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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G08G
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G08G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G08G
管理番号 1237339
審判番号 不服2010-10616  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-05-19 
確定日 2011-05-16 
事件の表示 特願2005-196182「車両検知装置と車両検知方法と駐車場とその駐車管理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 1月25日出願公開、特開2007- 18060〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成17年7月5日の出願であって、平成22年2月24日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月19日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付で特許請求の範囲についての補正がなされたものである。

2.平成22年5月19日付の手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願の発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「車両を検知する車両検知装置であって、
上方にある物体の存在を検知する検知部を車両の右車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され前記検知部が車輪を検知すると検知信号を出力する複数の右側センサと、
上方にある物体の存在を検知する検知部を車両の左車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され前記検知部が車輪を検知すると検知信号を出力する複数の左側センサと、
車輪が乗り越え可能である上面に前記検知部を配置する様に前記右側センサを内蔵する部材である右側乗り越え部材と、
車輪が乗り越え可能である上面に前記検知部を配置する様に前記左側センサを内蔵する部材である左側乗り越え部材と、
を備え、
前記右側乗り越え部材が複数の右側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵し、
前記左側乗り越え部材が複数の左側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵し、
前記右側乗り換え部材または前記左側乗り換え部材が車両の走行方向に交差する方向に沿って水平に見て上に凸の形状の前記上面と車両の走行する通路の表面に固定される下面とを持ち車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である、
ことを特徴とする車両検知装置。」
と補正された。

上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「乗り越え部材(なお、同項には「乗り換え部材」と記載されているが、これは「乗り越え部材」の明らかな誤記と認められるので「乗り越え部材」を示すものとして判断する。以下同様)」の「上面」について「右側乗り越え部材または左側乗り越え部材」が「車両の走行方向に交差する方向に沿って水平に見て上に凸の形状」であるとの構成と、「乗り越え部材」について「右側乗り越え部材または左側乗り越え部材」が「車両の走行する通路の表面に固定される下面」を持つとともに、「車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である」との構成を付加するものである。

(2)補正の適否
願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の記載を見ても段落【0034】等に「左側乗り越え部材22bは、左側センサ21bを内蔵する点を除き、右側乗り越え部材22aと同じなので、説明を省略する。」との記載は認められるものの、「右側乗り越え部材“または”左側乗り越え部材」との記載、すなわち、何れか一方のみが「車両の走行方向に交差する方向に沿って水平に見て上に凸の形状」であるとか、何れか一方のみが「車両の走行する通路の表面に固定される下面」を持つとともに、「車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である」という構成に関しては何ら記載されておらず、かつ、示唆もされていない。
なお、段落【0051】、【0052】には「右側センサまたは左側センサ」という記載のあることが認められるものの、これは、各乗り越え部材の内部に設けられるセンサに関するものであって、乗り越え部材に関するものではない。
そして、上記補正により加わった箇所以外の請求項の記載では、右側乗り越え部材と左側乗り越え部材の各構成については、それぞれを別々に特定しており、本件補正における「右側乗り越え部材または左側乗り越え部材」の「または」という記載が明らかな誤記であるということもできない。

そうすると、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものと認めることができない。
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、単に「改正前の特許法」という。)第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

