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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01B |
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管理番号 | 1237863 |
審判番号 | 不服2009-20312 |
総通号数 | 139 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-10-21 |
確定日 | 2011-06-28 |
事件の表示 | 特願2008-102714「電子顕微鏡を用いた試料の寸法の測定方法」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 8月14日出願公開、特開2008-185595、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成20年 4月10日(遡及出願平成10年12月17日パリ条約による優先権主張 1997年12月19日 (US)アメリカ合衆国 1998年11月 2日 (US)アメリカ合衆国)の出願であって、その請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 すなわち、原査定の拒絶理由に引用された、引用文献1(特開平7-176285号公報)、引用文献2(特開平4-269613号公報)及び引用文献3(特開昭51-23065号公報)のいずれにも、本願の請求項1に係る発明を特定する事項である、 「前記フォーカシングレンズに供給される各励磁電流により変化された焦点位置における前記試料の特徴構造の寸法データを測定し、 この測定により得られる寸法データの変化を示す変動量が所定値以下となる寸法データを、前記試料の特徴構造の寸法として決定する」試料の寸法の測定方法が、記載されていない。 引用文献1の「走査電子顕微鏡の自動焦点合わせ装置」の発明は、焦点合わせにおいて、二次電子信号強度から焦点評価値を計算するものであるが、試料の特徴構造の寸法データを用いるものではない。 引用文献2の「荷電ビームの焦点合わせ方法」の発明は、試料に照射する二次電子信号の傾きが最も急峻になるように焦点距離を決定する焦点合わせの方法であるが、試料の特徴構造の寸法データを用いるものではない。 引用文献3の「電子線装置におけるフォーカス状況検知方法」の発明は、写真フィルムに対して電子銃のフォーカスを合わせる方法であって、試料に対してフォーカスを合わせる発明ではない。また、フォーカスを合わせる方法としては、「又両信号が略等しいときはフォーカスが合っていると判断でき、操作は停止される。」(第3ページ左下欄8?9行)との記載に見られるように、電子レンズへの励磁を変化させ、パターンの線状領域を直角に横切るように走査された時の信号の変化が一定以下となったときにフォーカスが合っていると判断する方法が開示されているが、この方法で検出される信号は、パターン21の線状領域の幅に対応するものであって、試料の特徴構造の寸法データに対応するものではない。 また、仮に、引用文献3に記載されている発明を、引用文献1又は引用文献2に記載されている発明に適用する場合、引用文献3のパターンを用いたフォーカスを合わせる技術は、引用文献1又は引用文献2に記載されている発明の焦点合わせの手法に対して適用されることは、明らかである。 してみれば、引用文献1又は引用文献2に引用文献3を組み合わせた発明ができたとしても、それは、引用文献1又は引用文献2の発明の焦点合わせの手法がパターンの線状領域を用いて焦点合わせをおこなう方法となることにとどまるものであり、本願の請求項1に係る発明のように、試料の特徴構造の寸法データを測定し、該寸法データの変化を示す変動量が所定値以下となる寸法データを、試料の特徴構造の寸法として決定するものとは、ならない。 そして、本願の請求項1に係る発明は、「寸法データの変化を示す変動量が所定値以下となる寸法データを、前記試料の特徴構造の寸法として決定する」構成により、「オートフォーカスの失敗の影響を除去でき、試料の特徴構造の寸法を正確に測定し得る電子顕微鏡を用いた試料の寸法の測定方法を提供できる」(【0011】)という効果を奏するものである。 したがって、本願の請求項1に係る発明は、原査定の拒絶理由に引用された文献に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明し得たものであるとはいえない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2011-06-15 |
出願番号 | 特願2008-102714(P2008-102714) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G01B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大和田 有軌 |
特許庁審判長 |
下中 義之 |
特許庁審判官 |
松浦 久夫 森 雅之 |
発明の名称 | 電子顕微鏡を用いた試料の寸法の測定方法 |
代理人 | 山下 元 |
代理人 | 福原 淑弘 |
代理人 | 岡田 貴志 |
代理人 | 勝村 紘 |
代理人 | 白根 俊郎 |
代理人 | 河野 直樹 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 市原 卓三 |
代理人 | 野河 信久 |
代理人 | 河井 将次 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 堀内 美保子 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 峰 隆司 |
代理人 | 竹内 将訓 |
代理人 | 砂川 克 |
代理人 | 幸長 保次郎 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 佐藤 立志 |