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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B60T 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B60T |
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管理番号 | 1235978 |
審判番号 | 不服2010-26 |
総通号数 | 138 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-06-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-01-04 |
確定日 | 2011-04-26 |
事件の表示 | 特願2003-41263号「ブレーキ系統の弁において低下する油圧差を表す数値の検出方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成15年9月10日出願公開、特開2003-252190号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成15年2月19日(パリ条約による優先権主張 2002年2月27日、ドイツ連邦共和国、2002年7月17日、ドイツ連邦共和国)の出願であって、平成21年9月1日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成22年1月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。 2.平成22年1月4日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成22年1月4日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] (1)本件補正後の本願発明 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、 「【請求項1】 ブレーキ系統の圧力調整弁に沿って低下する圧力を示す油圧差(Δp)を表す数値の検出方法であって、 前記圧力調整弁にはブレーキ圧の急激な変化を抑制するように構成された制御信号(i)が印加され、前記圧力調整弁は、前記油圧差(Δp)が前記制御信号(i)の増加と共に直線的に増加する特性を有し、前記制御信号(i)が判明することによって前記圧力調整弁において低下する前記油圧差(Δp)が検出され、前記油圧差(Δp)と前記制御信号(i)の値との関係が前記圧力調整弁の直線的特性に基づくことを特徴とする検出方法。」 と補正された。(下線部は、審判請求人が補正箇所に関して付したものである。) 上記補正は、請求項1についてみると、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「油圧差」について「ブレーキ系統の圧力調整弁において低下する」を「ブレーキ系統の圧力調整弁に沿って低下する圧力を示す」と言い換え、また、「圧力調整弁」について「前記圧力調整弁は、前記油圧差(Δp)が前記制御信号(i)の増加と共に直線的に増加する特性を有し、」と限定するとともに、圧力調整弁の特性を「直線的」と限定するものであって、これは、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (2)引用例 特開平8-233673号公報(以下、「引用例1」という。)には、「圧力量を求める方法および装置」に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。 (あ)「【請求項1】第1の導管および第2の導管を接続する少なくとも1つの電磁弁を備え、第1の導管における第1の圧力(PV)と第2の導管における圧力(PW)との間の差圧(PD)を、前以て決められた圧力勾配と、第1の電磁弁の制御の持続時間を特徴付ける信号と、制御の前の差圧とに基づいて求めることを特徴とする例えば制動装置における圧力量を求める方法。」 (い)「【0001】 【発明の関連する技術分野】本発明は、例えばロック防止調整部および/または駆動スリップ調整部を備えた制動装置における差圧を求める方法および装置に関する。」 (う)「【0007】ロック防止調整部および/または駆動スリップ調整部を具備している車両の個別車輪ブレーキにおける圧力を変調するために、電気的に操作可能な入口弁および出口弁が使用されることは公知である。このために有利には、2方弁、すなわち2つの切換位置(開放または閉鎖)しか有していないハイドロリック弁が用いられる。所望の圧力形成勾配または圧力低下勾配は、パルス列およびパルス持続時間/パルス休止時間比の変化により弁を制御することによって実現される。」 (え)「【0009】入口弁/出口弁対に代わって、3つの切換位置(圧力形成、圧力保持および圧力低下)を有する弁装置を使用することもできる。」 (お)「【0011】入口弁100は、第1のポートを介して第1の導管105を介してメインブレーキシリンダ110に接続されている。第1の導管には通例、圧力PVが生じている。第2の導管115を介して、電磁弁100の第2のポートを介して車輪ブレーキ120に接続されている。第2の導管115には、車輪の制動力を決定する圧力PWが生じている。 【0012】第2の導管115から出口弁160の第1ポートに接続路があり、出口弁の第2のポートは戻し搬送ポンプ170に接続されている。 