(3)なお、仮に本件補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであって、改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものとした場合についても検討する。
すなわち、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(4)引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された特開昭62-183000号公報(以下「引用文献」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
・「本発明は、有料道路および有料駐車場等の無人化システムに利用される車種判別装置に係わり、特に抵抗接点方式軸輪検知器の改良に関する。」(1頁左下欄19行?右下欄1行)
・「第4図は上記軸輪検知器14の構造図である。同図において21,22は第5図(a)に示す如く上部平型接点体23と、等間隔で水平位置に配設された下部接点体24と、これら下部接点体24間に配設された同一抵抗値のソリッド抵抗25とから構成されている。そして、……形成され、車両が抵抗接点21,22上を通過すると、……をもって輪数および輪距の計測を行なうものとなっている。」(2頁右上欄2?16行)
・「ここで、上記軸輪検知器14の動作原理を第6図を参照しながら説明する。第6図において31および32は抵抗接点21,22の上部接点体23を示しており、33および34は抵抗接点21,22のソリッド抵抗25を含む下部接点体24を示している。また、上記抵抗接点21,22はそれぞれa1,b1,c1およびa2,b2,c2の端子を有しており、これらのうち端子a1,a2は上部接点体31,32の片側に接続され、接点c1,c2は抵抗体33,34の他方の端部にそれぞれ接続されている。
今、輪距がLなる長さを有し、タイヤ幅lなる車輪Aを装着した車両が軸輪検知器14上に差しかかり、抵抗接点21,22を踏圧したとする。ここで、上記抵抗接点21は一車線分の幅の車両通過路Wの中央より左側に配設され、抵抗接点22は右側に配置されているので、車両の左側車輪は抵抗接点21を踏圧し、右側車輪は抵抗接点22を踏圧する。そうすると、抵抗接点21では上部接点体31の踏圧を受けた部分が下方に変形し、下部の抵抗体33に接触する。また、同様に抵抗接点22では、上部接点体32の踏圧を受けた部分が下方に変形し、下部の抵抗体34に接触する。この場合、抵抗体33側ではタイヤ幅lの対応幅で中央に接触部分が生じ(抵抗値r2)、両端には非接触部分が生じる(抵抗値r1,r3)。一方、抵抗体34側でもタイヤ幅lの対応幅で中央に接触部分が生じ(抵抗値r5)、両端には非接触部分が生じる(抵抗値r4,r6)。そうすると、……を判別できる。
一方、抵抗接点21,22の端子a1,b1およびa2,b2それぞれの区間の抵抗値は、抵抗接点21側では上部接点体31に接触しない左側部分の抵抗値r1を示し、抵抗接点22側では上部接点32に接触しない右側部分の抵抗値r6を示すことになる。前述したように,抵抗接点21,22の車両通路側Wの路面上における配置位置は、路面の横断方向に沿って中央よりそれぞれ左右路肩方向へ伸びる所定位置である。したがって、a1,b1端子間の抵抗値とa2,b2端子間の抵抗値とを加えた値は、車両の輪距に密接な関係を示す値となる。かくして、上記軸輪検知器14により通過車両の軸数および輪距の測定が可能となる。」(2頁左下欄6行?3頁右上欄5行目)

また、第4?6図によれば、「車両の左車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され車輪を検知すると検知信号r1を出力する左側の複数の抵抗接点21と車両の右車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され車輪を検知すると検知信号r6を出力する右側の複数の抵抗接点22」および、「車輪が乗り越え可能である上面右方に複数の抵抗接点22を配置する様に前記複数の抵抗接点22を内蔵し、車輪が乗り越え可能である上面左方に左側の複数の抵抗接点21を配置する様に前記左側の複数の抵抗接点21を内蔵する部材である軸輪検知器14」が示されている。
更に、第3図を参照すれば、軸輪検知器14が、車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材であることが認められる。

これらの記載事項及び図示内容を総合すると、引用文献には、次の事項からなる発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「車両の輪距を測定する車種判別装置であって、
車輪Aが踏圧すると上部接点体23が下方に変形して下部接点体24に接触して抵抗値の変化を測定する抵抗接点を、車両の右車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され車輪を検知すると検知信号r6を出力する右側の複数の抵抗接点22と、
車輪Aが踏圧すると上部接点体23が下方に変形して下部接点体24に接触して抵抗値の変化を測定する抵抗接点を、車両の左車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され車輪を検知すると検知信号r1を出力する左側の複数の抵抗接点21と、
車輪が乗り越え可能である上面右方に複数の抵抗接点22を配置する様に前記複数の抵抗接点22を内蔵し、車輪が乗り越え可能である上面左方に左側の複数の抵抗接点21を配置する様に前記左側の複数の抵抗接点21を内蔵する部材である軸輪検知器14と、
を備え、
前記軸輪検知器14が、右側の複数の抵抗接点22を車両の走行方向に交差した方向に沿って配置される様に内蔵するとともに、左側の複数の抵抗接点21を車両の走行方向に交差した方向に沿って配置される様に内蔵し、
前記軸輪検知器14が、車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である、
車種判別装置。」

