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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K
管理番号 1236360
審判番号 不服2010-4261  
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-02-26 
確定日 2011-05-06 
事件の表示 特願2004- 797「半導体装置と画像読取装置と画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 7月21日出願公開、特開2005-197381〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願は、平成16年1月6日の出願であって、平成21年4月13日付けで拒絶理由が通知され、同年6月16日付けで手続補正書及び意見書が提出されたが、同年12月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成22年2月26日付けで審判請求がなされるとともに手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本件出願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成22年2月26日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「【請求項1】
一方の面に長手方向に沿って収納凹部が形成された樹脂製の長尺状のパッケージと、前記収納凹部に収容される半導体素子と、前記収納凹部を塞ぐ透明な樹脂製のキャップと、前記半導体素子に接続されるとともに前記パッケージの両端面から外方へ突出した金属製の複数のリードと、前記パッケージの他方の面側に配置され且つ前記リードを介して前記パッケージが取り付けられる基板とを備えた半導体装置であって、
前記基板を前記パッケージより硬い材質で構成し、
前記パッケージの他方の面の長手方向の両端部と、その長手方向の中央部とを前記基板に接着固定したことを特徴とする半導体装置。」

第3 引用刊行物
(1)引用刊行物1
平成21年4月13日付けの拒絶理由で引用され、本件出願の出願日前に日本国内で頒布された刊行物である、特開平11-251468号公報(以下、「引用刊行物1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

(1-a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂からなり上面に収容凹部が設けられている不透明なパッケージと、前記収容凹部内に収容される半導体素子と、樹脂からなり前記収容凹部を塞ぐように前記パッケージ上面に固着される透明なキャップとを含む半導体装置であって、
前記キャップの厚さが0.5mm以下である半導体装置。
【請求項2】 ・・・(中略)・・・
前記キャップが、長手方向に対し実質的に垂直な方向に形成されている溝部を有する半導体装置。
【請求項3】 ・・・(中略)・・・
前記キャップには、前記収容凹部の外側に位置する突起が設けられており、該突起が前記パッケージ上面に接合されている半導体装置。
・・・(中略)・・・
【請求項5】 ・・・(中略)・・・
前記キャップが、前記収容凹部内の前記半導体素子と対向する位置の透明部と、前記透明部以外の位置の不透明部とからなる半導体装置。」(特許請求の範囲)

(1-b)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置、特にCCDチップを収容した半導体装置に関する。」(段落【0001】)

(1-c)「【0007】そこで本発明の目的は、パッケージおよびキャップが全て樹脂により形成されて製造コストが安く、しかもプリント基板に取り付けた際の反りが小さい半導体装置を提供することにある。」(段落【0007】)

(1-d)「【0018】図1に本発明の半導体装置の第1の実施形態を示している。この半導体装置の基本構成についてまず説明する。半導体素子は、収容凹部1aを有するパッケージ1と、収容凹部1a内に収容される半導体素子の一例であるCCDチップ(電荷結合素子)2と、CCDチップ2と接続され、パッケージ1の外方へ延出する複数の金属製のリード3と、パッケージ1の収容凹部形成面を塞ぐように接合されるキャップ5とから構成されている。このような半導体装置は、プリント基板4上に搭載されて、ファクシミリやコピー機の原稿読み取り用のセンサーなどに利用される。
【0019】・・・(中略)・・・特に、センサーなどの用途で用いられる半導体装置は、一般に細長い形状をしているため(半導体装置全体としては長手方向が幅方向の5倍程度、半導体素子は長手方向が幅方向の47倍もの長さを持つ場合がある)、長手方向に大きな反りを生じ易い。・・・(中略)・・・半導体装置のパッケージおよびキャップの材質としてセラミックやガラスを用いる場合、プリント基板と熱膨張係数が近いため大きな反りを生じにくいが、コスト高となる。」(段落【0018】-【0020】)

(1-e) 図1から、長尺状のパッケージ1の長手方向に沿って収容凹部1aが形成される点、リード3がパッケージ1の両端面から突出する点、及びリード3を介してプリント基板4にパッケージ1が取り付けられる点が看取される。

上記の(1-a)ないし(1-e)から、引用刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。

「一方の面に長手方向に沿って収容凹部1aが形成された樹脂製の長尺状のパッケージ1と、前記収容凹部1aに収容される半導体素子と、前記収容凹部1aを塞ぐ透明な樹脂製のキャップと、前記半導体素子に接続されるとともに前記パッケージ1の両端面から外方へ突出した金属製の複数のリード3と、前記パッケージ1の他方の面側に配置され且つ前記リード3を介して前記パッケージ1が取り付けられるプリント基板4とを備えた半導体装置。」