【0013】図示の入口弁100は、所謂2/2電磁弁である。電流が流れていない休止位置では、電磁弁100は第1の導管105と第2の導管115との間の流通を許容する。この位置において、電磁弁可動子(スプール)はばねによって保持される。コイル130に電流が流れることによって、ばね力に抗する力が生じ、それは弁をその閉鎖位置にする。 【0014】図示の出口弁160は、同じく所謂2/2電磁弁である。電流が流れていない休止位置では、電磁弁160は第2の導管115と戻し搬送ポンプ170との間の流通を遮断する。この位置において電磁弁可動子はばねによって保持される。コイル165が通電することによって、ばね力に抗する力が生じ、それは弁をその開放位置に送る。」 (か)「【0018】制御ユニット150は有利には、ロック防止調整部および/または駆動スリップ調整部である。制御ユニットは、種々のセンサないし例えば走行速度調整部および/または走行速度制限部のような別の制御ユニットの信号を処理する。殊に、車両の種々の車輪の回転数を検出する回転数センサ190の信号を処理する。種々の処理された信号に基づいて、制御ユニット150はコイル130および165を制御するための信号A1およびA2を決定する。 【0019】弁100および160を用いて、第2の導管150およびひいては車輪ブレーキシリンダ120における圧力形成および圧力低下を制御することができる。」 (き)「【0020】弁100が閉鎖されると、第1の導管105と第2の導管115との間に圧力差が生じる。電磁弁100の最適な制御を可能にするために、導管105と導管115との圧力差PDはわかっていなければならない。」 (く)「【0022】図2に基づいて動作を説明する。図2のaには、弁160に対する制御信号A1が示されており、図2のbには、弁100に対する制御信号A2が示されており、それぞれの制御時間AT1,AT2,…,AT7も示されている。図2のcには、車輪ブレーキ圧に相応する、導管115における圧力PWが示されている。 【0023】運転者によるブレーキペダルの操作の際、メインブレーキシリンダ110に圧力PVが形成される。時点T1まで、電磁弁100には、低い方のレベルを有する制御信号A2が印加される。第1の制御信号A1は、同じく低いレベルを有している。すなわち、コイル165にも電流が流れていない。それ故に2つの電磁弁は、その休止位置にある。すなわち、運転者によってブレーキペダル操作を介して与えられる圧力PVが車輪シリンダ120に作用する。したがって、導管115における圧力は同様に値PVをとる。 【0024】時点T1において、制御ユニット150は回転数センサ10の評価に基づいて、1つの車輪のロック傾向を検出する。この時点T1から、2つの制御信号A1およびA2は高いレベルに設定される。すなわち、スイッチ140および180は閉成される。2つの電磁弁は通電しかつその動作位置に移行する。この結果、第1の導管105における圧力は値PVに留まる。これに対して導管115における圧力は、比較的低い値に低下しかつ車輪の制動作用を緩める。 【0025】圧力が降下した後、制御信号A1は元に戻り、これに基づいて電磁弁160は圧力低下を中断しかつ圧力は一定に留まる。 【0026】引き続いて圧力形成パルス列が続く。電磁弁100の開放によって、車輪ブレーキシリンダ120における圧力が複数の段階においてその本来の値に高められる。通例、段階の数に対する値AZSおよび制御の持続時間全体に対する値ATSは固定的に予め決められている。この時間の間、電磁弁16は閉鎖状態に留まる。 【0027】時点T2,T3,T4,T5,T6,T7,T8において、制御ユニット150は第2の制御信号A2をその都度所定の持続時間ATNの間、元に戻す。制御信号A2がその都度元に戻っている持続時間が、第2の導管115における圧力PWがその都度増加する値を決定する。制御持続時間が比較的長い場合、制御持続時間が比較的短い場合よりも圧力は一層高い値だけ増加する。 【0028】第2の制御信号A2が元に戻る都度、圧力は戻っている持続時間に依存して所定の値だけ増加する。時点T8において、圧力は再びその本来の値に達する。時点T9にて再び、1つの車輪のロック傾向が検出され、かつ制御ユニット150は再び、第2の導管115における圧力低下、ひいては制動力の低下をもたらす第1の制御信号を送出する。時点T9は、ロック防止調整部および/または駆動スリップ調整部の新たな調整サイクルがスタートする時点T1に相応する。制御信号A2の最適な設定を実現するために、圧力PWと主ブレーキシリンダ110における圧力PVとの間の差圧PDがわかっていなければならない。圧力センサを省略するために、次のことが実施される。 【0029】圧力勾配が既知の場合、すなわち単位時間当たりの圧力の変化がわかっているとき、制御信号A1ないしA2の持続時間から、第2の導管115における圧力PWの変化を推定しかつそこから導管115における圧力PWと主ブレーキシリンダ110における圧力PVとの間の差圧PDを求めることができる。 【0030】差圧に対する新たな値PD_(i+1)は次式により得られる: PD_(i+1)=PD_(i)+AT_(i)*AUSG (1) 上式中、PD_(i)は差圧に対するその前の値、AT_(i)は差圧の最後の計算以降の制御の持続時間である。制御時間は制御信号A2の持続時間に相応する。量AUSGは、圧力形成勾配とも表すことができる、圧力形成方向における圧力勾配である。この圧力勾配は、単位時間内に圧力がどのくらい上昇したかを表すものである。 