(5)対比
本件補正発明と引用発明とを対比すると、後者の「車種判別装置」は輪距を測定して車種を判別しており、これは前者の「車輪を検知」するセンサにより車両を検知する装置と同じ働きをしていることから、後者の「車両の輪距を測定」は前者の「車両を検知」に相当し、同様に後者の「車種判別装置」は前者の「車両検知装置」に相当するということができる。
また、後者の「車輪Aが踏圧すると上部接点体23が下方に変形して下部接点体24に接触して抵抗値の変化を測定する抵抗接点」は、踏圧によってその上方に車輪Aが存在することを検知しているといえるので、前者の「上方にある物体の存在を検知する検知部」に相当し、後者の「検知信号r6を出力する右側の複数の抵抗接点22」は前者の「検知信号を出力する複数の右側センサ」に相当し、後者の「検知信号r1を出力する左側の複数の抵抗接点21」は前者の「検知信号を出力する複数の左側センサ」に相当する。
また、後者の「軸輪検知器14」は、その上に車輪が乗ることで変化する抵抗値を検出して車両を判別する抵抗接点を内蔵していることからみて、前者の、センサを内蔵する部材である「乗り越え部材」に相当するものといえるので、後者の「車輪が乗り越え可能である上面右方に複数の抵抗接点22を配置する様に複数の抵抗接点22を内蔵し、車輪が乗り越え可能である上面左方に左側の複数の抵抗接点21を配置する様に左側の複数の抵抗接点21を内蔵する部材である軸輪検知器14」と前者の「車輪が乗り越え可能である上面に検知部を配置する様に右側センサを内蔵する部材である右側乗り越え部材と、車輪が乗り越え可能である上面に検知部を配置する様に左側センサを内蔵する部材である左側乗り越え部材」とは、「車輪が乗り越え可能である上面に検知部を配置する様に右側センサ及び左側センサを内蔵する部材である乗り越え部材」との概念で共通する。
さらに、後者の「軸輪検知器14が、右側の複数の抵抗接点22を車両の走行方向に交差した方向に沿って配置される様に内蔵するとともに、左側の複数の抵抗接点21を車両の走行方向に交差した方向に沿って配置される様に内蔵」した態様と、前者の「右側乗り越え部材が複数の右側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵し、左側乗り越え部材が複数の左側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵」した態様とは、「乗り越え部材が複数の右側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵するとともに、複数の左側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵」したとの概念で共通する。
また、後者の「軸輪検知器14が、車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である」態様と、前者の「右側乗り越え部材または左側乗り越え部材が車両の走行方向に交差する方向に沿って水平に見て上に凸の形状の前記上面と車両の走行する通路の表面に固定される下面とを持ち車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である」態様とは、「乗り越え部材が車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である」との概念で共通する。

したがって両者は、
[一致点]
「車両を検知する車両検知装置であって、
上方にある物体の存在を検知する検知部を車両の右車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され前記検知部が車輪を検知すると検知信号を出力する複数の右側センサと、
上方にある物体の存在を検知する検知部を車両の左車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され前記検知部が車輪を検知すると検知信号を出力する複数の左側センサと、
車輪が乗り越え可能である上面に検知部を配置する様に前記右側センサ及び前記左側センサを内蔵する部材である乗り越え部材と、
を備え、
前記乗り越え部材が複数の右側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵するとともに、複数の左側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵し、
前記乗り越え部材が車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である、
車両検知装置。」である点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
「車輪が乗り越え可能である上面に検知部を配置する様に前記右側センサ及び前記左側センサを内蔵する部材である乗り越え部材」に関して、本件補正発明では、「車輪が乗り越え可能である上面に検知部を配置する様に右側センサを内蔵する部材である右側乗り越え部材と、車輪が乗り越え可能である上面に検知部を配置する様に左側センサを内蔵する部材である左側乗り越え部材」すなわち、右側乗り越え部材と左側乗り越え部材からなるのに対して、引用発明では、「1つ」の「軸輪検知器」である点。

[相違点2]
「乗り越え部材が複数の右側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵するとともに、複数の左側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵」した態様に関して、本件補正発明では、「右側乗り越え部材が複数の右側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵し、左側乗り越え部材が複数の左側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵」した態様であるのに対して、引用発明では、「軸輪検知器14が、右側の複数の抵抗接点22を車両の走行方向に交差した方向に沿って配置される様に内蔵するとともに、左側の複数の抵抗接点21を車両の走行方向に交差した方向に沿って配置される様に内蔵」した態様である点。

[相違点3]
「乗り越え部材が車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である」態様に関し、本件補正発明では、右側乗り換え部材または左側乗り換え部材が「車両の走行方向に交差する方向に沿って水平に見て上に凸の形状の上面と車両の走行する通路の表面に固定される下面とを持ち」車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材であるのに対し、引用発明では、そのような特定がされていない点。