(2)引用刊行物2
平成21年4月13日付けの拒絶理由で引用され、本件出願の出願日前に日本国内で頒布された刊行物である、特開平10-112478号公報(以下、「引用刊行物2」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

(2-a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実装性に優れたボールグリッドアレイ(以下、BGAという)半導体装置及びその実装方法に関する。」(段落【0001】)

(2-b)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、はんだバンプをリフローする際の加熱により配線基板や封止樹脂が熱膨張する。しかしながら、配線基板と封止樹脂の熱膨張率が異なるため、BGAパッケージに反りが発生してしまう。・・・(中略)・・・
【0005】本発明は上記問題に鑑みて、BGAパッケージに発生する反りを抑制し、電気的接続が良好なBGA半導体装置の実装方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1乃至5に記載の発明においては、裏面にはんだバンプ(10)を有するボールグリッドアレイパッケージ(1)を、実装基板(2)に実装するBGA半導体装置の実装方法であって、BGAパッケージ(1)と実装基板(2)とを接合する接着剤(11)を形成して、この接着剤(11)によりBGAパッケージ(1)を固定して加熱処理を施し、はんだバンプ(10)をリフローすることを特徴とする。具体的には、例えば、請求項3に示すように接着剤(11)は、BGAパッケージ(1)の外周部と実装基板(2)とを接合するように形成したり、又は請求項4に示すようにBGAパッケージ(1)の少なくとも4角と実装基板(2)とを接合するように形成したりできる。
【0007】・・・(中略)・・・このときの加熱処理において、封止樹脂(7)及び配線基板(3)の熱膨張係数が相違するため、BGAパッケージ(1)に反りが発生しようとする。しかし、接合部材によりBGAパッケージ(1)と実装基板(2)を固定しているため、BGAパッケージ(1)に反りが発生しようとすると、それを抑制して発生しないようにできる。」(段落【0004】-【0007】)

(2-c)「【0011】
【発明の実施の形態】・・・(中略)・・・このBGAパッケージ1は公知の方法により形成され、図1に示すように、BGAパッケージ1には複数の回路配線を有する配線基板3上に複数の電極を有する半導体チップ4が搭載されており、・・・(中略)・・・そして、これらの電極8、9を対向させた状態でBGAパッケージ1は実装基板2の上に搭載されており、BGAパッケージ1と実装基板2の間にはこれらの電極8、9を電気的に接続するはんだバンプ10が配設されている。そして、このはんだバンプ10より外側にあるのは硬化した接着剤11であり、BGAパッケージ1と実装基板2に付着している。」(段落【0011】-【0012】)

(2-d)「【0030】・・・(中略)・・・
(他の実施形態)図2に示すように第1実施形態においては接着剤11をBGAパッケージの4角に塗布しているが、これは4角が最大の反りを発生する部分であるためであり、この他に例えば4辺のそれぞれに1箇所づつ接着剤11を塗布しても良いし、また、BGAパッケージ1の外周全てに接着剤11を塗布しても良い。また、接着剤11を、例えばBGAパッケージ1の中央部のうち、はんだバンプ10が形成されていない部分に塗布すればさらにBGAパッケージ1の反りを抑制することができる。」(段落【0030】)

上記の(2-a)ないし(2-d)から、引用刊行物2には次の技術的事項が記載されていると認める。

「半導体チップ4が搭載されたBGAパッケージ1を実装基板2に搭載した半導体装置であって、
BGAパッケージ1を実装基板2に接着剤11により固定して、反りを抑制した半導体装置。」

第4 対比
本願発明と引用発明とを対比する。

引用発明における「収容凹部1a」及び「プリント基板4」は、それぞれ本願発明における「収納凹部」及び「基板」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致する。

「一方の面に長手方向に沿って収納凹部が形成された樹脂製の長尺状のパッケージと、前記収納凹部に収容される半導体素子と、前記収納凹部を塞ぐ透明な樹脂製のキャップと、前記半導体素子に接続されるとともに前記パッケージの両端面から外方へ突出した金属製の複数のリードと、前記パッケージの他方の面側に配置され且つ前記リードを介して前記パッケージが取り付けられる基板とを備えた半導体装置。」