【0031】すなわち、弁100が開放されている時間に相当する制御持続時間と、単位時間当たりの圧力の変化とに基づいて、第2の導管における圧力PWの変化、ひいては差圧が推定される。」 (け)上記記載事項(特に(く))及び図2から、弁の制御信号(出口弁160の制御信号A1と入口弁100の制御信号A2)を制御することにより、第2の導管115における圧力PWを制御する態様、すなわち、第1の導管105における圧力(主ブレーキシリンダ110における圧力)PVと第2の導管115における圧力PWとの差圧PDを制御する態様が看取される。 (こ)上記記載事項(特に(く))及び図2(特に、図2cのT1?T9の区間のPWの圧力変化を参照。)から、弁160,100にはブレーキ圧の急激な変化を抑制するようにそれぞれ制御信号A1,A2が印加され、第2の導管115における圧力PWが増加する態様、すなわち、第1の導管105における圧力(主ブレーキシリンダ110における圧力)PVと第2の導管115における圧力PWとの差圧PDが低下する態様が看取される。 (さ)上記記載事項(特に(く)の段落【0029】)及び図2からみて、弁160,100の制御信号A1,A2が判明することによって160,100において低下する第1の導管105における圧力(主ブレーキシリンダ110における圧力)PVと第2の導管115における圧力PWとの差圧PDが求められることが理解される。 以上の記載事項及び図面(特に、図1,2)からみて、引用例1には、実質的に次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されていると認められる。 「制動装置の弁160,100において低下する第1の導管105における圧力(主ブレーキシリンダ110における圧力)PVと第2の導管115における圧力PWとの差圧PDを求める方法であって、 弁160,100にはブレーキ圧の急激な変化を抑制するように制御信号A1,A2が印加され、前記弁160,100の制御信号A1,A2が判明することによって弁160,100において低下する第1の導管105における圧力(主ブレーキシリンダ110における圧力)PVと第2の導管115における圧力PWとの差圧PDを求める方法。」 (3)対比 本願補正発明と引用例1発明とを対比すると、引用例1発明の「制動装置」は、その機能、構造等を考慮すれば、本願補正発明の「ブレーキ系統」に相当し、以下同様に、「第1の導管105における圧力(主ブレーキシリンダ110における圧力)PVと第2の導管115における圧力PWとの差圧PD」は「油圧差(Δp)」に、「求める方法」は「数値の検出方法」又は「検出方法」に、「制御信号A1,A2」は「制御信号(i)」に、「求める」は「検出」に、それぞれ実質的に相当する。 また、引用例1発明の「弁160,100」は、上記記載事項に記載されているように圧力を調整する弁であるから、本願補正発明の「圧力調整弁」に相当し、「弁160,100において低下する」は「圧力調整弁に沿って低下する圧力を示す」に実質的に相当する。 したがって、本願補正発明の用語に倣って整理すると、両者は、 「ブレーキ系統の圧力調整弁に沿って低下する圧力を示す油圧差を表す数値の検出方法であって、 前記圧力調整弁にはブレーキ圧の急激な変化を抑制するように構成された制御信号が印加され、前記制御信号が判明することによって前記圧力調整弁において低下する前記油圧差が検出される検出方法。」 で一致し、以下の点で相違している。 [相違点1] 本願補正発明は、「前記圧力調整弁は、前記油圧差(Δp)が前記制御信号(i)の増加と共に直線的に増加する特性を有し、前記制御信号(i)が判明することによって前記圧力調整弁において低下する前記油圧差(Δp)が検出される、前記油圧差(Δp)と前記制御信号(i)の値との関係が前記圧力調整弁の直線的特性に基づく検出方法」であるのに対して、引用例1発明は、弁160,100の制御信号A1,A2が判明することによって弁160,100において低下する第1の導管105における圧力(主ブレーキシリンダ110における圧力)PVと第2の導管115における圧力PWとの差圧PDを求める方法であるものの、弁160,100は、差圧PDが制御信号の増加と共に直線的に増加するような直線的特性を有していない点。 (4)判断 [相違点1]について 圧力を調整する弁としては各種のものが知られておりそのいずれをどのように採用するかは、油圧回路の用途、油圧回路の配管経路、油圧制御の精度等を考慮した設計的事項といえるものであるが、さらに、制動装置の技術分野において、油圧(油圧差)が制御信号(電流)の増減と共に直線的に増減する直線的特性を有する圧力調整弁を用いることは従来周知の技術(例えば、特表平10-510495号公報の「比例ソレノイド弁」及び図12,13、特開平3-182861号公報の「電磁比例弁」及び第6図、特開2001-163207号公報の「比例電磁弁」及び図4を参照。)であるから、引用例1発明の制動装置に該従来周知の技術を適用して、弁160,100に代えて、油圧(油圧差)が制御信号(電流)の増減と共に直線的に増減する直線的特性を有する圧力調整弁を採用することは、当業者が容易になし得たものであり、該採用された圧力制御弁の特性及び制御信号に応じて、差圧を求めることができることは、当業者にとって明らかである。 したがって、引用例1に記載された発明及び上記従来周知の技術に基づいて、本願補正発明のように構成することは当業者が容易になし得たものである。 また、本願補正発明の作用効果について検討してみても、引用例1に記載された発明及び従来周知の技術に基づいて当業者が予測し得る程度のものである。 