(6)相違点に対する判断
[相違点1及び2]について
引用文献の第6図に示されるように、抵抗接点21及び22は夫々独立して車輪を検出しており、上方にある物体の存在を検知する点においては、引用文献において、走行方向に交差する方向に重複する部分があるとしても、抵抗接点21及び22を別々の軸輪検知器としても機能に相違は生じないので、別部品とすることは任意であり、かつ車両検知装置においては右側検出器と左側検出器を分離した構成とすることは周知技術(例.特開平7-85399号公報(段落【0006】「駐車場センサー装置10は、それぞれ支軸2を各進入路13の車輌走行方向と直交方向に位置させ互いに一直線状配置で、車輌の左右の車輪に対応させるべく左右一対を隣接平行配置する。」との記載、及び図1の駐車場センサー装置10の配置参照。),特開平9-62982号公報(図2の感圧センサ8の配置参照))であるから、この点の相違は必要に応じて適宜設計し得る事項と認めざるを得ない。

[相違点3]について
車両検知装置において、センサを「車両の走行方向に交差する方向に沿って水平に見て上に凸の形状の上面と車両の走行する通路の表面に固定される下面とを持」つ構成とすることは、敷設を簡単にするための手段として周知の手段(例.特開2004-295513号公報(段落【0006】の「ループコイルを極めて簡単に、且つ、安定した状態に敷設できるように工夫した」との記載及び図3,4参照。),特開2003-296876号公報(段落【0040】「路面上に載置可能とされているので、任意の位置に移動可能とされ、……安価に提供できる。」との記載及び図6,7参照。),特開平6-176294号公報(段落【0004】「設置工事が不要であり、設置作業も簡単で、」との記載、及び図1,3,4参照。))であるから、引用発明において、敷設を簡単にするという周知の課題の下に上記周知の手段を採用することで相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことと認められる。

また、本件補正発明の全体構成により奏される効果は、引用発明、上記周知技術及び上記周知の手段から予測し得る程度のものと認められる。
したがって、本件補正発明は、引用発明、上記周知技術及び上記周知の手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるので特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(7)むすび
したがって、本件補正は、仮に願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであって、改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものとしても、改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下を免れない。

3.本願発明について
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成22年1月13日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「車両を検知する車両検知装置であって、
上方にある物体の存在を検知する検知部を車両の右車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され前記検知部が車輪を検知すると検知信号を出力する複数の右側センサと、
上方にある物体の存在を検知する検知部を車両の左車輪が通過する領域に車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置され前記検知部が車輪を検知すると検知信号を出力する複数の左側センサと、
車輪が乗り越え可能である上面に前記検知部を配置する様に前記右側センサを内蔵する部材である右側乗り越え部材と、
車輪が乗り越え可能である上面に前記検知部を配置する様に前記左側センサを内蔵する部材である左側乗り越え部材と、
を備え、
前記右側乗り越え部材が複数の右側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵し、
前記左側乗り越え部材が複数の左側センサを車両の走行方向に交差した方向に沿って所定の間隔で配置される様に内蔵する、
ことを特徴とする車両検知装置。」

(1)引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献及びその記載事項は、前記「2.(4)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、上記したとおりであって、前記「2.」で検討した本件補正発明から「乗り越え部材の「上面」について「右側乗り越え部材または左側乗り越え部材」が「車両の走行方向に交差する方向に沿って水平に見て上に凸の形状」であるとの限定と、「乗り越え部材」について「右側乗り越え部材または左側乗り越え部材」が「車両の走行する通路の表面に固定される下面」を持つとともに、「車両の走行方向に交差する方向に沿って長い長手部材である」との限定を省いたものである。
そうすると、本願発明と引用発明とを対比した際の相違点は、前記「2.(5)」で挙げた相違点のうち、相違点1及び2のみとなる。
したがって、前記「2.(6)」での検討内容を踏まえれば、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-03-10 
結審通知日 2011-03-15 
審決日 2011-03-29 
出願番号 特願2005-196182(P2005-196182)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G08G)
P 1 8・ 561- Z (G08G)
P 1 8・ 575- Z (G08G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平城 俊雅  
特許庁審判長 田良島 潔
特許庁審判官 冨江 耕太郎
堀川 一郎
発明の名称 車両検知装置と車両検知方法と駐車場とその駐車管理方法  
代理人 小塚 敏紀  
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