そして、本願発明と引用発明とは、以下の点で相違する。

<相違点>
本願発明では、基板をパッケージより硬い材質で構成し、パッケージの他方の面の長手方向の両端部と、その長手方向の中央部とを基板に接着固定しているのに対して、引用発明では、パッケージ1及びプリント基板4の硬さは不明であり、パッケージ1とプリント基板4とは固定されてはいるが、その具体的構成が不明である点(以下、「相違点」という。)。

第5 判断
そこで、相違点について、以下に検討する。

引用発明と引用刊行物2に記載された技術的事項とは、パッケージと基板とを接続した半導体装置における反りを抑制するという技術的課題が共通しているから、引用発明において半導体装置の反りを抑制すべく、引用刊行物2に記載された技術的事項を適用し、引用発明においてパッケージ1をプリント基板4に接着固定するようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
また、引用刊行物2には、上記記載事項(2-d)によれば、BGAパッケージ1と実装基板2との接着箇所として、BGAパッケージの4角や、BGAパッケージ1の中央部のうち、はんだバンプ10が形成されていない部分が示されている。そして、引用発明において引用刊行物2に記載された技術的事項を適用するに当たり、半導体装置における反りを効果的に抑制するように、パッケージ1とプリント基板4との接着箇所を、引用刊行物2のBGAパッケージ1の角の部分のように、パッケージ1の端の部分である、パッケージ1の他方の面の長手方向の両端部と、引用刊行物2のBGAパッケージ1の中央部のように、パッケージ1の中央付近の部分である、パッケージ1の長手方向の中央部とすることは、当業者が適宜なし得た設計的事項である。
さらに、下記周知文献1及び2に示されるように、半導体部品が搭載される基板をガラスエポキシ系の硬質基板とすることは、本件出願の出願日前に周知の技術(以下、「周知技術」という。)である。そして、引用発明において引用刊行物2に記載された技術的事項を適用するに当たり、引用発明におけるプリント基板4がパッケージ1よりも軟らかい場合には、反りを抑制する効果を十分に発揮し得ないことは当業者であれば予測し得たことであるから、周知技術を参酌して、プリント基板4をパッケージ1より硬い材質で構成することは、当業者が適宜なし得た設計的事項である。

・周知文献1;特開平7-226524号公報
「【請求項1】 被写体からの光を受けて、光電変換信号を出力する光電変換素子と、
外部と電気的に接続可能な基板と、
この基板上の配線と上記光電変換素子とを電気的に接続する電気的接続手段と、
上記光電変換素子の受光面上に配置される光透過性の光学的窓部材と、
上記光電変換素子と上記光学的窓部材とを固着させるための樹脂部材と、を具備することを特徴とする光電変換装置。」(請求項1)
「【0011】本実施例では、ガラスエポキシ系の材料で製作された硬質基板10を用いる。この硬質基板10上には、センサチップ11を実装する領域が設けられ、その近傍の基板上には、該センサチップ11の各端子(電極)とワイヤボンディングで接続される複数の電極10aが配置される。」(段落【0011】)
「【0013】また、上記センサチップ11上には、図示していないが、フォトダイオードアレイが受光部として形成され、該センサチップ11上に光学的に導かれる光が入射する位置に低融点のガラス13が光学的窓部材として配置される。」(段落【0013】)
「【0036】(2)上記光電変換素子は、固体撮像素子、半導体位置検出素子、フォトダイオード、フォトトランジスタ、CCDラインセンサ、MOSラインセンサ、CCDイメージセンサ又はMOSイメージセンサのいずれかである上記(1)に記載の光電変換装置である。」(段落【0036】)

・周知文献2;特開平8-139367号公報
「【0004】光半導体装置111は、ガラスエポキシなどによって形成される硬質基板100とカバー104とを含んで構成される。硬質基板100には、半導体装置111を他の部材に固定するための取付穴105が硬質基板100の4隅に設けられ、また一方表面100aには所定の配線パターン109が形成される。硬質基板100の一方表面100aにはLEDチップ101が、硬質基板100の一方表面100aの中央部または任意の位置で、かつ配線パターン109上に導電性ペースト110によって実装される。」(段落【0004】)

以上のとおり、引用発明、引用刊行物2に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。

そして、本願発明を全体としてみても、本願発明のようにしたことにより奏するとされる効果は、引用発明、引用刊行物2に記載された技術的事項、及び周知技術からみて格別のものともいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用刊行物2に記載された技術的事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件出願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-03-02 
結審通知日 2011-03-08 
審決日 2011-03-22 
出願番号 特願2004-797(P2004-797)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中尾 麗  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 田村 耕作
川端 修
発明の名称 半導体装置と画像読取装置と画像形成装置  
代理人 西脇 民雄  
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