なお、審判請求人は、審判請求の理由を補正する平成22年2月10日付け手続補正書において、概ね、 「本願の独立請求項1及び9に記載された発明(以下、独立請求項の発明という)(審決注:「独立請求項1に記載された発明」又は「独立請求項の発明」は、本審決における「本願補正発明」に相当。以下、同様。)と引用文献(審決注:本審決における「引用例1」に相当。以下、同様。)に記載された事項とを比較すると、引用文献には、独立請求項の発明の構成に欠くことのできない事項である 圧力調整弁は油圧差が制御信号の増加と共に直線的に増加する特性を有すること、 油圧差と制御信号の値との関係が圧力調整弁の直線的特性に基づくこと が記載も示唆もされていない。そして、この点に基づいて独立請求項の発明は明細書記載の所期の目的を達成することができる。」(「3-2.本願の発明との対比」欄)旨の主張をし、平成22年11月15日付け回答書においても同趣旨の主張をしている。 しかしながら、本願補正発明における、「圧力調整弁は油圧差が制御信号の増加と共に直線的に増加する特性を有すること」、「油圧差と制御信号の値との関係が圧力調整弁の直線的特性に基づくこと」については、上記[相違点1]として、「(4)判断」で判断したとおりであり、審判請求人の主張は採用できるものではない。 また、審判請求人は、上記回答書において、請求項1における「制御信号」を「電気的な制御信号」とする補正案を示しているが、引用例1発明の制御信号は具体的には電流であり、電気的な制御信号に該当するものといえることから、上記補正案によって当審の判断が覆るものではない。 よって、本願補正発明は、引用例1に記載された発明及び従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5)むすび 本願補正発明について以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、本件補正における他の補正事項を検討するまでもなく、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.本願発明 平成22年1月4日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?9に係る発明(以下、「本願発明1」?「本願発明9」という。)は、平成20年11月17日付け手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、請求項1は次のとおりである。 「【請求項1】 ブレーキ系統の圧力調整弁において低下する油圧差(Δp)を表す数値の検出方法であって、 前記圧力調整弁にはブレーキ圧の急激な変化を抑制するように構成された制御信号(i)が印加され、前記制御信号(i)が判明することによって前記圧力調整弁において低下する前記油圧差(Δp)が検出され、前記油圧差(Δp)と前記制御信号(i)の値との関係が前記圧力調整弁の特性に基づくことを特徴とする検出方法。」 3-1.本願発明1について (1)本願発明1 上記のとおりである。 (2)引用例 引用例1及びその記載事項は上記2.(2)に記載したとおりである。 (3)対比・判断 本願発明1は、実質的に、上記2.で検討した本願補正発明における、「ブレーキ系統の圧力調整弁に沿って低下する圧力を示す」を「ブレーキ系統の圧力調整弁において低下する」と言い換え、また、「圧力調整弁」についての「前記圧力調整弁は、前記油圧差(Δp)が前記制御信号(i)の増加と共に直線的に増加する特性を有し、」との限定事項を削除するとともに、圧力調整弁の特性に関して「直線的」との限定事項を削除したものに相当する。 そうすると、本願発明1の特定事項をすべて含み、本願発明1を限定したものに相当する本願補正発明が、上記2.(3)(4)に記載したとおり、引用例1に記載された発明及び従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1も、同様の理由により、引用例1に記載された発明及び従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)むすび したがって、本願の請求項1に係る発明(本願発明1)は、引用例1に記載された発明及び従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 4.結語 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明(本願発明1)が特許を受けることができないものである以上、本願発明2?9について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-12-02 |
結審通知日 | 2010-12-03 |
審決日 | 2010-12-14 |
出願番号 | 特願2003-41263(P2003-41263) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B60T)
P 1 8・ 575- Z (B60T) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 竹村 秀康 |
特許庁審判長 |
川本 真裕 |
特許庁審判官 |
山岸 利治 大山 健 |
発明の名称 | ブレーキ系統の弁において低下する油圧差を表す数値の検出方法および装置 |
代理人 | 小野 新次郎 |
代理人 | 社本 一夫 |
代理人 | 小林 泰 |
代理人 | 千葉 昭男 |
代理人 | 富田 博行 |
代理人 | 田中 英夫 |