【図21】再生部位の画像データの表示フレームレートを低速設定または高速設定にし、再生部位以外の画像データを削除する動作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0111】
1 被検体
2 カプセル型内視鏡
3 受信装置
3a?3h 受信アンテナ
4,21,31,41 画像表示装置
5 携帯型記録媒体
11 入力部
12 表示部
13 リーダライタ
14 記憶部
15,22,32,42 制御部
15a,22a,32a,42a 画像抽出部
15b,32b,42b フレームレート制御部
22c 部位選択部
100 再生操作アイコン群
101 「再生」アイコン
102 「コマ」アイコン
103 「高再」アイコン
104 「逆再」アイコン
105 「逆コマ」アイコン
106 「高逆」アイコン
107 「一停」アイコン
110 「閉じる」アイコン
120 「再生部位選択」アイコン
201 「OK」アイコン
202 「キャンセル」アイコン
A1 主画像表示領域
A2 副画像表示領域
B スクロールバー
Da,Db 画像データ
DG1?DG5 画像データ群
K カーソル
S スライダ
TS タイムスケール
W1 ウィンドウ
W2 選択ウィンドウ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列に沿って撮像された被検体内の一連の静止画像を連続表示する画像表示装置において、
前記被検体内の所望部位の特徴を有する画像を画像単位で抽出し、前記一連の画像のうちの該抽出した画像を前記所望部位の画像として特定するとともに、前記特定した所望部位の画像のうち医学的な異常部位の特徴を有する画像を抽出し、該抽出した画像を前記異常部位の画像として特定する画像特定手段と、
前記一連の画像のうちの前記所望部位以外の画像を削除するとともに、前記特定した異常部位の画像の表示フレームレートを該所望部位以外の画像の表示フレームレートと異なるものにするフレームレート制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記フレームレート制御手段は、前記特定した異常部位の画像の表示フレームレートを該異常部位以外の画像の表示フレームレートに比して低速にすることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記一連の画像の表示フレームレートを指示入力する入力手段を備え、
前記フレームレート制御手段は、前記指示入力された表示フレームレートを前記一連の画像の表示フレームレートとして設定し、該設定した表示フレームレートのうち、前記異常部位の画像の表示フレームレートを該設定した表示フレームレートに比して低速に変更し、前記異常部位以外の画像の表示フレームレートを前記設定した表示フレームレートに比して高速に変更することを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記被検体内の所望部位を選択する部位選択手段を備え、
前記画像特定手段は、前記選択した所望部位の特徴を有する画像を抽出し、前記一連の画像のうちの該抽出した画像を前記所望部位の画像として特定することを特徴とする請求項1?3のいずれか一つに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記特定した所望部位は、前記被検体内の食道、胃、小腸、大腸、または出血部位であることを特徴とする請求項1?4のいずれか一つに記載の画像表示装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-02-25 
出願番号 特願2004-344954(P2004-344954)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 長井 真一  
特許庁審判長 岡田 孝博
特許庁審判官 竹中 靖典
郡山 順
登録日 2010-08-27 
登録番号 特許第4575124号(P4575124)
発明の名称 画像表示装置  
代理人 酒井 宏明  
代理人 酒井 宏明  

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